森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.08.17
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カテゴリ: 感情の法則
私たちにはうれしい、楽しい、ワクワクする、気持ちがよいという感情があります。
また、不安である。腹が立つ、悔しい、悲しい、恥ずかしい、嫉妬心等の感情もあります。
これらの様々な感情がランダムに次から次へと湧き起ってきます。
森田理論で学習しているように、本来はその時々に湧きあがってくる感情に身をゆだねて、その時の感情そのものになって生きてゆけばよいのだと思います。
それがはからいのない自然な生き方となります。

ところが、普通は不安、腹が立つ、悔しい、悲しい、恥ずかしい、嫉妬心等の感情はネガティブ、不快な感情としてない方がよい、存在してはならないものと考えています。
でも次から次へと湧き起ってきて、いつもそれらと闘って敗北しているような状態です。
苦しいので、なんとか解消するために次のようなさまざまな手段をとります。

1、 抑圧。不安や葛藤の原因となる欲求や動機を無意識の領域に押しやろうとする。



3、 転移。お父さんからいつも叱られていると、そのストレスを学校に行って弱い子をいじめて発散しようとする。

4、 反動形成 本当はある異性が好きなんだけれども、行動としては意地悪ばっかりをしてしまう。

5、 否認。受け入れられなくなると、そんな事実はなかったのだと否定する。

6、 合理化。どうしても欲しいものをたいしたものではないと思いこもうとする。
自分の持っているものを本当の価値よりも数段価値があるように思いこませようとする。

7、 逃避。事実を観察することをしないで、すぐに回避しようとする。

8、 補償。つらいことが目をそらして、自分の好きなことをすることで苦しみを回避しようとする。

9、 知性化。失恋したとき理性であきらめるように納得させようとする。

10、 攻撃。相手を攻撃することで、不安等を解消させようとすること。

これらはすべてはからいです。はからいは不安や恐怖等を解消するものではなく、どんどん増悪していくものだということは、森田理論学習で学習した通りです。
私たちはなぜあるがままの感情をよい感情とか悪い感情とかに区分けをしてしまうのでしょうか。

親だけではなく学校でも、社会においてもそういう方向で教育されて、自分たちの思考パターンとしてしっかりと固定されてしまっています。

親は子供に対して、子供の不快な感情を受け入れて受容しようとしていない。
不快な感情に対して、叱ったり、非難したり、否定したりしている。
すると子どもは、不快な感情を親の前で出してはいけないのだと受け取ってしまう。
不安である。腹が立つ、悔しい、悲しい、恥ずかしい、嫉妬心等は表面上隠してしまう。

自分の気持ちを偽っているのである。
これは不快な感情を乖離させて表面上取り繕っているのです。
でも無意識の部分では不平不満、ストレスはどんどんと蓄積されている。
精神的に大変不健康な状態なのです。
それが何かのきっかけで火山の噴火のように出てしまうのである。

次にどうして悪い感情を抑圧したり、排除しようとするのでしょうか。
これは不安や恐怖があると自分が押しつぶされてしまう。
なにもできなくなってダメになってしまう。
怒りがあって腹を立てると、人間関係が壊れてしまう。暴力を振るうようになるかもしれない。
そうなると社会から排除されて生きていけなくなってしまう。
悲しみに打ちひしがれてしまうと、生きる力がなくなってしまう。
人に顔向けのできないような失態をしてしまうと、みんなから無能力者とみなされて、日蔭者としてしか生きていく道がなくなってしまう。

実際にそうなったわけではないのですが、頭の中で勝手に悪い方に想像し、考えていることは絶対に間違いないと思っている。
事実を重視しないで、観念遊びをしているようなものなのです。
その結果、ネガティブ、不快な感情を抑えつけたり、無くしてしまおうとする。
その行為は計り知れない悪影響をもたらしていることに後で気づかされることになるのです。





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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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