森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.01.10
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私は講話を頼まれるたびに対人恐怖症は克服しましたと言っている。
それでは人の思惑が気にならなくなって、どんなことがあっても不安や不快感が無くなったのですかと聞かれることがある。
そんなことはありません。そんなことはあり得ないことだと思います。
人に悪く言われれば、不安な気持ちになります。
そんな機会は症状に陥る前よりも増えたかもしれませんと言います。
すると、それは治っていないのではありませんか。
はったりをかませてかっこいいことを言っているのではないのですかと言われることがある。
その方と私の思っている神経症の治り方のイメージがくい違っているのだと思った。
そこのところを理路整然と説明できないと説得力に欠けると感じました。


私が神経症が治ったと言っているのは4つある。
1、 以前は対人恐怖があるために逃げてばかりいた。
仕事からも逃げてさぼってばかりだったし、苦手な人には意識的に近づかないようにしていた。
今は対人恐怖を抱えたまま必要に応じて、やるべきことはイヤイヤながらでも行っている。
馬が合わないなと思っても、必要最低限な付き合いはしている。
これは大きな変化である。それをもって治ったと言っている。

2、 次に私は「かくあるべし」思考方法をとっていた。
人から後指をさされるような人間なってはいけない。
常に他人から賞賛を浴びるような人間であらねばならない。等である。
価値観の多くが対人的なところに集約されて、理想的な人間像を持って、そうでない自分、そしてそうでない他人を嫌悪し、否定していた。
今ではどうか。人からよい評価をされたい。馬鹿にされたくない。等という気持ちは依然として強い。

他人も否定することが少なくなった。
「かくあるべし」的思考方法をとることは今でもよくあるが、「ちょっと待て」その考えたかは思想の矛盾に陥っていないか反省できるようになった。
しだいに上から下目線で現実の自分、現実の他人を見て批判したり馬鹿にすることは少なくなった。
そして今現在の自分、今現在の他人に寄り添うことができるようになった。
さらにそういう現実の自分や他人をよく観察できるようになった。

前向きに建設的に生きていくことができるようになった。
これは自分ながら大きく変わってきたところだと思う。

3、 現実、状況、事実をよく観察するようになるとともに、その事実に対してすぐに是非善悪の価値判断を持ち込まなくなった。
いい悪い。正しい間違い。幸不幸。快不快。好き嫌い。等の価値判断をしだすと、ちょっと待てよ。
その前にもっと事実を見つめてみようよと引き戻れることができるようになった。
うまくいかないこともあるが、自己内省ができるように改善されてきた。
価値判断をしなくなり、より深く事実の確認の方に目をむけることができるようになった。
理不尽な出来事、仕打ちがあっても価値判断しないで、事実からその原因に思いを巡らせていると怒りの感情、恨みの感情がほとんど湧かなくなってきた。

4、 以前は生きることがつらい。死んだ方がよほど楽になると考えていた。
今は反対だ。何よりも生きていることが楽しい。
やることなすこと、考えることすべてに意味があると思えるようになった。
これは「生の欲望の発揮」に向かって邁進することができるようなったからだと思う。
こうして毎日充実した生活を送ることに対して感謝できるようになった。

以上を持って私は対人恐怖症を克服したのだと高らかに宣言したいと思うのである。






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Last updated  2016.01.10 06:57:55
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通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
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