森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.09.21
XML
カテゴリ: 行動のポイント
作曲家の久石譲さんはピアノの演奏家でもある。
久石さんは、ステージに立つ前に毎回同じ行動をとられるという。

午後3時ぐらいからゲネプロ(本番と同じ手順で終わる舞台稽古)が2時間ぐらいで終わる。
それから軽く食べて、45分ほど仮眠をとる。
起きたら身なりを整え、舞台衣装を着る。
ここまで用意できると本番の15分前だ。
手伝いの人に控室を出てもらい一人になる。

テーブルの上にタオルを敷いて、その上で鍵盤をイメージしながら手を動かしてハノンとかをやって、指を温める。
本番直前にピアノを弾くと、いいことがない。

それでピアノがあってもなくても、タオルの上でイメージトレーニングをしている。

その後、控室の大きな鏡の前で全身を映し出してチェックしてから、鏡のなかの自分を力づける。
今まで味わった最大のプレッシャーの場面を、瞬間的にいくつも思い浮かべる。
そして「いままで全部乗り切ったじゃないか」と考えて、成功をイメージする。
最後に「お前の音楽は世界一だ。それを演奏するお前は世界一だ。行ってこい」と気合を入れて、控室を出る。

本番前はいつも緊張するし、プレッシャーも感じる。緊張もプレッシャーも感じないということはあり得ない。
私たち神経質者は緊張やプレッシャーを感じると、イライラして不快になる。
そんな気持ちで舞台に上がると聴衆を感動させることなどあり得ないと考える。
失敗して恥をかくことになるかもしれないと恐怖感でいっぱいになる。

だからそんなことから逃げてしまう。
緊張やプレッシャーは、演奏会を成功させたいという欲望がある限り自然に出てくるものであり、どうにもならないものである。

本末転倒というのはこのことだ。

ピアノの演奏家というのは本番前の数日間は1日10時間も練習するという。
最終的には暗譜で30分以上も弾き続けることも可能になる。
練習で120%の出来に仕上げていくのだろう。
あとは本番で緊張やプレッシャーに打ち勝ち、練習通りの成果を出すことだけだ。


それを乗り越えるには演奏会の前にいつも行っている儀式、ルーティンの行動を淡々とこなしていくことが有効なのだと思う。
大リーグのイチロー選手、フィギアスケートの羽生結弦選手も全く同じことを繰り返していた。

私もこれを参考にして、老人ホームの慰問で楽器演奏するときはルーティンを確立したい。
もっとも私の場合は演奏技術が未熟で、練習が少なすぎて、練習の段階で完璧に演奏するということを乗り越えていないということが問題かもしれない。お恥ずかしい限りである。
(感動を作れますか 久石譲 角川書店 131ページより引用)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016.09.21 06:54:02
コメント(0) | コメントを書く
[行動のポイント] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

大阪公立大学公開講… New! へこきもとさん

誰にも全く同じ気持… 楽天星no1さん

心食動操 メルトスライム25さん
神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

森田生涯 @ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) 通りすがりさんへ コメントありがとうご…
通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: