森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.09.22
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対人恐怖症で悩んでおられる方は多いと思う。かくいう私もそうである。
小さいころから人が恐ろしくて怯えながら生きてきたのである。
恐ろしいのは仕方がないといても、どうしても人と関わりを持たないと生きていくことができない。

そんな時に森田を知り、その後30年にわたり森田理論学習を続けてきた。
森田理論学習では、人が恐ろしいのは仕方がない。
それを否定しないで、ビクビクハラハラしながらでも最低限の仕事上、親戚や友人等とのつきあいをすればよい。
また現実を無視して「かくあるべし」で自分や他人をコントロールしようとすると葛藤が深まり苦しくなっていく。
いつもしっかりと事実、現実、現状に軸足をおいて、事実本位に生活していくことを学んだ。
それをもとにして実践、実行に取り組んできた。


さらに森田以外にもとても役に立ったと思えるものがあることに気がついた。
それは「愛着障害」「愛着スタイル」の学習であった。
愛着障害はこのブログでも過去に何回も投稿してきた。
愛着の形成は、簡単に言うと、0歳から3歳までの特に母親との触れ合いによって獲得される。
特に生後6ケ月から1年6カ月の間の母親との触れ合いがとても大事である。
3歳を過ぎると思ったほどの効果は上がらないといわれている。

母親が近くにいて子どもとのスキンシップを十分にとる。
そして子どもが求めたときは、すぐに応答できる人間関係が大切である。
そのうち子どもは少しずつ母親から離れていくが、ストレスや不安を感じたときは、母親という「安全基地」にいつでも戻ってこられて、抱っこしてもらって安全を確保して安心を得ることが大切である。

しかし何らかの事情によって、愛着の形成がうまく乗り越えられない場合がある。
たとえば、この間母親の仕事の関係で、早くから保育園等に預けられた。

また母親が家にいても虐待、過干渉、過保護などで育てられると、愛着の形成は不完全となる。

愛着障害はその後生育するにつれて、見捨てられ不安、過度に人の思惑を気にする等で生きづらさを露呈させる。
つまり我々が苦しんでいる対人恐怖症の温床となるのである。

日本の「愛着障害」研究の第一人者は岡田尊司氏である。
「愛着障害」(光文社新書)という本に「愛着スタイル診断テスト」がある。

これをやってみたところ、私の場合、きわめて大きな「愛着障害」を抱えていることが分かった。

岡田氏は「愛着障害」を抱えている人は、いきなり認知行動療法等の心理療法などをおこなっても効果がないばかりか、かえって悪化することもあるといわれる。
森田療法も同様であるかもしれない。
「愛着障害」の改善に向けての治療法がまず先にこないと、闇夜に鉄砲を放つようなものだといわれる。
子ども時代をやり直すことは不可能であるので、「愛着障害」の克服は不可能ではないのかという疑問がある。
しかし岡田氏は、それは違うといわれている。
子どもの時の「愛着障害」は大人になっても修復可能であるとしてその方法をいろいろと提案されている。あす以降さらにみてゆきたい。
詳しく知りたい方は、同氏の「愛着障害 子どもの時代を引きずる人々」に詳しいので参考にしていただきたい。
ちなみにこの本は大反響を呼び、大増刷を重ねている本である。





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Last updated  2016.09.22 06:55:15
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森田生涯 @ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) 通りすがりさんへ コメントありがとうご…
通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
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