森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.04.10
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カテゴリ: 最新の脳科学
今までの投稿でセロトニン系神経回路の活性化は、神経症の克服のカギを握っていることがお分かりいただけたと思います。

本日は、セロトニンの特徴や仕組みを見ていきたいと思います。
セロトニンは、作りおきができないという特徴があります。
つまり毎日意識して作り出さないと不足してしまうことになります。
1日のうちでも、夕方になれば朝よりも減っています。
一旦セロトニン慢性的な不足状態に陥ると、元に戻すのに3か月くらいかかります。さらに習慣化して、セロトニンの流れが整うのに3年という学者の人もいます。それだけにセロトニン神経を活性化するためには、相当な自助努力が求められるということになります。

セロトニンには自己受容体があります。
セロトニンの軸索は何本にも枝分かれして、他の複数の神経細胞に接続しているのですが、その中の1本がぐるりと自分自身の神経細胞に戻っているのです。
セロトニンが多くなると、量を調整するために、すぐに元の神経に収納されてしまうのです。そういう仕組みが出来上がっているのです。


さらに、扁桃核が不安やストレスと判断すると、その情報は視床下部・室傍核に情報として伝えられます。
ここから、副腎皮質に作用して、コルチゾールを分泌させて緊急事態に備えます。コルチゾールが長時間にわたり出続けると心身に悪影響をもたらします。

そして不安やストレスが慢性化すると、セロトニンの分泌が止まってしまいます。
それを補うために窮余の策としてSSRIが処方されるのです。
これは新たにセロトニンを作り出しているのではなく、元の神経細胞に取り込まれないように阻害しているだけなのです。

セロトニンは腸で作られた前駆体が脳に運ばれて、最終的には脳幹の「縫線核」という部位で合成されます。それが脳全体に運ばれているのです。
ですから「縫線核」が正常に機能することが大切になります。
この機能が棄損されてしまうと、十分なセロトニンが分泌されないということになります。その結果ドパミン主導の報酬系神経回路やノルアドレナリン主導の防衛系神経回路が暴走を始めます。
その結果、さまざまな脳障害や依存症、神経症をおびき寄せてしまうことになります。からくりが分からないと、右往左往するばかりになります。
(育脳の技術 有田秀穂 主婦と生活社 156ページ参照)

セロトニンを作り出す生活習慣はすでによく知られています。

ごく簡単に紹介すれば、

・太陽の光を毎日5分から30分浴びる。

・ストレッチ、ウォーキング、丹田呼吸法などのリズム運動を行う。

・絶えず家族や仲間とスキンシップを心掛ける。

・大豆、バナナなどのトリプトファンを含む食品を毎日とる。


これらは森田理論学習に取り組む以前の問題としてとらえて、日々実行することが大切になります。そうしないと、せっかくの森田理論学習の効果が十分に得られないことになります。
逆にいえば、セロトニン神経系を活性化することで、神経症的な不安やストレスにある程度対応できるようになると考えられます。





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Last updated  2022.04.10 06:30:09
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stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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