森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.12.17
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
10月号の生活の発見誌にガンジーとマルチン・ルーサー・キング牧師の記事がありました。

インドのガンジーは、イギリスの不当な植民地政策に対して、非暴力という方法で、抵抗運動を推し進めて、最終的にはインドを独立に導きました。

マルチン・ルーサー・キング牧師は、アメリカの黒人の市民権獲得運動の指導者でした。キング牧師もガンジーの手法に学び非暴力の抵抗運動を押し進めました。

普通は暴力に対して暴力で報復という形で抵抗することが多いのですが、お二人はその方法はとられませんでした。
暴力を甘受して、相手を恥じ入らせて、彼らの心を変化させるという方法をとられました。一見すると無抵抗主義に見えますがそうではありません。
彼らには抑圧からの人民の解放という高い意志がありました。
抵抗し戦っているのですが、その手段が普通とは違っていたのです。

彼ら自身は凶弾に倒れましたが、賛同する人たちによって彼らの意思は引き継がれて、最終的な目的は達成されています。

私利私欲ではない他人を思いやる高い目標は、どんなにいばらの道であっても、歴史のなかで必ずやその目的を達成しているということではないでしょうか。


ご存じのように、薩長同盟側の西郷隆盛は幕府側代表の勝海舟と交渉して、江戸城の無血開城を成し遂げました。
このとき欧米の列強各国は、幕府側にも薩長同盟軍にも武器や資金を提供して、大いに内戦を煽っていたそうです。

なぜそんなことを画策していたのか。
それは日本全体が内戦で疲弊したときに、日本をアフリカ、インド、中国、東南アジアの国々と同じように植民地にしようとしていたのです。
つまり自分たちの国益を満たすためだったのです。

西郷隆盛と勝海舟は欧米各国の読みが手に取るようによく分かっていたのです。
だから日本を窮地に追いやる内戦は何としても阻止する必要があると考えたのです。内戦を回避したことが、欧米列強による日本の植民地化を阻止できたのです。
当時の緊迫した状況の中で、目先の自分たちの利益に固執しないで、血で血を洗う内戦を踏みとどまり、日本を救ったのはお二人の英断でした。

森田先生は西郷隆盛について次のように語られています。
西郷隆盛は、平常はどんな場合にも、決して言い訳という事をしなかったようです。西南戦争も、決して隆盛の意志からではない。
自分の学校の生徒が、暴動を起こした事から、行きがかり上、そのようなことになったので、後にその前後策に対する幹部会でも、隆盛は自分では、意見を言わず、成り行きにまかせたような風であった。


西郷隆盛は普段は自分の意見を押し通すという人ではなかったそうです。
腕を組んでみんなにの意見に耳を傾けていた。
衆目一致すると、自分には違った考えがあっても、その方向で先頭に立って行動する。その結果については、代表者としてきちんと責任をとる。

普段はみんなの意向を踏まえて行動しているが、決して優柔不断ということではなかった。国家の行く先を左右する大事については、状況分析をきちんと行い、どんな困難な障害が待ち構えていても、勇猛果敢に自分の命を賭けて立ち向かっていく。こういう人を「男が惚れる男」というそうだ。

私たちは神経症で苦しみ不器用で苦渋の生き方を余儀なくされてきました。

神経質性格者としてこの世に生を受けた境遇を素直に受け入れ、神経質者としての人生観の確立という目標に向かって努力精進することが大事なことなのではないか。目標をそこに付け替えると、森田理論を学ぶ意義や活用方法は無限に広がってくるように思われます。
森田理論はその要望に対して十分応えてくれていると考えています。





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Last updated  2022.12.17 06:29:22
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