森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.05.10
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茶道の千玄室氏のお話です。

たびたび海外に行っているので、人からよく「師匠は時差ボケをされませんね」と不思議がられます。
私は、そういう人には、「あなた方は、時差ボケ自体をいつも頭の中に思っているから、時差ボケをするのです」と答えています。
「飛行機に乗ったら、すぐに目的地の時刻に合わせなさい」と。
振り返ってみると、私は昔から時差ボケということを考えたことがありません。
飛行機に搭乗したら、すぐに時計の針を目的地の国の時間に合わせて、その時間に自分を向けていくようにしています。
ですから、日本を朝に出発しても目的地の時刻が夜であればすぐに寝てしまうのです。

これは、なにも時差ボケに限った話ではなく、生き方として持っていなければならないことではないでしょうか。
いつまでも出発地にとらわれてはいてはいけません。
人生は後ずさりはできない、前に進むだけです。

だから「forward-looking posture」前を向く姿勢が大事なのです。
(生涯現役の知的生活術 育鵬社 75ページ)

これは変化に合わせて、自分を変えていくということだと思います。
森田先生も変化対応という点では同じようなことを言われています。

「わしは、電車の中で立っているときには、体操のときの休めの姿勢をとっている。つまり両足を開き、片足に全身の重みをかけ、他の方の足は浮かして、その足先で軽く床に触れるようにしている。これは不安定の姿勢であるが、この姿勢でいるときは、浮かした方の足先が鋭敏に体の動揺を感ずることができ、周囲の変化にたいして最も迅速に、しかも適切に反応することができる。それは不安定の姿勢の上に立って、しかも自然の心にしたがい、どこにも固執する人はないからだ」

神経症に陥るような人は、変化することを嫌がる傾向があるのではないでしょうか。不安を抱えたまま、なすべきことに取り組むと間違いだらけになってしまう。
不安を払拭したあと、すっきりした気持ちで目の前のなすべきことに取り組むべきである。

こういう考え方をしていると、いつまでも不安と格闘してしまうことになります。
精神交互作用によって最後には神経症として固着してしまいます。
そして、目の前のことが蚊帳の外になってしまいます。
森田では神経症的な不安は欲望の裏返しとして生まれてくるものだと言います。





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Last updated  2023.05.10 06:20:07
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