森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.05.14
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河原宗次郎氏のお話です。

私は、店の社員の全部、つまり20数人を常時見つめているわけですが、どんなに人から「あれはよくない」「こういう短所がある」といわれている者でも、よくよく見つめていると、どこかに長所があることが、わかってくるものです。
「悪いところばかりで、よいところが一つもない」というのは、結局のところ、見つめ方が足りないからではないか。
少しでも良いところを見出そうと思って、見つめていると、かならずそれぞれに良いところがあるのが、目についてきます。
そうすると、悪いところを非難するより、その良いところを認めて、それを発揮させてゆけばよいわけだから、人に対してあまり不平がなくなってきます。
その良いところだけを見つめて、それを適当に活用すればよいわけです。
(生活の発見誌 1968年(昭和43年)9月号 38ページ)

誰でも問題点を発見し、あるいは少しでも気に入らないことがあると、他人や自分を非難、叱責、否定します。
神経質性格、両親、子ども、友人、仲間、境遇、運命、忌まわしい過去の出来事などあらゆることに及んでいます。


成長の過程で、目の前の出来事を良い悪いと価値判定する生き物になってしまったのです。
しかも良い点は当たり前のことで、ことさら評価するには値しない。
悪い点は放置しておくと大変なことになるのですぐに修正するか、無くさなければいけないという考え方に取りつかれてしまっているのです。
放置すると将来の禍につながるものは何としても排除しなければならない。
問題がないものは、別に注意を払わなくても生命の危険はないというDNAが引き継がれているのかもしれません。

これが反対になった場合を想像してみましょう。
つまり悪い点は目をつむって見逃す、寛大な包容力で許容する。
良い点はどんな些細な事でも大いに評価して、大事にして伸ばしていこうとする。
こういう考え方、ものの見方ができる人は、人間関係の問題が激減し、自己肯定観が強まり生きることが楽しくなります。

この考え方を手に入れるためには、森田理論の両面観を学習することが大切になります。
そしてバランスのとれた見方・考え方を身につけることです。

つまり問題点、悪い点を見つけることはとても上手になっていますので、この方面にエネルギーを投入することはいったん棚上げにする。
それよりは ​ほぼ全部のエネルギーを良いことさがしに向ける ​​ ことです。
それでやっとプラスとマイナスのバランスがとれてくると心得ることです。
最初は意識しないとできません。そのために日記に書くことが有効です。

その暁には他人と対立することが少なくなります。
自己信頼感、自己肯定感が出てきます。生きることが楽しくなります。
人間に生まれたことを感謝できるようになります。








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Last updated  2023.05.14 06:43:58
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
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