森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.11.21
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人間には「生老病死」の悩みがあるという。
今日はその中の「老化」について取り上げてみたい。
成長期は右肩上がりだが、それを過ぎると今度は右肩下がりに変化してくる。
人間の場合は20代から30代がその分基点にあたるのではなかろうか。

老化は、年齢を重ねる度に次々と失われていくものがあるということです。
若さ、肌の張り、体型、筋肉、視力、聴力、髪、歯、骨、脚力、記憶力、認知能力などが人によって差はありますが、ほぼ確実に老化してくる。
若い時のような訳には行きません。
しかし刺激を与えて老化を多少遅らせることはできます。
メンテナンスを怠っていると、急速に老化が進みます。

最悪の場合、深刻な身体疾患や寝たきりや認知症になります。

老化の対応方法には二通りあるように思われます。
1、老化を認めようとしない人。老いをあってはならないものと考える人。できる限り元の状態に戻そうとする人。
2、潔く老化を認めて、失われたものはそのままにして残っているものを活かして生きていこうとしている人。

1は神経症と格闘しているようなものです。
自然現象である老化の進行を是が非でも阻止しようとしています。
時間とお金を投入すれば、ある程度は効き目がありますがやりすぎは禁物です。

基本的には、歳をとると徐々に失うものがあるという覚悟を持つことが欠かせないと思う。
最低限のケアをした後は、老化を受け入れていくしかありません。
老化と敵対することは、自分自身を否定することになります。
自分を上から下目線で非難・否定することほど惨めなことはありません。


2の対応は、失われて使用不能になったものとまだ使用に耐えられるものを区別できている。
失われたものを素直に受け入れて、まだ残されているものを大事にして前向きに生き抜こうとしている。

樹木希林さん、篠田桃紅さん、宇野千代さんはそんな生き方をされていました。
そのほか宇野重吉さん、日野原重明さん、成田きんさん、蟹江ぎんさんたちもなどもそうです。「102歳、一人暮らし」の石井哲代さんもその一人でした。

この人たちは歳をとってからの生き方が光り輝いていました。

また、それぞれ自分の人生を振り返って、若い人たちに自分なりのメッセージを残されています。
うまくいった点だけでなく、反省、後悔していることも含めてすべてを包み隠すことなく開示されています。それが大いに参考になります。

このような生き方は秋の色あざやかな紅葉と重なるところがあります。
紅葉するということは、緑の葉が寿命や寒さなどで光合成ができなくなった状態です。紅葉した葉は自己否定していません。今まで生かされたことに感謝している。
消え去る前に色とりどりの姿に身をまとい人々を楽しませてくれています。
枯れ果てて落ちてしまうのは、自分がこの世から消えてなくなることですから悲しいことです。
良寛さんは「裏を見て 表を見せて 散るもみじ」と詠まれています。
せめて自分の人生を振り返って、その教訓を次世代に引き継ぐことが大切なのではないでしょうか。
これが森田理論でいう「物の性を尽くす」ということだと思います。





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Last updated  2023.11.21 06:32:08
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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