森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.11.25
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これは生活の発見誌10月号の高良武久先生の言葉です。
一毫(いちごう)というのは髪の毛が一本というような意味で、わずかなちがいという意味です。

我々のまわりには、身体的にも精神的にも優れた人が至るところにおります。
体格面においても、あるいは筋肉の点においても、または容姿、運動神経なんかの点においても、自分より優れた人がいくらでもおります。
精神的にも、いろんな能力、才能、あるいは技術など、我々より優れた者が、至るところにいるのでございまして、そういう者と比較をしますと、どうしてもわれわれは、ある程度の劣等感を持たないわけにはいかないのでございます。

しかし、この劣等感に対する態度というものが、他人によって異なることでありまして、同じ劣等感から出発しましても、AとBの間には大きな差異が生ずる。
この劣等感に刺激されて建設的に努力する態度の人と、劣等だから駄目だとして、もうやらない、あるいは劣等感は嫌いだから観念的にこれをなくそうとばかりする。
そういう態度と、出発点は同じでも、一生の間には大変な違いになるものでございます。

これをもとにして話を進めてみましょう。


しかし、その受け取り方は人によって二通りに分かれる。
それがその後の人生を大きく左右する。

1、ある人は自信をなくして、自己嫌悪、自己否定に陥る。

2、別の人は劣等感に刺激を受けて大いに努力するようになる。

2は、たとえばイギリスの大作家サマセット・モームという人は、吃音という劣等感に刺激されて、大いに努力して自分の才能を発揮した。
吃音という劣等感がなかったとしたら、代表作の「人間の絆」という小説は生まれなかったと思われる。
禍転じて福となしたのである。

高良先生は中学生のころから数学の成績が悪かった。
旧制中学から旧制の高校を受験するとき、ちょうど4か月ぐらいの間がございまして、私はその4ヶ月の間に一番自信のなかった数学に重点を置きました。
数学というのは定理や公理なんかをよく覚えてやりますと、そう難しいものではなかった。
入学のときには、この一番苦手であった数学が満点のような状態になった。


私達は神経質性格を持って生まれ、外向的な人と比較して劣等感に苦しみました。
これを逆手に捉えて、「災い転じて福となす」ことはできないものでしょうか。
それは森田理論学習によって十分可能だと思われます。

そのために森田の基礎的学習をすることをお勧めします。
特に神経質性格のプラス面の学習が役に立ちます。

それまでは神経質性格に生んだ親を憎んでいましたが、学習で認識が変わり親に感謝するようになりました。

その他間違った考え方、偏った考え方によって、誤った行動をとっていることが多いと思います。
そこで認識の誤りを正していく学習が大事になります。
森田理論学習によって、神経症に陥る要因、感情の法則、不安の役割、不安と欲望の関係、観念よりも事実を優先する考え方、行動の原則、治るとはどういうことかなどが理解できればそれが可能になります。
理論は難しくありません。長谷川洋三先生によると中学生でも理解できる内容だと言われています。

大阪や九州方面に向かう場合、誤って東北や北陸方面の新幹線に飛び乗ることは避ける必要があります。
これは森田理論学習によって十分可能となります。





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Last updated  2023.11.25 12:07:06
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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