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秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の町田珠実です。山頭火のふるさと防府駅前にある山頭火の銅像です。作者:富山県高岡市の「砂原放光」氏 (山頭火研究会が資料提供)建立:昭和60年1月12日 防府中央ライオンズクラブ (会長 橋口照男)総工費四百五十万円全国初の、山頭火の銅像で、台座が句碑となっています。台座のほうが大きいですね。ふるさとの水をのみ水をあび 山頭火句は、昭和8年7月29日、山口から徳地方面への行乞途中、生家の近くを流れる佐波川で詠んだもので、文字は、自筆を集字したものだそうです。日記より「宿の前にある水は自慢の水だけあつてうまかつた、つめたすぎないで、何ともいへない味はひがあつた、むろん二度も三度も腹いつぱい飲んだ。」ふるさとの川の水をのむ山頭火が目に浮かびます。写真は、2012年山頭火生誕祭で防府を訪ねた時に撮影しました。防府を訪ねたら、是非山頭火像をご覧下さい。参考:山頭火句碑集
2021.07.29
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秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の町田珠実です。ふるさとの水をのみ水をあび 山頭火秋山巌「ふるさとの水」1986年昭和8年7月29日山頭火の生家近くを流れる佐波川で詠んだ句です。山頭火 行乞記 山口より 昭和8年7月29日の日記です。七月廿九日曇、六時から行乞、ずゐぶん暑い、流れに汗を洗ふ、山がちかく蝉がつよく、片隅の幸福とでもいふべきものを味ふ。今日の道はよかつた、山百合、もう女郎花が咲いてゐる、にい/\蝉、老鶯、水音がたえない、佐波川はなつかしかつた。あの無限者のうちへはおいでなさい、なか/\の善根家で、たくさんくれますよと教へて下さつた深切な人もあつた。河鹿がそこらでかすかに鳴いてくれてゐた。労れて、四時すぎには小古祖の宿屋で特に木賃で泊めて貰つた、おばあさん一人のきれい好きで、まことによい宿だつた。同宿四人、みんな愚劣な人ばかりだつた(現代の悪弊だけを持つて天真を失つてゐる)。今日の所得は銭二十銭と米四升。行程七里。河野屋の木賃は三十銭。夕食(ちくわ一皿、ぢやがいも一皿、沢庵漬)うるかをよばれた。朝食(味噌汁、漬物)宿の前にある水は自慢の水だけあつてうまかつた、つめたすぎないで、何ともいへない味はひがあつた、むろん二度も三度も腹いつぱい飲んだ。△どこへいつても、どんなをんなでも(一部の老人と田草取とをのぞけば)アツパツパを着てゐる、簡単服、家庭服として悪くはないが、どうぞヅロース一番せられよ(天声子の語を借る)。・楮にこんにやくが青葉に青葉 ふるさとのながれや河鹿また鳴いてくれる・ふるさとの水をのみ水をあび・長い橋それをわたればふるさとの街で・おばあさんはひとりものでつんばくろ四羽・つゆのつゆくさのはなひらく・水音のよいここでけふは早泊り 炎天、蟻が大きな獲物をはこぶ・炎天の鴉の啼きさわぐなり 石にとまつて蝉よ鳴くか・山の青さへつくりざかやの店が閉めてある・そこから青田のほんによい湯加減・おそい飯たべてゐる夕月が出た・暮れてまだ働らいてゐる夕月 ぐつすり寝て覚めて青い山 よい寝覚のよい水音 炎天のした蚯蚓はのたうちまはるばかり・ことわられたが青楓の大きな日かげ・けふはプラタナスの広い葉かげで昼寝 岩水に口づけて腹いつぱいのすずしさ・ふるさとのながれにそうて去るや炎天・逢ひたいが逢へない伯母の家が青葉がくれ・ふるさとは暑苦しい墓だけは残つてゐる・ふるさとや尾花いちめんそよいではゐれど 笹にもたれて河原朝顔の咲いてゆらいで・はるかに夕立雲がふるさとの空防府駅前の山頭火像台座に刻まれているのがこの句です。次の記事でご紹介します。
2021.07.29
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秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の町田珠実です。山口県防府市の「山頭火ふるさと館」にて、秋山巌生誕100年記念展を開催します。ようやく日程が決まりましたので、まずはご案内です。【生誕100年記念 秋山巌原画展 拝啓山頭火さま】会場:山頭火ふるさと館 山口県防府市宮市町5−13会期 前期:令和3年10月22日(金)~令和4年1月10日(月・祝) 後期:令和4年1月14日(金)~3月13日(日) 毎週火曜休館(火曜日が祝日の場合は翌平日)、年末(12月26日~31日)休館、 1月12日、13日は展示入れ替えのため休館開館時間:午前10時~午後6時観覧料:無料私も、秋山巌についてお話する機会を作っていただく予定です。リーフレットなど出来ましたら、またご案内いたします。
2021.07.22
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秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の町田珠実です。水音のたえずして御仏とあり 山頭火秋山巌「水音のどこまでも」1978年昭和11年7月19日 永平寺みちのくの旅に出た山頭火は、鶴岡ではめを外して大散財をし、秋兎死(和田光利)氏に支払いを押しつけて、逃げ出してしまいます。参考:秋兎死氏の回想山頭火 みちのくまで その2 和田光利昭和11年7月19日の山頭火 旅日記より 七月十九日 晴。未明散歩。山鳩、水声、人語。鶴岡――仙台。 秋兎死君にこれがおわかれのガザの花か秋兎死うたうてガザ咲いておくのほそみちあふたりわかれたりさみだるるはてしなくさみだるる空がみちのく 平泉ここまで来しを水飲んで去る水音とほくちかくおのれをあゆます水底の雲もみちのくの空のさみだれこゝろむなしくあらうみのよせてはかへすあてもない旅の袂草こんなにたまりみんなかへる家はあるゆふべのゆききさみだるる旅もをはりの足を洗ふ梅雨空の荒海の憂欝その手の下にいのちさみしい虫として 永平寺てふてふひらひらいらかをこえた水音のたえずして御仏とあり山のしづかさへしづかなる雨法堂あけはなつあけはなたれてゐる何もかも夢のよな合歓の花さいてわかれて砂丘の足あとをふむ島が島に天の川たかく船が船にゆう凪の蟹もそれ/″\穴を持つ今日の足音いちはやく橋をわたりくる 竹原 生野島萩とすすきとあを/\として十分すずしく風は萩の若葉をそよがせてそしてそよかぜの草の葉からてふてふうまれて出た 無坪兄に手が顔が遠ざかる白い点となつて旅もをはりのこゝの涼しい籐椅子死にそこなうて山は青くて 螻子君に朝風すずしくおもふことなくかぼちやの花朝の海のゆう/\として出船の船ヱンヂンは正しくまはりつゝ、朝ほんにはだかはすずしいひとり 七月十九日(続)老鶯しきりに啼く、島の平和。島もうるさいね、人間のゐるところ、そこは葛藤のあるところ。昼寝の夢はどんなであつたらう!水音のこゝろのふるさと波がしろくくだけてはけふも暮れゆく待てば海路のよか船があつた、紫丸に乗せてもらうて竹原へもどることが出来た。夕凪の内海はほんにうつくしい。一期一会、いつも、いつも一期の会。夜は螻子居の家庭をうらやみつゝ寝てしまつた。
2021.07.19
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秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の町田珠実です。鉄鉢の暑さをいただく 山頭火秋山巌「鉄鉢の」1995年昭和8年7月14日 山頭火の日記より行乞記 大田七月十四日ずゐぶん早く起きて仕度をしたけれど、あれこれと手間取つて七時出立、小郡の街はづれから行乞しはじめる。大田への道は山にそうてまがり水にそうてまがる、分け入る気分があつてよい、心もかろく身もかろく歩いた。行乞はまことにむつかしい、自から省みて疚しくない境地へはなか/\達せない、三輪空寂はその理想だけれど、せめて乞食根性を脱したい、今日の行乞相は悪くなかつたけれど、第六感が無意識にはたらくので嫌になる。暑かつた、くら/\して眼がくらむやうだつた。林の中でお辨当を食べる、山苺がデザートだ。水を飲んだ、淡として水の如し、さういふ水を飲んだ、さういふ心境にはなれないが。蕨といふ地名はおもしろい。予定通り、二時には敬治居の客となつた、敬坊は早退して待つてゐてくれた、さつそく風呂を頂戴する、何よりの御馳走だつた、そして酒、これは御馳走といふよりも生命の糧だ。敬坊はよい夫、よい父となりつゝある、それが最もうれしかつた、人間は落ちつかなければ人間を解し得ない、人間を解し得なければ人間の生活はない。おはぎ餅はおいしかつた、餅そのものもおいしかつたが、それを食べる気持、それを食べさせてくれる気持がとてもおいしかつた。生活の打開と共に句境も打開される、私も此頃多少の進展を持つたらしい。暑くて、腹がくちくて寝苦しかつた。 銭 二十一銭今日の所得 行程五里。 米 一升二合 朝月暈をきてゐる今日は逢へる 朝風へ蝉の子見えなくなつた 朝月にしたしく水車ならべてふむ・水が米つく青葉ふかくもアンテナ 夾竹桃赤く女はみごもつてゐた 合歓の花おもひでが夢のやうに・柳があつて柳屋といふ涼しい風 汗はしたゝる鉄鉢をさゝげ 見まはせば山苺の三つ四つはあり・鉄鉢の暑さをいたゞく・蜩よ、私は私の寝床を持つてゐる
2021.07.14
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秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の町田珠実です。山の仏には山の花 山頭火秋山巌「山のほとけ」1992年です。昭和7年 山頭火の日記 行乞記より七月十三日雨、雨、雨、何もかもうんざりしてゐる、無論、私は茶もなく煙草もなく酒もなくてぼんやりしてゐるが。正法眼蔵啓迪「心不可得」の巻拝読。白雲去来、そして常運歩(其中庵は如何)。とう/\我慢しきれなくなつて、おばさんからまた金二十銭借る、それを何と有効につかつたことか――郵券二銭一枚、ハガキ二枚、撫子一包、そして焼酎一合!私もどうやらかうやらアルコールから解放されさうだ、といつて、カルモチンやアダリンはまつぴら/\。午後、ぶら/\歩いて、谷川の水を飲んだり、花を摘んだりした、これではあまりに安易すぎる、といつて動くこともできない、すこしいら/\する。・ひとりなれば山の水のみにきた・山の仏には山の花
2021.07.13
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秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の町田珠実です。日ざかりのお地蔵さまの顔がにこにこ 山頭火秋山巌「にこにこ」1975年の作品、山頭火シリーズ初期です。こちら↓は、2006年作の「にこにこ」です。木版画写真が無いので、山頭火 版画句集から。山頭火 其中日記より、昭和8年7月11日の日記をご紹介します。其中一人として炎天 七月十一日天気明朗、心気も明朗である。釣瓶縄をすげかへる、私自身が綯うた棕梠縄である、これで当分楽だ、それにしても水は尊い、井戸や清水に注連を張る人々の心を知れ。百合を活ける、さんらんとしてかゞやいてゐる、野の百合のよそほひを見よ。椹野川にそうて散歩した、月見草の花ざかりである、途上数句拾うた。昼食のおかずは焼茄子、おいしかつた。此頃は茄子、胡瓜、胡瓜、茄子と食べつゞけてゐる。・けさは逢へる日の障子あけはなつ(追加一句) 青田いちめんの長い汽車が通る・炎天かくすところなく水のながれくる・涼しい風が、腰かける石がある・すずしうて蟹の子・ふるさとちかく住みついて雲の峰 水をわたる高圧線の長い影・日ざかりのお地蔵さまの顔がにこにこ野菜に水をやる、栄養の水でもあれば感謝の水でもある。△其中庵はまことに雑草の楽園であり、虫の宿である、草は伸びたいだけ伸び、虫は気まゝに飛びあるく。……蜩! ゆふべの窓からはじめて裏山の蜩を聞いた。とても蚊が多いから、といふよりも、私一人に藪蚊があつまつてきて無警告で螫すから、まだ暮れないのに蚊帳を吊つて、その中で読書、我儘すぎるかな。△或る日はしづかでうれしく、或る日はさみしくてかなしい、生きてゐてよかつたと思ふこともあれば、死んだつてかまはないと考へることもある、君よ、孤独の人生散歩者を笑ふなかれ。・昼寝の顔をのぞいては蜂が通りぬける もつれあひつつ胡瓜に胡瓜がふとつてくる・炎天のの虫つるんだまんま殺された・もいでたべても茄子がトマトがなんぼでも 心中が見つかつたといふ山の蜩よ 今から畑へなか/\暮れない山のかな/\ 追加一句・飯のしろさも家いつぱいの日かげ以上です。
2021.07.11
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秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の町田珠実です。秋山巌のふるさと竹田から、肖像画が届きました。額の箱を開けて対面したとたん、※「よう、まみよ~」と久しぶりに会った時の父の声が聞こえてきそうでした。肖像画でこんなに感動するとは思いもよらず、お礼の電話も、声を詰まらせてしまうぐらい嬉しかったです。描いてくださったのは、早川和(たかし)さん。名刺の自画像がこちら↓・美術団体【一水会】会員・南画の里づくりをすすめる会会長・大分県美術協会 竹田支部長・竹田ライオンズクラブ竹田では、秋山巌と親しくお付き合いいただき、よく一緒に別府まで飲みに行ったそうです。5月の由学館企画展でお目にかかり、ご挨拶と名刺交換だけ出来ました。昨年、秋山巌七回忌で分骨・納骨した竹田の古刹「瀧上寺」繋がりでもあります。早川さんの奥様は、岡藩八代藩主「中川久貞」候の側室「北條織江」のご子孫で、瀧上寺本堂の脇に、【専心院傳北條織江】の墓所があります。こちら↓を同封して下さいました。こちらは、秋山巌が奥様の前で描いたそうです。北條家は竹田の「殿町武家屋敷通り」にあります。私はまだ訪ねた事が無いので、次回はゆっくり廻りたいと思います。※私の名前は「たまみ」ですが、両親は「まみ」と呼びます。 ですので、ギャラリーMamiです。
2021.07.07
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秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の町田珠実です。かさりこそりと音させて鳴かぬ虫がきた 山頭火 昭和8年7月5日 山頭火 秋山巌「かさりこそり」1992年かさりこそり(と)音させ(て鳴か)ぬ虫がきた作品は()内が抜けて、もしくは抜いています。秋山巌の作品にはよくある事ですので、知っておいて下さいませ。山頭火の日記 昭和8年 行乞記 伊佐行乞より 七月五日徹夜読書、腹が空つたので、大山さん持参のうどんを茹でゝ食べる、やさしくてうまかつた。朝風に病床を払ふ、そして洗濯、掃除、草取、等々。街へ出かけて買物、それから入浴、どうやらいつもの私になつた。外へ出ると、ことに田の草取を見ると、炎天だと思ふ。筍もをはりらしい三本をぬく(うち一本は隣地のを失敬!)ぬいて、すぐむいで、ゆつくり味ふ。帰宅途上、樹明君来庵、折よく御飯が出来たばかりで、しかも君の最大好物雲丹(これも大山さんのお土産の一つ)があつたので、夕飯をあげる、何とそのうまさうなたべぶり!夜はおそくまで蚊帳の中で読書、極楽浄土はこゝにあり!・明ける水音のする枯木焚きつける 朝の蚊のするどくてあれもこれも・庵にも赤い花が咲いてゐる日ざかり・見おくるかげの、雑草の暮れてゆく・人去れば青葉とつぷり暮れた・かさりこそりと音させて鳴かぬ虫がきた・これでをはりのけさの筍をぬく二本・さつと夜の雨が青葉たゝいていつた・ぬくよりむぐより筍のお汁が煮えた・ゆふべはうれて枇杷の実のおちるしめやかさも・とほく郭公のなき何かこひしい 樹明君に二句・いつもたづねてくれるころの夕風がでた・ぬくめしに雲丹をぬり向きあつてゐる 追加三句・そんなこともあつたやうな夾竹桃の赤さで・旅は何となく草餅見ればたべたくなつてたべ・よばれる草餅の香もふるさとにちかく
2021.07.05
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