全14件 (14件中 1-14件目)
1

ポニー・キャニオンの東京佼成ウインドオーケストラのライブ・シリーズの3回目を聴く。24ビット96Khzのflacで、CDと同じ価格であることが売り。今回はレコチョクを利用した。ここでは楽天ポイントが使えるので、全額ポイントでの支払い。今回のライインナップはあまり魅力がない。今回のアルバムの目玉はポールクレストンの「ザノニ」だろうか。ディストリビューターのコメントによると初の日本のプロ吹奏楽による録音だそうだ。エンディングに向かって盛り上がりはなかなかのものだが、録音が少ない理由は理解できる。シンフォニアンズもあまり録音が少ないので歓迎されるだろう。イダ・ゴトコフスキーの「炎の詩」(Poeme du Feu)も録音が少ない筈だ。ゴトコフスキーはフランスの女流作曲家で、この項を書くまでイタリア人とばかり思っていた。1933生まれなので、80歳をとうに過ぎている。吹奏楽、管弦楽、室内楽、オペラ、バレエなど多岐にわたる分野の作品を大量に作曲している。数年前に彼女の吹奏楽の作品集(スイス陸軍交響吹奏楽団)を聴いたのだが、大音量が延々と持続する、暗く粘っこいシリアスな音楽で、そのダイナミズムと執拗さに辟易したことを覚えている。録音にもよると思うが、今回の演奏はサウンドが整理されていて、スイス陸軍交響吹奏楽団の演奏のような鬱陶しさが多少軽減されたのは救いだった。ただし、当ブログとしては、こういう地球の終わりみたいな音楽はあまり聞きたくない。このアルバムで気に入ったのはマッキーの「オーロラの目覚」(2009)透明な響きが心地よい。この曲の録音はコーポロン盤しかない筈なので、CD化は歓迎されるだろう。チャンスの「朝鮮民謡の主題による変奏曲」は素朴な作りで、今となっては古臭く感じてしまう。原因は主題が「アリラン」だからといったら、怒られるだろうか。リシルドは編曲ものという思い込みがあったが、吹奏楽のオリジナルだった。ここでの編曲は、原曲の編成を現代の吹奏楽団の編成に変えるためだ。ガブリエル・パレはギャルドの第4代楽長で序曲「リシルド」は1894年に作曲されたもの。マスネあたりの作品と勝手に思い込んでいた。フォーシェを思い起こさせる、フランスの薫り高いサウンドが心地よい。最近はあまり演奏されなくなっているようだが、もっと演奏されていもいい。ただ、こういう雰囲気を出すのは日本人にはなかなか難しいことも確かだ。課題曲が4曲収録されているが、いかにも残り物という感じで気に入らない。勿論作品の質の問題で、出来れば他の曲にして欲しかった。まあ吹奏楽関係者向けのアルバムなので仕方がないのだが。。。ところで、ハイレゾ音源に関しての不満が、いつまでたっても改善しないのには腹が立つ。ブックレット相当のファイルがないのは殆ど諦めてはいるが、タグのデータがほとんどないのには呆れる。曲名とアーティスト名くらいしかない。一番困るのは、ファイル名が曲名になっていないので、ブラウザがfirefoxである当ブログでは1つずつダウンロードしなければならないことだ。ファイル名も数字で書かれているので、ダウンロード漏れがよくある。そのため、ファイル名と曲名を比べて、漏れがないかチェックする必要があるので、NASに入れるまでに手数ががかる。毎度同じことを書かなければならないのも、何とも情けない話だ。今回flacでのリリースしかないので、WAVにダウンコンバートして、CDに焼いた。ここまでで、軽く小一時間は過ぎてしまっていた。近々に車を変えようと思っているので、USBを利用しようと思っている。これで少しは手間が省けるるだろう。吹奏楽燦選 ~ザノーニ(ポニーキャニオン PCCL-50016) 1.ポール・クレストン:ザノーニ[9:04] 2.クリフトン・ウイリアムズ:ザ・シンフォニアンズ[5:28] 3.ジョン・バーンズ・チャンス:朝鮮民謡の主題による変奏曲[7:12] 4.ジョン・マッキー:オーロラの目覚め[11:51] 5.木下牧子:序奏とアレグロ[4:16] 6.後藤洋:カドリーユ[3:36] 7.建部知弘:コンサート・マーチ「テイク・オフ」[3:46] 8.間宮芳生:マーチ「カタロニアの栄光」[3:31] 9.ガブリエル・パレス(建部知弘編):序曲「リシルド」[10:56] 10.イダ・ゴトコフスキー:炎の詩 1.堂々と[7:36] 11.イダ・ゴトコフスキー:炎の詩 2.極めて速く[6:49]東京佼成ウインドオーケストラ大井剛史(指揮)録音:2014年9月3日、4日埼玉県和光市民文化センター・サンアゼリア
2017年09月30日
コメント(0)

2015年はチャーリー・パーカーの没後60年の年に当たり、企画されたアルバム。こういう企画物はタイミングを間違えると売れないので、リリースが少し遅れた感じはあるものの、内容は実に素晴らしい。コンセプトはパーカーのオリジナルに歌詞をつけて、パーカーの生涯をたどるという意欲的な試み。タイトルに合わせて、歌詞を作っているのも力の入れ具合を思い起こさせる。インパルスの誇る歌手たちがフィーチャーされていて、満足度はかなり高い。また、全編に渡ってテナーのダニー・マッキャスリンが起用されているのも目立つ。起用に答えてマッキャスリンもなかなかいい演奏をしているが、限界も垣間見える。パーカーの良さは残しつつ、現代のクールで洒落たジャズが繰り広げられている。ここまで解体されても、パーカーの良さが感じられるのは、アレンジの力もさることながら、パーカーの作品が古さを感じさせないものがあるからに違いない。ヴォーカルはどれも素晴らしいが、特にグレゴリー・ポーターやメロディー・ガルドーが気にいった。メロディーがバップをこれほど上手く歌っているのは、ちょっとした驚きだった。最後の「APRES VOUS 」でのカミーユ・ベルトーのバップの雰囲気が濃厚でキレのあるスキャットも見事だ。一人しかクレジットされていないが、あとからもう一人加わっている。オクターブ上げているだけなので、オーバー・ダブなのだろう。この歌手初めて聞いたが、いま売り出し中の若手のフランス人女性歌手だそうだ。ルシアーナ・ソーザも「Every Little Thing」で歌っているが、スキャットの切れは断然カミーユが優れている。おもしろいので少しフォローしてみたい。バックは一流どころを起用していて、申し分のない出来だ。特にクレイグ・タボーンのピアノが光っていた。このアルバムを聴いていたら、本家の演奏を聴きたくなって、ダイヤルとサボイの演奏をリッピングして聴いている。昔FMで放送していたアスペクト・イン・ジャズでパーカーの生涯をたどるシリーズを聴いていた頃のこと(浪人中だった)を思い出した。やはり音は貧しくとも良いものはいい。この「アスペクト・イン・ジャズ」現在ミュージックバードで放送されている。The Passion of Charlie Parker(Impulse 0602557421767)01. MEET CHARLIE PARKER (vocal version of ORNITHOLOGY) Chan's Overture / Featured Vocalist, Madeleine Peyroux 02. THE EPITAPH OF CHARLIE PARKER (vocal version of VISA) The Funeral / Featured Vocalist, Barbara Hannigan 03. YARDBIRD SUITE (vocal version) (Lyric by Charlie Parker) A Genius In His Youth / Featured Vocalist, Gregory Porter 04. SO LONG (vocal version of K.C. BLUES) Exodus To New York City / Featured Vocalist, Jeffrey Wright 05. EVERY LITTLE THING (vocal version of BLOOMDIDO) The Song Of The Acolyte / Featured Vocalist, Luciana Souza 06. CENTRAL AVENUE (Interlude) A Dark Journey To Los Angeles 07. LOS ANGELES (vocal version of MOOSE THE MOOCHE) The Dealer's Song / Featured Vocalist, Kurt Elling 08. LIVE MY LOVE FOR YOU (vocal version of MY LITTLE SUEDE SHOES) Chan's Love Song / Featured Vocalist, Kandace Springs 09. FIFTY DOLLARS (vocal version of SEGMENT) Angels and Demons / Featured Vocalist, Jeffrey Wright 10. KING OF 52ND STREET (vocal version of SCRAPPLE FROM THE APPLE) Chan's Declaration / Featured Vocalist, Melody Gardot 11. SALLE PLEYEL (Interlude) The Journey To Paris 12. APRES VOUS (vocal version of AU PRIVAVE) (Lyric by Camille Bertault) The Apotheosis Of Charlie Parker / Featured Vocalist, Camille BertaultAll composed Charlie Parker except 6,11Donny McCaslin、Ben Monder、Scott Colley、Eric Harland、Craig Taborn、Larry Klein(6)Craig Taborn、Donny McCaslin、Larry Klein(11)Lyrics by David Baerwald(except 3,12) Charlie Parker(3),Camille Bertault(12)DONNY McCASLIN (ts)BEN MONDER (g) MARK GIULIANA (ds 3only)ERIC HARLAND (ds except 3, vibes: 6only) SCOTT COLLEY (b except 1, 9, 11)LARRY GRENADIER (b 1, 9 ) CRAIG TABORN (p, Wurlitzer Electric Piano, Hammond B-3 Organ)
2017年09月28日
コメント(0)

小山実稚恵のピアノリサイタルを聴く。今回初めて岩手県民会館のコンサートサロンでの演奏会。満員ということで目出度いことではある。前半はシューベルト後半はショパンというプログラム。最初双眼鏡で覗いたら、前髪が薄くなっている。大丈夫だろうか。人事ながら心配してしまった。女性だけに尚更だ。前半のシューベルトは2015年にリリースされた即興曲集から6曲。ミスタッチが多く、気になった。一番好きな作品90-2は中間部にいまいち力強さが感じられない。意識的に抑えているのかもしれないが、個人的には不満だ。エンディングも尋常でない速さで、何故そのテンポなのか理解に苦しむ。まあ、この方の癖と言ったら言い過ぎだろうか。作品90-1ではルバートやダイナミックスを変えて繊細な表現を心がけているのは分かるが、特にルバートがいまいちはまっていないような感じがした。作品90-3と90-4はその中でも安定した演奏ぶりで安心して聴くことが出来た。後半のショパンでの注目はピアノ協奏曲第2番のピアノ・ソロ版の第2楽章。初めて聞いたがオケが無くても物足りなさは感じない。もっともオケが無くてもサウンドが薄い、ということもあるだろうが。。。ゆったりとしたテンポで安心している音楽に浸ることができた。後半は総じてミスが少なく、大きな不満もなかった。ただ、「華麗なる円舞曲」のフレージングに癖があり、それが気になった。最期はプログラムでは「英雄ポロネーズ」になっていたが、曲目が変更されていて1曲増えていた。(曲目不詳)アンコールはショパンを3曲。ポピュラーな二曲が終わっておしまいかと思ったら、なんと「英雄ポロネーズ」が最後に控えていて、思わず「ありえない」と呟いてしまった。デビューから30年たって、なかなか難しい立ち位置にいるようだ。そろそろ円熟味を増してもよさそうなものだが、その気がないのかあまり変わり映えしない。もうしばらく年月が必要かもしれない。小山実稚恵 ピアノリサイタル前半:シューベルト即興曲 変イ長調 作品142-2即興曲 ハ短調 作品90-1即興曲 変ト長調 作品90-3即興曲 変イ長調 作品90-4即興曲 変ロ長調 作品142-3即興曲 変ホ長調 作品90-2後半:ショパン子守歌 変ニ長調 作品57ノクターン 第18番 ホ長調 作品62-2ノクターン 第13番 ハ短調 作品48-1ノクターン 第21番 ハ短調 (遺作)ワルツ 第2番 変イ長調 作品34-1「華麗なる円舞曲」ピアノ協奏曲 第2番より 第2楽章「ラルゲット」(ピアノ・ソロ版)(曲目不詳)(曲目不詳)アンコールワルツ第7番 Op.64-2ノクターン変ホ長調作品9-2ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53「英雄」2017年9月23日岩手県民会館中ホール10列31番にて鑑賞
2017年09月26日
コメント(0)

今年はアントニオ・カルロスジョビンの生誕90年ということで、ジョビンのアルバムがユニヴァーサル等で再発されているようだ。その中で、伊藤ゴローによるジョビン・アルバムがリリースされた。このアルバムはだいぶ前から知っていたのだが、国内盤ということでなかなか踏ん切りがつかなかった。一時ハイレゾでの購入を考えていたのだが、最も安上がりなのはレンタルを利用することだと最近気づき、TSUTAYAでレンタルした。残念だったのは、取り寄せのためブックレットが付いていなかったことだが、仕方がない。共同プロデューサーの中原仁のブログによると、コンセプトは「ジョビンの音楽のバックグラウンドにあるクラシックの素養と、ジョビンがブラジルの自然から受けたインスピレーション、このふたつを柱に、室内楽的なアプローチによるジョビンの作品集」とのこと。音楽はsoptifyで聴いていたのでそう印象は変わらないが、96kHz24bitにハイレゾ化したサウンドは肉厚でぐっと迫ってくる。spotifyで聴いていた時の自己主張の少ない音楽とは打って変わって、モリモリと迫ってくる。弦のみのアンサンブルで、その清楚な佇まいが、ボサノヴァの「サウダージ」を強く感じさせる。「Luisa」のみ村治佳織のギターと藤原真理のチェロが加わっている。クラシックの演奏家たちだが、音楽が硬くなることもなく、他の曲との違和感も全くない。さすがだ。タイトル・チューンは伊藤ゴローのオリジナルで、サウダージはあまり感じさせないが、しみじみとしたモノクロの世界を思わせ、映画のエンドロールで流れていてもおかしくない音楽で、見事に締めくくられている。カバーイラストも無駄をそぎ落としたイラストで、このアルバムといえば、このイラストを最初に思い出すと思う。日本人が作ったとは思えないハイセンスなアルバムで、七月度のハイレゾ音源大賞受賞作にふさわしい。なお、ハイレゾ音源大賞とはハイレゾ音源配信サイト7社合同企画でその月に発売された各社の推薦音源からその月の大賞を選ぶというものだ。ということで、ボサノヴァやクラシックにご興味のある方は是非お聴き頂きたい。ただし、有名な曲は殆んどないので、後で後悔しないように事前にspotifyなどで音源をチェックしたほうがいいと思う。Goro Itou Ensemble:Architect Jobim(ユニヴァーサル UCCJ-2142)01. Jobim:バラに降る雨(Chovendo na Roseira)02. Jobim:トゥー・カイツ (Two Kites )03. Jobim,Dolores Duran:エストラーダ・ド・ソル(Estrada do Sol)04. Jobim:ルイーザ(Luiza)05. Jobim,Chico Buarque,Vinicius de Moraes:アンパーロ(オーリャ・マリア)(Amparo (Olha Maria))06. Jobim:ジャルヂン・アバンドナード(Jardim Abandonado )07. Jobim、Vinicius de Moraes:インセンサテス(Insensatez )08. Jobim:シャンソン・プール・ミシェル(Chanson Pour Michelle )09. Jobim:パッサリン10. Jobim:アルキテトゥーラ・ジ・モラール(Arquitetura de Morar)11. Goro Ito:アーキテクト・ジョビン伊藤ゴロー (g)澤渡英一(p)鳥越啓介(b)伊藤 彩ストリングカルテットspnb;伊藤 彩(Vn),沖増菜摘(Vn),三木章子(Va),結城貴弘(Vc),村治佳織(g 4 Only) - classical guitar 遠藤真理(g 4 Only))
2017年09月24日
コメント(0)

Presto Classicalにイギリスの音楽雑誌BBC Music Magazineの主催する「Awards 2017」の受賞作品が掲載されていた。その中の一つで、ルチアーノ・ベリオの代表作とマーラーの歌曲の編曲ものを集めたディスク。興味の焦点はマーラーの歌曲「若き日の歌」(1880-1889)の管弦楽編曲版。もともとピアノの伴奏だが、それをベリオがオーケストレーションしている。全14曲のうち、最初に第11・10・13・6・2の5曲を編曲し、のちに第3・7・1・5・12・2の6曲を編曲している。このアルバムでは、2回編曲されているErinnerung (思い出 )は一つだけにした全10曲を録音している。この曲集ではトーマス・ハンプソンがベリオ指揮フィルハーモニア管をバックに歌ったアルバム(2006)がある。未聴だったが、spotifyで聴けたので参考までに聞いてみた。テノールとバリトンの違いはあるが、この曲集ではゲルネの深みのあるバリトンの歌声がとてもマッチしていた。また、ベリオの指揮も専門ではないため、いまいちメリハリに欠ける。なので、今回のアルバムの方がはるかに面白かった。肝心のベリオのオーケストレーションだが、とても気に入った。映画の中のゴージャスな音楽の様に聴こえ、ウキウキしてくる。ゲルネの歌は文句の付け所がない、マーラーのオーケストレーションといわれてもそれほど違和感はない。ところどころにマーラーのサウンドとは違う響きが聞こえるところがベリオの特徴だろうか。それは艶っぽい管が重ねられる部分だ。3曲目の「もう会えない」では旋律にピッコロが加わっている。このピッコロが何とも言えず色っぽい。この編曲は当然マーラーが編曲していればという比較も考えられ、このサウンドはマーラーではないという意見も出てくるだろう。当ブログは原理主義者ではないので、基本さえ変わらなければ何ら問題はないと思っている。確かに、この曲の灰色の厳しさなどは後退しているかもしれない。次の「いたずらな子をしつけるために」のクリスマスの音楽のようなウキウキする豪華なサウンドはとてもいい。第6曲の「ハンスとグレーテ」も豪華極まりない。最後の「別離と忌避」も豪華絢爛たるサウンドだ。「シンフォニア」はこの曲の面白さが良く出ている。第3楽章はマーラーの「復活」の音楽が下敷きになっていることはよく知られているが、ブーレーズ盤では気が付かなかったベートーヴェンの田園の一節まで囲繞されていることを知った。なお、詳しい引用についてはwikiいままでそれほど真剣に聞いて聞きたわけではなかったが、全体的にクールな音楽のようなイメージを持っていた.こんなに面白い音楽だったのかと初めてわかったような気がした。むしろイタリア人らしい茶目っ気が感じられた。これは演奏が面白いからなのだが、特にコーラスが良かった。第三楽章など原色の絵の具が塗りたくられたような絵のように、色々なおたがいが主張し合っている。どちらかというと、アニメーションに出てくる音楽のような楽しさが感じられる。コーラスが芸達者なことが大きな要因だが、1つ1つの楽器をくっきりと浮き立たせるポンスの手腕も見事だ。オンマイク気味で、すべての楽器が明瞭な録音も演奏の特徴を際立たせている。手持ちのブーレーズ盤を聴いてみたら、オケが引っ込んでいて、このアルバムの様な面白さは感じられない。改めて録音の重要さを知らされたようなものだ。ブーレーズの演奏は今回の録音のような活きの良さが幾分不足している。シナジー・ヴォーカルズは「スウィングル・シンガーズから派生したグループで、ライヒなど主にアンプリファイされる作品のためのユニークな声楽アンサンブルとして発展」したそうだ。出典:https://www.operacity.jp/concert/compo/2008/profile.html現代音楽や映画音楽でも活躍しているとのこと。優れた演奏に出会うことで曲に対する理解が一気に進むことがある。当ブログにとって、今回のアルバムがそれにあたることを喜びたい。パッケージは紙の箱入りで、30ページ以上のブックレットも付いていて、とても豪華な作り。CDのスリーブも薄い紙でなかなかしゃれている。硬くて厚い紙だと出し入れが困難なことがあるが、これだと全く問題がない。 Berio: Sinfonia - Berio & Mahler: Frühe Lieder (Harminia Mundi HMC 90218)1.Mahler(arr. Berio):10 Frühe Lieder Ablösung im Sommer Zu Straßburg auf der Schanz' Nicht wiedersehen! Um schlimme Kinder artig zu machen Erinnerung Hans und Grete Ich ging mit Lust durch einen grünen Wald Frühlingsmorgen Phantasie aus Don Juan Scheiden und Meiden11.Berio:SinfoniaMatthias Goerne(br)(1-10)The Synergy Vocals(1-15)BBC Symphony OrchestraJosep PonsRecorded 26-27 September 2015,Maidia Vale BBC Studios(Lieder)7 December 2012,Barbican Centre London(Sinfonia)
2017年09月22日
コメント(0)
前回の大腸の内視検査から2年経ったので、検査を受けた。先週は胃の内視鏡の検査を受けたので、2週連続の内視鏡検査になってしまった。胃の内視鏡検査は、当日何も食べないで行けばいいくらいのものなので、気楽に受けることができる。最近定期検診のレントゲンだとほとんど引っかかるので、定期検診ではレントゲンはやらないで、最初から内視鏡にしている。特に問題がなかったが、昨年よりも胃がきれいだと言われ嬉しかった。大腸の内視鏡検査だが、準備がなかなか大変なのだ。前日には朝から検査食と称してお粥などを摂り、夜はスープのみというメニューだ。間食もあるが、ビスケット一枚とジュースや飴という軽いもの。おかげで、1キロも痩せてしまった。そして、下剤投入。これが一番辛い。検査前日夕食後に下剤を服用。深夜にもようしたが一回だけ。検査当日は、朝から下剤入りの腸をきれいにする液体を二リットル摂取。最後はなんとかきれいな状態になった。検査の所要時間は40分ほど。途中で腸がねじれたとかで、姿勢を変えたが、あとは何事もなく終わった。結果は異常なしとはいかなかった。ポリープが見つかったのだが、当ブログは血液さらさらの薬を飲んでいるので、その病院では細胞をつまむことができない。幸い1ミリ以下なので、様子を見ることになった。時間をおいて、手遅れになるよりは早目に検査をしたほうがいいので、来年も検査しなければならない。少し気が重いが仕方がない。最初から設備の整った病院に行くという方法もあるので、次回までにその検討も行いたい。
2017年09月20日
コメント(0)

去年レゾナンスからビル・エヴァンストリオの未発表録音がリリースされた。今回はそれに続いて同年の6月にオランダのヒルベルスムで行われたスタジオでのライブ。時系列でみると、モントルーが6月15日、MPSでの録音が6月20日、ヒルベルスムでのライブが6月22日となっている。放送局のスタジオだが、おそらくそれほど広いスタジオではないような感じがする。それが良かったのかオン・マイクでトリオの中に入って聞いているようなリアルさが感じられる。特に、デジョネットが何をやっているのかダイレクトに伝わって来る様はなかなか味わえない体験だ。ベースも指板と弦がバチバチ鳴る音が生々しい。これだけでも、このアルバムの価値は高い。骨太のサウンドでテープヒスは殆んど気にならないが、MPSのスタジオで録音された「Som Other Time」に比べると高音域は伸びているがノイズが多少多い。低音もさすがにMPS録音が豊かだ。しかし音像が前に出てきて、かなりインパクトがある。MPSの録音が芳醇なウイスキーを思い起こさせるようなサウンドのブレンド具合なのに対し、このアルバムでの演奏はエッジの効いたリズミックな演奏で、活きの良さはこれが一番。テンポもこちらの方が幾分早めだ。このサウンドだけで当時のエヴァンス・トリオを認識すると、同じ年の他の2枚を聞くとまるで印象が違ってくるように思う。それほどここでの演奏は力強い。特にレゾナンスの2枚を聴くと、優秀録音の誉れ高いモントルーのライブの影が薄くなる。今回のアルバムに比べると、美しいがいまいち軽く弱弱しく感じてしまうのだ。このように発掘ものが定評のある録音よりも優れている例もあまり記憶にない。先の二枚とはダブりが1,5,7の3曲しかない(しかもダブっているのは二枚のみ)のも有難い。ビル・エヴァンスのアルバムとして、かなり上位にランクされるアルバムだろう。Bill Evans:Another Time : The Hilversum Concert(Resonance HCD-2031)1.You’re Gonna Hear from Me2.Very Early3.Who Can I Turn To?4.Alfie5.Embraceable You6.Emily7.Nardis8.Turn out the Stars9.FiveBill Evans(p)Eddie Gomez(b)Jack de Johnette(Ds)Recorded at Netherlands Radio Union(NRU)VAR Studio 8 in Hilversum,Netherlands on June 22,1968
2017年09月17日
コメント(0)

昨年10月13日に行われた武満徹没後20年のオリバー・ナッセン指揮の東フィルによる演奏会のライブ録音。オペラシティ財団の企画、フォンテックの製作、タワーレコードの販売という連携で生まれたアルバム。氏が亡くなってもう20年もたったとは思わなかった。陳腐な言葉だが月日の経つのは早い。ナッセンは作曲家、指揮者として知られているが、武満と親交が深かったそうだ。ブックレットに収録された武満研究の第一人者である小野光子氏のプログラムノートによると、ナッセンが武満を知ったのは1960年代にロンドン交響楽団が武満を取り上げた演奏会を聴いたのを切っ掛けにしてレコードを買い求めたところから始まっているそうだ。当時は「ノヴェンバーステップス」に代表される日本的な間に注目が集まったが、彼は現代的な音群作法と古典的な調性が融合し、詩情あふれる美しさを持つ「グリーン」が気に入ったという。ところで、ナッセンは武満作品は二枚録音している。二枚ともロンドン・シンフォニエッタとの録音。そのうちの一枚はグラモフォンの「20-12」という現代ものを集めたシリーズに含まれていた。今回少し聞いてみたが基本的なスタンスは変わらない。この時の曲は武満の最後の10年間の中から選ばれているが、今回は武満の初期の作品が主で、晩年の作品は「夢の引用」(1991)のみ。グラモフォン盤とはこの「夢の引用」(1991)しかダブっていないのは嬉しい。武満の作品は旋律が親しみやすい曲は合唱曲を除いては殆んどなく、なかなか覚えられないものだ。その中で「夢の引用」はドビュッシーの交響詩「海」からの引用が多く、聞けばすぐわかる作品の一つだ。武満独特のねっとりと絡みつくようなサウンドが心地よい。作曲年代の最も古い「環礁ーソプラノとオーケストラのための」(1962)はあまり演奏されない曲と思う。今回はジュリアス・スーの歌唱(日本語がうまい)と相まって、良い仕上がりとなったことは喜ばしい。武満の初期の作品は静けさの中で突然フォルテが爆発するような音楽が多く、聴いていてドキッとすることがあるが、今回もそれは変わらなかった。古くなっても新鮮さを保っている稀有な例だろう。聴き手の平静な気持ちを、わざと乱しているかのようだ。それが最高に発揮されたのは「テクスチュア」だろう。オケのメンバーを塊としてとらえるのではなく、一人一人に役割を与えるため36人ずつ2つのグループに分けそこにピアニストが加わる形になっている。昆虫の世界のようなミクロの視点から次第に視点が広がり、大きな波のうねりの様なクライマックスに至る。エンディングで平穏が訪れるのも武満の常套手段だ。短い曲だが、実に恐ろしい音楽だ。録音は素晴らしく、会場ノイズも少なくライブとは思えないほどだ。最近タワーレコードの熱心な復刻への取り組みに関心が向かい、少しずつ買い求めているが、その丁寧な仕事は昨今のCDの投げ売りに見られるような単なる消費財としか感じさせないような商売の仕方ではなく、文化として敬意をもって商売している姿に好感を持っていた。このアルバムでもその姿は変わらず、充実したブックレットも作品を知るうえで大変参考になった。没後20年にふさわしい優れたライブ録音だと思う。武満や現代音楽に関心のある方には是非お聴き頂きたい。それにしても、この世界的な作曲家の没後20年という節目にもかかわらず、新録音があまり出ないのは何とも悲しい。また、タワーレコード限定であるために、あまり知られないことだ。もう少し容易に購入できるようにできないものだろうか。Oliver Knussen:Toru Takemitsu Orcgestral Concert(FONTEC X TOWER RECORDS TWFS90013)1. 地平線のドーリア (1966)2. 環礁 ― ソプラノとオーケストラのための (1962)3. テクスチュアズ ― ピアノとオーケストラのための (1964)4. グリーン (1967)5. 夢の引用 ― Say sea, take me! ― 2台ピアノとオーケストラのための (1991)クレア・ブース(ソプラノ) (2、高橋悠治(ピアノ) (3,5)ジュリア・スー(ピアノ) (5)東京フィルハーモニー交響楽団オリヴァー・ナッセン(指揮)録音 2016年10月13日 東京オペラシティコンサートホールでのライブ録音
2017年09月15日
コメント(0)

リ・クリエイトなる技法によって甦ったレンブラントとフェルメールの展覧会を観る。最終日とあって結構混んでいた。過去に別々に開かれていた、レンブラントとフェルメールのリ・クリエイトの展覧会を一つにまとめた展覧会のようで、お得な企画だ。経年劣化や修復・洗浄などにより退色・変化していたり、腐食性の液体の噴霧などで破損している原画をデジタル手法により忠実に復元したというのが売り。具体的な方法は不明ながら、描かれた当時の状態に近い状態の原画が見られるというのが売りの様だ。日本の廣済堂という会社が手掛けていて、その技術はオルセー美術館が「世界一原画に近い復原画」とお墨付きを与えている。実際に見ると実によくできている。レンブラントの「夜警」のように、アムステルダム市庁舎へ移される際に、上下左右が切り詰められてた部分も、ヘリット・ルンデンスによる模写と資料を元に、描かれた当時の「夜警」の姿を再現している。当ブログは実物を見たことがあるが、暗闇の中に人物が埋もれているといった感じだったものが、それほど暗くはなく、人物が良く分かるような状態に変化していて驚いた。現在の原画に思い入れのある方が見れば結構ショックなのだろうが、当ブログとしては様子がはっきりわかるようになって、かえってよく理解できるようになったと思う。肝心のフェルメールだが、赤や紺の色彩が実に鮮やかによみがえっていて、従来のイメージとはだいぶ違う印象を受けた。以前、誰の版画展だったか忘れてしまったが、現在まで伝わる版木で刷り直した版画を見たことがあるが、その時の鮮やかな色彩を思い起こしてしまった。『真珠の耳飾り」などはもっとサイズが小さいイメージだったが、スケール感が増しているような印象を受けた。絵の具のひび割れも気のせいか少し目立たないようになっていた感じがする。エッジもピシッと立っていて、原画のぼんやりした感じとはだいぶ違う。個人的にはリ・クリエイト版の方がいい感じがした。良かったのは「レースを編む女」のレースの鮮やかな赤い色や、今にも画面から飛び出してくるような「少女」。特に「少女」の額のテカリ具合は今そこに居るのような錯覚を覚えてしまった。レンブラントでは「額縁の中の女」が今にも額縁から這い出てきそうなリアル感が表れていた。今回の展示には盗難にあい、現在は見ることの出来ない絵画2点(フェルメールの「合奏」、レンブラントの「ガリラヤの海の嵐」)の展示もあった。これらは、現存するデータや模写を基に再現したという。こういうことが出来るのも技術が進歩したからで、今の時代に生きていることを感謝せずにはいられない。唯一、不満だったのは、絵の具の凹凸が再現されていないことだ。現在の3Dプリンターの技術をもってすれば、容易に再現できる筈だ。次はそこまで進めた進化形を見たいものだ。他の画家の作品のリ・クリエイト作品もあるそうなので、それらもぜひ観てみたい。図録はフェルメールとレンブラントが別々で一冊2000円は100ページあまりの厚さしては内容が充実しているとはいえ高い。レンブラントとの合本で2500円程度がリーズナブルだろう。肝心の絵の写真もあまり鮮明とはいえず、実物を見たときの驚きはない。デジタル・データをDVDかBDで出せば、高くても結構セールス出来そうな感じはする。フェルメールとレンブラント オランダの2大巨匠展2017年9月10日盛岡市民文化ホール展示ホールhttp://www.menkoi-tv.co.jp/vermeer-rembrandt2017/
2017年09月13日
コメント(0)

恒例の岩手ジャズを見る。入りはあまり良くない。最初出演者を見たときあまり魅力がないので行くのをやめようと思った。ところが、今話題の川口千里が出演することに気がつき見にいくことにした。彼女のドラミングは評判になってからyoutubeで見てはいた。ものすごいスピードでドラムを叩いているので、確かに見ものではあったし、会場はコンサートを通して一番の盛り上がりだったかもしれない。実際に手数は物凄い。一種の曲芸を見るような気分で見るのは問題ないが、肝心の音には疑問を抱かざるを得ない。とにかく始終叩きまくっていて、ほとんど休むことがない。バッキングをしている時も音量はさほど落ちない。そのためキーボードとベースの音はあまり聞こえてこない。もし管理人が一緒に演奏したら、絶対文句を言うと思う。川口のトリオは、当ブログが聞いたことがないほどドラムが出てくる。ビリー・コブハムばりのパワフルなドラミングだ。外見は小柄でか細い感じの女の子だが、どこからあんなパワーが出てくるのだろうか。音楽はフュージョン系の音楽だが、シリアスな音楽ではなく、ほんわかした音楽。しかも殆どテンポの速い曲ばかりで単調に聞こえる。クラシックで言う所のゲネラル・パウゼが時折聞かれるのも特徴の一つか。知っている曲はブルーベックの「トルコ風ブルーロンド」だけ。他の二人はいいプレイをしているのだが、なんせドラムがうるさいので細かいところがよく分からない。ベースのアルマンド・サバルレッコがやたら笑顔を振りまいているのだけが印象に残った。ドラマーがリーダーのグループというのは、リーダーが何故か勘違いしていることが多く、やたらとドラムがしゃしゃり出てくることがある。確かにリーダーはドラムでも、ドラムの音を聞きたいわけではない。あくまでもグループの音楽を聴きたいのだ。いい例はアート・ブレーキー。音楽監督をメンバーの中から選んで、音楽的なことはすべて音楽監督に任せ、自分はその他雑用まで引き受けるような行き方だ。トニー・ウイリアムスも若いころはドラムがうざかったが、晩年はいいリーダーになっていたと思う。川口はまだ学生なので、これからの成長を期待したいが、後は自分の心構えが問題だろう。彼らの後のグループを聴いてほっとしてしまった。 オープニングは恒例のスペシャルバンドの演奏。スタンダードとオリジナル?の構成。あまり力強さは感じられなかったし、MCを担当したK氏も年のせいかハイノートが不発だった。ソロはどなたもまとまっていて悪くなかった。特にトロンボーンのパワフルなソロと少しスタイルは古臭いがムーディーなテナーソロは良かった。4曲目の「キャラバン」でピアニストが小曽根に変わり場内は盛り上がった。ピアノの音が結構聞こえて、さすがにビッグバンドリーダーのピアノだと思った。 オーストラリアから来日したポール・グラーボースキー・カルテットはテナーのワンホーン・カルテット。地味な音楽だがリリカルでクールな表情がなかなか印象的だった。ロバート・バークの硬質なテナーもいい。全四曲のうち後半の二曲に盛岡在住の民謡歌手、三上紀子さんがゲストで参加した。最初の曲は歌だけ、最後の「南部よしゃれ節」は三味線を演奏しながら歌った。民謡の世界ではかなり有名な方のようだが、当ブログは全く知らなかった。ジャズバンドで民謡をアレンジすることは多いと思うが、歌入りは聞いたことがない。歌入りでも全く違和感がなく結構楽しめたのは今回の収穫の一つだ。 パット・マルティーノはもともとロックのギタリストなので、当ブログの守備範囲派には入っていなかったので初お目見え。ギターにオルガンとドラムというトリオ。パットマルティーノは台の上の丸椅子に座って演奏していたが、台が狭いので落ちないかと少しひやひやした。演奏は淡々と進んだが、メンバーの技量が高く、とても楽しめた。パット・マルティーノは70歳を過ぎているが、年齢を感じさせないプレーだった。居住まいを正した優れた職人の所作を思い起こさせるような、無駄な動作のない、ひたすらギターを演奏する姿が印象的だった。それに対してオルガンのパット・ビアンキの動作がアーシーな音楽共々、いいコントラストを見せていた。 とりは小曽根誠の「The Trio」最新作と「So Many Colors」(2001)からの選曲。今年で結成から20年だそうだが、ことしまで10年休止していたそうだ。メンバーは売れっ子でベースのジェームス・ジーナスはハンコックのツアーに参加していて、ツアーの合間の10日間だけあけてもらったとか。クラレンズ・ペンはマリアシュナイダーのビッグバンドに参加していて、日本語であいさつをしたのには驚いた。なんでも奥さんが日本人とフランス人のハーフだそうだ。面白かったのは、今年お亡くなりになった小曽根の叔父の性格を題名に付けた「ウイッシー・ワッシー」(優柔不断)という曲。叔父さんはアスコットタイを身に着けてシボレー・コルベットのオープンカーを80歳過ぎで乗り回していたという粋な人だったそうだ。欠点は自分で何も決められないことで小曽根に何でもお任せしていたようだ。3拍子のユーモアあふれるリズミカルなで軽妙な曲で、日本人でこんな曲を書ける人もまれだと感じた。叔父さんの粋な姿が目に浮かぶようだ。「So Many Colors」からの曲はメンバーの曲を一曲ずつ演奏した。クラレンス・ペンの「天地創造」?は今回のステージ一番の力の入ったエネルギッシュな演奏だった。拍手にこたえて「The Trio」のデビュー・アルバムから「ティガー」が演奏された。小曽根の手慣れたMCもあり、とても和やかな雰囲気で楽しむことが出来た。そのMCの中で当日の9時からのNHKのEテレのデトロイト交響楽団との共演があるということを話されていた。当ブログは最後のコープランドを聞きたいので録画しようと思っていたのだが、うっかり忘れてしまっていた。それで、急いで帰宅したところ、「ラプソディー・イン・ブルー」は最後のところだった。アンコールにオリジナルの「エイジアン・ドリーム」(So Many Colors収録)が弾かれた。もともと「ラプソディー・イン・ブルー」にはあまり関心がなかったので、アンコールを見ただけで、すっかり満足してしまった。岩手ジャズ2017Opening act “いわてJAZZ 2017”スペシャルバンド1.ポール・グラボウスキー・カルテット ポール・グラボウスキー(p) ロバート・バーク(ts) サム・アニング(b) ジョー・タリア(ds、electronics) 三上紀子(vo、三味線)2.川口千里 TRIANGLE featuring フィリップ・セス & アルマンド・サバルレッコ 川口千里(ds) フィリップ・セス(key) アルマンド・サバルレッコ(b)3.パット・マルティーノ・トリオ パット・マルティーノ(g) パット・ビアンキ(Hammond B3) カーメン・イントレ(ds)4.小曽根真 THE TRIO 小曽根真(p) ジェームス・ジーナス(b) クラレンス・ペン(ds)2017年9月10日岩手県民会館第ホール3階中1列15番で鑑賞
2017年09月11日
コメント(0)

最近メンデルスゾーンの協奏曲を聞く時の注目点の一つは第1楽章の最後のアチェレランドの速度だと。きっかけはヒラリー・ハーンの演奏を聴いて、鳥肌が立つような興奮を味わったからだ。それ以来、その部分を聴いてゾクゾクするかどうかが、判断材料の一つになっている。今まではイブラギモヴァの演奏が最も好ましいと思っていたが、ファウストの演奏はそれを上回る速度だ。この部分、滑らかにアチェレランドするのではなく、ギヤを2回くらい上げているような感じで、最後まで加速しっぱなしだ。そこまでいくとさすがにやりすぎの感じがするし、冷汗が出て来そうだ。ちなみの第1楽章の演奏時間はイブラギモヴァが12'16",ファウストは11'21"と1分ほど短い。12分の曲で、この差は大きい。勿論このアチェレランドだけで稼いでいるわけではなく、全体的に速いが、この部分だけでイブラギモヴァとは20秒ほどの違いがある。使っているヴァイオリンはストラディヴァリの「sleeping beauty」だそうなので、サウンドから弓はバロック・ボウだろう。ファウストは今回の録音に際して初演当時の演奏様式なども研究したそうで、ポルタメントの多用が目立つが古臭い感じはしない。第一楽章の下降音型でグリッサンドを使ったところははっとするような効果があった。ヴィブラートは殆んどかけていない。フレーズも若干寸詰まり気味でHIP((Historically Informed Performance) の表現だが、サウンドは豊かだ。総じて自由さと爽やかさを感じさせる演奏だ。バックは古楽器のオケだが、最近の古楽器オケが少し軟弱気味になっているのに比べて、フレーズをきっぱりと終わらせていて潔い。サウンドも充実していて、スフォルツァートが強調されているのもいい。こうしてみると、この曲の演奏の新しい方向性を示しているような気がする。フィンガルの洞窟はそれほど速くないが、ヴァイオリン協奏曲と同様エッジの立った音楽が心地よい。特にフラウト・トラヴェルソの鄙びたサウンドがいい。「宗教改革」についてはほとんど馴染みがないので、当ブログがコメントする資格はない。ただ、躍動的なテンポとダイナミック・レンジの広いメリハリの効いたシャープな演奏であることは確かで、当ブログは、とても気に入っている。因みに今年はルターの宗教改革から500年に当たるのでいろいろなイベントが催されているようだ。このアルバムにもルターのイラストが描かれたシールが貼られてあった。http://jlc.or.jp/luther500/index.htmlエラス=カサド指揮のフライブルク・バロック・オーケストラは「スコットランド」と「イタリア」のディスク以来2度めのお目見えだが、いい仕事をしている。特に古楽器では難しいと思われる強い表現が出来るところは素晴らしい。フルオケに匹敵するようなサウンドが20名たらずで出来ているところをみると、「古楽器のベルリン・フィル」という表現もあながち噓とも思われない。Isabella Faust:Mendelsshon Violin Concerto Symphony No.5((HMM 902325)1. Mendelsshon:Violin Concerto in E Minor, Op. 644.Mendelsshon:The Hebrides in B Minor, Op. 265.Mendelsshon:Symphony No. 5 in D Minor, Op. 107Isabelle Faust(vn 1-3)Freiburger BarockorchesterPablo Heras-Casado(cond)Recorded Sala 1, Paul Casals, l'Auditori de Barcelona, Espagne,March 19, 2017 - March 22, 2017
2017年09月08日
コメント(0)

ネットを見ていて何となく購入した一枚。何故購入したか覚えていないが、ジャケ写にピンと来たのかもしれない。ティグラン・ハマシアンというピアニストのアルバムだが、当ブログは全くの初お目見え。2006年、弱冠19歳で、「セロニアス・モンク・コンペティション」で優勝したという天才的なピアニストだ。ジャケ写を見ると、髪の毛が薄いこともあってか、今年30歳になるとは思えない老成した感じがする。このアルバムはノンサッチの第2弾でECMにも数枚録音しているようだ。ディストリビューターによると『(このアルバムは)故郷アルメニアで得た、歴史と現代に関する音楽的考察。そこから生まれた時代を超える芸術作品』だそうだ。タイトルの「An Anciant Observer」は、コメントによると「アルメニアのララト山渓谷の4000年も前のクラ・アラクセス文化の時代に職人が土器に描いたものと同じ鳥や動物、川や山を眺めている人」という意味の様だ。参考日本語訳が「太古の観察者」となっているが、直訳風でセンスが悪い。「古を眺める人」みたいなのはどうだろうか?ずっとiPadかキッチンのワイヤレス・スピーカーで聴いていたのだが、身を入れて聴いていなかったためか、さっぱり面白いと思わなかった。数日前から車で聴い始めたところ、暗いことは確かだが、なかなか面白い演奏であることが分かった。このアルバムはソロ・ピアノのアルバムだが、ピアノの他にいろいろな楽器を使っている。オーバー・ダビングをしたトラックもある。その中で、ピアノに声をかぶせているトラックが何曲かあり、これがなかなか面白い。特にヴォイスパーカッションをピアノにかぶせた「Nairian Odyssey」が面白かった。これまさかピアノを弾きながらヴォイパをやっているのではないだろうが、そうだったらすごいテクニックだ。5月に日本各地でツアーを行っているが、その時もヴォイパを披露したか、ちょっと調べてみた。ツアーの浜離宮でのコンサートで演ったというツイートを確認した。音楽に合わせて歌を歌うのなら普通にできるが、ヴォイパとピアノなんて、常人ではなかなかできない芸当だろう。彼の頭の中を見てみたい気がする。殆んどの曲では声が入っているが、歌詞はなく、そのファルセット的な歌声とピアノが混ざり合って、不思議なサウンド空間を感じさせる。他にもいろいろな効果音が使われている。気になったのは金属的な音でバシバシ聞こえる音。調べてみるとリボンクラッシャーという打楽器の音に似ている。ところが、よくよく聞いてみるとこれも声みたいだ。ドラムらしい音はシンセにペダルをつなげて演奏しているようだ。ただ、コーラスだけは重ねないとダメで、オーバーダブで処理している。全曲オリジナルだがクラシックと言われてもおかしくない作品もある。「New baroque1」はバロックの時代様式にロマンティックな味わいが加味された、すぐれた作品。このアルバムを制作するにあたって、ティグランは故郷アルメニアに戻り、そこでの何気ない生活から新曲へのインスピレーションを得たという。その成果の一端が、アルメニア民謡に基づく「Nairian Odyssey 」と「Etude No. 1」に表れている。「Etude No. 1」はサティ風の、ちょっとすっとぼけた味わいが感じられる逸品だ。いろいろな要素が詰まっていて、単なるジャズアルバムではない。ジャズらしいスイング感やのりはまるでないので、ジャズファンよりはクラシックやワールドミュージックに関心のある方に好まれる気がする。こういう音楽のツアーが日本で行われることは、開かれた耳の持ち主が多い証拠だろう。当ブログとしては、東欧あたりの民族音楽を聴いているような気分になり、悪くなかった。この一枚を聴いただけだが、ピアニストとしては並外れた強靭な打弦と優れたテクニックが目を引く。(Nairian Odysseyの後半部分のソロがそれを窺わせる素晴らしい出来)ただ、それよりもジャンルを超えたパーフォーマーとしての個性が際立っているように思える。なお、ブックレットの写真は一枚を覗きエレーナ・ハマシャンの手になるもの。名前から想像するにティグランの奥さんか兄弟の方だろうか。寂しげな風景が並んでいる。アルメニアの風景だろうか、有名なアララト山の写真らしきものもある。結構気に入ってしまったので、過去の録音もチェックしてみたい。Tigran hamasyan:An Anciant Observer(Nonsuch 559114-2)1. Markos and Markos 2. The Cave of Rebirth 3. New Baroque 1 4. Nairian Odyssey 5. New Baroque 2 6. Etude No. 1 7. Egyptian Poet 8. Fides Tua 9. Leninagone 10. Ancient Observer Tigran Hamasyan(p, synth, voice, Fender Rhodes, effects)Recorded at Studio de MeudonmMeudon,Franceat Alphasound Recording Studio,Yerevan,Armenia(5 only)
2017年09月06日
コメント(0)
今週号の文春にいささかショッキングな事件?が取り上げられていた。8月20日に「世田谷パブリックシアター」で開催された「日野皓正 presents “Jazz for Kids”」での出来事。中学生のビッグ・バンドと日野皓正さんが共演したコンサート。アンコールの後半のドラムソロの時、ステージ上手の最前列にいた日野さんが、ステージ下手後方のドラマーの男子中学生に近づいて行って、スティックを吹き飛ばしたにもかかわらず、ドラマーが手でたたき続けたので、日野さんが髪をつかみその後びんたを見舞ったようだ。映像はぼけているし、遠くから客席から映したものなのでよく分からないが、そのような状況であったことはおぼろげながら想像できる。ただ、短く切り取られているので、その前の背景は全く分からない。思うに、ドラム・ソロが受けたため、調子に乗って続けてしまったことで、日野さんが怒り、実力で阻止しようとしたことのようだ。彼のソロの後にもソロをするメンバーがいたということも、日野さんの怒りを増幅させる要因だったのだろう。集団で演奏をする時はルールがあり、それを守らなければ演奏は台無しになることは明らかだ。それを、破ったのに注意されても演奏をやめなかったドラマーは自己中だ。続けるにしていも、メンバーやリーダーの了解を得てから続けなければならない。そういう最低のルールを守れない人間は、一人でやればいいのだ。演奏会中は子供だからと言って甘やかすことは許されない。日野さんの注意の仕方が乱暴だという指摘はあるかもしれないが、びんたが乱暴ならドラムから離すしかないだろう。見た目にはそちらの方が穏便に見えることは確かだが、とっさにはできない。そうかといって、実力で阻止しないで、その場で説得するというわけにもいかない。そうなったら漫画だ。ジャズの世界ではソロで他のメンバーに何かを伝えるということはよくある。有名なのはプレスティッジのクリスマス・セッション(1954.12.24)でのマイルスとモンクのいざこざ?。「The Man I Love(take2)」でモンクがソロを途中でやめてしまったので、続けろとマイルスがトランペットで合図を送って、それを聴いたモンクがはっとして、ソロを再開したという話。最初はハーフテンポのあまりやる気のないソロが、トランペットの合図のあとは我に返ったように通常のテンポのソロに変わるところが面白い。このセッションでは伏線があって、マイルスが俺のソロの時にピアノを弾くなとモンクに言ったので険悪なムードになったということも伝わっている。このエピソードが本当かどうかわからないが、音を聞くとなるほどと思ってしまうことも確かだ。(Miles Davis And The Modern Jazz Giants収録)(閑話休題)今朝の新聞に日野さんのインタビューが載っていて、ドラマーの中学生は父親と子供みたいな特別な関係だと仰っていたので、信頼している人間に裏切られたと思って、瞬間的にかっとなってしまったのだろう。当の中学生は反省しているようなので、今後もドラムを続けてほしい。実際にビッグバンドや吹奏楽などの集団で演奏したことのない方には理解しがいた面があると思うが、「暴力」という視点で一方的に日野さんを糾弾するのはでやめてほしい。また、将来のことがあるので中学生の画像や氏名などが流出することのないようにもしてほしい。近年、日野さんのコンサートに行くと、気が短くなったのか、不機嫌そうな顔をしていることがあったが、まさかこんなことになるとは思っていなかった。ただ、こんなことで日野さんの音楽を嫌いになっては欲しくない。ところで、こんな事件が10日もたたないうちに流出するなんて、どうなっているだろうか。おそらく、観客が垂れこんだのだろうが、少しでも暴力的な行為があると、背景もわからずタレこむような嫌な世の中になってしまったようだ。最近政治家や芸能人のスキャンダルなども些細なことまで報道されるようになってしまった。当ブログなどはあまり見たくないのだが、世の中で要求されているからなのだろうか。
2017年09月03日
コメント(0)

レコード芸術で偶然見つけたイザベル・ファウストの新譜。フランクのソナタとショーソンのピアノ、ヴァイオリン、弦楽四重奏のコンセールという珍しい作品の組み合わせ。コンセールはフランス語で「協奏曲」の意味だそうだ。英語の「concerto」の末尾の「o」がない言葉で、最初は意味がわからなかった。弦楽四重奏をバックにヴァイオリンとピアノがソロを弾く様な曲で、決してピアノ6重奏ではないところが肝。ただ、協奏曲とはいえソロとバックがガシガシと応酬するような曲ではない。ソロにバックが寄り添うと言ったらいいだろうか。柔らかな肌触りがなかなか心地よいが、あまりアピール度は高くない。ただ、夕映えを思わせるような仄暗い雰囲気は悪くない。最後の楽章は、リズミックな舞曲で、なかなか激しく迫ってくる。駄曲とまではいかないだろうが、録音が殆どない状況が、世の中での評価を表していると思う。そういう中で、このような強力な演奏が出たことは、この曲にとって、とてもいいことだろう。これをきっかけに、ブレイクするかもしれない。メインのフランクは、あまり劇的な表現を取らず、抑制的だ。ファウストのヴァイオリンはビブラートが控えめで、最後のカノンでの切れ目のないフレージングと高音域の美しさが、主題の美しさと歌謡性を引き立たせている。全体的に清々しさがみなぎっていて、今までの演奏とは一味違うアプローチが新鮮だ。ベデルニコフノのピアノは強力で、長年コンビを組んでいるだけあって、呼吸もぴったり。Isabelle Faust:César Franck / Ernest Chausson(Harmonia Mundi HMM 902254)1.César Franck:Sonate Pour Piano Et Violon La Majeur5.Ernest Chausson:Concert Pour Piano, Violon Et Quatuor À Cordes Op.21 Ré MajeurIsabelle Faust(vn)Alexander Melnikov(p)Salagon Quartet(5-8)Recorded June-September 2016 at Teldex Sutio,Berlin
2017年09月01日
コメント(0)
全14件 (14件中 1-14件目)
1


