音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2024年03月01日
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カテゴリ: ジャズ

だいぶ遅くなったが、 ジョーイ・エレキサンダー (2003-)の最新作「Continuance」について。
bandampからの入手なので、ロスレスをアップコンバートしての試聴。
彼の7枚目のアルバムだが、昨年の3月の録音で、当時まだ若干19歳だったとは驚いた。
デビューが2014年なので、もう中堅どころに差し掛かってもいいような気がしていたのだ。
彼は早熟の天才で、デビュー当時から大人びた音楽をやっていたが、本アルバムを聴くと、ベテラン・ミュージシャンを聴いているような落ち着きぶりが感じられる。
ディストリビューターのコメントによると、過去 4 年間に何百回ものギグを共にしてきたクリス・ファン(ベース)とジョン・デイヴィス(ドラムス)のレギュラー・トリオでの初レコーディングとのこと。
ベースが超強力でバウンス感が半端ない。

シオ・クローカーの渋いトランペットが、トリオにフィットして、なかなかいい味を出している。
1曲目の「Blue」はボルチモアの朝を描いたオリジナル。
ヒップ・ホップ色の強いドラミングが、なかなか斬新だ。
ピアノ・ソロが結構いろいろなことをやっているのだが、不思議とうるさくなく、爽やかなサウンド。
「Why Don't We(Move To Baltimore)」はボルチモアつながりの曲。
優しいメロディーが流れる。
短いリフを繰り返しながら盛り上がるエンディングは、なかなかの聴きもの。
ピアノとフェンダーローズを使った「Hear Me Now」はリズミックで速めのテンポの曲。
左手のリズムが、聴き手をせかすように聞こえ、居心地が悪い。
フェンダーローズは効果音として使われているようだが、あまり効果的とは思えない。
個人的には、ないほうが落ち着く。

ダークなムードを醸し出す印象的なリズム・フィギュアに乗って、トランペットとフェンダーローズのソロが展開される。
フェンダーローズがいい感じだ。
ボニー・レイットの1991年のヒット曲「 I Can’t Make You Love Me」(邦題「夕映えの恋人たち」)は原曲の持ち味を生かしたストレートなアレンジで、悪くない。
6曲目の讃美歌「父の神の真実(主の真実はくしきかな)」が、清らかというよりゴスペル風の黒っぽい演奏で実に感動的だ。
ドラムスがバシバシと叩いているのだが、聴き手の心にじわじわと染みこんでくるのだ。

フルートのようなサウンドが聞こえる。
メロトロンのフルートのサウンドで、散歩するときの空気感を表現したという。
この メロトロン はテープに録音した音をキーボードを通して出すものらしい。
このフルートの音がスカスカで歪みっぽく、筆者としてはあまり好ましい音ではなかった。
ただ、実際その場で人間が吹いているようなリアル感があることも確か。
このトラックでは、ピアノのアクションの音が結構聞こえるのが気になる。
いつも感じるのだが、このレーベルはロス・レスでも音がよく、ハイレゾに遜色のない音が楽しめる。
とうことで、結構地味な出来だが、音楽の構造が堅牢で中身が濃く、なかなか楽しめるアルバムだった。

Joey Alexander:Continuance

Joey Alexander:
1. Blue
2. Why Don't We
3. Hear Me Now
4. Mike Reid and Allen Shamblin:I Can't Make You Love Me
5. Zealousy
6. Thomas Chisholm:Great Is Thy Faithfulness
7. Aliceanna

Joey Alexander (p)
Kris Funn (b)
John Davis (ds)
Theo Croker (tp track 1-3,5)

Recorded The Bunker, Brooklyn, New York 30-31 March 2023





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Last updated  2024年05月19日 21時46分42秒 コメントを書く
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