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中世再考(著者:網野善彦|出版社:講談社学術文庫) 中世の人々がどういう生活をしていたか、という具体的な事例を挙げて説明する本ではなく、歴史をどのように捉えるかという捉え方について述べた本だった。 中世の日本は、何となく思っていたのよりは自由な世界だったようなのだが、実感としてはわからない。 文章にもわかりにくいところがある。例えば、「自由民であることが、共同体への所属、共同体成員であることを否定された人々―奴隷と自らを区別する成員権に付随したもの、というさきの自由民についての規定に依拠するならば、日本古代の公民―平民も、中世の平民百姓も、自由民といってなんら差し支えないと私は思うのである。」などは、何だかよくわからない。 ところがその一方で、宮本常一について述べた文などはわかりやすい。どうも、わかりやすいかどうかというのは、こちらにある程度の知識があるかどうかということにかかっているらしい。「『忘れられた日本人』をめぐって」など、非常にわかりやすく、なぜこんなに理解しやすいのかと思っていたら、何のことはない、岩波文庫の解説で同じ文を以前読んでいたのだった。 この本を読んで得た最大の収穫は、なぜカムイは自分の忍法を「夙流忍法」と呼んでいたのかわかったことだった。(読んだのは日本エディタースクール出版部版だが、現在品切れ)古本で探す
1997.12.17
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夕暮れに苺を植えて(著者:足立巻一|出版社:朝日文芸文庫) 最初に題を見た時には、のんびりした人生の話かと思ったらさにあらず、この後に、「雨降り出でぬぬれつつぞ植うる」と続くのだった。 著者が、自分の恩師の人生をたどっていくのだが、よくこまめにあちこち実際に訪れている。 この本の中で一番印象に残るのは、三年目にやっと学科で合格しながら、顔に痣があるというだけの理由で皇學館に入学できなかった友人の話だ。 「一つ目小僧」風に考えれば、神に仕えるために、特に選ばれた者のあかしであるかもしれないのに。古本で探す
1997.12.04
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