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家(下巻)(著者:島崎藤村|出版社:新潮社) 離散と破産ばかりの小泉家と橋本家。 なぜ地道に働こうとせず、事業などで大きくもうけようとするのか、と思ったが、おそらく、商店なら丁稚奉公からしかないのだろうし、あとはせいぜい小商いしかない時代だったのだろう。 なまじ裕福な旧家生まれであるが故に、かえって身を滅ぼしてしまうのだ。 家が支えとなっているのではなく、自分の家・一族というものが重くのしかかってきて、その呪縛から逃れられずに生きた人々の物語だった。 表現の上では、「むむ、それも一理ある」(p117)というのが印象に残った。岡本綺堂と同じで、「うむ」ではなく「むむ」だ。 最後まで読んでから上巻巻末の「注解」に改めて目を通したが、年号に誤りがあるのに気がついた。 (三)の、昭和八年に新だという人物の没年が1932になっているが1933のはず。 (六)の、大正二年に郷里に帰ったという人物の生没年が、(1856-1874)になっている。これでは明治七年に若くして没したことになってしまう。
2003.04.08
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家(上巻)(著者:島崎藤村|出版社:新潮社) 藤村自身とその家族をモデルにした小説。 地方の名家が没落し、ほとんどの人間手を出す事業にことごとく失敗する。 一族の命運が傾く中、主人公は苦しい生活を続けながらも、自分の道を歩いていく。 妻とのことも本当にあったことがもとになっているらしいのだが、こんなにいろいろ書いていいんだろうか。 この本には注解がついていて、現在では使われていない言葉などについて説明しているのはいいのだが、主要な人物が登場するたびに、そのモデルが誰か説明し、どのような最期だったかまで書いてしまっている。 これでは、先を読む楽しみが半減してしまう。 モデルについては、下巻の最後にまとめればよかったのに。 一カ所誤植発見。 「乳房を咬《くわ》へながらも泣止まなかった。」(p153)の「咬へ」は「咬え」のはず。
2003.04.02
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