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<2023/3/26追記しました>*以下、最終回までの展開を知っている前提で記事を書いてます。最終50巻の内容について、思いっきりネタバレありです。本作品を楽しむ上でかなり重要な部分ですので、未読・未鑑賞の方は読まないでください。*ちはやふる 感想-その9恋愛とかるたについて-その3『ちはやふる』は、ネタばれ回避の意図があってだと思いますが、千早ちゃん&新くん、千早ちゃん&太一くんのツーショットカップルイラストが、びっくりするくらい少ない印象です。その中で単行本22巻・26巻の表紙は、今後の展開を踏まえた見事な対のイラストになっていると思っています。ここからは時系列です。・26巻・太一杯~太一くんの告白~退部26巻の太一杯。ここで、千早ちゃんの「太一くんのかるた」への執着及び束縛心が、行き着いた形で表出されました。このエピソードは、妹とのオタクトークの中でも「こんなの観たことがない、天才的過ぎるエピソード」と幾度となく話題に出て来ます。流石に千早ちゃんも、太一くんが部活をやるのがキツくなっているのは気づいていて、年明け・原田先生の名人戦と、その後の高松宮杯以降は、本当に何とかしなければ…と。かなちゃん提案の、バレンタインまでの方向性は良かったと思うんですけどね…そこで大々的にしくって、その無念も乗せて、周囲の人たちの「太一くん愛」を、『かるた大会』にして伝えようとして来ました。とんでもないかるた脳の女の子の、最上級の愛情表現だったと思います。瑞沢かるた部の子たちも、あれだけ頭のイイ子たちが揃っているんですから、誰か一人でも気づいてくれれば良かったんですが。「これ、たぶん太一くん嬉しくないよ」って。皆、太一くんに元気を出して欲しい気持ちは持っていますし、バレンタインの女子たちの無念を共有していますので、あのような、超・力の入った、悪ノリの産物みたいな悲劇イベントが実行に移されてしまったんでしょうね。「優勝賞品は『太一のキス』」という千早ちゃんの恐ろしい景品設定も、「かるた以外は全く求めてないよ!」という千早ちゃんの強烈なアピール(になってしまったもの)だったんだろうな、と受け取っています。太一くんは、ちゃんと「気持ちは嬉しい」とその場では笑ってくれていましたが、ここまで、千早ちゃんと仲間たちに気を使わせてしまうような状況に対し、「3年次の部長は出来ない」「ここまでだ」という決心がついたのかな、と思います。直後、部室での太一くんの告白シーン。これは告白というより、太一くんが、千早ちゃんとかるた部から離れるための2つの切り札を提示したシーンだと受け取っています。ここで千早ちゃんに言ったのは、太一くんがかるたをやってた理由の列挙かな、と。①小学生のかるた大会で新くんのメガネを隠した。それをずっと悔やんで来た。②苦しい気持ちがありながら、ここまでかるたをやってきたのは、千早ちゃんが好きだからだよ。⇒要約:千早ちゃんが思っているように、「かるた」が楽しくてやってたわけじゃないよ。千早ちゃんは、ここで太一くんの発言の意図が全て汲み取れていたわけではないと思います。ただ、太一くんが「何かを終わらせようとしている」ことは分かる。いきなり太一くんが「恋愛」を持ち出して来たことに関して、その表情も見て、千早ちゃんは直感的に「一緒に生きて行く」という次元の話だと認識して、やっぱり怖くなって受け止められずに一旦蓋したな、拒否ったな、と受け取っています。このシーンの漫画表現は…まぁ、いろいろと凄いと思います。これを、新くんの告白「一緒にかるたしよっさ」に被せて魅せて来たのは、まぁ…平たく言うと「(読者への)ひっかけだろうな」と思っています。もちろん告白の連鎖もあったり、千早ちゃんが実際に、「新くんが好きかも!?」と思っていたから、新くんが思い浮かんだんだろうな、とは思うのですが、でもこの先、最終回まで、千早ちゃんは新くんの告白を、「一緒に生きて行こう」と言われたとは、全く認識していませんでしたので。このシーンで突然出て来た「一緒に生きていく」という言葉は、太一くんの「好き」を千早ちゃんが読み替えたものだろうな、と受け取っています。(↑最終回まで読んだ上での感想)。千早ちゃんが、太一くんの意図することを全部理解したのは、退部届を突き付けられた時だと思います。千早ちゃんにとっての、太一くんと繋がれる『かるた』という生命線を切って、千早ちゃんから離れたかったのか…です。その後、我を忘れて太一くんを追いかけて、「いやだ」と泣いてすがりつくという、目も当てられない失態を侵し、太一くんに「おまえはおれが 石でできてるとでも思ってんのか」「かるた 百枚全部真っ黒に見えんだよ」という、千早ちゃんとかるたを突き放しにかかるセリフまで言わせてしまい、関係性破綻を決定的なものにしてしまいました。千早ちゃんにとって、とにかく一番ショックだったのは、太一くんにとって「かるたが楽しくなかった、苦しかった」点 だったと思います。高校に入り…というより、基本的には小学生の頃から、ここまで千早ちゃんが、どれだけ太一くんを「自分と一緒にやる『かるた』」に束縛しようとして来たか、太一くんがどれだけそれに一生懸命応えようと頑張ってくれていたか…太一くんにとって「かるたが楽しくなかった、苦しかった」のなら、かるた仲間の作れない自分に付き合わせて、ただただ「無理させてた」ってことなので。小学生時のかるた大会を思い起こせば、そもそも太一くんにとって、「かるたが楽しい」なんて始まりではなかったことは、千早ちゃんには容易に想像がつくはずなんです。思いっきり、当事者ですから。明らかに英才教育を受けた、かるたの天才・新くんが居て、ビデオカメラを持ったお母さんが居て、でも周囲のクラスメイト・親や先生たちには、競技かるたへの理解はほぼなくて、新くんと太一くんの実力差で、太一くんが1枚も取れないことが当たり前であるとは認識してくれない状況下でした。途中で乱入した自分が勝ち、試合後に太一くんがお母さんに怒られていたのも観ていました。高校生になって再会してからも、当初は太一くんはかるたをやるのを渋っていました。だけど、千早ちゃんは、太一くんはずっと、自分と同じように、「かるたが好きだからやってる」のだと思い込んでいました。自分自身の「かるた」も含めて、足元から崩れるとはこのことで、太一くんのことも、一旦、完全に見失ってしまいました。・26巻の関係性崩壊について・双方の「自信のなさ」千早ちゃん方面、太一くん方面。語り出すと本当に多角的な要素が複雑に絡んでおり、この展開に行き着いていると思います。太一くんについては、新くんに向かうため、個人選手として、自分の『かるた』を探求したくなったのもありますし、もちろん、かるたと新くんに対する負い目と、自己否定のスパイラルが思考回路に大きく影響を及ぼしているとも思っています。ただ、一番根っこにある原因は、お互いに、相手のことを知り過ぎてるが故の「自信のなさ」だろうな、と受け取っています。太一くんの「告白」は、基本的に千早ちゃんから離れるための切り札でした。あれは、千早ちゃんに何かを求めている言い方ではなかった。太一くんは、千早ちゃんに明確に求めたいものがあるんですよ。最初から。でもそれを、直接千早ちゃんに求めようとしたことは一度もありません。これは、最終50巻まで一貫してました。自分には、千早ちゃんの望むような形で、今後も一緒にかるたをやってあげることは出来ない。また、もし自分の望むような未来が叶ったとしても、(簡単に言うと、千早ちゃんが真島家にお嫁さんに来てくれたとしても)おそらく、千早ちゃんを絶対に向いてない、ものすごく頑張らなければならない状況に置くことになってしまう。それでも、こんなデメリットだらけの状況を凌駕するくらい、千早ちゃんが自分のことを大好きになってくれて、「幸せだ」と思ってくれるなら、最高なんですが…とてもそんな自信が持てなかったのだと思います。千早ちゃんのことを大事に思ってくれていて、今後も実直に「かるた」至上主義を貫いていくであろう新くんと一緒に生きていく方が、千早ちゃんは絶対に幸せだ、と考えるのも、まぁ、仕方がないというか…理解が出来ます。千早ちゃんが、あんまり「かるた」ばっかり求め過ぎましたからね。 反面、先にも書いたとおり、千早ちゃんが「太一くんのかるた」に固執していた理由は、「かるた以外のフィールド」で太一くんについて行く、また、自分が太一くんに対して何かしてあげられるような自信が、全くなかったからだろうと受け取っています。千早ちゃんの目線からしたら、そりゃそうだよな、と思います。この2人の意識については、一言。「盛大にすれ違ってるよなぁ…」なんですが、まぁ…まだ高校生ですので。高校生の段階で、「自分は、相手を誰よりも幸せにできる存在です(一生涯レベル)!」みたいな自信満々の奴が居たら、そっちの方が怖いですし。・太一くん退部後、クイーン・名人戦予選までこの先は、感想その4の千早ちゃんについてで、時系列で書いていたので、さらっと行きます。太一くんがかるた部を退部し、千早ちゃんは「かるた嫌いだったんだ…無理させてたんだ…」って、自分も一時かるたが出来なくなったり、大変でした。で、太一くんですが、かるた部を辞めて、結局かるたをやっていました。千早ちゃんがこの事実を知ったのは、32巻・高校選手権で太一くんの伝言メッセージを見た時だと思います。太一が「次」を語る 目の前にばぁっと道が 見えた気がしたとても印象的なモノローグです。千早ちゃんが「太一くんのかるた」の先に、一縷の希望を見出した…というか、この先にまだなんとか、太一くんと『かるた』で繋がることが出来る道があるんじゃないか、と考えたのだと思います。36巻・名人・クイーン戦予選で、須藤さんが太一くんに「勝ったら 競技かるたを一生やる」という条件を被せて来た時。太一くん自身は「うげっ」って表情してるのに、千早ちゃんはめちゃくちゃ嬉しそうでした。「太一くんが競技かるたを一生やる」という言葉だけで幸せになれる…それくらい千早ちゃんにとって、「太一くんのかるた」は大事…というか、執着の対象だったのだろうな、と受け取っています。そして、もう1点。千早ちゃんは、東西線予選で千早ちゃんの方を(あえて)見ずに「自分のかるた」に集中して闘う太一くんとか …もう、大っっっ好きなんですよ。自分で考えて、いろいろ準備して仕掛けてくる太一くんとか …もう、超応援したくて仕方がないんですよ。でも、太一くんは、千早ちゃんにかるたやってるところを見て欲しくなさそうだし、何もやってあげられることがなさ過ぎて、終いには、太一くんの試合の「ちは」札を、自分のアバター代わりに脳内設定して、「ちは」札で太一くんが試合を決めたときには、「ちは」は太一を助けた? よかった よかった とか思っていました。この、37巻の極限状態でのモノローグ、作中の千早ちゃんのセリフ・モノローグの中で、妹のイチオシです。・東西戦、諦めこの千早ちゃんが、40巻までの東西戦を闘い抜いた太一くんを見て、流石に「太一くんにかるたを求める」ことを諦めざるを得ないというところまで、思考がたどり着いたんだろうな、と受け取っています。ここにも、複数のベクトルがあると思っています。①もともと、背負っているものが多過ぎる太一くんに、これ以上の負担を課すことをしてはいけない。無理させたくない。太一くん自身が、自分のペースで自由にかるたに向き合うならともかく、「千早ちゃんが、千早ちゃんのために太一くんのかるたを求める」ことは太一くんにとってはただの負担増なので、絶対にしてはいけない。②高校生の段階で、東の代表までのし上って来た「太一くんのかるた」は、新旧名人(周防さん・新くん)を筆頭に、かるた界もその伸び代に期待を寄せており、「(千早ちゃんが)一緒に楽しくやろう!」などと独り占めしていい次元のものではない。②もあるとは思っていますが、基本的には①の方が当然比重が大きくて、太一くんが3戦目まで闘い切る姿を見て、その後の新くんとの会話を聞いて、「太一くんは『かるた』でやるべきことはすべてやり切った」「頑張った」「お疲れ様」と千早ちゃんの中で納得がいった、というか。太一くんがなんで、ここまで「かるた」をやって来たのかも、太一くんにとって「かるた」がどんな存在だったのかも、もっと根本的に、小学生の頃から観て来た「太一くん」とは、どんな子なのか、これまでもこれからも、何を背負って、生きている子なのか、全部繋がって、理解まで落ちて来たんだろうな、と受け取っています。太一くんにとって、瑞沢かるた部で仲間と過ごした日々、競技かるたと向き合った日々が、決して不幸なものではなく、大事にしたいものなんだということがしっかり確認出来た、…その上で、千早ちゃんの中で、冷静にもう、太一くんに「一緒にかるたやろう!」を言いたくない、と…断腸の思い(強い涙)で、「太一くんのかるた」を諦めたんだろうな、と受け取っています。26巻から、コミックにして14冊…東西戦は11月?だと思うので、作中の実期間で半年以上かかりました。繰り返しになりますが、それくらい、千早ちゃんにとって「太一くんのかるた」は自分のかるたの土台の一部であり、心の拠り所であり、簡単には諦められない、太一くんと繋がる唯一の生命線…執着の対象だったのだろうと思っています。・だんだん薄れていくんじゃないかって思うよ40巻。太一くんに、かるた部で布団を届ける回。千早ちゃんは、「かるた」を一旦一区切りして、一気に受験モードに切り替えた太一くん…短髪になって、「かるた」と出逢う前・小学生の頃のような面影の太一くん…とか、…もう、大っっっ好きなんですよ。千早ちゃんも、流石にこの時には全部分かってると思うんですけど、「かるた」やってる・やってないとか関係ないんですよ。ただただ、太一くんが大っっっ好きなんですよ。でも、「かるたしよう!」(←千早ちゃんの唯一のコミュニケーションツール)以外に、何をどう話しかけていいか全く分からなくて、超挙動不審になってたんだろうな、と受け取っています。そんな中で、背後から聞こえて来た、かなちゃんと太一くんの超気になる会話(小声)。真島くんはいまでも 千早ちゃんを好きですか……?もうよくわからん… でも だんだん薄れていくんじゃないかって思うよ(後からはっきり描かれるシーンも出て来ますが、)この会話、耳の良い千早ちゃんにはばっちり聞こえていました。このシーンの、千早ちゃんの心情については、本当にいろんな解釈というか、想像が出来るように描かれていると思います。太一くんの「だんだん薄れていく」という言葉をどう捉えるか…なんですが、もちろん焦ったり、寂しく感じたり、悲しく感じたり…そういうマイナス方向のベクトルで捉えてもおかしくない言い回しだな、と思います。ただ、私と妹の間では、下記↓のような話になっています。「この時の千早ちゃんにとっては、26巻で太一くんの言ってくれた「好き」が、『まだある』という一縷の望みの提示だろう」千早ちゃんの中で、東西戦で、「太一くんと『かるた』で繋がること」を諦めて、ここに来て初めて26巻で太一くんの言ってくれた「好き」が、太一くんと一緒に居られる未来を開く「鍵」になったのかな と受け取っています。・2巻・第八首と最終回千早ちゃんと『かるた』と太一くんの三角関係が、最終的にどこに行き着いたのか、分かりやすく語れるのが、2巻・第八首と最終回との比較かな、と思っています。2巻・第八首…千早ちゃんが大会で優勝して、A級になって、外で観戦していた太一くんに抱きつきに行って、「やろう かるたやろう太一 やろう!」と叫ぶシーン。 私は、このシーンで「ちはやふる」という作品が、「かるたでクイーンになる女の子」と「かるたをやるべきではない男の子」のラブストーリーになったんだろうな、と認識しています。千早ちゃんが「かるた」と言いながら、ガッツリそれ以外のものも求めていますし、また反面、太一くんは想像していたよりずっと「かるたを頑張りたい」と言ってくるので、「これは面白い!」となったのかな、と。この、2巻のシーンと、最終回の千早ちゃんの告白シーンは、被せてある…というか、千早ちゃんの中で基本的に同じ思考回路で動いているシーンだと思っています。2巻:「大会で優勝してA級になったら」⇒「一緒にかるた部作ってよ」最終回:「クイーン戦を独りで闘い抜けたら(あるいは「勝ったら」)」⇒「・・・」「・・・」の中身は、やっぱり「一緒に居たいです」かなぁ、と思っています。千早ちゃんは、クイーン戦終了後、太一くんを探して見つけて、階段で一度、2巻同様、勢いのまま告白しようとしてたんじゃないかな、と思っています。ただ、すぐに新くんも来て、太一くんが新くんに宣戦布告(「かるた続ける」宣言)をしたので、なんか「チームちはやふる」のイイ感じのシーンになっちゃって、結局クイーン戦の日には言えず、速攻で受験本番に突入し、ずるずると卒業式まで来て、おそらく千早ちゃんは「受験が終わったら」と思っていたのではないかな、と受け取っています。(ただ、それでもやっぱり怖くなって「大学に入って生活が落ち着いたら」とか言い出してずるずると引きずりかねなかったな、とも思いますが…)結局、卒業式後、太一くんが京都大学を受験していることを知り、本気で離れるための決定打を打たれ、「大丈夫、(千早ちゃんの望むように)かるたがあるからまた会えるよ」と、300%千早ちゃんの為を思った、優し過ぎる別離の言葉を差し出されたところで、観念して告白しました。すべてを「かるた」に集約して求めようとした2巻と、「かるた」を切り離して、「好き」だけを伝えた最終回。比較をするとよく分かりますが、千早ちゃんは2巻で、太一くんに「かるた」を求めるのは、あんなに強引に抱きつきに行けていたのに、最終回では、恐る恐る手を握って、顔を伏せながらの告白でした。最終回で、太一くんの「かるたがあるからまた会えるよ」という言葉に、千早ちゃんが「それではダメ」だから「好き」を被せてきた会話の流れからも、見事にその差が概念的に定義されています。千早ちゃんと太一くんが、ここまで明確に「かるた」をちゃんと切り分けて整理しないと、未来に向かえなかったのは、やっぱり根本的には、「太一くんが『かるたをやるべきじゃない子』だから」だろうな と受け取っています。少なくとも、太一くんがやる「かるた」は、太一くん自身が、好きで楽しくてやるものであるべきで、千早ちゃんが求めるものではない。 「かるた」を介さなくても、もっと自然な形でこの先を「一緒に生きていく」ことは出来ます。ただ、それを切り出すには、千早ちゃんに自信と大きな覚悟が必要だったと思います。3年次、太一くんの居ない夏の高校選手権で、一生懸命、太一君の代わりを務めようと振舞ったり、クイーン戦に向かう中で、人脈を頼りに、所属ホーム(瑞沢かるた部・白波会)とは別団体に独り乗り込んでいったり、元クイーンの方たちとの繋がりを強化して、様々な方の視点を一生懸命吸収したり、また大人たち・業界全体・それ以上の目線が集まる中で、やりたい・やりたくないという感情を超えて、「自分の役割」という観点で、自分にできる最善と考えられうる立ち振る舞いを一生懸命演ったり…。1年間をかけて、千早ちゃんが、慣れない組織体や業界・社会の中で、1個1個「出来る」ことを頑張って増やして、1個1個「自信」を作って、受験勉強と同時並行でクイーン戦まで戦い抜いて、その上でようやくたどり着いた、最終回の「好き だ よ」です。これは本当に、人生レベルの覚悟持って伝えた言葉、…プロポーズの次元の言葉だと受け取っています。告白シーンは、何度読み直しても、本当に概念的で、素晴らしいです。部室・畳の上というシチュエーション。「ここ」で2人で最高のかるた部を始めたんだ、太一くんの居る「ここ」を永遠にしたいんだ、一緒に生きて行きたいんだ、という千早ちゃんの思いも本当によく伝わって来ますし、伝える・伝わると、受け取る・受け取ったことが相手に伝わる が、言葉のみならず、手と目線の演技の全部で見事に表現されていて…漫画表現の神秘性を感じる超名シーンだと思っています。千早ちゃんは本当に怖かったけど、ちゃんと伝えて…そしたら太一くんが、千早ちゃんがそこまでの重みを持って言ってくれた言葉だと、きちんと受け取ってくれました。「好き」という言葉まで洗練しないと、たぶんダメだったろうと思います。 「一緒にかるたしよう」じゃ、もちろんダメだし、「一緒に居たいです」でも受け取ってもらえたか分かりません。「一緒に居られない」時が来るので。太一くんは、そもそも(受験に合格すれば)4月からは京都ですし、今後海外留学も視野に入れているような発言もしていました。「この先、千早ちゃんとかるたを優先してあげられない状況が来る」ことが、太一くんにとっては「越える気のない」大きなハードルで、だから自分から、千早ちゃんに未来を求めることを絶対にしなかったんだと思っています。このハードルを越える方法は次の2つを同時に満たすこと。①千早ちゃんから、「(太一くんが)大好きだから、どんな状況でも頑張れるよ。それが幸せだよって、覚悟を持ってちゃんと伝えることと、更に、②太一くんが、(自分と居ても)千早ちゃんがちゃんと幸せになれると信じられることです。自分の助けなく、クイーン戦まで闘い抜いた千早ちゃんが、部室で、あの表情で言ってくれた「好き」だったから、太一くんにもちゃんと伝わったんだろうな、と思います。寸分の狂いなく「これ」が欲しかった!!って、太一くんが喜んでくれたので…千早ちゃん、伝えて良かったねぇ…///って本当に思えるラストシーンでした。・まとめ同じようなことをぐるぐる語り散らかしてきました。本当に沼が深かった…というか、魔窟でした。特に「真島太一」…。完結した今こそ、この作品は本当に是非!頭から完結まで、まじまじと読み直すべき作品だと思います。もちろん、かるた描写、スポ根描写も素晴らしいですし、様々な立場の方が「人生」に向き合っていく姿を、かるたという光で照らしながら立体的に魅せて行く…多角的で、どのキャラクターの描写もとにかく深くて、語っても語っても、語りつくせない作品だな、と思っています。ただ、作品を串刺す軸として、その7~9記事で語りまくった『ラブストーリー』という観点は、絶対に外せない、本作最大の魅力だと思っています。末次先生の本領は、やはり『ラブストーリーテラー』『構成作家』である点だと思います。ひたすら「かるた」の練習・試合描写を延々と描き続け、最後、千早ちゃんの隠していた恋心を一気に鮮やかにすることで、そこまでの描写を一気に「恋」の物語として打ち付ける。情景を詠んでいるように見せて、これは本当は「真っ赤な恋の歌」なんだよ、という「ちはやふる」の和歌の解釈の面白さが、物語の構成として体現されていたんだろうな、と受け取っています。至宝です!!面白かった!by姉『ちはやふる』感想リンク『ちはやふる』読み始めました!感想-その1 話の骨格について感想-その2 かるた競技への芸術的・創造的アプローチについて感想-その3 千早ちゃん・新くん・太一くんの三角関係について感想-その4 瑞沢かるた部&綾瀬千早ちゃんについて感想-その5 綿谷新くんについて感想-その6 真島太一くんのかるたと、2人の師匠について感想-その7 千早&太一 恋愛とかるたについて-1感想-その8 千早&太一 恋愛とかるたについて-2感想-その9 千早&太一 恋愛とかるたについて-3感想-その10 百人一首と「せをはやみ」の歌について感想-その11 末次先生の過去作とちはやふるのハイブリットなラブストーリー描写について感想-その12 若宮詩暢ちゃんについて感想-その13 「一緒に居るための手段」の整理とサブキャラクターを用いた視点の投入について京都に行ってきました-その①近江神宮初ねんどろいど!ちはやふる「綾瀬千早」+直筆イラスト付サイン本について映画感想『ちはやふる』(上の句、下の句、結び)3部作漫画感想『MA・MA・Match(マ・マ・マッチ)』(末次由紀先生)漫画感想『ちはやふる plus きみがため』1巻(末次由紀先生)
2023.02.26
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<2023/3/5追記しました>*以下、最終回までの展開を知っている前提で記事を書いてます。最終50巻の内容について、思いっきりネタバレありです。本作品を楽しむ上でかなり重要な部分ですので、未読・未鑑賞の方は読まないでください。*ちはやふる 感想-その8恋愛とかるたについて-2感想その7が千早ちゃんメインでしたので、その8は太一くんメインに好き勝手語ります。・太一くんの立ち位置について感想その7でも触れましたが、太一くんは、(祖父が)総合病院院長家系の子、という設定です。この「病院」について、後継がどのような話になっているのか、具体的に作中では語られません。ただ、お母さんがわざわざ入り婿(太一くん父)を取っている点や、長男(太一くん)に対する教育方針やプレッシャーのかけ方を見る限り、太一くんは、後継者か、もしくは有力な後継者候補という立場なのだろうな、と受け取って読みました。真島家の意向として、本人にその意志や資質がない場合であっても後継を強要しよう…という雰囲気は感じませんが、作中で「太一くんが後を継ぐ必要がない状況」を示唆する描写は全くありませんし、太一くん自身が、幼いころから「医師になる」道を自然と歩んでいます。そして太一くんの目指す「医師像」が、どうも一般勤務医ではなさそうというか…圧倒的なリーダーシップが求められる立場の医師なんだろうな、と感じまして。太一くんが、常に「なんでも1番」を目指しているのも、(母親の教育の賜物という面も勿論あるでしょうが)基本的には太一くん自身が、リーダーシップを発揮する場面で「それが必要・有効的」だと認識しているからだと受け取っています。おそらく、この部分(真島家の病院の規模や後継の状況)を作中で具体的に描写してしまうと、結局の所「いや太一くん、貴方は かるたなんかやってる場合じゃないよね!?」にしか辿り着かないんじゃないかな、と思います。なので、あえて母親の描写のみに留めて描かれていたのかな、と。最終回でさらっと留学の話が出てきたのも印象的でした。やっぱりどう考えても、太一くんはそもそも背負ってるものが重すぎて、熱血「かるた」漫画に投入しちゃいけないキャラクター というか…どうあっても、「かるたを否定する」ことになっちゃうキャラクターだな、と思っています。・千早ちゃんと太一くんの基本的スタンスについて本作を読んでいて(すごく面白いな)と思ったのが、千早ちゃんと太一くんの関係性について、様々なモデルが混在している点。千早ちゃんと太一くんの関係性の「基本形」は、下記↓だと思っています。・小学生時代の描写・瑞沢かるた部内の「部長・太一くん」を立てる描写太一くんを表向きの主軸として立てて、それを千早ちゃんが「頑張れ頑張れ」って応援する、「旦那さんを立てる奥さん」というすごく古風な夫婦像だなと思います。太一くんが、本当に千早ちゃんに求めているものは、作中一貫して、基本は「コレ」に尽きると受け取っています。太一くんは、千早ちゃんが自分を見てくれて、笑って「頑張れ」って言ってくれれば、何でも出来る。小学生の頃から、千早ちゃんが、媚びないニュートラルな目線を持った子で、かつ非常に自意識の低いというか、ほぼそれがない子なので。「お金持ち」とか、「もともと才能の塊」とか、そういう部分への嫉妬や嫌味のようなニュアンスを(暗にでも)含めることなく、「太一は頑張り屋だね!凄いね!」って言ってくれる千早ちゃんの目線・言葉が、あらゆるものを頑張っていかなければならない太一くんにとって、何よりの励みになり、一番欲しいものなのだろう…と思います。ーで、感想その4記事でも一生懸命語った部分なのですが、千早ちゃんも、対お姉ちゃんの描写から分かるように、「コレ」と決めた人を、全力で応援すること&愛を捧げることがもともと大好きな娘だと思っています。ですので、この「基本形」モデルについて、千早ちゃん・太一くんの2人の相性は、そもそもめちゃくちゃ良いと思っています。太一くんは、千早ちゃんに求めているものが明確過ぎて、恋愛がしたいとか好きな子に振り向いてもらいたいとか、そんな次元じゃなくて、最初から極論は「結婚したい」、「千早ちゃんの笑顔と『頑張れ』が、一生欲しい」なんだろうな、と思って読み進めました。ただ作中、太一くんが千早ちゃん本人に「これ↑が欲しい」と直接伝える&求めることは、一度もありませんでした。そして千早ちゃんとの未来を思い描く事もありませんでした。「千早ちゃんの幸せ」に繋がらないであろうことには、最初から手を伸ばすつもりなんてなかったんだろうな、と思います。・『かるた』を介した関係性の変容小学6年生の時、福井から転校してきた新くんと出逢い、『かるた』というフィールドが登場して、2人の関係性が一度変容したなと感じました。千早ちゃんが『かるた』に魅せられ、初めて自分でやりたいこと・極めたいことを見つけました。そして実際、『かるた』の天才でした。千早ちゃんの羨望の眼差しが新くんに向かう中…色々やらかしてしまった太一くんは、新くんに負い目を、『かるた』自体に大きなトラウマを抱えることになりました。でも、千早ちゃんが初めて「やりたい」ことを見つけて、瞳を輝かせているのは、凄く良いことだと思ってます。お姉ちゃんと比較して卑屈になることは全くない娘ですが、太一くんの目から見て、「千早ちゃんもすごくカワイイのに」「もっと自信持てばいいのに」という目線は、ずっとあったと思うので。そしてここで『かるた』という題材の特殊性が非常に異彩を放つのですが、中学~高校入学にかけて、アピール下手の千早ちゃんが、どうしても新くん・太一くん以外のかるた仲間を作ることが出来ないんですよ。『かるた』は、本気でやろうと思ったら百首暗記が必須で、とにかく入り口のハードルが高い。また日本社会における浸透度具合もいまいちで、極めたところで(一般層に対する)社会的ステイタスにはなりません。言ってしまうと、ただの「趣味」にしか成り得ないものです。高校入学後、太一くんが千早ちゃんの状況を見かねて…①今の状態では、自分しか一緒に『かるた』をやってあげられる人間が居ないな、と思ったのと、②福井に行って、新くんがかるたを出来なくなっている状況もふまえて、千早ちゃんとかるた部を立ち上げることを決心します。「……一緒に作ってやるよ かるた部新は必ず戻ってくるから おれたちは日本一のかるた部作ろう 強くなってあいつを待とう」このセリフは、千早ちゃんの気持ちに300%寄り添ったものでした。「千早ちゃんのやりたいことも、新くんの現状も、間違ってないし繋がってるよ」と。千早ちゃんは、一気に進むべき道が開けたような気がしたんじゃないかな…と、本当に嬉しかっただろうなぁ、と思います。ここで、『かるた』を介した2人の関係性の基本的なスタンスは、千早ちゃん主軸というか…太一くんが千早ちゃんの願いを叶えてあげる、千早ちゃんの目標を実現する道筋を、支えてあげる、という立ち位置が逆転するようなモデルに変容したと思っています。ただまぁ…言及しておきたいのが、ここ(福井からの帰り道)でいきなり「日本一のかるた部」とか、部活組織体としてのクオリティ的な目標設定(バカ高)を最初にぶっこんで来たのは、太一くんなんですよ。その後、嬉しくて増長した千早ちゃんが部活でガツガツした発言を繰り広げる度に、太一くんは周囲の子たちと一緒に「コイツはまた…」みたいな反応してましたが…いや元はと言えば太一くんが言い出したことなんですよ。更に言うと、太一くんはここではっきり千早ちゃんに「新くんを(一緒に)待とう」と言ってるんです。千早ちゃんが地区予選大会の時に、一生懸命新くんに「みんなで頑張ってるよ」アピールのメールを送りまくっていて、それを見た太一くんが神妙に傷ついている雰囲気を醸していましたが…いや…だから何を勝手に傷ついてるんだ 千早ちゃんは、太一くんがそう言ったから「太一くんと2人で一緒に」新くんを待ってるつもりなんだってば!この辺りの、ツッコミ所満載な「太一くんの認識&モノローグ」は、もう…本当にいちいちオモシロいなお前! と思って読みました。・太一くんが推し進めた道筋と、16巻での切り替えについて『ちはやふる』という作品上、誰が観ても、常に常に異常な動きをして、どれほど我の強いキャラクターたちをも翻弄してしまっていたのが、この真島太一くんだと思います。コイツの動きは、常におかしいです。<小学生時代>・小学6年生の時、学校のかるた大会にて大きなトラウマを抱える →自分で白波かるた会を調べ、新くんと千早ちゃんを連れて行き、一緒にかるたを始める。ちなみに太一くんは塾と習い事、中学受験と同時並行でかるた会に通っていて、3人の中で1人だけ明らかに別次元のスケジュールをこなしていた。<高校時代>・当初乗り気ではなかったが、千早ちゃんの強引な勧誘を受け&新くんの様子を見て千早ちゃんと一緒に瑞沢かるた部を発足。→「日本一のかるた部」「(千早の)目標はクイーン」等の劇高ハードルを設けて速攻で仲間を集め、部長として組織体をまとめながら目標に向かって爆進。 ・2年次・創部1年ちょっとで高校選手権全国大会の団体戦・個人戦(A級除く)制覇。・個人選手として、高校2年夏にA級に昇格すると、秋の吉野会大会で準優勝まで躍進。・3年生になった直後、瑞沢かるた部を退部。→(高校生のくせに)東大かるた部に入りびたり、永世名人・周防久志に師事する。・秋の名人戦予選を勝ち抜き、東の代表に。→東西戦で新くんと闘い、敗北。・新くんと千早ちゃんが、名人とクイーンになる瞬間を見守る。→それと同時並行で、京都大学を受験。環境を変える準備を進める。あっちこっちのベクトルを爆進し、時に信じられない急ブレーキとハンドル切り替えをして周囲を困惑させる太一くんですが、実はやっていることは一貫しています。1~50巻にかけて、太一くんが本当に推し進めていたことは、コレ↓だと思ってます。連載企画立ち上げ段階で、プロトタイプ1号として存在したであろう「千早ちゃんと新くんが、名人・クイーンとして並び、恋愛成就して結ばれる」という筋道の完遂。「競技かるたに愛された、運命の2人の恋物語」を強力に推進しようと立ち回っていたのが、他でもない太一くんだったな、と思っています。1巻1話のラスト… 「あれは名人になるやつだから」「じゃあ綾瀬さんはクイーンやの」←この会話を本気の本気でなんなら本人達よりも本気で信じたのが、実は太一くんだったんだろうな、と。ただ…あたりまえの事ですが、名人・クイーンとして並んだからって別にそれが「イコール恋人」になる必要なんて全くありませんし、…というか実際にそれとこれとは全く別の話なんですが。。太一くんの中では、自身のトラウマと一緒に小学生時代の2人の姿が焼き付いてたんだろうなぁ…と感じました。太一くんの「かるた」に対する意識の根底には、この前提↓があると思ってます。自分はこの先、千早ちゃんの望む形で「ずっと一緒にかるたをやってあげる」ことは出来ない。 先述しましたが、そもそも重すぎるバックボーンを背負った子です。そして競技かるたを楽しめる訳でもなく、和歌を愛している訳でもない。小学生時代から、犠牲を払わないと「かるたを頑張る事」なんて出来ませんでしたし、環境が変われば、優先順位の兼ね合いで手放さざるを得ないものです。競技かるたが大好きで大好きで、かるたさえやっていれたら幸せで、この先、更なる高みを目指して突き進んでいくであろう千早ちゃん。この娘の一番そばに、同じくらい…それ以上に「かるた基軸」で生きていくであろう新くんが居てくれたなら、千早ちゃんがまた独りになることは、決してないだろうな。ずっと幸せで、笑っていられるだろうな。千早ちゃんの隣には、新くんが居て欲しいな。ーと、太一くんは(根底では)思っていたんだろうな、と。16巻。団体戦で優勝した直後、新くんから「個人戦で優勝して、東京の大学に行く」という意志を聞いた瞬間…ここで太一くんが、一気に自身のスタンスを切り替えています。千早ちゃんと「一緒にかるたをやる」役割を、新くんにバトンタッチするため、そして自分は、千早ちゃんと距離を置くための準備を始めました。翌日の個人戦から、一気に肩の力が抜けて身体が軽くなったのも、重荷(千早ちゃんのかるた)を降ろす準備を始めたからだろうな…と受け取って読みました。ちなみに、恋愛話からは少し脱線する部分なんですが、ここからが「太一くんのかるた」の本領発揮ターンだと思ってます。「千早ちゃん&チームの為に、絶対負けられないかるた」からの脱却というか…楽に構え始めたことで、本来の「勉強家な理系プレーヤー」という面が生きる「負けても良い、試行錯誤のかるた」が出来るようになりました。太一くん的にも「自分はまだ強くなれる」という手応えを感じたんだと思います。それならば… 太一くんが「かるた」を始めた本当のきっかけであり、でも「とても無理だ」と諦めていた”かるたで、本気の新くんと本気で闘うこと”これに挑戦しに行きたい、と思ったんだろうな、と。新くんに全力でぶつかっていくことで、新くんへの負い目と、かるたへのトラウマ、そして千早ちゃんへの気持ちを消化したい&燃え尽きたい。自分の青春全部をかけた「かるた」を、そこで終わらせたい…と、太一くんは思ったんだろうな、そしてそれを見事に完遂したんだろうな、と感じました。太一くん的には…新くん・千早ちゃんという『かるた』フィールドの主役たちの引き立て役として、立ち回っているような意識だったんじゃないかと思うんですけどね…もうね…読者的にはね…君の動きが異常過ぎて、目が離せなくなっちゃって、間違いなく君が主役だったからね。何なら、新くんと千早ちゃんも、君の動きに翻弄されて、踊ってる感じになってたからね。自分の存在感と影響力は、ちゃんと自覚しようね。たちが悪いから。その9記事に続く!by姉『ちはやふる』感想リンク『ちはやふる』読み始めました!感想-その1 話の骨格について感想-その2 かるた競技への芸術的・創造的アプローチについて感想-その3 千早ちゃん・新くん・太一くんの三角関係について感想-その4 瑞沢かるた部&綾瀬千早ちゃんについて感想-その5 綿谷新くんについて感想-その6 真島太一くんのかるたと、2人の師匠について感想-その7 千早&太一 恋愛とかるたについて-1感想-その8 千早&太一 恋愛とかるたについて-2感想-その9 千早&太一 恋愛とかるたについて-3感想-その10 百人一首と「せをはやみ」の歌について感想-その11 末次先生の過去作とちはやふるのハイブリットなラブストーリー描写について感想-その12 若宮詩暢ちゃんについて感想-その13 「一緒に居るための手段」の整理とサブキャラクターを用いた視点の投入について京都に行ってきました-その①近江神宮初ねんどろいど!ちはやふる「綾瀬千早」+直筆イラスト付サイン本について映画感想『ちはやふる』(上の句、下の句、結び)3部作漫画感想『MA・MA・Match(マ・マ・マッチ)』(末次由紀先生)漫画感想『ちはやふる plus きみがため』1巻(末次由紀先生)
2023.02.26
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感想記事がその7まで来ちゃいました。同じようなことを(だいたい真島太一周辺で)ぐるぐる語っているだけなのですが、今回の記事を吐き出したら、ひと段落付ける気がします。もう1点、なかなか語れていない詩暢ちゃんに関しては…私は最終的に理解しきれていないので。語りは妹に任せます。ちはやふる 感想-その7恋愛とかるたについて-1その4の千早ちゃんについて語った記事とかなり内容は重複しますが、2人の「恋愛」について、そこに大きな影響を及ぼした「かるた」の位置付けについて、思いつくままに語りたいと思います。*以下、最終回までの展開を知っている前提で記事を書いてます。最終50巻の内容について、思いっきりネタバレありです。本作品を楽しむ上でかなり重要な部分ですので、未読・未鑑賞の方は読まないでください。*その1記事でも書いていますが、私は最終回の雑誌掲載を立ち読みして、一気に『ちはやふる』の既刊を買い揃えた、後乗り勢です。本作が、最終回で思いっきり打ち付けて来たのが「ラブ!!!」であったという印象で、基本的にこの作品は「ラブストーリーである」を念頭に置いて読み始めましたし、実際読み切ってみて、これは「かるたを題材としたかるたに愛された、クイーンになるべくしてなる女の子:千早ちゃんとかるたを引き立てる為、名人と極端に真逆の要素で構築された男の子…かるたをやるべきではない男の子:太一くんの人生をかけたラブストーリーである」と認識しています。末次先生の過去作品も、ざっと集めて目を通しましたが、先生はまぎれもなく、生粋の「ラブストーリーテラー」だな、と思っています。以下、ちはやふるのメイン・千早ちゃんと太一くんの「恋愛」面について、勝手な解釈をひたすら語ります。本当に立体的で、繊細で、複合的な観点が揺れ動く心情を作っており、最後に、隠していた「感情」が一気に、強烈且つ鮮やかに表出される物語軸は見事で、本作最大の見どころだと思っています。・千早ちゃん・『かるた』・太一くんの三角関係についてまず前提として、本作は一見「千早ちゃん・新くん・太一くん」の三角関係モノっぽく見えますが、実際に最終回に向かう恋愛軸としては、こう↓捉えた方が、理解しやすいと思っています。千早ちゃん・『かるた』・太一くんの三角関係最終話まで読み切っての勝手な解釈ですが、基本的には、本作の恋愛軸については「千早ちゃんと太一くん 2人のラブストーリー」として捉え、そこに「新くん」という存在が、言ってしまうと『かるた』のメタファーとして絶妙且つ複雑に絡んで来ており、そこの繊細さと心情の変遷を楽しむ!という読み方をしています。もちろん、新くんを「感情のない人間」として捉えているわけではないですよ。ただ、千早ちゃんの恋愛軸として、「(恋愛というフィールドで)新くんと太一くんを比較して、太一くんを選んだ…という言い方は適切でないな」と感じましたので。演出とミステリー風構成で、最後まで「三角関係」の体を装ってはいましたが、千早ちゃんの恋愛軸としては、基本的に 前半は「太一くんと一緒に創った最高のかるた部で謳歌する、最高の青春」が、後半は「太一くんと一緒にこの先を生きていくために、太一くんにとって幸せな存在になる…という命題」が描かれていたな、と認識しています。今回一気読みをして、一番驚いたのはココでした↓初っ端から、千早ちゃんと太一くんがラブラブすぎる!お互いがお互いのツーカー過ぎるし、寛容的過ぎるんです。「そこ許せちゃうのか!」と常に驚かされる位、相手に優しいというか、甘いというか…太一くんは千早ちゃんが笑ってくれるなら、どれだけでも頑張れちゃうし、千早ちゃんは太一くんが側に居てくれれば、怖いものなし&無敵でした。一緒に立ち上げた『かるた部』というフィールドも、仲間達も最高なんです。相性が良すぎて、もはや完成形というか… 2人とも、もう「この絆は一生モノだ この場所を永遠にしたい」と感じちゃってるよなぁ、と。この2人の関係性は、小学生時代からずっと「太一くんの一方的な 超・片想い!!」という説明&演出がなされていました。でも読み進めていくと、全然そんな事ないなぁ、と。だって千早ちゃんだって、太一くんの事ずっと大っっっ好きじゃん、と。小学生時代から、お互いの家に行って遊ぶほど仲が良く、新くんに出会ってからは、唯一無二の「自分と一緒に『かるた』を始めてくれた男の子」になった太一くん。そして高校に入学してからは… そりゃぁ…もう、普通に。千早ちゃんに感情を傾けながら読めば、そりゃ普通に、自分の事をこんなに理解してくれて、嬉しいことを言ってくれて、大好きな『かるた』を一緒に頑張ってくれる太一くんを、もっともっと、大っっっ好きになるに決まってるんです。物語前半から、千早ちゃんの太一くんへの言動・行動は、しばしば「それは… それをやっておいて『好きな人じゃない』は有り得ないぞ」という描写がなされていたと思います。ものすごく分かりやすい所をピックアップするとしたら、高校生になって、太一くんが現れた時の悦び方がそもそも異常だったよね とか…公衆の面前で、正面から全力で抱きつきに行ってかるた勧誘しちゃったり とか…太一くんのA級昇格を、誰よりも重要視して応援していたのも、千早ちゃんだったよね とか…他にも色々… 寝ている相手に近付いていっちゃうのはね… 相当だよね… とか。相手に、もしくはお互いに寄りそって眠る場面がかなり象徴的に…というか、繰り返し描かれていたのも印象的でした。「これだけ相手を信頼して、全てを預けられる関係性なんだよ」という、有無を言わせない強力な絵面だと思いますので。物語前半では、千早ちゃんの新くんに対するささやかな憧れや慕情が、和歌になぞらえる形で読者に提示されていました。でもその一方で、千早ちゃんの太一くんに対する愛情や渇望は、彼女の無意識下のリアクションや、反射的な動きの中から読み取ってね!2人の男の子に対する、千早ちゃんの深層心理の違いを楽しんでね!ーという描かれ方がなされていたな、と思います。ただ、千早ちゃんは最後の最期まで、太一くんに対する気持ちを、絶っっ対に『恋愛』にはしませんでした。これは長い間、本っっっっ当に頑なでした。・絶対に『恋愛』を持ち込まない という暗黙の了解千早ちゃんと太一くん2人の関係性の中で、初期~中期にかけての「暗黙の了解」として、コレ↓があったと思っています。2人の間に、絶対に『恋愛』を持ち込まない。この『恋愛にしたくない』ニュアンス…実際には小学生の頃から、2人の関係性の根底にはあったと思っています。千早ちゃんがショートカットで、ボーイッシュな外観をしていたのもあって、「ガールフレンドとかじゃないよ~」「男友達枠だよ~」という体でいたというか。やっぱり太一くんが、あんまりにも目立つ存在なので。千早ちゃんが「ザ・女の子!」という印象の娘だったら、それはそれでクラスメイト(小6の男子・女子)たちの中でもいろいろ面倒くさかったと思うので。この部分がはっきりと「恋愛面でのハードル」として、顕在化するような描かれ方がされているのが、コミック第3巻 第十三首、太一くんの家で、瑞沢かるた部が合宿をする回だと思っています。他の部員たちより一足先に太一くん宅にお邪魔していた千早ちゃんが、「太一の部屋を見たい」と2階に上がろうとするのを、太一くんが止めるシーン。小学生の頃と外観の印象も変わって、2人で並んでるだけで「お似合い」「付き合ってるのかな」と周囲に言われてしまうのは、千早ちゃんも流石に分かっていたと思います。これ以降、千早ちゃんは、どんなに少女漫画的トキメキシーンが来ても、絶対に「恋愛にしない&見えない」ように、恋愛思考回路を封印したな と思っています。まぁ…この時点では、そもそも太一くんに彼女が居ましたので。「あぁそうか、気を付けなきゃ。太一くんに迷惑かけちゃう」が念頭にあったのだと思います。でも、5巻で太一くんがサクッと彼女と別れてからも、千早ちゃんは頑なに、現状のスタンスを崩そうとはしませんでした。千早ちゃんが、太一くんとの間に『恋愛を持ち込みたくない』理由としては、まぁもうシンプルに だってあんまりにもあんまりな相手だし。というか…理由を具体的に挙げ連ねようとすると、まぁ「総合的・複合的に」だと思います。①基本的に、千早ちゃんが恋愛をしたい娘じゃない、得意じゃないため周囲の人の気持ちににぶい娘ではないし、恋愛自体を毛嫌いしているわけでは全くないのですが、「あなたが好きです・私を好きになってください」を他の人に求めることが得意じゃない、本当に自意識が低い娘です。作中で告白されるシーンがあっても、「どうしよう…」ってなっちゃって、自分からはっきり断ることも出来ません。とにかく苦手です。この娘がもし「恋愛」を自分から求めるのであれば、それはもう「生涯」を見据えたレベルの、よっぽどのものだろうと思います。この辺の恋愛への真面目さ・臆病さが、机くんの感性とよく似ていて、作中後半、机くんには千早ちゃんの気持ちがよく分かったんだろうな、と思います。②真島家の社会的・経済的ステイタスこれも感想その4記事で触れてはいますが、祖父が総合病院院長、父親(入り婿)が外科医という真島家は、おそらく一般医師家庭とも一線を画す経済力と、社会的責任を負った一家だと思います。ただの医師ではなく、経営陣の方なので。総合病院と言うからには、町医者というレベル感の病院でもないでしょうし。3巻・第十三首、真島家を初めて訪れた瑞沢かるた部面々が、その「格差」に青ざめて、若干臆するような描写がありました。普通の感性で、そりゃ一般家庭育ちには怖いですよ。この家。この「格差」…少女漫画的にも、あんまりにもベターなハードルだと思いますが、本気で千早ちゃんと太一くんの立ち位置や心情を考えるほど、この部分は本当に重かったな… と受け取っています。千早ちゃんは、太一くんのお母さんに直接会うのを怖がっていましたし、太一くんは、基本的に真島家が、千早ちゃんにとって居心地の良い場所ではないことを重々承知していました。小学生のころから、お互いに相手の家庭環境・家族までよく知っていて、まぁ特になかなかに太一くんの立場が特殊で、家庭環境にぬぐい切れない「格差」があることを知ってるからこそ、安易に「恋愛」は持ち込めない。もともと超仲の良い幼馴染なんです。そして今は「かるた部」で一緒に居ることが出来てるんです。この状態で、「恋愛」を下手に持ち込みたくない! とお互いに考えるのは、納得&理解が出来るな、と思って読みました。こんな感じで、特に作品初期~中期にかけて、千早ちゃんと太一くんの間には「恋愛」の持ち込みは無しね!という空気感…「暗黙の了解」があったな、と受け取っています。・17巻・千早ちゃんのモノローグについてここで少し話を脱線させますが、先に書いたように①千早ちゃんが「恋愛」をしたい娘じゃない点 を前提として、17巻で突然出て来た下記のモノローグ↓について。よくわかんない よくわかんない気持ちでも私は一生 かるたが好きで 新が好きなんだこのシーンは、本作を読み進めて行く中で、最初すごく不自然に思ったシーンです。だってここまで、2年生の高校選手権で瑞沢が団体戦優勝&(A級以外の)各階級優勝をかっさらって、太一くんがB級で優勝して、念願のA級になった!という流れで、「ビバ瑞沢かるた部!ビバ太一くん!!」の流れしかない状態…からの、コレだったので。突然どうした?なんでいきなりそっちに舵切ろうとした?? と。で、やっぱり本作を最終話まで読み切っても、そもそも最終話まで、恋愛がとにかく苦手な千早ちゃんがここでいきなり「新くんが好き!?」とか自分から思うこと自体が不自然だと感じるんですよ。いやまぁメタ的に「物語を盛り上げるための布石でしょ」と言ってしまえばそれまでなんですが…。ーで、読み返してみて、ふと感じたのがこれ↓でした。もしかして「新くんに恋してみること」の裏にある「太一くんに恋しないこと」…千早ちゃんにとっては、こっちの方が重要だったのかもな… と。高校選手権を経て、もう太一くんが最高過ぎて、大好き過ぎて、ヤっっバい!違う違う違う…コレは『恋愛』じゃない!『恋愛』はきっと、こっち!「新くんみたいにかるた取りたい!」←こっちなんじゃないかなー?? という感じ。千早ちゃんの心の中で太一くんへの感情をなんとか「恋愛」から反らし、マインドを整えようとした時に、高校選手権の個人別で、A級だけ瑞沢高校が優勝を取れなかった反省も踏まえて、『かるた』に向かう自分のモチベーションを『恋愛』と無理やり位置付けようとしたのかもな、と思うとこの流れもすんなり読めるな、と腑に落ちて来ました。このモノローグ直後、富士崎合宿で他校の子たちと「恋バナ」をするシーンも面白いなぁ、と。周囲の子たちの「瑞沢の部長は?」という問いかけに対し、耳が良くて絶対に聞こえているであろう千早ちゃんは、何も答えません。否定すらしません。完スルーです。これはもう拒絶反応の一種だな、と思いました。新くんに対し「好き」というモノローグが出て来たことについて、別にこれも本当に「高校生らしい、ほのかな可愛らしい恋」だったと思っています。この後、千早ちゃんは新くんをちゃんと意識していましたので。…ただ、あくまで「千早ちゃんの内面において」です。千早ちゃんは、実際に「新くんへの好き」を形にする事はありませんでしたし、東西戦では思いっきり原田先生の方を応援してました。(正直ここは読んでて「千早ちゃん、新くんに対して辛辣すぎないか…フォロー入れてくれる太一くんに救われる…」とすら思いました)23巻で新くんに告白された後も、これをちゃんと「恋愛」として進展させよう、未来に繋げよう、という方向には全く向いませんでした。・『太一くんのかるた』に対する千早ちゃんの執着について前置きが長くなりすぎましたが、ここからが一番語りたかった部分です。千早ちゃんと太一くんの「恋愛」を語る際に、絶対に切り離せないのが、『かるた』の位置付けについてです。本作の、特に…17巻以降。一気に自分のプレイスタイルを変容させてくる太一くんの意図と、千早ちゃんの、「太一くんのかるた」に対する過剰反応及び、ひたすらそれにすがるような、度を超えた執着心。見どころです。ラブストーリーです。「恋愛」にする勇気がないからこそ、「かるた」の中で全てを求めようとし過ぎた結果、26巻で大クラッシュを起こして、決定的に関係崩壊したのだろう、と思って読んでいます。そこからの2人は、作中では1年間、コミックでは50巻中24冊弱をかけて、周囲(特にかるた部の面々)も巻き込んだ一大スペクタクル冷戦を繰り広げるに至りました。その一方で、同時並行で「かるた」では2人が個人戦で業界トップレベルに台頭してくるという…光と影…かなりねじ曲がった、「かるた」で魅せる『依存と執着』…いや、『ラブストーリー』です。ここの面白さは、是非語りつくしたい…。千早ちゃんは、太一くんの事が大好きです。ずっと一緒に居たいんです。でも「恋愛」は持ち込まないと(暗にでも)決めているのであれば、千早ちゃんにとってかるた部だけが唯一、太一くんと一緒に居ることが出来るフィールドです。中学生になる段階で、太一くんが名門私立に入学して、一回全く離れてしまっていることからも分かりますが、千早ちゃんは、基本的に太一くんの「かるた以外のフィールド」にはついて行くことが出来ません。でも、太一くんが「かるた」をやってくれていれば、その間は一緒に居られるんです。作中、千早ちゃんの「太一くんのかるた」に対する執着はどんどん強くなっていったな、と思っています。これまでの記事でも度々書いて来ていますが、とにかく千早ちゃんは自意識の低い娘で、根本的に自分に自信がなくて、自己アピール下手な娘だと思っています。でも『かるた』のことは信じています。「自分と一緒に居て欲しい」は言えないんですが、「一緒にかるたやろう!」は言える。かるたは、絶対に面白い、素晴らしいものなので。何というか…千早ちゃんは、自身発のコミュニケーションツールとして基本「一緒にかるたやろう!」しか持ち合わせていないため、太一くんと一緒にかるたやりたい!も、太一くん大好き!も太一くんとずっと一緒に居たい!も太一くんが頑張っているのを応援したい、支えてあげたい!も、全部ひっくるめて、「一緒にかるたやろう!」に変換されていた節があると思っています。手段と目的がごっちゃになっちゃってる状態、というか。そしてまた、厄介なのが…千早ちゃんにとって、自分の「かるた」と太一くんの「かるた」が混ざっちゃってる。一緒に、新くんと「かるた」と出逢って、一緒に、その素晴らしさを知って、そして一緒に「かるた」をやれば、『無敵』になれる。自分の「かるた楽しい、かるた最高」を半分くらい、「太一くんのかるた」の上に乗せていたような状態だったんじゃないかな(依存)、と思います。千早ちゃんは、太一くんの『かるた以外』の部分については、逆に「欲しがってないよ!」「自由にしていいよ!」というのを、アピールするようなフリすらしていたと思っています。『かるた』だけでいいから!『かるた』だけは、絶対にお互いにツーカーで、最高のコンビで居よう!と。2年次の吉野会大会は、千早ちゃん的には「太一くんと2人でA級決勝戦」という、夢のような展開だったのだと思います。富士崎の夏合宿で、ヒョロくんに「真島はお前が居ない方が強い」と一度釘を挿されてましたが…「いや違う!かるたを一緒にやれば、2人で強くなれる!」と有頂天でした。だからこそ、太一くんが、千早ちゃんに何も言わずに、独りで修学旅行をさぼって名人戦予選に出場したときは、人生の迷子になるレベルでショックを受けたのだろう、と思います。ごちゃごちゃ思いつくままに書いてしまいましたが、千早ちゃんの太一くんに対する、この手段と目的が混在した「かるたしよう!部活頑張ろう!」という渇望…太一くんが安定してかるた部に集中出来る状態の時は、これで良かったんですよ。でも出来なくなった時に、その歪みが一気に顕在化します。千早ちゃんの渇望は、結局の所、突き詰めていくと「太一くんはかるたをやっていなければならないんだ瑞沢かるた部で頑張ってくれていなきゃいけないんだそうでないと一緒に居れないじゃないか!」という、とんでもなく自分勝手な暴論に行き着いてしまいます。そして実際、20巻台前半はまさしくこの状態↑になっちゃっていたな、と思います。千早ちゃんは全然にぶい子ではないので、太一くんが、自分の居ない所でかるたをしたがってるんじゃないか、本格的な受験を控え、部活との両立が難しくなっていくんじゃないか、とちゃんと気付いていました。でもどうしても、「部活辞めて良いよ 自分とかるたから離れて良いよ」とは言ってあげることが出来ませんでした。(もちろん、3年の夏の大会が終わるまでは、現状・部長のままで頑張って欲しい、という千早ちゃんの気持ちも、理解できるんですけどね…。)その8記事に続く!by姉『ちはやふる』感想リンク『ちはやふる』読み始めました!感想-その1 話の骨格について感想-その2 かるた競技への芸術的・創造的アプローチについて感想-その3 千早ちゃん・新くん・太一くんの三角関係について感想-その4 瑞沢かるた部&綾瀬千早ちゃんについて感想-その5 綿谷新くんについて感想-その6 真島太一くんのかるたと、2人の師匠について感想-その7 千早&太一 恋愛とかるたについて-1感想-その8 千早&太一 恋愛とかるたについて-2感想-その9 千早&太一 恋愛とかるたについて-3感想-その10 百人一首と「せをはやみ」の歌について感想-その11 末次先生の過去作とちはやふるのハイブリットなラブストーリー描写について感想-その12 若宮詩暢ちゃんについて感想-その13 「一緒に居るための手段」の整理とサブキャラクターを用いた視点の投入について京都に行ってきました-その①近江神宮初ねんどろいど!ちはやふる「綾瀬千早」+直筆イラスト付サイン本について映画感想『ちはやふる』(上の句、下の句、結び)3部作漫画感想『MA・MA・Match(マ・マ・マッチ)』(末次由紀先生)漫画感想『ちはやふる plus きみがため』1巻(末次由紀先生)
2023.02.26
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遅くなりましたが、簡単に!暁のヨナ 40巻 感想南戒の暗殺集団・ドロモスが緋龍城下に潜入。リリ一行と、行動を共にするヴァル・メイニャンはその企みを阻止しようとするが、緋龍城から火の手が上がり…。高華国(地の部族)×南戒の国境線の闘いは、南戒撤退により高華国優勢に見えましたが、南戒は別動隊を高華国中枢に放ち、シンボルである緋龍城を焼き払ってしまいました。(メイニャン奪取の目的もあり)当初、別動隊として潜入して来ていたヴァル将軍は、メイニャンを「南戒」から守る為、反旗を翻しますが、別動隊に(まさかの)チャゴル殿下が自ら参戦しており、メイニャンは連れ去られてしまいます。南戒編ですが、まだまだ「何を主として描いているのかな?」と掴めないまま、毎回の展開にいちいちびっくりしながら読み進めています。ただ、話も進んできて…いくつか、期待感を持って読んでいる点があります。1点目。まずは、四龍方面…「呪い」的な側面のある血の継承について、何かしら解決の糸口が見え始めるのかな…という期待感があります。緋龍城が燃え落ち、伝説を支えて来た土台が綻んできている段階で、何より、ゼノさんが目の色を変えて来ているところにワクワクしています。ゼノさんは、作中…というか、今まで私が読んで来た漫画作品の中でも、なかなか見ないレベルのヘビーな設定・経歴を持ったキャラクターだと思っています。彼には当然、今、このタイミングで緋龍王がヨナ姫として生まれ変わって来た意味に対して、一番いろんな思いを抱えているだろうと思っています。ヨナ姫に対して、「こうして欲しい」「ここを見て欲しい」というのが、本当はもっとあるんじゃないかな、と思うんですが、でも、ゼノさんは絶対にそれを表に出しませんし、ヨナ姫の意識を自分の意図する方へ誘導しようとしたりしません。長い長い時間を独りで過ごし、もう自分の「感情」自体が遠くにあるのか、それとも、本来は大昔に朽ちていなければならない自分の意志を、「今」に影響させてはいけないという考えがあるからなのか、分かりませんが。ただやっぱり、一読者としては、ゼノさんには、ゼノさんにしかない価値観で、是非、心のままに、能動的に動き出して欲しいな~、という目線がありますので。今回の南戒編を機に、動き出してくれると嬉しいですね。期待しています。2点目。南戒の闘いですが…お話が進むにつれ、意外や意外、これまでの「暁のヨナ」にはなかったレベルで、非常にメロドラマしぃ様相を見せ始めております。20巻台後半~30巻に登場したクエルボさんも、奥さん(ユーランさん)を大事にされてましたけど、今回の南戒編では、とにかくもうヴァルさんが、メイニャンちゃんのため、主君に立てついて頑張らなければならない、そこが見せ所!という展開ですので。南戒編ですが、メイニャン・ヴァル将軍を中心として、周囲に大勢の将軍たちが登場し、様々な価値観を投げかけて来る…という、今のところ、個人的には「真国編」と似た作りという印象を持っています。真国編は、コウレン姫・タオ姫の2人の姫の対比や、五星一人一人に、ヨナ姫とハク様の、様々なスタンスが投影されていたな、と思っています。クエルボ編のユーランさんも、ヨナ姫の「奥さん的」なスタンスの提示だったかな、と受け取っています。今回の南戒編も、特にヴァル将軍の動きについては、おそらくハク様の「今後の動き」を念頭に置いた、モデルケース的なものとして描かれているのかな…?と今のところ受け取っています。ヴァルさん自身は、主君や国へ反逆の理由も意志もないのですが、メイニャンちゃんを守るためには、やるしかない!という状況に置かれ、ローテンションっぽく、やってることはめっちゃメロドラマ!ゲッテゲテのラブロマンス!で、すごく面白いと思って読んでいます。彼の動きに対し、南戒の他の将軍たちが、なんか協力してくれそうな気配もあり…はてさてどうなるか!?というところですね。四龍の「呪い」、そしてスウォン様とメイニャンの「緋の病」と、南戒・高華国機動隊の、解決すべき課題…というか、目指すべきところは…ふわっと同じところにありそうな雰囲気ではありますが、それがどのようにこう…解決に至るのか、全然想像がつきません。ふわっと解決したらいいんですけどね。…正直、『暁のヨナ』という作品の本題は、正直なところ、これとは別件だと思っているのですが、本題(と思っている部分)の方も…ここまで来て…本当に今後どう描かれていくのか…全然想像がつきません。次巻も楽しみにしています!by姉
2023.02.23
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