inti-solのブログ

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2017.08.08
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テーマ: ニュース(99434)
カテゴリ: その他
「日本人」を定義してみてください


また、日本人とフィリピン人から生まれた人(新日系フィリピン人)は最大で30万人程度いるとされています。その多くは、日本人父から認知されておらずフィリピン国籍しか持っていませんが、中には、日本人父親から認知され、あるいは両親が婚姻していて、日本国籍しか持っていない人もいます。名前も日本風の場合が多いですが、彼らの多くは、生まれも育ちもフィリピンで、日本語は一切分からず、日本に来たことも一度もありません。でも日本国籍しか持っていません。彼らは「日本人」でしょうか?
日本国籍を持って「日本人」として国連に勤務している人の中には、外国生まれ外国育ちで、日本語はほとんど話せず、立ち居振る舞いや考え方も食生活も、完全にアングロ・サクソン系という国際機関職員が少なからずいます。でも彼らは日本国籍を持っています。彼らは「日本人」でしょうか?
アメリカのピューリサーチセンターが2016年に日本人成人約1000人を対象に電話アンケートを行ったのですが、「真の日本人であるために、1日本語が話せること、2日本生まれであること、3日本の習慣や伝統を理解していること、それぞれどれくらい大事だと思いますか?」という問いに対して、以下のような結果となったそうです。
「日本語が話せること」:とても大事70%、まあまあ大事22%、あまり大事でない5%、全く大事でない2%
「日本生まれであること」:とても大事50%、まあまあ大事27%、あまり大事でない14%、全く大事でない8%
「日本の習慣や伝統を理解していること」:とても大事43%、まあまあ大事47%、あまり大事でない8%、全く大事でない1%~

一般的に日本には、「より100%ピュアな日本人であればあるほど良い」のような「純血思想」とでも言うべき考え方が根強いような気がします。
昨年「DNAの旅」という面白い実験がデンマークで実施されました。公募17万人から選ばれた67人のDNAサンプルを検査したところ、非常に面白い結果となりました。被験者は「私はイギリス人で、多分世界一の国だ」とか「私は100%アイスランド人で、君たちよりも偉い」とか「私はクルド人でトルコ政府はキライ」、「僕は100%アフリカ人で誇りを持っている」、「私は誇り高いバングラデシュ人で、インドとかパキスタンはちょっと・・・」と言っていました。DNA検査の結果を見てみたら、その人達の多くが実は「混血」で、「キライ」と言っていた相手のDNAが混ざっていたとのことです。
日本も古来から、中国や朝鮮半島との往来が盛んでした。日本文化や伝統の多くは、大陸から輸入されたものにその起源があります。今、日本に住んでいて「私は100%ピュアな日本人だ!」と誇らしく思っている人こそ、DNA検査を受けてみたら良いのではないでしょうか?~

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非常に示唆に富む、面白い記事です。ただ、非常に長いので一部の要旨を引用しました。前文はリンク先をご覧下さい。
法的には、日本人とは、日本国籍を持っている人、ということに尽きます。生まれた時から一度も日本にきたことがなく、日本語も話せないとしても、日本国籍を持っていれば日本人です。また逆に両親あるいはそれ以前の代から日本に住み、日本生まれ日本育ちで日本語以外の言語を解さなくても、両親いずれも日本国籍を持っていなければ、法的には日本人ではありません。(私は、そのような血統主義のみの国籍制度が望ましいとは、必ずしも思いませんが)。
しかし、引用記事のアンケート結果にあるように、法的にはともかく、「真の」日本人であることの定義として別のものを挙げる人がこんなに多いのが現実です。

通常、世界において民族の分布図と国境線が完全に一致することはありません。ある民族が国境線をまたがって複数の国に住んでいる、とか、逆に複数の民族が同じ国の中に同居しているとかは、ごく普通のことです。ところが、日本は、日本国の領土と日本民族の居住地域の一致度が非常に高い。もちろん、在日韓国・朝鮮人もいるし、逆にブラジルや米国には多くの日系人がいるけれどその割合は日本に住むに日本人に比べてかなり低いものです。そのため、国籍と民族の混同がしばしば起こります。だから、日本国籍があっても日本語を解さないと(あるいは日本語が母語ではないだけでも)、「日本人ではない」扱いになってしまうのではないでしょうか。

引用記事の後段も、面白い話であり、当然の話でもあります。
日本人ともっとも近い遺伝子集団は、韓国(朝鮮人)であり中国人す。これは歴史的経緯を考えれば、当たり前のことです。人類は、日本で誕生したわけではありません。アフリカで生まれ、そこから全世界に広がっていったのです。日本にやってきた我々日本人の祖先は、大半は中国大陸から直接、あるいは中国大陸から朝鮮半島を経由してやってきたのです。
それ以外には、シベリアからサハリン経由、フィリピンや東南アジアから沖縄列島経由が考えられますが、その割合は高くはありません。

日本人の祖先は、概ね二重構造と言われます。最初に日本に住み始めたのは縄文人と言われる人たちで、南方系と見られています。(縄文時代より前、最終氷期にはすでに日本列島に人は住んでおり、おそらくは彼らが縄文人の祖先、少なくとも祖先の一部だったと思われます)

でも、縄文人は弥生人に駆逐されて日本の中央部では消滅した、というわけではありません。縄文人は弥生人と混血を重ねて同化してしまったのです。それが、我々日本人の大多数の祖先です。
この弥生人こそが、中国大陸から稲作文明とともにやってきた人々です。中国大陸からどのような経路をとおったのかは完全に明らかではないものの、すでに述べた経緯を考えれば、沖縄~九州経由やシベリア~サハリン~北海道経由でないことは明らかです。朝鮮半島経由と考えるのが妥当でしょう。
しかも、中国から朝鮮半島経由で日本に人が流入したのは弥生時代だけではなく、それ以降も、7世紀頃まで続いています。(渡来人)
現在の皇室も渡来人の血を引いているといわれ、確か皇后がそう言及したことがあったと記憶していますが、それは皇室が何か特別な血を引いているということではなく、日本人のほとんどが、多かれ少なかれ渡来人の血を引いているのです。というより、弥生人も含めて考えれば日本人のルーツは7割方韓国・朝鮮人や中国人と共通です。したがって、遺伝的に見て日本人の大多数ともっとも近い民族集団は韓国・朝鮮であり、中国ということになります。その日本人の中でもっとも韓国・朝鮮・中国と遺伝的に遠縁なのは、沖縄とアイヌです。その沖縄やアイヌにしても、相対的に縄文の血を色濃く受け継いでいる、ということであって、「純血」の縄文人であるわけがありません。

日本に限らず、世界のどこでも同じですが、今の時代に「純血の」民族集団なんてものは存在するわけがありません。血筋の上でも文化的な面でも、です。それが存在するように考えるのは、妄想というものです。





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最終更新日  2017.08.08 21:42:50
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