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土曜日ですが、神奈川県の宮ヶ瀬湖の上流にある早戸川林道行ってきました。宮ヶ瀬湖自体はバイクのツーリングスポットとして知られているそうですが、そのためではなく、鳥撮影が目的です。早戸川林道入口ここにゲートがあり、一般車はこの先に入ることはできません。なのでここでスクーターを止めて、徒歩で進みます。ゲートのところの橋から下流側を望みます。この先に宮ヶ瀬湖があります。一般車は立入禁止ですが、林道は舗装されて立派です。実は、早戸川林道が探鳥スポットだというのは知っていたのですが、夏のこの時期に何かいるとはあまり期待ですに行ったのですが、この橋のに別のバードウオッチャーさんがおられて、ある鳥が見られるそうです。ただし、残念ながら私は撮影できませんでした。私が着く直前に見られたそうですが。惜しーーー。なお、早戸川林道の名前で、先程の林道入口の橋は早戸川にかかっていますが、この橋は宮ヶ瀬湖に注ぐ別の川、金沢川にかかっているようです。橋から下流側を望む。樹間の向こうは、ちょっとしか見えませんが宮ヶ瀬湖です。上流側。待っても目指す鳥が出てこないので、林道の更に奥に進みます。ここからは金沢林道に名前が変わります。しかし結局ここでも鳥には振られました。8月も下旬だし、そんなに標高も高くないのですが、アジサイがまだ咲いていました。橋のところには、さらに数人バードウオッチャーが集まってきましたが、どうも目指す鳥は出てきません。そのうちに私は夕立が気になってきました。実は一瞬雨がぱらつくときもあったし(すぐやみましたが)、遠方で雷鳴が聞こえたような気もしました。他の皆さんは車ですが、私はスクーターだし。なので途中で引き返し、林道のゲート近くで、お昼+例によって笛吹き大会挙行です。ただ、この辺り、標高が高いわけではなく、かなり暑く、汗びっしょりです。顔とケーナの吹口が汗で濡れると、滑ってしまい、そうなると3オクターブが全然出なくなるのです。最初の2〜3曲はいいのですが、その後は3オクターブが辛い練習になってしまいました。復路、せっかくなので宮ケ瀬湖畔園地に寄ってみました。バイクがいっぱい並んでいます。駐車場は何箇所かありますが、二輪車が止められるのはここだけみたいです。二輪の駐車料金は100円でした。宮ケ瀬湖。長い吊り橋がかかっていますが。どうせなら歩いてみたいところでしたが、雨雲レーダーを見ると、この時間、すでに関東内陸の各所に雨雲が湧いており、神奈川県内も、丹沢の奥の方に雨雲が湧いているようでした。なので、ササッと見て、すぐ帰路に。往路は町田の方を経由して、グーグルマップの案内するよく分からないルート(笑)を通りましたが、復路は、内陸寄りだと夕立がより近そうなので、往路よりは海に近い国道246号で帰りました。距離も遠いし、渋滞も何回も遭遇したのですが、雷雨に遭うよりはましです。が、結局雨が降らず、というか帰宅後に雨雲レーダーの履歴を見たら、往路の道でも雨雲には遭遇しなかったようです。ああ、それならもう少し粘ってもよかったかな。鳥に関しては成果なしでした。
2024.08.26
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先に小型二輪AT限定から普通二輪に限定解除したという話を書きましたが、教習所で技能検定に通ったところまでしか書いていませんでした。その後、無事に免許試験場に行って免許の書き換えが完了しました。ただ、限定解除って、免許証が新しくなるわけではないんですね。裏面にこの印字をして終わりなんですね。おもて面には「普通二輪は小型二輪のAT車に限る」と記載されたままなので、裏を見ないと限定解除したことは分かりません。北海道に行く前に卒検は通っていましたが、実際の免許書き換えは、平日でないとできない関係で、北海道旅行後になってしまいました。まあ、北海道でレンタルしたのは125ccのPCXだったので、小型AT限定免許で何も問題なかったわけですが。それにしても、6月半ばから教習所に通って、改めて通った日の気温を確認すると(東京・大手町)、6月中は最高気温は30度、7月も、猛暑日になったのは卒検のだけなのですが、卒検の時間帯は朝だったので、その時間帯にはまだ35度以上にはなっていなかったと思います。それでも、特に7月に入ってからは相当暑かったし、とくに卒検は強烈な暑さでした。しかしもし教習が7月下旬や8月にかかっていたら、相当辛かったでしょう。何しろ長袖長ズボン必須でプロテクター着用、出す速度もほぼ40km/h止まりですから。安全上仕方のないことではありますが、暑いときにはきついです。夏は、二輪免許を取るのに適した時期とは言えなさそうです。最初に小型AT限定の免許を取ったのは、2月から始めて5月半ばまでかかりましたが、気候的にはずっと楽でした。長袖は、普段もスクーターに乗るときは極力長袖を着るようにしていますが、今夏はさすがに耐え難く、今週先週などはTシャツ1枚で乗った日もあります。さて、それはそれとして、免許は限定なしの普通二輪になっても、愛車は変わらず110ccのDio110であるわけですが、本日その走行距離が1万kmに到達しました。1万kmピッタリのところで写真を撮りたかったのですが、あいにくと国道357号(湾岸道路)を走っている最中でした。実質高速道路みたいなバイパスですから、その途中でスクーターを止めることなどできるわけもなく、バイパスを降りたところでメーターを撮影したため、10,002kmという、ちょっと惜しい写真になってしまいました。しかし、たまたまその数日前、わが尊敬すべきかつての仲間(いや、今でも仲間なんですけど)である月刊「地平」の熊谷編集長は、先週末に愛車スティード400の走行距離が25万kmに達したとか。メーターは5万kmを指しているのですが、実際にはメーターは3周目の5万kmだそうです(驚)。25万km!!四輪車ですか?って思ってしまいます。それに比べりゃ、私などまだその25分の1ですから、全然たいしたことはありません。そういや、スティード400もDio110も、どちらもホンダ製です。メーカーが同じ、という以外何も共通点はありませんけど。私も25万kmを目指して、と言いたいところですが、400ccのミッションバイクと110ccのスクーターでは耐久性に相当の差があるでしょうから、Dio110で25万kmはおそらく不可能かもしれません。それに、せっかく普通二輪の免許を取ったので、来年の今頃には軽二輪に買い換えているかもしれません。まあ、これはまだ分かりませんが、来年5月で自賠責が切れるので、その前に更新するか買い換えるか、悩むことにします。そして、Dio110の燃費ですが、この後自宅近くで給油して、最初の給油から本日の給油まで、走行距離10,010kmで累計給油量が179.19L、累計燃費がリッター55.86kmとなっています。リッター60kmを超えることも時々ありますが、たたし毎回の燃費は「満タン」の量が毎回おそらく50ccか、下手をすると100ccくらい変わっていると思うので、参考程度にしかなりません。でも、さすがに1万km走っての累計燃費は、相当正確なものだと思います。カブ系列にはかなわないにしても、極めて燃費のよい部類の二輪ではないかと思います。
2024.08.18
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2年前に小型二輪AT限定の免許を取得したのですが、この度・・・・・小型二輪AT限定から普通二輪に限定解除してしまいました。※次に乗り換えるとしたら、ジクサー150かPCX160が良いなあ、と思って(乗り換える具体的な予定はまだありませんけど)、とりあえずどちらにも乗れるようにAT限定なしの普通二輪に限定解除したのでした。※道交法上、二輪車の免許は50cc以下の原付、125cc以下の小型二輪(正確には普通二輪の小型限定)、400cc以下の普通二輪、それ以上の大型二輪に分かれ、更に原付以外はAT限定と限定なし(AT車もマニュアル車も乗れる)に分かれます。私は、2年前に小型二輪AT限定免許を取ったわけですが、ここからマニュアルを含む400ccまでの二輪車が乗れるようになるための手続きを「限定解除」といいます。小型2輪AT限定から普通二輪への限定解除の教習時間は8時間なのですが、結局10時間かかってしまいました。スクーターで9000kmも走っていても2時間もオーバーするんだから、まあ私はかなり運転センスのない部類なのでしょう。卒検も、終わった後に色々指摘されたので、不合格なのだと思い込んでいら、ふたを開けたらなぜか合格でした。コロナは終わったにもかかわらず、教習所は相変わらず激混み。申し込みから初回教習までの待ち時間こそ2週間ほどでしたが(2年前はその待ち時間が2か月以上)、その後の教習の空きがあまりなくて、土日2日間とも教習を受けられた週がなく、どちらか1日しか空きがなかったので、追加の2時間もも含めて1か月以上要しました。そして、正直に告白します。最初の教習が終わった時点で、マニュアルの二輪(スクーター型ではない普通のバイク)なんて、公道じゃ私には到底無理と自覚しました。教習車のCB400スーパーフォアは、重い、でかい、振り回される、エンストする(笑)。今乗っているDio110の重量96kgに対して201kgもあるのですよ。ちょっとアクセルひねるとすさまじいエンジン音だし。教習所への往復はDio110(スクーター)なので、クラッチと後輪ブレーキが時々ごっちゃになるし。当初は乗りこなせている感がまったくありませんでした。教習所から、スクーターで帰る度に、「エンストがないって、なんと素晴らしい!!」と改めて感度してしまいました。とはいえ、教習受けているうちに多少は慣れましたが、それでも休日のすいた道路限定ならともかく、混雑した道路で周りに迷惑をかけずにマニュアル車で走れる気がしません。というわけ、次にもし二輪を買い換えるとしたら、ジクサー150は脱落、PCX160に確定です。そして、大型二輪に乗る気は皆無なので、これで今後もう教習所に通うことはないでしょう、多分。話は全然違いますが、6月半ばから教習所に通って、卒検含めて7日通いましたが、梅雨時にもかかわらず、ただの一度も雨に降られませんでした。帰宅直後に雨、出かける前に雨、ということはありましたが、降りはしなかった。今年は水不足がヤバいかもしれませんね。
2024.07.20
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「静岡県に損害賠償請求を!」リニア2027年開業断念報道であふれる憤激…ホリエモンは「国もガツンとやれ」怒り心頭「残念ながら、2027年の名古屋までの開業は実現できる状況にはありません」3月29日、国のモニタリング会議で、JR東海の丹羽俊介社長は、リニア中央新幹線の品川・名古屋間の開業延期を苦渋の表情で述べた。丹羽社長は開業の遅れを「静岡工区の遅れ」と指摘している。「JR東海はこれまで『開業延期は絶対に認めない』という立場でしたから、完全な方針転換です。背景には静岡県の川勝平太知事が、リニア工事にともなう、大井川の水資源や南アルプスの生態系への影響、さらに工事で出る土砂の問題などを危惧して、工事の着工を認めていないことにあります。」(経済担当記者)SNSでは、多くは《静岡県知事1人のゴネで国家的プロジェクトがここまで遅れてしまうという民主主義のバグ》《さすがに静岡県民はそろそろ「うちの県のわがままが過ぎた」と気付いてくれないと困る》《マジで静岡県に対して損害賠償請求して欲しいくらい》など批判的な声だ。実業家の堀江貴文氏は「日本の大動脈である東海道新幹線が止まると、日本経済にも大きな影響が出る。そのバックアップ手段にもなる」などとしたうえで、「リニア中央新幹線に使われている超電導磁石の技術は世界をリードしている。それで、人材も確保され、各企業も超電導技術に投資してサプライチェーンを形作りつつあるが、静岡県知事のおかげでもうすべて台無し。静岡県が儲からないという話じゃなく、日本の国益の話なんだよ」と怒りをあらわにした。(以下略)---正直、川勝知事がここまで頑張るとは思っていませんでした。私は静岡県民ではありませんが、リニアモーターカーという乗り物そのものに対して特段の賛否はないものの、それを南アルプスの地下に通すこと、および建設に国費を投入することには反対です。東海道新幹線が建設された当時、世界的には鉄道は斜陽産業とみられており、新しい鉄道に莫大な国家予算を投入することには批判もありました。しかし結果として新幹線は大成功を収めました。リニアモーターカー推進派には、おそらくその時のことが念頭にあるのではないかと思います。ただ、東海道新幹線建設当時、日本は高度経済成長期であり、大都市間の交通需要は急激に拡大していました。もちろん新幹線は優れた交通機関ではありますが、その成功は高度経済成長期の時代背景抜きには考えられません。現在、経済成長どころか経済衰退期であり、東京大阪間の交通需要が今後急拡大する、などという将来図は、いかに考えても現実性がありません。結局、パイは増えない中でリニアモーターカーが開業すれば、その乗客は他の交通手段から奪ってくるしかない、ということになります。他の交通手段と言っても、東京大阪間の旅客輸送のシェアは新幹線が圧倒的に高く、したがって、JR東海が運行する東海道新幹線から、同じくJR東海が運行するリニア中央新幹線に乗客が移動するだけ、ということになります。当然、現在はドル箱である東海道新幹線は採算が悪化し、本数は減り使い勝手が悪くなることか目に見えています。「日本の大動脈である東海道新幹線が止まると、日本経済にも大きな影響が出る。」とのことですが、そのような事態が起こるとすれば、原因は何でしょうか?十中八九地震とそれに起因する津波でしょう。しかし、予想される巨大地震つまり東海・東南海・南海地震は、名古屋は想定震源域に近く、そこを通過する(当面の間は終着駅)リニア中央新幹線も大被害を受け、不通となることはほぼ確実です。また、東海道新幹線もリニア中央新幹線も、貨物輸送はありません。どちらも人の輸送しかしないので、地震発生時の物流対策としては特に意味はありません。それらのことを総合して考えると、リニア中央新幹線の建設に、莫大な建設経費に見合うほどの大きなメリットがあるようには思えません。したがって、リニアモーターカーの建設を「絶対善」とする立場からの様々な主張には、なんら正当性を感じないのです。
2024.03.30
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恐竜ロボットも熱烈歓迎! 北陸新幹線 敦賀-金沢 16日延伸開業北陸新幹線の金沢・敦賀間が16日に開業し、福井と東京の間は乗り換えなしで最短2時間51分で結ばれます。にぎわいを生み出そうと、JR福井駅周辺に設置された恐竜のロボットも15日から動き始めています。2015年に長野・金沢間が開業した北陸新幹線は、16日、金沢と福井県の敦賀の間のおよそ125キロの区間が新たに開業します。これにより、福井と東京の間は乗り換えなしで最短2時間51分で結ばれます。停車駅は芦原温泉駅、福井駅、越前たけふ駅、敦賀駅の4つです。また、石川県内では、小松駅と加賀温泉駅が停車駅となり、東京と小松の間の所要時間はこれまでよりも18分短縮され最速で2時間40分、東京と加賀温泉の間は24分短縮されて最速で2時間43分となります。東京駅と敦賀駅の間を▽停車駅が少ない「かがやき」が1日9往復、▽停車駅が多い「はくたか」が5往復するほか、▽富山駅と敦賀駅の間を「つるぎ」が運行します。一方、大阪や名古屋方面と金沢を行き来する場合、敦賀で乗り換えが必要になり、和倉温泉と大阪を結ぶ直通列車も運行が終了します。(以下略)---北陸新幹線が敦賀延伸が本日開業ということです。鉄道ファンとしてはめでたい話であると思います。ただ、実用上、敦賀延伸が単独で、どれほどの意義があるかというと、やや疑問を感じます。あくまでも、大阪までの延伸の一部としての意義が大きいように思いますが、その大阪延伸には、いささか不透明感がぬぐえないのが現状です。北陸新幹線はこれまで金沢止まりでした。そのため、大阪からの北陸本線特急「サンダーバード」はすべて金沢止まりとなっています。これが、新幹線の敦賀延伸によって、「サンダーバード」はすべて敦賀止まりに変更されます。もちろん敦賀も小さな駅ではありませんが、従来この列車を利用していた乗客の大半は、その先、福井、金沢、富山まで向かう人だったはずです。まだ北陸新幹線が長野新幹線だった時代、「サンダーバード」は大半が富山行でした。それが北陸新幹線の金沢延伸ですべてが金沢止まりになり、富山までは乗換えが必要になりました。今回さらに、北陸新幹線の敦賀延伸で、福井、金沢に向かう人も、敦賀での乗り換えが必須となります。結局、乗客のほとんどが敦賀乗換えとなります。所要時間は多少早くなるにしても、それと引き換えに乗換えが増えるのは不便と考える人は多いでしょう。その代わり、東京から福井、敦賀まで行く人にとっては便利になります。ただ、東京から福井、敦賀まで行く人が、果たしてどの程度の需要があるかは、いささか疑問があります。長野新幹線も開業する前、敦賀は言うまでもなく、東京から福井まですら、直通する定期列車はありませんでした(上野発福井行の夜行急行「越前」が1本だけありまたが、長野新幹線開通よりはるか以前の上越新幹線開通時に廃止)。当時金沢までの直通列車でさえ、信越線回りの特急「白山」が1日3往復、上越線回りの「はくたか」が1日1往復だけでした。金沢までの所要時間的には、これらの直通列車に乗るより、東海道新幹線で名古屋または米原から特急「加越」「しらさぎ」に乗る方が金沢までの所要時間は短かったと記憶します。が、この両特急も大阪発着の「雷鳥」、その後の「サンダーバード」より本数はかなり少なく、つまり結局のところ、金沢や福井までの交通需要は、東京より関西の方がずっと多い、ということなのでしょう。これが新潟になると、北陸新幹線開業前でも「雷鳥」「サンダーバード」の新潟行きは1日3往復前後しかなく、新潟への交通需要は逆に東京(関東)からの方が関西からよりずっと多くなります。というわけで、最終的に北陸新幹線が大阪まで延伸されるまでは、敦賀延伸は関西と福井、金沢の行き来には単に不便になるだけとなっているのが現状でしょう。では、大阪への延伸はいつどうなるかというと、これが極めて不透明です。北陸新幹線の大阪までのルートは、いくつかのルートの間で揉めに揉めていましたが、現状は小浜・京都を経由するルートに決まっています。しかし、そこには火だねもくすぶっています。北陸新幹線「米原ルート」が再浮上?“小浜市民の悲願”の裏で地下縦断に揺れる「小浜・京都ルート」北陸新幹線ルートで思惑外れた京都と滋賀、今度は費用負担で牽制…一枚岩にならぬ関西で依然くすぶる火種一旦は小浜京都ルートに決まったものの、それで確定でもなさそうなのです。京都の住民には北陸新幹線には反対の声は少なくありません。京都市、京都府の行政は北陸新幹線に賛成と言ってはいますが、まったく積極的ではなく、費用負担の面で、揉めそうな気配が濃厚です。では、いったん不採用となった米原ルートはどうかというと、これはJR東海、西日本両者が反対です。JR東海としては、元々目いっぱいの運行をしている東海道新幹線に、米原から先当たらに列車を受け入れる余裕かありません。一方JR西日本としては、現状大きな収入を得ている湖西線-北陸本線のお客を、米原から先でJR東海に譲り渡すつもりなどありません。結局、どのルートも、各府県の利害、JR各社の利害が相反することになるので、どのルートをとっても到底丸く収まりそうにありません。結局どこの府県も納得せす、納得しないからお金を出さず、敦賀から先は着工できない、という可能性もあるのではないでしょうか。
2024.03.16
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東京、神奈川など4区域 4月一部解禁のライドシェア 国交省国土交通省は13日、一般ドライバーが自家用車を使って有償で乗客を運ぶ「ライドシェア」を4月に一部解禁する実施予定区域として、東京都内や神奈川県内などの計4カ所を示した。いずれも特にタクシーが不足する時間帯に限り実施可能とし、交通の空白を補う。具体的には(1)特別区・武三(東京都特別区、武蔵野市、三鷹市)(2)京浜(横浜市、川崎市、神奈川県横須賀市ほか)(3)名古屋(名古屋市、愛知県瀬戸市、日進市ほか)(4)京都市域(京都市、京都府宇治市、長岡京市ほか)。国交省は2月、タクシー会社が運行責任を負うことで運行できるライドシェアの制度案を提示。タクシーが不足する地域や時間帯に限り実施可能とし、具体的なエリアは国が収集する配車アプリのデータに基づき指定するとしていた。客を乗せる際は発着地と運賃を事前に確定させ、支払いは原則キャッシュレスとすることなども示した。データを集計した結果、今回、特に車両数が不足している営業区域として4カ所を列挙。不足する曜日、時間帯は、特別区・武三では月~金の午前7時~10時台など▽京浜は金土日の午前0時~5時台など▽名古屋は金曜午後4時~7時台など▽京都市域は月水木の午後4時~7時台など―とした。---直接知っている知人の車に同乗するのとは違い、純然たる営業行為にも関わらず、赤の他人の一般ドライバーの車に同乗するのは、正直言って今の私は怖いです。私は、実のところウーバーイーツすら使ったことはありません。ウーバーイーツにも様々な問題が指摘されていますが、それでも運んでいるものは食べ物であって、仮に事故を起こしても、配達者本人はともかく利用者が負傷するようなリスクはありません。しかし、ライドシェアの場合は、「外れ」を引いたら事故に巻き込まれる可能性もあります。タクシー運転手なら、二種免許の取得や運転手としてのタクシー会社への雇用、または個人タクシーとして様々な資格要件を満たす必要があります。それでもたまに「やべー運転手」に遭遇する可能性がないとは言えませんが、そのリスクをある程度淘汰する仕組みがあります。しかし、ライドシェアの資格要件を調べたら、運転免許を取って1年以上、というだけのようです。いやいや、わたしなんて、免許を取って30年超ですよ(笑)完全に資格ありですが、この間4輪車は通算2回、20分くらいしか運転していません。二輪車(原付二種スクーター)なら、ここまで7000キロほど走っていますが、自動車は車両感覚がまるで違いますから、自動車を運転できる自信はありません。そんな人間でも、おそらく登録できてしまう。結局、白タクを合法化して名前を変えただけじゃないの?と思ってしまいます。それを安易に認めること自体、大いに疑問の余地がありますし、認められたからと言って自分は利用しません。まあ、それ以前に東京在住の私は、滅多にタクシーに乗ることはないんですけど。そういえば、もう長らく海外旅行に行っていませんが、私が初めてラテンアメリカに行った1980年代末当時、メキシコでは何と言ったかな、シティオとリブレという2種類のタクシーがありました。シティオが、日本と同様のタクシー、リブレも専用の塗装があって(当時はほとんどがフォルクスワーゲンのビートル)、一見ちゃんとしたタクシーに見えますが、誰でも登録できて、かなり危険性も高いと言われていました。それが翌年ペルーに行くと、もう専用の塗装も登録もなく、どこかで「TAXI」という札を買ってきて、フロントガラスに貼り付ければタクシーになる、という状態でした。当然、安全性の担保などあるはずがなく、私の記憶では、フロントガラスはあるけどそれ以外はガラスがなく、ビニールシートを張っただけ、メーターは速度計しかなく、それも動いていないというタクシー(メキシコ同様にフォルクスワーゲンのビートルだったように思いますが、別の車種だったかもしれません)に乗ったことがあります。日本も、だんだん当時のラテンアメリカのようになっていくのかなあ、と思ってしまいます。
2024.03.14
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【鮮明化映像】カメラがとらえた衝突直前の海保機、一部始終今月2日、羽田空港で日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突する事故が発生しました。事故直前、海保機が滑走路に向かった後、衝突するまでをとらえた情報カメラ映像を日本テレビは3分28秒にわたり鮮明化しました。こちらは、今月2日の事故直前、羽田空港に設置された日本テレビの情報カメラに映った映像を鮮明化したものです。赤い丸で囲まれているのが海保機で、機体のライトが画面右から左に向かう様子が見えます。海保機は向きを複数回変えながら滑走路へと進むと、滑走路上で停止しました。そのおよそ40秒後、画面右上からJAL機が滑走路に進入、海保機と衝突し激しい炎が上がりました。---事故発生後から羽田空港の定点カメラの映像が繰り返し報じられています。しかし、衝突した海上保安庁機が、いろいろな映像を見てもまったく見えず、まるで着陸してきた日航機が突然爆発したかのように見えました。しかし、この鮮明化された映像では、確かに海保機の動きが見えます。ただし、動いている間は光源が移動しているので見えますが、滑走路上に停止してしまうと、赤丸で囲まれていないとまず分かりません。これは映像だけの現象で、肉眼なら分かったのでしょうか?おそらくそんなことはないでしょう。夜間は遠近感がつかみにくい上に、海上保安庁のDHCー8は他のジェット旅客機より小さいので、尚更距離感が分からない可能性が高いです。旅客機としての運行ではないので、おそらくキャビンには明かりは点灯していなかったので、窓から漏れる光もなかったものと思われます。そうすると、尚更暗い。事前に「事故を起こすかも」という予測の元に双眼鏡で探せば、恐らく発見できただろうと思いますが、空港がもっとも混雑するであろう休日の夕方の時間帯、離着陸の度にそんなことをする余裕はなかったでしょう。ただし、羽田空港の管制塔には、着陸機が接近中に別の機が滑走路に進入すると、モニターに警告が表示されるシステムが導入されているそうです。ならばそれを見落とした、ということになります。もっとも、記事によると、この機能は「管制官が自分の目で見て指示する際の補助的な表示であり、常時その画面を凝視することを求められる性質のものではなかった」そうです。あっても見なくて良いなら意味ないじゃん、と思いますが、その反面、画面を常時チェックしている時間がない、という現実もあるのでしょう。とは言え、着陸機の進入前にチラ見でもいれば(チラ見で表示が読み取れる仕様かどうか知りませんが)という気はします。警告音など、画面を見ていなくても異常事態発生を知らせられる機能がなかったのが残念です。このことも含めて、管制官の注意力次第で海保機の誤進入に気付けた可能性はあります。なので管制官に事故の責任がまったくなし、とはならないかもしれませんが、明らかになっている通信記録からは海保機の誤進入が事故の主因であることは間違いなさそうです。別報道によると、管制官とのやりとりで、離陸の順番を「ナンバーワン」と指示したことが、海保機の誤認の一因になったのではないか、ということです。着陸機が先に着陸したあとで最初の離陸」という意味ですが、海保機がそう受け取らなかった可能性がある、というわけです。それで、国交省は管制官に「ナンバーワン」は使用しないよう通知した、とも報じられています(元々、「ナンバーワン」は正しい管制用語ではないようです。)。海保機が機長以外全員亡くなったのは残念ですが、事故の状況を見ると、日航機側に死者がでなかったのは、紛れもなく奇跡です。乗員の対応が素晴らしかったことは間違いありません。それに加えて、おそらく、機体の外側はあっという間に炎上したものの、乗員乗客のいるキャビンは脱出が終わるまで火が回らなかったことが大きかったように思います。それは、胴体部が衝突で折れたり割れたりしなかったからです。胴体に穴があけば、そこから火が侵入する可能性が高く、そうなれば、あっという間に機内にも火が燃え広がったでしょう。この写真を見ると、日航機は機首とその下面は損壊して、前脚は折れたようです。しかし、機首付近を除くと、事故直後の時点では胴体には大きな破損は見られません。主脚も、折れていなかったようです。JALのA350と海保のDHC-8は、機体のサイズもかなり違いますが、機体の高さもかなり違います。DHC-8の胴体上部が、A350の胴体底部よりわずかに高い程度です。だから、追突の際、A350がDHC-8にのしかかるように衝突したので、A350側の胴体の破損がそれほどひどくなかったのだろうと思います。いずれにしても、いくつかのミスと不運が重なって起こってしまった事故ですが、その中で大変な僥倖と乗員の素晴らしい対応のおかげで、全員生還という奇跡が起きたのではないかと思います。同じ僥倖がまた起こる期待はしない方がいいかもしれません。
2024.01.10
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「オスプレイ」は欠陥機なのか? 生産終了報道の真相 “ポスト・オスプレイ”まもなく出るぞ!2023年12月9日、沖縄県のあるマスメディアが、2026年までにアメリカ軍のティルトローター機であるV-22「オスプレイ」の生産が終了すると報じました。11月29日に屋久島沖で米空軍所属のCV-22が墜落事故を起こしたことから、SNSなどでは両者を結び付けて、墜落事故を起こしたから生産終了に至ったとする書き込みも見受けられました。しかし、V-22「オスプレイ」の生産終了は本当にそれが原因でしょうか。実際は違うようです。V-22の生産終了は、2022年の段階でアメリカの軍事専門誌やメディアでその可能性が報道されていました。理由は、アメリカ軍が予定していたV-22の調達数が満たされるためです。もともと、アメリカ軍の装備調達計画では、V-22シリーズは464機の調達が計画されていました。また海外への輸出は日本の陸上自衛隊が17機を導入しただけで不振に終わりました。では、こちらの理由は、日本で報じられているように「事故や不具合の多発」に起因するのでしょうか。その関連性は極めて低いと、筆者は考えます。そもそもV-22の最大の特徴は、ヘリコプターと固定翼機の両方の特性を併せ持つことにより、限られた発着スペースしかない洋上の艦艇などからでも運用が可能でありながら、長大な距離を飛行し、飛行場以外の場所にも着陸できるという点です。しかし、実際そのようなニーズは極めて特異なものです。通常であれば、長距離の移動は固定翼の飛行機を使えば済みますし、飛行場以外の場所には、近くの拠点からヘリコプターを使えば降り立つことができます。結局、V-22が持つ最大の特徴は、艦艇などを使って海外に展開する能力が極めて高く、実際にその頻度も高いアメリカ軍においてのみ、最大限活かされるということになるのです。V-22は「ティルトローター機」という特殊な機構ゆえに、通常の航空機と比較して維持や整備にコストを要する、との指摘もあります。それを踏まえると、アメリカ以外の国がV-22を十分に運用できるかといえば、実際には困難だったという事情もあるでしょう。(要旨・以下略)---日本では、オスプレイがこんなに凄い、日本の防衛に不可欠だ、という「オスプレイ信者」が跋扈していますが、実際には自衛隊はオスプレイを欲しがってはいなかったという現実があります。オスプレイは政治主導で導入が決められ、、海上自衛隊も航空自衛隊も欲しなかったので陸上自衛隊が押し付けられた、というのが現実です。なぜ自衛隊がオスプレイを積極的に欲しなかったのか。引用記事に端的に書かれているように、オスプレイが持つ飛行機とヘリコプターのあいのこの機能は、「そのようなニーズは極めて特異なもの」であり、通常は飛行機とヘリコプターを組み合わせれば済んてしまうからです。オスプレイがヘリコプターより優れているのは、カタログスペック上の速度がヘリより速く、航続距離も長い、という点だけです。搭載量(重量においても容積においても)は陸自、空自が既に運用している大型ヘリCH47に劣ります。航続距離の差は空中給油を用いればカバーできてしまうし、実は速度の差も実質的にはあまり意味がありません。ヘリコプターで人間を運ぶ場合とともかく、物資を輸送する場合は、荷物の大きさや形状、輸送距離にもよりますが、機内に荷物を搭載するという形態をとることは多くなく、たいていは荷物を機外に吊り下げて輸送する形態が取られます。キャビンの容積より大きな荷物でも運ぶことができるし、着陸して扉を開けて荷物を積み下ろしするのと、ホバリングするだけで着陸せずフックからワイヤを外すだけで荷物の積み押しが完了するのでは、荷物の積み下ろしの所要時間にも大差があります。速度の差など、荷物の積み下ろしの時間の差で容易に帳消しになってしまうのです。オスプレイも機外に荷物を吊り下げることはできますが、この場合はヘリモードでの離着陸しかできないし、カタログスペックの速度も発揮できません。荷物を機外に吊り下げたら、ヘリコプターと変わらない低速しか発揮できません。荷物の輸送に主眼を置くと(というか輸送機なんだからそこ以外に主眼を置くところはないのですが)、オスプレイのヘリに対する優位性はほとんどありません。それなのに、オスプレイのお値段は、ヘリや在来の輸送機よりすこぶる高いのです。自衛隊のオスプレイの購入価格は、17機で予備エンジン、交換部品、パイロットの訓練経費込みではあるものの、30億ドル(当時のレートで3600億円、今なら4200億円以上)もしたと報じられています。1機200億円以上です。CH47ヘリは、バカ高いと言われる日本でのライセンス生産でも、その1/4程度の価格です、金に何の制約もなく、軍事にいくら使ってもいいなら、オスプレイに魅力は感じるでしょうが、そんな国は米国以外にはありません。普通の国なら、オスプレイを1機買うより、汎用ヘリと輸送機を1機ずつ買う方が安上がりで使い勝手もよい、だから、自身が開発国で、莫大な開発費用をつぎ込んでしまった米国と、なんでも米国言いなりの日本以外、どこの国もオスプレイを購入しなかったのです。そして、もちろん事故のリスクもあります。引用記事はオスプレイは欠陥機ではないと主張しています。しかし、オスプレイが通常の航空機と比較して維持や整備にコストを要することも認めています。維持整備のコストがかかるということは、コストをかけないと整備不良になりやすく、当然事故のリスクも増す、ということです。事故のリスクとコストは二律背反の問題であり、そこを計算してほとんどの国がオスプレイに食指が動かなかったわけです。結局ほとんどの国にとって、オスプレイは魅力のある飛行機とは思われなかった、という身もふたもない話です。
2023.12.21
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防衛副大臣、米軍オスプレイ墜落は「不時着水」 自衛隊機を派遣し捜索活動鹿児島県・屋久島沖に米軍のオスプレイ1機が墜落した件について、防衛省が緊急会見を開いた。宮澤博行防衛副大臣は「本日14時40分頃、鹿児島県の屋久島の沖合において、アメリカ空軍横田基地所属CV-22オスプレイ1機が不時着水した」と発表。防衛大臣から関係部署に対し、「被害者の有無を確認し、救助等の対応に全力をあげること」「情報収集を徹底し、状況の把握に努めること」「関係機関との連携に万全を期すこと」の指示が出ているとし、陸海空自衛隊が航空機を使った捜索活動を行っていると明らかにした。現場海域で1人が発見され、救助されたことについては、「細部は確認中」とコメント。また、不時着水という説明について、「米軍からの説明で、最後までパイロットが頑張ってコントロールしていたということで、不時着水としている」とした。---「オスプレイ」は米海兵隊と空軍が保有しており、機体そのものはほとんど共通ですが、使用目的の違のため、一部装備品に違いがあり、海兵隊機はMV22、空軍機はCV22という形式名になっています。ちなみに、オスプレイは事故が多いことで有名ですが、とりわけ空軍型のCV22は、使用目的が特殊作戦ということもあって、海兵隊のMV22より事故発生率がはるかに高くなっています。今回の事故の詳細は不明ですが、元々米軍岩国基地から嘉手納基地に向かっていたという機体が、突然途中の種子島に着陸しようと緊急要請してきたということは、その時点で何らかのトラブルが発生していたと考えられます。で、防衛副大臣が、「墜落じゃない、不時着水だ」と言い張っているそうです。その根拠は「米軍からの説明で、最後までパイロットが頑張ってコントロールしていたということで、不時着水としている」だそうですが、いやはやです。パイロットが頑張ってコントロール「しようとしていた」のは多分事実なのでしょう。しかし、目撃証言によると「不時着するのかなと思ったら、降りてくる途中で180度ひっくり返った。左のエンジンが火を噴いて爆発して、プロペラがぼーんと沖の方に飛んでいった。その直後、墜落した。」とか「くるくる横回転を3回くらいして、オレンジ色の火花、ボンって爆発みたいな感じ。ものの10秒もしないくらいで、海面に落ちた。」と報じられています。また、墜落後、機体はバラバラになっているとも報じられています。この状況のどこが、「コントロールできていた」のでしょうか?いかに考えても「コントロールできていなかった」としか思えませんし、だから墜落してバラバラになったわけです。コントロール「しようとしていた」ことを理由に墜落を不時着と言い換えるなら、世の中の墜落事故のうち、パイロットが何もする時間がないくらい一瞬のうちの空中分解と、「機長!何をするんですか!」みたいな意図的墜落やよほどの過失による墜落を除き、墜落事故のほとんどにおいて、パイロットは最後まで機体をコントロールしようと努力しているのですから、世の中に存在する墜落事故のほとんどは、「不時着」に名前を変更しなければならなくなります。昔々太平洋戦争中に、撤退を転進と言いかえ、全滅を玉砕と言いかえたのと同様、墜落を「不時着水」に言いかえるという言葉遊びを始めた、というわけです。まあ、そういう言葉遊びを始めるときというのは、言い換えれば「戦況が不利」だからということなんでしょうね。
2023.11.29
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不明潜水艇、設計資料の一部には「既に危険信号」 専門家沈没した豪華客船タイタニック号の残骸を見学するツアーに向かっていた潜水艇「タイタン」が圧壊した事故を受け、CNNは潜水艇の運航会社、オーシャンゲートの宣伝素材やストックトン・ラッシュCEOによる公式声明、裁判記録を再検証した。その結果、同社が安全対策を確実に実施すると売り込みながら、業界での基準の導入を拒んでいた実態が浮かび上がった。基準に従っていれば、同社の運航や潜水艇に対してより精度の高い調査が課されるはずだったとみられる。同社はまた、信用のある機関との提携を喧伝していたが、実際のところそうした機関は問題の潜水艇に関するオーシャンゲートとの提携を否定している。業界の専門家の一部からは、オーシャンゲートの運航について、リスクがあることで知られているとの声も上がっている。米デューク大学で生物医学工学を専攻するレイチェル・ランス氏は「ここは元々、潜水艇の設計について周知されている大半のことを受け付けない会社だった」と指摘。オーシャンゲートの設計資料の一部からは、「既に重大な危険信号が発せられており、この業界で働いた経験を持つ人々にはそれが伝わっていた」と述べた。同氏は水中で生存する際の生理的要求について研究した実績を持つ。同社は一般向けのマーケティングで、潜在的な顧客の冒険心に訴えかけるのと同時に、そうした冒険が安全なものだと納得させようともしている。そこでは科学者や冒険家らが同社の技術革新を称賛しているという内容が紹介される。~タイタンに乗り込んでいたラッシュCEOも昨年、潜水艇に使用する部品をキャンプ用品店で購入したことを認めていた。また複数のオンライン動画で、従来の潜水艇と異なるタイタンの設計について説明。素材に炭素繊維を含めることで浮力を高めていると語っていた。同CEOによれば、有人の潜水艇に炭素繊維を使用した例は過去にないという。~別のインタビューでストックトン氏は、以下のような安全性を否定しているともとれる発言をしている。 「ある点において、安全性は純粋に無駄でしかない」「とにかく安全でいたいなら、ベッドから出るなということだ。車にも乗らず、何もしなければいい」---危険を最小限にするために最大限の努力を払い、それでも残る危険性を十分に認識したうえで、あえてその危険に自ら挑む行為を一般的に「冒険」と呼びます。ただ単に危険な行為を行うのは、「無謀」でしかなく、更に命の危険が非常に高ければ「自殺」になります。ましてや自分自身の命だけを危険にさらすならまだしも、業として他人からお金を受け取ってそのような行為を行うのは、犯罪的となります。沈没したタイタニック号の見物ツアーに使われた潜水艇は、どうやら4000mの深海に反復して潜るだけの安全性を備えてはいない代物だったようです。1回2回の潜航なら、どうにか耐えられたのでしょうが、事故の時点で営業としての潜航は14回目だったようです。それ以外にも試験潜航は行われているでしょうから、全部で潜航は20回くらいでしょうか。耐圧容器の疲労が蓄積して、こで潰れた、ということなのでしょう。潜航震度がせいぜい400~500mの軍用の潜水艦ならともかく、何千メートルの深度まで潜る潜水艇の耐圧容器は、基本的に球形とされます。しかし、この潜水艇は円筒形の耐圧殻だったそうです。その材質は金属ではなく、炭素繊維強化プラスチックということです。一般に炭素繊維は鉄より強度が高いとは言われますが、引用記事によれば有人潜水艇に炭素繊維が使われたことは過去にない、ということで、実績のない材料で作った潜水艇でいきなり旅客営業は明らかに無謀です。かつて、1985年に起きた日航123便墜落事故は、高度7300mほどで修理ミスのあった圧力隔壁が破壊されたことが墜落原因になりました。高度7300mの気圧はだいたい0.4気圧くらいです。一方、旅客機の機内は0.8気圧程度に保たれています。内外の気圧差は0.4気圧程度ということになります。その程度の気圧差でも圧力隔壁が破裂すると、噴き出した空気によって垂直尾翼の大半が吹き飛び、操縦系統が破壊されました。一方海の底は、深度10mで1気圧ずつ水圧が上がります。深度4000mなら400気圧、ということになります。けた違いの圧力で、しかも飛行機の場合は外に対しての膨張する力、潜水艦の場合は内側に対する押しつぶす力です。そのことから考えて、飛行機で実績がある材料でも、潜水艇に使えるかどうかは別問題というしかありません。また、これまでの営業でも頻繁にトラブルが発生していたことが報じられており、いつ壊れるか分からない代物が、たまたま今回壊れた、ということになるようです。しかし、この事態に最大の責任を負うと思われるCEOは乗客とともに4000mの海底に沈んでしまいました。刑事責任を追及できる人物が生きて残っているのかどうかは分かりません。また、今後おそらくこの会社は犠牲者の遺族から訴えられるでしょうし、これだけ欠陥があればその訴えは通る可能性が高そうだとは思いますが、この会社に果たして支払い能力があるかどうかも疑問です。結局、乗客からしてみれば、25万ドルという高額の料金を払って知らずに鉄の棺桶に乗せられ、海の藻屑にさせられた、という最悪すぎる事態になってしまったわけです。自分で危険性を把握したうえで、25万ドルを投じて命を懸ける、なら納得のしようもありますが、知らずに棺桶に乗せられたわけですからね。幸か不幸か、私は25万ドルもお金を持っていないので、こんな自殺ツアーに参加したくてもできないわけですが、類似の事例がほかにないとは言い切れません。結局、冒険は自分の力と判断でやるべきだ、ということに尽きるでしょう。冒頭に書いたように、それが「冒険」なのか「無謀」なのか、自分自身では判断できないような場所に、お金を払って他人に連れて行ってもらうのは、避けた方がよい、ということかなと思います。
2023.06.24
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先日小型二輪の免許取得から1年経ったのに続いて、昨年5月末に購入したDIO110(JK03)も1年が経過しました。1年目点検に出してきましたが、特に問題はなかったようです。ただ、点検の前にリアボックスを外したら、ベースの板(既製品ではなくホームセンターで買ってきた板を自分で加工したもの)に亀裂が入っていました。70km/hで走ると向かい風がかなり強く、リアケースも激しく揺さぶられるせいでしょうね。真っ二つに割れたとしてもリアケースが外れるわけじゃないけど、そうはいっても板は交換しました。のこぎりで切ってドリルで穴をあけ、一応車体に合わせて黒く塗装して、それなりに手間がかかります(実は点検に出す前にやっておきました)。今度は金属製の補強プレートを何本もはさんだので、さすがにもうひび割れはないでしょう。それにしても、このした、厚さ1.8cmあるのですが、それが割れることは想定していませんでした。6角ボルトのゆるみは時々チェックしていたのですが、これからは板の亀裂も要チェックです。風圧ってすごいものです。さて、そのDIO110の走行距離ですが、現在4175kmです。で、新車からの累計平均燃費は、最初の満タンからの走行距離4114km、給油総量73.68Lで、リッター55.8kmとなっています。各給油間の燃費は、給油のたびに自分で計算したもので、ある程度誤差がありますが、もっともよかったのが昨年9月9日-25日間166kmを2.62Lでリッター63.4km、逆に最も燃費が悪かったのは、今年2月18日‐3月5日間152kmを3.02Lでリッター50.3kmです。前述のとおり、各給油間の燃費は「満タン」の容量が一定ではないので目安でしかありませんが、それにしても、もっとも悪いときでもリッター50kmを切ったことはない、ということになります。ちなみに昨年5月末の購入から10月初めまでの夏場の平均燃費はリッター59.2km、10月初めから今年3月下旬までの冬場の平均燃費は53.8kmだったので、やはり基本的には気温が高いほど燃費はよいようです。というわけで、DIO110のカタログスペック上の燃費は国土交通省届出値:定地燃費値60km/hでリッター59.4km、WMTCモード値で55.6kmですが、この1年間の平均燃費はWMTCモード値のカタログスペックを上回っています。土日に走ることが圧倒的に多いので、基本的には渋滞にはまることが滅多にないおかげではあると思います。アイドリングストップはだいたい常時入れています。で、速度ですが、70km/hまでは時々出します。湾岸道路や新大宮バイパスは、その速度でもバンバン抜かれたりしますけど。80km/hになると、出したことはありますが、片手で数えられるくらいの回数、しかも、数秒から長くても10秒、距離にして100mから200mくらいしかその速度を維持したことはありません。到達するまでも、70km/hに比べると、アクセルをひねり続けても時間はかかります。でも、何しろ教習車を除いてこれ以外のバイク、スクーターに乗ったことがないので、比較は分かりませんが、不満を感じたことはありません。1年前は、60km/hでも速くて怖い、と思っていたんですけどねえ。
2023.06.12
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昨年、小型二輪の免許を取って、先日やっと1年間の初心者運転期間が終わりました。実は昨年10月、都内某所で、何やら白っぽいバイクに乗った青い服の、さわやかな顔をした押し売りセールスマンが寄ってきて、6000円もするチケットを買えって言うんですよ。そんなもの要らない、買いたくないって思ったのですが、許してくれないので、泣く泣くお高いチケットを購入し、ありがたい点数を2点もいただいてしまったわけですよ。(涙)一時停止違反でした。流れのはやい国道に合流する側道で、右後ろを見ながら走っていたら標識を見落としました。36年無事故無違反が、もろくも消え去った瞬間でした(依然として無事故ではあるけど)。まあペーパードライバー歴36年だからゴールド免許だっただけですけどね。で、実は免許を取得して1年以内は初心者運転期間と言って、この期間内にもう1回違反をしてしまうと、初心者運転講習を受けなくてはならなくなります。受けないと実質的には免許剝奪に近い(試験場で実技試験を受けなおさないと免許が失効しますが、試験場での試験の難易度は教習所の卒検より圧倒的に高く、わたしはとても受からないでしょう)。そして、この初心者運転講習は日時指定で゜一日拘束されるらしいです。私の場合は、もちろん普通免許は初心者運転期間ではないので、小型二輪の免許の部分だけが失効、ということになりますが、四輪に関してはいまだペーパードライバー継続中で、とても運転できそうな気はしません。免許取得後約5か月で、いきなり土俵際に追い詰められてしまいました。それから7か月、再度違反をしない自信なんて、まったくありませんでしたが、幸いにしてそれ以降は白い二輪車に目を付けられることはなく、どうにか1年を生き延びました。いや、もし私の後ろに常時白バイがついて走っていたら、とっくの昔に免許取り消しだったかもしれませんけど(笑)この間、普通二輪の免許も取ろうかなと思わないではなかったのですが、また教習所に通うのは気が進まないのに加えて、この違反が心理的に響いて、教習受けている間にもう一度違反を食らったら全部無駄になりかねない、と思うと「初心者運転期間が終わるまではいいや」という気になってしまいました。ところで、ゴールド免許の場合、違反点数は3か月でリセットされます。しかし、私の場合、二輪免許の部分はゴールド扱いではないので、やっぱりリセットまで1年必要なようです。そうすると、リセットは今年10月、まだまだ先は長いです。まあ、だけどいずれにしても次の更新は青い免許になってしまいますけどね。なお、走行距離は現在合計3990kmです。年間でほぼ4000km走りました。
2023.05.18
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昨年7月、スクーターを購入した2か月後に、初めて往復100km超の長距離ツーリング(一般的には長距離ではないかもしれませんが、私的には長距離)で霞が関湖畔の浮島湿原まで行ってきました。しかしその時には目指していたコジュリンもオオセッカも見ることができませんでした。そこで今年改めて浮島湿原アタックしてみました。5月6日のことです。事前にネットで検索して、すでに渡来していることは確認しました。ところが前に行ったときは、現地目前で迷ったりして、往路で3時間近くかかった記憶がありますが、今回は道も空いていたため、2時間で到着です。ところが、天気は晴れなのですが、すさまじい風でした。東京でもこの日は最大瞬間風速約20mを観測していますが、さえぎるものがない霞ケ浦周辺は台風並みの暴風。この写真を撮った直後、センタースタンドで立てていたスクーターが、横風を受けて、倒し・・・・・・そうになったのですが、幸いまだスクーターの脇に立っていたときだったので、とっさに支えて、かろうじて倒さずに済みました。スクーターの脇を離れる前でよかったです。こういう時はセンタースタンドは危険かも。結局、サイドスタンドをたて、かつ横風ではなく後ろから風が当たる向きに止めたので、その後2時間余り、スクーターは倒れることはありませんでした。妙岐ノ鼻。前述のとおり、晴れているけど滅茶苦茶風が強いです。ここにいろいろな鳥がいるはずなのですが霞ケ浦の湖畔キショウブが咲いていました。きれいですが移入種です。だだっ広い湿原が続きますが、すさまじい風です。風が強すぎて、鳥がほとんど出てきません。たまにセッカとホオジロが出てくるくらい。芦原が風に激しくなびきます。湿原の脇を700mほど歩いていくと、観察小屋があります。例によって笛一式を持って行きました。鳥もあまり出てこないし、誰もいないのをいいことに、観察小屋で笛練習をしていたら、いつの間にか他の方が入ってきていた、という超恥ずかしいことになってしまいました。いくら目を瞑って吹いていても、普段なら人が近くに来れば音と気配でわかるのですが、風が小屋にぶつかる音があまりにすさまじくて、全然気が付きませんでした。強風の屋外でも笛を吹く練習・・・・・・いや、半分は観察小屋のなかで練習し、あとの半分は風の少ない場所を探して練習したんですけど。袋を空にするとあっという間に笛が飛んで行ってしまいそうなので、頭隠して尻隠さずスタイルで笛は袋から出さずに撮影。この後、帰路がまた大変。すげー強風の中スクーターの運転は、怖かった。さえぎるもののない田んぼの中の道、川沿いの土手も上の道は、風が強すぎてまっすぐ走れない場面もあり。まあ幸い復路も倒さず事故にもあわず(というか、事故を起こさず)帰ってきましたけど。帰ってきたら、東京もなり風が強くなってきました。次に行くときは、天気の予報だけではなく風の予報も確認しなくちゃ。でも、次こそ撮るぞ、コジュリン(撮れるのか?)。というわけで、目指す鳥にはふられましたが、その他の(あまり珍しくない)鳥写真は、後日他の日の分とまとめてアップします。
2023.05.08
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小型二輪の免許を取る前、当然ヘルメットを購入したのですが(一昨年の秋に購入したはずです)、高いヘルメットを買って免許を取れなかったらもったいないと思って、値段は失念しましたが、5000円か6000円くらいのヘルメットを買いました。これを教習でも、その後免許を取ってからも使っていたのですが、シールドの取り付け部がガタついてきました。安物なので、シールドを交換できるようにはなっていないようです。その他にも、頭よりやや大きめで、どうもフィットはしないことも気にかかっていました。それで、もう1か月半くらい前ですが、新しいヘルメットを購入しました。左の黒いヘルメットがこれまで使っていたもので、右の白いヘルメットが新たに購入したものです。乗っているスクーターはホンダだけどヘルメットはヤマハ製(笑)ヤマハのヘルメットは1万3千円のものと2万1千円円のものがあったですが、かぶってみるとどう考えても2万1千円の方がかぶりやすかったので、奮発して高い方を選択。でも、アライとかショウエイのヘルメットは4~5万円するから、それよりはずっと安いですですが。今までのヘルメットに比べて、圧倒的に頭にフィットする感じです。で、このヘルメットを使っていたのですが、先日、ちょっとした不注意でやらかしてしまいました。事故りました。いえ、嘘です。ヘルメットをシートの上にのせてリアケースの荷物を取り出していたら、なんの衝撃か、ヘルメットがコロコロっと転がり落ちてしまい、シールドがアスファルトの上で傷だらけになってしまいました。落ちた面がシールドだったようで、シールド以外のところに傷はつきませんでしたが。でも、かぶってみたら眼前が明らかに傷だらけ。これじゃ、シールドを上げて走らないと前がよく見えないかも。幸いにして、このヘルメットはシールドは交換可能です。早速アマゾンで購入したのですが、4000円もしました。最初に買った安物のヘルメットより高い、ということはさすがにないものの、ほとんどそれに近い値段がシールド一枚で飛んで行ってしまいました。ああ、次からは落とさないように気を付けなくては。でも、ある意味では、転がったのがヘルメットでよかったですけどね。スクーター本体や自分の体が転がったら、目も当てられませんから。
2023.04.14
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「努力義務」の自転車ヘルメット、「かぶるべき」7割弱 朝日調査朝日新聞社が8、9両日に実施した全国世論調査(電話)で、「努力義務」となった自転車のヘルメットについて、「大人でもヘルメットをかぶるべきか」と聞いたところ、「かぶるべきだ」が68%で、「そうは思わない」が28%だった。自転車のヘルメットは、いままでは、13歳未満の子どもへの「努力義務」だったが、道路交通法が改正され、1日から自転車に乗る人すべてに対しての「努力義務」となった。年代別に見ると、40代以下では、「かぶるべきだ」は5~6割だが、50代以上では7~8割と、年代が上がるにつれ、「かぶるべきだ」が増える傾向にある。---記事は途中までしか掲載されていないので、ひょっとしたら「かぶるべきか否か」だけでなく「かぶっているか否か」も聞いているのかもしれませんが、それは掲載されていません。ただ、「かぶるべき」が7割とはずいぶん高い数字だなと思います。それなら、きっと実際に自転車にヘルメットをかぶって乗っている人の人数も相当多いだろうと思いたくなるところですが、周知のとおり、現状は自転車ヘルメットの着用率は非常に低いです。かなり高速が出るロードバイクなどのスポーツ用自転車は、もともと生活の足というより趣味で乗る側面が強いせいか、従前からヘルメットの着用率はかなり高いと感じますが、それ以外の、生活の足として使われる、いわゆるママチャリなど普通の自転車でのヘルメット着用率は非常に低いです。たまたま、一昨日子どもと二人で隣の駅まで出かけた際に自転車のヘルメット着用義務についての話題になって、歩きながら観察していたのですが、ちゃんとヘルメットをかぶっていたのが1台と、幼児を載せた二人乗りで子どもだけにヘルメットをかぶせていたのが2台でした。それ以外は数十台の自転車すべてノーヘルでした。着用率は1割かそれ以下だったのではないでしょうか。着実にヘルメットをかぶっているのは警官の乗る自転車くらい、というのが現実です。というわけで、皆さんアンケートには「大人でもヘルメットをかぶるべき」と回答するけど、自分が自転車に乗るときはかぶらない、というのが現実、ということになります。矛盾しているけれど、法律で「努力義務」(罰則はないけれど)が定められたものを「必要はない」とはアンケートでも公言しにくい、というところなのでしょうか。多分、この現象を大規模にしたのが、2016年の米大統領選で各調査機関の世論調査がヒラリー優勢と予測したけれど、実際にはトランプが当選した現象なのだろうと思います。もっとも、米大統領選は単純多数ではなく州ごとの選挙人総取りという極めて特殊な選挙制度であり、総得票数では実際にヒラリー48%対トランプ46%だったので、「世論」調査としては間違っていなかった(「選挙予測」調査としては間違っていた)のですが。本題に戻りますと、オートバイの場合は、1965年に高速道路でのヘルメット着用義務(罰則なし)が始まり、1975年には51cc以上で罰則導入、1978年にはすべての道路に対象が拡大され、1986年には50cc以下でも着用義務化となっています。私が生まれる前には、バイクで高速を走ってもヘルメットの着用義務がなかったとは驚きですが、この流れから考えると、自転車も10年後にはヘルメットが罰則付きで着用義務になるのでしょうか。法律というのは、なかなかきめ細かく状況ごとに義務を課したり課さなかったりというのは難しい側面がありますが、正直なところ、40km/hとか50km/hで走るロードバイクならともかく、買い物で使う自転車に、立ち漕ぎではなくサドルに着座して走っている状態で、ヘルメットがなけれゃ危険かと言われると、私はそうは思いません。それを危険と言い出してしまうと、自分の足で走ることにも「ヘルメット着用が」という話になってしまいかねません。走っているときに転んだり人にぶつかったりすれば、それなりにけがをしたり追わせたりする可能性はありますから。実際、街中で歩いていて(多分その瞬間は走ったのでしょう)、転倒して、頭ではありませんが骨折という知人の事例を知っています。そういう意味で、自転車にヘルメットという話も、罰則なしの努力義務くらいだったらいいですが、罰則付きとすることには反対です。と言っても、現時点では罰則付きにする動きもまだないでしょうけど。
2023.04.12
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関西空港で『荷物を次々とぶん投げる作業員』が物議...関西エアポート「乱暴かつ不適切。当該の貨物事業者にすでに注意した」今年3月21日に関西空港の一般の人も立ち入れるエリアから撮影された映像には、作業員が次々と荷物をぶん投げている様子が映っています。関西空港を運営する関西エアポートによりますと、映っているのは日本国内にこれから配送する荷物を仕分けするエリアだといいます。梱包されているとはいえ大切な荷物が次々と、時には回転しながら飛んで行く衝撃的な光景です。ツイッターに投稿されて物議を醸すこの動画。関西エアポートは「当社はあくまで空港を運営する事業者で、被害者は荷主ではあるが、動画に映っているような仕分け方は乱暴かつ不適切だと認識している」とした上で、「当該の貨物事業者にすでに注意したほか、他の貨物業者にも注意喚起を行っていく」としています。---荷物を預ける立場としては、荷物を投げるなんて勘弁してほしい、とは思います。ただ、残念ながら預けた荷物は丁寧には扱われない、これは現実であり、引用記事の件は氷山の一角でしょう。とりわけ、航空貨物の扱いは乱雑です。私は、2回目にメキシコに行った1996年、ギターを買って日本に持って帰って来たのですが、その時、ギターを何とか機内持ち込みにしようと思ったのですが、持ち込みはダメと言われ(より小型のチャランゴ、ロンロコ、マンドリンを持ち帰った時は機内持ち込みできたのですが、ギターはでかいのでやむを得ないところでしょう)しかも、預ける際に「荷物の紛失には責任を負うが荷物の損傷には責任を負わない」という同意書に署名させられました。まあ、一般的知識として飛行機の預け荷物は乱暴に扱われることは知っていたし、持ち込めない事態はあらかじめ予想できたので、事前に弦は完全に緩め切って、ハードケースの内側、隙間という隙間には古新聞を詰めるだけ詰めた状態で空港にもっていきましたが。実は、その数年後ハードケースが壊れた時に気が付いたのは、あまり「ハード」なケースではなくボール紙製だったんですけどね。それはともかく、やむを得ず預け荷物としたギター、メキシコ市のあちこちを巡って捜し当てた、一番いいギターだったのですが、その飛行機への積み込み方はお察しのとおりです。そのとき搭乗したのはユナイテッド航空のメキシコ-サンフランシスコ便で、機種はA320だったことを覚えています。A320は貨物コンテナを搭載できるはずですが、何故かコンテナを使用せず、荷物を満載した車両から、直接機内の貨物室に荷物を投げ込んでいました。はい、文字どおり投げ込んでいたのです。荷物の積み込みと乗客の搭乗が同時並行で、私は窓側の席だったので、ぶん投げているところがよく見えました。ご承知のとおり、旅客機の貨物室は客席の床下にあります。作業員が投げ込む度に、床下からはドン!ドカン!バキッ!っと、音と振動が伝わってくるのです。ナローボディー機とは言え、百数十人乗りの決して小さくはない旅客機の床下からこれだけ音と振動が伝わってくるのだから、どれだけの勢いで投げ込んでいるか、分かろうというものです。で、私のギターも荷物の中に見えたのですが、投げ込む前にこちら側の貨物室が一杯になったらしく、荷物を積んだ車両は反対側に行ってしまったので、私のギターが積み込まれる瞬間は見ていません。が、反対側から積み込みが再開すると、また、バキッ!ドカン!という振動も再開したので、投げ込み方は推して知るべし、です。その後、サンフランシスコでの乗り継ぎ時、成田に帰国した際ターンテーブルに乗せられるまで、どんな扱いをされたかは見ていませんが、メキシコ市のベニト・フアレス空港と大差ない扱いであったことは予想が付きます。結果的に、ハードケースは傷だらけの状態でギターを引き取りました。ただし、幸いにも、傷だらけなのはケースだけで、肝心要のギター本体は傷一つありませんでした。弦を緩めきったことと、新聞紙の緩衝材のおかげです。で、そのギターは27年経った現在でも私が使っているメインのギターなのですが(ケースは数年後に変えましたが)、ただし最近は滅多にギターに触らなくなってしまいました。これがそのメキシコ製ギターです。以下の弦楽器は、幸い機内持ち込みで持って帰ることができました。ボリビア製マンドリン(2001年購入)同じくボリビア製ロンロコ(大型チャランゴ・1994年購入)ギター以外の荷物に関しては、私は国内旅行でも海外旅行でも、飛行機を使う旅行でスーツケースを使ったことはなく、常にバックパック(登山用のザック)を使っています。中身も衣類などがほとんどで、カメラなど壊れやすいものは当然入れませんから、これはどんな勢いで投げようが、絶対に壊れません(笑)。一度、ワインを持って帰ったことがありますが、それも衣類とタオルでぐるぐる巻きにして荷物の真ん中付近に入れておいたら大丈夫でした。バックパックは、鍵がかけられない、刃物で切り裂けば簡単に破れるので、窃盗対策としてはよろしくないでしょうが、乱雑に扱われた場合の耐久性は最強です。というわけで今回はたまたま乱雑な扱いが見えてしまったので話題になりましたが、そのような扱いは航空貨物の(いや、おそらくは物流全般の)標準だと思った方がよいでしょう。そうでなければ、預け荷物は搭乗の1時間以上前でないと次の便に載せますとか、降機後、預け荷物がターンテーブルから出てくるまで一時間以上必要です、というのを許容するしかなくなります。なかなか丁寧な扱いと速達性は両立し難いものです。
2023.03.28
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家族旅行で静岡の川根温泉に行ってきました。元鉄道ファンの私か行き先を決めたわけではなく、なんと相棒がここに行きたいと言い出したのです。(私はむしろ、沖縄に行きたかったのですが)川根温泉と言えば大井川鐵道、大井川鐡道と言えばSL保存運転です。もちろん元鉄道ファンの私はそのことは知っているわけですが、相棒はそれを知っていて行きたいと言い出したわけではないようです。が、SL列車があると言ったら、案の定乗りたいと言い出しました。実のところ、私も大井川鐡道に乗ったことはないのです。というわけで・・・・・・東海道線金谷駅に隣接する大井川鐡道の金谷駅。こんな小さな駅だったんですか!!実は、大井川鐡道は一駅となりの新金谷駅が中心駅で、SL列車も新金谷駅から発着します。大井川鐡道には現在運転可能なSLが3両あり、C11が2両とC10が1両です。ほかにC12とC56が1両ずつ、休車状態ということです。残念ながらこの日は雨で、結構激しく降っていましたが、傘を片手に頑張って撮影しました。C11が牽引するかと思ったら、やってきた機関車はC10でした。旧国鉄のタンク機関車の中で、C11が一番知名度が高く、製造数も380両なのに対して、C10はたった23両しか作られていません。ホームに入線しました。「さくら」のヘッドマークは旧国鉄およびJRがかつて運行していた寝台特急「さくら」のヘッドマークと同じもののように見えます。それにしても、客車7両を連ねた大編成をこんな小さなタンク機関車1両で牽引できるのか、と思ったら、後ろに電気機関車が補機としてついているんですね。後で調べたら、C10が単独で牽引できる客車は4両までだそうです。もっとも、この電気機関車自体、相当の年代物ですが。そして、この客車がまたすげー年代物でした。我が家が乗車したのはオハ47という車両でしたが、内装などはボロボロです。もちろんドアは自動ではなく手動です。家山駅に着きました。昨年秋、台風被害によって大井川鐡道は各所が寸断され、現在は家山-千頭間が不通になっています。大井川鐡道はコロナ禍で乗客が減少し赤字となっていたことから、この復旧費用を捻出できずに、公的支援を要請する状況になっています。SL列車も現在は家山駅までの運行となっています。で、この日宿泊の川根温泉ホテルまでは代行バスで移動しました。で、翌日は無事晴れました。本来宿の最寄り駅の川根温泉笹間渡駅。前述のとおり台風被害のため運休中で列車は来ません。無人のホーム。お茶の産地だけに、あっちもこっちも茶畑だらけでした。桃の花が満開です。列車の来ない鉄橋。しかし、家山-千頭間は運休中ですが、その先の井川線は運行しており、大井川鐡道は南北に分断された状態になっています。だからそのままにはしておけないはずですが、お金がなくてどうにもならない状態なのでしょう。帰路は、晴れたので家山駅まで歩きました。絶景です。上流の畑薙ダムなどで水がせき止められているので、大井川の流量はかなり少なくなっています。家山駅では、ちょうどSL列車が到着したところでした。前日と同じC10による牽引でした。うーん、C11ではなかったか。はSL列車ではなくEL(電気機関車)列車にしたのですが、実は電気機関車牽引と言いつつ、この列車は後ろに蒸気機関車をつなげたまま新金谷まで運行するようです。蒸気機関車の向きを変える転車台は、新金谷と千頭にしかなく、家山までの運行の場合は、機関車の向きを変えられないので、そのまま後ろ向きに戻るわけです。もっとも、この手のタンク機関車は、転車台のないローカル線での運行を前提に、後ろ向きでの運行ができるように作られています。前日は雨でしたが、晴れて大井川もよく見えます。あっという間に新金谷につきました。C10は切り離されて機関庫へと戻っていきます。乗り換え時間が5分しかなかったので、車窓からC10をお見送り。金谷からは各駅停車と新幹線を乗り継いで、あっという間に東京に帰りました。次に来るときは千頭まで全線復旧していることを祈ります。
2023.03.20
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「あり得ない」「敬意のかけらもない」 H3打ち上げ中止、JAXA会見で反発広げた「記者の捨て台詞」新型ロケット「H3」初号機が発射できなかったトラブルで、JAXAと記者とのやりとりがクローズアップされている。かたくなに「失敗」を認めないJAXA担当者に対し、記者が「わかりました。それは一般に失敗といいます。ありがとうございます」とあきれるように質問を終えた。鹿児島県の種子島宇宙センターから2023年2月17日に打ち上げを予定していたH3ロケットだが、この日のカウントダウン中にシステムが異常を検知し、打ち上げは中止となった。記者会見にのぞんだJAXAのプロジェクトマネージャーには、報道陣から「失敗ではないか」と認識を確認する質問が相次いだ。~この記者は「つまりシステムで対応できる範囲の異常だったんだけれども、起こるとは考えられなかった異常が起きて、打ち上げが止まった。こういうことでいいですね」と論点を整理し、岡田氏が主張を繰り返すと、「わかりました。それは一般に失敗といいます。ありがとうございます」と突き放すように切り上げた。通信社の記者とJAXA担当者の攻防は、多くの視聴者の目に留まった。この場面がツイッターで「記者の捨て台詞」などの文言とともに転載されると1万以上リツイートされ、「あり得ない」「難事業に対する敬意のかけらもない対応」と 記者の態度を疑問視する声が広がっている。---H3ロケットが、発射直前に、というか主機は点火したけれどブースターロケット(補助エンジン)が点火しなかったために発射「中止」となったそうです。この件について、共同通信だけが「失敗」と報道、他の各メディアが「中止」と報じていることから、議論になっているようです。「中止」と呼んでも「失敗」と呼んでも、どちらでも間違いではないと私は思います。そもそも、この場合「失敗」と「中止」は対立概念ではないでしょう。発射後に失敗したら「中止」とは言いようがありませんが、発射前の失敗は「失敗」であるとともに「中止」でもある、ということになるんじゃないですかね。これはあくまでも私の感覚であって、世間一般の感覚が同じかどうかは分かりませんが、ロケットに点火する前に発射を中止した場合(なおかつ、ロケットや搭載物に損傷なければ)は、単純に「中止」でいいと思います。しかし、今回主機に点火した後での中止です。発射をやり直すにしても、今回の不具合(補助ブースターが点火できなかった)の部分だけを修理すればそのまま再度発射できるのでしょうか?そうではありません。報道によれば、主ロケットの液体燃料はいったん抜き取って組み立て棟に戻すそうです。ということは、もう一度燃料を入れなおさないと再度の発射はできないわけです。また、一度噴射してしまった主ロケットエンジンは、そのまま何もせずに再度の発射を行うのでしょうか?おそらくとしか言えませんが、違うだろうと思います。エンジンはそのまま再使用はするのでしょうが、一度使ってしまった以上は、整備、点検は行うでしょう。つまり、再打ち上げのために、故障していなかった部分についても、膨大な準備をやり直すことになるはずです。そのような大きな負担を伴う再整備、点検、燃料再注入を強いられること自体、それってやっぱり「失敗」だろうなと私には思えます。もちろん、「中止」という表現が間違いだとも思いませんから、JAXAが「失敗ではない」と主張するのは構わないでしょう。ただ、報じる側がJAXAの意向に従わなければならないものではない、ということです。それに、引用記事によると、「難事業に対する敬意のかけらもない対応」なんてたわごとを言っている人がいるそうです。失礼ながら、「難事業」なんてことはJAXA自身とJAXAを礼賛する人以外にとっては、どうでもいいことです。別にJAXAだけのことではありません。世の中のあらゆる分野の「大変な事業」について、外部から見れば同じことです。なぜJAXAについてだけ、無関係の第三者にまで、「難事業」なるものに「敬意」を示すことが要求されなきゃならんのか、私にはさっぱり理解できません。
2023.02.20
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国産ジェット旅客機「MSJ」の開発中止、三菱重工が正式発表…採算合わず撤退か三菱重工業は7日、国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の開発を中止すると正式に発表した。事業から撤退する。開発に1兆円規模を投じてきたが、さらに数千億円かかる見通しで、続けても採算が合わないと判断したとみられる。中止の理由として、〈1〉開発長期化によって技術の見直しが必要、〈2〉海外のパートナーの協力確保が困難、〈3〉市場規模が不透明、〈4〉「型式証明」の取得に巨額の資金が必要――を挙げ、「事業性が見通せない」と結論づけた。三菱重工は2008年にジェットの事業化を決め、当初は13年の納入開始を目指していた。しかし就航に必要な安全認証「型式証明」の取得が進まず、コロナ禍の20年に「いったん立ち止まる」として事業の凍結を表明した。国産旅客機の開発は、官民一体で取り組んだプロペラ機「YSー11」以来、半世紀ぶりだった。国からも研究費として、約500億円の支援を受けていた。---残念なことです。が、2020年に「いったん立ち止まる」(開発凍結)となった時から、当然に予想されていたことです。中止の理由をいろいろ書いてありますが、根本的には、4番の米国FAAの型式証明が取れる見込みがない、ということです。米国で型式証明が取れない、つまり米国で営業飛行ができない旅客機を購入する航空会社などありません。もっとも、この期に及んでは、仮に今突然型式証明が取れたとしても、もはや手遅れであることも確かです。2008年当時の最新型は今となってはまったく最新ではありません。こんな、遅れてきた新型機を購入したい航空会社があるとは思えません。開発凍結の際も書いたと思いますが、MRJ(スペースジェットに改称していますが、開発が実質的に頓挫したあとの改称なので、ここでは旧称のMRJに統一します)の採算性については、最初から多少の不安はありました。だけど、まさか実用機として就航すらできずに終わることは、さすがに予想外でした。この件について、「米国が、ボーイング社にとって日本の参入は脅威だから型式証明がとれないように嫌がらせをしたせいだ」という陰謀論を見かけることがあります。未だにそんなことを信じているのか、と呆れます。そもそも、MRJはボーイングの旅客機では市場が重なりません。ボーイングでもっとも小型、かつもっとも売れているB737(及びそれとしのぎを削るエアバスA320)より、MRJの機体規模はかなり小さいです。最初から、ボーイングとエアバスの二強がしのぎを削る150席以上のクラスは避けて、そこと競合しないリージョナル機の市場に参入を図っているのですから、ボーイングの脅威になるわけがないのです。このクラスの旅客機はブラジルのエンブラエルとカナダのボンバルディアが二強です。少し機体規模が小さく、プロペラ機しか作っていないですが、イタリアのATR(エアバスの系列会社)もライバルと言えるかもしれません。いずれも米国の会社ではありません。そして、更に重要なことは、MRJは機体は日本製ですが、エンジンは米国プラットアンドホイットニーのPW1215であることです。なんと言ってもエンジンは飛行機の心臓部であり、もっとも高価な部品です。その米国製エンジンが大量に売れるビジネスチャンスだったはずなのです。それをわざわざ妨害する意図など、あるはずがありません。残念ながら、三菱重工自身のFAA型式証明取得への認識が甘すぎ、対応が甘すぎた、ということに尽きます。戦後初の国産旅客機であるYS-11の開発製造には三菱も関わってはいますが、開発主体は「日本航空機製造」であって、三菱が全部開発したわけではありません。それも、もう60年近く昔の話です。それ以降、三菱重工は、型式証明などとは無関係な軍用機(自衛隊機)の製造しかしてこなかったわけで、民間旅客機の開発経験は実質的には皆無だったわけです。にもかかわらず、経験を有する国外の他社との協力も積極的に行わなかったところが原因でしょう。失敗の原因を他人の陰謀のせいにしておけば、失敗の要因を探す必要もないでしょうからね。もっとも、失敗の要因を正しく分析できたとしても、もう二度と日本で旅客機の開発・製造を、ということにはならないでしょうけど。それにしても、ビジネス機の分野では、それまで航空産業に関しては一切の経験がなかったホンダが、ホンダジェットで大成功を収めたのとは、余りに対照的です。もっとも、ビジネス機の市場は旅客機より小さいですから、ホンダジェットが「もっとも売れるビジネス機」といっても、年間生産機数は30~40機程度ですが。
2023.02.09
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普通免許で125ccに!? 原付免許の定義が変わるかもしれないぞ原付一種は、2025年の次期排ガス規制強化を控え、存続の危機を迎えている。そこで従来の「排気量」で区分されていた枠組みを「最高出力」に変更し、現行125ccクラスの出力を下げて「50ccクラス扱い」とする案が検討され始めた。50ccの原付一種バイクは、免許取得が簡単で、四輪普通免許でも運転可能。しかし最盛期の約200万台から、近頃は約12万台にまで販売台数が落ち込んでいる。これに追い打ちをかけているのが次期排ガス規制の令和2年排出ガス規制だ。新たな動きとは「排気量50cc=原付一種の枠組み自体を見直す」というもの。110~125ccモデルの最高出力を抑え、原付一種として扱う案が現実のものとなりそうなのだ。全国オートバイ協同組合連合会(AJ)は、自民党オートバイ議員連盟に3つの案を提言したが、そのうち125ccクラスのモデルを最高出力を4kW(5.4ps)以下に制御する案が、排ガス対応、商品性、いずれの面も問題なく、議連と経産省、国交省、総務省、警察庁間の調整が進められている模様だ。この案が実現すれば、排気量125ccバイクの排気量はそのまま、出力のみ5.4ps以下にデチューンした車両が新「原付一種」クラスととしてラインナップされることになる。ただしレジャーバイクや高級コミューターに出力制御をかけるのではなく、低コストで軽量な110~125ccスクーターが出力制御され、"原付化"される模様。あくまで現行50ccモデルと同等の商品性とするのが狙いだ。原付免許制度のほか、原付一種ならではの30km/h上限、二段階右折といった独特なルールは継続。警察庁は免許制度の改正に消極的のようだ。---以前から125cc以下が普通免許(または原付免許)で乗れるようになる、といううわさはありましたが、いつになるのか分からない話を待つ気もなく、私はAT限定小型二輪の免許を取りました。それも教習所が混みあっていて、申し込みから教習開始までかなり待ったのは以前に記事を書いたとおりです。さて、「125ccに普通免許で乗れるようになる」というのは、既存の125ccに乗れるようになるという意味だとばかり思っていたのですが、そういうことだったのですか!現行の50ccに毛が生えた程度の低出力化した125ccを開発して、それに普通免許で乗れるようになる、という意味だったのですね。この案が実現しても、既存の原付二種ライダー、あるいはこれから原付二種に乗りたい人にとっても、メリットは何もないように思います。既存の小型二輪免許の扱いはどうなるのでしょうか。まさか、原付免許に格下げされることは、さすがにないでしょうけれど、どうなのでしょう。また、既存の110~125ccスクーターの一定の車種が原付化されると、逆に原付二種の選択肢が減りそうです。引用記事には、「レジャーバイクや高級コミューターに出力制御をかけるのではなく、低コストで軽量な110~125ccスクーターが出力制御され」とあります。私が乗っているDIO110なんて、まさに「低コストで軽量」の代表格であり、実際に引用記事には、DIO110が名指しで「こうした現行国内モデルの出力を制限して新原付化もありえる」とあります。私は別にDIO110が安いから選んだわけではなく、第1希望も第2希望も手に入らず第3希望のDIO110しか手に入らなかっただけです。(第3希望とはいえDIO110を選択肢に入れたのは、タイヤサイズがスクーターの中では大きいからです。タイヤサイズが小さいスクーターは、見た目がどうしても好みではありません)現状、二輪の新車は入手難であり、それも高価な車種ほどそれが著しい傾向があります。だから、結果として比較的安価なDIO110が入手できたのです。そのDIO110が「新原付」化されたら、原付二種で購入可能な車種がなくなってしまうではないですか。「レジャーバイクや高級コミューターに出力制御をかけるのではなく、低コストで軽量な110~125ccスクーターが出力制御され」というのは、言い換えると、高価で入手難の車種は原付二種のままで、安価で(相対的に)入手しやすい車種は「新原付」化される、ということになります。それは、原付二種が手に入りにくくなる、ということではないですか。DIO110は、安価ですかが、乗っていて大きな不満はありません。機能面では値段なりのところはありますが、「走る乗り物」としての基本的な性能に問題はないし、燃費もかなり良いからです。DIO110は原付二種の中で非力な部類とされます。しかし、私は幸か不幸か他の二輪に乗ったことがないので、比較の対象がなく、「非力」と感じることはありません。基本的に急加速はしませんが、アクセルを大きめに捻れば自動車より発進加速はずっと速いし、60km/hで走るのに(実際は70km/hくらいで走っても)特に問題はありません。その「非力」なDIO110のスペックは、最高出力6.4KW(8.7PS)となっています。5.4psという「新原付」の制限出力はそれよりはるかに非力です。そもそも、出力以前の話で、「新原付」になっても「30km/h上限、二段階右折といった独特なルールは継続」ということです。だから、50ccに「毛が生えた」ような性能すらも、実際には生かすことはできません。現行の50ccでも、物理的な性能としては50km/h以上出せますが、出せば道交法違反ということになってしまいますから。(実際には50cc原付が30km/hで走っているのはあまり見ませんけどね)今更30km/h制限や二段階右折なんて、不便としか思えず、そのような制限付きの二輪に魅力は感じません。そのような「新原付」に既存の原付二種の一部が移行することで、原付二種の入手難に拍車がかかるとすれば、原付二種ライダーにとっては、「デメリット」としか思えません。二輪の供給不足が解消して、欲しい車種がすぐに手に入るようになれば、話は変わりますが、どうも二輪の(自動車も)の供給不足解消がいつになるかは、さっぱり見通せません。
2022.12.12
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すみません、新しい写真は撮っていません。以前にアップした写真の使いまわしです。11月は家族全員コロナにかかったり、そうでなくても休日に悪天候が多くて、あまり運転しませんでした。しかし、それでも愛車DIO110の走行距離が2000kmを越えました。しかし、それはいいのですが、気温が下がるにつれて、燃費も下がってきました。9月下旬に給油した際、前回給油からの燃費がリッター63.4km(新車からの累計燃費は59.4km/L)という過去最高の数値をたたき出したのですが、それ以降は燃費が下がる一方です。10月下旬54.4km/L、11月中旬52.1km/L、そして本日は53.2km/L。累計の燃費も、初回給油からの走行距離2060kmに対して給油量累計が35.85Lなので、57.5km/L・・・・・累計で考えれば、そんなに下がってはいないのは、前述のとおり、燃費が下がってきた11月に、あまり走っていないせいでしょう。冬には燃費が落ちるという話は、知識としては知っていましたが、夏冬で燃費が10km近く違うのですね。いや、まだ冬は本番ではないので、1月とかはもっと下がるかもしれません。もっとも、今の気温でも朝はスクーターで走ると、かなり寒いです(日中はそんなことはありませんが)。何しろ、体感気温は風速1mで1度下がると言われます。時速60kmで走ると風速16.7m、気温が10度でも体感気温は-6度以下、気温5度なら体感はー10度以下!!そりゃ寒い。まあ、あくまでも感覚的なものなので、そこまで厳密なものではありませんが。もっと寒くなるとスクーターでは出かけなくなってしまうかもしれません。そうでなくても路面が凍結したり雪が降ったら、スクーターでは出かけられないですし。東京では、積雪は滅多にありませんが、気温が氷点下になることは稀ではありませんからね。まあ、普通に考えれば、リッター50km超の燃費は、自動車や普通二輪以上に比べれば、依然として「ものすごく燃費がいい」ということになるでしょう。
2022.12.04
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新幹線延伸の陰で北海道物流の大動脈が存続危機 在来線が赤字見込みで協議難航北海道新幹線の札幌延伸の陰で、貨物の大動脈である並行在来線が廃線になる可能性が高まっている。北海道発の物流危機は回避できるのか。札幌市内のJR貨物の札幌貨物ターミナル駅には毎日、本州との間で約40本の貨物列車が発着する。1日平均6464トンのコンテナ輸送量は東京貨物ターミナル駅につぎ、全国2番目に多い。貨物列車はペットボトルや宅配便、書籍など道民の生活に欠かせない物資を運んでくる一方、道内から集まるタマネギやジャガイモ、食料工業品を本州に向けて送り出している。札幌ドーム10個分に相当するこの広大な物流拠点が「無用の長物」になるかもしれない。札幌発着の貨物列車は、北海道の「玄関口」である道南のJR函館線を通り、本州と行き来する。要所である函館-長万部間の路線が、廃線の瀬戸際にある。物流の大動脈が危機に直面するのは、貨物が走る旅客線の存廃問題がからんでいる。北海道新幹線が2030年度末に札幌まで延びる予定だ。延伸区間と並行して走る函館線は、函館-小樽間がJR北海道から分離され、存廃は北海道と沿線市町の協議にゆだねられている。今年3月、長万部-小樽間の廃線・バス転換が固まった。残る函館-長万部間は協議が続く。「はこだてライナーは存続をお願いしたい」。函館市長が発言すると、近隣の北斗市長や七飯町長も同調した。新幹線の新函館北斗駅と函館駅間を結ぶライナーは、観光が売り物の函館圏にとっては生命線だ。しかし、他の区間の存続を望む声は沿線から聞こえてこない。地元自治体が及び腰になるのは、沿線人口は減る一方で、新幹線が開業すれば観光客の利用も見こめなくなるからだ。北海道の試算によると、函館-長万部間を第三セクター方式で維持した場合、開業後30年間の累計赤字は816億円に達する。沿線からは「住民に多大な負担を強いることはできない」と、「バス転換やむなし」という声が強まっている。(要旨)---記事は、おそらく途中までしか掲載されていないようです。結局、JR北海道は新幹線が開業したら並行在来線である函館本線は(採算が見込める小樽-札幌間を除き)手放すし、大赤字が見込まれるので沿線自治体も第3セクターで引き受ける気がない、ということです。通称山線と呼ばれる函館本線の長万部-札幌間は、遠い昔、確か大学生の時に各駅停車で通ったことがあります。気動車の単行だったか2両編成だったかは記憶がありませんが、通学の高校生で超満員だった記憶があります。前日、各駅停車で上野から青森まで行き、当時あった青函連絡船の深夜便で北海道に渡りました。夜を徹して列車と船に乗っていたので、寝不足で途中かなり寝ていた記憶がありますが、所々おぼろげな記憶では、かなり景色がきれいだったように思います。この区間の廃止についても、鉄道ファン(元)としては、思うところは色々ありますが、そこは言っても仕方がないので、今回の記事では取り上げません。問題は函館-長万部間です。ここは、現在は函館-札幌間の特急「北斗」が1日11往復走る大幹線ですが、北海道新幹線が札幌まで延伸すると、旅客需要が激減することは明白で、一気にローカル線となってしまいます。が、旅客需要が激減しても、貨物需要はそうではありません。新幹線は貨物列車が走らないからです。函館本線を走る貨物列車は1日21往復と、特急「北斗」より本数が多いのです。かつ、これらの貨物列車はすべて本州からの直通便です。札幌貨物ターミナル駅のコンテナ輸送量が全国で東京貨物ターミナル駅に次いで第2位というところから見ても、JR貨物にとっては北海道路線は最重要路線の一つであることは明らかです。東北本線、羽越線-信越線-北陸本線を走る貨物列車も、北海道と東京、大阪を結ぶものが相当ありますから、それらを失うことはJR貨物にとっては死活問題でしょう。一方、日本全国の貨物輸送から見ると、鉄道輸送のシェアは1%しかありません。しかし、鉄道輸送の特性上、近距離、少量の輸送は不得手であり、長距離、大量の輸送に適しています。そのため、北海道-本州間の輸送に占める鉄道のシェアは約1割であり、中でも本州への農産物の輸送に占めるシェアは3割程度に達します。本州との鉄道輸送は、北海道経済にとっても無視できるようなものではないのです。鉄道の貨物輸送は既にシェアを落とすだけ落としており、それでも存続している貨物輸送には、それなりの理由と必然性があります。青函トンネルは鉄道専用です。つまり現状では貨物列車は本州まで直通できるけれど、トラック輸送は途中で船を使わなければならないわけです。だから、北海道本州間のトラック輸送は船の輸送力の上限にも左右されます。もちろん、天候にも左右されます。鉄道もどんな悪天候でも走れるわけではありませんが、船に比べれば運航率は高いですから。それに、物流業界は常に人手不足です。北海道もその例外ではありません。前述のとおり農産品の輸送では鉄道のシェアがかなり高いのですが、農産品は手荷役作業を伴うため、一部地域で輸送の受託制限が始まっている、本州の主要港から先のトラック輸送が断られる状況が現れ始めている、という指摘があります。したがって、函館本線の貨物輸送を廃止してそれをトラック輸送に切り替え、というのも簡単なことではありません。ここまで考えれば、函館本線の函館-長万部間は新幹線札幌延伸後も、貨物用としては必要不可欠であることは明白です。にも拘わらず、誰も存続を言い出さないという異常事態です。要するに、誰も赤字を被りたくない(かぶれる額ではない)のです。沿線自治体もそうですし、貨物列車を運行するJR貨物もそうです。JR貨物が路線の譲渡を受けて、自ら函館本線を維持、運営する、というは現実的には不可能です。何故なら、現状JR貨物が貨物列車運行のためにJR旅客各社に払っている線路使用料は、経営がギリギリのJR貨物を救済するため、国策で格安に設定されているからです。アボイダブルコストと言って、JR貨物の列車が走ることによって線路保守等の費用が増加する、その増加した差額分だけを支払うことになっています。それでJR貨物は何とか経営を維持しています。自社で全長130km以上の長大な路線を自社で保有してしまうと、アボイダブルコストでJR北海道に払っている線路使用料よりはるかに高額の費用が掛かります。JR貨物にはとてもその額を負担できないのです。もちろん、沿線の市町村が自力で鉄道を維持できるはずもなく、またJR北海道自体も厳しい経営状態であり、大赤字の函館本線を維持し続けることができません。結局、必要なのに誰も費用を出せない、ということで、函館本線廃止へ、という最悪の方向に向かいつつある状況のようです。本州との物流網の維持は沿線市町村だけの問題であるはずがなく、むしろ札幌をはじめとした沿線以外の市町村の問題です。ならば、それは全北海道の問題であって、道が中心になるべき(経営基盤としても、都道府県でなければその負担に耐えられないのは明白ですし)と思われますが、現在の北海道知事にその確固たる意志があるようには見えません。結局、新幹線の作りすぎ、というところに問題があったように思います。新幹線が本当に必要な路線は既に作られているわけです。衰退しつつある今の日本で、既存の新幹線ほどの需要がない路線に新しい新幹線の路線を建設しようとするところから、色々な無理が生じています。長崎新幹線の佐賀県通過をめぐる迷走も同根の問題でしょう。それに加えて、物流は経済の血流であるにもかかわらず、その重要性を世間一般が軽視していること、さらにJRグループ発足時に、明らかに経営基盤の弱い北海道四国九州を独立会社とし、本州も3つに分割してしまったことの先見の明のなさ(民営化するにしても分割する必要性があったのか、せいぜいNTTのように東西2社に分割程度にすべきだったのでは)など、これらの負の遺産の積み重ねに、日本全体の少子高齢化、地方の過疎化が加わって、北海道本州間の物流の危機、事態を招いているのではないでしょうか。
2022.10.26
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キリのいい数字で1000km越えと書きましたが、実際にはもうじき1200kmです。前回の記事の少し前に1回目のオイル交換をしたのですが、そこからすでに600kmくらい走っています。桜草公園にて。城南島海浜公園(およびそこに近い東京港野鳥公園と大井埠頭中央公園)写真は撮っていないですが、三番瀬海浜公園も3回ほどスクーターで行っています。スクーターの前で猫が居座っていることがありました。(我が家では猫は買っていません。どこか近所の飼いネコです)代々木公園。秋ヶ瀬公園は2回目です。(厳密には、この時は隣接する桜草公園にスクーターを置き、秋ヶ瀬公園までは徒歩で往復しています)ここは、最初に行ったとき、道に迷いまくって、荒川の橋を2往復半もする羽目になってしまいましたが、二度目(というか一度目の復路も)は間違えずに行けています。で、ここまでの累計の燃費はリッター58.9kmです。一回の給油当たりではリッター60kmを越えるときもありますが、最初からの平均では、なかなかリッター60kmに届きそうで届きません。ちなみに、低燃費走行をすると「Eco」というランプが点灯しますが、たいていいつも点灯しています。もっとも、湾岸道路や新大宮バイパスを走ると消えちゃいます。時速60kmを越えると、このランプは消えちゃうみたいです。
2022.09.08
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先週末の野鳥写真の記事に少し書きましたが、先週土曜日、霞ケ浦近くの浮島湿原まで行ってきました。往復150km以上200km以下(正確な距離はヒミツ)という大移動でした。正確なルートではありませんが、だいたいこんな感じのルートで行きました。地図上の出発点は実際の出発点ではありません。国道6号線を都内から走ってきています。取手の手前からずっと利根川沿いのみちを走ったのですが、これが遠い遠い。改めて調べると、この部分だけで40km以上もあるのですね。で、往路は2時間半くらいで着きました。極論を言えば、スクーターに乗ろうと思ったきっかけはここに行きたかったから、と言っても過言ではありません。公共交通機関では非常に行きにくい場所なので。もっとも、本来の目的であるコジュリンには振られてしまいましたが。家族には昼に帰ると言ってしまったこと、着いたときはそこまで暑くなかったのですが、歩いているうちにかなり気温が上がってきたことから、1時間半しかいませんでした。もっと粘ればコジュリンに会えたかもしれませんが、それはもっと涼しい時期にします。さらにここから少し先(といっても10kmか15kmくらい)には、その名もコジュリン公園という場所もあるのですが、そこも行くのは涼しい時期にします。鳥を撮影する以外は、特になにもない場所です。が、そのバードウォッチャーが一人もいなかった時点で、行く時期の選択を誤ったことを悟りました。もっとも、私はコジュリンは夏鳥だと思っていたのですが、現地の案内板によれば留鳥みたいですね。ということは、冬に行っても見られるのかな?向こう側は稲敷大橋です。で、復路は、国道6号に出るまでは快調に走りました。というか、快調すぎまして、というのは、制限速度50km/hの道を制限速度で走っていたら、次第に後ろから車が近づいてきたので、60km/h、更には70km/hですっ飛ばしたけど、結局後ろにピタッとつかれた挙句、追い抜かれてしまいました。黄色いセンターラインだったけど(笑)1台だけなら「煽り」と思うところですが、次々と3台ですから、こっちが遅いということでしょう。20km/hオーバーで遅いとなると、何キロで走ればいいのやら。まあ、あんな交通量の少ないところでは絶対取り締まりなんかやっていないでしょうから、安心して飛ばせるんでしょうね。でも、往路ですが、タヌキと思われる轢死体を見てしまいました。あーあと思いましたよ。相手が動物なら交通事故ではないけれど、私はそんなことはやりたくないです。復路、利根川沿いの後ろに車がいない時に(というか、本道は左上で、この道は側道なので車がいない)止まって写真を撮りました。前後何十kmに渡って、信号がまったくなく、こうやって自分で止まらない限り、いくらでも走りっぱなしです。この辺りは快調だったのですが、国道6号線に入ると、柏近辺で渋滞にはまり、往路よりかなり時間を喰ったうえに、途中燃料が心配になり、ガソリンスタンドに立ち寄ることに。もっとも、入れてみたら3.4Lしか入りませんでした。満タンが4.9Lなので、まだ1.5Lも残っていたことになります。計算上は家まで帰れる残量でした。結局、帰宅は1時を過ぎてしまいました。これで累積走行距離は700kmを超え、前回給油からの燃費はリッター61.9km、最初からの累計燃費は59.3kmとなっています。
2022.08.05
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以前、走行距離100kmを越えたところで給油したところ、燃費がリッター当たり53.4kmになった、という記事を書いたことがあります。走行距離100km越え昨日、走行距離が300kmを越えたところで、また給油しました。前回は自宅近くのガソリンスタンドでしたが、今回は自宅からかなり離れた場所で、しかもセルフスタンド。だから何?と思われるかもしれませんが、何しろ車でペーパードライバー歴何十年の私は、セルフスタンドで給油するのは初めてでして、まごつくまごつく。幸い、後続車両がまったくいなかったので、まごついて時間を喰っても誰にも迷惑はかけていませんが。で、前回の給油から192km走って、給油量は3.08Lでした。割り返すと燃費がリッター当たり62.3kmになります。えっっっ?このDIO110の燃費は、カタログスペックで60km/hの定値燃費で59.4km/hWMTCモード値で54.9kmってなっていますけど・・・・・カタログスペックより燃費がいいって、何かが間違えている?考えられるのは、セルフスタンドで満タンにしたつもりが満タンではなかった、という可能性があり得ます。あふれるのが怖くて、給油口ギリギリいっぱいではなくそれより少し下で止めてしまいましたから。あと2~3cmは燃料が入ったかもしれません。でも、あと100mlも入らないと思いますが、仮にあと100ml入ったと仮定して3.18Lでも、リッター当たり60kmを越えています。うーーーん、どうなんだろうか。どこかで計算を間違えているかなあ。ちなみに、最初の給油からの累計だと、5.31Lの給油で311km走っており、累計の燃費だとリッター58.6kmになります。これも、カタログスペックの定値燃費に近い燃費です。走っているのがほぼ土日だけで、渋滞に引っかかることがほとんどないし、急加速は全然しません。だって、慣らし運転中は急加速はするなってマニュアルに書いてあるし。急ブレーキもほとんどかけません。それどころかブレーキ自体をあまりかけていません。先の方に赤信号黄色信号が見えたら、アクセル放してスピードが落ちるのを待ち、止まる寸前にちょっとブレーキをかけるだけなので。最初からブレーキをかけるのは、ギリギリのタイミングで黄色信号になった時だけです。そのあたりが理由かもしれません。それに、前回の給油以降はアイドリングストップをほとんど入れっぱなしというのも燃費には効果があるかもしれません。本日は大井ふ頭中央公園と東京港野鳥公園に行ってきました。実は前にも行ったのですが、駐車場に入る道が分からず、周りをぐるっと走って引き返してきました(笑)なので、今日は駐車場へのルートを事前に確認してから行きました。こんな摩訶不思議な道の構造になっていたなんて、知りませんでしたよ。公共交通機関で行くと、結構交通費が高い場所(東京モノレールは運賃が高い)ですが、スクーターならガソリン代だけなので安上がりです。なので、ついに年間パスポートを買ってしまいました。1回の入園料は300円ですが、年間パスポートだと1200円なのです。今までは、入園料よりそこに行くまでの交通費の方がずっと高かったので年間パスポートなんか買ってしまったら、逆に行かなくちゃならなくなってしまうから・・・・・なんて考えてしまい、買おうと思ったことがありませんでした。
2022.07.03
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昨日朝、例によって葛西臨海公園に鳥撮影+笛練習に行ってきました。例によって、ですが今回初めてスクーターで行ってみました。橋の上は風が強くてふらつきますねー。しかも、後ろから車に追われて60km/h走行。(もちろん左側車線なのですが)このでかいリアボックスは、笛は全部入ります。サンカ(低音用の大型サンポーニャ)も、ケース内に対角線で詰めれば入ります。そのうちに管楽器ケースをリアボックスに括りつけて持って行こうと思っているのですが、手持ちの荷締めベルトの長さが足りないので、後日にする予定です。ただ、我が家から葛西臨海公園までの所要時間は、京葉線他公共交通機関を利用した場合より、かなり余計にかかりました。昨日に関しては、だいたい50km/h以上の速度で走ったと思うのですが、もちろん信号があれば止まりますからね。ただ、京葉線の各駅停車はダイヤが均等ではなく、運が悪いと往路も復路も次の電車まで15分待ち、ということがあります。また、鳥類園から葛西臨海公園駅まで、徒歩で15分くらいはかかるのに対して、二輪の駐車場は鳥類園の至近距離にあります。それを考え合わせると、京葉線の乗り継ぎで運が悪いときに比べれば少し速いかな、という感じです。で、今日も走って、走行距離が累計125kmになりました。いや、納車時に1kmを指していたので差し引き124kmですが。で、まだ燃料計は半分を指していたのですが、ここまでの燃費がどの程度のものか知りたくなって、給油してしまいました。2.23L入りました。タンクの容量は4.9Lなので、半分まで減っていませんでした。で、最初に満タンにした時は距離計は5kmでした。今回は124km(ガソリンスタンドから帰宅する間に125kmになりました)なので、差引119kmを2.23Lで走った、という計算になります。燃費は、リッター当たり53.4lmになります。もちろん誤差はあります。満タンといってもぴったり同じ量ではない可能性がありますから。なのでおおむねの目安ですけど、まあだいたいリッター当たり50kmかそれ以上は走る、と考えて間違いなさそうです。ちなみに、このスクーターにはアイドリングストップ機能がありますが、最初はバッテリーがすぐ上がってしまうのではないかと心配して、50kmくらいまでは使っていませんでした。しかし、いつも走り始めて10分と経たずに満充電になるので(満充電になると、廃熱が出はじめるのでそれと分かります)それ以降はアイドリングストップを使っています。これによっても燃費は多少違いがあるのでしょう。燃費に関しては前述のとおり、誤差を含んだ暫定値だし、夏と冬でもかなり違うようなので、給油の度に検証していこうと思っています。不満を言うとしたら、他の二輪に乗った経験が(教習車以外)ほとんどないので比較では分かりませんが、路面の凹凸がお尻にダイレクトに伝わってきます。サスペンションとタイヤは、そんなに良いものではなさそうです。また、シートも硬いのか、片道1時間も走ると、帰路はお尻が痛くなってきます。クッションでも敷きたい気分ではあります。
2022.06.12
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前回の続きです。小型二輪MTから小型AT限定に車種変更して、かろうじて第2段階には進んだものの、一本橋苦手は相変わらずです。教習初日にマニュアル車にまたがろうとした瞬間にバイクを倒した件は、いろんな動画を見てなんとか克服できたのですが、一本橋については、YouTube動画を何本も見て、こうすればいい、ということを頭では理解したのですが、いざスクーターにまたがると、どうにもこうにもできないのです。そのことが原因だったか他のことか忘れましたが、とにかく第2段階でもさらに教習時間が1時間追加になりました。車の免許を持っている場合、小型MTの教習時間は10時間、AT限定では8時間ですが、第1段階ですでに2時間オーバーしていた私は、車種変更してもやはり教習時間は10時間のままで、そこに第1段階で2時間、第2段階で1時間、合計3時間のオーバーになりました。一応は第1段階見極めのときは、はっきり覚えていませんが、おそらく半分以上一本橋を成功したのだと思いますが(そうでなければ第2段階に進めないはず)、第2段階に入ってからはなんと一度も成功しなくなってしまいました。落ちる落ちる、とにかく落ちる。いくら動画で勉強しても、全然ダメなのです。第2段階見極めの前の回までの教習で、一度たりとも一本橋を通過できていません。もうだめだー、と思いました。第1段階では教習中に雨に降られたことはほとんどなかったのですが(小雨が1回くらいあったか)、第2段階は雨の中の教習が何回かあって、合羽を着ているとはいえ蒸すし、一本橋も落ちて気持ちは奈落の底へ。そうこうしているうちに、5月のゴールデンウイークも明けて、見極めの教習になってしまいました。しかも、諸事情により、その前の教習から2週間くらい空いてしまったのです。もうスクーターの乗り方なんて忘れてしまったかも?「見極め通過しよう」なんて思ったら負けに違いない。一本橋は落ちる、絶対落ちる、落ちるに決まっている、と念じながら(笑)アタックしたら、案の定、バランスを崩してフラフラになりながら、しかしかろうじて落ちずに一本橋を通過しました。うーーーん、第2段階に入ってから初めての一本橋成功。とはいえ、落ちなかったというだけで、とてもこれを成功とは見なせないでしょう。2回目、あれっ通過できました。しかも1回目よりかなりまともに。そのあと3回か4回通過して全部成功です。ハンドルを細かく左右に振りながら進む、というのが、理屈では分かっていてもどうしてもできなかったのですが、それができるようになっていたようです。何がどうなってそうなったのか、キツネにつままれたような感じでしたが、ともかくこの日だけ一本橋に一度も落ちなかったので(当然、それ以外の課題は特段問題なし)、卒検に進みました。多分、教習の間隔が2週間くらい空いたのがよかったのではないかと思います。気持ちがリセットされたのではないか、という気がします。しかし見極めをとおっても卒検を通らなければ免許は取れません。卒検がまた雨で、でも指導員によると雨の方がラッキーだというのです。急制動が小型だと路面が乾いていると8m以内、濡れていると11m以内(中型、大型ではこの距離はそれぞれ違います)、でも乾いているときの制限距離より濡れているときの制限距離の方が簡単だ、というのです。そういうものなのでしょうか。でも、正直言って通る気がしなかったので、落ちたら次の教習はいつかな、と調べたら、もう5月中は空きがなくて6月なのです。免許を取れるのは6月かと思いつつ雨の中の卒検に臨みました。私の前の順番の方(中型MTでかなり若い方でした)が、いきなり、バイクに乗るため、スタンドを払おうとした瞬間バイクを倒してしまいました。それで検定終了(多分)。それを見た私は否応なく緊張しました。でも、幸いにしてコースを間違えることはなく、しかしそれまでほとんどミスしたことのないクランクで、スピードが極度に遅くなってしまいふらふらに。出口でいったん足を着いてしまいました。でも、最大の鬼門だった一本橋は、問題なく通過。ここでガッツポーズしたい気分でしたが、控えました。急制動も通過して、なんと卒検一発で通過です。私の脳内予定では卒検2回の覚悟だったのですが、そうなりませんでした。結局、トータルで3時間オーバーの13時間で通過したのかな。かかった費用は当初よりだいぶ膨らみましたが10万円には達しませんでした。というわけで、免許は無事取れたのですが、免許を取れただけではペーパードライバー返上とはなりません。前回書いたように、私は二輪の免許を取ろうと教習所に申し込んだのが去年11月でした。教習開始はその3か月後の2月、免許が取れたのは半年後の5月。その間に結構気持ちが覚めちゃった。醒めたというより、「落ちるかも」というプレッシャーが強すぎて萎えちゃった。どうしようかと思ったのです。輪をかけて、前回書いたように最初になりたいと思っていたのはカブ系、具体的に言うと、第1希望はクロスカブ、第2希望はスーパーカブだったのですが、バイク屋に聞いたら、どちらも人気の上に生産が遅延しており、まったく手に入らない、そもそも予約が受け付けられていない、というのです。えーーー、どうしようかな、と思いました。だけど、約9万円くらいの費用をかけて小型二輪の免許を取って、ペーパードライバーの車種を増やしました、というのもさすがにちょっとねえ。というわけで、第1希望クロスカブなし、第2希望スーパーカブもなし、しかし第3希望の、同じホンダのDIO110というスクーターは在庫がありました。ちなみに、第4希望はスズキのアドレスV110でした。他にもいろいろスクーターはあるのに、何故カブかDIOかアドレス110がいいと思ったのかというと、完全に見た目の問題です。私の感覚ではタイヤ、特に前輪の小さなスクーターは、ものすごく「不格好」に感じるのです。だから、多少なりともタイヤサイズの大きい車種にしたいというのが希望でした。カブは17インチ、DIO110とアドレスV110はそれよりは小さいですが14インチで、見た目的にそれほど不格好には見えません。他の多くの125ccスクーターは12インチか10インチなので、パスかな、と。あと、ホンダPCXもタイヤサイズは14インチあるけど、どうも全体のフォルムがあんまり好みではありません。もっとも、PCXも今は全然手に入らないという話でした。カブが入手できるのを待っていたら、運転なんか忘れてしまいますから、これはあるものを買うしかありません。というわけで、めでたくDIO110が納車されたわけです。お値段は税込み22万円、諸費用込みの乗り出し価格で25万円、自賠責3年と任意保険1年を足して、教習費用、ヘルメット手袋その他一切合切含めると、ここまでの総費用は40万円超です。でも、40万円で買える車なんて、新車ではあるはずもないし、我が家に車庫はないけどスクーターなら置けますし。(大型バイクも厳しいと思います)ただ、このスクーターはあまり収納スペースがありません。でもそれは関係ないのです。元々、どんな収納スペースのでかいスクーターでも私の管楽器ケースはいらないから。というわけで、さっそくこうなりました。60cmのケースを取り付けたら、中にサンカ(大型のサンポーニャ)は入ります。ただし、トヨ(一番大型のサンポーニャ)は無理ですが、これは普段持ち歩くことがないので問題ありません。とはいえ、まだ運転は慣れません。小型二輪の法定速度は60km/hですが、まだ60km/hは、数秒間、100mか200mしか出していません。あっという間に赤信号が来ちゃうから。50km/hくらいで走っていると、結構快適だなと思いますけど、60km/hは、まだ多少の恐怖感があります。50km/hだと、後ろから車にどんどん追い抜かれます。それどころか、30km/hで加速中に50ccの原付に追い抜かれた挙句、その後50km/hで走ってもその原付にまったく追いつけなかったり。あの原付はいったい何キロで走っているんだ、と(笑)交通量の多い平日の運転は怖いと思っていましたが、休暇を取って平日に納車して運転した感覚だと、交通量の多い平日の方が全体のスピードが遅くて、また追い抜いてもどうせその先が詰まっていたりするから、50km/hで走って追い抜かれることは少ないようです。交通量が少ない休日の方が抜かれる。追い抜かれること自体はまったく何とも思いませんが、というか、きっと私が遅くて邪魔だよねごめんなさいね、と思うだけですが、すぐ近くで追い越されたりすると、さすがにギョッとします。というわけで、まだ合計50kmを越えたくらいしか走っていませんけど、二輪とはいえ一応ペーパードライバーを卒業して、自分の移動手段を確保したわけです。あとは、とにかく事故を起こさないようにそれだけは気を付けます。
2022.06.05
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突然、でもないのですが、昨年11月頃、急に二輪の免許を取りたくなってしまいました。正直なところ、別にバイクに乗りたかったわけではなく、単に自分の移動手段が欲しいと思い立っただけなのですが、車の免許を取って以来36年、通算運転時間数は2~3時間(笑)今から車を運転しようと思ったら、ほとんど一から免許を取るくらいの練習が必要そうです。遠い昔免許を取った時を思い出すと、15時間前後オーバー、仮免試験2回落ちて3回目で通った、という、ひたすら悲惨な記憶しかありません。ただ、仮免試験は2回落ちたけど、卒検は1回で通ったような記憶があります。とにかく弱点は車両感覚がなくて、車庫入れみたいな課題が猛烈に苦手だったことが記憶にあります。仮免で路上に出ると、そういうややこしい課題が(今は知りませんが当時は)なかったので、卒検は1回で通ったのでしょう。もはや正確な記憶はありませんが。だいたい、車(四輪)は高価だし、維持費もかかるし、それに我が家は車庫がないので駐車場も借りなければなりません。家計を圧迫するから、車はやめよう。というわけで、消去法的に二輪にたどり着いたのです。それが、去年の11月。さっそくいくつかの教習所をあたったら、「今二輪の教習の受付は停止しています」という教習所がいくつも。どうやら、似たようなことを考える人は多いらしく、二輪の免許取得希望者がかなり多いらしいのです。ようやくたどり着いた某教習所。しかしなんと2か月待ちで、11月時点で「教習開始は来年1月です」と言われてしまいました。しかし、他に選択肢もないので、申し込んでしまいました。でかいバイクに乗れる自信などまったくなかったので、125cc以下の小型(便宜上MTと書いておきますが、教習はマニュアル車で受けるけれど、免許はマニュアルもオートマも乗れる)にしました。その間に、一応50ccのスクーターをレンタルして何回か走ったりしました。その1回目が、実は一番緊張しましたが。で、1月、ついに教習初日が・・・・・やって来なかったのです。濃厚接触者になった実は、コロナの濃厚接触者になって10日間(実質は8日間)の自宅待機の刑を宣告されたのが、初回教習の2日前でした。いや、正直なところ、そらっとぼけて教習を受けに行ってしまいたい誘惑にかられました。が、もちろんそんなわけにもいかず、泣く泣くキャンセル。教習の順番がいろいろ決まっているので、全部の教習をキャンセルして取り直し、ということになり、教習開始は2月になりました。1月教習開始の予定では2月に教習終了だったのですが、この時点で教習終了は4月の予定へ。でその教習初日に思い知ったのは、まず125ccの小型マニュアルバイクがなんとでかくて重いものか、ということ。何が小型だよ、でかいじゃないか、というのが第一印象です。でも一応50ccのスクーターは乗ったことがあったので、取り回し、つまりバイクを押して歩くことはさほど問題なくできました。しかし、スクーターではやらない動作、つまり「またがる」時点でバランスを崩してバイクを倒します。私は左足首を骨折した時以来、左足の踏ん張りが弱く(ずいぶん回復しましたけど)、左足での片足立ちは不得手なのです。しかし、バイクは左側から左足を軸にして右足でまたいで乗るものです。少なくとも教習所では右側から乗ったら落第です。この時点で結構へこみました。ただ、これはいろんな動画を見て勉強して、なんとか2回目からは克服しました。しかし、次はエンストエンストエンスト、エンスト地獄。これで1時間オーバーが確定しました。かなり凹みながらも教習は続き、S字カーブ、8の字、クランク、坂道発進はさほど困難なく通過しました。不思議なことに、平地ではあれだけエンストを繰り返したのに、坂道発進ではエンストは、最初に1回くらいあっただけで、ほとんどエンストしなかったのです。しかし、坂道発進の次、1本橋でまた試練。落ちる落ちる、何回やっても1本橋から落ちるのです。これで更に1時間オーバーが決まりました。そしてついに、やらかしてしまいました。1本橋から落ちた拍子にバイクが転倒。小指を突き指、手首を捻挫、ズボンの左ひざに穴あけ(プロテクターをしているので膝にけがはありませんでしたが)。その転倒の後、いったんは克服していたはずのエンスト地獄が再発、何十回もエンストを繰り返す羽目に。後から考えれば、それは捻挫と突き指のせいでクラッチを握る握力がなくなり、マトモに操作できなくなっていただけなのですが、とにかくこれで完全に自信喪失しました。二輪免許取得をやめちゃおうかとも思ったのですが、ここまで時間とお金を投じて無駄にするのもさすがにシャクで、小型MTから小型AT限定に車種変更で切り抜けることにしました。オートマならクラッチでつまづくことがないから、多少は難易度が低いだろうと思ったのです。元々免許はMTで取っても、乗るのはオートマ(AT)、というか正直に言うとカブ系に乗りたい(カブ系列はマニュアル車ですが、クラッチがないため免許はオートマ限定で可)と思っていたので、最初に申し込むとき、AT限定かMTか少し迷ってはいたのです。で、この車種変更によって、教習機関はさらに伸びて、終了は最短5月へ。AT限定にかわったのでエンストはなくなりましたが一本橋の鬼門は変わらず(S字やクランクは、さほど苦にはなりませんでした)第1段階見極めでも何回か落ちたのですが、通過できたことも何回かあって、お情けなのかどうかは分かりませんが、かろうじて第2段階に進みました。しかし、果たしてこれで小型ATでも免許は取れるのか・・・・・??まあ、取れたのは冒頭の写真のとおりですけど、最初に思っていたより記事が長くなってきたので、続きは次回に。
2022.06.04
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知床観光船の浸水事故 発見された10人全員の死亡を確認 海上保安庁関係者北海道の知床半島の沖合で観光船が浸水した事故で、これまでに10人の死亡が確認されている。海上保安庁の関係者によると、北海道の知床半島で26人が乗った観光船が浸水した事故で、これまでに発見された乗客とみられる10人全員の死亡が確認された。また、死亡が確認された10人は全員が大人で、男性が7人、女性が3人。うち5人は救命胴衣を着用した状態で発見されている。船はまだ見つかっておらず、深く沈んでしまったか沖合に流された可能性もある。(以下略)---当ブログでもその度に記事を書いていますが、私は北海道が好きで、数年ごと、年によっては毎年、北海道に行っています。知床には3回行っています。2007年、08年、21年です。最初の2回は家族旅行、昨年は私一人でした。幸か不幸か、遊覧船に乗ったことはありません。ただ、今回事故を起こした遊覧船の営業所の写真を見たら、昨年知床に行った際に、その前を何回か通っていることに気が付きました。大勢のお客さんでごった返していたことがおぼろげな記憶にあります。人気があるんだな、と思いました。船の写真は撮っていないと思っていたのですが、昨年の知床の写真を改めて調べ直したところ、オロンコ岩から港を写した写真に、偶然写っていることに気が付きました。こちらの中央手前です。船名は確認できませんが、船首の手すり、上部構造物や窓ガラスの配置(船首側の客席が一番低く、船尾側の客席が高い、その境界線付近に一番高い操舵室がある)、アンテナ位置などから、まず間違いないものと思います。時期的に言っても、これは去年7月23日の撮影なのですが、4連休の2日目、かき入れ時のはずなのに陸揚げされています。6月に座礁事故を起こしていたと報じられていることから、この時修理か点検中だったとすれば、つじつまはあいます。この運航会社にはもう1隻、KAZ IIIという遊覧船があるので、この時はそちらの船だけで営業していたのでしょう。(2隻は船の形状は異なります。)その他には・・・・・別の遊覧船「オーロラ号」が写っています。現時点で10人の遺体が発見され、残り全員も生存は絶望という大惨事となっています。私は最初、救命ボートは搭載しているのだろうと思っていたのですが、あの規模の小型船舶には救命ボートの搭載義務はなく、積んでいなかったようです。救命胴衣(ライフジャケット)は着ていたようですが、今の北海道はまだ、東京の真冬に等しい気温で、水温も5度以下と報じられています。救命胴衣は体が沈まない効果はありますが、そんな水温の海に浸かっていたら、溺死しなくてもあっという間に凍死してしまいます。とうてい助からないでしょう。もちろん、救命ボートを搭載したとしても、当然伸縮式のゴムボートということになるでしょうから、荒れた中暗礁が多いという海域で無事に海岸にたどり着ける可能性は低いかもしれませんが、救命胴衣だけよりは、まだしもマシではあったでしょう。せめて一人でも生存者がいれば、沈没原因やそこに至る過程が判明した可能性がありますが、全員が亡くなったことで、その解明はかなり困難となりそうです。事故時の写真や動画が残っていれば解明の手掛かりになる可能性がありますが、メモリが海水に浸かっているのでは、それも絶望的でしょう。それにしても、事故当日、出港していく当該遊覧船を監視カメラか何かが捉えた写真が報じられています(上記3枚目の写真の右枠外から左方向に向けて撮影されているようです)がウトロの港内はともかく、堤防道の外側の外洋(写真上部)には、粗い写真でもそれとわかる白波が立っています。船の大きさとの対比でみると、かなり波が高い。他の漁船などもみな出航を見合わせるか、出港しても早々に帰港したと報じられています。そんな中で、何で出て行っちゃったのかなあ。参考までに事故当日網走では午後2時過ぎが最大干潮時間帯となっています。(気象庁の潮位観測地点で知床にもっとも近いのが網走)当然潮位が低い方が座礁の可能性は高くはなるでしょう。ただ、それが本質的な原因とは思えませんが前述のとおり、この運航会社は昨年6月にも座礁事故を起こしており、その前にも同様の事故があったとも報じられています。安全管理に問題があったことは否定しようがありません。しかも、この運航会社は有限会社ですから、会社規模はかなり小さそうです。被害者に補償できるような資産があるとは思えませんし、当然この先は運航再開など考えられず、経営破綻するであろうことは目に見えていますから、補償は保険金だけが頼り、ということになりそうです。なんというか、事後処理も含めて、あらゆる意味で悲惨極まりない事態と言わざるを得ないでしょう。余談ですが、私以外の人にはどうでも良い話ですが、運航会社のホームページを見たら、私が過去3回ウトロに行った際に宿泊した宿と、羅臼岳の登山口である岩尾別にある唯一のホテル(こちらは宿泊したことはありません)が、この運航会社の系列企業のようです。ウトロのその宿は、家族で4泊、一人で1泊も泊ってます。良い宿なのですが(ただし、家族で泊った当時と昨年では経営母体が変わっているので、以前から遊覧船運航会社のグループ企業だったかどうかは不明です)、こちらも経営を継続することが困難になる可能性がありそうです。そのことを残念というには、あまりにこの事故の規模は大きすぎますが。ともかく、亡くなった方々のご冥福をお祈りします。
2022.04.24
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オール2階建て新幹線 E4系「Max」がラストラン グッズ完売「Max」の愛称で親しまれてきた全車両2階建て新幹線のE4系が1日、ラストランを迎えた。午後8時21分、東京行き「Maxとき 348号」がJR新潟駅を出発。車内は満席となり、ホームには最後の雄姿を目に焼き付けようと鉄道ファンらが詰めかけた。「ありがとう」「お疲れさま」――。新幹線11番ホームからゆっくりと車体が動き出すと、多くの声がMaxにかけられた。感極まって号泣する人の姿も。群馬県高崎市から来た会社員は「電車好きにさせてくれたのが『Max』だった。これで最後だと思うと寂しい」と名残惜しそうに話した。E4系は1997年にデビュー。国内唯一の「オール2階建て」新幹線で16両編成時の定員数1634人は高速鉄道として世界最大を誇る。大量旅客輸送を体現した花形車両だが、時代の変化や老朽化で引退を迫られた。この日は、新潟駅直結のビルでラストランの記念イベントも開催された。JR東日本新潟支社によると、オープン前から最大約200人の行列ができ、記念駅弁や鉄道関連グッズは即座に完売した。(以下略)---そうだったのか!!むかしは鉄分がかなり高目だった私ですが、最近は鉄道事情に疎く、MAX引退という話もどこかで目にしたような気はするものの、「いつ」というのは全然知りませんでした。なので、この時も、「あれっ引退ってどこかで見た記憶があるんだけど、記憶違いだったかなー」としか思いませんでした。谷川岳の記事で公開済の写真ですが・・・・・・。9月25日、雨の谷川岳登山からの帰路です。これが引退の6日前だったんですね。そうと知っていれば、もうちょっと真面目に撮影したんですけどね。それでも撮影しただけマシですけど。新幹線の写真はいつも必ず撮るわけではないので、このとき撮影したのは、やっぱり「てっきりもう引退したと思ってい珍しい列車が来た」という意識が多少あったからではあります。一眼レフをザックの中に片づけておらず、首から下げていたので、近づいてきた車両が二階建てと気づいたら、すぐカメラを構えられた、ということもあります。最終日はファンが詰めかけたそうですが、この時はガラガラでしたよ。と言っても、2階席はそこそこに人がおり、3人掛け、2人掛けのシートで一人も座っていない席はそんなにはない、というくらいの状態でした。そんなにはないけれど、多少はあったので、3人掛けのシートに一人で座って帰ってきましたけど(自由席)。1階席は本当にガラガラでした。ちなみに、車内で撮った写真は、こんなしょーもないものだけでした。ビールとアイス。好きなものを並べたらこうなった(笑)
2021.10.06
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共産・山添議員が書類送検 鉄道写真撮影で線路横断共産党の山添拓参院議員は18日、埼玉県警から16日に軽犯罪法違反容疑で書類送検されたと自身のツイッターに投稿した。昨年11月3日、休日を利用して埼玉県長瀞町に鉄道写真を撮影に行った際、横断が禁止されている秩父鉄道の線路を渡ったという。書類送検までの経緯は明らかにしていない。山添氏は「列車が接近していない時間帯に、通行可能な道であるとの認識の下、1秒程度で渡った。軽率な行為だったと反省している」と説明している。---鉄道の写真撮影を趣味とする、いわゆる「撮り鉄」のマナーに関しては批判が多々あり、この記事だけを読むと酷いマナー違反をやったかのように見えてしまいますが、「通行可能な道であるとの認識」というところがミソです。実は、俗に「勝手踏切」と呼ばれる、地域住民が勝手に設置した私製踏切が、全国のローカル線には多数あります。元々地元の生活道路だったところに後から鉄道がとおって分断されたり、色々な経緯はあるようですが、そこを横断しないと地元の生活上多大な不便があり、実質的には鉄道会社も黙認状態の状態です。家の前が線路、住民たちの「勝手踏切」が招く危険ここに紹介されている例は江ノ電ですが、家の玄関前が線路、などという例すらあります。これなど、勝手踏切を渡らなければ家に出入りすることすらできません(写真の例は、明治時代に、線路を引いても自由に往来してよい、という条件で、住民が玄関前の土地を鉄道用地に提供したもののようです)。問題の秩父鉄道も勝手踏切が数多くあるとのことです。引用記事に説明がありますが、踏切には、遮断機や警報機のある第1種~第3種踏切と、遮断機も警報器もない第4種踏切があります。一方で「勝手踏切」も道が道路を横切っており、山添議員が渡った場所も渡し板が置いてあったそうですから、第4種踏切か勝手踏切か、判別は難しいと言わざるを得ないでしょう。地元の人や鉄道職員ですら第四種踏切が勝手踏切か区別できないものもある(父祖の代から続いている踏切だったら、住民だってもはや正確なところは分からないでしょう)というので、部外者に判別がつくわけがありません。山添議員は弁護士だったそうですが、弁護士の資格があればどれが第4種踏切でどれが勝手踏切か判別できる、というものではありません。ただ、山添議員自身は、今回の件について、書類送検を不当とは言っておらず、「軽率な行為だったと反省しています。」「今後、二度とこのようなことのないようにいたします。」と言っています。なので、あまり声高に不当書類送検だ、と言っても仕方がないですが、1年も経ってから書類送検するような事案とは、とうてい思えません。いずれにしても、スピード違反、駐車違反などの交通違反と同程度の話と思わざるを得ません。誉められたらことではない、というだけのことです。恐らく、さすがに不起訴ではないかと思います。
2021.09.22
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前回記事の続きです。前回は、スペースコロニーとはどのようなものかという説明と、経済面で建設する意味(そもそも人類が宇宙空間に定住する必要性も)があるのか、という点を検討しました。どうも、私にはそのような意味、必要性が想像できませんでした。必要性が多少あるとしても、大国の国家予算すらはるかに超えるであろう建設費用に見合うようなものとは、とても思えません。では、経済的な側面は度外視して、また土と窒素の調達も地球外で可能となれば、技術的側面だけならスペースコロニーは建設可能なのでしょうか?多分、それも難しかろうと思います。前回も書きましたが、理屈の上ではスペースコロニーの仕組みは単純明快です。しかし現実にその中に何百万人の人が住む(それも一時滞在ではなく永住)、そのための費用も天文学的ですから、「失敗して壊れちゃいました」「住み始めてみたら、人が住める環境じゃなかった」は絶対に許されません。宇宙空間は危険がいっぱいです。まず地球の大気と磁場に守られている地球上に比べて、はるかに強力な放射線を浴びます。しかも、コロニーの外側は真空です。放り出されたら即死です。さらに、宇宙空間には膨大な量のスペースデブリが飛び回っています。空気抵抗がないから速度が減衰することはありません。軌道が異なれば、相対速度では鉄砲の弾よりはるかに速いスピードで飛んできます。そんなものが、巨大なスペースコロニーには頻繁にぶつかってくるはずです。貫通したら破滅です。江戸時代の船乗りは、板子一枚下は地獄と言いましたが、スペースコロニーはそこに住む全員にとって、外壁(あるいは採光窓)一枚下は地獄なのです。放射線は、分厚い外壁とその上に被せられるであろう土、採光窓側は直径6.4kmの分厚い大気の層によって地球上と同様に減衰するとされます。ただ、2つの点に疑念が残ります。第1に、地球はこれだけ分厚い大気があっても、それだけで放射線を防いでいるわけではありません。強力な磁場とオゾン層の存在も大きいのです。地球磁場の外側に位置し、大気内にオゾン層を欠くスペースコロニーでどれだけ放射線が防げるのかはよく分かりません。第2に、採光窓から入ってくる放射線は、円筒の反対側の地面だけに届くのではないでしょう。採光窓に隣接する陸地には、大気によって減衰する前の放射線が相当降り注ぐのではないかと思います。「ガンダム」の世界では、コロニー内外での戦闘でコロニーの外壁に穴が開くシーンが何回か描かれますが、空気の流出は次第に収まることになっています。その理由は、がれき等によって破れた部分が塞がれるから、ですが(実際には、そこで一気に真空になったら物語が続かないから、というのは措いて)、現実にはそれは無理であることは明らかです。直径10cmや20cmの穴なら、がれきで塞がって空気の流出が止まることは(一時的には)あり得なくはないでしょうが、メートル単位の大きさの穴では到底無理でしょう。そもそも膨らませた風船に針で穴をあけたら、一瞬で破裂します。風船にセロテープを貼って(つまり外壁の強度を上げて)その上から針で穴を開ければ、一瞬で破裂はしませんが、やっぱり、空気の流出は、風船が完全にしぼみ切るまで止まりません。気圧差による空気の流出は、すさまじい破壊力を持っています。かつて日航機123便事故では、後部隔壁が破れたことで機内から漏れ出した空気が垂直尾翼を内側から破壊しました。頑丈に見えるB747の垂直尾翼をあっという間に吹っ飛ばすほどの力があるのです。もちろん、途中で「がれきに塞がれて」空気の流出が止まることはありませんでした。123便事故が起きたのは高度約7300mで、約0.4気圧です。飛行機の機内気圧は約0.8気圧なので、内外気圧差は0.4気圧に過ぎません。それでもその破壊力です。前回書いたように、スペースコロニー内の気圧はおそらく0.6気圧くらいと想像しますが、それでも気圧差は123便事故の5割増しです。すさまじい圧力でしょう。穴をがれきが塞ぐこと自体はあるかもしれませんが、がれきは隙間だらけなので、空気は抜けてしまいます。しかも、がれきの強度は低いので、小さな穴でない限り、結局そのがれき自体が破壊されて外に吸い出される可能性は高いでょう。そんなこんなで、スペースコロニーは、外壁に穴が貫通してしまったらおしまい、と考えざるを得ません。したがって、前回も触れましたが、実際にもしスペースコロニーが建設されるとしたら、その外壁は単層構造のはずがありません。外壁一枚下は地獄と書きましたが、文字どおり壁一枚向こうが真空の宇宙では、人が一生の住処とするにはあまりに危険すぎますし、壁の補修、一部貼り替えなどメンテナンスの都合からも、二重壁が最低限ラインで、実際には三層構造以上になるでしょう。外壁の強度に少しでも余裕を持たせるためには、何度か指摘しているように、大気圧を地上と同じ1気圧ではなく、少し気圧を下げるはずです。高度2500m相当の約0.75気圧なら、呼吸器系の疾患がない限り、生涯そこに住んでも不自由は感じないでしょう。さらに、酸素濃度を地球大気の20%から25%に上げれば、0.6気圧程度に落としても、地球の0.75気圧相当程度の酸素分圧が確保できるので、その方がさらに余裕が生じるはずです。加えて、重力(遠心力による擬似重力)も、地球より若干低くする方が、構造材の強度が保ちやすいでしょう。ただし、気圧と違って大きく下げると地球上と日常生活の勝手が相当違い、相互の行き来が難しくなるので、せいぜい0.9G程度まででしょうが。これによって、スペースコロニーの内外気圧差は、高度1万2千メートル(約0.2気圧)を飛行する旅客機(機内約0.8気圧)くらいにはなります。ただ、凄まじい内圧を押さえ込んでいる状態に変わりません。形あるものはすべていつかは壊れます。強力な圧力を受け続け、または鉄砲の弾より高速なスペースデブリにぶつかり続けていればて、それは絶対確実です。前回触れたように、地球上の原料からしか作れない炭素繊維を大量にに使うことはできません(ごく限られた部分に使うことはあるでしょうが)。月面で調達できる資源となれば、基本的には金属です。強い圧力を受け続ければ金属疲労が起こるし、錆びもします。様々な合金によって錆びにくい材質には開発されていますが、金属であれば、絶対に錆びないというわけには行きません。湿度ゼロ酸素ゼロなら別ですが、スペースコロニーの「地表」には、酸素があり土があり、水もあるんですから。そして、炭素繊維も劣化します。紫外線を浴びると劣化が早まるので、その点でも炭素繊維を、外壁として紫外線を含む放射線がつよい宇宙空間に晒すことには問題がありそうです。スペースコロニーは、何十年程度なら問題なく保つでしょうが、そこを人類の第二の故郷にするということは、少なくとも数世代にわたり、数百年はそこに住み続けるということです。またそうでなくては巨額の建設費の意味がありません。となれば、金属疲労や腐食、炭素繊維の経年劣化は不可避です。建設から数十年後以降は、年がら年中、外壁や採光窓の貼り替え工事となるでしょう。壁が一枚では、宇宙空間でそれを切り取って取り替えることができないので、その面でも二重構造以上が絶対必須です。スペースコロニーは建設費も莫大ですが、完成したら終わりではありません。維持費も猛烈にかかりそうです。さらに、内部の環境を本当に人類が快適に生活できる状態に、何百年間も保ち続けることができるのか、ここもまた問題がありそうです。スペースコロニーでは、円筒を回転させる遠心力をしますが、それで人間やそのほかの動植物の健康状態に影響はないのでしょうか。直径何キロもあるような巨大な円筒内であれば、「グルグル回っている」と体感することはなく、中の人の目が回ることはないとされています。ただ、その状態で実際に何年も生活した人はいません。いかに巨大な円筒でも、採光窓の外の宇宙には、星々や地球や月がぐるぐる回っています。直径6.4kmだと、1Gの重力を発生させるには2分弱で1回転が必要なようですが、そんな速度で窓の外の星々が常時回転し続けているのを見たら、酔って体調を崩す人が一定の割合で出てこないのかなあ・・・・・。それ以外の環境はどうでしょうか。スペースコロニーの内部には、土を盛り動植物を放ち、人口の生態系を作るということになっています。ただ、地球の生態系は地球の環境に完全に適応した形で発展しているので、そこから完全に切り離して別の生態系を人間が作って維持するのは、そうそう簡単なことではありません。1990年代に米国で、バイオスフィア2という実験が行われたことがあります。アリゾナの砂漠の中に、下界とは隔離した巨大な温室を建設し、その中に世界各地から動植物を持ち込んで、海や湿地、熱帯雨林、サバンナなど様々な環境を作り、8人の科学者が内部で完全自給自足で生活する、という実験です。結果は大失敗でした。温室なので温度の上昇は防ぎようがなく、冷却と照明は最初から外部電源に頼っていたそうですが、大気と食糧は完全閉鎖式で維持する目論見だったものの、そうはいかなかったのです。微生物の働きによって想定より酸素不足に陥ってしまったのです。生物の呼吸によって酸素が減ればその分二酸化炭素が増えるので、植物の光合成が活発化して酸素が盛んに供給される、と見込んでいたのですが、実際には建物のコンクリートが二酸化炭素を吸収してしまったため、酸素は減っても二酸化炭素は増えず、したがって光合成も活発化せずに酸素は常に不足のままでした。温室内は地球環境を再現したはずですが、日照不足(ガラス越しの日光)、大気循環の不足(風がない)など、本当の地球とは似て非なる環境であるため、多くの植物が枯死し、食糧となるはずだった作物も充分に育たない、など食糧事情も極めて悲惨なものになりました。この実験は、スペースコロニーまで見通していたかどうかは知りませんが、月や火星に有人基地を設けた際、そこで長期自給自足生活を送ることが可能かどうかを探る目的があったようです。しかし、同じ地球上でさえ、隔離した環境下で外界と同じ生態系を維持することはきわめて困難、という貴重な教訓が得られただけに終わりました。スペースコロニーにおいても、この実験と同様に、内部に地表と同様の生態系を維持することは、相当困難でしょう。まず、バイオスフィア2と同様に、酸素不足が起こるはずです。先に外壁の腐食について書きましたが、腐食(錆び)とは、金属が酸化することです。したがって、空気中の酸素が、その分だけ減ります。それも、外壁だけでは済まないでしょう。地球の歴史をひもとけば、かなり古い時代から光合成を行う生物は存在しました。しかし、地球の大気に酸素が大量に含まれるようになったのは、光合成が始まってから数億年か十数億年後のことです。何故なら、酸素は反応性に富んでおり、つまりすぐに他の物質と結びついて(酸化させて)しまうからです。大気中に酸素が放出されても、それはすぐに地上の様々なものと結びついて酸化させるので、大気中には残らない。更に、海水にも酸素が溶け込む。そうして地表のあらゆる場所が酸化して、「もう酸素おなかいっぱい」になって初めて、大気中の酸素濃度が上昇しました。コロニー内の土や水が、もし地球から持ち込まれたものなら、すでに十分に酸化、あるいは酸素が溶け込んだものなので、特に問題はないでしょう。しかし、月から持ち込んだ水や岩は、元々酸素がないので、「待ってました」とばかりどんどん酸素を吸収するはずです。それ以外の、コロニー内に存在するありとあらゆる「酸化し(錆び)ていないもの」も同様です。そのため、大気中の酸素はどんどん減っていきます。だから、いったんコロニー内に大気を満たした後も、繰り返し酸素を補填しなければなりません。どのくらいの期間それが続くのかは分かりませんけれど。スペースコロニーの内壁の面積は、前回書いたように円筒部が約638平方キロですが、その半分が採光窓なので、実際の「地面」の面積は約319平方キロです。「蓋」部分は約128平方ありますが、急斜面だし上部はどんどん重力が軽くなるので、ごく一部を除いて人の定住には適しません。319平方キロそこそこに人口数百万人、暫定的に319万人とすると、人口密度は1平方キロ当たり1万人です。東京23区の人口密度は1平方キロ当たり1万5千人ですから、それよりは低いですが、市町村部を含む東京都全体の人口密度は1平方キロ当たり6000人余なので、それよりは高い。この人口密度は、地球環境の中の一部としての東京23区だから成り立つのであって、完全な閉鎖空間で人口密度1平方キロ当たり1万人では、自然環境はその負荷に耐えられません。しかも、これは「陸地」がすべて本当に陸地だった場合の話です。言うまでもなく、地球の生命の源は海です。地球の表面積の7割は海であり、また植物の光合成にも水の存在は不可欠です。コロニー内壁面積の一定部分は水面にしないと、内部の環境は維持できないでしょう。地球のように7割といいたいところですが、それでは何のためのコロニーか分かりません。実際のところ水面を何割にすれば内部の環境が保てるのかは想像が付きませんが、最低限3割から5割は必要じゃないかな。仮に3分の1程度に済ますとしても、陸地は3分の2になるので、人口密度は1平方キロ当たり1万5千人に上がります。塩害が生じるので、スペースコロニーに海水を入れることはまず不可能でしょう。内部が完全に平坦な「地面」の場合、コロニー全体の土壌に海水が浸透して、土がみんな塩漬けになってしまいます。なので実際には淡水で諦めるしかないでしょうが、それにしても平坦なコロニー内壁では、いくら湖を作っても、水はどんどん「陸地」の土壌中に流出してしまいます。淡水なら塩漬けではないにしても、コロニー全体が沼地状態になりかねません。だから、これまでスペースコロニーの「本命」視してきた「島3号」の形状を「円筒形」と表現してきましたが、実際には完全な円筒形では内部の一定位置に水面をもうけて環境を保つことは難しいでしょう。正確には「円錐台形」つまり内部に高低差がないと無理だと思われます。わずかな高低差でも、水は低きに流れるので、せいぜい数十メートル程度の高低差があれば充分ですが、とにかく高低差は必要です。その点、球形の島1号やドーナツ形の島2号の形状なら、内部に高低差があるので問題なさそうです。真ん中に水辺があって、その両側に陸地が広がることになります。なお、スペースコロニーの「本土」の陸地以外に、付録のような土地もあります。スペースコロニー想像図には、コロニー本体の外側に、首飾りのような輪っかと豆みたいなものが描かれています。これ一つ一つが、主に農業生産を目的とする小スペースコロニーです。ざっくりと、スペースコロニー本体の3倍の直径の輪に、直径1km、奥行き1.5kmの小コロニーが五十数個連なっていると仮定すると、その内部陸地の総面積は250平方キロ前後になります。おざっばな計算で、人口一人当たり農地面積は66平米になります。現在日本の人口一人あたり農地面積は35平米なので、その2倍近くにはなりますが、日本の食料自給率から考えると、この面積でコロニー内食料完全自給は難しいかもしれません。もっとも、太陽光線は取り込み放題、人の居住環境は無視して農業生産だけを考えればいいので、夜なし冬なしで地球の農地より高い生産性で農業生産ができるかもしれませんが。また、面積計算は上記の想像図からのおおざっぱな計算ですが、「首輪」の直径をもっと大きくしてしまえば、いくらでも豆コロニーのサイズアップまたは数を増やすことができる話ではあります。ただ、ここも水辺なし農地のみ(いっそのこと全部水耕栽培で土壌なし?)でまともに農産物が育つ環境が維持できるのかは謎です。※なお、この「首輪」部分の重量は前回の計算の中には入っていません。したがって、スペースコロニー建設に要する資材の量は、前回の粗計算よりもっと多い、ということになります。結局、コロニー内部の自然環境は実は見せかけだけのもので、温度と湿度は巨大な空調システムで人工的に行い、二酸化炭素の吸収と酸素の供給も、植物の光合成ではなく人工光合成装置装置で行う、ということになるのではないかという気がします。そうでなければ、この程度のサイズの閉鎖空間で自然の力だけで人間の生存に適した環境を維持するのは困難です。
2021.03.14
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ジェフ・ベゾス氏のスペースコロニー計画、ベースは70年代に発表の円筒コロニー航空宇宙企業Blue Originの創業者であるBezos氏は2019年5月にワシントンDCで開催されたイベントで、人類の生活圏を地球外に拡大する計画を発表した。「私たちが太陽系に出て行けば、人類は太陽系に1兆の人口を抱えることが可能になる。それは1000人ものモーツァルトや1000人ものアインシュタインを擁することを意味する」「これは驚異的な文明になるだろう」と同氏は述べた。では飛躍的に増加した人口はどこに住むことになるのだろうか。その問いに答えるべく、Bezos氏は1970年代のSFのプレイブックを手本にして、宇宙の暗い深淵に漂う高度な居住地を建設する計画を発表した。米CNETのオンライン番組「WATCH THIS SPACE」のエピソードでは、Bezos氏の宇宙移住構想を取り上げている。そしてこれは必ずしも新たな領域というわけではないことが明らかになった。(以下略)---2年近く前の記事ですが、ジェフ・ベゾス氏がスペースコロニー計画をぶち上げたそうです。「機動戦士ガンダム」の舞台にもなったスペースコロニー、実現したらすごいことです。もちろん、仮に実現したとしても、それはあと最低100年以上はかかるでしょうが。ただ、検討してみた結果、現実には100年経とうが200年経とうが、スペースコロニーの実現は、ちょっと困難だなあ(というか、不可能)というのが結論です。物理学的な意味での理論上は、スペースコロニーは実現不可能な技術ではありません。タイムマシンとか超光速宇宙飛行(ワープとかデスドライブとか亜空間航法とか作品ごとにいろいろな名前)のような、「あり得ない技術」「サイエンスの名をまとった非科学的空想」の類ではありません。ただし、これまで当ブログで、様々な夢の技術に関して何度も指摘したように、「理論上可能」「技術的には可能」ということと、実際に実用化できるかどうかは、まったく別問題、ということになります。まず、スペースコロニー、つまり宇宙に人を大規模に定住させる構造物とは、具体的にどのようなものでしょうか。1960年代末から70年代に提唱されたスペースコロニー案は、主に3つあります。「島1号」「島2号」「島3号」形状は様々ですが、基本的な構造は、密閉した球形、環形または円筒形の構造物を回転させて、その内側を人口の地表とする、構造物を回転させることによって遠心力を発生させてそれを疑似的な重力とする、内壁の一部を採光窓として、外側に鏡を設置して、太陽光を取り入れる(鏡の角度を変えることによって、朝昼晩夜を作ることができる)というものです。このうち、「ガンダム」などに登場して一番有名なのは最後の島3号です。ちなみに、想定されているサイズは様々ですが、基本的に「島1号」が最も小型で、「島3号」がもっとも大型です。「島3号」の大きさは、直径6.4km、長さ32kmほどと想定されています。では、このスペースコロニーをどこに設置するか。間違ってコロニーが明後日の方向に飛んで行ってしまったり、ましてや地球上に落っこちてきたら大惨事ですから(戦争でコロニーを落下させる作戦が「ガンダム」の中に描かれていますが)、絶対ににそういうことが起こらない、しかし地球からはるか遠方ではない宙域である必要があります。候補は、「ラグランジュ点」です。これは、地球と月の引力が釣り合う位置で、ここにスペースコロニーを設置すれば、そういう危険性が少ないとされます。具体的には地球と月の間にL1、L1と同じ軌道上の月の裏側にL2、月と同じ軌道上で地球から見て月の正反対の位置にL3、地球と月を頂点とする正三角形のもう一つの頂点にL4とL5(月の進行方向の前側と後ろ側に正三角形が作れる)の5か所です。当然、太陽と地球の間にもラグランジュ点はあるのですが、地球から遠すぎるので候補とは言われません。ただし、実際には、L1からL3までは力学的に不安定、L4とL5は力学的に安定とされます。これは、例えれば山の頂上と谷底のようなものです。山の中腹はそもそも物を置いたら即座に転がって行ってしまいますが、山のてっぺんは斜面ではないので、そこに置いたものは転がっては行きません。しかし、もし何かの拍子に山頂から転がり出たら、そのまま斜面を真っ逆さまです。それに対して谷底は、もし何かの拍子に物体が底を飛び出しても、また谷底に戻ってきます。L1からL3までは山頂と同じで、その位置から物体が外れてしまった場合、更に外れていく方向に力が働きますが、L4とL5は谷底と同様、その位置から外れても元に戻る方向に力が働きます。だから、ラグランジュ点は5か所あるものの、建設した物体がその位置から外れた場合を考えると、実際にスペースコロニーを建設する位置としてはL1からL3はリスクが大きくて不適であり、L4とL5しかない、ということになります。地球連邦の敵、サイド3(L2)も、主人公アムロが住み、ガンダムが開発されたサイド7(L3)も、スペースコロニーを建設するには不適な位置です。で、このような超巨大構造物を、地球から材料を打ち上げて建設することは困難です。建設資材そのものよりも、それを宇宙空間に打ち上げるエネルギーの方がはるかに膨大だからです。スペースコロニーの質量を検索したところ、もっとも有名な(もっとも大型でもある)「島3号」の場合、3000万トンという数値が引っかかってきます。前述のとおり、「島3号」の大きさは直径6.4km、長さ32km、便宜上、円筒部が32km、その両側に半球型の「蓋」がついているとすると、内壁の表面積は円筒部が638平方キロ(半分が陸、半分が採光窓)、蓋が128平方キロ、合計766平方キロです。総質量3000万トン説だと、外壁1平米当た重量が40kg足らずです。外壁の材質を炭素繊維とすれば、厚さ2cmあまり、チタン製なら1cm足らず(でも、網の目のように、金属製の構造材を入れる必要があるだろうから、実際はもっと薄い)です。この巨大な構造物と与圧をそんな厚みで支えられるのか、どうも感覚的には「ウソだろ」と思ってしまいます。ただし、現代の旅客機(内部の与圧は0.8気圧程度で高度1万2千m、0.2気圧を飛行可能)でも胴体の厚みは2mm程度だというので、計算上は不可能ではないのかもしれません。自分では計算できないので検証できませんけど。しかし、大事な点を見落としてはいけません。第一に、採光窓はもっと重くなります。アクリルだとすると比重は炭素繊維より軽いですが強度も劣るので、もっと重くなります。細かい計算は面倒なので省きますが。第二に安全性を考えれば外壁は構造計算上の「最低限」のラインにするわけにはいかないということです。次回後述しますが、壁は単層構造というわけにはいきません。最低2重、できれば三重構造の必要があります。(採光窓は現用の旅客機の窓も3重構造なので、3重または4重構造)。だから、実際は3000万トンの2倍か3倍、大雑把に1億トン近くになるのではないかと思います。が、実はこんなのは大した問題ではありません。第三に、そして最大の問題は、人が内部で生活するには「地面」と「大気」が必要ということです。詳細は後述しますが、大気圧は0.6気圧程度で済むでしょう(スペースコロニーでは高度が上がると重力も減るので、高度に寄る気圧の逓減率は地球ほどではないと思われます)。それでも、スペースコロニーの体積は約1150立方キロ、空気の重さは1立米あたり1気圧で1kg(0.6気圧なら0.6kg)なので、大気の重さは7億トン近くになります。更に、人が生活するのに、コロニー内の炭素繊維のむき出しの床の上というわけにはいきません。内部にある程度地球に似た自然環境を再現するには土壌と水の存在が不可欠です。何よりも、強力な放射線を防ぐには、炭素繊維製の数センチの壁だけでは不十分で、ある程度の厚みの「地面」が必要です。厚さ1.5メートルの土を、コロニー内の「陸地」約450平方キロの半分程度に敷き詰めると、土は1立米あたり1.8トンもあるので、合計6億トン。100平方キロ程度、同じ平均水深の池を作ると、水は1立米1トンなので1.5億トン。つまり、実はスペースコロニー本体の「殻」より、中の「空気」「土」「水」の方がはるかに重い(本当に本体重量3000万トンでスペースコロニーの強度が保てるなら、ですが)のです。他に樹木や作物の苗、種子、動植物、人間自身やその住む家や日用品等の重さも相当のものですが、計算が面倒なので省きます。スペースコロニー本体の「殻」「空気」「土」「水」だけで、15億トン近くに達します。これを全部地球上から資材を打ち上げたらどうなるでしょうか。現在日本のロケットHIIAは、静止軌道に最大6トンの衛星を投入するため、ロケット全体の重さは445トンです。ペイロードの75倍の重さのロケットが必要ということです。ラグランジュ点は衛星軌道より遠いのでペイロードはもっと少ないですが、もっと軽くて強力で何度も再利用可能なロケットが開発されれば、ロケットの重さも軽くなるでしょう。楽観的に、ペイロードの33倍の重さのロケットが必要と仮定すると、15億トンのスペースコロニー建設資材を運ぶためのロケットの総重量は500億トンとなります。その8割以上、つまり400億トン以上が燃料ということになります。しかし、地球上の石油の確認埋蔵量は、重さにすると百数十億トンですから、足りません(笑)実際には、スペースコロニーを建設するなら資材はロケットではなくマスドライバーか軌道エレベーターを使うでしょう(動力は電力)。しかし、仮にそれによってロケットの10分の1のエネルギー消費で資材を運び上げられたとしても、それでも現在の人類のエネルギー消費量を上回る電力(エネルギー)が、たった1基のスペースコロニーを建設するために必要になるでしょう。そのため、スペースコロニーを建設するとしたら、その材料のほとんどは月(重力は地球の1/6で、大気もないから、打ち上げに要するエネルギーはだいぶ少ない)か、適当な小惑星から調達する必要があります。スペースコロニーをいきなり建設することはできず、まずは月の資源開発から・・・・・って、実に迂遠なことです。しかも、当然ながらすべての材料を月や小惑星で調達することはできません。コロニーの構造材が鉄やチタンなどの金属であれば、おそらくたいていのものは月で採掘できます。しかし、もし炭素繊維であれば、その材料は化石燃料ですから地球以外では取れません。逆に言えば、スペースコロニーの原料に炭素繊維の類は使えない、ということになります。採光窓もアクリルは合成樹脂なので地球でしか調達できません。ガラスの原料は正確には調べが付きませんでしたが、おそらく月にもあるので、ガラス窓の採光窓なら作れるでしょう。したがって、月や小惑星から資材を調達して建設するなら、スペースコロニーの重さは前述の3000万トンでは済まない、ということです。水と、したがって酸素も月にあるようですが、窒素はあまりないようです。地球の大気の8割近くは窒素ですが、スペースコロニーでは75%を窒素とする※と、それだけで5億トン近く。そして、「砂」「石」なら月で手に入るでしょうが、土は月では入手できないでしょう。それも地球からとなったら、これまた6億トン。結局、しめて10億トンは地球から??・・・・・やっぱり無理じゃん。※スペースコロニーの大気組成は地球と完全に同じである必要はありません。必要強度などの問題から、内部の気圧は低いほど良のです。地球の標高2500m相当(0.75気圧)くらいあれば、たいていの人が困難もなく生活できるでしょう。さらに、大気中の酸素割合を25%くらいに上げてしまえば(実際の地球大気の酸素割合は20%)0.6気圧でも0.75気圧相当の酸素分圧を保てるので、スペースコロニーでもおそらくそうするでしょう。もっとも、窒素に関しては、火星と木星の間にある準惑星「セレス」にアンモニア化合物がありそうで、そこから窒素を抽出することは可能でしょう。地球から運ぶのと遥か遠方火星の先のセレスから運ぶののどちらが効率的かは分かりませんが。土は、月の砂や石(を砕いて砂にする)の上で植物を栽培して、気長に気長に土壌を形成させる手はあるかもしれません。相当の年月がかかりますが。ここまで見てみると、まず月あるいは小惑星で資源採掘を行い、それをラグランジュ点まで運ぶ(地球から運ぶよりははるかに手間がかからないとはいえ、ある程度のエネルギーは必要)膨大な手間と経費をかけて、宇宙空間に数百万人を住まわせる意味っていったい何だろう、ということを考えてしまいます。「コストパフォーマンス」という言葉がありますが、そもそも人を宇宙空間に定住させる「パフォーマンス」(利点、メリット、あるいは必要性)って何でしょうか?宇宙空間を(地球上にいる)人類の経済活動に利用すること自体は、大いに意味も必要性もあります。でも、それは無人の人工衛星を利用すれば、あるいはせいぜい一時的に宇宙空間に滞在する少人数の宇宙飛行士がいれば済むことであって、宇宙空間ら定住する必然性は見出しにくいように思います。しかも、ここまで見たように、完成までにはおそらく100年を優に超える期間が必要です。かつて、スペースコロニーが提唱された1970年代には、人口爆発への対策として人を宇宙に住まわせる、ということがある程度の真実味をもって語られました。「ガンダム」のなかで「人類が増え過ぎた人口を宇宙に移民するようになって~」というナレーションがあります。しかし、それからわずか40年、当時より世界の人口ははるかに増えてしまったものの、現在では人口爆発は発展途上国のその中でも一部の国に限られるようになり、日本も含めた先進国の多くや、更に中進国でも人口爆発は止まりつつあります。全世界規模で見れば人口爆発の問題はまだ終わってはいませんが、そのスピードは40年前に比べればかなり落ちています。しかも、現在でも人口増加が深刻なのは発展途上国に限られます。もしスペースコロニーを建設するとしたら、その技術と資金を投じるのはもっぱら先進諸国になるでしょう。しかし問題解消の対象は発展途上国、の中でも特に貧しい国々ということになります。その状況で先進国が積極的に資金を投じるでしょうか。それも、かかる費用が天文学的金額であることは明らかなのに。更に言えば、人口問題を解決するには、数十億人を住まわせる必要があります。1基あたり人口たか数百万人のスペースコロニーで人口問題を解決するなら、数百基の建設が必要ということになりますが、1基の建設だって天文学的な費用がかかるのに、それはあまりに非現実的です。そのうえ、1基の建設に100年以上かかるのでは、問題の解決には間に合いません。何故人が宇宙に定住する必要があるのか、の説明がつかないと、技術的に可能不可能以前に、経済的にスペースコロニーを建設する理由がない、という話で終わってしまいます。では、経済性を度外視すれば技術的にはスペースコロニー建設は可能か、と言われればそれも極めて怪しいと言わざるを得ません。第2回に続く
2021.03.13
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国産旅客機の開発凍結 三菱重、コロナで需要減 日の丸ジェット撤退の危機三菱重工業は30日、国産初の小型ジェット旅客機「スペースジェット」(旧MRJ)の開発を凍結すると発表した。開発が遅れていた上、新型コロナウイルスの流行で旅客需要が急減。世界的に航空業界が苦境に陥る中、当分の間は開発しても発注が見込めないと判断した。「日の丸ジェット」の実現は一段と遠のき、撤退の危機に直面している。三菱重工の泉沢清次社長は同日、2021~23年度の事業計画を発表し、スペースジェットの開発について「いったん立ち止まる」と表明した。運航に必要な国土交通省からの型式証明取得に向けた作業は続け、将来の再開に備える。ただ、今後3年間の開発費は19年度の6分の1の計約200億円に圧縮。新たな飛行試験も見合わせるため、型式証明取得は早くて24年度以降となり、量産と納入も先送りとなる。再開のめどについて泉沢氏は「需要の回復状況次第だ」と説明した。需要次第では撤退に追い込まれる可能性もある。---何だか、恐れていたことが現実になってしまいました。MRJ採算が取れるのかどうか、心配になってくる4年前、私はMRJ(スペースジェット)の採算が取れるかどうか心配していたわけですが、まさか採算云々以前に形式証明を取って営業飛行に就航することすらできないまま凍結に至るとは、この記事を書いた当時としては予想の斜め上を行く展開と言わざるを得ません。すでに初飛行から5年が経過しようとしている飛行機です。機体規模などからライバルと目されたカナダ・ボンバルディアのCRJ-100は、初飛行が1991年5月、翌年7月に形式証明を取って11月から就航しています。同じくブラジルのエンブラエルE-Jetシリーズの元祖ERJ-145も、初飛行の翌年からエアラインへの引き渡しが始まっています。そこから考えて、初飛行から5年経ってまだ形式証明が取れず、いつ取れるかも見当が付かず、納入延期が続いている飛行機なんて、もはや商用機としてまったく商品価値を失っているでしょう。記事には型式証明取得は早くて24年度以降とありますが、形式証明を取って量産を始めても、新たに購入しようという航空会社はまずないでしょう。それどころか、すでに得ていた発注(4年前に書いた記事の時点で確定発注が243機、オプション180機、購入権24機、合計447機で、それでも採算ラインには遠く及ばない状態でした)もどんどん取り消されているはずです。Wikipediaによれば今年2月、つまりまだ新型コロナの影響が本格化していなかった時点で、発注数は300機余りまで減っていたようです。新型コロナ騒動以前に、いつ納品されるか見当もつかない飛行機では、何の予定も立てられないですから。三菱は、「いったん立ち止まる」と言い、撤退とは言っていないですが、再開は難しいでしょう。再開してもいつ形式証明が取れるか分からず、赤字がどんどん膨れるだけですから。そもそも最初の計画では2011年初飛行と言っていたので、初飛行の時点ですでに最初の予定から4年遅れていました。それでも4年遅れで初飛行はできましたが、民間旅客機としては生命線のFAA(米連邦航空局)形式証明取得が、ここまで難関になるとは思いませんでした。いや、おそらく形式証明取得が難関なのではなく、そこに臨んだ三菱が著しくダメだった、ということなのでしょう。開発したけれどあまり売れなかった、というのはまだしも運の良しあしがという言い方もできるでしょう。でも、開発したけれど形式証明が取れなかった、というのではそれ以前の問題です。何が原因でそういう事態に陥ったのかは知りませんが、旅客機製造メーカーとしては決定的な能力不足、としか言いようがないでしょう。そんな能力不足のメーカーに期待して税金をつぎ込んでしまった政府の見識にも問題大ありです。
2020.10.30
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終電繰り上げ 「働き方変わる」と期待 「身勝手」と批判も JR東日本、21年春にJR東日本が来春のダイヤ改正で、東京駅から100km圏内にある在来線の終電を30分程度繰り上げる。その影響は大きく、仕事の残業や飲食店の営業時間、飲み会を終えるタイミングと幅広く及びそうだ。「身勝手な感じだ」。JR新橋駅近くの料理店のおかみは終電繰り上げの方針を耳にした時、率直にそう思ったという。店は1978年から40年以上、夫婦で切り盛りしてきたが新型コロナウイルスの感染拡大で状況は一変、客が1日1人という日も。客足は新型コロナ前より9割減った。こうした中、発表された終電の繰り上げ方針。JR東は、新型コロナの影響で午前0時台の山手線利用者が6割以上減るなど深夜帯の乗客が大きく減少する中、終電後に設備の保守・点検をする作業員の労務環境を改善するためだと理解を求める。終電が早まれば、飲食店には早く閉店するところもありそうだ。JRの利用者らはどうか。新橋、新宿、渋谷の各駅前で聞いてみた。金融会社役員の男性は「利用者が少ないのに電車を走らせるのは無駄だ。繰り上げには賛成」「飲みに行く人が多い金曜だけ終電を遅らせてもいいのでは」と提案する。会社員時代は週1回程度、飲み会で終電に乗っていたという主婦は「終電まで飲むのは昔のやり方。夫も今はそんな飲み方はしないし、時代が違う」。新型コロナの感染拡大前は仕事や遊びで終電を使っていたという男性会社員も「帰宅時間をむしろ終電に合わせていたところはある」と繰り上げに理解を示す。広告関係会社に勤める女性は「終電が早くなれば働き方や社会も変わるかも」と期待した。一方、士業をしている男性は「JRも商売。保守点検のためと言うが、もうからないから繰り上げるようにしか見えない」と指摘する。旅行会社事務員の女性は「終電を繰り上げて、密が発生しないか心配。郊外に住んでいるので、終電繰り上げは厳しい。JRの都合だけで決められるのは困る」と話した。---JR各社が次々と夜行列車を廃止していったとき、本当は終電も早くしたいのかも、と思ったことはありますが、実際そうだったみたいですね。もちろん新型コロナの影響はあるでしょうが、ある意味それは「最後の一押し」でしかないのでしょう。私は通勤にはJRを使っていないので直接的にはこのダイヤ改正の影響はありませんが、私鉄、地下鉄もやがてJRの動向に追随するところも出てくるでしょうから、そうなると私にも影響は出てきます。とはいえ、「新型コロナの影響で午前0時台の山手線利用者が6割以上減る」というのは驚きました。そこまで終電近くの乗客は減っていたのですね。かくいう私も、4月以降、外で飲んだのは数えるほどの回数(0ではないけれど)で、最近は仕事が忙しくて帰宅が遅いことはあっても飲み会で遅くなったことは一度もない、という状況です。仕事で遅いといっても、10時11時ということはないので、終電は全然乗っていません。電車の混雑度も、4~5月頃に比べると乗客は増えましたが、コロナ以前には戻っていない気がします。3年前の足のケガ以降、満員電車を避けるために始業時間の40分前には職場に着くようにしているので、コロナ以前もぎゅうぎゅう詰めの満員電車には乗っていなかったのですが。終電の繰り上げは残念なことです。いろいろな面で不便になることは間違いないでしょうから。長距離通勤の人にとっては死活問題というのも分かります。ただ、乗客の需要があってこその交通機関ですから、深夜の利用者が6割も減っているというのでは、終電の繰り上げも仕方がないのかな、という気がします。もちろん、保線の時間確保と作業員の労働環境改善も必要なことですし。日本中の至るところで衰退局面に入って、これまでの活動を維持できなくなりつつある、その一つの現れが終電の繰り上げということなのだと思います。少し前までは、首都圏の鉄道は終夜運転をすべき、という意見もあり、実際都バスの終夜運転の実験が行われたこともありました。しかし、あっという間にそれも今は昔になってしまいました。
2020.09.30
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ジャンボ機、22年に生産終了 ボーイング「747」、半世紀で米航空機大手ボーイングは29日、「ジャンボ」の愛称で親しまれた大型機「747」シリーズの生産を2022年に終了すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う生産計画の見直しの一環。1970年に就航し、大量輸送を担って海外旅行を身近にした立役者が、半世紀にわたる歴史に幕を下ろす。旅客需要全体が激減しており、声明で「市場の現実を反映して決めた」と述べた。燃費性能が劣るため、7月には英ブリティッシュ・エアウェイズやオーストラリアのカンタス航空が計画を前倒して退役させていた。ジェットエンジンを4基備え、機体前方2階建てが特徴だった。---ついにその日が来てしまいました。引用記事にあるように、B747の就航は1970年(初飛行は1969年)、今から50年前のことです。そのB747の後、4発機(エンジンを4つ搭載する機体)として開発されたのは、エアバスA340とA380、イリューシンIL-86と同IL-96だけです。加えて、3発機として、ロッキードL1011、ダグラスCD-10、その後継のマグダネル・ダグラスMD-11がありました。このうち3発機すべてとA340、IL-86はすでに生産終了しており、世界最大の旅客機A380も生産終了が決まっています。そして今回B747も生産終了が決まりました。一応、ロシアのIL-96は残っていますが、旅客機型の生産数は年間の1機あるかないか程度で、何しろロシアのかつてのフラッグキャリアであるアエロフロートですら中型機以上はほぼエアバスとボーイングしか使っていない状況です。つまり、B-747の生産終了をもって、実質的には4発機(それ以前に3発機も)は終焉を迎えることになるわけです。登場した当時、B747は既存のどの旅客機より経済性が優れていました。客室を満席にすれば、ですが。既存のどの旅客機より大きな機体なので、当時の旅客数から考えると輸送力過大だったわけですが、そのことが航空運賃の価格破壊をもたらしました。飛行機による移動(旅行)を一般化したのはB747の最大の功績だったと言えます。その後、B747より後発の新機種は、より優れた経済性を目標に開発されてきましたから、今ではB747は経済性の優れた飛行機ではなくなってしまいました。もっとも、現在でも燃費自体は、他の最新鋭の旅客機と比べてそう劣っているわけではありません。問題は、前述のとおり、「客席を満席にできれば」という条件がついて回ることです。それは他のどんな旅客機でも同じですが、B747は、機体がでかいだけに、損益分岐点が高い、ということになります。しかも、飛行機のあらゆる部品の中でももっとも高価なものはエンジンであると言われます。エンジンがなければ飛行機はただの金属のかたまりでしかありませんから、絶対必要なものではあるのですが、経済性を考えると、エンジンの数は少なければ少ないほど良いということになります。一方で安全性の面では、万が一のエンジン故障の際のリスクを考えるとエンジンが多い方がよい、ということになります。エンジンが二つの双発機で片方のエンジンが停止しても、エンジン1個は残りますが、片側のエンジンが全部止まると、飛行機は極めてコントロールし辛くなるようです。そのため、かつては、双発機には「1時間以内に空港があるところしか飛行してはならない」という制限がありました。双発機の方がコストが安くて良いな、と思っても、最寄りに空港などない大西洋横断や太平洋横断などの長距離海上飛行は許されていなかったのです。また、航空機メーカーの側でも、その制約があるから、双発機に長大な航続距離は無駄、と、あまり航続距離が長くて大型の双発機は開発してきませんでした。しかし1980年代「ETOPS」と呼ばれる制度で、双発機の飛行制限は最寄りの空港まで60分から120分に、後にはさらに緩められ、現在では6時間以上まで認められている機種もあります。こうなると、双発機では就航できない路線はなくなり、したがってどんな路線でも、運行機材はコストのかかる多発機より双発機、という流れになってしまいました。こうなると、まず、機体サイズの中途半端な3発機が消え、続いて大型の4発機も消えようとしている、というわけです。元々そういう流れは明らかでしたが、新型コロナ騒動で航空旅客需要が激減し、大型機を満席にすることなど不可能な状況で、4発機終焉の流れに更に拍車がかかっています。日本は、かつては、日本航空が世界最大のB747ユーザーだった時代がありましたし、全日空も多くのB747を導入していました。しかし、旅客機としてのB747は、すでに6年前に全日空から退役して消滅しています。貨物機としては日本貨物航空が現在も運用していますし、海外の航空会社から日本に飛来するB747はまだ少なからずありますが。私自身は、1988年に初めてメキシコに行ったとき大韓航空のB747-200に乗ったのを皮切りに、翌1989年再び大韓航空とアルゼンチン航空、96年ユナイテッド航空、99年カンタス航空、最後に乗ったのは、おそらく2003年日本航空の羽田-千歳線だったと思います。今後、もう乗る機会はないかなあ。飛行場に行っても、B747は明らかに他の飛行機とシルエットが違い、一目でそれとわかります。それ以外の4発機、それに3発機も、程度の差はあれ、それぞれに特徴的なシルエットでした。双発機はどれをとっても似たり寄ったり。中身はともかく外見に特徴を見いだしにくくて、面白味に欠けるのが正直なところです。時代の流れで仕方がないんですけどね。というか、時代の流れは、4発機がどうこう以前に、新型コロナで航空会社が生き残れるかどうかの瀬戸際という状況ですけどね。早く終息してくれないかなあ・・・・・。
2020.08.04
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A380最終号機の機首がトゥールーズ到着 2021年生産完了、エミレーツ向け2021年で生産完了となるA380は現在、エミレーツ向けの機体製造や納入と、全日空の3号機の引き渡しなどが残るのみとなっており、仏トゥールーズでの最終組立も大詰めを迎えつつある。A380の最終号機もエミレーツ向けで、前部胴体が現地時間6月18日に、仏南西部のランゴンから最終組立工場があるトゥールーズへトレーラーで運ばれた。今後は中央胴体との結合作業や胴体と主翼の結合、エンジンの取り付け、塗装、内装作業などが進められていく。エアバスによると、トゥールーズで作業中のA380は、引き渡しを4月から半年程度延期されたANAの3号機を含めて6機、塗装工場があるハンブルクが3機。ANAの3号機を除くと、8機すべてがエミレーツ向けの機体だ。エミレーツはA380を世界最多保有する航空会社で115機保有し、123機を発注済み。全世界で運航中のA380は5月末時点で240機あり、このうち47.9%がエミレーツの機体となる。一方、3機導入したANAは全機を成田-ホノルル線に投入。2019年5月24日に初号機、6月19日に2号機が就航し、7月1日からは週10往復体制で運航していたが、新型コロナの影響で今年3月25日にA380の運航を一時停止。6月22日に2号機、翌23日に初号機が成田空港を乗客を乗せずに1周して機体の安全性を維持している。エミレーツは、今後の主力機材をA350-900やボーイング787-9型機に軸足を移しており、A380や777Xといった400席超クラスの大型機の発注を減らしている。新型コロナの影響で航空業界を取り巻く状況が変わる中、A380はあとどのくらい飛び続けるのだろうか。---A380の生産終了は昨年2月に報じられており、もちろん新型コロナ騒動とは無関係だったのですが、新型コロナによる世界的な航空需要の急減によって、既存のA380も最後の止めをさされつつあるようです。エールフランス航空は、当初2022年に予定していたA380の引退を、先週に前倒ししています。引用記事が指摘するように日本で唯一A380を導入した全日空も、現状では運行を停止したままです。世界最大のA380キャリアであるエミレーツにしても、産油国のオイルマネーの力でその規模を維持できているのでしょうが、昨今の原油価格低迷で、いつまで安泰かは分かりません。航空業界の急失速自体は世界共通の現象ですが、その影響は、A380のように使途の限られる超巨大機に、より強く現れることは自明です。全日空のA380も、その投入路線であるハワイ線は、米国でまだ新型コロナの感染拡大が止まっていない現状で、現時点では7月末まで運休中です。仮に運航再開しても、乗客の急回復なんて当面見込めないでしょう。これから導入される3号機にしても、果たして運行できる路線があるのか、一度も定期路線に就航することなく引退、という最悪の事態だって、想定できないわけではありません。前述のとおり、A380の生産終了は新型コロナ騒動以前に決まっていたことです。従って、この巨人機を開発したことは、エアバスにとっては世界の航空需要、航空会社の動向を見誤った(加えて、製造の遅延によるコスト増大も)失敗、ということになるのだと思います。もっとも、エアバスにとって、A380はフラッグシップモデルではあっても、売れ筋称品というわけではありません。エアバスにとって利益の根幹は小型のA320です。その売れ行きが順調だったので、昨年の今頃は、A380の失速にもかかわらず、エアバスは大きな利益を出していました。ところが、今回の新型コロナ騒動で、A320もまた急失速せざるを得なくなっており(航空業界の全てが恐慌状態なのだから、当然ではありますが)、エアバスもかなり苦しい状態に追い込まれています。一方、ライバルのボーイングは、もともと「売れ筋」のB737MAXの欠陥による2件の墜落事故で、1月から製造中止になっていました。先月末に製造再開されていますが、この間の売り上げはストップしていた上に今回の新型コロナ騒動ですから、その打撃はエアバスよりさらに大きいことが予想できます。別に航空関係、旅行関係に限った話ではありませんが、昨年の今頃は、日本のインバウンドも絶好調、航空・運輸・旅行関連業界も順風満帆のように見えましたが、たった1年でこの状態です。そんな事態を予測できた人なんて、おそらくいないでしょう。一寸先は闇、というか、人間の将来を予測する力なんて、その程度なんだ、ということに痛感させられます。神様じゃないから、仕方ないですけど。
2020.06.29
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リニア着工へ6月中にもトップ会談 JR東海と静岡県 平行線なら27年開業困難リニア中央新幹線の着工をめぐり、JR東海の金子慎社長と静岡県の川勝平太知事が6月中にもトップ会談に臨む見通しとなった。環境問題を理由に準備工事に難色を示す県とJRの溝は深い。会談が平行線のまま終われば2027年のリニア開業は困難となり、総工費約9兆円の国家的プロジェクトは軌道修正を余儀なくされる。知事は16日に周辺自治体の首長とテレビ会議を行い、地元の意見をまとめた上で会談に臨む方向。JR側は27年開業には6月中の開催・合意が必要と主張している。東京・名古屋・大阪を最高時速500km/hで結ぶリニア建設の難関工事、3000mル級の山脈を貫く南アルプストンネルの静岡工区(8.9km)は昨年5月、準備段階で県の了解が得られず中断した。地元自治体がトンネル掘削工事による大井川の流量低下などを懸念しており、県とJR側の協議は手詰まり状態に陥っている。開業から半世紀余が経過した東海道新幹線を補完し、日本の大動脈を超高速で結ぶリニア計画。開業予定が狂えば、約9兆円を見込む総工費はさらに膨らむ可能性がある。---リニア中央新幹線については、ずいぶん昔に何回か記事を書いたことがあります。狭い日本、そんなに急いでどこへ行くリニアモーターカーが嫌いで何が悪い?上記の記事を書いた時点では、まだリニア新幹線には公費を投入せず、全額JR東海の自己資金だけで建設するという話になっていました。しかし、その後2016年に、リニア新幹線の建設費に公費を投入することになりました。当初の約束は覆されたわけです(そうなるだろうなとは思っていましたが)。記事を書いた当時は、リニア新幹線にはまったく賛成ではないが、建設費を全額JR東海が出すなら、反対とまではいわない(好きに作れば?)というのが私の考えでした。しかし、公費を投入するとなったら話は別で、リニア中央新幹線の建設には反対です。MRJ(スペースジェット)と同様、大コケする可能性が否定できないし、そうでなくても大きな利益にはつながらないことは確実だからです。東海道新幹線は、事前には批判が根強かったものの、開業したら予想外の大成功を収めました。だからリニアモーターカーも、というのは甘い考えと言わざるを得ません。新幹線が大成功を収めたのは、高度経済成長期で交通需要が激増する時期だったからです。しかし今は違います。人口縮小期の今、これから東京大阪間の交通需要が激増するなんて考えられません。つまり、限られたパイを他の交通手段と奪い合いをするしかないわけです。しかし、現状東京大阪間のシェアは新幹線が圧倒的です。つまり、同じJR東海の運行する東海道新幹線からリニア新幹線に乗客が移行するだけで、他者の運航する飛行機や高速バスから乗客を奪える余地はあまりない。9兆円も投資して、元が取れるかどうかは大いに疑問の余地があります。静岡県の立場から見れば、明らかに、県全体としてリニア中央新幹線によるメリットは何もありません。県の領域の北端(南アルプスの稜線の真下)をかするだけで、静岡県の住民が利用できる余地がまったくないからです。逆に静岡県にとってのデメリットは、まず、以前から問題になっており、引用記事にも指摘されているように、静岡県の水ガメである大井川の真下にトンネルができて、そこに地下水が流失することによる流量低下の問題があります。それに、前述のとおり、リニア中央新幹線は東海道新幹線から乗客を奪うだけなので、必然的に新幹線の乗客が減り、当然列車の本数も減ることになります。それは、静岡の住民にとってはデメリットでしかありません。もっとも、短期的に見れば、静岡県内に停車しない「のぞみ」が中心に削減され、静岡県内に停車する「ひかり」「こだま」はあまり削減されない可能性が高いので、そのデメリットは最小限に食い止められるかもしれません。でも、長期的に見れば、その状態がいつまで続くかは分かりません。日本の東西を結ぶ大動脈が他県に移ることは、静岡県にとって得にはならないでしょう。要するに、静岡県から見れば、リニア中央新幹線が着工できず完成できなくても、困ることは何一つない、というか完成しない方がよいわけです。だから、妥協しなければならない必然性が基本的にはない。佐賀県にとっての長崎新幹線と同じような状態です。で、私自身は静岡県とは特に縁のない人間ですが、私にとってもリニア新幹線のメリットは何もありません。東京駅から乗れる東海道新幹線の方が、品川で乗り換えが必要なリニア新幹線より便利です。所要時間は早くなるというものの、現状「のぞみ」で2時間半しかかからないものを、1時間20分短縮するのと引き換えに乗り換えが増えると言われても魅力は感じません。しかも、全区間の9割近くがトンネルで、残りの1割余りも騒音対策のため防護壁で囲まれて景色は見えないというのでは、実質的に全区間地下鉄と同然です。よっぽど切羽詰まった理由でもなければ、乗りたいと思いません。個人の損得や好みはとりあえず措くとしても、総工費9兆円というのも、本当にそれで収まる保証はありません。というか、最初全額JR東海の自己資金で建設すると言っていたのがなし崩し的に公費投入となった経緯から考えて、今後総工費はさらに膨らむと考える方が自然です。加えて、新型コロナ騒動で交通運輸業界は急激に経営状態が悪化しており、JR東海も同様のはずです。それらを考え合わせると、公費負担3兆円というのも、それで収まるとは限らない。際限なく公費負担が膨れ上がる可能性は高いと思わざるを得ません。そして、それに見合う経済的効果が得られるとも思えません。そんなことに公費を投入すべきではないし、公費を投入しなければできないような事業だったら、中止すべきです。
2020.06.14
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羽田新ルート運用開始 初日飛行なし羽田空港の国際線増便を目的に、着陸機が東京都心を通過する新たな飛行ルートの運用が29日、始まった。都心を飛ぶのは、南風が吹いた場合の午後3~7時で初日は南風とならず、実際の飛行はなかった。新ルートではさいたま市付近から南下し、新宿や渋谷を経て羽田に向かう。人口が集中する首都圏を縦断するため、騒音や機体からの部品落下など住民生活に影響が出る恐れもある。国土交通省は、今夏に予定されていた東京五輪・パラリンピックに合わせて新ルート導入を計画。国際線で1日当たり50便の発着枠を増やしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で、運航本数が激減する厳しい環境でのスタート。国際線運航のため増築された第二ターミナルは初日の29日、利用客がまばらだった。国交省によると、新ルート導入による騒音への懸念に配慮するとして、視界の良い晴れた日には、機体の「降下角度」を従来の3度から3.45度に引き上げる着陸方法を採用する。国際的なパイロット組織や外国航空会社からは安全面を懸念する指摘もあり、途中で3度に切り替える方法も認めるとしている。2月の「実機飛行確認」では、約2割で同省が想定した騒音を上回るとのデータが出た。これまで主に全日空便が発着し、国内線専用だった第2ターミナルに全日空の国際線が就航し、レストランなども新規開業。初日は米ヒューストン行きなどが出発した。29日の羽田発着の国際線は8割が欠航。運航便でも乗客が30数人というケースもあった。---羽田の新ルート問題は、これまであまり取り上げたことがありませんでした。個人的には、他の地域ではすでに市街地での超低空飛行は行われているのに、東京だけはダメ、という理屈は成り立ちにくいとは思います。しかしその一方で、高層ビルが林立する都心を低空で飛行するのはどうか、とも思います。まして、これまでの一般的な降下角を超える急降下というのは、大丈夫なのか、という疑念は、強く抱かざるを得ません。事故のリスクは上がらざるを得ないでしょう。現に、国際航空運送協会(IATA)が国交省に対して、着陸方法の変更を求めたとの報道もあります。いずれにしても、この新ルートの話は、羽田空港の発着回数を増やすために出てきたものです。ところが、現状はどうでしょうか。言うまでもありません。新型コロナ騒動で、航空各社は旅客が激減、多くの便が欠航し、引用記事に触れられるように、特に国際線は8割欠航という状態です。そしてこの状況がすぐに改善する見込みも立っていません。増便どころか大幅な減便が行われているのに、増便対応のための新ルートが必要なのか、これは極めて疑問に思わざるを得ません。現実には、元々新ルートの運用は1日中ということではなく、引用記事にあるように午後3~7時に限定の運用ということになっています。だから、別にその時間帯になっても発着に余裕があればわざわざ新ルートに変更する必要はないのではないでしょうか。ひょっとしたら「運用開始した」と言いつつ実際にはそのような運用に終始する、という可能性もありますが(下記追記のとおり、新ルートの運用は行われています)、そのあたりのことは何も発表されていないので、どうなっているのかはよく分かりません。これこそ、航空需要の現状から考えて、「不要不急」の変更の最たるものであり、導入は延期すべきものだったのではないかと私は思います。4月4日追記:報道によると、実際に新ルートでの運用が行われているとのことです。明らかに不要不急にもかかわらず実際に運用してしまっているようです。
2020.04.01
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前回の続きです。ウトナイ湖サンクチュアリのネイチャーセンター。土日祝日のみ開館でこの日は平日だったため閉まっていました。環境省の野生鳥獣保護センター、こちらは開館していました。となりにウトナイ湖道の駅があります。で、前回書いたように、ウトナイ湖は新千歳空港の至近距離にあるため、離着陸する飛行機の轟音が頻繁に鳴り響いています。エア・アジアのA320。ANAウイングスのデハビランド・カナダDHC8-400ジン・エア、名前を初めて知りましたが、韓国の格安航空会社なんですね。機種はB737-800JALのB777-200(多分)大韓航空のB777-300韓国アシアナ航空のA321型ジェットスター航空エゾリンドウ桜の木なのでサクランボです。ただし、何桜かは分かりません。新千歳空港から快速で札幌へ。そして特急ライラックに乗り換えて旭川へ。旭川は都会です。駅ビルが目の前。しかし、駅ビルの反対側は忠別川の河川敷です。層雲峡行きバスの乗り換え時間が30分ほどあったので、ちょっと散歩してみました。4時半頃に旭川を出て層雲峡着は6時半、もうすっかり日が暮れていました。旭川で乗客は結構乗りましたが、みんな途中で降り、経由地の上川駅に着く頃には乗客はわたし1人。このまま1人だけかと思いきや、上川駅でまた数人の乗客が乗り込みました。外国人旅行者が多かったです。おそらく、ジャパンレールパスを目いっぱい使うため、バスの利用を最小限度にしたのでしょう。で、宿には7時前に着きました。1泊7,710円で、部屋は値段なり(トイレ共同、でもまったく過不足ない部屋でした)でしたが、食事はこの値段でこの食事でいいの?と思ってしまいました。美味しくいただきました。しかし、この宿もお客さんは外国人が多かったです。到着が6時半だったので、7時からの夕飯でしたが、日本人は私だけ。あとは欧米系の二人連れと中国人2人連れ。ロビーで、ずっとスペイン語で電話している女性がいたのですが、電話しながら行ってしまったので話しかけるまもなく。登山者も外国人かなり多かったです。以下次回に続きます。
2019.09.17
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本ブログでは8月31日に三番瀬でシギ・トヂリの写真を撮った記事を書きましたが、実はその翌日9月1日も三番瀬に行きました。前日見逃したオオメダイチドリに、やっと遭遇したのですが、その記事は後日書きたいと思います。この日は、シギ・チドリを撮影する間、上空をバタバタと頻繁にヘリコプターが飛んでいました。いったい何事だろうと考えて、途中で気が付きました。9月1日なので、総合防災訓練があったのですね。日本各地でやっていたはずですが、ヘリコプターが続々と飛来したのはおそらく船橋市で行われた九都県市合同防災訓練だったようです。三番瀬があるのも船橋市。後で地図を見たら、本当にお隣、距離にして1.5kmくらいしかありません。で、それらヘリコプターの写真も何枚か撮影しました。CH47ヘリコプター。自衛隊が持つ最大のヘリで、陸上自衛隊と航空自衛隊の双方が持っていますが、これはどちらの機体でしょうか。マーキングや機体ナンバーが見えないので分かりません。他のヘリは全部所属(××自衛隊、とか)か機体番号があったのですが、CH47だけが名無しの権兵衛でした。逆光で見えなかっただけかもしれませんが。2機飛来しました。この日飛来した防災訓練参加ヘリ(おそらく)の中で唯一、自衛隊ではない機体でした。東京消防庁航空隊の「はくちょう」。ユーロコプターEC 225型です。海上自衛隊のUH60続いて飛来したのは、訓練参加ではなく、取材のヘリでした。朝日新聞の「あさどり」MD902型だそうです。またUH60だが、今度は航空自衛隊。これも2機飛来したうちの1機目です。航空自衛隊UH60の2機目。1機目と違って長い管を咲き出しています。空中給油用の給油管でしょうか?逆光気味なので、よく分かりません。そして、最後に飛来したのがこいつ、陸上自衛隊ユーロコプター EC 225。要人輸送用だそうです。ということは、安倍が乗っていたのでしょうか?撮影時間は10時12分、東京方面から飛来していたので、やつが乗っていたのでしょう。首相動静の報道によると、「10時12分 陸上自衛隊ヘリコプターで「9都県市合同防災訓練」副会場の千葉県船橋市の京葉食品コンビナート協議会南岸壁。」とあるので間違いありません。撮ったときはまったく気が付いていなかったけど、気が付いていたら・・・・・・「安倍辞めろ」のひと言くらい言ってやればよかった、聞こえるはずもないけど。まあ、知らなかったものは仕方がありません。というわけで、確認した限りは、消防が1機、報道(朝日新聞)が1機、後は全部自衛隊で、CH47が2機、UH60が3機(空自2機と海自1機)、ユーロコプター EC 225が1機(陸自・消防庁も同じ機種)。ちょっと自衛隊が多すぎませんか?防災訓練なら、主役は消防じゃないの?自衛隊のヘリが出てくること自体はいいとして、自衛隊が主役みたいになっているのはどにんものかなと思います。
2019.09.05
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免許返納に「老人イジメじゃないの?」 武田邦彦氏が発言、ネットには異論続出 TBS系の情報番組「ゴゴスマ」で、コメンテーターの武田邦彦中部大教授(75)が高齢者に免許返納を求めることについて、「老人イジメじゃないの?」と指摘した。4月23日放送の番組では、高齢ドライバーによる重大事故が続発している現状を特集し、75歳以上になると運転に自信があると答える人が増えるという調査結果も紹介された。「年齢がいくと自信がなくなるという根拠はどこにある?」。武田さんは、この調査に不満をぶつけ、「何かみんな先入観があるんじゃない? 老人になると自信を失ってほしいとか」と漏らした。 そして、むしろ20歳代が免許を返納すべきじゃないかと持論をぶった。事故率と死亡率が一番大きいからだといい、「20歳代の人には、なんで返納求めないの?」と疑問も呈し、こうも主張した。 「これ、老人イジメじゃないの?」交通安全白書を見ると、運転ミスは、75歳以上になると倍にも増えると指摘があったが、武田さんは、「それはね、情報操作なの、警察庁の」と譲らなかった。「運転を安全にするってのは、技術だけの問題じゃないんですよ。心理的な問題ですね。20代の事故率がなぜ高いかって言ったら、乱暴だからなんですよ。だから、その調査の中に、乱暴性も入れなきゃいけない」武田さんによると、高齢者は、運転ミスが増えても、慎重さが上がって事故率は低いのだという。---何というか、武田邦彦は温暖化懐疑論を叫んでいた頃から、まったく信用ならん人だと思っていました。かなり以前にも批判記事を書いたことがあります。週刊ポストのおかしな記事(生物多様性を巡って)生物多様性について 続編引用記事を見ると、当時も今も、武田のデタラメな論理は変わっていないようです。確かに、見かけ上の交通事故発生率、つまり運転免許を持つ人口に対する事故発生率は、70代80代より10代20代の方が高い、という統計は存在します。年齢層別の交通事故率【平成28年度】「なんだ、武田邦彦の言うとおりじゃないか、高齢者より若者の運転の方が危険だ」と早合点はしないほうが良いです。わたしinti-solは、これまでずっと無事故無違反できていますが、それは私が運転が上手いから、ではありません。そうではなく、運転をしないからです。つまり、ペーパードライバーは絶対に事故を起こさないのです、当然のことながら。具体的な統計数値は知りませんが、常識的に考えて、免許を持っている人の中で実際に運転する人の割合、あるいは実運転時間は、いわゆる現役世代で高く、高齢になるほど減っていくことは確実です。ペーパードライバーの割合は確実に上がっていくし、現役を引退してしまえば、仕事(通勤も含め)で運転しなくなる分だけ、運転時間は減りますから。もちろん、中には70代80代でも現役バリバリで仕事をして運転もしている人もあるかもしれませんが、平均値としては、そうなります。残念ながら、年代別の運転時間という調査結果は見当たらないので、運転時間あたり事故発生率のデータは分からないのですが、単純な免許保有者数あたりの事故率とは違った結果が出てくるであろうことは確実です。それでも20代以下の若者の事故率が、30代以降に比べて相対的に高い、ということは言えそうです。ただ、社会的に見て、「だから(高齢者の運転を禁じる代わりに)若者の運転を禁止しろ」という理屈が成り立ち得るのか、ということが問題になります。機械でも、新品のうちは「初期不良」と言うべきトラブルが少なからずあります。そういった問題が解決されていくにしたがってトラブルは減少し、老朽化すると、それによって再びトラブルの発生が増加する、という傾向があります。そして、それは人間においてもおおむね同じでしょう。若者世代の事故が多いのは、ありていに言って経験不足のせいでしょう。経験は、積めばよいのです。逆に言えば、経験を積まなければいつまで経っても事故は減りません。もし武田の言うように、20代の免許取得を禁じたら(現実にそんなことができるわけはありませんが)、今度は30代の事故率が上がるだけでしょう。確かに、経験を積んでも運転に適性のない人はいるでしょうが、それはごく例外的です。一方、高齢者の事故が多いのは、能力の低下のせいです。判断力、記憶力、反射神経、視力、車の運転に必要なあらゆる能力は、高齢になるとともに衰えて行きます。確かに、能力の低下は経験の積み重ねである程度はカバーできます。でも、ある程度であって、カバーしきれなくなるときが、必ず来ます。どんな人でも例外なく、必ずそういうときがきます。それは、生物学的な必然です。まあ、こんなことは、いちいち理論的に説明しなくても、たいていの人は直感的に理解できるものだと思うのですが、どうも武田には理解できないようです。もちろん、能力の低下には個人差があります。一律に75歳以上は全員運転が危険、とは限りません。60代で運転が危険な状態になる人もいれば80でもそれほど危険ではない人もいるでしょう。ただ、経験則的に言えば、高齢でも元気な人は、逆に言えば衰えるときはあっという間です。80歳で運転に問題なかった人が、だから81歳で大丈夫かというと、とてもそんな断定はできません。それが80代後半にも至れば、むしろ大丈夫な人の方がはるかに少数派であろうことは容易に想像できます。というわけで、個人差があるので75歳になったら全員一律に免許剥奪、だとしたらそれはそれで暴論と思いますが、85歳を過ぎて運転は、正直言ってカンベンしてほしいです。
2019.04.24
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日本も737 MAX運航停止 国交省、FAA決定受け国土交通省航空局(JCAB)は3月14日、墜落事故が相次いだボーイング737 MAXについて、日本国内での運航停止を航空会社に指示した。期間は当面の間としている。FAA(米国連邦航空局)が737 MAX 8と737 MAX 9に対し、米国での飛行停止を13日に命じたことを受けた措置。しかし、すでに米国以外の多くの国では航空当局が737 MAXの飛行停止を航空会社などへ命じており、14日時点で737 MAXを日本へ運航している航空会社はない。日本の航空会社では、全日空が737 MAX 8を2021年度から最大30機導入するが、現時点で運航している航空会社はまだない。737 MAXの墜落は、10日に起きたエチオピア航空ET302便(737 MAX 8)の事故で2件目。2018年10月29日に起きたインドネシアのLCC大手、ライオン・エアJT610便(737 MAX 8)が最初で、現時点で原因は判明していない。10日のET302便墜落を受け、CAAC(中国民用航空局)は翌11日に中国国内の航空会社に737 MAXの飛行停止を指示。中国を皮切りに、各国の航空当局が737 MAXの飛行停止を命じ、12日には、EASA(欧州航空安全局)も飛行停止措置を取った。米国では、トランプ大統領が13日に737 MAXの運航停止を指示。これを受け、FAAが米国内での飛行停止を命じている。ーーー先日、エアバスが、フラッグシップであるA380の生産中止を決めた件が報じられましたが、今度は米ボーイングのB737MAXの連続事故です。事故原因は現時点では不明ですが、2件の事故の経過が非常に似通っており、両方の事故が共通の原因によって起こった可能性が示唆されています。同一機種が同じ原因で墜落、となれば、それはその機種に共通の、何らかの欠陥があることが疑われます。目下のところは、オートパイロット(自動操縦装置)に疑いの目が向けられている状況です。物理的な欠陥か、ソフトウェア上の欠陥かは分かりませんが。A380の生産中止はエアバスにとって大打撃ではありますが、事故を起こしたわけではありません。また、元々超巨人機は、飛行機メーカーにとって「売れ筋」商品ではありません。エアバスとボーイングという二大メーカーにとって、もっとも売れ筋なのは、エアバスのA320とボーイングのB737という小型機です。その、飛行機メーカーの屋台骨を支える小型機で、構造的欠陥を伺わせる事故を連発してしまったことは、ボーイングにとっては深刻な打撃でしょう。当然ボーイングとしては、欠陥はないと主張するよりほかにない訳ですが、それが客観的に見て説得力があるかどうかは別の問題です。実際のところは事故原因調査を待たなければ分からないものの、状況証拠としては、割と黒に近いグレーです。にもかかわらず、FAAは、ボーイングの弁解を鵜呑みにしたのか、巨大飛行機メーカーの経営を慮ったのか、直ちにB737MAXの飛行禁止措置を取ろうとはしませんでした。しかし、この間にB737MAXに真っ先に飛行禁止措置を取ったのは、なんと中国の民用航空局です。その背景には、エチオピア航空の事故には中国人の乗客が少なからず含まれていたことがあるのでしょう。この決定に、同じくB737MAXの事故があったインドネシアなどが追随、更にEUも飛行禁止措置を取ったことから、遅まきながら米国FAAも飛行禁止措置を取り、更にそれをみた日本の国交省航空局も飛行禁止措置をとったわけです。一連の流れをみると、中国の動きがB737MAX飛行禁止の流れを作ったことが分かります。もちろん、中国が動かなくても、EUが飛行禁止にしたでしょうけど。かつて、事実上世界の民間旅客機の生殺与奪の権を握っていたFAAは、今回の件では、主体的な判断で航空機の安全性について世界をリードする姿勢はありませんでした。中国の動きを見て、EUの動きを見て、仕方なくその後追いをしただけです。航空機産業という、第二次大戦後米国が圧倒的な支配力を見せてきた分野においてさえ、米国は先導する力を失った、ということなのでしょう。ところが、そのFAAより更にB737MAXの飛行禁止措置が遅れたのが、我等が日本です。明らかに遅きに失したFAAの動きに、更に遅れて追随しただけ。その決定は実質的には無意味なものでした。何故なら、日本の航空会社はまだB737MAXを導入しておらず(引用記事にあるとおり、全日空が2021年導入予定)、日本に乗り入れている外国の航空会社も、既にB737MAXの飛行を取りやめていたからです。事実を追認しただけです。要するに、FAAの判断によらずに自己の判断で米国の旅客機に不利益な飛行禁止命令を出す勇気が、日本にはない、なぜなら米国の属国だから-ということなのではないかと疑りたくなります。
2019.03.15
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エアバスA380生産終了へ 「欧州産業界の夢」はなぜ失速したか旅客から愛され、会計担当者からは恐れられた世界最大の旅客機の生産中止が決まった。欧州航空大手エアバスは、運用開始から12年にして、販売不振を理由に超大型旅客機「A380」の生産をやめると発表した。欧州産業界最大級の挑戦に終止符が打たれることになる。巨大な旅客機を投入することで空港の混雑を解消するというエアバスのビジョンに航空会社の支持が集まらず、受注が伸び悩んだ。世界の航空機の運航量は記録的な速さで増加している。だがこれにより需要が伸びたのは、旅客を目的地まで直接運べる、小回りの利くエンジン2基の双発機であり、ハブ空港まで旅客を運んで乗り換えさせるエンジン4基の巨大旅客機ではなかった。A380の最大顧客であるエミレーツ航空など忠実な顧客は、544座席の機体は満席の場合、利益が出るとしている。だが、2階建て構造の巨大な機体を飛ばすための燃料代がかさむため、空席が1つ増えるごとに航空会社の財務に穴が開くことになる。「エアラインの最高財務責任者(CFO)を震え上がらせる機種だ。空席が大量に出るリスクが高すぎる」。航空産業のある幹部は、こう説明した。~航空各社は当初、競って発注した。2001年9月の米同時多発攻撃後に落ち込んだ旅客数が次第に回復し、運航コストが下がって利益が伸びることを期待したからだ。エアバス側は、700─750機のA380を受注し、ボーイング747を過去のものにすると息巻いていた。A380の価格は現在、1機あたり4億4600万ドル(約491億円)程度だ。だが実際は、A380の受注はようやく300を超えたところだ。ライバルのボーイング747は今週、誕生から50周年を迎え、A380よりはるかに長命な機種となった。(以下略)---以前から、A380の生産打ち切りの可能性は指摘されており、私も4年以上前に記事を書いたことがあります。A380生産打ち切り?残念ながら、「か?」ではなく、実際に生産中止が決まってしまった、とのことです。全体としてみると、世界の航空需要は右肩上がりが続いています。しかし、引用記事が指摘するように、A380が開発された当時の、ハブ&スポーク方式で、幹線を超大型機が飛び交う需要よりも、中型機の航続距離が伸びた結果、さほど需要が見込めない遠距離の地点間でも、直行便が飛ばせる路線が大幅に増えました。加えて、ハブ&スポーク方式であっても(それは、いまでも航空輸送の主流ではありますが)、超大型機を一回飛ばすより、中型機を複数回飛ばす方が、需要の変動に対応しやすく、空席が大量にでるリスクを回避しやすいのが現実です。理屈上は、中型機を2回飛ばすよりA380を一回飛ばす方が、満席同士なら安上がりです。でも、満席にならないリスクを考えれば、中型機の方が安全確実、と言えます。こんな大型機を常に満席にできるような需要の大きな路線はわずかしかないのが現実なのでしょう。A380は、機体が大きいだけに、値段も高価です。とりわけ、飛行機のあらゆる部品に中でもっとも高価なのはエンジンですが、これをA380は4基も搭載しています。1基だけでも、その価格は機長と副操縦士の2人のパイロットの生涯人件費の合計より高価なはずで、それを双発機より2つも余計に積んでいるのです。もちろん、燃料代を始めとした運行経費も、双発の中型機よりはるかにかかります。おそらく、このような超大型機の需要がもっともあるのは日本の国内線です。羽田-札幌を筆頭に、かつては日本航空と全日空が、国内幹線にB747を大量に飛ばしていました。エアバスも、あるいは日本の航空会社からの発注を見込んでいたかもしれません。しかし、日本の航空会社は、A380はほとんど導入しませんでした。周知のように、スカイマーク航空が発注していたものの、これを取り消さざるを得なくなったことが、同社の経営危機を招きました。その後、全日空が、3機を発注し、1機はすでに納品されているようですが、それ以上の数を発注する様子もありません。それどころか、既存の超大型機B747も退役が進み、日本貨物航空が運用する貨物専用機以外は日本の航空会社からは姿を消しました。日本国内の景気が好調ではなく、航空需要の先の見通しが立てにくいこと、各空港の夜間の飛行制限、発着回数の制限がゆるめられる傾向にあること、成田空港の国内線拡大や関西に3つも空港ができたことなど、それに伴うLCCの台頭など、便数を増やすことへの制約が以前ほど厳しくなくなったため、超大型機の必要性が、日本でも大幅に減少したということでしょう。正直言って、残念です。夢のある機体ですし、今の双発旅客機はどれもこれも似通ったシルエットですが、B747とA380は、明らかに異型のシルエットで面白味があります。前述の4年前の記事では、WikipediaによるとA380の確定発注は318機とあります。ところが今確認すると、284機に減っています。キャンセルが相次いだのでしょう。夢で飯は食えない、ということなのでしょう。残念ですが、仕方がありません。ただ、この機体に対応できるように、莫大な費用を投じて設備を改修した空港も少なくない中で、このような失敗に終わってしまったことは、各方面に禍根を残した気がします。もっとも、生産中止が決まっただけで、既存の機体は当分運行するのでしょうから、まだこれから乗る機会もあるかもしれません。というか、乗ってみたいです。現状では直接見たことすら、まだないのですが。時々飛行機の写真を撮っていますが、撮影は羽田空港に限られるので、羽田空港には乗り入れていないA380を見たことはまだありません。そのうちに、成田空港に撮影に行こうかなあ。でも、遠いんですよね。最近は飛行機より鳥の写真ばかり撮っていますけどね。
2019.02.20
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新幹線殺傷で死亡した男性は「容疑者を止めに入っていた」 乗客が証言東海道新幹線「のぞみ」の車両内で6月9日午後、3人が刃物で切られ、男性1人が死亡、女性2人が重傷を負う事件が起きた。犯行現場は、新横浜ー小田原間を走行していた東京発新大阪行き「のぞみ265号」の12号車。容疑者は12号車の通路側の席に座っていたところ、突然立ち上がり、隣の席の女性に刃物のようなものを無言で振り下ろした。男性が止めに入ってもみ合いになり、容疑者が男性に刃物で迫ったという。(以下略)---3年前にも同じ東海道新幹線の車内でガソリンをまいて放火自殺を図る事件があり、犯人のほか逃げ遅れた乗客が1人巻き添えで亡くなりましたが、それに続いて再び新幹線車内の凶行が起こってしまいました。別報道によると、犯人が持っていた刃物はナタだそうです。加えて、ナイフも所持していたと報じられています。男性は、いったんは犯人を後ろから羽交い締めにしたようですが、逆襲されて、振りほどかれたのか、羽交い締めされた状態でも背後の男性を刺したのか(ナタだったらそれも可能でしょう)、経緯は分かりませんけど、殺されてしまった。結果として、勇気が仇になってしまいました。もっとも、もしこの男性が犯人を取り押さえようとしていなければ、男性の代わりに最初に襲われた女性が死んでいたでしょう。通路側の席で立ちはだかってナタを振り下ろされたら、逃げようがなかったでしょうから。もし、犯人を取り押さえようとした男性が一人ではなく二人だったら、誰も死なずに取り押さえられた可能性はあるでしょう。亡くなった方も、飛びかかれば誰かが加勢してくれるだろうと考えたのではないでしょうか。まさか自分一人だけで犯人ともみ合うことになるとまでは、思っていなかったのかもしれません。ただし、もし自分がその場にいたとして、二人がもみ合っているところに加勢できたか、というと、正直なところ、自信はまったくありません。というか、固まって動けないだろうと思います。ナタを振り回す相手に、素手で対抗するのは、たとえ二人掛かりであったとしても、勇気という以上のものが必要でしょう。それにしても、この件を契機として、新幹線にも、飛行機のような手荷物検査とか、X線検査、という意見が出ているようですが、それはさすがに現実的ではありませんし、JR東海も否定的なようです。そりゃそうです。駅の構造、新幹線一編成の乗客数(座席定員だけで1300席以上。満席で立ち乗りが出ればそれ以上)、ピーク時にはそれが6分おきに出発する事実、飛行機のように機内持ち込みと預け荷物を分離できない以上、危険物となり得るものの車内持ち込みを禁じることは困難(私は、冬山に登る時、何回もピッケルを新幹線や特急に持ち込んでます)、などの点から見て、明らかに実現不可能ですから。そもそも、今回の件は、たまたま舞台が新幹線だっただけで、秋葉原の事件とか、池田小事件、古くは新宿西口バス放火事件などの通り魔事件と本質的には同じです。新幹線の警備が厳しくなれば他の場所でやるだけでしょうし、かといって在来線の通勤電車や各地の繁華街で手荷物検査なそ、できるわけもない以上、意味のある対策とは言えません。犯人は、おそらく何らかの精神疾患あるいは発達障害があるようで、家族から孤立し、一時は路上生活をしていたと報じられています。親も死ぬほど大変な目に遭ってきた(そして、おそらくこれからも「殺人鬼の親」として、その苦しみがずっと続く)ことは容易に想像できます。路上生活の間に、何らかの福祉施策に救われたとしても、長続きしたとは思えません。こんな性格では、そこでも周囲と散々軋轢を生じさせた挙句、飛び出してしまった可能性が高いでしょう。精神科に入院することはできたかもしれませんが、何もことを起こす前だったら、長く入院することもできなかったでしょう。結局、色々考えても、このような事件の発生を防ぐ手立ては、非常に難しい、と言わざるをえません。どうにもならない。三十六計逃げるに如かず、必死で逃げるしか手はありません。そういう意味では、新幹線や特急に乗る時は、一人で乗るなら窓側より通路側の方が良いのかな、なんて思ってしまいます。
2018.06.14
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(憲法を考える)「逆差別」「違憲」女性専用車批判なぜ偏見やハンディを克服しようと特別な対応をすると、「逆差別だ」と言われてしまうことがある。憲法14条は「法の下の平等」と「差別の禁止」をうたうが、空気のように社会に残る差別が、見えにくくなってはいないだろうか。男女差別を例に考えた。2月、東京メトロ千代田線の女性専用車に男性たちが乗り、電車が遅れたというニュースがあった。男性たちのグループのブログには、「男性差別」「痴漢でない男性を追い出すのは憲法14条違反」と書かれていた。たった1両の専用車が、憲法を持ち出すほど許せないのはなぜなのか。メンバー2人に会い、3時間話した。代表(65)は、年齢の壁で再就職に苦しんだ経験から、年齢差別の解消を訴える活動を続けてきた。10年ほど前、「自分は絶対に痴漢をしないのに」と専用車に憤ったという。公職や企業役員の女性を増やすため、一定割合は女性を登用する「クオータ制」にも反対する。「マイノリティーが強くなりすぎ、マジョリティーが差別されている」もう一人の男性(43)は障害があり、子どものころはいじめに遭った。「女子は守らないといけないと洗脳されてきた。でも、男性として優遇されたことはなく、冷遇ばかりだ」---女性専用車については、いわゆるリベラル派のごく一部からも批判があります。痴漢対策として女性専用車というのは、それ以外の車両では痴漢をしてよい、ということか、差別の本質的な部分を温存したままでの小手先の対策に過ぎないではないか、というわけです。一理ある、とは思います。が、現実問題として、小手先であっても対策は行う意味があるでしょう。本質的な部分なんて、いつ解決するかも分からないのだから。女性専用車なんてものが必要ない社会の方が好ましいに決まっていますが、そうなるまでの間は、少なくとも「次善の策」としてやむを得ないでしょう。そもそも、鉄道会社に社会を変えろと要求するのは酷な話で、鉄道会社ができる範囲といえば、こういうことに限られるのはやむをえないことです。ただし、引用記事の話は、リベラル派(の一部)からの批判ではなさそうです。記事は無料で読めるのが前半部分だけですが、「男性差別」とか、「マイノリティーが強くなりすぎ、マジョリティーが差別されている」とか、「女子は守らないといけないと洗脳されてきた。でも、男性として優遇されたことはなく、冷遇ばかりだ」という言い分は、どう見てもリベラル派とは正反対のものです。まあ、彼らの思想的背景がどのようなものであれ、このような言い分にはまったく賛同できません。この代表氏は65歳で、「年齢差別の解消を訴える活動を続けてきた」そうです。おそらく、10年以上の年金加入歴があれば年金を受給しているはずです。それを、「65歳以上だけが年金を受給できるなんて、高齢者優遇の逆差別だ」と言われたら、どうでしょうか。もう一人の男性氏は障害があるそうです(詳細不明ですが、身体障害の可能性が高そう)。身体障害の手帳を取得すると、等級によって福祉タクシー券や、公営交通の無料バス交付、障害者福祉手当など様々な制度があります(各自治体ごとの制度)。さらに障害が重ければ障害年金もあります。障害者医療(東京では通称マル障と呼ばれる)で医療費が無料になる制度もあります。障害者の雇用枠もある。ごく軽い障害では、これらの精度の対象にはなりませんが、手帳を取得していれば、公共交通機関を半額で利用できる、タクシー代が1割引になる、という特典はあります。これらを「障害者に対する優遇だ、健常者差別だ」と言われたら、どうでしょうか。あるいは、高齢者とは逆に、子どもに対する優遇措置もあります。公共交通の運賃は、子どもは半額です。それ以外にも、児童手当/子ども手当、乳幼児医療、子ども医療など、子ども、あるいは子どものいる世帯に対する助成は様々あります。それを子どもに対する優遇は逆差別だ、と言いだしたらどうなるでしょうか。低所得者に対する優遇措置もそうです。累進課税制度というのは、低所得者に対する優遇の際たるものですし、それ以外にも、一定程度以下の収入しかない低所得者に対する様々な優遇措置(生活保護など)や支援、あるいは逆に高所得者に対する手当の支給制限があります。それを、高所得者に対する差別だ、低所得者に対する逆差別だ、などと言われたら、どうでしょうか。43歳の男性氏は「男性として優遇されたことはない」そうです。でも、それは男性という優位を障害という不利が帳消しにしてしまっている、ということではないでしょうか。世の中全体の傾向として、病気も障害もない健常の男性が、そうでない男性や女性と比べて、所得が高いことは歴然たる事実です。もちろん、個別には高給取りの女性も低所得の健常男性もいるけれど、平均値としてはそうなります。優遇かどうかは分かりませんが、夫婦間ではどうしても経済面で夫が能動的、妻が受動的になる傾向が強く、そのことが有利不利につながっていることは否めません。女性専用車に関して、更に重要なのは男女間に体力差が存在することです。痴漢に限らず、何らかの暴力行為に対して、女性が肉体的に健常な男性を力でねじ伏せるのはほぼ不可能です。このような格差の存在に対して、少数派への何らかの優遇措置あるいは保護する手段を設けることは、「逆差別」でも憲法違反でもありません。事実、これらの制度を違憲と断じた裁判所の判決も存在しません。累進課税制度はだいぶ弱められ、最高税率は下がりましたが、それでも所得による税率の差は今もあります。そもそも、女性専用車について反対派が鉄道会社を訴えた裁判で、彼らは敗訴しています。結局、対等ではない、地力に差があるもの同士をそのままの土俵で争わせて、強いものが勝つ、という状態をよしとするのか、地力の差を補正することで結果の平等をある程度担保するのか、どちらをよしとするのか、という問題です。前者を取れば、強いものは「公平に」強さを発揮して快適かもしれませんが、格差は巨大なものになり、強くない者にとっては、住みやすい社会ではなくなります。強い者だって、いつ病気や怪我やその他の理由で弱い者に転落するかは分かりません。後者は、強いものに少し我慢を強いることになりますが、そうではない者にとっては、格差はより小さく、より暮らしやすい社会になります。社会全体としては、こちらのほうが大きな不利益をこうむる人が少なく、より暮らしやすい状態だと私は思います。女性専用車は、一部の男性にとってはあまり面白いものではないかもしれません。しかし、女性専用車のために命を落としたり仕事を失う男がいるわけでなし、男性に与える不利益などたかが知れています。しかし、痴漢被害にあった女性が受ける打撃は、「面白くない」などというレベルでは済みません。であれば、男性の一部の「面白くない」という気持ちよりも、女性が痴漢被害にあわないための策を優先するのは、やむをえないことでしょう。
2018.05.09
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のぞみ、台車に亀裂 新幹線、揺らぐ安全 破損の原因不明東海道・山陽新幹線「のぞみ」の重要部である台車に亀裂が入っていた問題は、半世紀以上の「安全神話」に疑念が生じる異常事態だけに、関係者らを震撼させている。国の運輸安全委員会は新幹線初の重大インシデントとして、チェック体制や運転を継続していた経緯を調べており、安全管理の徹底を求める声が上がっている。~異常は16両編成のうち13号車の台車で見つかった。台車枠の亀裂1カ所、モーター回転を車輪に伝える「継ぎ手」に焦げたような黒っぽい変色、継ぎ手と車輪の間の「歯車箱」付近に油漏れ-の三つだ。とりわけ、強度のある台車枠に亀裂が入ったことは、「めったに起きることではない」と関係者にショックを広げている。亀裂が生じて広がれば台車が大きくゆがみ、四つある車輪それぞれに均等にかかっていた重量のバランスが崩れ、荷重の軽くなった車輪はレールから外れる恐れが出てくる。新幹線トラブルは以前からあった。ただ、今回の重大インシデントが深刻視されるのは「乗客約1000人を乗せて脱線したかもしれない」という点にある。~焦げたような臭いや、うなるような音など複数の異常が報告されながら、約3時間も運転を続けた東海道・山陽新幹線。JR西日本は状況把握のため、社内規定に沿って途中から車両保守社員を添乗させたが運転はやめなかった。亀裂が見つかった今月11日、車両は東京都内で未明に目視検査を受けた。午前中博多行き「のぞみ15号」として東京駅から博多駅へ。折り返して午後1時33分、東京行き「のぞみ34号」として発車した。乗客や乗員から異変の報告はなかった。しかし、小倉駅を出た同1時50分頃、7、8号車付近で車内販売員と客室乗務員が「焦げたような臭い」に気付く。さらに福山-岡山駅間で、13号車の乗客が「もやがかかっている」と申し出た。JR西には「異常があった場合は担当者が添乗し状況を把握する」との規定がある。車両保守社員3人は岡山駅で乗り込み、「うなるような音」を確認した。この間、断続的に異臭もあった。しかし、同社は運転を続けた。結局、運行管轄の分岐点となる新大阪駅で交代したJR東海の車掌が異臭を確認。名古屋駅で13号車床下を点検し異常発見につながった。運転継続の判断について、JR西の広報担当者は「保守担当者3人を添乗させて音や臭いを確認し、運行に支障はないと総合的に判断した。現時点で、それ以上でも以下でもない」と述べるにとどまっている。ドル箱の新幹線が過密ダイヤの中で誇る「高速・定時運行」を優先させ、緊急点検による遅れなどの混乱を避けた可能性も消えてはいない。(以下略)---台車に亀裂が入るのが重大な事態であるのは言うまでもないことです。それも最高速度300km/hという高速運転中に破断したり脱線すれば、大惨事に至ることは確実です。その亀裂の原因(大きく言えば金属疲労に決まっているわけですが)対策、再発防止策などは今後検討されて行くとして、まず問題となるのは、引用記事にもあるように、明らかに異常な状況にもかかわらず、何故3時間も運転を続けたのか、という点です。私の知る限り、通勤電車だって、異音があれば確認を行うのが普通ではないでしょうか。列車遅延のお知らせで「異音による安全確認」という言葉は、時々目にするように思います(少なくとも首都圏では)。まして、「焦げ臭い」と「もやがかかっている」(要するに煙でしょう)が加われば、鉄道においてもっとも恐ろしい事故である車両火災発生の懸念を抱くべきでしょう。それにも関わらず保守担当者を同乗させたのみで、「運行に支障はない」という誤った判断を下した姿勢は、大いに問題ありでしょう。結果的に脱線に至る前に運行を打ち切ったものの、状況から考えるといつ脱線していても不思議はなかった-と運輸安全委員会が判断したから、重大インシデントに認定したのでしょう。ちなみに、問題の車両はN700A系のK5編成とのことです。Wikipediaによれば、このK5編成は2007年11月10日にN700系のN5編成として落成し、2013年12月20日にN700A系に改造されK5編成に改番されています。製造から10年、改造からは4年経っていることになります。ちなみに、改造の内容はやはりWikipediaによると、(要約)・車輪ディスクブレーキのボルト締結方式を変更(ブレーキの強化)・定速走行装置の搭載・地震ブレーキの搭載で、N700Aの機能の一部を反映・台車振動検知システムの搭載とのことなので、台車にも手を入れているようです。もっとも、後述の台車検査の際、台車は別のものに交換される場合があるので、事故車の台車が落成時、あるいは改造時と同じものだったかどうかは分かりません(同じものではなかった可能性のほうが高い)。新幹線車両は、45日あるいは走行距離6万kmごとに交番検査、18ヶ月または60万kmごとに台車検査、36ヶ月または120万kmごとに全般検査が行われます。トラブルのあった車両の台車がいつ検査されたのかは分かりませんが、この基準に当てはめれば、少なくとも10月下旬以降に交番検査が、昨年6月以降に台車検査が行われていたことは確実です。そこで問題はなかったから、大丈夫なはずである-と判断していたとするならば、安全神話にあぐらをかいた態度、と言わざるを得ないでしょう。原発と同様、それでは神話はまったく無根拠の神話に過ぎない、ということになってしまいます。問題なのは、これが特定の一つの台車だけに固有の問題なのか、他の台車にも遅かれ早かれ起こる可能性がある問題なのか、という点です。現状では後者の前提で考えるしかないでしょう。つまり、類似の事案が再発する可能性はある、と考えておかなければなりません。そのとき、二度と「異常を検知したのに運転打ち切りを先送り」などという事態を再発させないようにしないと、次は本当に大惨事かもしれません。
2017.12.17
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職場の同僚たちと、東京湾のランチクルーズに乗ってきました。幸い天気もよく、波も静かでほとんど揺れることはありませんでした。(東京湾内ですからね)こちらの船に乗船。もう1隻の船を見ながら離岸第六台場。その向こうは安部友テレビ、いやフジテレビですね。レインボーブリッジをくぐり何かと話題の豊洲の新市場の前を通り巡視船(船名は知りません)の前をとおり何だか急に緑の山が見えてきたと思ったら、中央防波堤外側埋立地だそうです。アクアラインの排気塔と着陸態勢のANAスターウォーズ塗装機。ここまでは船内から窓越しの撮影でしたが、食事が終わったのでここからデッキから撮影しています。コンテナ船が連なる埠頭後ろを、もう1隻のランチクルーズ船が航行しています。海王丸レインボーブリッジを超えて、日の出桟橋に帰ってきました。
2017.06.24
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MRJ、5回目の納期延期へ 三菱重工社長、考え示す三菱重工業の宮永俊一社長は、朝日新聞などとのインタビューで、「2018年半ば」としている国産初のジェット旅客機MRJの納入開始時期について「現状をみて、そう簡単なことではない」などと語り、延期する考えを示した。延期は5回目。来月、納期の見直しを発表する方針だ。MRJは当初、13年に納入を始める予定だったが、設計変更などでこれまでに4回延期した。宮永社長はインタビューで、「機体への評価は国際的にも高い」と強調しつつ、「必要なテストがまだたくさんある。正直言って今の通りやってもなかなか難しい。1月中には対応を公表したい」と話した。---納入時期が遅れれば、発注した航空会社への違約金が発生するし、それによって損益分岐点が上がってしまいます。しかも、その遅れに業を煮やした航空会社から発注をキャンセルされるリスクも高まります。つまり、遅れれば遅れるほど赤字になる可能性が高まる、ということになってしまいます。三菱重工という一会社が赤字をかぶるだけのことならともかく、このプロジェクトには国費が投じられているので、それで赤字を残すことは勘弁してほしいなと思います。Wikipediaによると、MRJの受注数は、現在確定発注が243機、オプション180機、購入権24機(製造スロットの確保はないが、特定の期間内に確定した発注条件と同条件で航空機を購入できる権利、とのこと)、合計447機となっています。こちらの記事によると、MRJの開発費は当初1500億円と見込まれていたものの、これが昨年の時点で倍の3000億円に膨らみ、現在では4000億円とも見られているそうです。その結果、開発費の回収には1500機以上の販売が必要と見られている、ということです。合計447機の売約では、まだまだ全然元が取れない、と言うことになります。現時点でもそうなので、また納期延期となれば、開発費は更に膨らみ、開発費回収に必要な販売数は更に上がることになります。果たして、受注数は今後更に伸びるのか、開発費はどこまで膨らむのか、そして納入時期は後何回延期されるのか、不確定なことばかりですが、残念ながら黒字化できない可能性がかなり高まってきているように思います。当初予定では、2013年には納入開始のはずだった、というのですが、YS-11以来の長いブランクがあって、しかも、そのYS-11は作れば作るほど赤字が増えていったという残念な経験となっています。つまり日本には旅客機の開発、製造に関して、うまく行った経験がないのです。それにもかかわらず、MRJの開発計画は、あまりに楽観的に過ぎた、というしかないように思います。ともかく、約500億円の国費が注ぎ込まれているのです。それが貸し倒れになるような事態は避けてほしいものです。
2016.12.27
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JR北海道 資金不足限界に 維持困難路線5割公表在来線の総延長の約5割を「維持困難な路線」と公表したJR北海道。その背景には、経営安定基金の運用低迷に加え、安全投資負担が重くなったことがある。国鉄分割民営化で発足したJR「3島会社」のうち九州は株式上場を果たし、明暗が分かれた格好だ。「民間企業として維持できるレベルを超える路線は赤字削減や路線のあり方を相談させてほしい」。札幌市内で記者会見したJR北の社長は苦渋の表情で自治体に協力を求めた。過疎化が進む広大な北海道で、JR北の経営難自体は当初から予想された。このため国は6822億円の経営安定基金を設け、高い利率の運用で赤字補填を狙った。しかしバブル崩壊後に運用益は減少し、当初見込との差は累積約4500億円に上る。不動産事業などの多角化も、JR九州ほどの成功には至らなかった。資金不足は安全面にしわ寄せされ、2011年石勝線で特急列車の脱線炎上事故、13年函館線で貨物列車の脱線事故が発生、レール検査データ改ざんも発覚。利用者の信頼を失い、安全投資でさらに資金不足となる悪循環に陥った。老朽化した車両や設備の修繕を含む安全投資には16年度以降、毎年350億円必要で、今夏の台風被害も追い打ちとなった。今後、JR北は沿線自治体と路線維持の費用負担などを協議。自治体が鉄道施設を保有する「上下分離」方式も検討する。しかし、自治体は「公共交通を採算性だけで判断すべきではない」「自治体財政も厳しく負担はできない」と反発の声が上がる。見直し対象となった日高線沿線の新ひだか町の酒井芳秀町長は「路線区間ごとの協議は地域格差も生む。道全体の問題として、道や国の責任で将来を見据えた振興策を検討すべきだ」と指摘した。JR四国をはじめ、JR他社も地方に多くの赤字路線を抱える。地域の公共交通をどう整備し、誰が費用を担うのか。JR北の苦境は、北海道だけにとどまらない、重い課題を突きつけている。---これは、かなり厳しい状況のようです。廃止路線はわずかですが、上下分離方式で鉄道施設を手放したいとする路線には、石北本線、釧網本線、日高本線(いずれも全線)、宗谷本線(名寄-稚内)、根室本線(釧路-根室)など、特急も走る長大な路線が含まれます。加えて、引用記事にはありませんが、近い将来北海道新幹線が札幌まで延伸すると、函館本線の大部分(おそらく小樽-札幌間を除くすべて)が第3セクター化され、現在は函館と札幌をつなぐ大幹線である室蘭本線も一挙にローカル線化します。そうすると、ひょっとすると、長万部~東室蘭間も手放そうと考えるかもしれません。そのときには、JR北海道に残る在来線は室蘭本線・千歳線の室蘭-札幌、函館本線の小樽-旭川、石勝線・函館本線の千歳-釧路、宗谷本線の名寄まで、札沼線の北海道医療大まで、函館本線の新函館北斗-函館、だけになってしまうかもしれません。いや、宗谷本線と函館本線も、将来的には危ういかもしれません。とはいえ、JR北海道の経営状態が危機的である、という現実はいかんともし難い。放置すれば経営破綻という事態もありえそうです。今夏の台風被害も痛かった(未だに函館本線は復旧しておらず、札幌-釧路間の特急は運行できない状態)ようです。もともとJR発足時の分割の仕方に無理があったのは明らかです。JR3島会社と呼ばれる北海道、四国、九州は、最初から経営が厳しいのは明らかで、JR四国は北海道より悪いとも言われる経営状態ですし、成功といわれるJR九州も、不動産業務など他業務の成功でかろうじて黒字を保っているものの、鉄道事業自体は赤字です。(JR北海道も、他業務で黒字を稼ぎ出しているが、本体の赤字は補いきれない状態です)全国1社、せめて全国を2分割(NTT東西のように)程度にすべきでした。が、覆水盆に還らず、今からJR東日本、西日本に合併させようとしても、絶対に不可能でしょう。そうすると、非常に残念なことですが、国の更なる支援がない限りは、一部路線の廃止や上下分離は避けようがないのかもしれません。2005年7月釧網本線川湯温泉駅川湯温泉駅には足湯があります。小さな駅ですが、夏場は観光客がそこそこ利用しますし、駅近辺にはしゃれたお店も点々とありました。同じとき、釧網本線標茶駅での撮影です。この駅で下車したわけではなく、列車行き違いで停車時間が長かったのだと思います。かつては、この駅から標茶線が分岐していました。2006年夏、富良野線上富良野駅のノロッコ列車です。SL復活運転を除くと、この富良野線と釧網本線のノロッコ列車が、JRグループで最後まで残った機関車牽引の客車列車です。結構込み合っていた記憶があります。同じく上富良野駅のノロッコ列車。ディーゼル機関車終点でも機関車の付け替えはせず、往路は牽引運転2007年7月、釧網本線原生花園駅(臨時駅)このときも、乗客はそこそこ乗っていたように記憶しています。おそらく、観光シーズンはよいのですが、それ以外の時期がガラガラなのでしょう。2008年7月、またも釧網本線の塘路駅。この頃、4年続けて毎年北海道に行き、2006年富良野以外はいつも道東で釧網本線に乗っていました。釧網本線知床斜里駅2008年7月これも同じく釧網本線知床斜里駅です。これ以外に、2003年旭岳に登った際に千歳空港から旭川まで、はるか昔1987年に札幌まで行ったとき上野から東北本線・青函連絡船、往路は函館本線、復路は室蘭本線を経由して札幌まで往復したことがありますが、残念ながらそれらの写真はありません。
2016.11.19
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