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2023.08.28
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テーマ: ニュース(99426)
カテゴリ: その他
先日、色々話題の映画を見てきました。映画の最終結末は書きませんが、断片的なネタバレは多少含みますのでご了承ください。

主要キャラのひとり(一羽)がこいつでした。


アオサギ。物語に登場するのは、その形をした妖怪の類ですが。

賛否両論とか、難解という評を聞いてはいました。突き詰めて裏の裏まで理解しようとすればそうなのでしょう。でも、物語の表層だけをても、充分に面白い作品だと私は思いました。作者(宮崎駿)が本当は何を伝えたいとか、どんな裏の真意が、などと、とりあえずは深く考えなくてよい、考えない方が楽しめるのではないかと思いました。

というわけで、とっても浅い浅い理解(笑)ですが、ちょっとだけ考察したいと思います。
まず、氏のおそらく最後となるであろう作品の舞台は、やっぱり太平洋戦争中なのです。それだけ、戦争というものが氏の幼児体験、その後の人格形成に大きな影響を及ぼした、ということでしょう。

主人公の眞人は、おそらくかなりの部分は宮崎自身の投影です。主人公は戦争末期(1945年でしょう)の舞台で国民学校(小学校)の5年か6年生なので、敗戦時4歳の宮崎より7~8歳年長に設定されていますが、父親が飛行機の部品工場の経営者の裕福な暮らし、というあたりが明らかにそれを感じさせます。
ということは、舞台となった疎開先(経営する工場のすぐ近く)は、実際に宮崎が疎開していた宇都宮か、その近辺をイメージしているのでしょう。

そして、冒頭で3月10日の東京空襲(もちろん、他の日の空襲だったかもしれませんが)に遭遇し、母の入院中の病院も燃えて母を失うあたりの描写は、宮崎の脳裏に深く刻みつけられた、戦争への恐怖なのだと思います。実際の宮崎は、東京ではなく、疎開先の宇都宮で空襲に遭遇したそうですが。

ただ、疎開先で父の後妻、つまり眞人の義母となる夏子(亡くなった母の妹)が既に妊娠しているのは、なかなかすごい設定だと思いましたけどね。空襲から2~3か月後に疎開したとして、このお父ちゃん、奥さんが生きているうちにその妹と・・・・・・いや、そこは深く追求してはいけないか(笑)

この作品では、過去の自身の作品や他人のいろいろな作品の影響がかなり強く見て取れます。
暴投の空襲の場面は高畑勲が監督した「火垂るの墓」の影響は明らかですし、疎開先の塔から入り込んだ異世界の情景は、息子である宮崎吾郎監督の「ゲド戦記」の類似性を感じます。その他、全体の雰囲気は「ハウルの動く城」に通じるし、異世界に紛れ込んでしまう展開は「千と千尋の神隠し」に類似します。
細かいことを言い出せば、「ワラワラ」は「もののけ姫」の木霊(こだま)を彷彿とさせるし、「大叔父」の服装と襟飾りは「風の谷のナウシカ」の大ババ様と同じだな、とか。
それを悪く言えば「二番煎じ」かもしれませんが、私自身は悪い方向の印象は抱かなかったです。

ちなみに、タイトルの「君たちはどう生きるか」は、ストーリー的にはまったく無関係です。ただ、作品中で、亡くなった母が自分のために残してくれたこの本を読む場面がある、というだけです。
映画を見終わって、「君たち」(映画を見た私たち)がどう生きるべきか、そのメッセージが分かりやすく伝わっては来なかったのは確かです。でも、分かりやすいメッセージは、簡単に伝わりはするかもしれないけれど、簡単に伝わるメッセージで簡単に人の心は動かせない、と思ったのかもしれません。
でも、あえて大胆に推測すれば、塔の中から入って行った異世界はある種21世紀の現代の反映かもしれません。いつバランスを崩すかもわからない、危うい積木細工が1日崩れなければ、その日1日この世界は崩れない、という描写からは、そんな気がしました。
そして、たとえ運命に抗えなくても、いつ崩壊するか分からない不安定な世界の中でも、能動的に生きていこう、というようなことなのかな、と思います。
まあ、その解釈が正しい保証は一切ありませんが。

一切宣伝をしないスタイルも注目されましたが、封切1周目は観客動員第1位で、興行収入は現時点で74億円(半分が配給収入として37億円)のヒットだそうです。私が見た時は平日日中(お盆休みはすでに終わっていた)だったので空いていましたが。





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最終更新日  2023.08.29 06:44:04
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