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朝、テントから這い出すと、目の前に大崎下島の美しい風景が広がっている。 青い空、きれいな海、それを背景に映える山、いつ見てもいい景色だなあ。***昨日の夕方、浜でビールを飲んでいると、近くの施設に大勢で泊りに来たというグループの中の一人の方が、酔い醒ましがてら夕涼みにやってきた。『ここで何してるんですか?』 『シーカヤックで漕いで来て、この浜でキャンプしているんです』 『へー、シーカヤックですか! うちの職場でも、シーカヤックを楽しんでいる人が居て、新居浜から松山まで漕いだりしていると言ってましたよ』その方は、岡村島は20年振りの訪問であるとの事。 また、松山で造船関係の仕事をしておられる事から、私が瀬戸内横断の東側ゴールとした兵庫県の家島のことも良くご存知で、共通の話題で盛り上がった。また、昼間にフェリー乗り場で聞いた、9月から今治と岡村島を結ぶフェリー航路から一社が撤退し、フェリーが一日3便に減る事も話題になった。 先日訪れた、山口県の佐合島や馬島でも、定期船が統合されるという話しがあるようだ。瀬戸内の島は、これからどう変わっていくのだろうか?***朝食を済ませ、飲み物の買い出しも兼ねて、町まで散歩に出掛ける。途中、昨日知り合った地元の漁師さんが日陰に座っていた。『おはようございます』 『おお、いつまで居るんや?』 『今日の昼前には帰ろうと思ってます』 『まあ、こっちに座れえや』『今日は漁ですか?』 『いやいや、フネの底の掃除。 日曜日やから、まあゆっくりやろうと思うとる』島の狭い路地。 塀の前の板の上に、おじさんの横に腰掛け、今日もいろんな話しを聞かせてもらう。水中土木工事の仕事で五島列島や名古屋にも出掛けた事。 魚島の話し。昔はセメント工場で賑やかだったと言う、大下島、小大下島の話し。 今では数十人しか住んでいないが、工場があったころは、大勢の人が住んで活気があり、大下島の人らは儲けた金で米を食べて、岡村島では麦を食べていたという。***船の寿命は30年位で、エンジンなどの機関は10年位で交換すること。船の値段、エンジンの値段! へー、そんなに高いのか。 おじさん曰く、『まあ、家は何もしてくれんけど、船は金を儲けてくれるから』『観音崎は潮が速いですよねえ。 いつみても流れてるし、大潮の時は見ているだけでコワイくらい』 『あそこは、動力船でも避ける事がある。 流れがきつい時は、島の反対側をぐるっと回って行くんじゃ』 『動力船でもそうなんですか』潜り漁だけではなく、建網漁もするそうだ。 『五月頃なら、魚がたくさん採れるんじゃがのお。 鯛やヒラメや』その建網の値段も、上を見ればキリがないそうだ。 これまた値段を聞いてビックリ。『何が違うんですか?』 『そりゃあ同じ網でも構造が違う。 複雑になって、少しでも多くの魚が採れるようになっとるんじゃ』小一時間も話し込んだろうか。『いろいろとありがとうございました。 そろそろ浜に帰ります』 『もう一日泊ってったらええのに』『本当に良い島ですねえ、また遊びに来てええですか?』 『もちろんええよ、いつでも来い。 ワシはここらにおるから』***荷物を片付け、シーカヤックにパッキングし、海に漕ぎ出す。今日は、状況に変化がないかのチェックも兼ねて、北側を漕ぎ抜けるルートで戻る事にした。 少し距離は長くなるが、蒲刈と豊島との間の海峡を抜けるとき、ちょうど潮止まりになるからちょうど良いだろう。穏やかな海を、ペタリペタリとのんびりまったり進んで行く。 気になるのは、この辺であまり見なかった大型クラゲがたくさんいたこと。 傘の直径で、40~50センチ程あるだろうか。帰って調べてみると、おそらく『ヒゼンクラゲ』ではないかと思われる。 やっぱり、なんか海が変わってきているのかなあ。大崎下島を越え、豊島を過ぎて、蒲刈との間の海峡は、予定通り潮止まりの時間に越える事ができた。 ここは、時間を間違えるとハラハラドキドキの海峡横断になるのだ。蒲刈に戻ると、さすがに暑い日曜日の昼間ということで、そこそこの海水浴客が来ている。浜の隅っこに静かにフネを揚げた。*カヤックフェスタここ蒲刈島では、来月9月24日に、 2006瀬戸内カヤックフェスタin呉かまがり 、が開催される。 この美しい島と海が、大勢のシーカヤッカーで賑わうといいな。***様々な出会いのあった岡村島キャンプツーリング。 『あるくみるきく』 これぞ、旅するシーカヤックの神髄である。漕いでてよかった!
August 28, 2006
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合併で愛媛県今治市となった岡村島。 きれいな浜と静かな島の雰囲気が好きで、年に何度かキャンプツーリングに出掛ける島である。8月最後の週末。 お盆休みも過ぎたので、そろそろ海水浴場から出艇できる頃だろうと踏んで、久し振りに岡村島に出掛ける事に決めた。蒲刈のいつもの浜から出発。 晴天、微風、絶好のツーリング日和である。 コンディションが良いので、豊島、大崎下島の南側を通るルートを選択。順調に漕ぎ進み、2時間ほどで岡村島に到着。 今日は、ゆっくりするぞー。***いつものように、フネを揚げ、荷物を降ろし、テントを張る。11時半。 昼ご飯の買い出しのため、いつものスーパーに向かう。右手に漁港、フェリーの桟橋を眺めながら、島の道を歩いて行く。 太陽はギラギラ照りつけているが、ほとんど人通りもなく、静かな島の時間。スーパーで、弁当、ビール、飲み物を買い、来た道を戻る。途中で、『おお、どこまでいくんじゃ?』と声を掛けられた。 『こんにちは。 海水浴場にテントを張ってるんです。 今日は、蒲刈からカヌーを漕いで来たんですよ』そのおじさんは、日に焼けた上半身、下はウエットパンツ。 どこから見ても漁師だ。『カヌーか、そういやあ、あんたは時々来よるよのう』 『そうなんです、この島が気に入って、年に何度かキャンプしに来るんです』『今年は見掛けんなあと思いよったんじゃ』 『今年は風が強い日が多かったでしょう、週末には雨が降ったりして、なかなか来れんかったんですよ』***『まあ、座れえや』の言葉に甘え、おじさんの横に陣取る。 『今から仕事ですか?』 『いやあ、船の底を掃除しようと思うて、フネを揚げたとこじゃ。 まだ満潮じゃけえ、潮が引くまでゆっくりしようとおもうとる』『じゃあ、ビール飲みますか?』 『あんたが買うたのにええんか』 『どうぞどうぞ!』という訳で、缶ビールを『プシュッ』と開け、飲みながら話しを聞かせていただいた。『そういやあ、去年かその前か、祝島から小豆島までカヌーで行くゆう人らが何人か来たぞ』 『あー、それは2年前ですね。 その時の話しは聞いてますよ。 あのとき私は、祝島から蒲刈まで漕いで、蒲刈で揚がったんです』なんと、瀬戸内カヤック横断隊ともつながりのある人であった! これも縁だなあ。***水中土木工事の会社を兄弟でやっていること。 水中土木の工事が少ない時は、漁師をやっていること。 最近は公共工事が減って、漁師の仕事が主である事。潜り漁では、アワビ、サザエなどを採っている事。 おじさんが、笑いながら言う。 『でもワシは、あんまりサザエは好きじゃないんじゃ。 人が残したらもったいないから食べるけどの。 アワビは好きじゃが』最近は、漁獲高が減っており、卸しの単価も下がっているらしい。 神戸の地震前ころまではたくさん採れて、三日で50万程になったこともあるそうだ。『若い頃は、水中土木の仕事で沖縄にも行った事がある。 まだ海洋博の前のころ』 『どうでしたか?』 『金がないのに、怪し気な店に飲みに連れて行ってもろうたわ。 表にも裏にもボディーガードが立っとって、逃げられんように見張っとったが、大丈夫じゃった。 沖縄は人情がええわ』『岡村島は、昔から漁師さんが多かったんですか?』 『昔はみかんが良かったんじゃ。 みかん農家を手伝う人の日当が400円位の時に、みかん一箱が700円くらいしよったからのお』 『えー、日当よりみかん一箱の方が高かったんですか!』『隣の島と橋でつながってどうでしたか?』 『ええことはないの。 フネはイタズラされるようになったし』『それに、橋がつながると、離島振興法が適用されんようになるんじゃ』宮本常一が尽力したと言う、離島振興法。 島に住んでいる人から初めて聞いたその言葉。 やはり、島の人々はその恩恵を受けていたのである。 知らなかった。決して饒舌ではないのだが、多くの引き出しをもっている人である。 訥々とではあるが、ニコニコと楽しそうに興味深い話しを聞かせてくれる。 静かな島の、充実した楽しい一時。あるくみるきくこれでいっそう、岡村島の事が好きになった。***おじさんに挨拶して、浜の上にある寺に向かう。 ここは、日陰もあって風通しも良い、お気に入りの書斎である。まずはお参りして、しばし場所をお借りすることにした。板の上に座り、弁当を食べる。食後は、床の上にゴロリと寝転び、本を開く。 今日は、『どくろ杯_金子光晴』 凄い人生観や生き方もあるなあ。 とてもまねできない。***夕方、日が暮れて行くのを眺めながら、浜で食事を摂り、ビールを飲む。 美味い。一人の漁師さんと知り合い、様々な話しを聞かせていただく事ができた。 充実した一日。旅はやはり、『あるくみるきく』だなあ。
August 27, 2006
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1982年。 私がカヤックを漕ぎ始める10年前の、日本のカヌー事情を伺い知る事のできる貴重な資料を入手した。先週末、台風の影響で予定が大幅に変更になったお盆休みの後半は、まず土曜日の夜にはダイドックやその仲間達との飲み会。 日曜日には、そのままいっしょにダイドックに泊った、シーカヤック仲間であるエクストリームNさんとともに、大島にある、『周防大島文化交流センター』を訪ねた。ここは、宮本常一の名前こそ冠されていないものの、宮本常一資料館といってもよい資料館であり、なぜだかブームが来つつ有ると言う宮本常一ファンにとって、一度は訪れたい場所の一つである。***この文化交流センターには、私自身は妻とドライブがてら訪れた事がある。 でも今回は、ワクワク/ドキドキするような、新たな発見があった。それは、資料館の奥にある書棚。 以前訪れた時には、それほど惹かれなかった場所である。エクストリームNさんがスタスタと書棚のところに行き、本のチェックを始めた。 本が好きな私も、その後から続くように、本の背表紙を確認して行く。***そのとき、『おー!』という声。 珍しい雑誌が見つかった。 それは、『あるくみるきく』昭和の時代に、宮本常一が所長を務めていたと言う『日本観光文化研究所』が、編集/発行していた雑誌である。40~50ページほどの薄っぺらい雑誌であるが、毎号異なるテーマを選んで特集が組んである。 こんな雑誌は、初めて見た。いろいろ捜していると、登山の特集号があり、とうとうカヌーの特集号まで見つける事ができた!!!カヌー特集の発行が、1982年。 私がカヤックを始める10年前。始めた頃でさえ、国内に専門誌はなく、入門者向けのムック本が数冊出版されていた程度。 フネの種類も少なく、F社のファルトボートが主流だった時代である。そのさらに10年前の、日本のカヌー事情を知る事ができる貴重な資料の発見に、興奮して鼻息が荒くなり、目が輝き、手と心が震えるのを抑える事ができなかった。その後も、宮本常一著/編の興味深い本が、次から次へと見つかって、テンションは上がるばかり。 一通りチェックを終わると、アドレナリンが出まくって、心底疲れ果てていた。うーん、こんな凄い資料が埋もれているなんて。***帰り際に、学芸員の方に聞いてみたが、『あるくみるきく』は流通経路が限られていたため発行部数も少なく、今では古本で出回る事もほとんどないとの事。 この文化交流センターでさえ、全てが揃っていないので捜しているらしい。 残念。欲しかった他の本も、帰って調べてみると絶版になっていた。***それでも、珍しい雑誌を捜すと言う新たな楽しみを手に入れ、なんとか探し出し、今日ようやく手に入れる事ができたのは、ラッキー!である***↑ Photo by Extream-N-san以下、抜粋。『背負っていたみょうちくりんなリュックサックから出てきたのは木の棒と布袋だ。あれよあれよというまに、それがふねになった。今度は人がそれに乗る番だ』『私は、職業柄比較的確実に日曜日を休む事ができるが、週日は帰宅が遅い事からカヌーを楽しむにも制約が多い』『佐渡島から約六十キロを、十二時間かけて到着した時に見たものだ』まだまだ週休二日にはなっていないころ、カヌーツーリングを楽しむのは一苦労だったようである。 また、一部の人は、ファルトボートで海峡横断にチャレンジしていたという事も知る事ができた。 まだ、シーカヤックという言葉が一般化していない頃の話しである。『また、少しでも多くファルトボートに資金をつぎ込むため、昼飯は弁当持参で、外で酒を飲むことも少ない。職場でのつきあいをかなり犠牲にしてカヌーに時間と金をつぎ込んでいることになる。時々、組織の中でこんなことで良いのだろうかと不安になる事もあるが、こういう変わった、逆回転する人間も大きな歯車の一部には必要なのだと自分に言い聞かせている』うーん、時代は変わっても、その不思議な魔力にはまってしまったカヤッカーの特性は変わらないのだなあ。***台風の影響で、漕ぐ事ができなかったお盆休みの後半であったが、そのおかげで、貴重な資料に出会うことができ、運良く手に入れる事ができた。これでまた一つ、夜にお酒を飲みつつ読む本の楽しみが増えた。
August 23, 2006
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二日目の朝。 今日は、まず神戸市内を散策する予定なので、ホテルでゆっくりと朝食を摂り、部屋でガイドブックを眺めて予定を立てる。***10時前にホテルを出ると、まずは元町、南京町へ。南京町の入り口にある門のところで、若いカップルに『シャッター押してもらえませんかー』と声を掛けられ、写真を撮ってあげる。 うーん、若いカップルで夏休みに神戸に旅行かあ、楽しそうだなあ。通りを散策し、有名らしい店の肉饅を頬張り、揚げたての神戸コロッケを楽しむ。 が、アッと言う間に通りは終わった。 ここは、横浜の中華街に比べると規模は小さいようだ。その後は元町で、留守番している息子達へのお土産を仕入れる。 ゴーフルに、浅草の『芋ようかん』が大好物という長男リクエストの、本高砂屋の『きんつば』(これはおいしい。長男に言わせると、皮が違うそうだ!)駐車場からクルマを出すと、北野へ。 ここでは、有名だと言うチーズケーキを購入(家に帰って食べたが、これもなかなかおいしかった!)。***その後は、表六甲ドライブウエイを登り、六甲山の展望台へ。少し霞んではいるが、神戸の街、大坂の街、そして紀伊半島がうっすらと見える。 夜景はきれいだろうなあ。ここでも、若いカップルに写真を取ってくれないか? と頼まれた。 渡されたのは、写ルンです。 いつものクセで、カメラを顔の少し前に持って来て、画像を確認しながらシャッターを押そうとしたが、もちろん『写ルンです』にはそんな液晶画面はない!おー、そうかそうか、と思いながら、久し振りにファインダーに目をあて、直接二人を見ながら、『じゃあ、写しますよー、いち、にの、さん』 妻と、今日はよくシャッターを押してくれと頼まれる日だねえ、と話す。それにしてもいいなあ、たっぷりと思い出に残る旅を楽しんで下さい。***芦有ドライブウエイを経由して、有馬温泉に向かう。この芦有ドライブウエイが、なんとも快適なワインディング。 ライトウエイトスポーツの楽しさが味わえる道だ。有馬温泉では、温泉街から離れた丘の上の駐車場にクルマを停め、歩いて温泉街へ。真夏の日差しに炙られ、汗を流しながら歩いて行く。目指すは、金の湯。 日帰りで入る事のできる公衆浴場である。初めて入る有馬温泉。浴場の扉を開けて驚いた。 赤褐色のお湯。 こんな色のお湯は見た事がない。露天風呂がない、休憩する場所が狭い、人が多いなど、欲を言えばきりがないが、料金も高くなく、お湯の質も良いので、来た甲斐はあったというものだ。休憩所では、火照った体を冷やしながら、ここの名物の一つで有ると言う、有馬サイダーを飲んだ。いつも山や海ばかりだが、たまには街の散策も良いものだ。今度行く時は、涼しい季節に六甲からの夜景を楽しみたいなあ。 そして、お金を貯めて、高級な神戸牛も食べたい!***今回の旅でも、息子達に留守番を任せた。彼らは彼らで、親が居ない自由な時間を楽しんだとともに、買い物や洗濯、夕食のメニューを考えたり、料理したりと、これから生活して行く上で必要な経験を積むことができる機会だったと思う。二人がしっかりと留守番してくれたおかげで、楽しい旅を楽しむ事ができたよ。 ありがとう。
August 14, 2006
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お盆休み。 一泊二日で神戸、六甲&有馬温泉にドライブに出掛けた。私が行き先を決めると人の少ない静かな海や山になってしまうので、今回は妻の意向を優先し、行き先を決定。***子供二人に留守をまかせ、妻と二人で神戸に向かう。 こんなときの相棒は、もちろんロードスター。 高速道路は渋滞もなく、快適に東へと進んで行く。高速道路を降り、裏六甲ドライブウエイへ。道は狭いが適度な登りのワインディングを、パワーこそないが車重が軽くてステアリングの反応がリニアなロードスターで、ヒラリヒラリと駆け抜けるのは気持ち良い。まずは六甲山牧場へ。 残念ながら霞がかかって神戸の景色は見えないが、さすがに山の上だけあって、涼しい風が心地良い。***山から降りて、神戸の街に向かう。楽しみにしていた表六甲ドライブウエイは、勾配がきつく、交通量も多いので、快適なワインディングロードといった感じではなかった。 残念。異人館街のある北野にクルマを停め、異人館めぐり。 私は異人館に行った事もないし、関心もあまりなかったのだが、神戸観光の定番という事で一度は見てみても悪くないかなと思い、歩いてみることにした。まずは、うろこの家。 洒落た建物だし、部屋も落ち着いて良い感じ。 これで、人が少なく、涼しければ、言う事はないのだが。その後も、いくつかの館を巡る。その中で偶然見つけたのが、カヤックの描かれたプレート! 1906年のカヌーチャンピオンシップと書いてある。面白いのは、短いシングルブレードのパドルを、それぞれ両手で持ってパドリングしていること! 昔は、こんなパドリングスタイルだったのだろうか? また、コーミングが木のフレーム組みのように見える。 これって、木製カヤック、それとも布を張ったファルトボート?このリバーカヤックを描いたプレートの周囲には、乗馬、ラグビー、バックカントリースキーのプレートもある。 住人は、こんなスポーツを楽しんでいた人だったのだろうか。もう一つ、私の目を惹いたのは、書棚の本。その人がどんな人なのかを知るには、本棚に並んでいる本を見るのが一番であると言う人もいるくらいだ。 空想小説、ミステリーから自然図鑑などなど。 手に取ってページを捲って見る事ができないのは残念だが、その背表紙を眺めているだけで楽しいものだ。ふーん。 それにしても、壁に掛かっていたカヤックのプレートといい、書棚に並んだ本のバリエーションといい、この館の主人と会えば友達になれそうな気がした。***そんなこんなで、予想外のうれしい発見もあった異人館めぐりを終え、ホテルへと向かう。 あまりの暑さにバテ気味のため、夕方になるまでホテルで一休み。このホテルは、楽天トラベルで2日前に見つけたものだが、部屋もきれいで浴室も広く、従業員の対応も気持ち良い。 料金もリーズナブルで、どうやら良いホテルを選んだようだ。***夕方からは、メリケンパークへ。公園を散策し、モザイクガーデンを巡り、行き交う遊覧船を眺め、ポートタワーに登り、港の景色を楽しむ。夜は、ホテルのレストランで食事。食事を楽しんだ後は、ポートライナーで神戸空港へ。 展望デッキからは、期待していた神戸の夜景は見る事ができなかったが、飛び立つ飛行機を眺めつつ、夕涼み。***明日は、神戸市内の散策と、六甲そして有馬温泉の予定。 初めての有馬温泉、どんなお湯なのか楽しみだなあ。
August 13, 2006
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刎島キャンプの夜。 夜中に目が覚めた。 しばらく眠れそうにないので、ヘッドランプを点け、本の続を読む。 次男は横で静かに眠っている。本は、最近シーカヤックキャンプツーリングに持ち出している『西部戦線異常なし』前にいつ読んだか覚えていないのだが、読み返してみるととても読み応えがあり、感銘を受け、引き込まれてしまうことに驚いた。本との出会いは正に縁だ。 同じ本を読んでも、年齢や、それまでの人生経験、その時の価値観や気分などによって、軽く通り過ぎて行き、読んだ事さえ忘れてしまう場合もあれば、心に深く響き、その後の価値観に大きな影響を及ぼす場合も少なくない。同じ本を、時間をおいて(それも数年、十年単位で)読み返す事の価値は、そんなところにもあるのではないだろうか。***シーカヤックの旅。 今回もキャンプツーリングである。今の私にとって、『シーカヤックの旅』とは基本的にキャンプツーリングの事だ。もちろん日帰りで海に漕ぎ出す事もたまにはあるが、それは天候に恵まれなかったり、休日の一日に用事がある場合。 基本的に、日帰りのパドリングには積極的に出掛ける気がしないのが正直なところ(でも実は、夜の浜でおいしいお酒が飲めない事も、その主要因の一つであったりもするのだが)。日帰りでのパドリングと、どこかの島に渡り、そこでテントに泊って二日間あるいはそれ以上の旅をした時の楽しさや経験の深さは比べ物にならないと個人的には感じている。 日帰りパドリングで、深く思い出に残っているものは......、うーん、ほとんど思い出せない。何度出掛けても、たとえそれが同じ島であろうとも、移り変わる天候や海の状況を考慮してどこで泊るか/泊らないかを判断し、その旅の過程や無人の浜の夜にどんな事が待ち受けているのかという不安と希望にワクワクする。テントを張り、道具を片付け、食事の準備をし、酒を飲み、本を読む。 そう、縁あってたどり着いたその島で、必要最低限ではあるが、とても人間的な生活をする。独り静かに焚き火を眺め、酒を飲み、星空を眺め、モノを想い、そして何をも想わない。 思い出に浸り、時には古キズを思い出してはホロリとし、そしてそれを酒といっしょに流し込み、家族を想い、将来に想いを馳せる。布一枚で隔てられた空間で、自分の小ささと無力さを感じながら過ごす一夜。シーカヤックの旅ならではの、このような貴重な時間を私は大切にしたい。 また今回のように、そのような時間を家族で共有できることをとてもうれしく思う。私にとって、シーカヤックとは旅であり、また人生を味わい楽しむ大切な要素の一つである。***朝。 日が昇るとテントの中は途端に暑くなって来た。 ああ、やっぱり夏のキャンプツーリングなんだと実感する。朝食を食べると、すぐに着替えて海に入る。あー、気持ちいい。 PFDを着て体を波にまかせ、汗ばみ火照った体を海水で冷やす。『おーい、気持ちいいぞ! 着替えてお前も来いよー』ひと泳ぎした後は、私は片付けの準備。 次男は本を開く。 彼が今回のツーリングに持って来た本は、先日私が本棚を整理した時に出て来た、中学高校の頃に読んだ本の内の一冊だ。もう、かれこれ30年位前の本なのだが、捨てる事なく本棚の奥に保管していた甲斐もあったというものだろう。このようにして、私が少年時代に読んだまさに同じ本を、一緒に漕いで来て泊った島で彼が再び読んでくれている。 更には、同じ旅をパートナーとして経験し、思い出を共有できるという事は、私にとって言い表せないくらいとても素晴らしい事だ。***二人とも、昨日の遊び疲れもあって、予定より早く帰ることにした。 さすがに真夏の海で魚を追いかけて一日中遊ぶのは、結構体力を使うらしい。 とはいえ、たっぷりと遊んで充分満足!夏休みの週末。 本当に楽しく、充実した休日だった。いつか昔のように、家族4人でキャンプツーリングに行けるといいなあ。
August 6, 2006
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夏休みに入った次男、いつもクラブ活動で忙しいのだが、今週末は珍しく土日とも予定が空いていると言うので、『久し振りにシーカヤックで無人島に行ってキャンプしよう!』と誘い出した。彼らが小学生の頃までは、タンデム2艇を使って家族4人で、あるいは子供と二人で、時には三人で、瀬戸内海、日本海、錦川、江の川、四万十川などでキャンプツーリングを楽しんでいた。 でも、中学生、高校生となるにつれてクラブ活動が忙しくなり、最近はなかなか一緒に出掛ける事ができないのが正直寂しい。次男と最後にシーカヤックを漕いだのは、彼が小学校を卒業した春休みに出掛けた沖縄/ケラマ以来である。子供と一緒に無人島で夏休み。 楽しみだ!***目的地は、山口県の刎島。 先週のシーカヤックソロキャンプツーリングの時、次回のキャンプ候補地として目を付けていた。 まあ刎島の場合、無人島とはいえ干潮時には馬島と陸続きになるし、地方(じかた/本土)から漕いでも30分程度なので、のんびりお気楽ツーリングである。暑い夏は、漕ぐのは少しだけ。 シーカヤックで静かな無人の浜に渡り、海遊びをたっぷりと楽しむのが一番!***久し振りに、タンデム艇/シースケープ_ポイント5を引っ張り出した。私よりも背が高くなった次男は毎日筋トレを欠かさない。 そのためかパワーもついてきたようで、私が手を抜いてもグイグイと進んで行く。 ケラマ以来1年半振りにしては、なかなか良い感じのパドリング。『そんな頑張らんでもええよ。 もう少しペースを落とそうか。 どうせ近いんだから、のんびりと行こう!』***刎島に着くと、早速荷物を揚げ、テントを張る。 今日も、MSRのメッシュテント。 背が高くなったとはいえ、細身な彼と二人ならなんとか行けるだろう。 ビーチパラソルも準備して、なんちゃってプライベートビーチでのリゾート気分!あまりの暑さに、海に飛び込み体を冷やす。 透明な水、適度な水温、無人の浜、瀬戸内の景色。 あー楽園だ、気持ちいい。しばらく海で遊んだ後は、干潮で陸続きになっているうちに、馬島探検に出掛けた。私はなんどか来た事があるのだが、次男は始めてなので案内する事に。 細い道を抜け、馬島の海水浴場へ。 団体客もいて、浜はなかなか賑やかである。そのまま歩いて、キャンプ場へ。ここのコテージも満員のようだ。 グループで遊びに来ている人達が、ビール片手にバーベキューを楽しんでいる。うーん、やっぱり私は静かな刎島がいいなあ。売店で、彼はアイスクリームを、私は缶ビールを買い、しばし休憩。***私たちの『なんちゃってプライベートビーチ』に戻り、昼食を摂る。昼からは、水中メガネと足ヒレを付け、ヤスを持って海へ。 おお、ここは魚が多いなあ。 ベラにサヨリにボラにチヌ。いたいた。 ヤスを構え、後ろから迫って『ビシュッ』 手応えあり!チヌだ! 25cm位だろうか。 いつもはメバルやベラ、たまにタコくらいだから、チヌを仕留めたのを見て次男も嬉しそうだ。 気分は『採ったどーツアー』網に入れて次男に預け、次の獲物を探す。 が、残念ながらなんどか狙っているうちにゴムが外れてしまった。 とはいえ、二人だからこれ一匹で充分だろう。 ビクトリノックスを取り出して処理し、クーラーバッグへ。 夕ご飯のお楽しみだ。***浜に上がって休憩し、暑くなると海に浸かる。 彼は、今年海で泳ぐのはこれが初めてなのでニコニコ、プカプカと嬉しそう。 うーん、まだまだ少年なんだなあ。 うらやましいぞ。***泳ぎ疲れたので、浜に上がり、水を浴び、着替えて日陰に移動。浜にマットを敷き、二人それぞれ持って来た本を読む。 最初はラジオも付けていたのだが、なんだか耳障り。 ラジオを消すと、浜は波の音がかすかに聞こえてくる静かな図書館になった。静かな島の昼下がり。 こんな場所でビールを飲みながら本を開くのは贅沢な時間だなあ。夕食。まずは、チヌ。 25cmくらいあるので、ワッパーコンポに収まりきらない。 それでは、ということで三枚におろし、身だけをオリーブオイルとクレージーソルトでムニエル風に。『好い匂いがするねえ』と次男。 『お先にどうぞ』 『美味いよー』 うーん、身がプリプリしている。 ビールをグビリ。 最高だ。チヌのムニエル風の前菜が終わると、次はホットサンド。 彼には初めて振る舞うメニュー。バター、パン、チーズ、ベーコン、ツナ缶、マヨネーズ、粒マスタード。 チーズが溶け出し、香ばしい匂いが漂ってくる。 『どう?』 『ウマいうまい』 よかったあ。夕方になると潮が満ち、馬島との間の狭い海峡は海水で満たされ、再び無人島に戻った。『今日はどうだった?』 『うん、楽しかったよ!』 『たまにはシーカヤックで無人島キャンプもいいもんだろう?』小さな島の静かな夕暮れ。 ビール、ワイン、波の音、そして夕焼け。***夜になるとテントに潜り込み、狭いテントの中でそれぞれヘッドランプを点けて本を読む。 『どう、その本面白い?』 『うん、なかなか面白いよ』 刎島の夜は静かに更けていく。ああ、本当に楽しい一日だった。 一緒に来てくれてありがとう、お父さんはうれしいよ。
August 5, 2006
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