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クリスチャンの国では、クリスマスはイエス・キリストの生誕を祝うのですから、当然特別な行事です。
ですから、クリスマスに向けては、いろいろな所でいろいろなクリスマスの特別な行事などが催されています。
特にドイツやオーストリアにおいては、11月も末になれば、クリスマスのオーナメントなどを売る特別な市が街の広場に現れ、人で賑わい、その為に飲食店の屋台もたくさん出来ます。
ハイデルベルクなどは、広場にメリーゴーランドまで現れて、子供達を退屈からしのがせてくれます。本当に この季節のドイツやオーストリアの街はどこも、いつにない華やかさと活気に満ちているのです
今回紹介するのはオーストリアのシュタイヤー市(Steyr)
西に少し行ったところにある 、「幼子イエス」という意味を持つのクリストキンドル(Christkindl)という村のクリスマス限定記念スタンプの話
ですが・・・。
その前に郵便ポストの話も予定外に入ってしまいました・・・。(横道にそれたのです)
オーストリア共和国(Republic of Austria)
シュタイヤー(Steyr)市クリストキンドル(Christkindl)村
シュタイヤーのクリスマス限定郵便局
このクリストキンドル村では、毎年世界各国から大量のクリスマスカードや手紙が送られ、ここを経由して、再び宛先人の所に運ばれるのです
。
1950年には、42000通だった手紙は 最近200万通を越す
程となり、ここの特別スタンプを処理する為に クリスマスから年始に臨時郵便局が開設
されるほどの人気となっています。
なぜここに手紙が集まるのか・・・それは、クリスマス限定のオリジナル切手とイヤー・スタンプを押してくれるからです。(
もちろんそんな事だけではありません。)
そもそもスタンプの発行には、 この村の奇跡の伝説と巡礼の話があ
る
からです。
スタンプは、そこらへんのスタンプではなく、 とてもありがたいお札のようなスタンプ
となっているのです
臨時郵便局は毎年、その奇跡の話にまつわる教会にあやかり、その教会裏のホテルを間借りして開設されています。(それには歴史があります。)
ホテル・クリストキンドルビルト (Christkinluvirt)
いわゆる、ポスト・ホテルに認定されたようです。(毎年ここで借りてる。)
ポスト・ホテルは 駅馬車が昔、手紙を配達していた時代の駅馬車のストップする旅籠(はたご)
を指しています。
ラテン語の動詞ポネーレ(Ponere・置く)の過去分詞からきた ポスト(Post)は、もともとは、駅馬車がストップする停留所の位地を示す指す言葉
だったようです。
それがいつしか 場所そのものを「Post」と呼び、今は手紙の投函受けを指すようになりました。
ポスト・ホテルは、街の中心近くの大きな旅籠が選ばたので、おのずと「街一番のホテル」と認定されたようなもので、ホテルにとっては名誉な事のようです。
黄色の箱は臨時ポスト・・・郵便局は1階入口すぐ左手。
本題からそれますが・・・。
元祖、郵便配達・・・なぜポストは黄色いか
以前、7月に「馬車と駅馬車」を紹介した時に 、「定期便の駅馬車に手紙を一緒に運ばせたのが郵便事業であり、郵便車なのです。
」と言う話をしましたが、今回はその続きです。
通信が未発達で、印刷物が高価だった時代に、庶民が旅をする為に利用していた定期路線の辻馬車に手紙を運ば
せた
のは、良い思いつきでした。
いわゆる飛脚と言うのはもちろんあったのだそうですが、王侯貴族や豪商しか使えない高価な手段だったからです。
「商売になる」と最初に思いついたのは 神聖ローマ帝国の臣民のデ・タシスだそうです。
マクシミリアン皇帝の許可の元、商業ベースでの駅馬車郵便事業を立ち上
げ
たようです。
(考えれば今の 宅配屋のメール便
です。)
神聖ローマ帝国内、南はイタリア、北はドイツ各地を広範囲に網羅して、 公用郵便をタダで運送する代わりに、民間郵便の独占権を認めてもらう契約
だったそうです。
( 時は1516年、その時代に・・・・すばらしい商魂です
)
デ・タシスは御者に華やかな制服を与え、馬車は全車美しい黄色に塗って走らせた
そうです。
鮮やかな馬車は宣伝効果も満点で、 片手間の辻馬車メールから定期便の配達馬車に変え、さらに、旅籠止めのメールを地元の飛脚に顧客まで配達させた
と
言うことです。
(現代の郵便事業そのものの基礎を作った人のようです。一時はヨーロッパ大陸独占だったそうですが、18世紀になると各国が国営化。)
「黄色い馬車=郵便」 のイメージは強く、ヨーロッパのほとんどの国のポストは黄色なのだそうです。
そして、御者が馬車の到来を告げる為に鳴らさせた 角笛は、今も郵便のシンボル
になっています。
一般の郵便箱はたいてい壁に張り付いている。
投函口のある側
正面上の印は角笛をロゴ化した郵便マーク
完璧に横道にそれましたが・・・・
話は戻って、クリストキンドルのホテル内特別郵便局です。
ガラスのショーケースは、切手の他に、人形などあり、「一緒に送りませんか? 」と言うクリスマス・ギフトです。
受付のお姉さん・・お兄さんやおじさんの日も・・・。窓口は2箇所。
今年のロゴはポストに出ていました。
今年のスタンプ
モミの木の下の幼児キリスト・・・11月20日~12月26日まで。
馬小屋のキリストへの3博士の礼拝・・・12月27日~1月6日まで。
2009年(今年)の切手とスタンプ、ハガキ
2008年(昨年)の切手とスタンプ、ハガキ
この村の奇跡の伝説と巡礼の話は次回につづく。
尚、郵便事業のルーツについて2015年詳しく書いています。
「欧州のポスト 1 郵便事業のルーツと黄色いポストの由来」
リンク 欧州のポスト 1 郵便事業のルーツと黄色いポストの由来
「欧州のポスト2 赤色-ポストの誕生と緑のポスト」
リンク 欧州のポスト2 赤色-ポストの誕生と緑のポスト
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