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今週読んだ本の中から三冊。 沼田真『植物たちの生』岩波新書、1972年。五章からなる本。第四章「植物たちのせりあいと遷移」、第五章「植物と人間」がとくに面白い。「ケンタッキー・ブルーグラス(ナガハグサ)」が外来種だとは知らなかった。小学生のときに自由研究で家のまわりの植物を調べたが、ナガハグサとニワホコリの識別に苦労したことを思い出した。 辻井達一、中須賀常雄、諸喜田茂充『湿原生態系』、講談社ブルーバックス、1994年。北海道の湿原とマングローブ林とを一緒に考えたことがなかった。針葉樹林を背景にした水田は、ヨーロッパの方には驚きらしい。なるほど。 菅原聡『人間にとって森林とは何か』、講談社ブルーバックス、1989年。意欲作だが、ブルーバックス一冊の分量にしては、対象を広げすぎたためか、短絡的に見える箇所がある。今の時代ならやや問題になりそうな記述もみられる。「山村に住む人びとは、生態学ということも知らない」、「林野庁に原生林管理をまかせてもうまくやってもらえると思っている」。
2022年06月26日
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日高敏隆編『水と生命の生態学』、講談社ブルーバックス、2000年。 「生態学琵琶湖賞」の受賞者計18名が御自分の研究を紹介した本。それぞれのかたの、独特なとりくみが興味深い。どの章も、私のような素人にも判るような記述がされている。労作である。
2022年06月19日
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今週読んだ本の中から三冊。 今西錦司『生物の世界』講談社文庫、1972年(原著は1941年刊)。生物学の本である。しかしただ現象を記述しただけのものではなく、著者の哲学を平易な言葉を選んで丁寧に記述してくれたものと言えよう。御自分の考えを押し付けるのではなく、「こう考えた方が無理がない」という論調で読者に語りかける。熟読を要する本だ。 前川文夫『日本人と植物』岩波新書、1973年。実は内容を誤解していた。野生植物が日本人社会に物理的に入り込む(溶け込む)過程を記した本だと思っていたが(根拠はない)、植物の名称に関する一冊であった。記紀、万葉集、源氏物語や、本居宣長、鹿持雅澄、南方熊楠、柳田国男ほかの著述を踏まえての本。『フロラ・ヤポニカ』という本の著者として「チュンベリー(ツンベルグ)」という名前が現われる。かの「ツンベルグ(ツンベルク)管」に名が残る、リンネの弟子。グレタ嬢は親戚(後裔)なのだろうか。 石毛直道『食いしん坊の民俗学』中公文庫、1985年。読みやすいエッセイ。『太陽』ほかに掲載された16篇。空間(土地)と時間(歴史)とを軽やかに行き来する著者により、さまざまな「食」が語られる。
2022年06月12日
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先日の二冊(『植物の進化を探る』、『たねの生いたち』)に続き、植物(学)や食に関わる本をいくつか読んだ。 西田誠『陸上植物の起源と進化』岩波新書、1977年。この一冊も非常に楽しめた。『たねの生いたち』に比べると、読み進めるにはより集中力を要する。想定する読者層が違うのだから当然か。 西岡常一、小原二郎『法隆寺を支えた木』NHKブックス、1978年。法隆寺大工であった西岡氏による章は読み応えがある。続く小原氏(建築学の大学教授)による諸章は、いただけない。必要な記述を欠く一方で、不要な文言も多し。総じて非論理的、非科学的な印象を受ける。例えば、一葉の写真[第33図、p.118]に対して「美しい年輪」というキャプションのみ。木の種類、産地、樹齢等を説明した後に、材料としての特性の記述へと進むべき箇所であるのに、工学者が「美しい」だけで終わってしまうとは、理解に苦しむ。 中尾佐助『栽培植物と農耕の起源』岩波新書、1966年。中尾佐助『料理の起源』NHKブックス、1972年。これらは再読。二冊とも、現地で現物を見た後に著わす、という姿勢が徹底された名著(小生ごときが言うのも気が引けるが)。事実の積み重ねから導かれる、新しい視点(解釈)。 石毛直道、鄭大聲(編)『食文化入門』講談社、1995年。世界での「食」に関わる事項を、様々な局面から整理して提示してくれる。決して堅苦しい本ではない。
2022年06月05日
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