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著 者=ピーター・D・ウォード(Peter Ward)訳 者=長野敬、赤松真紀書 名=地球生命は自滅するのか? ガイア仮説からメデア仮説へ原 題=THE MEDEA HYPOTHESIS:Is Life on Earth Ultimately Self-Destructive?発行所=青土社発行年=2010.1評 価=★★☆☆☆ 地球生命は自滅するのか?ジェームズ・ラブロックが著書「ガイアの復讐」で提唱した"母なる地球「ガイア」は生きている"、あるいは「ガイアは生命にとってより好ましい環境にする機能を持つ」または「生命は自ら環境を良くするよう活動する」というガイア仮説に真っ向から反論し、逆に、「生命は自ら環境を悪くする活動を行う」というメデオ仮説を提唱する本である。このメデオ仮説を裏付ける各種証拠を提示し、ひいては、このままでは近い将来(4-5億年後)には生命全体が絶滅するので、今からなんとかしましょう・「イスカンダルからCO2除去装置をもってきましょう」と説く本でもある。ガイア仮説は論外としても、メデオ仮説も個人的にはどうでもいい気はする。なぜならガイア仮説でもメデオ仮説でも、地球環境保護や温暖化防止に対して、すべきことはなにも変わらないし、その設問の答えが何かの具体的な行動の変化に結びつかないからだ。もちろん、制御工学においては、平衡状態での外乱に対し、負のフィードバックを持つ系なのか正のフィードバックを持つ系なのかの特性の把握は大事である。その分析によって制御変数を調整し、システムが発散させずに安定に収束する制御パラメータを設定する必要があるからだ。とはいえ、相手は地球であり空間スケールや評価時間軸をまっとうにシミュレーションできるはずもなく、モデル化はできたとしても、その答えの証明も立証もできないだろう。そういうのは科学ではない。名著「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」と同じ作者とはとても思えない。駄作です。
2011.02.20
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著 者=コリン・タッジ(Colin Tudge)訳 者=柴田裕幸書 名=ザ・リンク ヒトとサルをつなぐ最古の生物の発見原 題=THE LINK Uncovering Our Earliest Ancestor発行所=早川書房発行年=2009.9評 価=★★★☆☆ ザ・リンク本書は、ドイツのメッセル・ピットで発掘されたほぼ完全な全身骨格の化石が、サルやヒトの種に分かれる分化される前の4700万年前の霊長類の特徴をもっており、その発見の経緯やこの化石の大事さ、また霊長類の進化の歴史などを記載した本である。この化石は発見者の娘の愛称をとって「イーダ」と呼ばれているが、イーダそのものの化石の調査・分析結果は、これから解明が待たれるということで、ほどんど全く触れられていない。すなわち、著者がどれだけこの化石の素晴らしさを褒め称えても、その証拠や説得力がないことに最大の問題がある。ただ、これまであまり世に問われてきていなかった、恐竜絶滅後の始新世の環境・気象状況や完璧な化石が見つかり易く世界遺産にも登録されているメッセル・ピットの経緯、ヒトへと至る霊長類の進化の軌跡など「イーダの周辺状況の説明」は、それなりに見るべき興味深い所はあるが、その話題に対しては、他にもっと良い本があるようにも思える。従って、この本やイーダの化石が、「世紀の発見」あるいは霊長類の進化の空白を埋める「ロゼッタストーン」になるかならないかは、しばらくたったあとなのだろう。まあ、中身がないままで本の出版を急いだ典型なのでしょうね。
2011.02.20
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著 者=スティーヴン・オッペンハイマー(Stephen Oppenheimer)訳 者=仲村明子書 名=人類の足跡10万年全史原 題=Out of Eden: the peopling of the world発行所=草思社発行年=2007.9評 価=★★★★★人類の足跡10万年全史現在の人類の遺伝子に記憶された記録として、母方のミトコンドリアDNAがその子供に遺伝情報として組み換えが起こらず世代から世代へ累々と伝達されること(イヴ遺伝子)と、父方のY染色体のDNAの一部がその子供に遺伝情報として累々と伝達されること(アダム遺伝子)、この二つを手掛かりにその突然変異を起こす確率と時間スケールの計測から、現在から過去へさかのぼることによって、現在につながる人類がどこで誕生し、どの道を通って、どのようにして地球全体に拡散したのかを気象学や化石の考古学を考慮することで科学的に明らかにした大作である。この本の結論は、以下のとおり。現生人類(ホモ・サピエンス)は、15万年以上前、アフリカで暮らしていた。8万5千年前、人類の一団がアラビア半島南部からインドに向けて移動(現生人類の全ての非アフリカ人はこの一団の子孫にあたる)。7万5千年前、インドから東南アジアへ進出。6万5千年前、人類はチモールからオーストラリアへ進出。5万2千年前から4万5千年前、インドからヨーロッパに進出。4万年前、パキスタンから北へインダス川をさかのぼり中央アジアへ進出。また、東アジア沿岸の人類がシルクロードに沿って西へ進出。4万年前から2万5千年前、中央アジア人が西のヨーロッパと東のべリンギアへ進出。2万5千年前から2万2千年前、シベリアとアラスカをつなぐベーリング海の陸橋を渡る。1万9千年前から1万5千年前、北アメリカへ進出。1万2千5百年前、南アメリカへ進出。改めて驚くことだが、現生人類は全て「同じただ一つの種」ということだ。逆にいえば、400万年以上前にアフリカで誕生したヒト科の種族は、その子孫として3万年前頃までヨーロッパに存在したネアンデルタール人や東南アジアに存在したホモ・エレクトスを代表として多種多様の種族があったが、現在は現生人類のただ一種しか存在しないことだ。ジャレド・ダイヤモンド「銃・病原菌・鉄」のいう、人の集団に発展と力に不平等が生じるのは、集団ごとに人が生来もっている知性に差があるためではなく、機会が訪れるのが歴史的偶然にまかされているためだという主張が、当てはまる気がしてならない。こでまで、時間レンジの非常に長い地球上の生命の誕生や、逆に時間レンジの短い人類の社会的発展の歴史などの書籍は読んでいたが、人類を対象とした中間レンジの歴史にスポットを当てた本は読んできていないことを改めて知った。もっともっと知ろうと思うし、知らなければならないとも思う。名著でした。
2011.02.11
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著 者=ギャヴィン・プレイター=ピニー(Gavin Pretor-Pinney)訳 者=桃井緑美子書 名=「雲」のコレクターズ・ガイド原 題=THE CLOUD COLLECTOR'S HANDBOOK発行所=河出書房新社発行年=2010.6評 価=★★★☆☆【送料無料】「雲」のコレクターズ・ガイドクラウドウォッチャーである筆者の前作、”「雲」の楽しみ方”には、カラー写真が無かったことから雲の面白さが伝わらないと考えたせいか、本作品はふんだんに雲の種類ごとにカラー写真がつかられており、楽しめて読めた。なにげない日常に、すばらしいコレクターの収集対象が存在することに驚きを禁じ得ない。「やっぱり、雲が好き」って感じかな。
2011.02.11
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