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2026.03.29
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カテゴリ: 坐禅
「永平家訓抄話」澤木興道 1-9

 雪舟が石頭大師の顔を描いたのが今も残っておる。それはカンカン干しの痩せたえらい顔である。行思大和尚の歿後は南嶽の南台へ行かれた。ところがその南寺の東には石台があったので、その石の上に、草菴を建てて住んだということである。それから世の中の人が、石頭和尚と呼ぶようになったといわれている。唐の貞元六年になくなり、今でも塔があって、その銘に見相宝塔とある。いくつでなくなられたかはわからないが、石頭大師というのは、こういう非常に偉いお方であった。その石頭大師の代表的な著作がこの『参同契』である。

 そこで『参同契』には「回互(えご)不回互(ふえご)」とある。回互ということは平等ということである。たとえば夫婦の間は回互しておらんならん。夫婦の間に回互なしでは困る。わたしの知っておる和尚のところで、丘宗潭老師が一泊されて翌朝お立ちになるとき、朝飯を差上げて送り出そうと、和尚はそのつもりでおった。ところが九時になっても十時になっても、細君がいっこう飯の用意をせん。和尚ジリジリして台所へ行って「オイ婆さん、飯は」というと、「飯は私の分だけあったから私が食った」「後は」「もうない」こんな婆さんをもらったら困る。不回互である。かかあはかかあで勝手なことをしておる。あるじはあるじで勝手なことを考えている。そうしてめいめい巾着も別なら生活も別、不回互ぎりならそれは夫婦ではない。それならというて、交替で赤ちゃんにおっぱいをやるとか、飯炊きは一日おきに交替でやるとか、いつもくっついて回互ばかりでもいかん。爺さんは山へ柴刈りに、婆さんは川へ洗濯に、これは不回互の方である。ところが一方では爺さんは婆さんの焚き物を取って来るし、婆さんは爺さんの糞のついた褌(ふんどし)を洗うておるからこれは回互である。回互と不回互と互い違いにちょうどうまく行く。明暗とか、有無とか、是非とか、善悪とか、色とか空とかあるけれども、一切諸法はみなこれ因縁生である。因燃生であるから無自性である。無自性であるから無相である。無相であるから皆空である。今「当に明中に暗あるべし」「明中の暗」であるから見た通りではない。だから「暗相を以て遇うこと勿れ」これは梟に聞いただけではいかん。鶏に聞いて見なければならん。われわれから見るとちゃんと鶏と梟と両方がわかるから「暗相を以て遇うこと勿れ」と、いつもちゃんとこれがなければいけない。
 夫婦喧嘩をするのを見ても、それを岡目八目で見たら勝手なことをいうておるのがよくわかる。あまり夫婦が心易いものだから勝手なことをいうておるので、「暗相を以て遇うことなかれ」お前のいうのもごもっとも、どっちもごもっとも、どっちも嘘。そこに回互と不回互と。だから暗中に明あるべしは夜半正明。明中に暗あるべしは天暁不露。そこでこの道理をよく知らねばならん。
 一切有為法は相似相続といって、一切の世界は似たものが相続しておる。ちょうど滝が落ちるようなものである。電気はついておるが、あれも時時刻刻消滅している。消滅しているけれども、これは同じものが続いておるように見える。すなわち相似相続しているわけである。今日の一切世界は昨日とは違うのだけれども、昨日と同じようなものが相続しておる。わたしの顔もその通りで、同じような顔でお目見えしておるようだけれども、去年よりは白髪がふえておる。これは一遍にふえたのではない。ぼつぼつふえた。そうして見ると、この人生はいつも初対面である。瞬間瞬間が初対面の人生であり、瞬間瞬間が御暇乞いであるわけである。それから瞬間瞬間に変って行くのが真実かといえば、永遠に変わらない一つのことを隆蘭渓は「諸仏衆生平等の自性」といい、指月禅師は「諸仏自住の本実」といわれた。こんな符牒がよけいにあるから人生もめんどうになる。また符牒があってくれるから話もしよいわけである。その自住の本実というのを事実にすいていって見れば「当に暗中に明あるべし、暗中を以て遇うこと勿れ、当に暗中に明有るべし、明相を以て覩(み)ること勿れ」こんなふうにいわんならん。ずいぶんめんどうくさいわけだが、仕方がない。(「永平家訓抄話」p.233-235)





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最終更新日  2026.03.29 02:00:06


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