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久しぶりにO氏と田端で飲むことになりました。O氏と田端で飲むときは決まって「三楽」で口火を開くか,〆に立ち寄ることになりますが,かつてオヤジさんがいた頃は三杯までしか飲ませないというチューハイは口当たりがいいのにかなり回りがよくて,うっかり飲みすぎると大変なことになるので,待合わせまでのしばらくの時間をどこかで潰すことにします。 尾久方面にぶらぶら歩いていると「美好」なる中華居酒屋が開店していました。以前ここはなんだったんだっけ,食堂風の店があったような記憶がうっすら残っています。店内は厨房は奥にあって,自宅兼用と思われる住居なども見えていて,普通の家のリビングをそのまま客席にした感じ。広めのテーブルがやや動線悪く配置されていて,お店に来たという気分の高揚はまるで期待できません。やはり初来店の妙齢のアベックがいるばかりで店員さんも姿が見えないためなんだか宙ぶらりんの気分になります。値段は全般に安いのでそれはうれしいのですが,また行こうという気分にはなりにくい店でした。 「三楽」に移動します。いかの刺身:150円をつまみながらチューハイを飲んでO氏の到着を待ちます。このところ客入りがいいようです。ぼんやり飲んでいるとO氏到着。2杯づつチューハイをいただいて,次に移動します。 ひさびさに向かったのは「鳥千」です。尾久駅に向かう変哲もないビルの1階にある焼鳥店で以前お邪魔してなかなか居心地よく,お店オリジナルの酎ハイもこだわりを感じて好感触だった記憶があったための再訪となります。お得セット(ビール大+やきとり2本+マグロさしみ or 酎ハイ2杯+やきとり2本+もつにこみ):1,000円というセットが以前あったらしいのですが,今はなくなったようです。どこかのお店と勘違いしているかもしれません。広い厨房をぐるり囲んだカウンターはひろびろとしていて開放感があります。酎ハイをお願いして焼鳥盛合わせもオーダー。その後は日本酒に切り替えたのをきっかけに湯豆腐をお願いしました。やはり冬の鍋物,特にシンプルで地味深い湯豆腐がおいしくかんじられるようになったのはおっさんの証拠なのでしょうか。予定していた以上についつい酒が進んでしまいけっこういい気分になったところでお勘定。ここまではいい気分でしたが,どう考えてもお勘定が計算と合わず腑に落ちない気分で帰宅することになりました。酒を飲んでせこいことをうだうだ考えるのも無粋ではありますが,ぜひとも会計は明瞭にしてもらいたいものです。
2013/01/31
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新松戸はちょくちょく訪れる機会がありますが,ほとんどが何がしかの会合でやむを得ずといったことばかりです。これといった酒場もないので,会合をやるといっても大抵はチェーン店になってしまうことが多く,今宵もやはり会合だったので,チェーン店が会場になっています。せっかくの土曜日にチェーン居酒屋で飲むばかりではつまらないので合流する前に軽く一杯やることにします。ただし時間も押していますので,駅近の店になってしまいそうです。それでももちろん個人店舗のお店を目指すことにします。 駅から至近の「居酒屋 GUI呑」に入ってみることにします。店頭ではおばさんが焼鳥を焼いていて持ち帰りができるのでしょうか。店に入ると5時を少し過ぎたばかりというのにすでに多くのグループが盛り上っています。年齢層もさまざまで男女比も同じ位,幅広い世代,層に支持されている居酒屋のようです。店頭の煙を見たときにはひなびた感じの渋い酒場を想像していたのですが,小奇麗な普通の居酒屋でした。値段は普通ですが,肴はなかなか豊富でしっかりちゃんとしたものを出していただけるようです。カウンターで2杯ほどいただいているうちに時間も迫ってきたので会合の会場に移動します。品書:ビール中:470,酒1合:360,サワー:350,焼鳥:150,しめさば:800,タコ唐揚/玉子焼:500 会場は「魚屋 新松戸駅前店」というお店。チェーン系居酒屋としては看板も屋号も見聞きしたことがありません。やはりきれいな構えなので普段なら見向きもしなかったお店だと思います。集まったのは女性7名に男性が3名だけという日頃あまりないシチュエーションです。掘り炬燵式の座敷に案内されますが手狭なスペースに無理無理入れられたので窮屈な感じは否めません。コース料理に飲み放題ということなので最初の生ビールを飲んだ後は焼酎のほとんどすべての銘柄をロックにていただきます(日本酒は飲み放題の対象外)。お代わりをお願いしても対応が鈍いのでついつい先を急いで飲みすぎます。肴はたいそう立派な刺身盛合せに湯豆腐,ゆで蟹などで量より質というのはうれしのですが,こちらもペースが遅いのでひたすら飲むばかりというシーンが続きます。そうこうしているうちに泥酔。トイレに立って戻る際によろけて顔面からグラスに激突。その後の惨状は思い出したくありません。なんて実はほとんど覚えていないんですけど。品書:ビール中:577,チューハイ:367,青竹酒:609,青竹すくいどうふ/温どうふ:577,珍味三種盛:525,新鮮!地魚のカルパッチョ:714
2013/01/30
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さて,ここでT氏と合流。蕨に長いこと暮らしているT氏の案内でどこに連れて行ってもらえるかさあお楽しみ。ところが聞いてはいたもののほんとにあまり地元のことを知らない人だったのでした。なんて言ったら文句を言われそうですが,とりたててお勧めできる酒場はないとのことなので,ぶらり散策しつつ,めぼしい店に入ってみることにしました。 西口を北上します。線路沿いにちょっとだけ渋そうな店の灯りが駅構内から見えていたのでそこがとりあえずの目的地。「おふくろ」というありきたりの店名で,店もそこそこ古ぼけてはいるもののこれといって目立ったところがない店ですが,あまり迷っていてもしょうがないので,さっさとお邪魔しました。ああ,やはりカラオケがドンと据えられていて,ステージらしき台もあります。カウンターのベルベットのスツールもスナックっぽさを際立てます。そこにママさん登場。ビールなんぞをいただきながら引き揚げる頃合を早くも計り始めます。このママさん,大変なお喋りであれやこれや喋ってるうちにソーセージ食べるとかなんとなく薦められるままにオーダーしてしまうのでした。参考までにこちらはボクシング関係者御用達のお店のようです。 喋りつかれて次なる店へ。T氏が一度訪問している店に行ってみることにします。「大衆居酒屋 席亭」というのがその店。けっこう古ぼけた店構えはちょっと好みですが,決定打に欠けます。T氏が仄めかすいくばくかの躊躇の気配もあり,いくらか気が引けますがやはり入ることにします。あららやっぱりお客さんはひとりもいませんね。老夫婦の営むお店で勧められるままテーブル席に着きます。老夫婦がふたりっきりで年季の入った店内となるとわびしくなりそうですが,どっこいそうは問屋が許さないとばかりに,このお二方驚くほどによくおしゃべりになるのです。それも引き際を切り出せないほどのすさまじい連携トークでぐったりするほどです。赤羽の「まるよし」を例に挙げるまでもなく酒飲み好みの定番おつまみのキャベ玉はこちらに軍配。といったわけで飲み食いしつつもお喋りのお付き合いをして思った以上に長く滞在してしまったのでこれで今晩はお開きとなったのでした。
2013/01/29
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蕨ってところは京浜東北線で田端からも20分程度とさほど遠くないにも関わらず街の寂れ具合,うらびれ加減が場末っぽくて好きなのです。にもかかわらず気持のどこかでちょっと遠くて行くのが面倒だなと感じているらしく,ここんとこご無沙汰してしまっていました。最初に以前から気になっていた立飲み屋に向かうことにしました。 西口から3分ほどの場所にある「焼鳥 あかり」を振り出しにスタートします。人生のベテランといった風情のじいさんたちがご機嫌にカウンターを囲んでいるところに突如の闖入者として参上したため,ちらりちらりと視線がほっぺに突き刺さるのを感じます。しらんぷりを決め込んで,愛想のいい女将さんに酒を注文します。調理担当のご主人ともどもとても感じよくて,常連さんにぼくのことをじろじろ見ちゃダメよなんて注意してくれます。ここは昼の2時から開店というお店で,随分早くからやってるんですねと話しかけると常連さんたちを含めて西川口には朝からやってるとこもあるんだよなんてなんとなく輪に入れてもらえます。ほどほど飲み食いして店を出るときも常連さんたちはこもごもにまた来なよなんて声を掛けてくれる,気分のいい酒場でした。品書:ビール中:450,サワー:300,やきとり/べったら漬/チーズ/玉子豆腐:100 駅前の半分廃墟化しているようなビルの1階が飲み屋化していて,以前歩いたときに立飲み屋があったのを覚えていたので立ち寄ることにしました。ところが閉店しているのか単に時間が早かったのかやっていません。とりあえずほど近い「とりげん 蕨店」に入ってみることにします。新しい奇麗なお店なので趣味とは正反対ですが,この後,蕨を地元とするT氏と落ち合うので安く済ませておきたかったのでした。というわけでこちらはなかなかの安いお店です。広い店内はひとり客がいるだけで,店は大丈夫なんだろうかと心配になります。待ち合わせなんかでさっと呑むにはいいかも。品書:ビール大:480,ホッピー:300(中:170),サワー:380,鶏串焼:100~170,豚串焼:80~170 まだ時間があるので「やきとり 喜よし 西口駅前店」に移動。本店は言うまでもなく昭和44年創業の有名店です。西口側に店ができたのは知っていましたがこちらの店舗は始めて。店内は思ったよりずっと雰囲気がよくて驚きました。カウンター席の席間がかなり窮屈で冬場で着膨れしているのでさらに狭く感じられるのが残念。スタッフは若手がメインですが,ちゃらちゃらしてないのが好感が持てます。みそだれのおいしいもつ焼をいただきました。品書:ホッピー:380(中:220),二級酒:280,ビール大:550,チューハイ:320,麦焼酎ウーロン割:300,麦焼酎湯割:250,焼物:90~,とり豆腐:400,煮込/レバ刺:320
2013/01/28
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あちこち散策するのが面倒臭くなったとある夜。けっこういい時間なので,南千住駅から至近のもつ焼屋さんにひさびさに顔を覗かせることにします。再開発ですっかり様変わりした南千住駅前ですが,一歩足を踏み入れると古くからやってるお店が点在しています。渋い佇まいを見せる「仙成食堂」(酒の提供がないのが残念)が振り出しの南千住仲通りを進むと和菓子屋さんや中華屋,豆腐屋など情緒ある町並みが続きます。アルミ製のテカテカの看板が目を引くユニークなおでん屋「ヤスベエ」は渋い内装ですが,お店を切り盛りするのは女将さんと呼ぶには若い女性。今晩はどこに寄ろうかと,すっかり当初のもつ焼屋のことは忘れていつの間にやら昭和通りまで来てしまいました。いかんいかん,今晩は南千住駅界隈で呑むつもりだったのにこれじゃ三ノ輪駅が最寄になってしまう。と取って返したのはいいもののどのお店に入るかはまだまだ定まらず。ぼちぼち三ノ輪と南千住の中間くらいだからここらで店を決めようと立ち止まって横道を見やるとちょうどいい塩梅に居酒屋があるのでとりあえず飛び込むことにしました。 「酒処 さくら」というお店でしたね。入口付近はカウンターで奥に小上がりがあったでしょうか。カウンターには酔っ払いオヤジ3人組がいて,一見の僕を見てしばしオヤっという表情をしましたが間もなく陽気なお喋りに戻ります。女将さんひとりのお店で,のんびりくつろぐにはよさそうです。この夜は喋るのが億劫だったので,女将さんが時折質問を向けてきますがさらりと流してしまいます。ぼんやりと入口付近で呑んでいるとなんだか寒さか身にしみてきたので,お替りだけしてお店を後にします。 やはり当初予定していたお店がこの日のちょっとハードボイルドな気分には相応しかったようです。素っ気ない構えが渋い「大力」です。年季がありそうだったのでふらりとお邪魔した際伺ったお話ではまだ10数年位のお店ですが,さほど長い年月を経過していなくてもうまい具合に枯れた味を出せるのですね。以前ちょくちょく来ていた頃には独り飲みのおねえさんがいて,延々と続くお喋りに付き合わされたものですが,このところお見かけしなくなりました。そういえばチューハイをもらったらお通しに温泉卵が出てきましたが,ここってお通しあったかしら。こういうお通しなら歓迎です。店の奥にある踏み台を上って入るトイレもなんだか奇妙で愉快に感じられるやはり愉しい酒場でした。品書:ビール大:500,チューハイ:300,やきとん:80
2013/01/27
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池袋に着いたはいいもののお決まりの店を訪ねるのも退屈なのでなんとなく東口方面をぶらぶらしていると某ブログにてサンシャインに「万世酒場」が開店したとの情報を思い出したので,とりあえず向かってみることにしました。サンシャインには各フロアーに飲食店が入っていて,「万世酒場」が首尾よく見つかるか不安もありましたが,なんのことはない最初に覗いた地下飲食店街にありました。専門店街アルパの地下1Fにある味の小路というのが正式なんでしょうか。随分久しぶりにやってきましたが,ほとんど見覚えのない店ばかりになっていました。ちなみにサンシャインシティのホームページを調べてみたら,92件もの飲食店があるんですね(サンシャイン60(11件),専門店街アルパ(60件),プリンスホテル(4件),ALTA(8件),文化会館(1件),スカイレストラン(8件))。さすがにでかい。それにしても稼ぎ時というのに味の小路には人気が感じられません。こんな調子で大丈夫なのかと余計なお世話ながら思ってしまいます。 さて,お目当ての「万世酒場 池袋サンシャイン店」に入ることにします。11時から17時までは「万世麺店 池袋サンシャイン店」としてラーメン屋さんを営業しているようです。味の小道同様に「万世酒場」も閑古鳥が鳴いています。かろうじて女性の2名客と奥のテーブル席にサラリーマン3名がいるばかり。そういえば立飲み店と思い込んでいたのですが,ちゃんと椅子有です。入口付近のカウンターに腰掛けようとすると可愛い従業員さんが奥のほうへどうぞと誘ってくれるのでホイホイと奥に移動します。それにしても静か過ぎて間が持たないな。揚パーコーやもやしナムルを肴に焼酎ハイボールをいただきます。焼酎ハイボールはドライで呑みやすくすいすいのどを通ります。可愛い従業員さんとコミュニケートできるのがこの店の最大のお楽しみだったのでした。品書:焼酎ハイボール:290,ホッピー:390(中:200),ビール中:500,酒/グラスワイン:390,旨キャベツ/もやしナムル:100,串揚:150~,万かつ:550,牛すじ/もつ煮:300,揚パーコー:390 もう一軒ほど寄り道したくてうろうろしますが,これといったお店がありません。東池袋駅付近に新店舗でもオープンしていないかと歩いていると「越後」とかいう居酒屋らしい居酒屋が首都高下にあることを思い出しました。進路を「越後」に向けて歩きます。お店に入るとそこそこの人が入っています。カウンター席が埋まっているので手前のテーブルを一人で独占させてくれました。厨房の静かなご主人と配膳はその奥さんでしょうか。非常に物腰が柔らかく丁寧な対応をしていただけます。すっかり体が冷えてしまったのでお酒をお燗してもらいます。最初は静かだった店内ですが,サラリーマン3名と合流した爺さんたちがえらく声がでかくてくつろげない雰囲気になってしまいました。酒も肴も出されていないのにこの店の雰囲気を気に入ったのでしょうか後日の予約なんか入れたりして不思議な人たちだ。お酒数本と焼鳥なんかをいただいてすっかり満足です。値段も安くはありませんし,肴はごくごくありふれたものばかりですが,こうした普通の居酒屋っていいもんです。品書:酒1合:400,サワー:380~,ビール中:550,焼物:110~,こまい:540,まぐろ刺:680,もつ煮込:390
2013/01/26
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昼の喫茶店巡りにはちょくちょく来ていますが,夜の浅草橋は随分ご無沙汰です。まだまだ未訪の店が多いのですが,時間もあまりないのでこの日は立飲みのお店にさっと寄り道です。 西口からすぐの「立ちのみや まと屋 別館」は外見はさほどそそられる店ではありませんけど,とりあえずの一軒目なのでまあとりあえず呑めればいいかという軽い気分で入ります。お客さんは2名だけ。相当にべろんべろんの状態で,立飲みでここまで酔っ払うのはそれはそれで大変だろうななんて思うまでもなく,両者ともしっかり椅子に座っています。椅子に座っちゃうと軽く呑んでさっと引き揚げにくいんですよね。なのでぼくは立ったまま。チューハイ:300円はハイサワーの外瓶付き。お替り焼酎の中は200円。イカフライ:200円を揚げて貰うことにしました。へらへらのイカフライを想像してまったく期待していなかったのですが,よくあるエビカツのイカヴァージョンで練り物風にイカが混ざっているのをフライしたものでこれが案外おいしいのでした。立飲みで長居は無用,さっさと店を移ることにします。 次なるお店は年季の入ったお店「津な八」へ。以前からこのお店のことは知っていたのになぜだか縁がなかったのです。オンボロビルの1階は立飲みになっています。2階への案内掲示がありましたがどういう造りなのか気になるところです。今回は予定通り立飲みにします。これが大変な大盛況で,通常のカウンターはすでにびっしり。壁側にあるカウンターは荷物置き場となってしまっておりなんとかスペースを見つけて居場所を確保しました。水割レモン杯:300円というのがお得そうなのでこれにしておきます。あまりにも混雑していて窮屈なので早々に退散するつもりです。それでは早く出してもらえるものをと煮込を注文。しかし待てど暮らせど声がかからず,オーダー漏れであれば面倒だなと厨房を除くとちゃんと準備されていました。小さな鍋で暖めなおしているようです。豆腐とこんにゃくが多めですが,これらにも味噌味のダシがしっかり染みていて大変おいしい。ショウガの風味が強いのが特徴でした。壁には常連さんの写真なんかが貼られていて斜め後ろのおっさんそっくりなのでこのジイサン,相当長年通っているんですね,品書:ビール大:480,水割レモン杯:300,酎杯:320,もつ焼:100,げそ焼/シオカラ/うるめ鰯:310,お新香:200,煮込:420
2013/01/25
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先日の早稲田でのはしごを堪能して、すっかり早稲田贔屓になったので早速またまた早稲田に行ってしまったのでした。今回は事前にちょっと調べておいたおでんの老舗店からお邪魔することにしました。 早稲田大学と新目白通りの裏通りにひっそりと店を構える「おでん 志乃ぶ」です。店は立派な日本家屋なのでいささか気後れもしますが,わざわざやってきたのだからというせこい勘定もあり,思い切って入ってみることにしました。おでん屋だから定番の種を頼むだけであればなんとかなるだろうという打算もあります。古い家屋を活かそうと妙に気張って装飾過剰になっているお店などにたまに出会いますが,こちらは無理なくありのままに利用されていて好ましい印象です。カウンター,テーブル席ともにほど埋まっており,特にテーブル席などは早稲田の学生の集まりらしく定員以上の人数がぎゅうぎゅうに詰め合っています。今時の人たちも歴史のあるお店には良さを見出しているようで安心です。おしぼりで手をぬぐって日本酒をオーダーするのとほぼ同時に出されたお通しを見てギクリ。なんだか想定外に立派なのです。急に弱気になっておでんの定番などを控えめに2品ほど。お酒を追加して早々にお会計。なんてことはなく案外お安く済みました。こんどはゆったり訪れたいお店です。ちなみに入口付近のカウンターは空調が効きすぎてちょっと辛いです。おでん屋の空気は薄ら寒いくらいでちょうどいいのでは。品書:ビール大:600,酒小/ウーロンハイ:400,牛もつ煮込:550,山かけ:400 椿山荘の崖の下、神田川と並行して明治通り方面に向かう細い通りを歩いていると怪しげな看板が目に留まります。急坂を上るとちょうど日本女子大学に出るあたりでしょうか。「やきとり 千乃」とあります。住宅街の片隅に人目を忍ぶように営業しているスナックなんかがたまにあり,一見客として訪れるのは少なからず躊躇わされるものですが,この店はさらにうらびれた裸電球の下がっているような細い階段を下った先にあるので,大抵の店なら遠慮なく足を踏み入れることに掛けてはまずまず自負のあるぼくでもこわごわ階段を下ることとなります。扉を開くとちょっと一安心。カウンターの中には人のよさそうな女将さんがおり,お客さんも地元のご老人と,元気におしゃべりするご婦人のみです。店の雰囲気もスナック風ではなく,それなりにちゃんと居酒屋然としています。想定外に小奇麗だったりもします。お三方とも突然の闖入者にいくらかなり驚いたご様子で,あれこれ問い掛けられますが,特別深入りするようなこともなく,お兄さん,ゴルフやんないの,お店のコンペあるのよなんてかなりのピッチで焼酎を飲むご婦人に誘われたりします。なにも特別なものはありませんが,気分よく飲むことができました。
2013/01/24
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なんだか愉快で憎めないお店「居酒屋 風来坊」を出たわれわれが向かったのは数軒隣の「酒処 よさこい」です。こちらには以前お邪魔したことがあり,高齢の女将さんや常連さんたちの醸す雰囲気がすっかり気に入ってしまっていたので,口直しにS氏をお連れしたわけです。昭和28年創業の老舗で女将さんと店の奥の茶の間のような座敷には膝に負担が係らないように高さのある座椅子に腰掛ける御主人がいるはずです。引き戸を開くと,驚くべきほどのお客さん。どうにもわれわれが入る隙はなさそうです。すると初老のご夫婦がもう帰るからいいよと声を掛けてくれたのでお言葉に甘えることにします。この店はいい店だからねえとわれわれに一言残して帰られました。さて、こちらはおでんのお店なので早速おでん鍋を覗きこみ物色しますが、選ぶのはいつもと変わらぬ大根、ちくわぶです。われながら芸のないことだと自嘲気味にもなりますが、居酒屋で食べるものをあまりあれこれこだわるつもりもないからまあ良しとします。まああんまりひどすぎると一言言いたくもなりますが。東京でも数少なくなったあったかいおでん屋ですっかりいい気分になってしまいました。 せっかくなのでもう一軒。駅前を素通りし、崖を下ります。横道に入るとやってるんだか閉まってるんだかはっきりしないお店の看板があって、以前から気にはなっていたものの今回意を決して入ってみることにしました。ビルの2階にある「大衆酒蔵 酒だる」です。店内は大変な混雑、かなりの人気店のようです。眺めのカウンターと広い小上がりがありますが、いずれもびっしり入っているので、入り口そばにあるテーブル席になんとかもぐりこませてもらいます。小上がりでは職場の飲み会が催されていておじさんばかりの客層に交じって唯一の女性の姿が見られます。お酒をもらうと何やら注文していないお料理が。ソーセージ炒めがサービスされました。それもけっこうなボリュームです。これはうれしいですねえ。こうしたところが人気のポイントなんでしょうか。肴はいずれも量がしっかりとあって、味もよくこんどはお腹を空かせてやってきたいものです。難点はトイレの鍵がかかってるんだか閉まってるんだかはっきりしないところ。看板と一緒です。男性客はともかく女性客にはちょっと気の毒な気がしました。品書:サワー:300,やきとり3本:300,もつ煮込/肉とうふ:400,どぜう丸煮:600
2013/01/23
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随分と東十条の居酒屋は巡ってきたはずですが,それでもまだ訪問店の尽きることがないのが楽しいところ。必ずしも当たりばかりのお店ではありませんが,それでも都内の駅としてはチェーン店以上に個人店舗が目立つ地域であることは間違いなさそうです。この夜はここが本当に都心からすぐそばであるとは思えないような場末めいた風情を漂わせる東十条駅の南口改札方面に向かうことにします。 ひとり飲みのつもりが急遽S氏がやってくることになったので駅から至近の「りゅうらーめん 東十条本店」で時間つぶしをすることにします。本店ということは支店もあるのでしょうか。その割にはまったく客は入っていません。ホワイトボードを見るとポークカツが280円とあるのでいただくことにします。お通しにはサラダが出されました。野菜が不作の昨今にあってはちょっとしたサラダもうれしいものです。それにしても待てど暮らせどカツは出てきません。続いてサラリーマン2人組とフリーター風の青年がやってきていずれも驚くほどの品数をオーダーしていて,次々と胃に収めています。こちらは所在無くサワーを追加。なんでこれほど時間がかかるのか,低温でじわりじわり揚げていたんですね。そのせいか逆に肉の味と脂はすっかり抜けてしまっていて残念なことになってしまいました。まあ文句を言うほどまずくもないですし,そもそもそんな値段じゃないんですけど。S氏もぼちぼち到着するのでこの次の店を探すことにしました。品書:ビール中:550,サワー:350,酒:500,餃子:250,枝豆:200,らーめん:550 「りゅうらーめん」の先をわき道に入ると5,6軒の居酒屋が軒を連ねています。うち何軒かはお邪魔していますが,はじめてこの町を訪れたときから気に掛かっていた「居酒屋 風来坊」にはなぜかまだ入店する機会がありませんでした。入ってみることにしましょう。ほろ酔いセット(飲物2杯+肴2品):1,000円っていうのがありますね。それに目をつけると店主は「偉そうなことを申し上げるようで,すいませんがほろ酔いセットがお勧めです」とおっしゃりますが,別にぜんぜん偉そうではないですね。勿論お願いします。焼鳥とマカロニサラダ,ホッピーをもらうことにします。暖簾をくぐると店主が開店準備中。カウンターのみ8人程度で一杯になりそうな狭いお店です。まだ客は入っておらず店主はあたふたしています。カウンターの各席には一人用のお盆がセッティングされちょっとした小料理屋風のサービスでちょっとうれしくなりますが,雰囲気はやはりボロな居酒屋なのでした。開店準備中なのであたふたしているのかと思いきや,これは単に店主のキャラクターみたいで,ホッピーが出るまでに5分ほど待たされます。待ち人ありなので問題ないですけど。それにしてもえらく腰の低い方で「偉そうなことを申し上げるようですが,……」をこの晩だけで10回ほど耳にしました。そこに奥さんらしき女性が登場,ようやく品が並び始めます。焼け上がった焼鳥は消し炭のようになっていたのですが,このときはまったく控えめになることがなかったのでこれがいつものこちらの焼鳥なんでしょうか。さすがに残してしまいます。よくよく見るとチューハイ:200円,酒大:400円なので,いずれかを頼んでつまみは適当に調理の手間のかからないものを頼むのがここの賢い使い方かもしれません。感じはけして悪くないんですよ,ほんと。悪いところは肴が残念なことくらいですから。
2013/01/22
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先日,「田中小実昌著の「バスに乗って」に三ノ輪の「中ざと」が頻繁に出てきたので三ノ輪に向かうことに決定。三ノ輪駅を下車してすぐに「中ざと」に向かってもいいのですが,歩き回りたい気分なので吉原方面を久々に散策することにします」と書きながら結局寄り道ばかりして行きそびれてしまった「中ざと」に今度こそ必ずや,わき目も振らずに一直線で「中ざと」に向かうつもりです。 やはり寄り道をしてしまいました。「旬菜 友」というお店が目に留まったからです。三ノ輪駅を吉原方面に進むとすぐにあるのでうっかり立ち寄ってしまいました。店の前には2周年記念とかでお得になっているような張り紙があったのが決定的てす。店は真新しくてどうこういうようなものではありません。カウンターは常連さん2名がゆったり使っていたので遠慮します。テーブル席が10卓ほどあってかなり広いのですが、お客さんはこのお二人のみ。厨房には寡黙そうなオヤジさん、配膳はその息子さんなんでしょうか、若いおにいさんが担当しています。レモンサワーとえび餃子をオーダー。いずれも安いのはうれしいなあ。えび餃子は手作りなのでしょうか、小降りではあるものの7個もあってしかもけっこうおいしい。店の雰囲気はいまひとつですが、安く酒と肴をいただくには重宝しそうです。ただ、店内はかなり寒いので出入り口付近は避けたほうがよさそう。品書:サワー/酒:290,グラスワイン:200,肴:200~ ようやく「中ざと」に行き着きます。立派な造りのお店は古風な日本旅館のように見えなくもありません。昭和25年創業ということですが、いつの間にやら平成も25年となってしまいました。かつては賑わったお店なんでしょうが、これまで10回近く訪れていますが、大抵数名のお客さんがいるだけで、一度だけサラリーマンの集団が入っていたことがあって驚かされたものです。ところがこの夜はさらに混んでいて30名近くいるように思いました。カウンター席が空いていたので、もちろんカウンターの隅っこを陣取ります。「バスに乗って」の記述はとても淡白でせいぜいチューハイと煮込みを食べた、といった位の描写があるくらいで、田中小実昌のオヤジさんはこれを嫌っていたことがさらりと記されています。なので煮込みを食べるつもりで意気込んでチューハイを飲み始めたのですが、この晩はなぜだかどぜうの丸煮:800円が特別価格500円と掲示されていたので思わずどぜうと選択。両方食べればと言われそうですが、最近食がめっきり細くなって二軒目ではあまり食べられなくなったのです。いつもは厨房の隅で腰掛けているオヤジさんもこの晩はフル回転で調理しています。近いうちにまたやってきて今度こそは煮込みをいただきたいものです。品書:チューハイ:350,ビール大:580,煮込:370,マカロニサラダ:250,どぜうの丸煮:800,鯨ショウガ焼:550
2013/01/21
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早稲田通りを高田馬場駅方面に向かってぶらぶら歩いて次の店を探します。しばらく進むと渋い食堂が目に留まります。早速入ってみることにします。 「ワセダ菜館」というお店です。壁やデコラ貼りのテーブルなどが白いので古いお店でありながら明るい雰囲気です。テーブルがメインで各テーブルにはそれぞれひとり客がもくもくと定食を食べたり,ビールを飲んだりしています。奥にカウンターがあるのでぼくはそちらへ。寒かったので酒を燗してもらい,肉じゃが煮はレンジでチン。漬物のサービスがうれしいですね。肉じゃがはごくごく普通の味でそれがいいんですね。高齢の女将さんと厨房を預かるのがその息子さんらしき方で切り盛りされていて,理由はよく分からないのですが,哀愁が漂います。品書:ビール中:420,酒:315,チキンカツ:180,ポテトサラダ/肉団子:150,目玉焼/ハムサラダ:270,金ぴらごぼう/肉じゃが煮:170 いい気分なので都電に乗ることにしました。いい気分だとどうして都電なのかはともかく都電の早稲田電停に向かいます。早稲田大学大隈講堂を通過,そうそうすっかり忘れていましたが,ビルの奥まったところに気になる店があるのでした。「どん平」というお店です。つい先日「ハシゴマン」でも紹介されたのですが,番組を見た限りは,さほど興味を掻き立てられはしませんでしたが,以前からの気がかりを解消するためにお邪魔することにしました。「一休」のようなごくごくありふれた居酒屋を想像していたのですが,うれしいことにカウンターだけのお店だったのですね。確か大森の「とん兵衛」もそうだったと記憶しますが,まっすぐ奥に伸びたカウンターは途中クランクしてさらに奥まで続いています。隅っこが好きなので,そのクランクしたところに腰掛けます。テレビの印象では,にぎやかな酒場をイメージしていましたが,この晩はお客さんは一見の方一人だけです。女将さんはこうした酒場にはある意味似つかわしくないような上品な方でこの一見さんはすっかりこの女将さんにまいってしまったらしくまた来るを連呼していました。勘定がひとりで4,000円近かったことからもよっぽど気に入ったということがわかります。むろんぼくもこの寂しいくらいに静かなお店を気に入りました。品書:ホッピー(中:250)/レモンサワー/酒:350,げそ焼:150,チーズ揚:250,シューマイ:300
2013/01/20
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急に思い立って早稲田駅にて下車。早稲田駅周辺は当然ながら早稲田大学のお膝元ということもあり,たびたび通りかかりはするものの,どの飲み屋も学生たちが大騒ぎしているのではなかろうかという懸念からさほど巡っていないエリアです。実際は,以前飲み歩いたときには学生たちの喧騒にいやな思いをするということもなかったのですが,変わりに同校のOBたちが知人・友人・親戚なんかを引き連れて昔オレはここに通い詰めたんだなんてことを語っている光景にやたらと出遭って,むしろそうした手合いに遭遇するのを避けたいという意識が強かったのかもしれません。 東京メトロの早稲田駅からすぐの「やきとり 一休」,ここは以前から意識しつつもようやくの訪問が叶いました。ところがスタンド看板の明かりが灯されていません。それでも暖簾は下がっているのでとりあえず扉を開きます。テーブル席もカウンターのそこそこ人が入っていますね。テーブル席に相席させてもらいます。相席したのは早稲田の学生たち。多少騒がしくはありますが,気になるほどではありません。お店のアルバイトの女のコは外国人でした。留学生なんでしょうか。話を伺う間もなく団体の学生さんが次から次へと入ってきます。2階が宴会場になっているようです。確かに安いからなあ。特に酒類は立飲みレベルのお値段。なるほど学生さんたちが好んで使うわけだ。品書:ちゅうはい:250,ウーロンハイ:300,生ビール:350,酒大:420,焼物:3本/あげシューマイ/厚揚/さめなんこつ:350,大根煮:400 早稲田通りの向こう側に「加賀屋 早稲田店」が見えたので覗いてみることにします。外観はけっこう渋い雰囲気です。店の中はテーブル席が主体でカウンターはわずかに2席のみ。テーブル席はすべて塞がっていて,1席空いたカウンターに滑り込みます。系列ではあくまで標準的なお店です。こちらには学生らしき姿は見られず,教員らしき人たちの会話が洩れ聞こえてきました。焼物はやはり安心のおいしさですが,お値段は若干高目かもしれません。それにしてもカウンターの造りがあまりにもせせこましいので,ひとり飲み派にはちょっと残念。3,4名で行くことをお勧めします。品書:ビール大:500,ホッピー/サワー:350,もつ焼:2本240,煮込み鍋:500,メンチカツ/沖縄ポテト:250,ベーコンステーキ:小350
2013/01/19
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大塚駅周辺のお店はもう充分に回りつくしたと言いつつ,その度に見過ごしていたお店に遭遇しているのでまだもう少しだけ面白そうな古い店があるのではと懲りずに訪れてみました。北口の飲食店街を進み,先日お邪魔した「大衆小料理 侑」を横目にさらに進むと飲み屋さんの古ぼけた看板を見つけます。看板が示すのはビルの2階。ビルの外側からは店の様子はまるでうかがい知れないのでなんとなく腰が引けますが,思い切って階段を上がることにします。 店の名は「小料理 みき」です。店に入ると客がいないので思わず尻込みしそうになりますが女将さんと目があったので万事休す。店内はごくごくありふれてはいるもののそれなりに年季が感じられます。差し向かいになってしまったので,やや億劫な気分ではあったのですが,どちらともなくあれこれと会話を交わします。お店の開店は昭和61年ということでこの辺りでは古株とのこと。先日「侑」にお邪魔したことを話すと,そうねえあすこが一番古いかしらと「侑」の女将さんが病気から復帰されたときのことなどを語ってくれました。特にどうって店ではありませんが,それでもしっかり女将さんの個性が感じられました。これが個人店舗のいいところです。品書:ビール中:480,サワー:350,酒2合:700,もつ煮込:400 階下に降りてそのお隣の中華料理店「幸福亭」に入ってみることにします。大塚駅の特に北口側は中華料理店がそこらじゅうにあるため,どこに入っても似たようなものだし,実際どこに行ったのだかすでにわからなくなっています。中国人夫婦でやっているお店で先客は3名,テーブル5卓ほどの小さな店です。ちょっとした突き出しも出されて,シナチクと豚肉の和え物でちゃんとちょっとした肴としていただけます。オーダーした鶏の炒め物は,味はそこそこですが,量が多くてひとりではやや多いくらいでした。きっと大塚の中華料理店の多くにまぎれて,記憶の隅っこに追いやられてしまうのでしょうが,適当に入ったにしてはまずまずよいお店でした。品書:サワー:250~,ビール中:500,紹興酒1合:380,揚げ木綿豆腐の辛香炒/イカ下足の辛香揚/角切り鶏もものから揚:480
2013/01/18
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道を隔てて吉原の風俗街が見えてきます。色とりどりのネオン看板が灯る通りには人気はほとんどなく店に客を送り届けた帰りらしきタクシーがものすごい速度で鼻先を通り抜けていきます。そんな角地にあるのが「串焼き 角屋」です。店はカウンターだけのようで,10席程度の狭い店です。おにいさんがひとりでやっていて,すでにお一人お客さんがおりました。場所柄常連さんがメインのお店のように思われます。早速ホッピーを注文。焼物の短冊メニューを見ると結構種類が豊富なようです。豚のど,けっかんなどをやいてもらうことにしました。けっかんというのが味が濃厚でおいしかったですね。店のおにいさんはちょっととっつきにくい感じではありますが,帰り際には丁寧に見送ってくれたりして気持意のいいお店でした。品書:生中:480,ホッピー:450(中:200),酒:400,サワー:350~,焼き:120,おでん:120~,もつ煮:250 古い知り合いから数年振りの電話が入ったので,慌てて会計を済まし「角屋」を後にしました。かなり複雑かつ微妙な相談を持ち込まれてしまったので,夜道を電話しながらあてもなく歩いていてようやくひと段落着いたところで,急に激しい尿意に襲われたので,目に付いた居酒屋に飛び込むことになりました。 「新珍」というお店でした。カウンターのみ5席のほんの小さいお店です。とりあえず御主人にお願いしてトイレを貸していただくことにしました。一旦外に出てカウンターの裏手に誘導されたので,細い通用口に回り込むとおやおやそこにはテーブルが数卓置かれていました。酔いも混じっていたためまったく見当違いの場所をトイレと思い込み力任せに引き戸を開こうとしましたが,そこは嵌め殺しになっているので当然開くわけもありません。テーブル席で飲む2名の先客は怪訝な表情を浮かべており,その先にトイレはあるのでした。ホットひと息付いてカウンターの席に戻りウーロンハイをいただくことにします。壁中に貼られた品書きはいずれも安くてうれいいですね。と記憶がはっきりしているのはここまで。店を出てからの記憶もあいまいで迷っているうちにいつの間にやら三ノ輪駅に辿り着きました。といった次第なので場所もはっきりわからず,ネットで検索しても見つかけることができませんでした。店を出て台東区竜泉2丁目という地名盤を見たような記憶があります。また,ほど近い場所に「金太郎寿司 本店」があったと思います。ご参考までに。
2013/01/17
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年も明けておそまきながら明けましておめでとうございます。大晦日から正月過ぎまで居酒屋に行くチャンスがなくて家飲みの日々が続いたので仕事を終えるといそいそと電車に乗り込みますが,どこに向かうかはまだこの時点では決まっていませんでした。移動中読んでいた田中小実昌著の「バスに乗って」に三ノ輪の「中ざと」が頻繁に出てきたので三ノ輪に向かうことに決定。三ノ輪駅を下車してすぐに「中ざと」に向かってもいいのですが,歩き回りたい気分なので吉原方面を久々に散策することにします。 吉原のソープ街の1本裏手の通りにある「大衆料理 はやせ」が目に留まります。「もつ焼 たけ」や「丸八」なんかが今でもやってるのか気になりましたが,そこまで歩く気分じゃないのでとりあえず入ってみることにしました。なかなかきれいでちゃんとしたお店でちょっとした小料理屋さんのようです。若い御夫婦でやっているお店でご主人は金髪ながらも非常に感じがいい方。お客さんはひとりのおじさんと熟年カップル。場所柄熟年カップルを見るとどうしても邪な想像をしてしまいます。納豆オムレツ350円也を頼んでみました。これがボリュームたっぷりで,ケチャップ味の納豆ってどんなもんだろうと恐る恐る口に入れるとこれがなかなかおいしい。サワーが進みます。お通しの切干大根煮など正月料理に飽き飽きしていたので,よりおいしく感じられました。品書:ビール大:580,酒2合:720,サワー:300~,ポテトフライ:400,メンチカツ:290,やきとり3串:450,納豆オムレツ:350 串焼きのお店があって次はそこに入るつもりでしたが店の主人によると開店は7時になるらしいのでまだちょっと時間があります。付近をうろちょろしていると「中国料理 寶亭(宝亭)」というお店があるので入ることにします。とりたてて特徴のない町場のありふれた中華屋さんです。清潔感のある店内なのでリラックスできます。帰り間際にお客さんが1名来ただけで,ずっとひとりきりだったのはなんだかちょっといたたまれなくはあります。幸いにもテレビが付いていて,こうしたときのテレビって親しく思えます。ラオハイ:300円というのがあります。想像通りのラオチューのソーダ割り。焼餃子:300円は大降りの餃子が3つです。サービスでメンマときゅうりのキューちゃん,中華料理店で飲むと,こうしたちょっとしたアテをサービスしてくれるのがうれしいですね。普段気が向いて買ったはいいものの冷蔵庫にいつまでも残ってしまうような家庭内ではもてあましものの漬物なんかがこうしてちょっぴり出されるとおいしく感じられてしまう。なのでまたまた過ちと知りつつも冷蔵庫の肥やしを増やしてしまうことになります。 まったりしているうちにもつ焼店の開店時間になっていました。次の店に異動することにします。
2013/01/16
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年末で昼間なのでさしもの蒲田でも営業しているお店は少ないのだなあといくらか諦めムードで「えど家」を出るとアーケード街とバーボンロードの間の細い路地のお店が開いていたので入ることにします。「立呑 絶好鳥」です。ここ以前から気になっていたのでした。S氏は生ホッピーやF氏はハイボール,ぼくはニセ金魚なるものをお願いします。ニセ金魚はドライなチューハイみたいなものでとくにどうってことはありません。。若いカップルがすでに飲んでいました。こちらのお店は燻製が売りのようで,いろいろありますが,一番つまみたかったかきがなかったのが残念。大晦日も元旦も休まず営業するようです。元旦には餅つき大会も行うようで,固定客,常連客がしっかり通われているいいお店でした。品書:生ホッピー:450,ホッピー:350(中:150),金魚:380,ニセ金魚:350,燻製(あじ/チーズ:150,ししゃも:70,かき:80) ぼちぼちお二人は腰掛けて飲みたくなったようなのでガード下で営業しているのを見掛けていた「とり薪 京急蒲田店」に入ることにします。なんてことない今時そこいらで見受ける小奇麗な居酒屋で特にどうってことはありません。しばらく近況を語りながら早くも日本酒に移行します。品書:ホッピー:380,レモンサワー:350,酒:2合500,焼物:100~,鳥皮ポンズ:380 なんとなく歩き回るのが面倒になったので最後は蒲田の関所「大衆酒場 鳥万 本店」に立ち寄ることにしました。言わずと知れた昭和35年創業のオオバコ酒場です。さすがに人気店ということもあって1階はすでにほぼ満席。2階どころか3階に案内されます。いつもながらここは大衆向けの良心価格で毎晩のように通うならこういうみせがやはりいいです。品書:ビール大:490,トリスハイボール:290,ウーロンハイ:270,酒:200~,焼酎:270~,特別サービス品(刺身):200,鶏煮込み豆腐:300,牡蠣小鍋:380,焼鳥:90,鯨ハンバーグ鉄板:350
2013/01/15
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蒲田の町には飲み屋が多いのはよく知っていたつもりですが,先日呑み抜きで歩き回る機会があったので京急蒲田駅から蒲田駅西口の先までけっこうしっかり歩いてみたのですが,居酒屋以上に立飲み屋の予想以上の多さに驚愕させられました。「立呑処 ちょっと酔ってこ きらら」。「さしみや 五坪」,「立飲 かるちゃん」,「立飲み 銀次郎」といった立ち飲み屋にこれまで伺っていますがいずれも良店でこれだけでも蒲田は魅力的ですが,まだまだほんの一部を垣間見たに過ぎなかったのですね。 この日は年末まであと2日に迫ったまさしく年の暮れであったわけですが,せっかくなので知人数名を誘ってみたところ,2名がエントリーしてくれました。S氏とF氏の2名。S氏とF氏は数年ぶりの再会だったのでしょうか,いずれかなり久しぶりであったと思います。 まずは京急蒲田駅方面に向かうことにしました。この駅前の商店街がうらびれていてほんと好きなんですね。ところがとある店舗に張り紙があって,この一帯が再開発の対象地域に指定されているようです。さすがに暮れも差し迫っていることもあり開いているお店は中華料理店位です。やむを得ず蒲田名物の羽根付き餃子発祥の店(?)「中国家庭料理 ニーハオ 本店」に向かうことにします。有名店の割にはどこか薄汚れた雰囲気で酒場であればこうしたムードも悪くありませんが,中華店ではあまり気分が盛り上がりません。時間潰しのような気分になります。お二人は青島など中国ビール,ぼくはお得なキリンビールです。さほど熱々ではなくてニッキのような香りのする焼餃子はさほどではなく,むしろ水餃子がもちもちしてよかった印象です。品書:レモンサワー:400,ビール中:500,焼餃子:300,水餃子:500,麻婆豆腐:600,ラーメン:300 「信濃路」は営業していましたがパスして蒲田駅の西口のバーボンロードを目指します。この通りには夥しいほどの立ち飲み屋が並んでいるはずです。ところがここも開いていないお店ばかり。ここならやってるだろうと向かったのが「手づくりやきとり えど家」。ちゃんとやってます。テイクアウトの焼き鳥店ですが,店舗前で呑むこともできます。適当に焼物を頼んでハイボールで乾杯します。アーケード街の路面にあるお店ですが,いまひとつ気勢が上がりません。やはり昼間に呑むのでは気分があまり上がらないようです。品書:酒/ハイボール/酎杯/生ビール:300,牛もつ煮:300,やきとり:90~
2013/01/14
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以前から白山通りを巣鴨駅から西巣鴨駅方面を抜ける都営バスに乗っているときに見掛けては近いうちに行かねばと思いつつもこれまで躊躇して行けずにいたお店があります。ここを目指すことにします。巣鴨というととげぬき地蔵の地蔵通り商店街ばかりが注目を集めてしまい,実際,この通り以外はほぼ住宅地ばかりのようで実は,東京都中央卸売市場の豊島市場や染井霊園なんかもあって,喫茶店でも終日モーニングセットが提供される「喫茶 プール」(マッチ箱がクールなデザイン),昭和50年に開店した住宅地の素敵な喫茶店「Coffee Shop Z」などもあって,歩き回るとなかなか愉しい場所です。 豊島市場を横目にさらに進み路地に入ると「田舎家」があります。巣鴨駅前のビルの2階にも昭和53年創業の「田舎家」という店がありますが,まったくの別物です。店に入るとうれしいことにちょっと変形のコの字カウンターのみです。カウンターだけのお店は酒場らしくって,どうにもうれしいものです。カウンターの中にはおばあちゃんだけ。ウーロンハイをお願いします。品書きをつくづく眺めますがどれもこれも安くてうれしいなあ。毎日のお勧め料理が大皿でカウンター前に並んでいて大いに迷わされます。どうやら向かいのカウンターのオヤジさんは店の主人のようです。仕込みを済ませたら後は奥さん任せなのかも。おばあちゃん,最初は物静かな人だと思っていましたが,落ち着いて丸椅子に腰掛けて一息つくと急にお喋りになります。あれこれお喋りして酒も肴もいただいてすっかりいい気分です。ところで店を出て店の外観を振り返ると,なるほど三角柱型の建物だったので変わったカウンターだったんですね。品書:ビール中:390,ウーロンハイ:230,酒:300,板ワサ/キムチ/ししゃも:250,冷やっこ/塩から:150,焼肉:400 駅前に戻ってきました。もう少し呑みたい気分です。駅からすぐの「鉄鍋餃子酒場 山桜」に入ってみました。入ってみてなんだなんだ店の雰囲気が随分明るくなったのでうっかりしていましたが,ここは開店当初一度お邪魔したことがあります。店が明るくなったのは陽気なオネエさんがいるからなんでしょう。カウンターには常連さんたちがうらりと並んでみなさん大変愉しげです。ぼくにはちょっと和気藹々としすぎていていささか辟易するところもありますが,こうしたお店がお好きな方はぜひどうぞ。品書:HH(トリスハイボール:105)[-19],サワー:305,ホッピー:367(中:178),焼/水餃子:473,おでん3品:304
2013/01/13
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京成大久保駅でけっこういい気分に酔っ払ってしまったのでそのまま帰ったほうがいいのに,快速だか,急行だかの乗換えで京成津田沼にて一旦ホームに折りて,家まではまだまだ長旅になるのでトイレに立ち寄って,ほっと一息乗り継ぎ電車を確認すると随分の待ち時間があるみたいです。しからば途中下車してもう1,2杯飲んで帰る覚悟を決めて,快速だか急行の最終電車の時刻だけ確認し,改札を抜けます。駅前はなんとも寂しげで早くも途中下車したことを後悔しますが,とにかくしばらく歩き回ってみることにします。ぽつりぽつりと飲み屋らしき灯りも見えるのでなんとかなるでしょう。 「みづうま家」という大衆居酒屋らしい雰囲気のお店があったのでとりあえず入ってみることにします。ところがすごい繁盛っぷりで,先に中を覗いたサラリーマン2人組はすごすご引き返してきます。一人だったらなんとかなるかもといそいそと暖簾をくぐると夫婦連れがタイミングよく退店の準備中。島テーブルに空席があり,ここは一人客用らしいのですっと相席させてもらいます。時間もそうはないので慌ててメニューを開いて,適当に注文します。典型的な和風居酒屋であまりごてごて民芸調に飾り立てていないのは好感が持てますが,メニューの中身はあくまでもチェーン店風の代わり映えしないものばかり。これもオーソドックスな居酒屋としては王道ではありますが,まあさほど楽しめなかったので早々に店を変えることにします。 「ヤキトリ居酒屋 魂」なるお店が見えたので,店に接近しますが折悪しくこの晩は宴会で貸切のよう。それにしてもけっこういい時間帯なのに随分遅くから飲み始める客たちだなとさほど残念にも思わず次の店を探します。 駅前の交差点の角に「きりん屋」というちょっと気になるお店があったので入ることにしました。最近開店したてというのが好みから外れますがえり好みしている時間もありません。母娘のような女性2名で切り盛りしていて,特に若い女性は京成電鉄職員と思われる(というのも列車ダイヤのスジを読む,なんていう業界風な言葉遣いをしていたから)男性グループにからかわれたりして可愛がられています。お通しはきれいに盛付けられた3点盛りですが,見かけはともかく味はしょっぱすぎてあまりよくありません。それでもうお腹も一杯だったので肴はパスして飲物だけをいただくことにします。なんとなく消化試合みたいになってしまいましたが,そんなダメな客にもお店の方はとても親切。最終電車ぎりぎりまで呑んで無事帰宅したのでした。
2013/01/12
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さて、続いてのお店は「おかめ」の通りの先にある枝分かれした通りからほど近い「居酒屋 節子」です。この通りにも数軒の居酒屋がありますが、こちらが最も古いお店とお見受けしました。細長い店内で店の手前に小上がりもありますが,奥までカウンターが伸びています。壁には東国原英夫のサインなんかが貼ってありますが何か由縁でもあるんでしょうか。こちらのお店は開店15年。それでも京成大久保では古参のようで,古いお店はありますかとの問いに帰ってきた答えは「おかめ」でありました。センセイと呼ばれるおじいさんが登場。東邦大学か日本大学を退職しているのでしょうか。週に1,2度のペースで散歩がてら立ち寄るということで,入店時にいたおばあさんも女主人とののんびりとした会話を楽しみに立ち寄っているようです。 駅を越えた先にも行ってみることにしました。駅からすぐ習志野市民会館や大久保図書館があり,その先は広い中央公園です。公園の外周に沿って歩いてみるつもりですが,どうやらこちら側は住宅街となっているようです。「上州」という中華屋さんのような店名の店があるので入ってみることにしました。中華屋さんではなく食堂のようです。カウンターに割合広めで10名は上がれそうな座敷があります。食堂といっても先客3名はみなビールやサワーなどを召し上がっているようです。ぼくも黒板に書かれたあじの刺身を肴にウーロンハイを2杯ほどいただいて,京成大久保の飲みはお開きとすることにしたのでした。
2013/01/11
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京成大久保駅と言っても千葉県在住または在勤の方でもないとなかなかその場所をイメージすることはできないことと思います。ぼく自身これまで1,2回下車したことがある程度のため、記憶があいまいでしたが、津田沼からすぐの駅だったのですね。駅前にはまっすぐに伸びる大久保商店街があり、その先には日本大学生産工学部や東邦大学薬学部・理学部もあり学生街としての一面もあります。学生街といっても今風のおしゃれな街といった印象とはまるで異なり、渋さを通り越してやや怪しげな風情を漂わせる喫茶店や雀荘がまだまだ健在で、そうした施設が好きなぼくにとっては何よりうれしいことです。居酒屋はチェーン店風の店が多い中にあって、狭くはありますが数か所の飲み屋エリアがあり今晩はこの辺で飲んでみたいと思っています。 用事を済ませると一目散に向かったのが商店街に面する「肉の店 鳥吉」です。昼間は肉屋さんとして営業しているようです。夜は立飲みのお店になり、至近の場所には同じ屋号の「鳥吉」なる居酒屋らしき店もありました。こちらは落ち着いて飲む人向けの同じ経営によるお店ではないかと思われます。肉屋さんだけあって、もつ焼ばかりでなく多くの肉系メニューが揃っています。すでにかなりの入りの店内で案内されたのはガラスのショーケース前です。ショーケース内には昼間はお惣菜として持ち帰り用に用意されていたらしい惣菜がおそらくそのままの価格で提供されていて目移りしそうです。従業員はみな若くて3,4名があたふたと仕事しているのですが、残念なことにみな手際が悪い。狭い店内なので動線が悪いということを差し引いてもオーダーミスが多かったりしたのはマイナスポイントでしょう。これでもう少し円滑に仕事ができるようになれば近隣の人がうらやましいなってことになるのですが。ともあれなかなかに活気あふれて楽しいお店でした。品書:冷酒:200,生ビール/鳥吉ハイボール:300,ホッピー:300(中:100),焼とり:80,ロースハム/手造りベーコン/マカロニサラダ/ばあさんのもつ煮込:200,手造りポテトサラダ:250 さてさらに商店街を進み右手に飲み屋さんが数軒かたまっています。中でも古株と思われる「おかめ」に入ってみることにしました。やきとりと書かれたのれんと赤提灯を見て、肉類はもういいかなと思っていたのですがまあよしとします。ごくありふれた居酒屋然としたお店でまずまず好みではあります。おばちゃん2名がお喋りに興じています。カウンターに着きビールを注文するとブリの煮付けにブロッコリーとマヨネーズがたっぷりかかったえらく立派なお通しが出されました。まあ焼鳥よりよかったかなと思うことにします。店主らしきおばちゃんによるとこのお店は昭和56年に開店したようで京成大久保駅界隈ではやはりかなり古いお店のようです。三軒隣には「ひょっとこ」(「おかめ」開店後の3年後に開店)というお店もあったようですが、こちらの店とは縁もゆかりもないそうで数年前に店をたたんだということです。「おかめ」と「ひょっとこ」をはしごするというのはなんだか滑稽でやってみたかったと思いながら次の店に向かうことにしました。 古参の酒場が昭和56年の開店というのではちょっと物足りません。もっと老舗の酒場があることを期待します。
2013/01/10
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この夜はさほど知られてはいないもののぼくにとってはまぎれもない名店、感じ方次第だと思いますが、人によってはやや高慢とも感じられるかもしれないその客あしらい振りに評価のきっちり別れてしまうとあるお店を訪ねてみることにします。明治通りを目白方面に7,8分ほど歩くと大鳥神社の参道がありますが、それを横目にさらに進むと鬼子母神西参道商店街に辿り着きます。この通りを歩いた方はご存じのことでしょうが、商店街とはいうにはいささかさびしく、さほどの商店が立ち並んでいるわけではありません。スーパーや割烹、居酒屋などを経営する大倉一族がそのメインで他には安西水丸の「大衆食堂へ行こう」だったかで紹介された「ファミリーショップ YOSHIYA」というとんかつ屋さんやこの界隈には珍しいビストロの「ゾウシガヤ ミヤビ」が数年前にオープン(荒川線の踏切を越えると「Mo's Cafe」がかなり以前から店を構えていますし、半年ほど前には新しくオープンしたお店もあり繁盛していますが)など何軒かの飲食店やクリーニング店、靴店、花屋などが連なるばかりで、いつも閑散とした印象です。鬼子母神も年末年始や祭礼時を除くと人気もあまりありませんが、今では定期的に開かれる手創り市で多少活気が出てきているようです。 とまあそんな商店街の一軒に「高松屋」があります。引き戸を開くとL字のカウンターに奥には狭い小上がりがあります。こちらはこうした大衆酒場には珍しく男女別れた便所が設けられ、その間には手洗い場があります。昔ながらの酒場には大抵店内に手洗い場が設けられているものです。父子2人でやっているお店でお二人はしょっちゅう口喧嘩していて時にはひやひやするほどです。お通しには塩豆、ビールをお願いするとキリンですかサッポロですかと聞かれ迷わずサッポロを繰り返していたので、さすがに最近は聞かれることもなくなりました。焼き場はオヤジさんの担当、焼き台が小さいので順番を待ってオーダーすることになります。塩豆をぽりぽりとかじりながら、6種のもつ焼と裏メニューのアブラから何をオーダーするか検討します。こちらのもつ焼は120円とお値段は高めに感じられますが、驚くほどに大振りなのでとても7種を食べるのは今ではとても無理。4本程度がちょうどよいようです。焼き台の様子を見た息子さんからお次焼けますけどどうしますとの問いかけにカシラ、ナンコツ、ハツ、タンを注文。しばし焼き上がりを待ちます。凍結酒もいいけど、外が寒いので酒を燗してもらうことにします。もつも焼き上がりました。焼き上がり前に渡されるにんにくを漬け込んだしょうゆダレに七味唐辛子を大量投入して串を外したもつ焼を箸でつまむのがここでのぼくの食べ方です。あまりの大きさに串からでは上手く食べられないのです。特にナンコツは1本の串にさまざまな部位が丁寧に刺さっており、部位ごとにえり分けながら食べるのが楽しみです。1串で3度、4度楽しめます。常連の皆さんはもつ焼の後は数品用意された野菜串や厚揚げ、またはおしんこかトマト、きゅうりなどから1品ほど召し上がっていますが、ぼくはいつでもここではもつ焼だけ。4本だけでも十分満足できるほどに腹がくちくなるのでした。ここの難点のひとつが休みがちょくちょくあって、それもけっこう長いこと休んだりすること。何度も空振りしたことがあります。この辺ってあまり飲み屋がないから、閉まっているとつらいことになるのです。品書:ビール大:550,酒:350,凍結酒/サワー:400,串焼:120,厚揚:450 池袋駅方面に引き返し、ジュンク堂書店脇の東通りを進み、ちょっと路地に入ると「祭一番TOKYO」があります。かつてここには鬼子母神で毎年お馴染みの紅テントでの公演後、唐十郎が立ち寄ったというビストロがありました。元とある国の大使館付のシェフとして活躍されたというご主人にはいろいろお世話になったものですが、もう10年近くなるでしょうか、世田谷方面に移転されてからはとんとご無沙汰していますが、今でも元気にされているのでしょうか。ともあれその後居抜きで入った「祭一番TOKYO」には折に触れてお邪魔するようになりました。店名からも知れるように、祭り好きの店主は雑司ケ谷地域の鬼子母神や大鳥神社などの祭りを盛り立てる重要な役割を担っているようで、祭りともなると店は当然お休みとなります。根っからの土地っ子かと思いきや、確か出身は富山県だったでしょうか。陽気で人当たりがよくて実に楽しいのですが、浮気性のぼくは空っぽの店で一人しょんぼりとする主人を横目に足早に通り過ぎよそのお店に向かったりすることもちょくちょくあります。ここの肴はボリュームがあるのでひとり飲みにはちょっとつらいのです。コンビーフの炒めたのをバケットに乗っけて食べるという極めて単純な品もなぜだかここで食べるとおいしく感じられます。ともあれ長くお付き合いしたい店なので近々またお邪魔します。 ところで2枚目の写真ですが、本当に「祭一番TOKYO」でいいのか実は判然としません。この後やはり池袋のバー「もるとや」に行ったことは割合はっきりと記憶しているのですが。。。違ってたらすいません。
2013/01/09
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松戸駅にはとっくに飽きています。まだ行ったことのない酒場もあるのでしょうが、ほとんど見切りを付けてしまっています。新しい店ができることはあっても古い店はほとんど行き着くしてしまった感があります。もちろん松戸と言っても思った以上に広くあくまでも松戸駅周辺のことではありますけど。 と言ってるそばから新しいお店があるとのことで向かったのは「あずみ」です。事前に食べログでチェックしたところ、その地図が指し示すのは「かがやす」の場所です。まさか「かがやす」が閉店したわけでもないでしょうし、怪訝に思いつつもとりあえずは現地に向かうことにします。辿り着くと確かに「あずみ」というお店があります。「かがやす」のお隣ですね。以前は「鮨ダイニング 海星」というお店で、内装もほぼ同じままにカウンターのみの割烹といった風情です。中年男性の店主やアルバイトの女の子の組み合わせも同じで、出される料理も魚介系を中心、酒もやはり日本酒がメインでしばらくは以前来たことのある同じ店であると思い込んでいましたが、女の子に尋ねるとやはりここ1年位にオープンしたお店で店主も違う人のようです。値段がやや高めなせいか、客の入りはいまひとつ。肴なんかは丁寧に作られているのもの毎日通うには薄給サラリーマンには厳しいかもしれません。 思いのほか出費がかさんだので続いて向かうは、ご存じ「大都会」です。駅前すぐの地下に店を構えており、ラーメンをはじめとした食事メニューも豊富な24時間営業のお店です。以前、松戸に所用で訪れた際、台風に遭遇、駅からもほど近いこちらのお店は一時的な避難場所として重宝しました。ところでこちらのお店の難点についてちょっとだけ。チューハイは薄いのですね。薄いから一度に2,3杯頼んでしまいます。後からキンミヤのミニボトルにしておけばよかったということになるのですが、いつも後の祭り。軽く飲むつもりで何度も食券を買いに行ったり来たりと面倒くさいのが難点なのでした。 やはり物足りず久しぶりの立飲み「やきとり 舞姫」に向かいます。立飲み店と言い切る以前も立飲みのできるやきとり店でしたが、昨今のブームにあやかってか、堂々と立飲みと称するようになったものの、立飲み店としては値段の面で多大な問題があります。持ち合わせがあまりないときに立飲み店と安く見積もって暖簾をくぐるとちょっと痛い思いをするかもしれませんので注意が必要です。
2013/01/08
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さんざん池袋では飲み歩いたものと思い込んでいたものの、秋口から池袋の久しく立ち寄らずにいた方向を歩いているとうっかり見逃していた新しい店舗ができているのに気づかされます。 まずは待合せの池袋の待合せの定番(といってもこの駅は構造上方向感覚が保ち難い造りとなっており、使い慣れていても酔っ払ってしまうと立ち位置がまるで見当がつかないということもしばしばなので、待合せには常に注意が必要)、いけふくろうに向かいます。かつては「すなっくらんど」という施設があったことをかろうじて記憶していますが、その後、「グランドキッチン みかど」としてリニューアル。のっぺりと味気ない造りがむしろわびしさを掻き立ててくれて池袋の場末らしさを留めていたのですが、この夏またもや大きくリニューアルしらようです。複数の飲食店が集合するこの施設は郊外の駅前ショッピングセンターなどにあるイートインコーナーにどこかに通っていて、ひとり飲みすることで孤独感が際立つのですが(飲んでる本人よりは端から眺めるとき)、そのいけふくろう寄りにできたのが「築地銀だこ ハイボール酒場 池袋駅構内店」。店がメジャーなためか以前のようにおっさんたちがぱらぱらとわびしくそばをすすっているといった印象とは違い、むしろ若者率が増えたという意味ではこの店舗の経営者の戦略はいまのところ成功していると言えるかもしれませんが、立派なバーコーナーには人気はあまりなく、一心不乱にたこ焼に食らいつく若者の姿はわれわれおっさん世代以上に「すなっくらんど」の時代を彷彿させるものがあると感じたのでした。品書:ザ・角ハイボール:350,生中:450,サワー:400,たこ焼4個:350,枝豆/ミックスナッツ:300,たこのガリシア風:450 続いては、西武百貨店を通り抜け、リブロを通過します。西武百貨店(というか併設の書店リブロ)の開店から閉店までの時間のみ通り抜け可能な通路となっている池袋駅南口。この辺りは数軒の有名ラーメン店や池袋に残された数少ない純喫茶(?)の「伯爵」の片割れがあったりしますが、店舗の入れ替わりが激しいスポットでもありある意味ではいつでも要チェックな場所でもあります。リブロを出て、人気もまばらな路地に出るとおねえさんがチラシを持って立っています。軽いコスプレ風のファッションをしていたものだから数年前開店したガールズバーのおねえさんかと思いきや、どうもちがったようです。ちらしを瞬時に眺めまわすと、下部にクーポンあり。2名様以上は2000円を値引きしてもらえるようです。ちょうどこの日は2名なのでさほどそそられはしないものの値引きの誘惑に負けて入ってみることにしました。3名だったら入らなかっただろうな。「Di PUNTO 南池袋店」というお店。最近恵比寿を歩いていたら見掛けた店で、きっと都内を中心に何店舗かを展開しているんでしょう。まあ初めてなのでよしとします。ワインのボトルが1,800円からなので割引分で1本が無料となればそりゃボトルでオーダーしないわけにはいかないでしょう。とまあクーポン券だけで気持ちが大きくなって生ハムとサラミのてんこ盛なんてのを頼んでみました(ハーフですけど)。てんこ盛って言う割にはひらひらしたプロシュートが品書:ワイン(グラス:480~,ボトル:1,800~),角ハイボール:500,生ハムとサラミのてんこ盛(レギュラー:1,280,ハーフ:780),シチリア産手摘みオリーブ:480,ザ・アンチョビキャベツ:500
2013/01/07
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これまで何度も空振りし続けた「十一屋酒店」,今晩はやっているようです。勇んで店に入るものの店内には誰もおらず,何度か声をかけたものの,人の気配はすれども反応なし。店の雰囲気は期待したものではなかったので,そっと店を後にするつもりでしたが,背後に人の気配を感じたのでやむなく一杯だけ。客も他にはおらず幾分気まずいながらもプレッシャーを振り切って次の店に向かうのでした。 すぐそばに「酒屋がやってる立ち呑み屋 四代目 鎌倉酒店 江古田店」なんて店ができていました。焼酎の甕貯蔵を行っていて量り売り専門店とあるので,どこかで見たことあるな,などと考え込むまでもなく思い出しました。中野にも同じ店がありますね。「四文屋」や「居酒屋 川名」なんかもそうですが,JR中央線沿線の各駅と西武池袋線沿線の各駅とは距離が近いこともあって系列店が多いようです。母娘三代と思われるご家族連れで飲みに来ている方がいたりしてそこそこのお客の入りです。店内入ってすぐに大きな焼酎の甕がづらりと並んでいて壮観です。大鍋では煮込みがぐつぐつ煮えたぎっていてこれまたうまそう。チェーン系の立ち飲み屋は格安の「でかんしょ」を利用するくらいでいまやどこにでもある「かぶら屋」などは極力立ち寄りたくはないのですが,この「鎌倉酒店」はクオリティが高い印象です。
2013/01/06
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江古田の町にはちょこちょこ通っているものの,最近はちょっとご無沙汰。飽きちゃったんですね。なんとなく気が向いたので帰宅時に寄り道。この後登場するとある店の常連さんとママさんとの会話からつい先達てのアド街で江古田が紹介されたことを知りました。だからどうっていうわけでもないんですけど。ともあれ,いろいろと新店舗ができているようなので,適当にうろついてみることにします。 駅北口からすぐの場所にたこ焼居酒屋の「大革命」っていうお店が出来ていますね。腹ペコなのでとりあえずたこ焼でも食べておくことにしました。とりたててどうってこともないお店ですが,さっと食べられてしかも軽く呑めるのは便利です。学生街らしく下校中の学生たちが寄り道してくだらないお喋りなどしています。ひとりたこ焼を肴に呑むおっさんのぼくは彼らの目にはどのように映っているのでしょうか。なんて恐らく目にした瞬間は哀れんだりといった感想がよぎったりはしたのでしょうが,気にするほどは相手にされていないのでしょうね。品書:生ビール(エビス):300,ハイボール/酎ハイ:250,たこ焼6個:200,つけだこ8個:300 目と鼻の先にド派手な看板の「立ち呑み 皆んなのひみつ基地」なんて店があります。日芸の学生が描いたのかわかりませんが,あまりにゴテゴテと描かれているので店内の様子を窺うこともできません。こんな店だからきっとロックなんかがギンギンに流されている若者向けのスタンディング・バーみたいなものなんだろうな,と幾分気乗りしないで店に入るとあらびっくり。店の女将さんはかなりの高齢,そしてたまたま行き会った男女のお客さん2名はさらに高齢と思いがけずのジジババ系のお店です。こんな客層なので当然立飲みとありますが,椅子付き。カウンター奥の席に落ち着くとまさしく枯れた酒場そのものです。外観にまどわされて本質を見まがうところでした。サワー:350~,酒:400,串焼:120,イカバター焼/やきそば:400
2013/01/05
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松戸駅前は東口側も西口側も指折り程度に古い酒場がある程度でほとんどがチェーン店ばかりで飲む店探しにはいつも苦労させられます。中ではもっとも酒場らしい枯れたムードのあるお店に実に2年ぶりに行ってみることにしました。 西口のロータリーを越えたさほどうらびれた感じのない通りをぶらりと歩いているとほどなく「開進」の店先からもつ焼を焼く煙が見えてきます。焼場の前はほんの短いカウンターだけですが,立飲みができるようになっていて待合せでちょっと一杯ひっかけるなんてこともできて重宝しそうですが、実際はここで飲むのはなかなか至難です。というのも北松戸駅前の競輪場から流れた負け客もしくは小銭稼ぎに成功したオヤジたちがたむろしているからです。さらに人稼ぎしたオヤジたちは店内に見られますが、もうすっかりできあがっていて、傍若無人にふるまっており、それはそれで酒場風景としてはさもありなんといった風情ではあります。ところでおっかなり店のオババ3人組もさすがに手慣れたもの、こうした手合いには寒気を催すほどの冷徹な応対ぶりで堂に入っています。この日の立飲み客はおとなしいのが多かったみたいでオババたちもお手柔らかな対応を維持していますが、カウンターに陣取るかなりへべれけなオヤジに対してはみているこちらさえもが肝を冷やすような冷徹な応接振りでした。これぞ酒場を守るオババたちの典型的かつ理想的な姿ではあります。わが身をオヤジに置き換えるとすっかり冷静になってしまい気ままに酔えないのがこのお店の特徴と言えるかもしれません。品書:焼酎:350,ホッピーセット:600,チューハイ:400,焼物:110,もつ煮:200,肴:200~ ここで親しくお付き合いいただいている間もなく80歳にならんというおばあちゃんと飲むことになっています。待合せのブックオフにお迎えに参上して向かうは「開進」のお隣「な兵衛」です。「開進」には幾度となく通っているにも関わらず、意識しながらも避けて通っていたお店です。あまりにも居酒屋然とした落ち着いたたたずまいに立ち寄りがたい雰囲気を感じていたのでした。ごくごくありふれたような典型的な居酒屋がいささか酒場ずれしてきたぼくにとってはむしろ近寄りがたさを感じさせているのでした。もちろん長年松戸の呑兵衛を受け入れてきたお店なので店内に一歩足を踏み入れるとえもいわれぬ包容力のある店であることが感じ取れたのでした。実際、「三州屋」なんかに似た王道の造りでリラックスできるという意味では「開進」とは正反対の店です。リラックスできることは最初っからわかっていたのにも関わらずこれまで足を踏み入れなかった自分を訝しみます。と言ったそばから少々刺激的で緊張感のある店が酒飲みにはふさわしいとも思ってしまいます。どうやらこうした落ち着いた居酒屋はまだまだ若輩のぼくには早すぎるのかもしれません。とは言え今晩は高齢の女性と一緒ということもあり、のっぺやすいとん、名物の海老だんごなどを楽しみつつ大人な居酒屋の夜を過ごしたのでした。品書:ビール大:609,酒1.5合:577,チューハイ:367,海老だんご/牛肉豆腐:577,越後のっぺ:504,田舎すいとん:399,やきとり3本:315 むろんこれだけで帰宅するのはいささか物足りなく思い、田端にて定番の「立飲スタンド 三楽」に立ち寄り、一杯ひっかけて帰宅したのでした。
2013/01/04
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いろは会商店街を通り抜け,土手通りを浅草方面に進み,桜鍋の「中江」や「土手の伊勢屋」を横目に吉原大門を折れて,明治通りを越えてもこれといった酒場が見当たりません。玉姫稲荷神社の周囲には特に簡易宿泊所が密集しており,ドヤ街の印象を濃くします。昼までの営業であとはこの辺りをネグラにする親父たちの社交場となっている「駒寿司」や勘定場にめぐらされた木製の帳場格子がかつての物騒なイメージだった山谷地区の名残を留めている「厚生食堂」などがありますが,そんな中でこれまで素通りしていたお店「大衆食堂 ふく八」というのに入ってみることにしました。まさしくこの土地のイメージにぴったりはまる想像通りのお店でした。ここら辺の居酒屋さんの例に洩れず,カラオケ一曲100円の張り紙がありますが,幸いにもまだ歌声は響いていません。カウンターだけの狭い店に労働者風のジイサン数名に混じって小奇麗な中年女性が数名おられたのが意外と言えば意外。このお店けして安いわけではないのですが,彼らは多少お金を払ってもここで過ごす時間がもっとも愉しいひと時なのでしょうか。ほとんどちょっかいを出されることもなかったのはこうしたお店では珍しかったですね。 さて,最後にもう一軒。すでにT氏は二軒をはしごしていますが,「ふく八」ではビール1本なので,まだ許容範囲ということでしょうか。迷った挙句久しぶりの「大坪屋」に伺うことにしました。前回来た際には,かつてはびくびく注文しなければならなかったおねえさんが随分とソフトになられていたのに驚かされたものですが,今晩はどうでしょうか。来るたびに広々とした酒場らしい風情にたまらなくうれしい気分に浸れます。短冊の品書はすでにほとんど覚えているのに改めてその安さに驚かされます。おねえさんはやはり以前ほどの勢いはありませんが,絶口調な無遠慮トークを通い始めて1年というお馴染みさんと繰り広げています。玉ねぎ入りの煮込みやカレー味の肉じゃがなどちょっとユニークな肴も安いけどちょっとおいしいのが魅力。ちょっとくらいおいしいのが調度いいのでしょうね,あんまりゴージャスなものばかりだと飽きちゃいます。 「大力」や「ヤスベエ」,「鶯酒場」などもう一軒位寄り道したいところですが,T氏がすでに反省縛りの4杯を超過しているのでこの日は我慢して引き揚げることにしたのでした。
2013/01/03
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たびたび登場するT氏は今,反省の日々を送っています。千住大橋でのショックが大きく,今では一晩2軒×2杯までとこの上なく厳しい足かせを自らに課しています。そうういうわけで,2軒となるとその選択は非常に慎重にならざるを得ません。毎月のように名古屋,京都,大阪などなどを旅している,うらやましいご身分のT氏がそれでももっとも愛してやまない酒場は南千住,というより山谷にあります。といったわけで,南千住駅で待合せることになったのですが,多少待ち時間があります。しからば足かせのない(金銭的には足かせ多し)ぼくは先に1軒寄り道しておくことにします。 「目利きの銀次 南千住東口駅前店」です。あまり時間がないので,1杯だけ飲ませてと店のおにいさんに断ってから入口付近の席に着きます。相当に広いお店ですでにサラリーマンのグループが多数呑んでいて,ひとり客は他にはいません。ハイボール類が299円なので,ウメ入りのハイボールというのをもらいます。お通しは大根とイカゲソの煮物,冷たくてぜんぜんうまくないです。メニューを眺めてみるとここはモンテローザ系列のお店のようですね。この「目利きの銀次」ってあまり他所では見かけることがありませんが,調べてみたところ全国に14店舗あって埼玉県に多く店舗を構えているようです。どうりであまり見かけないわけです。そうこうするうちに到着との連絡が入ったので早々に勘定しました,771円也,んっ,ちょっと高すぎやしないか。まあいいか。 で早速いそいそと向かったのは,T氏がもっとも愛する酒場の「大林」です。かく言うぼく自身も間違いなく片手には含まれると思っているのですが,いつもどおり客は2,3名ほど。近くの「タカラ酒場」でさえここまですいていません。不思議に思えてなりません。「丸千葉」がいつも混んでいるのはよくわかりますが,たまには「大林」に立ち寄ってもらいたいものです。T氏は本直し,みりんに焼酎を加えたもので今ではここ以外では見かけることもありませんが,江戸時代にはよく呑まれていたようです。ぼくは赤玉ポートワインをいただきます。ご存知のとおり1907年(明治40年)に寿屋洋酒店(今のサントリー)が発売を開始した甘味果実酒です。二人揃って甘いお酒でスタートです。こちらには他にも酒粕を蒸留した粕取焼酎なんてのもあって,金宮焼酎よりも高値で提供されています。これら今ではなかなか出会うことのない希少な飲物がいただけるのも楽しみです。肴類を頼むとオヤジが奥の厨房に声を掛けていますが,奥で調理される女性の姿をしかと拝見することはまだ叶っていません。本来,居酒屋ってこうだったんだろうなあとしみじみ回顧できるやっぱりすばらしいとしかいいようがない酒場でした。
2013/01/02
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やはり護国寺では,ぼくのような飲ん兵衛がくつろいで飲める店はないのでしょうか。と次の店を求めて歩き回っているとロイヤルホストの入った立派なビルの1階にちっちゃなお店を見つけました。「熊ぼっこ」です。カウンターのみ10数席の細くて小さなお店です。お客さんはサラリーマンばかり3名ほどが定食に一品を追加したりして慌しく食べています。それを横目にウーロン割などを飲みながら野菜いためなどをいただきます。陽気で気風のいい感じの主人が野菜いためにこしょうを振りかけているのを見たのでしょうか,お兄さん辛いの好き? 好きならこれを掛けるとうまいよ,と沖縄のちっちゃなトウガラシを乾燥させたものを手渡してくれました。指先で揉んで野菜に振り掛けるとピリッとして実においしい。じんわり汗も滲んできます。このビルができる以前から(ぼんやりとした記憶では昭和41年から)店をやってこられたことなども伺いました。護国寺にもこんなに庶民的な気分のいいお店があったことに密かに喜びを感じながら店を後にしました。品書:生大:490,ウーロン割:280,なすあげ/目玉やき/やっこ:160,野菜いため/ウインナー:260,ギョーザ:320 「加賀廣 音羽店」,ここは常々意識しながら通っていたもののこれまで訪れるチャンスを逸していた店です。音羽通り沿いにはマンションや講談社など大きな建物ばかりが立ち並んでいますが,このお店は昔ながらの木造日本家屋の外観を留めていて一度は飲みに来ないといけないなと思っていたのでした。以前は「もつ焼 太郎」という屋号だったそうです。加賀屋の系列でも独特な風情ある佇まいをもつ一軒だと思います。手前はカウンター,奥はテーブル席になっており,店内は改装こそ施されてはいますが,黒々とした柱や梁,高い天井などが見事です。こんな立派な店でもつ焼を焼くなんて勇気ある選択だなあと感心します。客層はカウンターこそ大衆酒場に見合った客層が着いていますが,テーブル席にはちょっと上品なサラリーマンやOL,学生などが混じっていささか気分が削がれます。それでもこの界隈にあっては大変貴重なお店であると満足しました。品書:ビール大:600,ホッピー:350,サワー:350~,酒1合:300,特製煮込:500,もつ焼:120~,鰻キモ:200,手羽ギョーザ:450
2013/01/01
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