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2023.01.04
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日付:一九九六年六月十六日
場所:日本、東京、京王プラザインターコンチネンタルホテル
行事:「世界平和島嶼国家連合」創設大会(代読)


きょう、この意義深い会議に、世界からお集まりくださった尊敬する貴賓の皆様。私は世界平和の実現のために尽くされた皆様の努力を高く評価し、心から感謝の意を表します。そして、今回の会議が世界平和のための、より一層の知恵と努力を結集し、近づく二十一世紀を輝かしい平和の時代として迎えることができるよう、友誼(ゆうぎ)と理解を深める良い機会となることを祈ります。

また、この会議によって、世界平和の実現に対する私たちの責任と使命を互いに分かち合い、揺らぎのない決意を互いに強固なものにできるならば、それ以上の喜びはありません。

それでは、私が「島嶼国家連合」という組織を皆様に提唱し創設するに至った経緯と背景を、先に説明することから始めようと思います。人類歴史において文明発展の流れを見ると河川流域から発生した古代文明は、ギリシャ、ローマ、そしてイベリア半島を含む地中海文明に移動しました。そしてこの文明は、ドイツ、フランスなどのヨーロッパ大陸を通って、島嶼国家であるイギリスを中心とした大西洋文明として結実しました。さらに文明は、アメリカ大陸を通って西の方に移動し、現在は、イギリスと同じ島嶼国家である日本を含めた太平洋時代を迎えています。

このような文明史の推移を、神様の摂理として理解すれば、今日、天運の中心的な立場に置かれている島嶼国家は、正に日本であると考えざるを得ません。日本は神様の摂理を通して、人類歴史の舞台に立ったのです。日本の繁栄は、神様の摂理との関係において説明できるのであり、それ以外の理由だけでは説得力がありません。日本が神様の摂理の中心に立っているとすれば、私たちの関心は、日本のもつ摂理的使命に傾かざるを得ません。なぜならば、神様の摂理の目的は、世界平和の実現にあるからです。世界平和は万民共通の希望なのです。

全世界の島嶼国家が、ここに連合して、平和世界に対する日本の使命を自国の使命のように考えることによって、島嶼国家の世界的連合による平和創建のための国家連合を完成すれば、人類社会にとってこれ以上の希望はないでしょう。このような希望に立脚して、私は「世界平和島嶼国家連合」の創設を提唱しました。私がこのように語るのは、今まで日本が受けてきた天運を、全世界の島嶼国家が相続し、世界平和創建のための国家群となることによって、一日も早く世界平和の実現が可能になるように祈らなければならないからです。

それでは、島嶼国家の特徴とは何でしょうか。地球は、陸地と海でできています。今日の科学は「海を舞台として最も単純な最初の生命が誕生して広がった」と説明しています。これは、海が生命を身ごもる母の役割を果たしてきたことを物語っています。このような理由から、海を女性の象徴として考えるならば、陸地は当然、男性を象徴するものと考えることができます。



島嶼国家が遂行すべき役割は、人類社会において女性が遂行してきた役割とある程度同じであると言うことができます。女性は、結婚して心から夫を愛し、夫に侍り、また夫の愛を受けることによって美しく輝く存在です。そして子女を生み、子女に愛を注ぎ、素晴らしい家庭を築いていくことによって、喜びを感じるのです。女性の中心的な使命は、このように夫と子女に注がれる限りない愛にその特徴があると言うことができます。特に母は、子女にお乳を与えて養育し、教育する重要な責任を負っています。島嶼国家の役割もまた、このような母の役割と同じ内容をもっていると言えます。

神様の人類救援摂理歴史を見ると、そこには必ず神様の摂理を担当する中心民族と中心宗教があります。歴史を導いてきたユダヤ教とキリスト教の核心は、第一に、唯一絶対の神様がおられること、第二に、人間始祖の堕落と罪、そしてその罪からの救いのためにメシヤが必要であると主張すること、第三に、人類の罪悪史には必ず終末があり、その時に「神の国」が到来することを主張することです。そのような救援摂理観によって、旧約時代にはメシヤの降臨を中心として歴史が形成されてきたように、新約のキリスト教時代には、再臨のメシヤを待望し、彼を真の父として迎え、罪を清算し、「神の国」を完成するという希望と信仰を中心として形成されてきました。このような救援摂理の歴史的な背景は、神様の心情と事情に立脚しているのです。したがって、神様の摂理を読み取るためには、時代の兆候を見抜く目が必要です。

第二次世界大戦が終わったとき、世界のキリスト教は、神様の救援摂理史において非常に重要な時点を迎えていました。その中心にいたのが、イギリス、アメリカ、フランスでした。第一次、第二次世界大戦において、イギリス、アメリカ、フランスの三大キリスト教国家は、連合国の中枢として民主主義の勝利のために戦い、二回とも勝利を収めました。

これは正しく神様の摂理だったのです。したがって一九四五年、第二次世界大戦が終わった時を契機として、イギリス、アメリカ、フランスの三大キリスト教国家が、自国中心主義に陥らず、世界平和の実現のために力を合わせて神様の真の愛を実践し、そして犠牲と奉仕の精神で人類の平和のために全身全霊を傾けたとすれば、国際連合を中心として、人類の恒久平和が達成されたはずでした。しかし、実際の歴史的事実は、世界平和の実現ではなく、共産主義の拡散とそれに伴う数多くの紛争、キリスト教国家の霊的衰退および道徳的堕落でした。戦後四十年以上もの間、米ソ対立の冷戦時代を経てきた人類は、霊的な荒野をさまよってきたのです。

最近、私は、神様の啓示に基づいた世界平和のビジョンを実現するために、世界の人々に神様の理想と摂理を明らかにしてきました。それとともに、世界平和の実現に必要であると考えられる多くの組織と機関を設立し続けてきました。このような平和運動は現在、完成段階に達していると言ってもよいでしょう。それでは、神様の摂理とは何でしょうか。神様の創造摂理はもちろん、平和な世界であることは言うまでもありません。平和な世界は、そこに分裂や争いがあってはいけません。統一と調和と喜びに満ちた社会でなければなりません。それを可能にせしめ、最大最高のものをつくるのは、正に真の愛なのです。真の愛は、統一の要因であり、喜びと幸福の源泉です。ですから、平和の前提は、真の愛であると言えるのです。

神様の真の愛は、どこに根を下ろすのでしょうか。真の愛の定着地は家庭です。アダムとエバが完成し、神様を中心とした夫婦として理想家庭を築いたならば、そこに真の愛が定着するのです。真の愛の家庭こそが、真の平和を生み出す基地となるのです。人類がいまだに真の平和を成し遂げられないのは、真の家庭を知らずにいるからです。その答えは聖書に記録されているように、人類が神様とは関係のない立場に落ちてしまったからです。人類の始祖アダムとエバが堕落して以来、この世界には平和が消え失せてしまいました。代わりに分裂と闘争が人類を支配するようになりました。個人においては心身の葛藤、家庭では夫婦の対立、そして社会では人間同士の闘争が絶え間なく起きています。結論的に言うならば、真の愛の喪失という根本的な原因によって、すべての問題が起きていると言うことができます。人間の堕落は、真の愛の喪失を意味します。したがって、アダムとエバが失ってしまった愛を復帰するために、イエス様は真の愛の王として降臨されたのであり、また再臨のメシヤも、真の愛を立てるために来られたというのが、救援摂理から見た論理の帰着です。

世界平和のための今までの私の歩みは、いかにすれば人類が真の愛を回復できるか、という一点に集約されます。今日、道徳的に退廃した世界を見るとき、神様の悲しみがどれほど大きいかということを、私はいつも痛哭する心情で見つめてきました。ソドムとゴモラのような姦淫の弊害が世界を襲い、未来を背負うべき若者たちがフリーセックスに陥っていく姿は、神様の最大の悲しみであり、それは正に人類を滅亡へと導く道なのです。しかし、今日、世界で一つの希望と喜びを発見できるとすれば、それは、世界が偽りの愛によって破滅しつつあるこの状況を防ぐための女性たちの活動が、世界的に拡散していることです。これは大きな希望です。既にこの日本から女性たちが世界百六十ヵ国に派遣され、ために生きる精神を実践していることは、限りなく喜ばしいことと言わざるを得ません。危機を救うのは女性です。今、私たちは、女性たちの力を尊重しなければならない時が来ました。国家で言うならば、島嶼国家が正に女性の立場に立っているのです。

各国の代表、貴賓の皆様。皆様の国は島嶼国家です。島嶼国家は女性、あるいは母としての特徴を共通して持ち合わせているので、共に連合し、力を結集して、人類に対して母としての使命を成功裏に遂行していくよう互いに協力しなければなりません。私が「島嶼国家連合」を提唱し、創設したのも、このような理由に基づいているのです。

人類歴史を見ると女性は、良い意味であれ悪い意味であれ、重要な役割を果たしてきました。聖書によれば、人類の歴史は、アダムとエバの堕落による悲劇的な事件から出発しました。人間堕落の結果に対して、私たちは責任をもってこれを解決していかなければならないのは当然のことです。しかし、エバが最初に堕落して罪悪の歴史を出発させたという聖書の記述を見るとき、人類歴史は、エバの堕落を女性たちが先頭に立って蕩減する時代が来ることを摂理的に要求しています。二十世紀における男女平等の思想的風潮、また女性の真の解放を求める運動などは、女性が世界平和のために立ち上がって世界的に大きく活動する環境が造成されたことを意味しているのです。

このような神様の摂理をよく知っている私は、一九九二年四月に、私の妻と共に「世界平和女性連合」を創設しました。この連合の運動は、近い将来に世界万民が参加する「世界平和女性連合」の運動へと発展させ、真の愛を家庭の中で定着させることによって、理想世界、すなわち地上天国を建設するのです。今、女性の時代は、一九九〇年代の世界的な趨勢であり、女性の愛と協調、和解、調和の精神が、世界平和のために歴史的な貢献を果たす時代であると言うことができます。

この世界的な女性時代は、そのまま女性の特徴をもつ「島嶼国家連合」にも該当するのです。そのように女性時代と島嶼国家の時代は深く結び付いています。女性が世界平和のために立ち上がる時は、島嶼国家もまた世界平和のために立ち上がる時なのです。すべての島嶼国家が、世界平和の実現という光明な歴史的使命を果たす時は、正しく今なのです。これ以上に誇り得る使命がどこにあるというのでしょうか。



エバの堕落は人類に霊的な死をもたらしたのであり、その結果、人類は偽りの愛と偽りの生命と偽りの血統の中で呻吟するようになったのです。マリヤとタマルの歩んだ道は、エバの堕落を蕩減するための道でした。また、か弱い十六歳のジャンヌダルクが立ち上がったとき、存亡の危機に立たされていたフランスが救われたのです。十六歳の彼女が一国を救えるほどの力を発揮したのです。このような女性たちの歴史的足跡をたどってみると、覚醒した女性たちがどれほど立派な活動をしてきたかを知ることができます。女性のもつ奉仕と献身の美徳によって人類愛に燃える「島嶼国家連合」が誕生するとき、人類の前途には、希望の光が明るく照らされるでしょう。島嶼国家は最終的には大陸を求めなければなりません。それは女性が男性を求めなければならないのと同じ原理です。島嶼国家存立の条件と言ってもよいでしょう。

したがって、島嶼国家から始まった世界平和のための諸活動は、大陸国家に良い影響を与えるでしょう。このようにして世界平和実現のための善の影響力が島嶼国家から大陸国家に及ぶとき、世界平和の実現の可能性は、より一層高まるでしょう。目前に近づきつつある二十一世紀は、人類が長い間願ってきた地上天国の輝かしい幕が上がる新世紀となることを私は確信しています。

私が世界平和のために創設したと共に、今回創設される「世界平和島嶼国家連合」は、世界平和のために重要な役割を果たすことを確信しています。そして最終的に、これらすベての組織は、「世界平和家庭連合」として結実しなければなりません。なぜならば、平和の最後の砦は家庭であり、家庭の再建以外に世界平和に至る道はないからです。

「世界平和家庭連合」の目的は、超民族的、超国家的、超宗教的理念に基づき、青少年たちを立派に教育することによって、理想国家を完成し、五色人種が永生を謳歌する人類一家族世界の歴史的聖業を成就することです。皆様の「島嶼国家連合」と「世界平和家庭連合」の偉大な目的に対して大きな賛辞を送り、立派に世界平和の大業を完遂することを信じて疑いません。神様の真の愛による人類一家族世界の夢が「島嶼国家連合」の創設によって、より一層実現可能なものとなったことに対して、皆様に感謝を申し上げながら、私のメッセジを終わりにしようと思います。






一休さんのような機知(トンチ)ではありません。

奇知=人とは異なる知恵
すなわち神様の知恵

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