つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2018.04.02
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カテゴリ: SF
アシモフの​ ファウンデーションシリーズ ​はわかりやすい。地球人は銀河系の津々浦々に広がっているが、文化こそ違え、彼らは形質的に地球人だ。もっとも長い年月の間に「地球」は伝説的存在になってしまったが。

ブリッシュが提供するのは別の未来だ。惑星を地球化する、あるいは人類がそのまま棲めそうな惑星に植民するのではなく、植民する人類そのものを、環境に合わせて変えてしまおうというのだ。本書は三部からなる中編と、皮肉な短編のエピローグからなる四部構成で、それぞれ起承転結を為す。書かれたのは60年以上も前だが、今日読んでも、環境問題を考える上で興味深い作品である。

「播種計画」
これがそもそもの始まりであった。地球環境では致命的な遺伝病を持つ人々も、ガニメデに棲めるように改造され、永らえることができる。ただその植民地は非合法であり、地球政府はスパイを送り込んで彼らを地球に強制送還させようとするが…

「屋根裏の物」
播種計画がうまくいった星のひとつでは、人々は樹上生活を営む小人になっていた。彼らの先祖である「巨人」は伝説的な存在だが、疑うものは地獄、すなわち地上に降ろされる。しかしそこで生き延びられる勇気と知力をもった「新人類」こそ、「巨人」が求めていたこの星の人類の姿だった。

「表面張力」
またある星では、人々は水中生活を営む、極微な知的生命体として設計された。「神」が残した錆びない金属板こそ、水の惑星のポーネグリフだった。勇者と知者は協力して原生動物を従え、食肉族と闘い、まだ見ぬ「星」を求めて、「宇宙空間」に飛び出す船を建造する。水のない空間で彼らが見出したものは…


何千年もの未来。地球型人類はすでに宇宙の少数民族になっていた。「適応人類」が幅を利かしたためばかりではない。地球そのものを、人類が食いつくし、砂漠だらけの不毛の惑星にしてしまっていたのだ。そんな世界で、どれだけの地球人が生存できよう?


【中古】宇宙播種計画 ジェイムズ・ブリッシュ ハヤカワポケットミステリーSF3140





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Last updated  2018.05.04 21:04:20コメント(0) | コメントを書く


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