つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2019.08.27
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カテゴリ: 百人一詩
「動物園の珍しい動物」
天野忠

セネガルの動物園に珍しい動物がきた
「人嫌い」と貼札が出た
背中を見せて
その動物は椅子にかけていた
じいっと天井をみてばかりいた
一日中そうしていた
夜になって動物園の客が帰ると

ソッと家へ帰って行った
朝は客の来る前に来て
内から鍵をかけた
「人嫌い」は背中を見せて椅子にかけ
じいっと青天井を見てばかりいた
一日中そうしていた
昼食は奥さんがミルクとパンを差し入れた
雨の日はコーモリ傘をもってきた。






最後に句点があるということは物語ということです。
ばかばかしいお話のようですが、なぜ「上野」ではなく「セネガル」なのか。
セネガルはどんな国で何の象徴なのか。


最後の二行から、「人嫌い」が単なる変人ではなく、奥さんという協力者がいることが分かります。
動物園だって、「人嫌い」を追い出さないわけですから、協力者です。
ということはこれは抗議行動なのかもしれません。
セネガルは独立以来安定した国のようですので、この抗議行動は外の世界に向けられたものかもしれません。
いや、日本だって独立以来おおむね政情は安定していますから、やはり国内に向けたものだと考えることもできます。


「青天井」は神の定めたもうた果てなき限界、すなわち理想。

ということでしょうか。
それとも、​ 「おっとせい」 ​(金子光晴)かな?




大人になるまでに読みたい15歳の詩 6





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Last updated  2019.09.29 22:17:04
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