つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2019.09.05
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カテゴリ: SF
日本語訳が出版された最後の「反地球」シリーズ。お話自体はこの後まだ20冊くらい続くのだけれど、中途半端なところで終わってしまった。それでも500ページはあるのだが。

話自体は面白い。バロウズ的物語において、これほど挫折を味わった主人公もないだろう。キャボットは生きるために「名誉の死」を避け、「不名誉な生」を選んだ。全体を貫くSM的世界観には、それが妙にマッチしているのだが。

これまで主人公は「戦士」であった。それが「奴隷」となり、その境遇を脱したのちは「船長」となり、「商人」となった。大変な金持ちとなったのだが、バロウズ的価値観からすると大いなる脱落者になるのかもしれない。けれどもそこが、人間臭くていいのだ、共感を呼ぶのだと思う。

勝てばご主人、敗ければ奴隷、という世界はグロテスクなようだが現実世界のカリカチュアでもある。だから社会は思いやりある「法」を必要としているのだ、とシリーズをここまで読んできて思ったことであった。

キャボットとゴルと地球は、これからどうなるのだろうか?


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Last updated  2019.11.25 19:57:49
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