三角猫の巣窟

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2015.05.21
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カテゴリ: 小説
猫の似顔絵師の銀太郎が探し猫の似顔絵を描いたことから毒猫で将軍の暗殺をたくらむ陰謀に巻き込まれる話。

●あらすじ
猫の似顔絵師の銀太郎は、謎の老人源蔵、貧乏神売りの丹三郎、かりんとう売りのきの、貸本屋のおさえたちと仲良く暮らしていたところ、銀太郎は町方同心の大吉郎に猫探しのための似顔絵を書かされる。銀太郎は謎の女にも呼び出され、猫の似顔絵を依頼した人物を問い立たされる。銀太郎が商売のために猫明神に行くと、薬草採りの庄兵衛に猫明神についていろいろ教えてもらい、そこでは猫がかつおぶしを選ぶ富くじが行われていて、兵藤家が金儲けのためにやっているらしい。兵藤家にぼやが起きて、銀太郎が火消しを手伝っていると、商売の旗が盗まれてしまう。銀太郎は謎の女の住所を突き止めたところ、女たちは逃げていて、銀太郎は男たちに襲われたところを唐辛子売りの伝助に助けられ、走って逃げて汗をかき、丹三郎と一緒に風呂に入り、銀太郎は庄兵衛を見かけて丹三郎の着物を借りて追うものの見失い、銀太郎の着物を着た丹三郎は銀太郎と間違えられてゴミさらいの連中につかまるものの逃げ出す。銀太郎は謎の女の素性をしり、貸し本屋にかくまうことにすると、そこに丹三郎や源蔵やおさえもやってきて、事情を話し合う。謎の女たちは兵藤家に養子にとられて大奥に行った姫と女中のおとくで、飼い猫の鈴に毒が塗られて女中が死に、姫が犯人だと疑われて天然痘を装って逃げてきた。銀太郎は兵藤家の放火犯扱いされて、放火仲間連中は銀太郎が盗品を持っていると思って追っているらしい。皆で協力して姫を逃がすことにして相談していると、付近で放火による火事が起きて、皆でその場を離れる。銀太郎は猫を見つけて追いかけたところを放火魔たちに拉致されかかり、伝助に助けられるものの、町方同心に捕まってしまうと、そこには何ものかに襲われて怪我をした大吉郎がいた。銀太郎が大吉郎に助けられて貸本屋に戻ると、追っ手が探しに来たので隠し通路から逃げて船に乗ったら、大吉郎も船に乗っていた。大吉郎の話だと追っ手の市助は敵と通じていて、大吉郎を襲った一味の仲間で、大吉郎もはめられた。大吉郎に猫探しを依頼した黒幕、つまりは猫を使って将軍家斉の暗殺をたくらんだのは老中の白神因幡守で、出世を夢見た兵藤家が老中に取り入って猫さがしをしていたのだった。大吉郎が仲間になり、知り合いの宿を借りると、そのあるじの八兵衛は丹三郎を襲った連中で、銀太郎の生け捕りを指示したのは芥取請負の平吉だといい、そこに平吉がやってきたので捕まえて、武家から出たゴミに書いてあった秘密を買い取らせた相手をはかせる。兵藤は老中の弱みとなる旗本の岩田嘉門の遺書を持っていて、それを放火で盗まれたように装っていたのだった。銀太郎たちは大吉郎の実家の錠前直しの仕舞屋に隠れ、姫とおとくはきのとおさえのふりをして、銀太郎たちは絵を売って路銀を稼ぎながら姫の故郷に旅をすることにするものの、姫の路銀が盗まれ、姫は寝込んでしまう。銀太郎が路銀を稼ごうと街をぶらついていると庄兵衛と出会い、客を紹介してもらうと、その人は伝助で、姫は本物なのかと銀太郎に言う。銀太郎がおとくに確かめると、おとくと姫は入れ替わっていた。大吉郎は敵が献上用の猫をつくるために催淫剤を使ってゴミの埋立地で猫を交配させていることを突き止めて一人で行ってしまい、一同は大吉郎の救出に向かうと、白神に差し向けらて遺書を探しに来た侍と戦い、大吉郎を見つけて救出する。兵藤たちはそこで将軍暗殺用の毒猫を育てていたのだった。兵藤の追っ手に囲まれた銀太郎たちはゴミの本に火をつけて人目を集めて難を逃れる。取り調べが進まない中、銀太郎たちが花見に行っていると手がかりの猫を見つける。伝助は将軍直々の用を勤める御庭番だったらしい。

三人称。短文で改行が多く文章表現力は乏しい。猫の似顔絵屋という職業設定は独特でよいものの、描写が少ないせいで登場人物の外見の描写と性格の描写が乏しく、キャラ立ちしていないのはよくない。唯一の濡れ場の銀太郎と姫を襲った場面も中途半端で、書くなら仔細まで書いてほしい。姫が銀太郎に惚れていたから丸く収まったものの、そうでなければレイプ事件である。それにそもそも姫が貧乏絵描きの銀太郎に惚れる理由が不明。全体的にプロットを詰め込みすぎで描写が追いついておらず、物語の展開が雑になっている。老中白神、兵藤家と蓮池屋、姫とおとく、銀太郎たちと立場が違う人たちが入り乱れ、その複雑なプロットをつなげるために庄兵衛や伝助といった第三者による偶然の助力に頼りすぎていて、主人公たちはほとんど巻き込まれ損で活躍らしい活躍がない。源蔵が絵筆に仕込んだ吹き矢も見せ場がないままで、小道具が伏線になっていない辺りにもプロットの雑さが見える。小説はプロットだけ読めればいいというものでもないので、ひとつひとつの見せ場をきちんと書いてほしいところ。360ページくらいあるのにどの場面も描写不足なせいで、場面が印象に残らず長編小説としての読み応えがない。

★★★☆☆










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最終更新日  2015.05.22 04:00:37
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