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芝浦屠場で内臓業者がただ働きで屠畜を手伝わされていたこと、横浜屠場で組合ができて差別行政を認めさせたこと、大阪・南港市場の仕事師の様子、四国日本ハム争議で組合が工場廃止を撤回させたことについて、文献とインタビューに基づいて書いた本。
各屠場の歴史、屠畜職人になったきっかけ、待遇、技術習得の苦労などが書いてあり、著者は聞き手に徹している。著者はどの屠場も同じやり方で記事を書いているので屠畜職人の苦労話は似通っているし、豚と牛の話ばかりで内容が単調になっていて、分析や考察の視点が乏しい。公営の食肉センターと民間の食肉センターとの待遇の違いや怪我の補償がどうなっているかは書かれていないし、馬や羊や鶏などの屠畜についてはまったく書かれていないし、もうちょい屠場について包括的に掘り下げるか、あるいは逆に特定の話題に特化してほしいところ。詳しい話を知りたいからこういう本を読むわけで、広くて浅い話をされても期待はずれ。
四国日本ハム争議については労組側にのみインタビューしていて四国日本ハム側にはインタビューしていないという中途半端な内容。「部落開放」という雑誌に連載されたようで、組合寄りにバイアスがかかった内容になっている。部落開放同盟の主張をなぞるだけならこの著者がわざわざ取材して書く意味はないと思うのだが。
★★★☆☆
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