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2017.02.02
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小説、漫画、映画、ゲームとかのあらゆる作品の面白さがamazonとかのレビューサイトで批評されているけれど、おもしろい、つまらないという短文の感想が多かったり、ファンとアンチが乱闘して荒れていたり、あるいはファンが盲目的に褒めているだけだったりして、面白い作品を買いたいと思ってもユーザーレビューがあまり参考にならないことが多い。作品の面白さ、つまらなさを論じる際に独りよがりにならずに他の人の参考になるような建設的な感想をいうためにはどうすればよいのかということを考えてみて、構造主義的に作品の面白さを構成要素ごとに分ければよいのではないかと思いついたので、阿呆なりに浅知恵を総動員して必死に考えてみた。字数制限の都合でブログ記事だと書ききれないので、サブページの 作品の面白さとは何か

●面白さの要素
・芸術的要素:真善美を追求する深い物語
・感情的要素:幸せ、不幸、共感、反感、愛情、嫌悪、怒り、恐怖、空しさ、嫉妬、焦燥、葛藤などの複雑な感情を刺激する、魅力的な登場人物
・知的要素:新奇性、謎の解明、予想外の出来事、戦略性、結末への期待、好奇心を刺激する
・技術的要素:高度な創作技術、凝った構図や演出、世界観の一貫性、最新技術の使用
・作家的要素:作家独自の思想、感性、体験

●つまらなさの要素

・感情的要素:陳腐な感情をあざとく刺激する、無感情、魅力がなく印象に残らない登場人物
・知的要素:既視感がある、結末の予想がつく、戦略性のない作業ゲーム
・技術的要素:絵や文章が下手、世界観が構成できていない、プロットが破綻している、ゲームにバグがある
・作家的要素:没個性的、パターン化、ハンコ絵、テンプレ展開、パクリ

上記のように面白さとつまらなさの構成要素を芸術的要素、感情的要素、知的要素、技術的要素、作家的要素の5つの要素に分けてみたけれど、この要素に照らし合わせて、どこの要素が面白いとかどこの要素がつまらないとか、具体的な感想がいいやすくなるのではないかと思う。

たとえば『 古見さんは、コミュ症です。 』という漫画はどう面白いのか考えてみる。人見知りでほとんどしゃべらないヒロインという主人公らしからぬ人物が主人公なところに新奇性があり、古見さんがブルブル震えたりフンスとやる気を出したりする多彩な感情表現に感情的要素の面白さがある。しかし脇役たちの奇面組的なわかりやすいキャラ設定は既視感があるし、脇役たちの感情表現がパターン化してしまい、せっかく古見さんがキャラ立ちしていても脇役のせいでリアリティがなくなってつまらなくなってしまう。主人公に友達がいなくて脇役たちが主人公を神格化する展開は『はんだくん』で既視感があって、私は先にはんだくんを読んでいたので古見さんのほうは相対的につまらないけれど、これは主人公が人見知りで他人と話せないという設定上、脇役たちで物語を動かしていかないといけないのでしょうがないのかもしれない。普通の高校生活の物語なので物語の展開に知的要素はなく、新しい漫画的表現を取り入れたとかの技術的要素もなく、友達とは何か、友情とは何かを哲学的に掘り下げるわけでもなくて芸術的要素もあまりなく、他の漫画に似ている部分が多くて作家的要素も乏しい。というわけで、私にとっては古見さんがかわいいという感情的要素にしかこの漫画の面白さがなく、古見さんと只野くんのラブコメ部分の感情表現はそこそこ面白いけれど、魅力のない脇役たちがでしゃばってくるギャグはつまらない。しかし『 はんだくん 』や『 3年奇面組 』を未読の人にはギャグ漫画としてもっと面白く感じるかもしれないし、いろいろな漫画の面白さの要素を手際よく取り入れているという見方をすれば効率の良い構成ともいえるし、もともと重厚なストーリーがあるような大作でもなくて体育祭だのプリクラだのの高校生活の短いエピソードを集めた小ぶりなコメディなので、暇つぶし程度には面白い。ちなみに私さんも、コミュ症ですけれど、どういうわけか刺青をいれたいかつい人たちと付き合いが増えてしまうという特攻の拓的な展開になってしまって、ゼンカモン的な人や半グレ的な人と何を話せばよいのかわからなくて困る。





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最終更新日  2017.02.04 02:22:26
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Re:作品の面白さとは何かを考えてみる(02/02)  
トランキーロ さん
こんばんは、なろう作家です。

いつもブログを拝見しておりますが、三角猫さんの高度な理論に付いていけず、ただただ駄文を綴っております。

質問なのですが、作品内リアリティってどうやって出していけばいいんですか?

わかっている人を唸らせる作品がそのジャンルに深みをもたらすんでしょうけど、それだと裾野が広がりません。わからない人でも楽しめる作品がそのジャンルの裾野を広げていくと思います。

書き手もその点おんなじだと思うので、小説の深みを知らない浅はかな書き手にバカでも書ける小説書き方を教えていただけると幸いです。

甘ったれるな!と叱られそうですけど、よろしくお願いします。 (2019.04.19 05:06:32)

Re[1]:作品の面白さとは何かを考えてみる(02/02)  
三角猫  さん
トランキーロさんへ

芸術におけるリアリズムというのは基本的に作者が現実世界を観察して、現実に即して作品を作って、読者にその現実味を感じさせるということです。例えば小説に警察官が出てくるなら、部署や階級や装備品や給料やパトカーの車種について調べて、細部まで詳細に書くことで警察官についてのリアリティが出ます。警察マニアの読者を唸らせるために細部を書くのでなく、現実の警察がそういうものとして存在するので、現実に即して誇張せずにありのままの警察を書くことで作中の警察官にリアリティが出るわけです。拳銃をやたら撃ちまくる天才バカボンの本官さんや、こち亀の月光刑事のような警察官を書くと、そんな警察官は現実には存在しないのでリアリティがなくなります。つまり空想で適当に書かずに、ちゃんと取材したり資料を調べたりすることでリアリティが出ます。プロ作家でも特殊な業界は取材しきれないので、その場合は専門家が監修することでリアリティを出しています。

架空の場所や人物が出てくるフィクションの場合は取材対象がなくてすべて現実通りに書くというわけにはいかないので、なるべく現実に即して書くことでリアリティを出すことができます。なろう小説によくある異世界ファンタジーで架空の場所や生物を書くにしても、どういう気候の土地で、どういう動植物の生態系で、魔法の存在をエネルギー保存の法則でどう解釈するのか、というのをひとつひとつ突き詰めると架空の世界のリアリティが出ます。例えば『風の谷のナウシカ』の風の谷がどういう地形で、腐海の毒を寄せ付けないための装置をどうやって村人が作ったのかなど、宮崎駿が架空の場所の設定を細かく作り込んでいることを岡田斗司夫が解説しています。架空の場所が本当に存在するかのように詳しく書くことで、その世界で暮らす架空の人間の思想や行動にもリアリティが出ます。

バカでも書ける小説の書き方としては、一人称で自分の体験を語るのが技術的に一番簡単なやり方です。このときに語り手はなぜ語るのか、何を語るのか、誰に対して語るのか、いつの時点からいつの出来事を語っているのかというナラトロジー的な整合性を突き詰めることで語り手の存在にリアリティが出ます。語り手の存在にリアリティが出ると、その語り手が語る内容にもある程度リアリティが出ます。一人称は技術的には簡単な反面、ナラトロジーを理解していないとリアリティがなくなりやすいです。
他の小説の書き方は、三人称で時系列や視点をいじらずに主人公を焦点にして出来事が起きた順番に書くのが技術的に簡単です。三人称の場合は上記のように取材したことを客観的に詳細に書くことで物事の具体性が増して、読者がその物事を想像しやすくなってリアリティが出ます。取材は小説の才能よりも努力と手間の領域なので、テーマについて時間をかけて取材して丁寧に小説を書けば技術的に下手でもそれなりによい小説に仕上がります。

コメント欄で書くと長くなるので、技術論の詳細は他の記事で書くつもりです。わからないことや質問があったらまたコメントしてください。小説の書き方といっても幅広いので、質問が具体的だと答えやすいです。 (2019.04.19 17:48:54)

Re[2]:作品の面白さとは何かを考えてみる(02/02)  
トランキーロ さん
三角猫さんへ

こんばんは、なろう作家です。なるほどー!神は細部に宿るということですね。なんか分かります、ガンプラでも細部まで作り込んでいるほど、リアリティありますもんね。

で、なんですが、また質問です。

僕はどちらかというと、人間の内面を書き出すよりも世界や現象をスケッチしていくような小説を書くのが好きです。

先に世界や現象があって、主人公や登場人物はあくまで契機でしかいないような感じです。なので割と人称に関しては雑に扱ってきたんですが、それでも、人称の扱い方はすごく難しいです。

三人称で小説も書くんですが、その場合、主語を、例えば主人公の名前だったり、あだ名だったりを使うんですが、結局、主語を『私』にしても同じなんですよね。

三人称の小説を書いてるつもりなんですが、主人公の視点だけで見てるんだったら、結果、主語が『私』じゃない一人称小説じゃね?ってことによく陥ります。


だから、ヒロインの想いやら登場人物の考えを『~~だと思いました』みたいに、臆面もなく書いてみたりして、やたらクソ長い会話文でごまかしてみたりと三人称っぽさを演出してみたりするんですけど、それでいいのか?とも思ってみたりです。

僕自身がそこまで登場人物の内面を主題にしてはいないので、人称の問題はなかったことにしながら書くんですけど、違和感は残ります。

どうやったらうまく三人称の小説を書けるようになりますか?

質問ばかりですいません。よろしくお願いします。

(2019.04.19 21:45:34)

Re[3]:作品の面白さとは何かを考えてみる(02/02)  
三角猫  さん
トランキーロさんへ

三人称にしても一人称もどきになってしまうのは、内的焦点化で視点人物が知覚した物事しか書いていないのが原因です。三人称をもっとうまく書くにはナラトロジーを理解する必要があります。焦点化ゼロ(神の視点)や不定焦点化が使えるようになると、焦点を当てる人物を変えて主人公以外にも焦点を当てて場面を転換したり時系列を変えたりして自由に物語を展開できるようになります。

美術でデッサンするように、小説にもデッサンがあります。三人称の外的焦点化で、いつどこで誰が何をして何が起きたのかという物事の外面だけを客観的に具体的に詳細に書く訓練をすると、「~だと思いました」という主観交じりの一人称もどきの三人称から抜け出せるかもしれません。
会話文を説明代わりにして話を進めるのは技術的には楽な手法ですが、それだと三人称の描写力がつかないので、地の文章で描写と説明を適切に書けるようにデッサンで訓練するほうがよいですよ。 (2019.04.19 23:46:30)

Re[4]:作品の面白さとは何かを考えてみる(02/02)  
トランキーロ さん
三角猫さんへ

こんばんは!なろう作家です。質問ばかりでごめんなさい。あらゆる創作家の最底辺に位置するなろう作家にも創作上の悩みがあるんです。

さて、人称の問題なんですが、これは僕個人の資質の問題かもしれませんが、三人称小説よりも一人称小説の方が(『なんちゃって三人称小説』も含むんですが)書きやすいです。

なぜか考えてみたんですが、結局、心境の述懐だけで成り立つことと、それと、ここは僕の資質があるかと思うんですが、書きながら思いついたことを、そのまま作品に放り込めることじゃないかと思いました。

三人称小説を書いてみようとしたとき、最初と最後を変えようがない、特に最後はほんと変えられない。こ

これは極端かもしれませんが、最後から書き始めて、最初で書き終わるような感じですね。整合性がシビアなんです。場面の配置とか、人物の変化が終幕から逸脱されるのが許されない。

その点、一人称小説は最初から書き始めて、その時その時の思い付きを詰め込んで、初めに想定していた最後と違うことになることが多いです。

これはこれで、書き手の僕としては楽しいんです。物語の最後から読む人なんていないように、書き手も物語の最後が分かったうえで書くのはつまらなかったりします。

自己満足で書いてるなろう作家なんで、そうやって思い付きだけを詰め込むだけでもいいのはいいんですけど、そうやって書いた自分の小説を改めて読み直すとつまらない。

さらに一人称小説から三人称小説へと段階が進むと、その場の思い付きを物語の整合性に落とし込む作業が必要になってきたりとかなり難しくなってくる……。

作品内リアリティの問題ともつながったりしてくると思うんですが、小説や物語が成立する条件ってなんでしょうか?物語の整合性とか成立は単純な演繹法でいいとは思うんですが……

小説って難しいですね。書き手になって初めて分かりました。 (2019.04.20 01:46:14)

Re[5]:作品の面白さとは何かを考えてみる(02/02)  
三角猫  さん
トランキーロさんへ

整合性の問題は、プロットとストーリーの違いに由来します。出来事が起きた順番に書くのはストーリーですが、これは技術的には簡単な反面、書きながら考えていくと後から整合性がつきにくくなって、オチにしわ寄せが来て結末がつまらなくなりがちです。週刊誌に連載している漫画は結末が決まらないまま書いているのでたいてい終わり方がひどいです。
物語を面白くしようと思ったらプロットを考えることが必須です。作者は作品についてすべて知っているのは当然のことで、プロの作家は一番の見せ場になる結末から物語の構成を考えて、読者を楽しませるためにプロットを作ります。一流のシェフがフルコースの料理のメインディッシュを先に考えてそれに合うワインや前菜やデザートを用意するように、作家はプロットを考えてエピソードを出すタイミングをコントロールすることで、脱線や矛盾がなくて完成度の高い作品が出来上がります。

小説は基本的に形式も内容も自由に書いてよいので、どう書いても小説として成立します。趣味で楽しく小説を書くのが目的なら、楽な一人称で書きたいことを思いつくままに書くだけでよいです。小説としては下手でも漫画原作扱いで出版社の目にとまることもあるでしょう。
しかし技術的に上手くなって他人が読んで楽しい物語を書いてプロ作家になるのを目指すのなら、三人称で取材とファクトチェックをやって構成を十分に練ってから小説を書くほうがよいですよ。 (2019.04.20 09:52:50)

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