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2024.09.06
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最近は牛角という焼き肉チェーン店で期間限定で女性を半額にしたら男性差別だとして炎上したので、これについて考えることにした。

●割引・値引きとは何か

割引とは一定の価格からある割合の金額を引いて安く販売することである。値引きとは一定の価格からある金額を引いて安く販売することである。割引・値引きすると普段よりもお得な感じがするので客を集めやすくなる。新商品の宣伝、新店舗のオープン記念、期末在庫セールとか、販売促進のために期間限定で一時的に割引・値引きされる。恒常的に割引・値引きしたらそれはもはや定価なので割引・値引きとは言わないし、セール開始前の8週間のうち4週間以上は通常価格での販売実績がないと二重価格表示として景品表示法に違反する。

●割引・値引きの是非

私は企業が割引をやるのは合法である限りどんな理由であれ自由にやればいいと思うし、客がそれを批判したり不買したりする自由もあると思う。例えば相席居酒屋や街コンで男性か女性のどっちかに客の性別が偏ったら営業が成立しないので、どっちかを優遇して客数を調整するのは差別ではなくて営業を成立させるための事業戦略と言えるだろう。すき屋や松屋が深夜料金を取っているけれど、逆に深夜に残業お疲れ割引をやって近所のすき屋や松屋から客を奪うのも事業戦略としてありだろう。携帯電話会社がMNPの新規顧客だけ優遇してスマホ代金を割引して長期契約している人を蔑ろにしているのもそういう経営方針なのだから別によいし、それが気に入らない客は他の会社にMNPすればよいだけである。会員だけ割引したりポイントを付与をしたりするのも会員を増やすための事業戦略で、非会員に対する差別だと怒る人はいなくて特典が欲しい人は会員になればいいだけである。個人経営の飲食店の禿げた店主が禿げた客を励ますために禿げ割引をして禿げた常連客を増やしてピカピカに励ましあってもフサフサ差別として嫉妬して怒り狂うフサフサな人はいないだろう。
しかし高級ブランド店がブランドイメージを保つために値下げをしないように、商品やサービスに魅力があるなら割引・値引きをしなくても客が来るので、頻繁に定価から値段を下げないと客を呼べないようなビジネスは値下げよりも質を改善するほうが良いと思う。それにわが社は〇〇を支援しているんだという企業方針でもない限り性別などの属性を基準にして特定の属性を優遇することは反発を生むので、むやみに割引をしないほうがよいだろう。

・牛角の炎上の問題

牛角の場合はさいたまスーパーアリーナのTOKYO GIRLS COLLECTIONへの出店を記念して9月2日から12日まで限定で女性の食べ放題90品牛角コースが通常3938円なのがアプリ会員で予約限定で半額の1969円になるプロモーションをしたけれど、食べ放題で女性の方が肉を食べる数が4皿少ないというのが理由で半額にするなら恒常的に定価を下げるのが筋で、期間限定で半額なのは企業姿勢として中途半端で、じゃあ普段は女性に対して割高の料金を取っていることを正当化するのかという話になるし、それだと女性客は常連として定着しないだろう。それにたいていの食べ放題は従量制でなくて〇品から選べるという選択肢の多さでコースの値段が変わってくるので、食べる量を理由に割引するのはサービスが一貫していない。男性だって小食の人はいるし、女性だって大食の人はいるのだから、食べる量を理由に値段を決めるなら性別にかかわらずスマホの料金プランみたいに〇皿までは基本料金で〇皿以上は追加料金みたいにすればよい。たかが10日間のプロモーションのために主要顧客の肉好きの男性客に批判されてその後の客数低下や売上減少につながるのであればプロモーションとしては失敗だろう。
そもそも牛角がTOKYO GIRLS COLLECTIONに出店するというのがよくわからない。若い女性が行きたがるおしゃれな店というイメージはないけれど、若い女性客を増やしたかったのだろうか。プロモーションをするにしても既存の食べ放題コースで女性だけ半額という安直な手段にせずに、GYUKAKU GIRLS ALL YOU CAN EAT COLLECTIONとか名付けて、有名なモデルの何某ちゃんが選んだ野菜やデザート中心の〇品2000円程度の食べ放題メニューを期間限定で提供するとかだったら男性客からの大きな反発はなかったと思う。服屋で女性向けのスカートを半額で売ったところで男性客は差別だと言わないし男性客でもスカートを買いたい人は買えるように、牛角は女性向けの食べ放題メニューとして売って男性でも注文したい人は注文できるようにすればよかったわけで、牛角の担当者が「女性限定」と「女性向け」の違いを理解していないので不公平感がでて炎上したのだと思う。
カンニング竹山の「“これで何で女だけ安いんだよ”って言ってる男に本音を言うと、ケツの穴小さいこと言ってるんじゃねえよ馬鹿野郎!女が安くてもいいじゃねえか馬鹿野郎」というのはマーケティング的にもジェンダー論的にも筋が悪い意見で、ケツの穴が小さい男性を批判しているようでいて女性はケツの穴が大きい男性に庇護されるケツの穴が小さい存在でいいことを容認するような男尊女卑の固定観念を助長しかねない。
2000円程度で文句言うなと金額の問題にする意見も筋が悪くて、2000円程度なら性別で差をつけても問題ないのだといろいろな企業が判断して新幹線やホテルやコンサートチケットや家賃やスマホの料金プランやサブスクとかのいろいろなものが男性か女性のどちらか片方だけが安くなると、マクロで見たら大きな差になって社会全体で性差別を助長するようになる。割引金額の大小の問題でなくて、同じ商品やサービスを提供しているのに性別を理由にした割引をすること自体が妥当かどうかの問題である。
牛角に対する擁護には女性だけ割引するのは差別でない(女性は食べる量が少ない、企業の自由、等)という主張と、差別だけど文句を言うな(受け入れるのが男らしさ、男性は今まで優遇されていた、男性の方が収入が多い、等)という主張の2パターンの擁護があるけれど、後者の主張は男性差別容認につながるがゆえに問題である。前者の主張も差別の正当化につながる可能性があって、例えば東京医科大学の一般入試で女性を一律で減点したのは女性差別だと批判されたけれど、35歳時点で24%の女性医師が離職しているという厚生労働省のデータを根拠にすれば減点しても差別ではないということになって、今までフェミニストが女性差別だと主張してきたことと整合性がとれなくなる。

●優遇のコンセンサスと公平さ

日本は建前では男女平等の社会になっているので、男女どちらかの優遇を正当化するには相応の理由がいる。性別は一部の性同一性障害の人を除いて自分の意思では変えないので、性別を理由にした優遇をすると不公平になって差別と言われかねない。昔は男尊女卑で明治政府は女子教育の整備に消極的で女性が進学できなくて女性が差別されていたので、キリスト教徒によって私立の女子大学や短期大学が作られて女性の教育や就職を支援したけれど、現代では大学全入時代になって女子大学が役目を終えていていくつかの女子大学が学生不足で共学になっているので、女性だけに焦点を当てて優遇する必要がなくなっている。もし現代で女性だけ学費を安くするとかの優遇をしたら男性差別と批判されるだろう。昔は映画館でレディースデーがあったけれど、最近はTOHOシネマズとかの大手はレディースデーを廃止している。アゴラの「​ 牛角の女性割引に疑問の声、アメリカでは既に「違法」 ​」という記事によると、カリフォルニア州だとUnruh公民権法というのがあって、裁判所は性別による価格差は有害な固定観念を強化するため、一般的には男性と女性の両方に悪影響を及ぼす可能性があると判断したそうな。日本でもアメリカ的な自立した女性を目指すのであれば、女性であることを理由にした優遇は女性側から拒否するべきだろう。
ではどういう基準なら優遇のコンセンサスを得られるのか。美術館や遊園地とかのたいていの公共施設では、未成年、高齢者、障碍者に対しては割引している。これは自分で収入を得られない社会的弱者に対する配慮として社会的なコンセンサスがあるし、誰でも子供だった時期があるし、誰でも長生きしたらいつかは高齢者になるし、誰でも事故や病気で障碍者になる可能性があるので、公平な割引である。飲食店の食べ放題では小学生以下の料金が安いけれど、大人と子供は明らかに体格と食べる量が違うので、子供の優遇というよりは食べる量に相応の値段として誰でも納得できるだろう。新規顧客限定の割引なら誰でも新規顧客になりうるので公平だし、長期契約している顧客や常連客への割引で顧客をつなぎとめようとするのも誰でも条件を満たせば恩恵を受けられるので公平だろう。例えばスタンプカードがある飲食店は常連客が来店数や売上に応じて割引とかの特典を受けられるけれど、一見の観光客よりも店の経営を支える地元の常連客に還元するのは社会的な慣習として一般的で、観光客差別だと言う人はいないだろう。誕生日の割引も誰でも年に1回は誕生日があるので公平である。客が少ない時間帯に客を呼び込むために特定の時間や天候が悪い日に割引するのも公平だろう。プロモーションをしたい企業はなるべく公平なやり方をするとよいだろう。





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最終更新日  2024.09.09 14:07:34
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