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2026.06.09
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お肉、お魚、お野菜、お菓子、お醤油、お味噌、お豆腐、お寿司、お出汁、おつまみ、おまんじゅう、おせんべい、おせちなど、食べ物にはしばしば「お」がつくけれど、なんでじゃろうとふと疑問に思ったのだった。もしかしたら言語学とかに既に研究があるのかもしれないけれど調べるのは面倒なので、自分で考えることにした。

●「お」がつく理由の仮説

・丁寧語?
基本的に「お」がつくのは丁寧語の場合が多いけれど、「お」がつく食べ物と「お」がつかない食べ物がある。相手がいる場合に「お」がつくのは丁寧語だと言えるし、それと同様にお水やお米とかの頻繁に相手に提供していた食べ物には丁寧語の「お」が定着して、蟹とかのあまり提供されない食べ物は「お」をつけないのかもしれない。
平安時代には蓋つきの器が御器(ごき)と呼ばれていたように、平安貴族は自分で料理をしなくて部下に食事の用意をさせていたので貴族に提供するものには丁寧語の御がつくのかもしれない。お箸、お茶碗、お皿、お盆、おちょこ、お鍋、おたまとかの食器や調理器具の一部にも「お」がつくものがあるけれど、これも食事と一緒に相手に提供されたので、丁寧語としての御(お)がつくようになったのかもしれない。

・言いやすさ?
丁寧語の「御」は「お」か「ご」と発音するけれど、その後に続く言葉の発音しやすさによって「お」と「ご」に分かれるのかもしれない。御米がごこめだったら発音しにくいのでおこめなのだろうし、御飯はおはんだったら発音しにくいのでごはんなのだと思う。
「亀田のあられ、おせんべい」というCMがあるけれど、米で作られたお菓子でもおせんべいやおかきには「お」がつくのにあられには「お」がつかないけれど、せんべいのほうが偉くてあられが格下だからせんべいにだけ「お」をつけて丁寧に扱っているわけではないだろう。たぶん「お」と「あ」と「ら」の口を開けて発音する音が連続すると発音しにくいので、あられには「お」がつかないのじゃないかと思う。もし丁寧語が「お」でなく「でゅ」や「みょ」の世界だったら、でゅせんべいやみょせんべいになって偉い人の前で噛みまくってしまうので、言いやすさは大事である。
群馬や秩父あたりの郷土料理のおっきりこみは身分が高い人に提供するわけでもなくて丁寧語にする理由がないので、言葉の調子を整えるために「お」をつけているんじゃないかと思う。

・昔からある言葉?
米に関連する単語だと「お」がつくものが多くて、お米、おかゆ、おにぎり、おもち、おこわ、おはぎ、おせんべいとかがあるけれど、同じ主食でもパンやパスタやピザやチャーハンやピラフには「お」がつかない。飲み物だと水や緑茶や日本酒には「お」がついてお水やお茶やお酒と呼ぶけれど、牛乳やコーヒーやコーラやワインやウイスキーには「お」がつかない。日本に昔からある日常的な言葉には「お」がつく傾向があって、新しい言葉や外来語には「お」がつきにくいといえる。たぶん戦前の家父長制の頃の日本では目上に対する言葉遣いの躾が厳しかったので、上品な言葉遣いを心がけて「お」をつけたのかもしれない。しかしちまきは米に関連していて昔からあるのに「お」がつかないので、昔からあるからといって「お」がつくわけでもなさそうである。

・種類による?
釜めしの焦げた部分をおこげと言うのに対して、肉や魚とかが焦げてもおこげとは呼ばない。それに果物には「お」がつかないようで、柿やみかんや梨や枇杷とかの果物は昔から日本にあるけれど「お」がつかない。カテゴリーを指す言葉にしてもお肉やお魚と違ってお果物と言わないのは言いにくいからかもしれない。

・単語のみ?
お肉やおうどんは「お」がつくけれど、肉うどんに対してはお肉うどんとは言わない。「お」は複合語には使われないのかもしれない。

・名詞化?
おこわはもち米の堅い飯を意味していて昔は強飯(こわめし、こわいい)と呼んでいたけれど、いつからか「お」がついて御強となって、今ではひらがなのおこわとして定着している。おにぎりも昔は握り飯と呼んでいたけれど、今は握り飯とは呼ばなくなっておにぎりやおむすびという「お」を含む言葉として定着していて、「飯」が省略されている。おでんは室町時代の豆腐田楽が起源で、宮中の女房言葉で丁寧語の「お」をつけてお田楽と呼ばれたのがおでんという名詞になっている。「お」+「〇〇」という二語の呼び方が普遍的に使われるようになって一語の単語として名詞化したのじゃないかと思う。

・幼児向け?
おててやおめめのような「お」は丁寧語とは違って幼児に対して話すときだけに使われる。それと同様に幼児に食べ物の名前を教えるために「お」をつける場合もあるのかもしれない。お肉やお魚は幼児に食材の総称を教えるための言葉かもしれないし、大人になってもその言い方を続けているのかもしれない。

・親しみやすさ?
芋はお芋と呼ぶけれど、似たような味や食感の栗やカボチャには「お」がつかない。石焼き芋屋が「おいしいおいもだよ」と客引きしているけれど、「おいしいいもだよ」だと「い」が連続していて聞き取りにくいしぶっきらぼうな感じになるので、親しみがある感じの「お」をつけて「おいしい」と「おいも」の「おい」で韻を踏んでいるのかもしれない。
お稲荷さんやお揚げさんやフジッコのおまめさんみたいに「お」と「さん」がつく場合は親しみを表す言葉かもしれない。

●結論

だいたい昔からある言葉に丁寧語の「お」がついて、言葉遣いが厳しい時代に「お」をつける用法が定着したと思われるけれど、一貫した規則があるわけではなくて単語ごとに異なる理由で「お」がついているのかもしれない。





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最終更新日  2026.06.09 20:48:04
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