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再び短歌月評から。今月の短歌月評もいい。篠弘という人がどんな歌を詠んでいるのか知らないけれど、先月と今月のふたつの文章を読んで、この人の眼差しがとても気に入った。沈黙のような静けさのなかに、確かなものをそっと掬い上げるような手つきがこの人にはあるように思う。今月は、昨年86歳で亡くなった筑地正子という人の全歌集について取り上げている。以下は東京新聞の今月の短歌月評からの引用と要約になる。そのままの引用には「 」を用いた。筑地正子は1920年に東京都で生まれた。実践女子大の国文科を卒業し、作歌と絵画に挑むが、父の退職を機に父の生家である熊本県長洲町に両親とともに移り住む。1946年から2002年まで、親の最期を看取りながら農耕の生活を続ける。歌人との交流も少なく、第一歌集の刊行は1979年と遅かった。●空はいま忿怒の相に夕焼けて人間(ひと)に生(あ)れたるかなしさは思へいつまでも麦の地平に見えていて馬より寂し人の姿は卓上の逆光線にころがして卵と遊ぶわれにふるるな●「東京に育った作者は、文化環境に恵まれない土地になじめなかった。大きな自然がたやすく自分を受け容れてくれない哀しさ、豊かな大地に溶け込まない自分の姿を味わう。さらには孤独に浸りきり、はからざる孤立した己が存在に執着してやまなかった」それが97年の第四歌集あたりになると、「詩想が自在になり、ゆとりをもった視角からから人間観察がすすむ」。●食べられぬ瓢?も植えるわが畑をふふと笑へばふふと答へつ人間(ひと)ならば七十歳といふ犬が動かず吠えず媚びず怖れずフランスパンを小粋に抱ける男など遇はざる村に住むのどけさや●「過疎の地に、ひとり住まいをする作者。その風土と向き合いながら、自分のユーモラスな側面に目を向けてくる。ひょうたんを作る愉しさを知り、老犬のたたずまいに自分の分身を見て、ひとり苦笑する。いつまでも都会人気質の抜けない、気取り屋の存在を確かめる」●絵より詩へ漕ぎいだしたるたましひの帰郷を待てる青麦畑有明海の大夕焼けのただなかにムンクの叫びしかと聞こえつ七十余年の行き来し女の薄化粧紅ひく時に絵心動く●これらは2004年、生前最後の第五集からのもので、「若い時代に挑んだ絵画のイメージがしきりに現出する。作者の短歌の起像力に、如実に「絵心」が作用していたことを思わせる」佐々木信綱は、この『築地正子全歌集』(2007年1月 砂子屋書房)の巻末に「孤高の歌人」と題した長文の解説を寄せている。
2007年02月26日
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よそ様のブログをお散歩していたら、どうした! 黒川紀章! というのがあって、読ませてもらった。今回の都知事選出馬声明をめぐって、さまざまな憶測がとんでいる。そのことは新聞その他で目にした。ちっとも関心がわかないのだけれど(どうでもいいじゃん)、そのなかに、安藤忠雄を重用しようとしている旧友石原慎太郎への怒り、という説があって、それで思い出したのだ。どうした! 安藤忠雄!というほどよく知らないし、正直、さほど興味がないのだが、表参道ヒルズのことである。(なんかもしかして相当時勢に遅れている話題かも 笑)私のようなものでも、鳴り物入りでオープンした彼の場所のことは知っている。それで用があってしばらく前に行ったのだ。愕然とした。どうしてこれほどに閉鎖的な空間がありうるのだろう。閉じられた空間を、人は否応なく歩かされるのだ。しかも通路がせまい。私には傲慢にして自己満足な建築にしかみえない。いったい誰のための建築なのだろう。私の周囲にも、安藤ファンは多い。どうしてなのかな。安藤忠雄の建築って、そんなにいいのかな。あとでちょっと調べてみよう。
2007年02月24日
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不肖私、現役にてW大受験失敗。S予備校国立文系コース補欠合格。大笑しかしながら一念発起して、夏休み過ぎには学生番号を二桁に 驚異の成績上昇で取材などを受けつつ、冬休みには挫折 脱以降、混迷の人生に突入していくのですが、それはそれとして、本日、所要ありW大図書館へ。情けないというか、こんな雨の日、しかも受験シーズン戒厳令下のW大あたりをうろついていると、ちょっと胸が痛むような感傷的な気分になります。それにしても、多少の面影を残しつつも、ずいぶんとこのあたりも変わりました。これが大学? どこかの企業の研究所のような雰囲気も。この時期、学生の姿もまばらです。そんななか、大学構内に中高年の一団と、これを案内する女子学生の姿がありました。「足下がすべりやすくなっていますから、お気をつけください」などと言いながら。そういえば、どこかに張り紙がしてありましたが、新入生の保護者などを案内する校内ツアーとのことでした。なんだかなあ。かっこ悪いなあ、と思いつつ、考えてみれば自分はその案内されている方たちとまさに同世代なのでした。いや、それだけなんだけど。ひとり、鈍色の空の下、傘をひらいて西早稲田。雨はしとしとと降り続けるのでした。笑
2007年02月23日
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今クールでは「拝啓、父上様」が気に入っている。「北の国から」はいつの頃からか、重たくなって見なくなった。きっと悪くはないのだろうが、世の中の迎え入れ方みたいのが、なんだかいやだった。「優しい時間」は悪くなかった。きっと視聴率は高くなかったと思うけれど、主役級が充実していた。けれども、このドラマではカウンターに集う人たちが少しばかり類型的だったように記憶する。「拝啓、父上様」は、主役、脇役、ほとんど見事といっていいバランスだ。傑作といってもいいかもしれない。今クールは他には「花より男子2」、「ヒミツの花園」、「ハケンの品格」をチェックしている。なかでは「ヒミツの花園」がいい。回を重ねるごとにマトモなドラマ(恋愛がからんでくるとか)になってしまいそうな危惧が出てきてはいるけれど、とぼけたユーモアがある。オープニングがあり、安室奈美恵の主題歌がリズムパートから入っていってタイトルバックへ、というところの流れが心地よい。タイトルバックもいい。そして驚くことに(驚いたのだが)、釈由美子が案外にいいのだ。それからただのイケメンと思っていた要潤が安定した芝居をしていたりする。どうでもいいようなエピソードをうまく配して、この脚本はなかなかよくできているように思った。まあ、どうでもいいんだけれど。笑
2007年02月22日
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というのだったか。ちょっとびっくりした。それぞれの役者さんが、それぞれしっかり仕事をしている。それはわかる。しかしそれが化学反応を起こすようにして繋がっていかないのだ。空虚だ。もしかして死の世界?いや、けなすつもりはないのだ。三丁目ははじめから存在しない世界なのかもしれない。そういえば、CGを駆使したのであろう昭和33年代の街の鳥瞰も、リアリティが恐ろしく、ない。これはメルヘンなのだ。あらかじめ失われている、つまり存在しない街の存在しないストーリー。だがそうだとしたら、いったいなんのために?あり得たかもしれない過去、だがあり得なかった過去。
2007年02月21日
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