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眠りかけて目を覚ます薄く開いた視界はほんのり桔梗色に煙っている柔らかな草色の風が懐かしい蚊取り線香と古畳の匂いを運んでくる風鈴の音はいつの間にかこおろぎやすずむしたちの声に代わっていた遠くに子供たちに帰宅を促す校内放送が聞こえる僕はもう帰ってきてるよ自分の寝息の穏やかさがじっくりと自身の中に沁みてくる感覚のない手足の上を湿り気お帯びた風がそっと流れるまだ起きなくてもいいや暗くなった座敷に明かりがともる僕を呼ぶ声そして僕を抱き起こす手もうこのままずっと寝かせておくれよ今夜は月がわずかに欠けて天宮の門が開くいまなら線香の煙とともに上って行けそうなんだだからそっとしておいておくれよ来年、お盆の頃には帰ってくるよきっと……だから
Aug 31, 2005
人が吐いた息ではなく、直接大気から空気を得て演奏される楽器には風の精霊が宿るという。特に両手で支えもつバンドネオンやアコーディオンにはただひとりの精霊が宿るという。バンドネオンには北風がアコーディオンには西風がそれぞれ宿り、演奏者を気に入ればそっとため息を漏らしそして耳元で囁くというもっと……そして、もっと……++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ちなみにふいごで風を集めるオルガンには、南と東の風が宿るとか。荘厳なパイプオルガンにはおおらかで力強い南風、ちいさなオルガンや手回しオルガンには軽やかな東風。彼らはあまり人とは触れ合おうとしないようだ。
Aug 30, 2005
弱いものから死んで行く時に自ら死を選び時に道連れとともに半島の北では路傍の死体に誰も注意を向けないというだがこの国もまた似たようなものだ次第に周囲のことが見えなくなる聞こえなくなる弱々しい笑顔に目をそむける強いものに群がった挙句ふとした弾みでみなどうっとばかりに崩れ落ちて行く崩れ落ちたところでようやく互いに肩を貸して起き上がるのかも知れないそうならなくてはいけないだろう
Aug 29, 2005
白く乾いた土の道を跳ねるように音楽が流れてくる。この土地の音楽だろうか?軽妙な弦を弾く音、鼓を撥で打つ音、それをくくるリボンのようなかすれた笛の音。演奏者の姿はどこにも見えないが、この土地に多い襟や裾の大きく開いた服をちょっとだらしなく着付けた道化たちが、跳ね回わり跳び回るようなおどけた音楽。それが野辺の送りだと知ったのは、ひび割れた土が白く焼きついた、いまは緑ひとつ見えない畑の小道でのことだった。想像したような姿の道化たちが、小さな布にくるまれた遺体を担いで街を出て行った。
Aug 28, 2005
空を覆った群雲は低く高く重なり合ってわずかな隙間から青空を望むのはまるで井戸の底から覗くよう太陽が雲の向こうで傾いて鋭い斜光が雲の隙間を突いて地上に降りるそのとき雲が削りとられてきらきらとその切片が地上に降る琥珀色のカーテンを束ねたような光の中を雲母のような雲の切れ端がゆらゆらと雛の羽毛のように深海に降る雪のように地上に散り降るけれど雪より淡く地上にあるものに触れる前に消えてゆくそれは天上と地上に隔絶された無情のことわり
Aug 27, 2005
右目の奥、右耳の上あたり音がするなにかとがったものがかたいものをせわしく引っかく音そのあと必ず聞こえてくる大量の水が注がれる音それは無関係ではないだが関連付けて想像すれば危険なものが出てくるきっとそれは閉じられた右目の瞼をこじ開けて
Aug 26, 2005
眠りのほとりで夜の水を飲む子羊を見た暖かな世界からかぐろい世界へと歩み出しなんら警戒することもなく頭を下げてそっとみなもに口を寄せる以前よりここへ来ていたのかそれとも初めてなのか物怖じしない無邪気な仕草に私は判じかねた子羊の純白の毛はいとおしいような曲線で巻かれている息を吹きかけようものならたちまち羽毛のように散って消えてしまいそうだ子羊はこのまま眠るだろう寝心地のよい暖かな世界から夢のほとりに半身を乗り出したままで私は見守ることにした子羊が目を覚まし暖かな世界へ戻るのか青の世界へ出て行くのかその時が来るまで
Aug 25, 2005
赤い砂混じりの風は時の流れに似て一度吹いては帰らず風の中に建つ岩山は永劫の普遍を示し風の中を彷徨う旅人の目の前に夢のごとく現われそして消える……耳を聾する風の音は水気を失った肌を削り取っていくつまずいて熱に沸き立つような砂に手を突きいれれば白く磨かれた先人の骨に触れる轟々と吹く赤い風に叫んだ声はかき消され生きてきた足跡は飲み込まれただが私はここに朽ちていくことを恥じない先人たちとともにここに骨をさらすこともいずれまた旅人が岩山を求めてくるだろうそして私の骨に触れるのだ
Aug 24, 2005
新しい歌街角で耳にした小さなスピーカーから流れるメッセージノイズの向こうで語りかける誰も知らないスタジオからの声プレスされない歌声いまここでしか聴けないこの時がすべて新しい歌街角で耳にした小さなスピーカーから流れるメッセージ偶然に見つけた周波数名前も知らないアーチストの声チャートにはないけどいつかみんなが口ずさむそんな時がくる
Aug 23, 2005
台風去った空千切れ行く雲の向こうに深い青 潤う青雲と宇宙の間に広がる美しい空間天空の大海緑の髪を緩やかに波打たせ青い鱗をきらめかせる白い肌は雲よりも白く輝く青空に人魚雲より覗き込む無邪気な瞳
Aug 22, 2005
季節変わりの風が吹く人気のない国道は滑走路風とともに駆け抜けて僕らは夜空を巡る旅に出る……***************************************************暑い暑いといっていたら、今夜の風にはもう秋の気配が混じっていました。季節変わりの風、旅人を誘う風の到来です。心がむずむずした僕は、思わず1時間ほど夜の街を歩いて見ました。もしかしたら、今夜旅立った人もいるかもしれません。ぼくはいつも、乗りそびれて地上にとどまってます。
Aug 21, 2005
幻想の海から伝わる波に似た心の揺らぎ思いは潮のように目に見えないが強く流れている自分自身すら飲み込まれてしまいそうな明るい波の輝きは思い出のかけら心の吹き抜ける風の音は潮騒とともに心騒がす海辺のひとときは心ひとつになって風と波と光の中でゆられているゆられている**********************************************某曲のメロディーを口ずさみながら、即興で書いてみました。曲の名前はこの日記のタイトルがヒント。
Aug 20, 2005
海の青は空の青に通じる大地と宇宙の間に広がる天空の海は人々が思うほど空虚な世界ではない彼はそれを知っている
Aug 19, 2005
夢と現の間で泣き叫んで以来眠るのが怖いおかげでオフィスで居眠りしているのでは社会人としての危機である半分幽霊で1年と半年駅で人身事故があると聞けば八ぁんが迎えに来るんじゃないかと不安になる。死にたいのではない生きているのが……そういうことだ。歩いていると自分が二重に思えてくる心身が乖離する不思議な感覚いまは眠いようやく眠い
Aug 18, 2005
水色のビー玉ひとつつまんで口に含んで夏を思い出す狭いアパートの窓を離れて伸び上がる入道雲の向こう懐かしい夏の日々目の覚めるようような緑が揺れる水田用水路を流れる水のきらめきと音真っ赤なザリガニ透き通った沼えび小さなお店で買ったラムネ壜を返さず割って手に入れたこのビー玉それと引き換えに夏は終わった壜詰めの夏ありもしない思い出友達の絵日記ぼくはずっとこの街にいる白い風が熱気を運び遠くに聞こえる蝉の声が耳鳴りのように思えてしまう街ただこのビー玉だけがあの頃の友達にもらった夏の思い出泡の詰まった水色のビー玉
Aug 17, 2005
見晴るかす空は白くところどころに灰色の滲みが雲の姿を浮き上がらせる大使館裏の坂道を吹き抜ける風上野の山の蝉が秋の訪れを拒んで鳴くはかつての戦いを思わせてる路傍に落ちて蟻に運ばれる様に悲痛を覚えまた慄然とする駅舎より見渡せる緑の濠みなもに紋が走り風の渡るのを知る鳴く虫の音の不思議見晴るかす雲に空の青が滲んで雨になる静かに降る雨に心を浸し肌の火照りを冷ます
Aug 16, 2005
全身青づくめの男は、いつも左目に眼帯をして、頬の上に大きめに切ったガーゼを乱暴にテープで止めている。たまにこの店に来て少女の入ったスノウドームをカウンターに置いて酒を飲んでいる。彼と詳しく言葉を交わしたことはない、けれど一度助けられたような記憶がある。彼が青い手袋をはずしたとき、それは起きた。いや、覚えてない、思い出せない。今夜は昨日のお詫びにと、マスターが好きな練り羊羹を持参して店に来た。彼が甘いものを好きなのかはわからないが、なんとなくそんな気がする。目の前には、昨夜飲んだものより青の濃いカクテル。細長いグラスに注がれたそれは、底へ向かうほど色が濃くなるように思えた。どこか、あの男の手袋の色を思い出す。ブルー・メモリー甘いあと味が長引いて、その中に何度か酸味が湧き上がる。アルコール度数は低いかもしれないが、なんとも体の底からじんわりと効いてくるようだ。小さな水面を覗いていると、小さな星と月がフワフワと浮き上がってきた。ケーキの飾り菓子かな。マスターお得意の仕掛けだ。ちらりとマスターを横目で見たが、彼は練り羊羹をいかに切り分けようかと、ナイフを片手にカウンターの向こうに立っている。空いた手であごをさすっている。何事ももったいぶる彼だ。グラスを手にして、月と星を一緒に飲み込む。深い思い出の淵から、形にならない、思い出が酸味とともに湧き上がる。初めて飲んだ梅酒、一緒にこっそり飲んだのは誰だったろう……。マスター、いいよ切り分けなくて、ひとりで好きなようにたべてよ。もう私にはいらない。いくつもの思い出が湧いてきて、その代わりに私は、記憶の淵に沈んでいく……。あぁ、また日記の更新が遅れてしまう。
Aug 15, 2005
幾度も、幾度も目をすがめて先を見るがそこには砂けぶる人絶えた町しか見えない人は人を喰らって生き延びる最後の一人になるそのときまでそれをよしとしたのは他ならない人である悲しみを時の向こうに見た者はどうやってその悲しみと苦痛を受け入れたのか両の目をくりぬいた者もいると聞く身を投げた者もいると聞くなすすべもなく狂って行ったとも……ならば、ならば、どうしたらいい、この目の奥に宿ったものはどうしたらいい生きている間、ずっとここにあるのだとしたら耐え切れない耐え切れないさぁ、災厄はこの私の中に宿っているこの目の奥に……WAAAAAAAAAAAAAA**********************************************気づけば、今まで入ったことのない小さな部屋。ソファに横たわっている。今夜彼はいなかった、マスターにひどく迷惑をかけてしまった……まだアルコールを口にもしていない。**********************************************まだ少し錯乱している。よく磨きこまれたテーブルの上の小さなグラスに黒い液体。マスターが置いていったのか。もし、これを飲んで、消え去れるのなら、それでもいい。**********************************************憂いは消えない今しばらく忘れるのみ悲しみは続く 痛みは残るそれでも生きる 人は生きるこの店とてうつろう存在に過ぎぬ**********************************************マスターの歌が聞こえる。韻もふまないひどいものだ。今夜はどうしていたのだろう。いつものように、カウンターに突っ伏していたのか。思い出せない。目の前にある、透き通った青いカクテルを飲んだら帰ろう。"ティア オブ プロフェット"そんな名前の少し塩味のするカクテル。深層水と特別な岩塩を使っていると聞いたけれど……。
Aug 14, 2005
みないろよいことばかりをくちにするめをすがめてみらいをみるほころびがほろびにつながるつよいことをくちにするもののそばにぞろぞろとうつろなもしくはうかれたものがあつまりつぎつぎとあたまをかられてつきるまですわれつづけるそれをのがれたものはちからつよきものにおそわれていくだれもくちにしないだれもめをそむけるめくったうらがわはおぞましいほどくさっている
Aug 13, 2005
ゆったりとした銀色のうねりの上を運ばれて行くそれは穏やかな大洋の波のようで見渡す限りに続くいくつもの丘陵が穏やかなリズムで上下して流れて行く白い空を映して波はますます白く鈍く輝く……けれど私は拒まれている滑らかで柔らかな銀色の表面はどんなに押しても沈まない叩いても飛沫もあがらない思いあまってうねりの頂点から飛び降りたが銀色の表面はそっと受け止めてたこぼれた涙は小さな玉になってうねりの斜面をコロコロと転がって行った私は銀の波のうねりに身を任せてどこまでも運ばれて行く白い空を見上げて音ひとつない孤独な世界の中うねりに身を任せてどこまでも運ばれて行く****************************************** 「比重の違いですね」マスターがぼそりといって、なにやら不透明な壜の中身を手元にある器に注いだ。カウンターの席からは見えない。 「むかし理科の授業で、水銀の上に鉄のナットがぷかぷか浮くのを見てね、不思議なもんだった。」 「体温計を折ったことありますか?」 「ああ、銀色の玉がコロコロと転がって……。水銀はなにもかも拒んでいる。そのくせどんな隙間にも潜っていく」 マスターは、なにか大変緊張した面持ちで、小さめのぐい呑みを僕の前に置いた。中を覗くと銀色の表面が揺れている。水銀? いや、もっと光っている……銀箔! 「水星の海。銀箔はアルコールが飛ばないための蓋。度数は高いよ。よく冷やしてある」 でもマスター、銀箔を壊さないように呑むのはとても難しく、メニューには不向きだよ。けれど酔いが早く回る気がする。更新が遅れてしまう。
Aug 12, 2005
一人の英雄の足下名も知られぬ人々の横たわること累々語られぬ死のなんと多い事か廃墟に差す月明かりは死者も生者も隔てなく照らし星は魂の数だけ瞬く震える手を握りしめ人の生死を冷徹に見つめる星空を仰ぎ見て祈る戦いの止むを願わず過去に戻るを望ますひたすらこの世の消滅を祈るさいなまれ癒されることなく傷つけられた心は慈雨ですらしみていたむ戦いのなくなることなく終わりを告げたのちも訪れた平和を守るため心を戒め拳を握らぬ日はないだろうならばすべて消えてしまえならばすべてきえてしまえ 星の間暗く沈む永劫の淵の中に渦巻く炎の井戸の中に消えてしまえ過去も未来も私に慈雨はいらない心地よい風もいらないなにもいらない
Aug 11, 2005
ビルの谷間見上げた空は青の三角
Aug 10, 2005
きらきら光って はかなげでひるがえっては まぶしくて瞬きをしたら 消えていた小さな輝き 夏の雫ブルー、イエロー、レッドにグリーン色とりどりに小さなお魚風に泳いで揺れている夏空の中 雲の岩礁そわそわしながら 飛び跳ねてはにかんでは 微笑んでうつむいたまま 去っていく小さな影 夏の風ベリー、シトラス、チェリーにミント色とりどりに小さなお魚風に泳いで揺れている青空の中 雲の軌跡過ぎる時間を止められない思いではやがて色あせるそれでも求めてさまよい歩く白く焼けた街の中ブルー、イエロー、レッドにグリーン色とりどりに小さなお魚風に泳いで揺れているベリー、シトラス、チェリーにミント色とりどりに小さなお魚風に泳いで揺れているさわやかな香りを夏風に乗せてプラスチックの街を泳ぐセルロイドの小さな魚
Aug 9, 2005
画面越しのリアルタイムよりタイムラグのある手紙のほうが長い時間を過ぎてもなお心を温めるたとえすべてが終わったあとでも
Aug 8, 2005
君は知っているかな? みんなが寝静まった深い夜の底。小さなサメが、深海の闇と深夜の闇を重ねて君の枕元に泳いでくるんだ。 体の脇は、小さなランプがいくつも並んだように光っていて、君の寝顔をほのかに照らすよ。 しばらくサメは君の頭の上をぐるぐる輪を描いて泳いでいるけれど、急に体をクルリとひねるとさっと闇の中に消えてしまう。 彼らはね、君の夢のひとかけらをかじりとってしまうんだ。だから朝起きて思い出しても、夕べ見た夢がわけのわからないものになっているんだ。それは肝心なところが、サメに食べられてしまっているからさ。ほんとだよ。 でも、夜中に起きて確かめようなんてしちゃだめさ。もし急に声を出してサメを驚かせたら、間違って君の鼻をかじっちゃうかもしれないよ。夢はまたみればいいさ、だから少しかじらせてもいいんじゃないかな。きっと彼らは自分で夢を見られないから、夢をかじりに来るんだよ。たぶんね。***********************************************************ダルマザメですね。大きな魚や鯨などの肉をちょっぴり齧りとっていく、深海性のサメ。小さいそうです。水族館にいるイルカの中にも、このサメの噛み跡があるものもいるそうです。齧るの夢だけにしていただきたい。
Aug 7, 2005
海と空の間からじわじわと染み出すねっとりとしたメタルブルーそれは入道雲のように湧き上がって青い空を汚して伸び上がっていくそれがどれほど遠くにあるのかこの浜辺からはわからない漠然とした不安そのもののように捕らえどころがなくてしかしそれは拭い切れない汚れのように……ねっとりとしたメタルブルー心にこびりついた汚れ空を汚した色は海に映りそれだけで海すら汚れてしまった波に揺れる度に広がっていくやがてそれはこの浜辺にも流れ着くだろうそのときこそ漠然とした不安は確固としたものになるねっとりとしたメタルブルー白い砂浜に染み込みやがてすべてが汚されていく逃れるすべはないやがてすべてがその中に溶け込んでしまう
Aug 6, 2005
真っ白に焼けた滑走路に寝転ぶと拳を突き上げてどこにも持っていけない鬱憤と焦燥を青空に投げつけるとトポンと波紋が広がってちぎれた灰色の雲がゆがんで揺れた次第に細くなりながら広がって行くいくつもの波紋の輪を数えていると輪を乗り越えて人魚たちが輪の中心に向かって泳いで行くのが見えた波紋が消えると彼女たちも消えてしまいすっかり見失ってしまった投げつけるものがなくなった僕はこのままじりじりと焼かれて灰になってしまえばいいとそう思いながら目を閉じた
Aug 5, 2005
一粒一粒がギラギラ輝いた小さなダイヤモンドが粘度の高いマグマのようにどろどろと流れてくるときおり盛り上がってはいくつかのかたまりになってもろっと崩れ落ちる見る分には美しいだが僕の心の奥で警告音が鳴り響く目の前に迫るそれは汚らわしいと触れば指先が穢れしかもただならぬ傷を負うのだとしかし、見た目の美しさは危険のシグナルを無視させた私は指を伸ばしてダイヤモンドの泥に触れたすると激しい痛みが指先から走る慌てて指を見ると指先についた小さなダイヤの泥が指先を侵食していくまるで酸に触れたように指先から溶けていくいくら振ってもダイヤはおちないそれどころかアメーバのように広まっていくギラギラと輝きながら
Aug 4, 2005
荒れ狂う嵐の空を見上げて思うこの雲の上では穏やかな青い空が広がり人魚たちは地上のことなど知ることもなく青い鱗をきらめかせて泳ぐのだろうと、そして船が難破して王子は助けられたがこんな日は飛行気乗りか飛行船乗りが嵐の中から助けられるのだろうとも、……嵐はいまだ収まらず見上げる雲は荒れる波のごとく荒々しく渦巻いて風に流されてゆく
Aug 3, 2005
私はなすすべもなく、全身の関節という関節が、弛緩してしまったように仰向けに倒れたまま、夜空に舞い上がる火の粉と夜空から舞い降りる粉雪が渦巻く風の中で交じり合い、轟々と音を立てて焼け焦げた街の中を吹き抜けていく様をしびれた頭で感じ取っていた。七曜の神が訪れるそれぞれの姿で、それぞれの目的で世界を巡るこの街は燃えたかがり火を手にした神が全身を炎に包んだ眷属を連れて街を練り歩き、そして去っていくなにをしたわけではない、ただ歩くだけでアスファルトは溶け、街路樹は燃え上がり、その火はコンクリートのビルをも焦がした栄光の都市が焼け焦げて崩れ落ちる七曜の神が去っていくそれぞれの姿で、それぞれの目的で世界を巡る
Aug 2, 2005
地上の楽園に失望して青空に身を投げたハミングバードはそこにも楽園があることを知った
Aug 1, 2005
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