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白发 Princess Silver第56話「冷宮の記憶」仮面をつけた西啓(サイケイ)の皇太后、その正体は苻鴛(フエン)だった。山荘で暮らしていた容斉(ヨウセイ)と容楽(ヨウラク)は苻鴛に見つかり、皇宮へ連れ戻されてしまう。宗政無憂(ソウセイムユウ)と傅筹(フチュウ)たちが駆けつけた時には山荘はもぬけの殻だった。無憂は寝所で山河志を発見したが、血だらけの床を見て気が動転する。そこに意識を取り戻した余(ヨ)嫂が現れ、実は漫夭(マンヨウ)が無事に出産し、母子ともに健康だと知った。余嫂の話では急に大勢の官兵が村に現れ、赤子を奪い、自分は気絶させられたという。「確か″皇宮に戻る″と言っていたような…」一方、目を覚ました容楽は冷宮に軟禁されていた。しかし子供の姿がない。「私の子は…私の子はどこなの?!」苻鴛は母に背いてばかりの容斉を叱った。自分が見つけ出さなければ皇宮に戻らないつもりだったのか。それがどういう結果を招くか容斉は重々、承知していたが、母にとって自分の生死などどうでも良いのだろう。そもそも自分の運命は生まれる前から母に定められていたのだから…。母は復讐にとらわれ、この20年余りを費やして大勢の悲劇を生んだ。果たしてそれで恨みは消えたのか。結局、何の意味もなかったと分かっているはずだ。それでも苻鴛はまだ敵を討つという。しかし容斉は拒絶した。「朕はごめんです!願うのは容楽の無事だけだ!」すると苻鴛は思わず容斉の頰を引っ叩いてしまう。容斉は皇帝と呼ばれていても所詮は母の傀儡にすぎず、自由に人を愛することも許されなかった。これまで容楽を生かすために母の言うことを黙って聞いて来たが、もう限界だという。しかし苻鴛は容斉が愛したのは敵の娘だと声を荒げた。「秦永(シンエイ)は私を存分に罵った男… あの男が雲児(ウンジ)のために宗政允赫(ソウセイインカク)の前で私を挑発しなければ、 私が冷宮に入ることはなかった、容毅(ヨウキ)に辱めを受けることもなかったわ…」「それに朕を産むこともなかった…母后にとって朕は屈辱の証しでしかない…」容斉の思わぬ指摘に苻鴛は言葉を失った。「20年余りも前の話ですよ?あなたは秦永と雲貴妃を葬り去り、宗政允赫にも地獄を見せた まだ足りないと?この上まだ宗斉無憂に両親の罪を償わせるおつもりか? 復讐のために巻き添えにした者たちの命は、朕の命では償いきれません! 母后、あなたは朕を息子だと思ったことがありますか?」「…忘れたの?母后がそなたを皇帝にするために…どれほど苦労したと?」「朕を皇位に就けたのは誰のためです?母后が誰よりもお分かりのはず… これまで朕は母后のためにずい分と働いてきた…もうごめんです」「そなたを産んだのは私よ?」「産んで欲しくなどなかった!」「斉児っ!」「余命わずかな朕がただ1つ願うこと、それは容楽とひととき平和に暮らすことでした そんな些細な望みさえ許されぬのですね…もう朕には失うものなどない…」容斉は母を突き放し、出て行ってしまう。容斉が孤寒(コカン)宮に駆けつけると、ちょうど中庭に容楽がいた。容楽は子供が無事だと知って安堵したが、なぜ容斉がこんなことをするのか理解に苦しむ。「人には言えない苦衷(クチュウ)でもあるの?」「苦衷などない、自分の身体を大切にせよ」「ならなぜ?なぜまた私を騙したの?!」容楽は一緒に暮らすうち再び容斉を信頼し、これまで自分を騙して利用してきたのには何か事情があったのではと考えるようになっていた。すると容斉は子供の安全を保証し、必ず漫児の解毒もすると約束する。「もう一度だけ信じてくれ!」「…ならまず子供を返して、できないなら今すぐ消えてっ」その時、衛兵たちが現れ、すぐ戻らなければ公主に罰を与えると皇太后の言葉を伝えた。それがただの脅してはないと知っている容斉は素直に帰るしかない。冷宮の門が再び固く閉じられ、容楽は仕方なく寝殿に戻ることにした。その時、急に激しい頭痛に襲われ、過去の記憶がよみがえる。かつて秦永の娘・秦漫(シンマン)はこの孤寒(コカン)宮で暮らし、武芸を習っていた。すると林申(リンシン)の言葉が聞こえてくる。…私は北臨帝に一族を殺されたお前を救い、西啓のこの冷宮でお前に武術を仕込んだ…敵を討ちたければ私に従うのだ、このまま稽古に励み、決して冷宮を離れるな…自分の正体を明かすことも許さぬしかし秦漫は足場を見つけてこっそり塀の外を眺めたりした。そして暇があればあの書を見ている。…以て永く傷まざらん、以て永く懐(オモ)わざらんその時、容楽は首を吊って死んだ母の姿を思い出した。…今後お前は西啓の長公主・容楽だ、北臨に嫁げば必ず敵を討たせてやる林申の言葉がよみがえった容楽は頭を抱え、その場にしゃがみ込んだ。つまり自分は敵討ちのため、自ら容楽になったのか。ならば″天命″を飲ませたのは一体、誰なのか。容斉はどんな役割を演じているのだろうか。その頃、容斉は冷宮を眺めながら、幸せだった頃に思いを馳せていた。…あの夜、容斉は孤寒宮の中庭から伸びている桂花の枝を折ろうと、庭石を登ったその時、偶然、外を見ようと足場を登ってきた娘と出会う『何者だ?!』『あなたこそ誰?ここは冷宮よ?早く行って!』容斉と秦漫は孤独な者同士、すぐ意気投合したそして2人は密会を重ね、やがて愛し合うようになる茶室で容斉は漫児から琴を習い、手作りの菓子をもらったそこで容斉はそのお礼に手製の漫児の木彫り人形を贈る『斉哥哥、本当にあなたは皇子なの?治政も学ばずに私の機嫌を取ってばかりいるわ』『私はそなたが考えるような皇子ではない 広大な皇宮も私にとっては冷宮に捕らわれているのと同じことなのだ』『大丈夫、私がいるでしょう?ね?ずっと一緒よ!私は一介の宮女だけど友だちになれるわ』『漫児、そなたさえいてくれればいい…生涯そなたを大切にするよ、そなたの命は私の命だ』また秦漫は容斉の字を手本にして写生し、書を学んでいた『腕が上がったな、美しい字だ…維(コ)れ以て永く懐わざらん…』その夜、容斉と秦漫は3日後に例の木の家で落ち葉を見る約束をして別れたしかし…容斉は昔を懐かしみながら袂から秦漫の書を取り出した。…以不永傷 以不永懐(いつまでも思い悩まない、いつまでも悲しまない)まさかあの幸せの裏で恐ろしい計画が動いていたとは…。…容斉は母の命令で冷宮にいる妹を迎えに行った『容楽、ここから連れ出してやろう』するとちょうど背を向けて花を生けていた容楽がゆっくり立ち上がり、兄の元へやって来る『漫児…なぜそなたが?!』『容楽より皇兄にご挨拶します…皇兄、騙していたことをお許しください』『信じぬぞ!何かの間違いだ…漫児、あの木の家で私と生涯を誓ったではないか…』『皇兄、私は容楽です、誰と生涯を誓ったと?』『漫児、何か事情があるのだな?話してくれ…』『斉哥哥…うぉ(我)…』しかしそこに苻鴛が現れた容斉は母の仕業だと気づき、怒りがこみ上げる…容斉はあの時の衝撃を思い出し、思わず激しく咳き込んだ。…容斉は容楽の縁談を反対し、母に詰め寄った『朕は騙されない、あれは容楽などではない、秦家の娘の漫だ! 母后と林申の密談を聞きました 秦家を滅ぼしただけでは飽き足らず、漫児まで傷つける気ですか?! 何があろうと朕が漫児を娶るっ!』2人の話を立ち聞きていた容楽は真実の敵を知ったしかし林申に見つかり、2人の前に引っ張り出されてしまう秦漫は開き直った林申が自分を捕らえて武芸を仕込み、容楽に扮して敵を討てと命じたが、真の敵は皇太后だったと迫る何より傷ついたのは容斉が自分の正体や皇太后の所業を知っていながら黙っていたことだった秦漫は激怒、容斉からもらった木彫りの人形を投げ捨ててしまうすると苻鴛は全てを知ってしまった秦漫を生かしておけないと言った容斉は秦漫を逃したが、その時、林申が容斉の首を締め上げる『秦漫!大殿を一歩でも出たら、この子の命はないわよ』秦漫は皇太后がなぜ自分の息子を盾に脅すのか不可解だったしかし皇太后は秦漫のために自分に背いた息子など生かしておく価値はないと冷たい『ここに″天命″の毒がある、生きられるのは1人よ、お前が選びなさい』容斉は苦しみもがきながら秦漫に逃げろと言ったが、秦漫は愛する容斉を見捨てることができず、薬を飲んでしまう…容斉は袂から秦漫の木彫りの人形を取り出し、愛おしそうに触れた。…秦漫は毒を飲んで倒れた容斉は眠っている秦漫のそばに黒衣と剣を置いておく『漫児、ここを離れよ、2度と戻るな』そして最後に薬をまぜた菓子を入れた小さな箱を持たせることにした秦漫は目を覚ましたが、天命の毒で記憶を失っていたここはどこなのか、自分は誰なのか『そうだ、″ここを離れろ″と言われたわ…』秦漫は何も分からないまま黒衣と剣を持って皇宮を飛び出して行くすると物陰に隠れていた容斉が現れた秦漫が無事に逃げられることを祈りながら見送る容斉、しかし菓子が入った箱だけが捨てられていた…容斉は激しく喀血した。あの時、秦漫を逃したものの天仇門(テンキュウモン)に追われ、結局、秦漫は林申の手に落ちて皇宮に連れ戻されてしまう@第1話。そして始まった母の恐ろしい復讐計画…。容斉は何とか寝宮まで戻ると、母が薬を持ってやって来た。「以前のように私に従いさえすればいい、最後の計画を遂行するなら、そなたに処方を渡すわ 今後はもう毒の発作に苦しまずに済むのよ? はあ~斉児、そなたが身を犠牲にしても、あの小娘は感謝すらしない そなたを忘れ、敵だと思っているのよ? そもそもあの娘は長く生きられない、尽くしても無駄なだ…」その時、容斉は母が飲ませようとした薬を手で払い、器が床に転がり落ちた。「容楽を傷つける気なら、この命を懸けて阻止してみせます!」すると頭に血が上った容斉は卒倒してしまう。苻鴛は心配したが、手が付けられない息子を放って帰って行った。一方、無憂と傅筹は容楽と子供を救うため、西啓を攻めることにした。しかし開戦となればかえって容楽が危ない。安全に救う手段はひとつ、いくつかに分かれて潜入するしかない。そこで民に扮装した精鋭の兵100人を各門から時間をずらして都に入らせることにした。街の中にはすでに無隠楼(ムインロウ)が潜伏している。「別行動して機を見て合流しよう」↓2人のことすっかり忘れてたわwその頃、侍女に扮装した痕香(コンコウ)@秦湘(シンショウ)が宮中に潜入していた。運良く冷宮に食事を運びに行く侍女を発見したが、突然、現れた衛兵が侍女を気絶させてしまう。「出てこい!」その衛兵の正体は項影(コウエイ)だった。項影は孤寒門の守衛に容斉の令牌を示した。食事を運ぶ侍女のふりをした痕香は項影と一緒に難なく冷宮に入ることに成功、容楽と再会を果たす。そこで姉を先に逃がすことにしたが、容楽は子供を取り上げられたので逃げられないと断った。しかし痕香は人質の子供に手は出せないはずだと安心させる。すると項影が実は念児(ネンジ)も預け先の家からいなくなったと教えた。痕香は動揺したが、それでも唯一の家族である姉をここに残してはいけないという。その時、表からから林申の声が聞こえた。「3人とも、今すぐ出て来い」容楽は1人で中庭に出た。「林申…」「ここの風景に見覚えがあるのではないか?」つづく(  ̄꒳ ̄)皇太后が眠っている容斉の首を閉めようとする場面があったけど、そういうことだったのねそして傅筹や痕香が同じ門派ながらなぜ容楽を知らなかったのかも分かった念児…いつの間にか預けられていたわw
2020.08.31
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白发 Princess Silver第55話「青梅のなる家」痕香(コンコウ)@秦湘(シンショウ)の家に身を寄せていた容楽(ヨウラク)@漫夭(マンヨウ)@秦漫(シンマン)。そこへ突然、西啓(サイケイ)帝・容斉(ヨウセイ)が現れた。容斉は自分と一緒に来れば″天命″の毒を解毒できると訴えたが、容楽が素直に従うはずもない。「あの2人の安全と腹の子の将来を思うなら、そなたは私と一緒に行くしかない…」「うぉ(我)…」「私を信じろ、お腹の子が健康と母親を失っても構わぬのか? 容楽…私と一緒に来るならば母子の安全は保証する、信じて欲しい、どうだ?」痕香と項影(コウエイ)を盾に脅された容楽は…。項影は青州王府に黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)を訪ねた。実は痕香と家に帰ってみると、すでに容楽の姿がどこにもなかったという。冷炎(レイエン)の話では護衛が気絶させられ、気づいた時には王妃の姿がなかったとか。青州に包囲網を敷いてあらゆる道を厳重に調べているが、すでに青州を出ていれば捜索は困難だった。無憂は誰かに連れ去られたのなら漫夭のこと、何とかして自分に伝えようとするはずだと気づく。しかし自分を避けて自ら姿を消したのなら、漫夭の足取りは容易にはつかめないだろう。無憂は項影に書状を託し、中山(チュウザン)の傅筹にも協力を求めることにした。痕香は姉を探しに行くと決めた。そこで項影は一緒に中山へ行こうと提案したが、痕香は項影をこれ以上、犠牲にしたくないという。痕香は項影の気持ちに気づいていた。「これからは自分のために生きて欲しいの、だから1人で行くわ」しかし項影は愛する痕香を守ることが喜びだと訴え、これからも痕香を見守ると誓う。「今回は別々に行こう、いつか再会できたらまた共に歩むんだ…」項影は最後に痕香を抱きしめ、2人は門で別れた。( ゚д゚)え?念児は?霊牌は?容斉は人里離れた静かな山荘へ容楽を連れて来た。確か嫁ぐ前に容斉と来たことがあったが、あの時の話の真意は未だ容楽には分からない。すると容斉が山河志を差し出した。容楽は兄の目的が山河志だったことを思い出し、このために自分に天命を飲ませ、″容楽公主″と偽って父の遺著を手に入れたのだと憤慨する。「子供に手を出せば山河志の秘密は手に入らないわよ!」「ふっ…その子は天がそなたに与えた貴重な機会だ、毒を子に移せば…」「不可能!子供を犠牲にはできない!」「分かっていたよ、何があろうとそなたの意思は変わらぬと…ゥッ…」その時、容斉が激しく咳き込み、喀血した。驚いた容楽は医者を探すと言ったが、容斉は断り、それより散歩したいという。「村の道を覚えているかもしれぬぞ?行こうか」容斉と容楽が村に出かけると、顔なじみらしい余(ヨ)嫂が声をかけて来た。「お住いは掃除してありますよ?夫人、お久しぶりですね~今後はこちらに?」( ゚д゚)ふーれん?って…「あ、当分はここに滞在するつもりだ」どうやら容斉は余嫂に銭を渡してあの屋敷の管理を任せているらしい。「実は妻が身重なので休ませたいんだ」「まあ!夫人!ご懐妊とは知りませんでした!何人目ですか?」「初めての子だ」すると容斉は身ごもってから妻の機嫌が悪いため、家の者には内緒で気晴らしに連れて来たと嘘をついた。もし誰かに自分たちのことを聞かれても、余嫂の遠縁だと言って欲しいという。「漫児、機嫌を直して家に帰ろう」( ゚д゚)ぽかーん…まんあーる呼び?容楽は困惑していた。容斉はなぜか自分を漫児と呼び、村人は自分たちを当たり前のように夫婦として扱う。「なぜ漫児と呼ぶの?2人でここに住んだことが?」「私が話した通りの役柄を演じればいい、忘れるな、ここではそなたは漫児だ 解毒はするが私の願いも叶えてもらうぞ…私にとって生涯にただ1つの願いだ」容斉の条件はここで誰にも邪魔されず、漫児と平凡な生活を送ることだった。あと半年、無事に子供が生まれたら解毒して帰してくれるという。「駄目よ、長すぎる…私にはそんなに時間がない …子供は私が無憂に直接、手渡してあとを頼みたいの」「案ずるな、そなたの時間は返す、十分、生きられる 本当に宗政無憂がそなたの幸せに必要な男なら、必ず2人で暮らさせよう、必ずだ…」しかし容楽には容斉がなぜそんなことを言うのか皆目、見当もつかなかった。散策している途中、容斉は青梅が実っていると気づいた。「そなたの好物だろう?採らぬのか?」「いらないわ、ってかなぜ好物だと?」「この半年は私の願いを叶える約束だ」そこで漫児は向きになって木に登り始め、かえって容斉を心配させた。「マンR!身体に障る!早く降りて来い!もう意に沿わぬことはさせぬ!」漫児は精一杯、腕を伸ばして青梅を取ろうとした。その時、うっかり足を滑らせて落下してしまう。すると容斉が漫児を抱き止め、難を逃れた。呆然としていた漫児だったが、ふと脳裏に同じような光景がよみがえる。それは容斉に抱き上げてもらいながら、必死に手を伸ばして青梅をもぎ取ろとする自分の姿だった。なぜこんなにも楽しそうに自分は笑っているのだろうか。山荘に戻ると、容斉は早速、庭で青梅酒を作り始めた。以前はこうしてよく青梅酒を作ったものだという。「いいわ、半年後、青梅酒ができたらお別れよ」「…はお、半年後、この酒を飲んだら貸し借りなしだ」容斉はなぜか寂しそうに見えたが、漫児にその理由が分かるはずもなかった。一方、宮中では容斉の重病を理由に皇太后が垂簾聴政(スイレンチョウセイ)を行うと決めた。朝臣たちは困惑しながらも受け入れるしかなかったが、密偵さえ未だに容斉と容楽の行き先を突き止められずにいた。容斉の目的が何なのか分からないまま一緒に暮らし始めた漫児、そんなある日、庭先で花びらが舞い散る様子を見ていると、ふいに失った記憶が戻ってきた。確かに誰かがここで花びらを自分の手に乗せてくれたが、一体、誰なのか。「…宮中の茶室にも、ここにも風鈴があるのを妙だと思わぬか?」「秦家の旧宅で同じような風鈴を見たわ、いい音色ね?私が風鈴が好きだと話したのかしら?」すると容斉は失笑し、もう1つ一緒に吊そうと風鈴を見せた。容斉は漫児に風鈴を吊るす場所を確認した。「ここか?」「もう少し右よ…少し下げて…」すると漫児の脳裏に再び過去の記憶がよみがえる。…もっと上に、駄目よ、まだ低いわ「…違うわ!斉哥哥!」漫児はふいに飛び出した自分の言葉に驚き、動揺して部屋に戻ってしまう。容斉は漫児が昏睡すると自分の手を切って血を飲ませた。こうして漫児を出産まで生き長らえさせなくてはならない。一方、項影は中山の皇宮に到着、傅筹に事情を説明し、王妃を捜索して欲しいと訴えた。無隠楼(ムインロウ)の報告では西啓帝が北境に向かっているという。傅筹は了解し、この機会に父の失踪についての手がかりを無憂に渡すことに決めた。長年、敵を母と信じて多くの罪を犯してきた後ろめたさから、自らの手で符鴛(フエン)を捕らえ、実の母の敵を討ち、父を探し出して罪滅ぼししたいという。項影は傅筹が単身で西啓に乗り込むつもりだと気づき、危険だと心配した。その時、尉(イ)国の大軍が北臨の辺境に迫っていると急報が届く。ちょうど同じ頃、無憂も冷炎(レイエン)から報告を聞いていた。どうやら西啓帝の北臨入りは偽の情報で、王妃と西啓に戻った可能性が高く、人を送ったところだという。無憂は自ら出向くと決めたが、冷炎は尉国の大軍が北臨の辺境を攻めているので難しいと止めた。「北境の軍力だけでは戦えないでしょう」そこでひとまず漫夭の捜索は無隠楼に任せ、無憂は北境を助けるためにすぐ出征すると決めた。漫児のお腹はすっかり大きくなり、青梅酒も熟成した。漫児は中庭で容斉と完成した梅酒を味わいながら、なぜか懐かしい味がするという。こうして2人の穏やかな生活は終わりを告げようとしていた。…漫児よ、青梅酒ができた、まもなく、別れの時だ…無憂の援軍が駆けつけ、集結した南北の軍は尉軍を撃退した。思いがけず無憂と再会を果たした傅筹はこれまでのわだかまりを解き、符鴛と父の捜索に専念するため、政から手を引くと告げる。こうして南北は統一され、北臨に平和が戻ったのだった。やがて漫児は臨月を迎えた。その日、容斉は木彫りの人形を作り、漫児は山河志を眺めていたが、その時についに謎が解ける。「はっ…わかったわ、これが山河志の秘密なのね!…斉哥哥!」漫児はまた自分の口から飛び出した言葉に驚き、気まずくなって寝所へ戻ってしまう。…なぜ斉哥哥なんて呼んだの?…容斉との間に私の知らない過去があると?すると次第にこの山荘で容斉と一緒に過ごした記憶が鮮明になってきた。漫児は人形を彫っている容斉の元へ行った。すると容斉の左手に巻かれている包帯に気づき、容斉がその手から自分に血を飲ませている姿がふいによみがえる。「…その手は?どこでけがしたの?」しかし容斉は答えず、漫児の木彫りの人形を見せた。「もう直ぐ完成する、どうだ?」容楽はこれまで木彫りの人形を作ってくれたのは無憂だと勝手に思い込んでいたが、その時、はっきり容斉の顔がよみがえって来る。「はっ!その像はあなたが彫ったの?」「…誰が彫ろうとそなたが気に入ればいい」「うぉ(我)……うっ!」漫児は陣痛が始まり、容斉は余嫂を呼んだ。しかし難産の上、体力がない漫児は力むことができず、疲れて今にも眠りそうになってしまう。容斉は漫児の手を握りしめ、宗斉無憂に知らせたと教えて励ました。「会いたければ頑張るのだ!ここへ向かっている!」一方、無憂と傅筹はようやく西啓との国境に到着していた。すると蕭煞(ショウサツ)が駆けつけ、王妃の居場所が分かったと報告する。一目散に馬を駆ける無憂と傅筹、その頃、ついに漫児は男の子を出産していた。漫児は子供の元気な姿を見て喜んだ。すると容斉が子供を余嫂に預け、今は身体を休めるよう勧める。そこで余嫂は子供を抱いて客間へ出て行ったが、その時、悲鳴とともに物音が聞こえた。容斉は動かないよう漫児をなだめ、様子を見て来ると行って部屋を出る。居ても立ってもいられない漫児は寝台からはい出したが、床に落下して気を失った。余嫂は気絶して倒れていた。容斉が現れると侍衛や宦官、侍女たちが一斉にひざまずき、赤子は侍女が抱いている。「参見、母后…」容斉が拝礼すると皇太后が振り返り、仮面を外した。つづく( ˘ω˘ )んん?詳細はこれから?!
2020.08.30
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大明风华 Ming Dynasty第32話「新帝の誕生」朱瞻基(シュセンキ)が目を覚ますと孫若微(ソンジャクビ)が付き添っていた。「血が出るほど叩頭するから太子妃も私も驚いたわ ←( ̄▽ ̄;)管理人もw 誰かに頼むわけにもいかないから、私がここまで何とか運んだの」朱瞻基は若微の寝殿で2刻ほど熟睡していたという。若微が傷口を洗って衣を替えても、朱瞻基は全く起きなかったとか。そこへ女官の葉秋(ヨウシュウ)がお粥を届け、すぐに下がった。飲まず食わずで戻って来た朱瞻基は慌てて粥を飲み込み、父の様子を尋ねた。すると若微は皇太子が倒れてからというもの、細心の注意を払って世話をして来たと話す。「太子爺が眠る時は鶏も犬も鳴かないようにしている そうして何とか命を保って来たのに、昨夜の騒ぎでたらい半分の吐血を…」若微は皇太子妃に叱られても反論しないよう釘を刺し、″即位″のことしか頭にないのかとぼやいた。思わぬ指摘に若微をジロリと見る朱瞻基、実は若微はこの1年ほど奏状への返信を代筆していたと明かし、戦況のことを全て知った上で予測はついたという。驚いた朱瞻基はいきなり若微を寝台に押し倒すと、耳元で囁いた。「…どんな結果でも、君は後悔しないか?」「夫婦は一蓮托生よ、斬首だろうと流刑だろうと、お供するわ」薄氷を履む思いで生きてきた朱瞻基、しかし今は若微がいる…。朱瞻基は剣を片手に東宮へやって来た。すると寝所から父の呼ぶ声がする。皇太子・朱高熾(シュコウシ)は張妍(チョウケン)に扉を閉めるよう頼み、息子を隣に座らせた。「一家全員の命に関わることゆえ、あいまいにできぬ…私の問いに正直に答えろ 皇帝は誠に崩御されたのか?」「4日前に…」「お前の仲間は誰だ?」「楊士奇、樊忠(ハンチュウ)、于謙(ウケン)と170名の死士たちです」そこで朱瞻基は父に玉璽を渡した。朱高熾は永楽帝がかつて建文(ケンブン)から託された伝国璽(デンコクジ)をその手でつかみ、覚悟を決める。とは言え、聖旨1つで皆を納得させることは不可能だろう。遠方にいる数十人の新王たち、何より朱高煦(シュコウク)と朱高燧(シュコウスイ)が黙っているはずがない。親族での血戦は必至、いずれ朱瞻基が即位しようと奪われるはずだ。「父上の即位の準備を終えたらすぐ草原に戻り、10万の備倭(ビワ)軍を配して本営を守ります そして新帝からの聖旨として皇上の崩御を叔父たちに伝え、私が2人を北京へ送ります」「三営の兵で高煦側の者は多くない、三営は国の軍だ、我らに従いさえすれば良い 報酬を与え、責は追求するな、この件は慎重に行うのだ 軍を御すためには獣を服従させるごとく、飴と鞭を使い分けろ、決して追い詰めてはならぬ」張妍は恐る恐る朱瞻基に賛同するのか確認した。朱高熾はこうなっては行動を起こそうと、守りを貫こうと、衝突は避けられないと言い聞かせる。「この災難から我が家族は逃れられぬのだ…早く準備を整えろ」↓ありがとう、パパ〜みたいな一方、オイラトの可汗(ハーン)・マフムードは今回の戦で勝利し、上機嫌だった。しかしタタールとウリヤンハイのハーンたちは兵士たちを引き上げると言い出す。草原の春は短く、兵士たちを帰還させて放牧などを手伝わせなければ飢え死にしてしまうからだ。驚いたエセンはオイラトだけに戦わせるつもりかと声を荒げたが、マフムードは自分たちの羊や馬を分けてやることにする。その代わり撤退するなら明軍が長城を越えてからだと説得し、密偵によれば明が山海関(サンカイカン)で兵力の補充をしており、その実力は三営にも劣らぬ備倭兵だと話した。実はマフムードの野望は草原での戦にとどまらず、明軍が辺境に集結しているうちに手薄になった都を攻める絶好の機会だという。すると他のハーンたちは一笑に伏し、これでまた草原に平和が戻ると喜んで帰って行った。胡善祥(コゼンショウ)は皇太子妃の様子から朱瞻基が戻ったと気づき、若微を訪ねた。「今、大臣たちと会議中よ」「例の件?それで?」「皇帝になるつもりよ、決意は固いわ」「失敗したら?」若微はその時は胡善祥を外に逃すと言ったが、胡善祥は皇太孫以外に自分には何もないと訴える。「私は太孫妃よ、逃げるなら姐姐が…」その頃、朱瞻基は楊栄(ヨウエイ)・楊溥(ヨウフ)を太子府に呼び、皇太子の即位について話し合っていた。問題は皇太子の病状で、即位してもどれほど命がもつの分からない。そこで朱瞻基は皇太子の即位をこの3日間のうちに決め、天下に宣言すると言った。戦場では楊士奇たちが朱瞻基が戻るまで時間稼ぎしていた。しかしさすがに朱高煦と朱高燧も最近の本営の様子がおかしいと気づき始める。楊士奇は永楽帝のお達しとして三千営と五軍営に追撃を命じていたが、敵ももはや戦意はなく、明軍が長城を越えるのを待っているだけだった。何より本営に2万の備倭兵を補充した上、戦機もないのに10万も増兵するのもおかしい。2人に詰め寄られた楊士奇は開き直り、ならば永楽帝に上奏してくれと言い返した。朱高煦と朱高燧は皇太子派の楊士奇たちの動きを牽制し、今後の戦い方を明日、相談させて欲しいと頼む。楊士奇は永楽帝に聞いてくると強気に出たが…。朱高燧は父の様子を探らせた。しかし報告では永楽帝の幕舎の前で魚を干しているため、その激臭でとても近づくことができないという。「事情があるのやも…つまり父上は…考えすぎだと良いですが、近頃、妙ではないですか? 以前は我らが戻る前に幕営に呼びつけて戦術の相談をしていた だが今は我々ではなく、楊士奇や備倭兵を呼び寄せています」すると弟の話を聞いた朱高煦は軍を移動させて様子を探ると決める。そこで朱高燧は50里ほど撤退して本営に近づくと伝え、これで攻撃も退却も可能だと言った。その夜、楊士奇が永楽帝の幕舎へ駆けつけたが、まだ朱瞻基は戻っていなかった。「漢王、趙王が明日、皇上に会いに…」于謙は三千営が50里ほど撤退し、2人が合流したと教える。もし三千営が奸臣の粛清を掲げて永楽帝に言葉を求めれば、この芝居は続けられない。楊士奇はその時は自分たちも逃げ場を失い、殺されると警告した。その頃、若微は戦場へ戻る朱瞻基を見送りに出た。朱瞻基は若微が聶興(ジョウキョウ)について何も聞いて来ないことをいぶかしみ、道すがら自ら切り出す。「奴は私をかばい死んだ… 文には記さなかったが、自ら顔を変え、我が軍に忍び込んでいた、戦が始まった時に気付いたのだ …まさかオイラトの槍に刺されるとはな、奴は自分自身の手で私を殺したかったのだろう」朱瞻基は聶興に一生、申し訳なく思うと漏らした。すると若微は徐浜(ジョヒン)が″聶興はろくな死に方をしない″と言っていたことを思い出す。「聶興は強烈な気概を持ち、まるで侠客みたいな人よ 昔の人は″仁を求めて仁を得る″と…聶興の運命そのものね… でも聶興のための涙はこれで最後よ」若微は朱瞻基に笑顔を見せた。「私が帰還しなかったら、泣いてくれるか?」朱瞻基の問いに若微は何も答えなかったが、朱瞻基は黙って若微を抱きしめた。若微もそっと朱瞻基の背中に手を回したが、その時、朱瞻基は去りがたい気持ちを振り切るように若微を突き放す。そして兵士たちが待つ戦場へ再び戻って行った。翌日、樊忠は本営の各所に計画通り兵を配置した。やがて朱高煦と朱高燧が本営に到着、于謙は2人を出迎え、皇帝が2人と軍機を話し合うと伝える。実はその頃、朝廷ではすでに朱高熾の即位の儀が始まっていた。何も知らずに永楽帝の幕舎へと向かう朱高煦と朱高燧、すると確かに報告通り天幕の前には干物が並んでいる。2人は悪臭に顔をしかめながら、天幕の前で拝礼した。「儿臣(アーチェン)朱高煦、朱高燧が皇上にご挨拶申し上げます!」奇しくも同じ頃、大殿では朝臣たちが新帝に叩頭していた。「吾皇万歳万歳万万歳!」朱高煦と朱高燧は幕舎に入ったが、永楽帝の姿はなかった。2人は表に出ると、並んで立っている于謙と樊忠に皇帝はどこかと聞く。「皇上は昨夜、亡くなりました、ご遺体は太孫爺が北京にお運びに… 皇上は遺詔で楊士奇・楊栄・楊溥を監国とし、太子を即位させると命じられ、 新帝はすでにお立ちに、元号も変わりました! 2人の王爺には北京にお戻りになり、葬儀にご参列ください」一方、大殿では朱高熾が玉座に付き、新たな年号が公表された。「…朝廷は現在の情勢を鑑み、国事を第一に考え、独断で処罰せず恩赦を行う 恩赦を行うことで民への愛を示す、新たな元号は″洪熙(コウキ)″とする これを国内外に広く知らしめる」漢王と趙王の配下は剣に手をかけた。樊忠は手を上げて合図、本営は門を閉鎖し、隠れていた兵士たちが一斉に現れる。「2人の王爺には武器を置かれますよう、私が北京までお守りいたします」その時、朱高燧が目配せし、配下が合図を打ち上げた。「妙だと思っていたのだ、今の鏑(カブラ)矢で三千営がすぐここへ踏み込んでくる 逆賊たちを殺すのだ!」朱高煦の号令でついに内乱が勃発、しかし三千営は現れなかった。実は楊士奇はすでに聖旨を持って漢王と趙王の軍営に駆けつけていた。新帝は詔で先帝が昨夜、崩御したと知らせ、三千営・五軍営・神機営が国のために戦って功績を立てたと労い、休戦して都に帰還するよう命じる。兵士たちたちは家に帰れると聞いて歓声をあげ、もはや鏑矢など気にも留めていなかった。朱高煦と朱高燧は三千営の応援が来ないことを訝しんだ。そこでひとまず外へ出ようと決め、ついに閉じられた門を破壊する。すると目に前に騎馬隊を引き連れた朱瞻基がいた。「三千営をお待ちですか?…私は聖旨に従いお迎えに、ご同行ください」「皇帝は崩御された!誰の聖旨だ!」「お聞きでは?太子爺が即位されました、年号は″洪熙″です!我々の争いもここまでにしましょう」その時、樊忠が叫んだ。「大明の兵士たちよ!新帝が立った!都で報酬を受けよ!無駄な殺戮は行うな!武器を捨てよ!」樊忠が剣を捨てると、兵士たちも倣って一斉に武器を捨ててひざまずいた。「洪熙皇帝、万歳っ!」「洪熙皇帝、万歳っ!」気がつけば剣を持っているのは朱高煦、朱高燧とわずかな側近だけとなる。朱高煦は朱瞻基にしてやられたと気づき、苦虫をかみつぶしたような顔で剣を捨てるしかなかった。つづく(  ̄꒳ ̄)1回戦は太孫の勝ちと言ったところか?このまま2人の叔父が大人しく引き下がるとは思えませんな〜また来週!
2020.08.29
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大明风华 Ming Dynasty第31話「巨星、墜つ」永楽22年、朱棣(シュテイ)は第5次北伐の終結を宣布、楡木川(ユボクセン)の本営で病の床にふせた。そこで内閣首輔・楊士奇(ヨウシキ)を呼び、漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)に即位させたいと伝え、起草を頼む。その夜、楊士奇は朱瞻基(シュセンキ)だけに奏状を見せた。目を通した朱瞻基は激怒し、剣を抜いてしまう。しかし二叔父の即位は祖父の判断だった。「皇上の神機営、漢王の三千営、趙(チョウ)王の五軍営、樊忠(ハンチュウ)の精鋭隊を配下に置けますか? …初めは皇上の考えが不可解でした、だが考えてみれば皇上の判断は正しい 漢王が即位すれば天下は乱れずに済む、皇上に翻意を促すのは至難の業です」朱瞻基は楊士奇の話を聞いて剣を捨て、その場にひざまずいて無礼を謝罪した。「楊閣老…失礼を」楊士奇は永楽帝が奏状を見てからでは手遅れになると考えた。しかし朱瞻基が永楽帝の真意を理解できず、剣を抜いたことにいささか失望する。永楽帝が自分を呼んだのは皇太子に近く、慎重に行動するからだろう。自分を呼ぶことで皇太孫に活路を残したのだ。そもそも永楽帝が漢王の即位を望むなら、そう発表すれば済むことだ。そこで楊士奇は朱瞻基に決断を迫る。「皇上は太孫と太子を南京に蟄居(チッキョ)させ、あなた方の命を保証すると漢王に誓わせると…」「…この若さで一生、蟄居など考えられない、たとえ1日でも断る 男なら服従の下ではなく、国のために死んでこそ本望だ 爺爺(イエイエ)に伝えてください、騒乱の心配はありません ″奏状に玉璽が押されたら、私は国のために自害し、黄泉へお供します″と…」すると楊士奇は愚かだと激怒した。父母が存命でありながら自害を口にするなど不忠であり不孝、そんな男を英雄とは呼べないという。「はあ~…恐らく皇上は太孫のためにどうすべきか徹底的に考えられた だが全く勝算がない、そこで私がこうして来たのです」(๑✪ω✪人<楊閣老♡@太孫夜が明けようとしていた。永楽帝に呼ばれた楊士奇は朱瞻基を連れて幕舎で謁見、奏状を掲げて自ら死罪を乞う。「皇上、天下の民たちは平和な世を望んでおります、ですが漢王は…″平和の君主″ではありません 無事に即位したとしても、功名を求め、戦を好む皇帝が統治していれば、民心は離れ、 国は転覆するでしょう…それだけはなりませぬ」すると永楽帝はか細い声で朱瞻基には勝てないと釘を刺した。しかし朱瞻基も覚悟はできている。「…負けたら爺爺にお供します、爺爺、私の望む生き方をさせてください」東宮で静養中の朱高熾(シュコウシ)は、ふと気配を感じて目を覚ました。すると枕元に鎧姿の永楽帝が立っている。「爹(ディエ)!いつ戻られたのです?」「先ほど戻ってすぐお前の様子を見に来たのだ」永楽帝は軍営で見つけた匈奴(キョウド)の帯留めを土産に渡すと、朱高熾は青銅の鳳凰(ホウオウ)だと喜んだ。朱高熾がまだ幼い頃、永楽帝はいつもこうして戦地から土産を持ち帰ったものだと懐かしむ。「今回は匈奴の遺跡に軍営を築いたから古物がたくさんあったぞ?だが負けてしまった…」「運が悪かっただけです、大明の国力をもってすれば敵を懐柔することもできます まだ終わりではありません、そうでしょう? 私は病のため起きることもできず、国に貢献できませんでした…」しかし永楽帝は自分が酷使したせいで朱高熾が病になり、頑固ゆえこの苦境を朱高熾に任せてしまったと後悔した。「私とお前はいつも口論していたな…それもお前だからできたのだ 私とお前だけに分かる、他のものには分からぬ…苦労をかけたな、息子よ」朱高熾は父の言葉に涙ぐみ、父が帰り家族が揃いさえすれば全てうまく行くと笑顔になった。永楽帝は少し歩こうと朱高熾を誘った。これまで起き上がることもままらならなかった朱高熾、しかし父に手を引かれて歩き始めると、なぜかすっかり体調が良くなっている。「ディエ?あの…どこへ行くおつもりですか?」「大殿だ、すぐに即位しろ、これで大明はあと100年は安泰だ」驚いた朱高熾は寝巻きのままでは具合が悪いと慌て、着替えて来ることにした。しかし寝所へ引き返そうとした時、うっかり花瓶を落として割ってしまう。ガシャーーーン!!!朱高熾がはたと気がつくと、永楽帝の姿は消えていた。そこへ物音に気づいた皇太子妃・張妍(チョウケン)が皇太孫妃・胡善祥(コゼンショウ)と皇太孫嬪・孫若微(ソンジャクビ)を連れて駆けつける。「ディエ?!皇上!…皇上?!どこです?まだ話したいことが?」張妍たちは困惑して皇太子を不思議そうに見ていた。すると朱高熾が早く朝服を持って来るよう頼み、永楽帝から即位しろと言われたと訴える。「皇上が来ただろう?」「来てないわ…」「嘘だ!さっき私と話したぞ?」朱高熾は寝台の布団をひっくり返してみると、確かに匈奴の帯留があった。「ディエは確かに来たのだ…」永楽帝は戦場でこの世を去った。樊忠(ハンチュウ)は本営から100里ほどの場所に駐留する第2皇子・朱高煦(シュコウク)と第3皇子・朱高燧(シュコウスイ)にすでに使者を送っていたが、朱瞻基は皇帝の崩御を知らせる使者なら連れ戻したと教える。「樊忠、聖旨を書け、漢王と趙王に″全力で敵を攻めよ″と命じるのだ 皇上は生きていると信じさせろ…よいな?」朱瞻基の手には玉璽があった。驚いた樊忠は謀反だと非難したが、朱瞻基は父が皇太子で祖父が皇帝なら謀反ではないと否定する。樊忠は激昂、剣を抜いて朱瞻基に差し向けると、背後から楊士奇が樊忠の首に短剣を突きつけた。「樊将軍、剣を収めてください」遺詔には確かに皇太子を即位させると書いてあった。朱瞻基は国難の時、漢王たちが永楽帝の崩御に気づいて挙兵すれば天下が大いに乱れると訴える。すると楊士奇が先に短剣を下ろし、皇太子と皇太孫こそ正当な後継者であり、国が乱れて皇族が殺し合えば、それこそ永楽帝の名声に傷が付き、国の恥になると説得した。「非常の時には平時と違う手段を…樊将軍、よくお考えください」樊忠は剣を下ろすと、朱瞻基に背を向けて崩れ落ちるように座り込んだ。「私は孤児でした、母が死んだ時、皇上が敵を討ってくださったのです… そんな皇上の命令ゆえ、あなたに命を捧げる覚悟で従ってきました、私はどうすれば…」そこで共に永楽帝に恩がある身として楊士奇はひざまずき、天の永楽帝に報告した。これも軍の統率を保つため、永楽帝の業績を盤石にするためであり、道理にこだわり過ぎれば国に害をなすことになってしまうと…。樊忠はついに覚悟を決め、永楽帝のために皇太子即位に協力することにした。軍内には叔父たちの間諜(カンチョウ)がいた。朱瞻基は叔父たちが祖父の病状を知っていると考え、まず祖父が今も健勝で生きていると思い込ませなくてはならない。すると翌朝、漢王と趙王の駐留先に早速、聖旨が届いた。三千営は北へ移動するアルクタイを追いかけ攻撃を、五軍営もオイラトとタタールを攻撃しろという。朱高煦と朱高燧は拝命したものの、この状況で攻撃命令が出たことに違和感を感じた。病状が回復したのか、それとも自分たちと合流したくない者がいるのか…。朱高煦と朱高燧は勝手に本営に戻った。すると門で于謙(ウケン)に止められ、永楽帝に知らせるので待てという。2人は無視して退けと言ったが、于謙はいきなり訪ねて″なぜ持ち場を離れた″と責められてもいいのかと脅した。朱高煦と朱高燧はようやく永楽帝の幕営にやって来た。樊忠は2人の剣を預かり、朱瞻基が楊士奇と話し中なので先触れすると言ったが、2人は我関せず入ってしまう。その時、ちょうど奥の寝所から楊士奇が戻って来た。何でも永楽帝は機嫌が悪く、攻撃しろの一点張りだという。すると永楽帝が癇癪を起こしているのか、寝所から大きな物音が聞こえて来た。これで2人も出直すかと思ったが、期待に反して朱高煦と朱高燧は寝所へ行ってしまう。樊忠はもしもの時のため、没収した剣をそっと朱瞻基に渡した。朱高煦と朱高燧は帳から寝所をのぞこうとした。その時、急に足元に物が飛んできたため、父に怒られると焦った2人は結局、帰ることにする。寝所では永楽帝が存命だと細工していた于謙が冷や汗をかいていた。朱瞻基たちも安堵のため息を漏らし、樊忠は急いで反対側の廊下の帳を開ける。そこにはあらかじめ待機していた兵士たちが隠れていた。一方、胡善祥も人知れず、決断を下していた。そこで豆子(トウシ)に誰にも知られず漢王妃に文を届けるよう命じる。「それからもうひとつ、ある物を担いで行って欲しいの…」漢王府に豆子がやって来た。汗だくの豆子は門の敷居にしがみついて倒れており、背中に臼(ウス)を担いでいる。「太孫妃に…ゼエゼエ…命じられて来ました…」文を読んだ漢王妃は豆子が自分の手下だと胡善祥に見破られたと知り、用済みとばかりに豆子を市中へ放り出してしまう。するとちょうど漢王の元へ向かう配下が挨拶に来たことから、漢王妃は胡善祥からの文を託し、伝言を頼む。「女狐が裏切ったと伝えて」その文には″各々、その主のために″と書かれていた。孫若微はすでに休んでいた。しかし戸を叩く音に気づき、仕方なく床を離れて様子を見に行く。すると突然、朱瞻基が入って来た。「なぜここに?!」「密かに両親に会いたい…君が手引きしてくれ」若微は外套をすっぽりかぶった朱瞻基を連れて皇太子府を訪ねた。「急用なの、太子妃に面会を…」すると若微は先触れした太監を下げ、朱瞻基を中に入れる。「夜中に何の用?」張妍は面倒臭そうに寝所から客間に出たが、驚いたことに朱瞻基が立っていた。「…息子よ、どうしてここに?」朱瞻基は母との再会を喜ぶ間もなく、父の寝所に入った。「ディエ…イエイエが崩御を…」朱瞻基は全てを話した。永楽帝が崩御の前に楊士奇を呼び、二叔父を即位させ、自分たちを南京に移すように指示したと…。朱高熾はため息をつき、父が周到に考えたのだと分かった。「それしかない…」もし父が生きていて自分が健康なら、息子も帝位に就けただろう。しかし今となっては父の判断が正しい。朱高熾は戦いたいなら自分がこの世を去り、母親も死んでからにしろと言い聞かせた。「手を引くのだ」「嫌ですっ!」朱瞻基は思わず声を荒げ、病の父に迫ってしまう。「明日、ディエの即位を準備し、詔を発します!ディエ!」すると張妍はもう話さなくて構わないと皇太子を止め、息子には自分が言って聞かせると伝えた。「息子よ、こんな大事なこと、すぐに決められない 父は急病なの、急かしては駄目よ…顔を洗って何か食べなさい」朱瞻基は怒って出て行った。朱高熾は小さく首を横に振るのが精一杯だったが、張妍は眠るように声をかけて寝所をあとにする。すると朱瞻基が客間で母を待っていた。「娘(ニャン)…私は反逆など…」その時、張妍が息子の頰を思い切り引っ叩く。「父上の病気があんなに重くなっているのに…お前は自分のことばかりね! 父上のことも考えたらどうなの!…ゥッ…息も絶え絶えのよ…」母の涙を見た朱瞻基は慌ててその場で叩頭したが、額を強く打ちすぎて気を失ってしまう。つづくさようなら、イエイエ〜(꒦ິ⌑꒦ີ)視聴意欲が失せたな…と思ったけど、胡善祥の臼で立ち直ったw
2020.08.28
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白发 Princess Silver第54話「秦家の姉妹」容楽(ヨウラク)@漫夭(マンヨウ)が侵された″天命″の毒…。その残酷な解毒法を知った容楽と宗政無憂(ソウセイムユウ)の間で見解が分かれる中、西啓(サイケイ)の皇帝・容斉(ヨウセイ)もある覚悟を決めていた。「朕はもう待たぬ…朕らを逃さぬ気なら覚えておくがよい」宗政無郁(ソウセイムイク)は蕭可(ショウカ)に呼ばれて薬房へやって来た。すると蕭可の姿が見当たらないが、梅の花が飾られている。無郁は喜んで花を眺めていると、急に蕭可が現れた。「無郁!あなたが好き!お嫁さんにして!」蕭可はかつて5歳まで生きられないと言われ、これまで毎朝、朝日を拝めるだけで満足だった。しかし容楽の事情を目の当たりし、人の縁が儚いものだと知る。「私も時間を無駄にはできない、だから気持ちを伝えたのよ」無郁は突然の事で一瞬、言葉を失ったが、自分も蕭可が好きだと告白、一緒になろうと言った。翌朝、冷静になった無憂は漫音(マンイン)閣を訪ねたが、漫夭の姿はなかった。侍女の話では行き先も告げず、ひとりで出かけたという。寝台には木彫りの人形が残されていたが、山河志は消えていた。容楽は項影(コウエイ)と一緒に王府を発っていた。実は項影が密かに漫音閣へ潜入、公主に風鈴を手渡し、痕香(コンコウ)が会いたがっていると伝える。容楽はこれが自分の出自を知る貴重な機会だと感じ、項影を信じることにした。一方、傅筹(フチュウ)は苻鴛(フエン)の輿入れの際、仕えていた侍女を見つけ出していた。その侍女は苻鴛が冷宮に入る以前に宮中を出されていたため、口封じを逃れて生きていたという。そこで傅筹は元侍女に苻鴛の息子だと教えた。しかし元侍女は信じられないと言った様子で怯えている。「20年あまり前か… 北臨(ホクリン)が復興した際、陛下は西啓帝の容毅(ヨウキ)と中山(チュウザン)で会盟した 会盟の後、陛下は急に苻皇后を疎み、冷宮に入れた、そして苻皇后は冷宮で子供を産んだな?」「それは…皇后ご自身もすでにお忘れのことです 陛下は皇后に仕える者を殺し、皇后に毒を飲ませて記憶を消しました」「記憶を消した?」傅筹は元侍女にとにかく知ってることを全て話せと迫り、偽りがあれば生きて帰さないと脅した。苻鴛は宸国の公主だった。宗政允赫(ソウセイインカク)の父の代の際、北臨は宸国に占領され、北臨の皇族は皆、宸国の臣下になってしまう。しかし苻鴛が宗政允赫と情を交わし、輿入れが決まったことで、宗政允赫は宸帝に目をかけられるようになり、軍権を得た。その後、宗政允赫は謀反を起こし宸国が分裂、宗政允赫は北臨を、容毅が西啓を得る。苻氏一族が皆殺しになると、現在の寧氏が皇位簒奪を企て、宸国の権力を手にした。そんな事情から宗政允赫が容毅を中山に招いたのも不思議ではない。「だが予想外の自体が会盟前に起こったのだな?」「はい、雲(ウン)貴妃を見た容毅が貴妃を所望したのです 陛下は別離を経て一緒になれた貴妃を手放したくはない それで関係悪化を避けるため、皇后に毒を飲ませて容毅に贈りました もともと陛下にとって苻皇后は侵略された屈辱の象徴でしかなかったのです その後、苻皇后は冷宮に入れられ、醜聞を隠すために周りの者は殺されました 苻皇后は″天命″の毒を盛られ、記憶を失ったのです」傅筹は怒りをぶつける相手もなく、思わず卓をひっくり返したが、元侍女は無事に解放された。傅筹はようやく分かった。 苻鴛が今まで自分を操って来たのは実の両親に復讐させるためだったのだろう。しかし冷宮で産んだ子供が自分でないなら、一体誰なのか。「まだ他にも陰謀があるのか?」その時、傅筹は容斉に言われた言葉を思い出した。…そなたを哀れむ、未だに真の敵が誰か分かっておらぬからだ…傅筹は容斉が真相を知っていると気づき、親書を届けることにした。その頃、容楽は痕香の家を訪ねていた。驚いたことに痕香には1歳になる念児(ネンジ)という娘がいる。すると痕香は秦氏の旧宅にある密室に入ったことがあるか聞いた。容楽はやはりあの時の覆面の女子が痕香だと確信、この風鈴はもしや誰かにもらった物かと確認する。…湘児!湘児!来て!…な~に?姐姐?…これをあげる…わあ~きれいね!ありがとう姐姐!その風鈴は痕香が姉からもらった風鈴だった。「私は秦湘(シンショウ)、秦漫(シンマン)という姐姐がいたわ」「私には記憶がないの…でも北臨に来てから何度も2人の少女を夢に見たわ」記憶の断片に残っていた2人はぶらんこや木馬で遊び、詩を暗唱していたという。実は秦永(シンエイ)は女子も男子と同様に楽を学び、志を持つべきだと考え、通常は″関雎(カンショ)″から学ぶ″詩経(シキョウ)″を″大雅(タイガ)″の″文(ブン)王″から習わせていた。「文王は上にありて天に昭(アキラ)かなり…」容楽と痕香は自然と詩を唱え始め、ついに容楽は失っていた自分の過去を取り戻す。「じぇじぇ…やっと見つけた…」2人は抱き合って喜び、そして姉妹揃って痕香が守って来た秦氏一門の霊牌に叩頭した。無憂は漫夭からの文を見つけた。…無憂、ひとりで静かに子供の将来を考えたいの…ひとりになって私にしかできない決断を下すわ…守ってくれる護衛も一緒よ、心配はいらない…探さないで、帰るべき時には必ずあなたのもとに帰るわ痕香はこのまま泊まって行くよう勧めた。そこで容楽は王府にしばらく帰らないつもりだと話し、置き手紙にも探さないよう書いておいたと教える。痕香は姉に何か問題でもあるのかと心配したが、容楽は何もないと嘘をついた。「ただ記憶が全て戻ったわけじゃない…昔のことをもっと話して、今までのあなたの生活も」すると痕香は敵討ちできなかったと悔しがり、本来なら秦家を取り潰した北臨帝をこの手で殺したかったという。容楽は北臨帝も運命に翻弄されて家族と引き離されたと話し、実は傅筹と無憂は雲貴妃が産んだ双子の兄弟だと教えた。「私たちが離散したのも、私が記憶を失ったのも、苻鴛と天仇門の仕業だわ」痕香は真の敵が苻鴛たちだと知り、愕然となった。まさか敵を間違えていたとは…。痕香は自分の愚かさを嘆き、これまで拷問に耐えて来た傅筹を思うと、残酷な現実に涙があふれた。しかし容楽は妹の涙をぬぐいながら、今ならまだやり直せると励ます。「傅筹が心配なら子供と一緒に会いに行ってはどう?」「いいえ、縁は切ったわ、未練は残さない」痕香は姉が見つかっただけでも感謝すべきだと笑顔を見せ、身重の容楽を休ませることにした。西啓に皇太后が戻って来た。皇太后は早速、容斉の寝殿を訪ねたが、姿が見えない。すると小荀子(ショウジュンシ)が皇帝からの伝言を伝えた。「陛下がおっしゃいました…両親の仇に固執するべきにあらずして、ただ死を恐れず自由を求む 2度と朕のような者を生むべからず、と…」傅筹は容斉に親書を送ったが、一向に返事はなかった。ただ使者の話では西啓帝の行方も生死も不明だという。苻鴛は森の奥深くで密かに林申と接触した。「あの医書はもう必要とする者に届けたのね?」「はい、宗政無憂も解毒法を知ったはずです」苻鴛はわざと解毒法を知らせることで、この世で何よりも辛い苦しみを無憂たちにも味わわせることにした。しかし林申は容斉がまた邪魔をしそうだと懸念する。「計画は容斉抜きで進めるべきだったのです、もう失敗はできません 命がけの手段で宗政無憂と傅筹を戦わせましょう、我々の駒は傅筹だけではありません」「疲れたわ…お前のやり方で進めてちょうだい」項影は密かに薬房を訪ね、蕭可に助けを求めた。実は容楽が丸一日、目を覚まさないという。「殿下には内緒で診て欲しいんだ…一刻を争う、行こう!」しかしちょうど無郁がやって来た。「ほらね、内緒は無理だって言おうとしたのに…」その頃、容楽はようやく目を覚ましていた。痕香は動揺を隠せず、項影が医者を呼びに行ったと教える。容楽は子供がいるせいで眠くなるだけだと安心させたが、痕香は自分にそんな症状はなかったと信じなかった。「持病がある姐姐が王府に戻らないなんて…何があったの?話してちょうだい」「…そうね」容楽は正直に天命の毒の件を打ち明けた。驚いた痕香は子供ならまた作れるが、容楽には時間がないと説得する。しかし容楽は母親なら気持ちが分かるはずだとなだめ、それより何か食べたいと頼んで痕香を追い出してしまう。無憂は項影の案内で蕭可と一緒に漫夭の様子を見に行った。するとちょうど開いている窓から念児の世話をしている漫夭の後ろ姿を見つける。「この家の周囲は守らせた、漫夭を頼む」無憂は漫夭に声をかけたい気持ちをぐっと抑え、黙って引き返した。しかしその時、気配を感じた容楽がふと外を見る。窓紗越しに見えるのは確かに無憂の後ろ姿だったが、突然、蕭可が窓から顔をのぞかせた。「公主姐姐!脈を診に来たわ!」容楽はどちらにしても、まだ無憂に会う勇気がない。もし気弱になって無憂に従ってしまえば子供が不幸になるだろう。王府に戻った無憂は蕭煞(ショウサツ)を呼んだ。「漫夭に毒を盛ったのは容斉か?」「私は存じません、今までの解毒薬は西啓のものです 実は今までずっと言えずにいたことが… 宸国で王妃がお倒れになった時、陛下が王妃に自分の血を飲ませていました 王妃がじきに気づいたのは偶然だと思いましたが、今思えばあの血が功を奏したのかも?」あの時、容斉は漫夭を西啓に連れて帰ると言っていた。容斉の目的は一体、何なのか。そもそも秦師匠の娘・秦漫である漫夭が、なぜ容楽公主になったのか。無相子(ムソウシ)は少なくとも容斉が関係あると考え、無隠楼(ムインロウ)を連れて西啓に向かうことにした。「別の解毒法がないか西啓帝の身辺を調べよう」蕭可が帰ってから容楽はふさいでいるようだった。心配した痕香は薬を買って来ると言って出かけたが、容楽は痕香を見送る項影を見てピンと来る。「湘児が好きなのね?」「うぉ(我)…」「なら追いかけなくちゃ、ほら、行って!」項影が飛び出して行くと、容楽は念児に2人が一緒になれば嬉しいかと聞いた。しかしすぐに戸が開く音がする。項影が引き返して来たと思った容楽だったが、そこにいたのは容斉だった。「天命の毒のことはもう知っているはず、完全な解毒法を知るのは私だけだ 解毒するために私と来い」つづく( ˘ω˘ )なるほど~皇太后=苻鴛で天命の毒、生まれたのは容斉で毒を移されたのね~でもちょっと待ってちょっと待って…結局、悪いのは北臨帝でしょ?|ω・`)え?違うの?
2020.08.27
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白发 Princess Silver第53話「残酷な解毒法」中山(チュウザン)に戻った傅筹(フチュウ)は真っ先に森閻(シンエン)宮に乗り込んだ。しかしすでに符鴛(フエン)の姿はなく、凌宵(リョウショウ)殿ももぬけの殻だという。常堅(ジョウケン)が調べたところ3日前から符鴛の姿は見えず、何でも凌宵殿に入る林申(リンシン)を目撃した者がいたとか。やはり2人はもともと結託していたのだろう。「符鴛は私の母ではない、符鴛も私を息子と思ったことなどない…」何も知らずに符鴛の復讐に利用されて来た傅筹、その虚しさに思わず乾いた笑いが出た。一方、青州王府に身を寄せた昭蕓(ショウウン)は2年ぶりに陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)と再会した。しかし挨拶もそこそこに蕭可(ショウカ)が梅の花を持って走って来る。「見て!梅が咲いたわ!枝を折りに行きましょう?」無郁が困惑していると、蕭可は昭蕓に気づいて一緒に行かないかと誘った。「姐姐は王府のお客様?」「馬鹿を言うな、客人なものか、私は行かない、1人で行って来い」すると無郁に邪険にされた蕭可は梅の枝を投げ捨て、怒って行ってしまう。「可児っ?!…昭蕓、気にするな、自分を客だなんて思わないでくれ、私にとって君は家族だ」無郁は今の娘が蕭煞(ショウサツ)の妹・蕭可だと教え、口は悪いが素直でいい子だとかばった。「無郁ったら、未だに女心が分かっていないのね」昭蕓は梅の花に込めた思いに気づかない無郁を諌めたが、無郁は蕭可ならまだ子供だという。「″花の開けば手折るべし、花なき枝を持つべからず″よ 無郁、かつての過ちを2度と繰り返さないで…」薬房に戻った蕭可は機嫌が悪かった。心配した蕭煞が理由を聞いてみると、花見に誘った無郁から追い払われたという。蕭煞は憤慨してい懲らしめてやると言ったが、蕭可は慌てて止めた。「いつもは私に優しいの、でも今日はきれいな姐姐に遠慮したのよ…」「可児?陳王が好きなのか?…クスッ」蕭煞は嫉妬だと気づき、一緒にいたのは昭蕓公主だと教えてやる。実は蕭可は容楽(ヨウラク)@漫夭(マンヨウ)から昭蕓が北臨(ホクリン)のために宸国に嫁いだ人だと聞いていた。「憧れの人だったのに~ちゃんと挨拶すればよかった!」そんな中、青州王府に北境の傅筹から和議の文が届いた。対応した無郁はこれまで七兄夫妻を苦しめてきた傅筹を未だ許せず、使者である常堅に難癖をつけてしまう。しかしそこへ黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)が駆けつけ、無郁の無礼を咎めて和議の文を受け取った。「南境の兵もすぐ撤退させる、伝言を頼む 漫夭や無郁と共に父上に会うため、近日中に中山に向かうと…」南境に告示が張り出された。…南北の兵は撤退し、2度と争わぬ…黎王殿下は吉日を選び婚儀を執り行う…終戦と婚儀の2つの慶事を国を挙げて祝うべし平和が戻り、喜びに沸く民たち、その様子を見ながら昭蕓は侍女と2人で密かに街を出て行く。一方、王府では無憂と容楽が昭蕓の置き手紙を読んでいた。…無憂哥哥、容楽姐姐、別れも言わずお許しを…家族であるお二人の心遣いに感謝しています、お二人のおかげで私は強くなれました…ここを離れても1人で生きて行けます、私と子供は遠くからお二人の幸せを祈っています…昭蕓より容楽は身重の昭蕓を心配した。しかし無憂は昭蕓が自分で選んだ道を尊重するべきだという。「心配せずにお腹の子の事を考えてくれ」無憂は改めて子供たちのためにも必ず平和な世を作ると決意するのだった。南北の戦いが終わり、内乱の心配もなくなった。項影(コウエイ)と痕香(コンコウ)@秦湘(シンショウ)の逃亡生活も終わり、隠れ住む必要もなくなる。「これも黎王と王妃の養民変法(ヨウミンヘンホウ)のおかげだな~」「?!養民変法?容楽が変法を?」「養民変法の多くの政策は王妃の提案なんだ」「容楽は″山河志(サンガシ)″を手に入れたと聞いたわ…」「そのために大きな犠牲を払われた、奪われた山河志が無事に戻ってよかったよ」痕香はあの夜、秦家の密室で出くわした曲者が容楽ではないかと気づいた。傅筹は無憂にも符鴛と父の捜索に協力してもらうことにした。しかし青州から戻った常堅から黎王夫妻が近々、正式に婚儀を執り行うと聞き、せっかく書いた密書を燃やしてしまう。「失踪の知らせはひとまず伏せておこう、さもないと…慶事に水を差す」傅筹は引き続き常堅に父の居場所を探るよう命じ、見つかったら青州王府に伝えると決める。するとふと容楽が静謐(セイヒツ)園に残していった物を思い出し、青州王府に届けさせて欲しいと頼んだ。|ω・`)傅筹…無郁は薬房に蕭可を訪ねた。きまりが悪い無郁は腹が痛いと訴えて蕭可の気を引いたが、すぐ仮病だとばれてしまう。無郁は仕方なく手に入れた珍しい医書を渡した。「雪孤医典(セッコイテン)?!師父の書だわ!これ探していたのよ!」無郁の話では軍の老兵が偶然に見つけ、献上してくれたという。「この前のことは謝るよ…私が悪かった、許してくれ、あれから後悔していたんだ 一緒に行きたかったけれど、何もかも失った昭蕓を独りにできなくて…」蕭可は早速、医書を開いて見ていたが、最後の頁に梅の花びらが貼り付けられていた。無郁の気遣いに思わず顔がほころぶ蕭可、しかしなぜか慌てて無郁を追い出してしまう。実は蕭可は医書の中に気になる記載を見つけていた。ある日、容楽が目を覚まさなくなった。心配した無憂は蕭可を呼ぶよう命じ、侍女たちにそれぞれ雑用を任せ、最後の1人を残す。実はその侍女は扮装した痕香だった。「最近、王妃の睡眠や食欲はどうだった?」侍女になりすましていた痕香は答えられず、背を向けて口ごもる。しかし危ないところで冷炎(レイエン)が懐妊の祝いにやって来た項影を連れて来た。無憂は双子の兄弟だと分かった傅筹が天仇門(テンキュウモン)でどんな暮らしをしていたのか知りたかった。そこでこの機会に項影に聞いてみる。項影の話では天仇門の仲間は皆、親がいない子供ばかりだった。訓練は過酷で、隊に分かれて殺し合いをさせられたという。生き残れるのは隊の仲間を倒した1人のみ、項影は自分が生き残れたのは傅筹のおかげだと言った。傅筹も同じように戦いを勝ち抜いて生き残ったが、より過酷な目に遭っていたという。「天仇門の掟では若門主を殺せば足を洗えるのです、だから常に命を狙われていました また復讐を骨身に刻むため、始終、拷問も受けていました…」無憂は森閻宮で監禁されていた時、無憂から壮絶な過去を聞かされていたが、これが事実だと知って心が痛んだ。項影は自分が下がる機会を利用して痕香を漫音(マンイン)閣から逃した。しかし痕香は容楽の枕元に山河志があったことから、どうしても確かめたいことがある。そこで項影に風鈴を託し、容楽に渡して欲しいと頼んだ。「絶対に危害は加えないわ、大事な話があるの…信じて」容楽がようやく目を覚ました。無憂は元気そうな容楽を見て安堵したが、脈診した蕭可の様子がおかしい。「子供に何か?!」「ぅ…ぁ…何でもないの、母子ともに問題ないわ、大丈夫」しかし蕭可は薬を火にかけたままだと断り、慌てて帰ってしまう。容楽は蕭可を訝しんだが、無憂に毒のことを隠しているため、何も追求しなかった。「可児ったら、無郁と喧嘩でもして上の空なのね…」一方、無郁が薬房で待っていると、蕭可が帰って来た。すると蕭可は急に無郁に抱きついて泣いてしまう。「ねえ、教えて、自分と子供の命の片方しか選べないとしたらどうするべき?」しかしその話を蕭可を追いかけて来た無憂が聞いていた。「殿下?!」蕭可はついに無憂に真実を明かした。実は容楽の具合が悪いのは病ではなく毒のせいで、雪孤医典によれば容楽が冒されているのは″天命″の毒だという。解毒するには生まれる子供に鍼で毒を移すしかなかった。これで完全に解毒はできるが、生まれた子供は薬なしに生きられない身体になるという。「漫夭には伝えるな、この3人以外に漏らすことは許さぬ…」無憂は打ちひしがれた。すでに子供の名前も″宗政嬴(エイ)″と決めていたのに…。漫音閣では何も知らない容楽が自分の木彫り人形を作っていた。無憂は涙をこらえながら容楽に声をかけ、婚礼を早めようという。容楽は無憂がそうしたいなら賛成すると言ったが、ただ盛大な婚儀は必要ないと言った。「あなたの気持ちだけで十分よ…」すると容楽は傅筹から自分が使っていた品が届いたと報告した。しかし文はなく、北臨帝の様子も分からないという。今になって思えば、もっと冷静に判断すべきだった。無憂は符鴛の陰謀に気づけなかったせいで母をあんな目に遭わせてしまったと後悔する。容楽はまだやり直せると励ましたが、なぜか無憂は生きていればやり直せると念を押した。容楽は薬房を訪ね、蕭可から真実を聞き出すことにした。「覚悟はできているわ、だからはっきり聞かせて」「…子供を助ける手段は必ず探す、まず解毒することが先決よ」蕭可は動揺してうっかり口を滑らせてしまう。「子供?!様子が変なのは毒のせいで私の命が危ないのだとばかり…子供のことなの!?」容楽に追及された蕭可は仕方なく解毒法を教えた。その残酷な方法を知った容楽は驚愕し、すでに無憂も知っていると聞いて悲しみに暮れる。苦渋の選択を迫られた容楽は…。容楽が失意の中、漫音閣に戻ると、無憂が待っていた。そこで容楽は無憂の手を自分のお腹に当て、子供の胎動を実感させる。「動いたでしょう?!…苦痛や病から子供を遠ざけたいの、何があっても 何の悩みもなく一生を送らせたい、無憂、分かるでしょう?」無憂は容楽も解毒法を知ったのだと分かった。「ごめんなさい、私を許してね…私にはできない、絶対に! 私たちの子にそんな残酷な真似はできないわ」「では私のことは?私を残して逝くのは残酷だと思わないのか?!」無憂はまず子供を産んで解毒し、子供の解毒方法は改めて探そうと説得する。しかし容楽は自分が味わった苦しみを絶対、子供に味わわせたくないと訴えた。自分たちの子供が年頃になり、愛する人と出会った途端に死ぬ運命だと分かったらどんなに残酷だろうか。その時、無憂は漫夭が作った人形に気づき、それをつかんだ。「この木彫りはいずれ私が子供に告げるための物か?″お前の母上はもうおらぬ″と…」無憂は思わず人形を放り投げ、出て行ってしまう。つづく(꒦ິ⌑꒦ີ)ぇぇぇ…皇兄の出番ない(←そっちかw
2020.08.26
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白发 Princess Silver第52話「雪解け」鎮北(チンホク)王・寧千易(ネイセンイ)は林申(リンシン)と手を組んでいた。洛顔(ラクガン)@沈魚(チンギョ)から全てを聞いた昭蕓(ショウウン)は寧千易を思い留まらせるため、乾林(ケンリン)苑に駆けつける。「山河志も政権もあきらめて、私と静かに暮らしましょう…お願い」昭蕓は容楽(ヨウラク)側に立ち、自分たちの恩人である容楽や宗政無憂(ソウセイムユウ)たちと争って欲しくないと訴えた。しかし昭蕓の必死の願いも虚しく、寧千易はここまで来たら生死を賭けて戦うしかないという。すると隙をついて洛顔が寧千易の首に短刀を突きつけた。兵士たちは一斉に後退したが、寧千易は洛顔が自分を傷つけることなどできないと確信している。案の定、洛顔は決断できず、寧千易にあっさり短剣を持つ手を握られ、そのまま容楽たちの方へ突き飛ばされた。その時、昭蕓が咄嗟に洛顔が落とした短剣を拾い、自ら首にあてて寧千易に迫る。「あなたを止められないならここで死ぬわ!惨劇は見たくない …子供に何と言えばいいの?″あなたの父親は薄情で権力に目がくらんだ″と言えと?」「権力に目がくらんだ?ふっ…昭蕓、これは最後の警告だ、こっちへ来い、剣を捨てるのだ」昭蕓は動かなかった。苦渋の選択を迫られた寧千易だったが、結局、愛する昭蕓を切り捨ててしまう。「…殺れ!」兵士たちが迫る中、傷ついた昭蕓は自害しようとした。しかし咄嗟に容楽が止める。すると宸帝が軍隊を率いてやって来た。「そこまでだ!」鎮北王があろうことか他国の皇帝や領主に対して精羽衛(セイウエイ)を動員、宸帝は自国に災いをもたらすつもりかと非難した。寧千易はあくまで黎(レイ)王と摂政王が勝手に争っただけだとごまかし、何にせよ無憂と容楽、傅筹の3人が死ねば大乱が起こり、宸国が天下の覇者になれると説明する。北臨と手を組めば宸国は版図を広げられ、皇帝が天下統一を図れるというのだ。宸帝は独断による結盟は大罪だと指摘、自分のためだと言うなら盟書を見せろと迫った。すると寧千易は盟書などないとしらばくれ、むしろ宸帝こそ幼帝の親政を訴える朝臣に操られているのではと疑う。「成人するまで政務は私にお任せを…」その時、昭蕓が袂から符鴛(フエン)の盟書を取り出した。「盟書がなければ過ちを隠せると思っているの?」慌てた寧千易は返すよう迫ったが、洛顔が奪われる前に読んでしまう。…鎮北王は有能ながら幼童に仕える身、志が遂げられず誠に遺憾です…哀家(アイジャー)が力を貸しましょう…容楽の息の根を止め、息子と黎王を戦わせ黎王の始末を…成功すれば南境を割譲します、鎮北王、玉座を手に入れてください寧千易は天下統一で太平の世を築くと訴えていたが、真の目的は簒奪だった。私欲のために危険を冒し、しかも最愛の妻の命まで危険にさらしたことで、寧千易は容楽たちから激しく追及されてしまう。そこで宸帝は鎮北王が他国と結託して謀反を画策したものの、事情を知らない兵士たちには武器を置くなら罪を問わないと宣言した。精羽衛は一斉に武器を下ろして降参、すると宸帝が鎮北王を収監するよう命じる。しかし寧千易は拒否し、準備していた酒を運ばせて自ら毒酒をあおった。「グフッ…」寧千易は激しく血を吐き出し、崩れ落ちるようにその場に倒れる。驚いた昭蕓は慌てて駆け寄ると、寧千易を腕に抱いた。「昭蕓…約束してくれ…私のような父親がいたことを子供には告げぬと…」こうして寧千易は愛する昭蕓の腕の中で息絶えた。容楽は悲しい結末に涙していたが、急に立ちくらみを起こして気を失ってしまう。容楽は鎮北王府の一室に運ばれた。無憂たちが見守る中、脈診した侍医は疲れがたまっていただけだと安心させ、実は懐妊していると告げる。喜びに沸く無憂、冷炎(レイエン)、蕭煞(ショウサツ)、しかし傅筹(フチュウ)は居たたまれなくなり、そっと出て行ってしまう。(TㅅT)傅筹…哀れ過ぎる…傅筹は裏山の崖に独りたたずみ、林申の言葉を思い出していた。『ここまで来たらあとには引けぬ、これまで通りの道を進むしかない』確かに林申の言葉にも一理ある、しかし…。『阿筹…』その時、傅筹は雲(ウン)貴妃の声を聞いた。すると雲貴妃が自分を見つけ、優しく微笑む幻覚を見る。しかしその先にいたのは双子の兄弟である無憂だった。2人はしばらく黙ったまま立っていたが、やがて傅筹が先に引き返して行く。無憂はあえて何も声をかけなかったが、傅筹は振り返らずに言った。「父皇はまだ生きている…」一方、容斉(ヨウセイ)は無憂が留守の間に容楽を迎えに行った。蕭煞は公主がまだ昏睡中だと断って剣を構えたが、容斉はその剣をつかんで手のひらを斬ってしまう。「陛下?!」驚愕している蕭煞を横目に容斉は容楽の枕元に腰掛けると、なぜか自分の血を容楽に飲ませた。「蕭煞、なぜそなたのもとへ蕭可(ショウカ)を送ったと思う? …蕭可がおらねば、そなたは朕に背いた だが今では兄妹で容楽に尽くしてくれる、朕の望みどおりになった 容楽?あの者のために自分を傷つけるとは…そなたはもう人妻であり母親なのだぞ? 自分の身体をいたわらねばならぬ、分かったか? すべてが丸く収まり安心した、私との過去を忘れたのなら…永遠に思い出さぬよう願う」そこへ運悪く無憂が戻ってきた。容斉は無憂に容楽を西啓(サイケイ)に連れて帰ると言ったが、その時、ついに容楽が目を覚ます。「無憂…」無憂は漫夭(マンヨウ)の身体を起こしてやると、実は自分たちが親になると教えた。「お腹を刺して大丈夫だったかしら?」「侍医は無事だと言っていた」幸せに包まれる2人、容斉はそれ以上、何も言えなくなり、唇を噛みしめながら出て行った。( ๑≧ꇴ≦)ホァンション!容楽の口元をそっと拭いちゃう皇兄のさり気ない優しさがツボw容斉は容楽を連れて帰るのをあきらめ、西啓への帰路についた。一方、洛顔はようやく容楽に自分の出自を明かし、今度は真の友となる。そこで山河志を返し、懐が深く、思いやりのある漫夭なら人々を苦しみから救い、平等な世の中を作れるはずだと期待した。「洛顔、今後はどうするの?」「各国を旅するわ、これを機に夢を叶えられる」宸帝は黎王を皇宮に招いた。すると3つの馬の置物が飾られている。「宸国の良馬を表す置物がこの中に1つだけある 黎王が正しい置物を選べたら1000頭の馬を青州に持ち帰っても良い」そこで無憂はもし自分が正しい置物を選んで理由も説明できたら、願いを1つ叶えて欲しいと頼んだ。「よかろう」無憂は感謝すると、迷わず土偶の馬を選んだ。「宸国は前朝の乱を経て馬上から再起し、馬を人間の如く重んじている 決して金銀財宝で量れるものではなく、かと言って腐りやすい草木にも例えられません 兵馬の情熱がしみ込む故郷の土で形作られた馬こそ、宸国の良馬の象徴です」宸帝は黎王の洞察力に感心し、喜んで馬を譲った。そして宸国と北臨は永遠に同盟国だと伝え、この先100年は絶対に戦をしないと約束する。「で黎王の願いとは昭蕓公主の赦免では?」「さすがは陛下、お察しがいい」実は宸帝はすでに手配済みだと話し、首謀者である寧千易以外は無罪放免としたという。傅筹は中山(チュウザン)へ帰ることにした。わだかまりが解けた容楽は見送りに出たが、傅筹が伝えておきたいことがあるという。「沈魚が秦永(シンエイ)のことを話していたが、痕香(コンコウ)は秦永の娘だ、本名は秦湘(シンショウ)という」驚いた容楽は22話で秦家の密室で出くわした曲者が痕香だと気づいた。「痕香は姉妹がいることを知ってる?」「それはどうだか…」すると常堅(ジョウケン)が馬車の準備ができたと知らせに来た。「じゃ…達者でな、もう行くよ」傅筹は馬車に向かって歩き出したが、その時、容楽が声をかけた。「あなたも…無事でね」それは傅筹が初めて聞いた容楽の真心からの言葉だった。(꒦ິ⌑꒦ີ)不憫すぎる…傅筹…昭蕓は荷物をまとめて王府を出た。すると鎮北王府の扁額が外され、目の前で門が固く閉じられる。こうして昭蕓は寧千易と暮らした王府を去り、無憂たちと一緒に青州へ向かった。青州では朝臣が総出で黎王と黎王妃を思臨(シリン)門で迎えた。そこで計画を知っていた范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)が王妃の帰還を歓迎すると布告する。「王妃は良馬を調達中、卑怯者の罠に陥り、濡れ衣を着せられたが、 無事に良馬を持ち帰り大任を果たした、本日ようやく公表するに至った」無憂は容楽の手を引いて馬車から降りた。すると、突然、容楽を抱きかかえて歩き始める。驚いた容楽は顔を真っ赤にして恥ずかしがったが、無憂は気兼ねなく王妃への深い愛情を皆に示した。西啓に戻った容斉は皇太后を訪ねた。しかし侍女たちは皇太后なら療養のために1年前から山へ行ったと伝える。自分が出かけていた間に1度も戻っていないと聞いた容斉は侍女たちを下げてひとりになった。そこでかつて母の部屋で見たことがある″雪孤医典(セッコイテン)″を探したが…。「一足、遅かった、すべて計算済みか、いつになったら容楽と私を解放するつもりだ」からくり箱の中は空だった。つづく(  ̄꒳ ̄)いや〜皇兄の何とも言えない表情がねえ〜皇兄のためにここまで頑張ってきました!(←何か間違ってるwそれにしても皇兄、皇太后が1年も留守だって知らなかったの?え?
2020.08.25
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白发 Princess Silver第51話「悲しき因縁」宸(シン)国で愛しい容楽(ヨウラク)と再会を果たしたものの、言葉を交わす機会ももらえなかった傅筹(フチュウ)。するとその夜、中庭で偶然、曲者を見かけた。後を追ってみると、曲者が″擎天(ケイテン)閣″から飛び出して来る。傅筹は男が逃げ去ってから寝殿に駆けつけてみたが、入り口にはなぜか火薬がこぼれていた。一方、洛顔(ラクガン)@沈魚(チンギョ)と別れて部屋に戻った容楽は再び酔ったふりをして泠月(レイゲツ)を待った。すると泠月が昭蕓(ショウウン)から届いた酔い覚ましを持ってくる。容楽は器を受け取ると、気分が悪いので香炉を遠ざけるよう頼み、泠月が背を向けている間に薬湯を植木に捨てた。容楽は酔い覚ましを飲んだと見せかけ、急に倒れた。すると泠月が鎮北(チンホク)王の配下を招き入れ、主から擎天閣へ運べと命じられていると告げる。そこで泠月は公主を抱き起そうとしたが、配下がいきなり泠月の首を締めた。危ないところだったが蕭煞(ショウサツ)が駆けつけ、背後から配下を刺し殺して助けてくれる。「蕭煞~!とても怖かった~死ぬかと思った!助けてくれてありがとう~…」泠月は泣きながら思わず抱きついたが、蕭煞の冷たい視線が突き刺さった。その時、意識を失ったはずの容楽がむっくり起き上がる。泠月は容楽が酔い覚ましを飲んでいなかったと気づいた。いや、最初から酔ってなどいなかったのだろう。泠月は南境にいた時から公主が自分を警戒していたと知った。孫雅璃(ソンアリ)に近づいて公主と離間させたことも、春泥(シュンデイ)を殺して間男で公主を陥れ、寝台の下に偽の証拠を残したことも、公主をかばうふりをしながら雅璃を殺して罪をかぶせたことも全てばれている。すると蕭煞が今までにも蓮心(レンシン)を陥れて追い出し、公主には傅筹に従うよう勧めたと指摘した。「もっと早く気づくべきだったよ…お前の主とは誰のことだ? 寧千易(ネイセンイ)と結託し、何を企んでいる?!白状しろ!」愛する蕭煞から剣を突きつけられ、泠月は呆然となった。「私をだましたの?そして殺すと? …蕭煞?私たちは主から遣わされた公主の監視役よ?公主への忠義はない」しかし蕭煞はたとえ公主を主と見なさなくても、恩義に感謝すべきだと責めた。「情愛は最高の武器だと師父に教えられたわ、公主も同じ考えよ? 宗政無憂(ソウセイムユウ)と傅筹のせいで自分を見失っただけ…」容楽は泠月の言葉に首をかしげたが、ともかく泠月にはいかに情が貴重なのか分からないのだろう。泠月はあの時、林申から薬を受け取り、公主を気絶させて擎天閣へ運べと命じられた。『成功したら蕭煞を見逃してくれますか?』『私に交換条件を出すのか?…もう1つの身分を忘れるな、青狐(セイコ)?』林申はそう言って泠月の頰を軽く叩いた。泠月は脅しても白状しないと頑なだった。「蕭煞、あなたに私は殺せない、だってそうでしょう?私を娶りたいと言ってた 公主を気絶させ、擎天閣に運べば任務は完了よ?…あなたに嫁ぐわ!」深く失望した蕭煞は最後に泠月の頬に優しく触れ、ひと思いに刺した。すると絶命した泠月の袂から蕭煞にもらった小さな薬瓶が転がり落ちる。少なくとも蕭煞への情は本物だったと知る容楽、その時、部屋の中に暗器が投げ込まれた。蕭煞は咄嗟に表に飛び出したが、今度は寝殿の中から物音がする。慌てて部屋に戻ってみると、すでに公主の姿は消えていた。一方、容楽を守るため配下を行かせた寧千易だったが、現れたのは厲武(レイブ)ひとりだった。「殿下!容楽公主が消えました!」いくら待っても配下が戻らないので部屋へ行ったところ、泠月と自分の配下が殺され、公主の姿はなかったという。そこで寧千易は宗政無憂と傅筹を探るよう命じ、自分は容斉(ヨウセイ)を訪ねることにした。容斉はすでに休んでいた。寧千易は侍医を連れて来たと口実をつけて乗り込み、脈診させるよう要求する。驚いた小荀子(ショウジュンシ)は必死に止めたが、寧千易は強引に寝台の帳を開けた。すると容斉は確かに青白い顔で、普通の病ではないと分かる。容斉は仕方なく素直に脈診させたが、侍医は複雑な脈象なので薬をむやみに処方できないと断った。そこで寧千易はゆっくり休むよう伝えて寝所を出ると、侍医から密かに病状を聞く。侍医の診断では西啓帝は薬で命をつないでいる状態、もう長くないという。↓( *`ω´)ちょっと、うちの皇兄を起こすなんて100万年早いのよ💢蕭煞は黎(レイ)王を頼った。漫夭(マンヨウ)が消えたと聞いた無憂は、冷炎(レイエン)に容斉の居所を探れと命じる。その時、傅筹から文が届いた。…容楽に会いたければ擎天閣で決闘を…一方、傅筹は常堅(ジョウケン)から火薬を埋めた男が黎王の部屋に行ったと聞いた。乾林(ケンリン)苑の侍衛の話では酩酊した容楽が擎天閣で黎王を問い詰める気だという。無憂と傅筹は容楽を助けるため擎天閣へ急いだ。2人は偶然にも同時に門に到着、その時、中から大きな音がする。驚いた無憂と傅筹はともかく中に入ってみたが、酒を飲んでいた容楽が梁の下敷きになっていた。その瞬間、激しい爆発が起こり、無憂と傅筹は外へ吹き飛ばされてしまう。林申は計画が上手く行ったことを見届けると、容斉に謁見した。容斉は擎天閣の爆破が林申の仕業だと気づき、傅筹に皇位を奪わせるため容楽を利用し、兄弟を争わせただけで十分なはずだと追及する。しかし林申は主が宗政家を根絶やしにしなければ恨みが晴れないと言っていると教えた。「宗政無憂は必ず傅筹が殺さねばなりません 宗政無憂と傅筹が死に、私が寧千易の罪を公にすれば、宸国には子供の皇帝しか残りません そうなれば陛下は天下を取ったも同然です」「…実際にそうなった時、朕は死んでいるのだろう?」「とんでもない、すべて陛下のためです 陛下が長年、苦しまれたのは宗政允赫(ソウセイインカク)のせいです 陛下に代わり、私が敵を討ちます(๑•̀ㅂ•́)و✧」「…朕は傅筹ではない、恨みを植えつければ惑わされるとでも?」「まさか!陛下は傅筹とは違う、幼い頃から聡明でおられた 傅筹など未だに実母が誰かも知りません、もしも実母が雲(ウン)貴妃だと知れば驚くでしょう 宗政無憂とは双子の兄弟だと分かり、恨みが完全に消えれば、どんな顔をするか…ふっ」( ๑≧ꇴ≦)<ふぅたぁごぉぁぇええええ~っ!!!中庭まで吹き飛ばされた無憂と傅筹だったが、運良く2人は軽傷で済んだ。しかし庭に散乱する残骸の中から、無憂は血だらけの玉符を見つける。その玉符は侍女が容楽から盗み取ったものだったが、無憂が知るはずもない。2人は林申の策にまんまと騙され、容楽が死んだと思い込んだ。林申は無憂と傅筹の決闘を高楼から嬉しそうに眺めていた。やがて無憂は腕を切りつけられながらも反撃、傅筹を突き刺してしまう。冷炎と蕭煞、そして常堅は咄嗟に駆け寄ろうとしたが、2人は加勢を拒んだ。ついに傅筹にとどめを刺すべく剣を振り上げた無憂、その時、容楽が現れる。「やめてっ!」容楽は生きていた。無憂と傅筹は唖然としていたが、誰よりも驚いていたのは林申だろう。無憂は一目散に漫夭のもとへ駆け寄ると、2人の姿を見た傅筹はようやく気づいた。「私はバカだ…どうしようもない、お前たちが決裂したと本気で信じていた…くっくっく… 宗政無憂、母親の敵を討ちたいのだろう?…やれよ、私はここにいる」しかし容楽が無憂を制止し、思わぬ真実を伝えた。「殺し合うのはやめて!双子の兄弟なのよ?!」林申は咄嗟に暗器を投げて容楽の口を封じようとしたが、瞬時に反応した無憂が暗器を払い避け、容楽を守った。↓ふぅたぁごぉぁぇええええ~っ!!!(大事なことなので2回w)林申が中庭に飛び降りて来た。傅筹は消息不明だった林申の登場に驚き、なぜここにいるのか分からない。すると林申は若門主のため宸国へ来たと話し、何としてでも宿敵の宗政無憂を討てとそそのかした。しかし容楽が林申と寧千易は共謀していると暴き、兄弟に殺し合いをさせるつもりだと訴える。「傅筹!無憂は宿敵じゃない!あなたの母は符鴛(フエン)ではなく雲貴妃なのよ! この耳で聞いたの、嘘ではないわ…」実は林申が容斉と話していた時、容楽は奥の部屋で2人の話を聞いていた。「林申、あなたと符鴛は産婆を抱き込み、生まれたばかりの傅筹を死んだ赤子とすり替えた 傅筹を復讐の手駒として育て、皇位を奪わせたあげく、自らの手で兄弟を殺させる… その後、事実を打ち明け、傅筹を苦しめれば目的は達成よ」無憂は母が産んだのは双子だったと教えた。実は雲貴妃は出産の疲れで意識を失う前、双子の腕に龍の痣があるのを見たという。結局、無憂の兄弟はすぐ亡くなったが、腕に痣がなかったため、雲貴妃はどこかで生きていると信じていた。「父は至る所を捜索させたが子供を見つけられず、符鴛の仕業だと確信した それで符鴛を森閻(シンエン)宮で監禁し、拷問に…」「だが私の腕に龍の痣はないっ!」傅筹は思わず叫んだが、その時、ふと思い出した。そこで自分の袖をまくり上げると、確かに龍の形のような傷跡ならある。無憂も腕の龍の痣を示すと、驚いたことに傅筹の傷跡と同じ形をしていた。「お前が削ったのか?」「そうだ、私が削り取った」もはや取り繕えなくなった林申は素直に認めた。しかし5年間の逃避行、戦場で10年も味わった痛み、全ては復讐のためだったはずだと食い下がる。もしこの恨みが偽りなら、今まで払った代償はどうなるのか。「この女はお前を少しも愛していない、宗政無憂にはこんな残酷なことは言わぬ 若門主、ここまで来たらあとには引けぬ、これまで通りの道を進むしかない」すっかり混乱し、呆然と立ちすくむ傅筹、その時、突然、鎮北王の私兵が総攻撃をかけてきた。一方、洛顔は鎮北王の暗躍を阻止するため、密室にやって来た。そこで盟書を探したが、箱の中には山河志しかない。仕方なく山河志だけ取り出して密室を出ると、書斎に昭蕓がいた。「あなたは…」謎の女を探っていた昭蕓、その正体がまさか沈魚だったとは…。驚いた昭蕓は隠し扉の奥に部屋があると知り、寧千易との仲を怪しんだ。洛顔は鎮北王と妙な関係ではないと釈明し、自分の身分を教える。「私は宸国の出身よ、内乱が起きた時、父は権力者に逆らい殺された 母は私を連れて逃げたけど、私を守るため戦に巻き込まれて死んだわ 私は殿下に助けられ、北臨での任務を命じられた…黎王を脅して山河志を奪えとね」昭蕓は到底、信じられなかったが、洛顔はさらに恐ろしい計画を話した。「殿下は天仇門(テンキュウモン)と共謀して容楽を殺し、傅筹と黎王を決闘させるつもりよ あなたがここで見た男は天仇門の門主、あの時、私は密室にいて何もかも聞いたの 密室のどこかに盟書を隠しているはず、殿下は今夜、行動を起こすわ」洛顔は黎王を救う方法は盟書を探し出すことだと迫った。 計画が狂い始めた寧千易は乾林苑に兵士を動員、黎王や摂政王たちを攻撃した。林申は素早く逃げ出したが、容斉が加勢し、3人で容楽を守る。その頃、昭蕓と洛顔は昭蕓の寝宮で盟書を探していた。なかなか見つからない盟書、その時、昭蕓はうっかり寧千易から贈られた子供の衣にお香を落としてしまう。昭蕓は慌てて水をかけたが、濡れた薄絹から文字が透けて見えた。実は寧千易は盟書を子供の衣の中に隠し、昭蕓の部屋に隠していたらしい。それは第50話で奇しくも容楽が手にして広げたあの衣だった。乾林苑に寧千易がやって来た。「そろそろ力が尽きたであろう、これ以上、抵抗するのはよせ、私も手間が省ける」寧千易が本性を現した。本人はしらばくれていたが、容楽から林申と共謀していると追及されてしまう。「偽物の修羅七煞(シュラシチサツ)から助けるという名目で私を宸国へおびき寄せたわ 無憂と傅筹にはなだめるふりをして争わせるよう仕向けたのね」早くから泠月を警戒していた容楽は酔い覚ましを飲まなかったと教えた。そのおかげで泠月と鎮北王の配下の話を聞き、その後、皇兄の部屋で双子の真相を知ったという。「陰謀が暴かれたから私たちを皆殺しにするの?」「…思った通りだ、やはり容楽は陛下の部屋にいたのか」「朕まで鎮北王の罠にかかり、望外の喜びであろう?」しかし寧千易は林申を裏切り、容楽を助けていた。実は爆発で亡くなったのは容楽によく似た身代わりだったという。「友だちだと思うから配慮したのだぞ?」そこへ洛顔が現れた。「嘘よ、″容楽は秦家の生存者で山河志の秘密を知る″…私がそう教えたからなの」「洛顔…騙したのか?!」すると昭蕓まで駆けつけ、寧千易を無視して容楽の元へ向かった。寧千易は昭蕓に話した洛顔に激怒したが、昭蕓は自分が突き止めたのだという。「昭蕓、こっちに来い!」「無憂哥哥も公主姐姐も私の大切な人よ?!私とお腹の子のことを思うなら諦めて!」容楽と無憂は昭蕓を心配し、関わらないよう告げた。しかし昭蕓は大切な2人を守るため、引き下がらない。「山河志も政権もあきらめて、私と静かに暮らしましょう…お願い」つづく(  ̄꒳ ̄)まさかの昼ドラ展開!そしてここにきて納得する配役w無憂が生きていた容楽の元に走っていく姿がまんまドリフだった(笑
2020.08.24
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白发 Princess Silver第50話「大芝居」山河志(サンガシ)を奪って消えた沈魚(チンギョ)は鎮北(チンホク)王・寧千易(ネイセンイ)の間者・洛顔(ラクガン)だった。かつて内乱で鎮北王に救われた洛顔はそのまま王府に引き取られ、武芸を教え込まれる。そして2人はこの世から戦をなくすと言う大志を持ち、そのために洛顔は北臨(ホクリン)に潜入して山河志を手に入れた。しかし山河志で天下統一を目指すはずが奥義が解読できず、寧千易の目的は行き詰まってしまう。鎮北王と林申(リンシン)の密談を聞いた洛顔は、かつて容楽(ヨウラク)を裏切った後ろめたさから、友人を傷つけるべきではないと諫言した。すると寧千易は大義のためには小義を捨てねばならないという。洛顔は王妃の心情を考えるよう諌めたが、寧千易は洛顔が言わなければ済むと言った。「漏らせば我らの関係は…それまでだぞ?」寧千易は山河志と結盟書が入った箱をからくり棚に戻すことにしたが、洛顔がある秘密を打ち明けた。「今まで黙っていましたが、容楽は山河志の秘密を知る秦(シン)家の生存者です、生かしておかねば」黎(レイ)王夫妻の決裂は世を欺くための策だった。宗政無憂(ソウセイムユウ)は密かに鎮北王府に潜入して容楽と接触、実は客桟に現れたおとりは無憂が用意したという。ただし国境付近で容楽たちを襲った修羅七煞(シュラシチサツ)は成り済ましで、無隠楼(ムインロウ)に調べさせていた。容楽は無憂への文に泠月(レイゲツ)を疑っていると書いていた。泠月が孫雅璃(ソンアリ)に近づくのを妙だと思っていたが確証がなかった容楽、しかし詮議の時に自分をかばうと見せかけ、実は窮地に追い込んだ泠月を見て確信する。実は無憂もすでに間男の件を調査していた。予想通り例の男を王府に入れたのは泠月で、前夜の夜に春泥(シュンデイ)を殺し、変装した男を招き入れたという。まさか泠月が自分を陥れるために雅璃と春泥を殺すとは…。容楽は泠月の裏切りに愕然となった。恐らく西啓(サイケイ)から付き添った侍女なら当初から何らかの意図を持って身辺に配されたはず、無憂は泠月の漫夭(マンヨウ)への忠義は見せかけだったと警戒する。「漫夭、情に流されてはならぬぞ」その頃、蕭煞(ショウサツ)は回廊で泠月を待ち伏せしていた。すると公主の薬を準備した泠月が現れる。そこで蕭煞は泠月が疲れているだろうと気遣い、自分が薬を届けると言って受け取った。泠月はありがたく頼んで部屋に帰ることにしたが、物陰から外套を目深にかぶった男が現れる。それは林申だった。誰かが容楽の部屋の戸を叩いた。無憂は咄嗟に隠れたが、蕭煞だと分かって姿を見せる。すると蕭煞は容楽に薬湯を渡し、すぐに出て行った。容楽はこの宸(シン)国で泠月の後ろにいる人間の思惑を見届けるつもりだと話した。「でも怪しい人物は泠月だけじゃない、実は王府で見覚えのある人影を見たの」「沈魚か?」無憂は寧千易が盟約に来た中山(チュウザン)で何度も攏月(ロウゲツ)楼を訪れているのを訝しんでいた。沈魚が寧千易が去った途端に山河志を出せと脅してきたことから、偶然とは思えなかったという。そこで無隠楼に行方を探させたところ、宸国の辺境で沈魚の足取りが途絶えていた。容楽の目的はもう1つ、この機会に軍馬を調達することだった。ただ昭蕓(ショウウン)のことが気がかりだという。寧千易に情を抱き、子供もできた今、本当に寧千易が沈魚の黒幕だとしたらどうするべきか。無憂はともかく真相を調べると伝え、まだ幼いという宸帝と接触してみることにした。宸帝探しを任されていた冷炎(レイエン)は、無憂を連れて街に出た。「ここで待てば現れるはずです」無憂が2階から大街を見下ろしていると、衛兵に追いかけられる幼帝の姿が見える。まだ10歳らしく無邪気に追いかけっこを楽しむ宸帝、その時、疾走する馬車が現れた。無憂は咄嗟に飛び降りて宸帝を抱き、屋根に飛び上がる。馬車は危ないところで停止、実はその馬車は西啓帝・容斉(ヨウセイ)の馬車だった。無憂に捕まった宸帝は放せと騒ぎ出した。しかしそれが演技だと気づいた無憂は、真面目な話をしたいと持ちかける。宸帝は見透かされていると知り、仕方なく応じた。「いいとも、黎(レイ)王」「なぜ私を?」「座ろう…この数日、朕の後を付けさせていただろう? 朕は貴殿の身分ばかりか、北臨の事情も知っている、貴殿と摂政王が宸国に来た理由もだ 西啓の容楽公主のためと軍馬の調達のためだ…そうであろう?」宸帝が幼少ゆえ政などわからぬという噂はどうやら偽りらしい。そんな幼帝に不満を募らせていたのが寧千易だった。寧千易は宸帝が大街で西啓帝の馬車にひかれそうになったと知り、容斉が容楽のためだけに宸国へ来たのではないと気づく。「もしそうなら何が目的なのだ?」ともかく厲武(レイブ)に容斉と傅筹(フチュウ)を見張るよう命じ、さらに林申から宗政無憂が南境を離れたと聞いたことから、人を配すよう指示した。容楽が昭蕓と過ごしていると、寧千易が子供のために用意した衣を見せに来た。昭蕓は嬉しそうに眺めていたが、容楽がふと大きな衣に気がつく。「3歳くらいの衣まで?ふふっ、昭蕓よりせっかちね」寧千易は容楽が衣を広げるのを見て内心、焦っていたが、それとなく衣を取り返して昭蕓の棚にしまうよう侍女に命じた。そこで明日の午の刻、乾林(ケンリン)苑で摂政王と西啓帝をもてなすため、容楽も同席しないかと誘う。実は2人が軍馬を買うためにやって来たが、今年は馬が少ないため一方にしか売れなかった。容楽なら自分より2人を知っているため、どちらに売るべきか助言して欲しいという。すると容楽はこうして助けてもらった恩返しに力を貸すと約束した。翌日、容斉は菓子を準備して容楽が来るのを待っていた。しかし密偵から急報を聞いて宴を断ることにする。「擎天(ケイテン)閣内外で林申の動きがあれば、すぐ報告を…」容斉は容楽に会いたい気持ちより、無事に連れ帰ることを優先した。傅筹は容楽との再会に心躍らせた。しかし容楽は挨拶もせずに席についてしまう。そこへ小荀子(ショウジュンシ)が現れ、西啓帝が持病のため気分が悪く出られないと伝えた。「…公主、陛下が公主のことを気遣っておいででした それでは失礼します」傅筹は西啓帝が何か企んでいると疑ったが、寧千易は宸国で勝手はさせないと安心させた。宴は結局、3人で始まった。容楽は病み上がりながら銘酒を手にしたが、傅筹が傷に触ると取り上げてしまう。「本当に奴と仲違いしたのか?」「黎王の真心は本物だと思っていたが…こんな仕打ちをするとは」寧千易は自分たちがついていると励ましたが、容楽は黎王の話はしたくないと言って別の銘酒を飲み始めた。しかし寧千易は黎王が運命の相手ではなかったのなら、傅筹の気持ちを受け入れてはどうかと勧める。その時、予想外に宗政無憂が現れた。「いつの間に鎮北王は仲人になったのだ?」無憂と傅筹は顔を合わせるなり一触即発となった。寧千易は傅筹が軍馬を買いに来ただけだとなだめ、今にも剣を抜きそうな黎王を座らせる。しかし無憂は敵に軍馬を売るつもりかと鎮北王に噛み付いた。傅筹は南境の足下を見て、北境なら言い値で買うと持ち掛け、無憂を牽制する。すると無憂は南境なら養民変法(ヨウミンヘンホウ)で富と平和を実現したが、戦乱に明け暮れる北境の国庫は空だろうと揶揄した。そこで寧千易は容楽に声をかけ、代わりにどちらに軍馬を売るか決めて欲しいと声をかける。ひとり蚊帳の外で酒をあおっていた容楽はすでに酔いが回っていた。「本当に私の決定に従うつもり?…じゃあ~選ばないわ」容楽は1000頭の軍馬を自分が買うと決め、2人には売りたくないと訴えた。「私は西啓に見捨てられた公主で~北臨の衛国大将軍にも捨てられた、今や南境では罪人の身よ~ これまでの人生で何度も男に捨てられて来た~もうたくさん!自分の勢力が欲しい!」その時、容楽は寧千易からもらった玉符を差し出した。「この玉符を使って軍馬の取引は私が頂くわ」「だが…黎王も同じ玉符を持っている、黎王から同様の要求を受けたら約束を果たせぬ」「ならば私は手を引こう」無憂は何の力もない女子が軍隊など作れるものかと言い放った。仕方なく傅筹も手を引くと決め、容楽が買う軍馬の代金は自分が支払うという。「余計なお世話よ!私が北臨に嫁いだ時の嫁入り支度で十分に払えるわ!全部、返してちょうだい! これで完全に縁も切れるわね~寧千易!話は決まったわ、忘れないでね?」寧千易は容楽を部屋に送るよう命じ、そのまま宴はお開きとなった。容楽は寝殿に向かう道すがら、侍女とぶつかった。その時、侍女はこっそり容楽から玉符を盗む。酔ったふりをしていた容楽は気づいていたが、そのまま寝殿へ向かった。やがて誰もいなくなると普通に歩き出す容楽、すると突然、容斉に物陰へ連れ込まれてしまう。「完全な解毒法を見つけた、一緒に西啓に戻ろう」「これまででは飽き足らず、また騙すつもり?」「騙してはおらぬ、3つの約束は果たしたぞ?」「あんな形で果たされてもかえって迷惑よ!」それでも容斉は自分を信じて欲しいと懸命に訴えるが、容楽もさすがに懲りたという。「もう騙されない、離して!」その時、覆面をした男が現れ、容楽を救い出した。覆面の男は男装した沈魚だった。容楽はすでに鎮北王府で沈魚を見たと教え、山河志を奪わせたのは寧千易だろうと指摘する。すると沈魚は何も聞かずに黎王と宸国を出るよう頼んだ。しかしかえって容楽は陰謀があると気づき、沈魚こそ寧千易から離れるべきだと助言する。「宸国の権力を掌握し、幼い皇帝を監視する善良な為政者ではないわ? 山河志を手にした以上、何をするか分からない」ちょうどその頃、昭蕓が酔い覚ましの差し入れを持って乾林苑にやって来た。その時、以前、書斎に入って行った男装の女が乾林苑から出て行くのを見かける。昭蕓はその女が一体、何者なのかいぶかしむが…。その夜、寝付けない傅筹は中庭を散策しながら、再会した容楽の姿を思い浮かべていた。すると暗闇の中を走り去る曲者を見かける。後を追ってみると、覆面に黒装束の男が擎天(ケイテン)閣から飛び出して来た。傅筹は男が逃げ去ってから駆けつけてみると、擎天閣の前に火薬がこぼれている。つづく( ˘ω˘ )傅筹…もうやめとけって
2020.08.23
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大明风华 Ming Dynasty第30話「覚悟の選択」永楽帝は伏兵などいないと判断し、朱瞻基(シュセンキ)や于謙(ウケン)の反対を押し切って大砲隊の移動を敢行した。しかし運悪く撤退しようとしていたエセンの部隊が大砲隊の移動を聞きつけ、守りが緩くなった明軍の本営を攻めようと引き返してしまう。やがてオイラト奇襲の知らせが本営に届いた。樊忠(ハンチュウ)将軍は皇太孫に皇帝と逃げるよう伝え、自分の部隊を連れて応戦に向かう。敵は目前、それでも永楽帝は敵前逃亡などできないと梃子でも動こうとしなかった。朱瞻基は止むを得ず配下と2人で祖父の両腕をつかむと、なかば強引に本営から連れ出してしまう。朱瞻基は祖父を山の洞窟へ避難させた。大砲隊は敵軍に撃破され全滅、統率していたのは永楽帝が最も恐れていたエセンだったという。そこで永楽帝は于謙を呼び、マフムードの次の一手は何か聞いた。「山の入り口を死守します、エセンの追撃も続くでしょう 大砲隊は失われ、左右両軍と中央軍は分散してしまった…我が軍は引くに引けない状況です」「中央軍と左右軍をひとつに…」「皇上!深みにはまるだけです!敵に包囲されれば補給を失う!一巻の終わりです」于謙は苛立ちを隠せず、つい声を荒げて諌めた。( ˘ω˘ )分かる分かるわ〜于謙の怒りが〜(←誰?w樊忠が無事に合流した。戦況が気になる永楽帝は急いで表に出たが、中央軍の生存者は1万程度しかいないと知る。漢(カン)王や趙(チョウ)王が率いる三千営は三峡を攻め落とせず、タタールと争ううちに大砲隊が全滅、陣営は50里、後退していた。樊忠は本営に三千営の配備をと進言したが、永楽帝は包囲される危険性があり、左右両軍を呼び戻す時間もないと反対する。「兵を集め、態勢を立て直せ、まだ勝つ機会はある、本営は退かぬ 三千営に告げよ、一歩も引かず全力で戦えと…」誰もが撤退を確信する中、皇帝の無謀な命令を聞いた樊忠は唖然となった。|ω・`)樊将軍が不憫だわ…ハンサムなのに(←関係ないw永楽帝たちは本営に戻った。皇帝の幕舎からは奏状が数冊、地図や模型、兵士の名簿などが盗まれていたが、金目のものは残っている。さすがエセン、戦略に役立つ物だけを奪って行くとは…。永楽帝が幕舎に落ち着くと、朱瞻基は于謙に見解を聞いに行った。今日の敵前逃亡で誰もが落胆する中、少し挽回できれば撤退を提言しやすいという。しかし于謙は鼻で笑った。「今日はまだ良い方です、エセンの攻め方は未熟でした マフムードなら今頃、私たちは捕虜になっていた 皇上が退避する時、大明軍の態勢は乱れ、軍旗も持ち去れなかった 一方、エセンは余裕でした、我らを捕まえようと本営に乱入、軍旗を奪い、三千営まで攻撃した 我が軍は打ちのめされ、収拾がつきません」何より于謙が恐れたのは次に来るマフムードの襲撃だった。「奴は仕損じません、今の状況で大明軍の撤退は難しい マフムードの攻撃を受ければ山海関(サンカイカン)へ逃げ延びることも困難… 大砲隊を台なしにされ、本営と左右軍は切り離されたのです 私がマフムードなら数日中に全面攻撃に出る 勝算を考える時ではありません…勝機はとうに逸した…命を守ることが最優先です! 今すぐ皇上を帰途に、残った軍隊で応戦させれば軍の基盤は保てる さもなくば…60万の大軍は消えます、皇上が戦死でもすれば取り返しがつきません」一方、宮中では床に伏せった皇太子に代わり、皇太孫嬪・孫若微(ソンジャクビ)が政務を取り仕切ることになった。皇太子の側近である楊士奇(ヨウシキ)・楊栄(ヨウエイ)・楊溥(ヨウフ)は困惑し、寝たきりの皇太子がどうやって奏状の返事をするのか訝しむ。若微は自分が奏状を見て要約を口頭で伝え、皇太子は身振り手振りで意思表示をしていると説明した。「署名は私が模倣を…」「それは将来、問題になるやも…」3人の重臣は規則に反すると難色を示したが、若微はこの国難の時に模倣が駄目なら3人が六部の官吏を連れて皇帝のいる草原へ行くしかないという。まだ若い皇太孫嬪にやり込められた3人はおとなしく席に着くと、早速、若微は奏状の裁定を伝えた。「太子爺は兵站(ヘイタン)を楡木川(ユボクセン)に置きたいと…蒙古語でウジムチン 輜重(シチョウ)営から最も近く、見晴らしのいい高地で往来時に敵を監視できます 騎兵も動きやすく、攻防に有利です…」するとそこで若微は折子を閉じ、話を続けた。「戸部に通知し、直ちに設営を 北方の備倭(ビワ)兵から精鋭を2万ほど選び、楡木川で皇上を向かえるようにと…」この件は楊栄が引き受けた。「太子爺が江浙(コウセツ)で購入した湿布と柴胡(サイコ)散、風寒(フウカン)散が斉化(セイカ)門に到着しました …優先して戦地に運ばせてください、特に風寒散は冬に不可欠です」これは楊士奇が引き受けた。若微は永楽帝に皇太子の病状を伝えたか確認した。楊士奇は皇太子妃の要望で密書を送り、控えもあるので見せるという。しかし若微は密書なら見ないと断り、それにしても皇帝から返事がないのは妙だと言った。すると3人は顔を見合わせ、複雑な表情で黙ってしまう。若微は最後に皇太子と相談して自分の名前で皇太孫に文を書いたと説明し、早馬で届けて欲しいと頼んだ。「慰めは必要ありません、太子爺も太孫を帰さないのは戦が劣勢だからだと… 戦況の報告をいつまで隠すおつもりですか?」楊士奇は仕方なく事実を伝えた。すでに大砲隊が潰され、左右両軍と敵軍はこう着状態、皇太子の身体に障るかと黙っていたという。若微も皇太子にはひとまず茶を濁しておくと伝え、軍報は自分が預かって皇太子の体調が良い時に読んで聞かせると決めた。「私では心もとないでしょうが、どうかご容赦ください」しかし3人は、若微のような賢妻が皇太孫を支えてくれるなら幸いだと喜んだ。そんな中、戦地では幕舎の永楽帝が昏睡していた。朱瞻基は自分が風邪を引いたことにして軍医を呼び、樊忠だけに皇帝の様子がおかしいと教える。「許可なく誰も通すな…」軍医は永楽帝に鍼治療を施した。朱瞻基は早急に軍医の幕舎を近くに移すと決め、祖父の病状を口止めしておく。「爺爺(イエイエ)はどれくらい悪いのだ?率直に申せ」「瀕死の状態です」一方、第2皇子・朱高煦(シュコウク)と第3皇子・朱高燧(シュコウスイ)は雪山で身動きが取れずにいた。そこでひとまず2人は本営に戻り、父の指示を仰ぐことにしたが…。永楽帝はようやく目を覚まし、朱瞻基は安堵した。「医官によると血の巡りが悪く、静養が必要だそうです」しかし動くと激しく胸が痛んで起き上がれず、永楽帝は自らの死期が近いことを悟る。そこで朱瞻基に寝台の下にある書簡を読ませ、実は皇太子が重病だとようやく知らせた。「書簡はずい分前に届いたが…お前を手放せなかった…」朱瞻基はこらえきれず、嗚咽を漏らす。 。゚(∩ω∩`)゚。イエイエ…「イエイエ…もう帰還を…あとは私が引き受けます、北京でしっかり療養してください」すると永楽帝は皇太子が兵を交代させ、山海関を抜ければ朱瞻基に忠実な部隊がいると話した。「太子爺…フッ…頭角を現してきたな、抜け目がない」「爺爺、父上は爺爺に二心など持っておりません、今すぐ帰りましょう 爺爺と父上がいる限り天下は安泰です」「そうとも限らぬ…お前の二叔と三叔はどうするか…私の懐に奏状がある、取り出せ」その奏状は以前、和尚の姚広孝(ヨウコウコウ)が記した大明の国運に関する予言だった。…占星術によれば100年に3度、大変が起きます…辛丑(シンチュウ)の年に一変…飛龍、天に在る時、皇太子が急死し、天下は覆るでしょうこれはまさに″靖難(セイナン)の役″を示唆していた。…庚寅(コウイン)の年に一変…群雄が角逐(カクチク)し、天地は血に染まる、兄弟も宮廷にて血みどろに争います…甲午(コウゴ)の年に一変…白竜魚服(ハクリョウギョフク)して9年…昇り詰めた龍は地に落ち、返り血を浴び、報復の殺戮が繰り広げられます永楽帝はこの予言書を朱瞻基に託し、かつての誓いを忘れないよう釘を刺した。「お前の手を身内の血で染めてはならぬ…」しかしそれ以外のことは運に任せるしかないと話し、その奏状を子孫に引き継ぐよう頼む。そこへ朱高煦と朱高燧がやって来た。朱瞻基は慌てて涙を拭いたが、背を向けたまま拝礼することもできない。父が横になっている姿を見た朱高煦と朱高燧は困惑し、外で待った方が良いか聞いた。すると永楽帝は何事もなかったかのように身体を起こし、あと10日でオイラトを攻略できなければ楡木川まで撤退するという。「太子爺がこれ以上、金は出せぬと申しておる…おとなしく帰ろう」永楽帝は立ち上がって息子の元まで歩き、2人の肩に手を回した。「…良い天気だ、共に馬で駆けよう」驚いた朱瞻基だったが、叔父たちの手前、何も言わずに拝命した。永楽帝は無理を承知で雪山を馬で駆けた。息子と孫と高台に並び、眼下には美しい雲海が広がる。すると朱高煦はあれが狼居胥(ロウキョショ)山だと教えた。「現地ではハイルハンと呼ばれ、霍去病(カクキョヘイ)ゆかりの山です!」「ならばそれ以外の山は?」「遠すぎて行ったことがありません…」永楽帝は思わず、短い人生ではかくも広大な地を見る暇もないと漏らした。こうして永楽22年、朱棣(シュテイ)は第5次北伐の終結を宣布し、楡木川にて病に倒れてしまう。楊士奇は楡木川へ駆けつけた。永楽帝の目が覚めるのを待つ間、朱瞻基は父の病状が落ち着いていると聞いて安堵する。ほぼ寝たきりの状態だが、安静にしていれば2年は生き長らえるとか。楊士奇はともかく皇帝を早く北京で養生させる必要があると訴えた。しかし永楽帝が頑に拒んでいる。すると楊士奇は自分と一緒に来た備倭兵の大将が皇太子府の者だと話し、どんな命でも従うと言ってくれていると伝えた。楊士奇は永楽帝の幕舎で謁見した。永楽帝はもう65歳になったと話し、それでも目を覚ます度に20代の若造のように感じるとおどけて見せる。共に年を取り、声を出して笑い合う2人、すると楊士奇は皇帝の労苦を子供たちに分け与えるべきだと進言した。しかし永楽帝は都には戻れないという。実は戻りたくても戻れないと分かっていたのだ。すでに激しいめまいで歩くのもままならず、心臓は刺すように痛み、もはや自分の命は風前の灯火だという。永楽帝は死期を悟り、楊士奇に大事を託すべく呼んだのだった。楊士奇は皇太子がまだ2年は生きられると報告した。今も皇太子は皇太孫嬪を通じて意思を示し、賢明な判断ができるという。しかし政(マツリゴト)に関与した女子は死罪に処される運命、永楽帝はなぜ皇太子が若微を巻き込んだのか分からなかった。「帰ったら太子に伝えよ、″宮正司を処刑しろ″と」楊士奇は便宜上の措置だと訴えたが、永楽帝は退けた。そもそも皇太子がそんな状態で即位すれば、必ずや惨劇を招くだろう。永楽帝は国事を誤ることはできないと話し、朱高煦を即位させたいと言った。そして皇太子一家に良き逃げ道を作るよう頼む。「汚名を残したくない、″永楽帝は帝位を簒奪、子孫もその真似をして身内で殺しあった″と」楊士奇は永楽帝の思いを酌み、朝廷が形だけ残っている南京に皇太子一家を移すよう進言した。「聖旨をお書きください、それを百官に知らしめ、祖廟に祭り、漢王と趙王に誓わせるのです ″朱家の者同士で殺し合えば吊るし上げられ、死後も祖廟に入れぬ″と…」「最も適切なやり方だ、奏状を書いてまいれ」楊士奇は幕舎から下がることにしたが、どうしても諦めきれず、突然、平伏した。永楽帝は楊士奇の願いが分かっていたが、もし孫に帝位を継がせれば2人の叔父に殺されてしまうという。「私とて繰り返し考えたのだ…孫に勝算はない」永楽帝は将来、朱瞻基に恨まれることになっても構わないと言った。仕方なく楊士奇は拝命し、幕舎を後にしたが…。つづく※白竜魚服:″説苑正諫″より″白竜が天から下って魚になり泳いでいたところ、漁夫に目を射られた″という故事を引き、伍子胥が呉王の忍び歩きを諌めた→高貴な人が忍び歩きをして卑しい者のために災難に遭うことの例え
2020.08.22
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大明风华 Ming Dynasty第29話「雪中での戦い」朱瞻基(シュセンキ)は無謀だと知っていながら先鋒として三峡に攻め込んだ。壮絶な戦いが繰り広げられる中、落馬した朱瞻基は錘子(ハンマー)で顔を殴打され、崩れ落ちるように膝をつく。そんな朱瞻基に狙いを定めたのは、明の兵士に紛れ込んでいた聶興(ジョウキョウ)だった。聶興はこの機を逃すまいと雄叫びをあげて走り出したが、ちょうど朱瞻基めがけて敵兵の馬が突進して来る。自分の手で朱瞻基を仕留めたい聶興はその馬に体当たりして邪魔者を倒し、ついに剣を振り上げて襲いかかった。その時、明軍の鎧をつけていた聶興は背後からいきなり蒙古兵に刺されてしまう。援軍は危ないところで皇太孫を助け出した。朱瞻基は奇しくも自分をかばう形となって倒れた聶興から手を離さず、一緒に馬に乗せて軍営へ連れ帰る。しかし聶興はもはや手遅れだった。「来世ではお前に私を殺させてやる」そこへ永楽帝がやって来た。永楽帝は朱瞻基の怪我が右腕の刺し傷だけだと分かって安堵し、本営に戻すことにする。その時、天幕の外から雪だと叫ぶ声が聞こえた。永楽帝は帳を開けて表の様子を見たが、その時、立ちくらみを起こしてしまう。驚いた朱瞻基は咄嗟に祖父を支えると、永楽帝は誰にもいうなと口止めした。とぼとぼ歩き出した永楽帝、その背中を朱瞻基は心配そうに見守る。すると急に祖父が振り返った。「撤退は口にするな、私は決して負けぬ」|ω・`)、イエイエ…明軍が苦戦を強いられている頃、東宮には漢(カン)王妃と趙(チョウ)王妃が偵察に来ていた。2人は皇太子妃・張妍(チョウケン)と札遊びに興じながら、それとなく皇太子の病状を探ろうとする。「太子爺は兵部を太子府に移し、会議も屋敷で行なっているとか?朝廷も同然ですよね? …私たちに情報のひとつもくれないとはあんまりです」「太子爺に公務の内容をお尋ねすることはできません」皇太孫妃・胡善祥(コゼンショウ)は咄嗟に助け舟を出したが、漢王妃の目は冷たい。「太子妃は太子がご無事だから尋ねない、でもあなたは違う、太孫は戦場よ? 夫の命に関わるのに気にならないのは一体なぜ?」そこで張妍は漢王と趙王の安否なら2人とも無事だと教え、ただし軍の機密事項や部隊の配置、後方支援のことは知らないと言った。「太子を連れてくるから直接、聞いてみたら?でも口外は厳禁よ? もし情報が漏れて皇上が罪に問うても守ってあげられないから」すると漢王妃は国の大事について聞くなど恐れ多いとごまかし、趙王妃と帰ることにした。張妍は胡善祥に2人を見送るよう頼んだ。すると門を出た漢王妃は胡善祥に今夜、屋敷に来いと命じる。「漢王に言われているわよね?私たちからの頼みは断るなと…」朱高熾(シュコウシ)の病状は悪化していた。皇太孫嬪・孫若微(ソンジャクビ)はそんな皇太子を補佐し、その日も山のように届く奏状を読み聞かせ、裁定を代筆する。「″アルクタイ残党、討伐の件″…」「ふっ、まだ″討伐″などと言っておるのか…山海関(サンカイカン)の部隊は動けぬ ″皇上が撤退をお考えながら、撤退兵を迎えに行く 大同に晋陽、宣化や山海関、その一帯からの敵の侵入を防がねばならぬ″…そう記せ」若微は筆を走らせると、次の奏状を手にした。するとその折子だけ紐で封じてある。若微が不思議そうに紐を解いてみると、朱瞻基からの私信が入っていた。朱高熾は一年も音沙汰がなかった息子の手紙に思わず顔がほころび、早速、読んでくれと急かす。しかしそれは私信と呼べるものではなく、撤退を許さない祖父を説得し欲しいと嘆願する奏状だった。…我が軍は窮地に追い込まれています…氷と雪に囲まれ道は滑りやすく、敵にも死傷者は多いが、攻撃の手を緩めません…皇上は撤退を許さず、決戦の機を狙っていますが、めまいも日増しに悪化し、心配でなりません…父亲大人には国の大義により撤退を勧めてください…将軍たちには打つ手がなく、ため息ばかりです、どうかお願いです朱瞻基の手紙はもう一通あった。朱高熾は今度こそ息子からの私信だと期待したが、若微がいきなり泣き出してしまう。…ルォウェイ、私信を送る機会に便乗し、君へ文を送る…聶興が死んだ、私の身代わりにな、幕営に連れ帰ったが、薬もなく、傷もかなり深かった朱瞻基は聶興の骸をヘルレン川のほとりの山に埋葬していた。その場所は失命した大明の将兵が埋葬されているため、今頃、黄泉の国で大勢の勇士たちと宴を催しているだろう。…私を恨まないで欲しい…こたびの戦局は極めて危険な状況だ、もし私が帰還できぬなら、それは良き事なのかも…来世では君と何のしがらみもない普通の民として会いたい…まだ言い足りぬが、どうか元気でいてくれ若微はこらえ切れず、号泣した。黙って聞いていた朱高熾だったが、息子が帰還できないと書いて来たことに衝撃を受け、激しく喀血してしまう。胡善祥は口実をつけて漢王妃の呼び出しを断った。これに憤慨した漢王妃は胡善祥を強引に王府まで引っ張り出し、皇太子の病状を教えるよう迫る。胡善祥は皇太子の身体が優れないのは周知の事実、激務で疲れているのも当然だとごまかした。「信じられない…あなたは誰のものか分かっている?太子爺の体調を漢王が知りたがっているの」朱高燧(シュコウスイ)が幕舎に戻ると、二兄が入って来た。朱高煦(シュコウク)は黙って密書を差し出し、皇太子が自分たちが勝てないと分かって山海関の兵を交代させたと教える。しかし朱高燧は密書を燃やし、山海関にとどまらず、宣化・大同・晋陽も兵が交代していると教えた。今や皇太子の書簡を持たぬ者は通れなくなっている。朱高煦は皇太子の謀反の証拠だと慌てたが、朱高燧はやはり二兄では皇太子の足元にも遠く及ばないと呆れた。「二哥への牽制ですよ、私兵を率いて入って来ないようにね 監国は皇上に代わり国を守るもの、兵の交代も大問題にはならない、過信なされませぬよう…」すると朱高燧は皇太子の情報なら錦衣衛や自分の方が詳しいと言った。一方、漢王妃に脅された胡善祥は憤慨して帰ることにした。「漢王が…」「あなたが私を怒らせたと漢王にお伝えを…」一筋縄ではいかない胡善祥、すると漢王妃は思わず口走った。「皇上の余命は短い…退路を探すのね」朱高燧は二兄が何を企んでいるのか探った。父は帰還できても皇太子を替える精力は残っていない。そんな永楽帝が孫の朱瞻基をそばに置くのは皇太孫を擁立すると明言しているようなものだ。「もう1つ教えましょう、太子の身体は長くはもちません」朱高燧は二兄の情報源が妃だと見抜き、妃を使ったところで情報は得られないと諌める。「二哥への真心があるのは私ですよ~」朱高煦は思わず弟に拝礼し、自分に進むべきを示して欲しいと頼んだ。自分が気に入らないなら朱高燧が即位しても構わないという。「二哥を支持するのは保身のためです、約束してください、決して我々は命を奪い合わないと…」皇太子はいよいよ床に伏せった。侍医の脈診によれば皇太子の身体ではもはや公務は無理だという。そこで張妍は胡善祥と孫若微に朱瞻基を呼び戻すべきかどうか相談した。皇太子に呼び戻したいと相談したところ、息子の面目を守るため反対されたという。すると若微は皇太子が重病だと知る者がごく一部のため、まず皇帝と朱瞻基に軍報で知らせるべきではないかと提案した。実は朱瞻基も私信で皇帝を撤退させる方法を考えて欲しいと頼んできたという。「良き口実になります」「良い案ね…でも太子が反対したらどうするの?」「代筆を務めて日は浅いですが、太子爺の性格は理解しています 何より国事を優先されるゆえ、公務が執れないのなら真っ先に皇上にお伝えしたいはず…」その時、急に胡善祥が口を挟んだ。「万が一…もしもの話です、皇上のお身体も悪かった場合は?」胡善祥の思わぬ言葉に張妍と若微は目を丸くした。「太孫はすぐに戻るべきです、皇上が崩御されたら…太孫は北京で早々に即位できます」その時、張妍が顔を真っ赤にして立ち上がった。「出過ぎた真似よ…後宮の者が内政に干渉することは罪なの、高(コウ)皇帝も鉄碑に刻まれている! 太子爺は慎重に生きて来た、あの人の耳に入れば命はないわ!」確かに国中の精鋭部隊が都を離れている今、朱瞻基が即位すれば靖難(セイナン)の再来になるだろう。「2度と口にしないで、太子爺が築いて来た物を、太孫妃の妄言で壊されたらたまらない! 話が漏れたら…皆殺しにされるのよ!」驚いた胡善祥はひざまずき、慌てて謝罪した。若微も一緒にひざまずいたが、あえて皇太子妃に進言する。「太孫は心配しておりました、皇上に不測の事態が起これば靖難が再来することを… 太子爺は慎重ですが、漢王や趙王は野心をあらわにするはず その時に備えるためにも太孫を呼び戻してください」若微たちが帰ると、張妍は皇太子のそばへ戻った。皇太子にはすぐ良くなると気休めを言ったが、朱高熾は自分の余命がわずかだと分かっている。「急いで瞻基に文を書いてくれ…」張妍は無理に笑顔を作っていたが、ついにこらえられなくなり、嗚咽が漏れぬよう力一杯、手で口をふさいだ。若微が寝殿に戻ると、すぐ胡善祥が訪ねて来た。実は永楽帝が本当に重病で、帰還できないという。軍は漢王が掌握しているため朱瞻基も敵わない、自分たちはここで死を待つしかなくなると…。しかし若微は逃げないと断言した。すると胡善祥は急に帰ってしまう。その夜、戦場は激しい風雪となった。永楽帝はマフムードが明の戦法を把握しているため、おそらく軍を二手に分けてオイラトが中央で指揮をしていると推察する。すると朱高燧が大砲を使えば隠れているオイラトを引きずり出せると提案した。朱瞻基は祖父の耳元で大砲を動かしてはならないと進言、陣形が変われば攻撃を受けやすくなると警告したが、永楽帝はふとある策を思いつく。「大砲隊を千歩、前進させろ、三千営はオイラトの監視を…」さすがに朱高煦も大砲は決して軽くないと訴え、一夜では無理だと反対した。しかし永楽帝は総動員でかかれと命じ、人手が足りないなら自分が行くという。「決して物音を立ててはならぬ、夜が明ける前に陣形を作れ、敵の守備を崩す」翌朝、エセンは祖父・マフムードに自軍の幕営に戻るよう説得していた。「タタールの者は臆病すぎます」その時、タタールのハーンが現れ、最愛の孫を殺されたと剣を向ける。「お前たちのせいで我らの命が危うい!食料も尽きかけている!」エセンは咄嗟に剣を抜いて祖父を守ったが、マフムードは剣を収めるよう諭した。すると突然、幕営に砲弾が撃ち込まれる。明軍が前進するなど予想外だったマフムードは、決して応戦しないよう通達しろと命じた。オイラトが後退し始めた。永楽帝は三千営に出撃を命じ、五軍営は補助を、神機営と弓弩営は中央で守れと命じる。「敵の守備を崩せ」しかしオイラトは後退したと見せかけて山肌に隠れていた。明の右軍は三峡の入り口でタタール軍と交戦、五軍営はウリヤンハイと交戦となった。報告を聞いた永楽帝は漢王の軍にタタールを攻撃させ、大砲隊をさらに前進させると決める。「ダメです!昼間の移動は禁物です!」于謙(ウケン)は大砲隊が明軍の壁のため、動かせば伏兵に攻め込まれると反対した。しかし永楽帝はこの期に及んで伏兵などいないと退け、結局、千歩、前進させるよう命じてしまう。「敵の幕営を撃て」「皇上!マフムードは明の戦法を…」「自滅させるのだ!」永楽帝は于謙の意見に耳を貸そうともせず、手を上げて許可の合図を送った。その頃、マフムードはエセンに仲間を連れて逃げるよう命じていた。激しい砲弾になす術なく、兵の士気が削がれては負けるのも時間の問題だろう。「エセン、逃げるのだ!オイラトの血筋を守れ!」エセンは祖父の命令に従い、一族を連れて撤退したが、その時、明の大砲隊が移動していると報告がきた。今なら明の本営の守りが緩いと気づいたエセンは仲間たちと突撃すると決める。大砲隊は引き返して来たエセンの一向に襲われ全滅、大砲だけが虚しく雪原に残された。永楽帝の本営にオイラトが攻めて来たと急報が届いた。「本営に迫っています!」つづく(  ̄꒳ ̄)こうなってみると老二のとんがり帽子が滑稽に見えて来る(笑それにしても何だかもう色々と…嫌だw
2020.08.21
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白发 Princess Silver第49話「異国での再会」西啓(サイケイ)の皇帝・容斉(ヨウセイ)は長年、探していた医書を手に入れた。正確には医書の半分だけだったが、密偵はその雪孤(セッコ)医典に容斉が知りたい情報が記載されていると教える。「20年ほど前、何者かが雪孤聖女から奪おうとして争った際、半分に破れてしまったとか 奪われたのは前半で、後半は雪孤聖女が保管を…この書は弟子の蕭可も読んでいません」しかし容斉には前半がどこにあるのか検討がついていた。…容楽、待っていてくれ北境の摂政王・傅筹(フチュウ)は父から″西″という手がかりを得た。西啓に何か秘密があると気づいた傅筹は、南境から戻って以来、寄り付かなくなった森閻(シンエン)宮を訪ねてみる。すると符鴛(フエン)が王宮に戻ってからずっと避けていた鏡に自分の顔を写していた。「自分の傷にはいつか向き合わないと…逃げるだけでは何も解決しない」傅筹はそれが自分への当てこすりだと分かっている。「以前、話された西啓帝とは容斉の父・容毅(ヨウキ)のことですか?母后、お知り合いなので?」符鴛は不満とばかりに音を立てて茶碗を置き、話題をそらそうとした。しかし傅筹が再び母と西啓帝の関係を追求しようとすると、符鴛は疲れたと言って傅筹を追い返してしまう。傅筹はがらんとした朝堂でひとりしゃがみ込んだ。「もし私が最初から君に選ばれていたら…もし君を利用しなければ… もしあの時、痕香(コンコウ)ではないと見抜き、毒を飲ませていなければ…私たちは離れなかった …だが残念ながら時は戻せない」 そこへ常堅(ジョウケン)がやって来た。実は容楽(ヨウラク)が宸(シン)国付近で修羅七煞(シュラシチサツ)に襲われ、鎮北(チンホク)王の配下が救助したという。傅筹は宗政無憂(ソウセイムユウ)が容楽に修羅七煞を差し向けたと聞いて困惑した。「愛情が深すぎて少しの裏切りも許せなかったのか?それとも理性を失うほど衝撃を受けたと?」常堅の報告では雲(ウン)貴妃の遺灰を失って以来、黎(レイ)王と王妃には溝が出来ていたという。傅筹は無憂が生母の敵を討つため、容楽より軍の士気を優先したと考えた。…宗政無憂、私と同じ轍を踏むなら容楽は返してもらう符鴛は一度は疎んだ林申(リンシン)を密かに呼びつけた。傅筹が軍馬の調達だと言って宸国へ向かったが、容楽に会いに行ったことは百も承知している。「お前は私に天仇門(テンキュウモン)を滅ぼされ、怒っているのね?…仕方がなかったの 容楽をうまく利用し、宗政無憂は投降させたけれど、筹児をなだめるには犠牲が必要だった」すると符鴛はそっと手を伸ばす。林申は自分の手を貸して介添えし、椅子にまで主を案内した。「怒ってはいません、ここ数年、何があろうとあなたに尽くしてきた …私の茶を飲み、微笑んでくれるなら、おそばを離れず命がけでお守りします、太監として」符鴛は林申の自分への情を利用し、再び頼みごとがあると切り出した。「やはり私が必要で?!」林申は思わず顔をほころばせる。そこで符鴛は南征しない傅筹に失望したと話し、林申が宸国へ行って傅筹を後押しするよう頼んだ。「このまま放っておけば、私の計画がっ…」容楽のために自ら白髪になった無憂、今回も当然、容楽をかばうと思っていたが、まさかあっさり見捨てるとは意外だった。「ご安心を、今度こそ計画を果たしてみせます!」南境を追われた容楽は宸国の鎮北王府にたどり着き、妹のように可愛がっていた昭蕓(ショウウン)と再会を果たした。寧千易(ネイセンイ)と昭蕓は容楽と黎王の決裂が信じられなかったが、容楽は修復が不可能だと漏らす。「あの人の話は2度としないで…ここで傷を癒すわ」すると昭蕓は実は懐妊2ヶ月だと報告した。昭蕓を心配していた容楽だったが、寧千易と昭蕓の仲睦まじい姿を目の当たりにし、目を細める。そこへ守衛がやって来た。容楽に客人だという。傅筹が鎮北王府に到着した。守衛は摂政王を庭園にいる鎮北王の元まで案内したが、そこに西啓帝・容斉もいる。奇しくもほぼ同時に鎮北王府に到着した容斉と傅筹、2人は顔を合わせるなり容楽を巡って敵意むき出しになった。2人はどちらも容楽と会いたいと訴えたが、寧千易は容楽が応じないと告げる。そこでひとまず2人も王府に滞在して容楽の心の準備ができるのを待ってはどうかと提案した。仕方なく乾林(ケンリン)苑へ向かう容斉と傅筹、その様子をちょうど容楽と昭蕓が見ていた。「姐姐、会いたくなければ無理はさせません」昭蕓は容楽を寝殿まで案内することにした。すると昭蕓は昔を懐かしみ、ふと宗政無郁(ソウセイムイク)も元気かと尋ねる。容楽は元気だと安心させると、昭蕓はほっと胸をなでおろした。「無郁と別れて、もう誰も好きになれないと考えて、宸国に来たばかりの頃は悶々としていたのです でも千易が毎日、慰めてくれました」昭蕓は千易がいかに自分を大事にしてくれたか話し、当時はいつもそばにいてくれたと言った。しかし最近は政務が忙しいのか、王府に戻っても書斎にこもっていることが多いという。その時、回廊にいた2人は偶然、鎮北王の書斎に入って行く男装の女を見かけた。「誰なの?」「知りません、王府にいる女子は私と侍女だけのはず…」容楽はどこか見覚えがあると気になり、後を追いかけようとしたが、昭蕓に止められてしまう。「千易の書斎には勝手に入れないのです、私も一度も入ったことがありません」乾林苑の客房に落ち着いた容斉だったが、早速、傅筹が会いに来た。すでにいきり立っている傅筹は、容斉が今回も何か目的があって宸国に来たと疑っている。実は傅筹は将軍府で容楽と痕香(コンコウ)をすり替えたのが容斉だと知っていた。「私は容楽を失った…」「″失った″と言えるのは容楽から愛されたことがある者だけだ」←皇兄の正論( ๑≧ꇴ≦)容斉は殺したいのはお互い様だと憤慨したが、それ以上に傅筹を哀れんでいるという。なぜなら傅筹は未だに真の敵が誰か分かっていないのだから…。しかし傅筹はもう一度、自分を利用するための挑発に過ぎないとあしらった。「言っておくが、お前とは2度と手を組まぬ、私は1人でも戦うつもりだ」「人心を掌握したつもりでいるのだろうが、そなたこそ一番の愚か者だ …傅筹、朕がそなたなら今すぐ北臨に帰る、何もせずにな さもなくば、いかに馬鹿げた人生だったか知ることになる」その時、鎮北王の使いがやって来た。5日後に宴を催すので擎天(ケイテン)閣に来て欲しいという。「容楽公主も参加なさいます」容楽は宸国に来てから蕭煞(ショウサツ)に泠月(レイゲツ)を監視させていた。その晩、容楽は蕭煞に泠月を足止めさせ、黒装束で鎮北王の書斎に忍び込む。しかし運悪く寧千易がやって来た。『今日は何かあったか?』『はい、洛顔(ラクガン)さんが戻りました』容楽は咄嗟に物陰に身を潜め、短刀を構えて戸が開くのを待つ。その時、意外な人物が現れ、容楽を連れて一緒に脱出した。容楽を助けたのは黒装束姿で忍び込んだ無憂だった。「博古(ハッコ)堂で約束したはずだ、″慎重に行動し、危険を避ける″と…」すると容楽は思わず無憂に抱きつき、あの日、朝堂で自分の身体を傷つけてしまっことを謝罪する。「ごめんなさい…急なことだったの 解決しようにも近くに間者が潜んでいて、噂が広まり世間からは非難され、証人も消されたわ あなたがまた私をかばえば人心が離れてしまう」「だから私にも芝居をさせ、己の身体に剣を突き立てたのか?私の思いも考えず」「皆を信用させるためだったの…無憂、北境を討つためにも軍の士気は乱せない」容楽は自分のために天下をあきらめ、母まで犠牲にした無憂をこれ以上、苦しめたくなかった。しかし無憂はもう一度やり直せても同じ選択をするという。「漫夭…私は両親を失った、そなたまで失えぬ」その頃、寧千易は書斎で林申(リンシン)と会っていた。林申は自分の策略に協力して欲しいと持ちかけたが、林申の主はかつて宸国を裏切った公主、寧千易は簡単には信じられない。そこで林申は符鴛自らしたためた盟書を渡した。「鎮北王が我が主の望みを叶えてくれるなら、大志大業の邪魔となる者を我々が取り除きましょう 南境の領土も半分、差し上げますよ?」林申は鎮北王の即位をちらつかせ、反応を見ていた。その時、表から守衛ともめている昭蕓の声が聞こえてくる。昭蕓は深夜に誰と会っているのか知りたいと訴え、書斎に入れろと迫っていた。寧千易が書斎から出て来た。昭蕓は思わず寧千易に抱きつき、寧千易が他の女子を娶って自分を嫌いになる夢を見たと訴える。夢の話だと知った寧千易は失笑したが、昭蕓は一大事だと言った。「宸国では友だちもおらず、家族はあなただけ、あなたを失えば独りぼっちなのよ? 女子を囲っているから私を入れてくれないの?」寧千易は愛する昭蕓を安心させるため、不安が拭えないなら中に入って見ればいいと認めた。すると昭蕓は喜んで走り出し、中にいるのが黒い外套をかぶった男だと知る。「( ̄▽ ̄;)あ…誤解だったのね?」寧千易は思いがけず昭蕓が嫉妬してくれたことに喜んだが、昭蕓は恥ずかしくなって急いで帰って行った。「ふっ…決断を躊躇するわけが分かりました あなたも宗政無憂と同じだ、女子への情が足かせになっている」「警告するが、昭蕓に手を出すなよ?」寧千易は林申に釘を刺し、昭蕓に危害を加える者には大軍を使ってでも命で償わせると脅しておく。結局、寧千易は盟書を預かり、3日後に返事をすると伝えたが…。寧千易が隠し部屋へ入ると、洛顔@沈魚(チンギョ)が待っていた。洛顔は林申との話を聞いていたが、同盟を結ぶことに懸念を示す。「ご友人を傷つけないでください、中でも容楽公主は殿下の命の恩人です」「洛顔、異国に長く滞在し、己の志を忘れたのか?」「覚えています」宸国で内乱が次々に起こった時、無辜の民を救ったのはまだ年若い寧千易だった。洛顔にとって鎮北王は大志を抱く救世主、2人の夢はこの世から戦をなくすことだったが…。つづく|ω・`)林申のロン毛って…誰得なの?
2020.08.20
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白发 Princess Silver第48話「王妃の醜聞」容楽(ヨウラク)は不眠に悩まされていたが、侍女・春泥(シュンデイ)が付き添うようになってから眠れるようになった。その夜も公主の寝支度を終えた泠月(レイゲツ)と交代で春泥が漫音(マンイン)閣にやって来る。春泥は容楽が眠ったのを確認して隣に横になったが、密かに顔のお面を剥ぎ取り始め…。翌朝、侍女たちが王妃の朝支度のため、漫音閣にやって来た。しかし何度、声をかけても王妃が目覚めず、仕方なく帳(トバリ)を開けたが、なんと王妃の寝台に若い男がいる。驚いた侍女はうっかり洗面器を落とし、慌てて平伏した。寝所がにわかに騒がしくなり、容楽はようやく目を覚ました。すると隣になぜか見知らぬ男がいる。容楽は飛び起きて宝剣を抜き、曲者に突きつけた。「何者なの?!どうしてここに?!」「殿下のお耳に入らぬよう他言はいたしません、ずっと王妃をお慕いしておりました」「お前とは会ったこともない!」すると男はなぜか容楽が突きつけた剣で自ら首を傷をつける。そこへ泠月が侍衛を連れて駆けつた。泠月は人を殺めてはならないと公主を落ち着かせた。そして侍衛に男を引き渡して侍女たちを下げたが、そこへなぜか孫雅璃(ソンアリ)が飛び込んで来る。何が何だか分からず、呆然と立ちすくむ容楽、その時、雅璃が急に容楽が剣を握っている手をつかんで自分の首に剣を当てた。「誰か来て!口封じに殺されるわ!」雅璃が騒ぎ立てたことで侍女たちも王妃に間男がいたと信じ込み、この騒ぎは早々に朝臣たちの耳に入ってしまう。容楽が遅れて朝議に現れた。そこで朝臣らは王妃が若い男を囲っていた疑惑について申し開きがあるか尋ねる。容楽は陥れられただけで何もやましい点はないと否定し、黎(レイ)王が信頼する臣下たちの調べを受けるつもりだと言った。すると外遊から戻ったばかりの曹(ソウ)氏が自分なら王妃との面識も浅いため、詮議を担当したいと申し出る。容楽は公正明大な曹大人(ダーレン)なら安心だと認め、すぐ証人たちが呼ばれた。最初の証人は容楽の寝台にいた若い男だった。男は思慕の念を抑えきれず、自分が王妃を誘惑しただけだと証言、あくまで一方的な想いだと訴える。確かに警護が厳しい漫音閣、朝臣たちは誰かが招き入れない限り簡単に侵入するのは難しいと考え、曲者ではないと判断した。次に現場にいた侍女たちが呼ばれた。しかし侍女たちは泠月にすぐ追い出されたため、何も知らないと訴える。そこで曹氏は泠月を召喚した。泠月は男の隣にひざまずくなり、すべて王妃を陥れるためのでたらめだと訴えた。確かに王妃がこの男に剣を向けているのを目撃したが、王妃に付き添っていた春泥なら男が刺客だと証言できるはずだという。その時、衛兵が駆けつけ、王府内の井戸で春泥の骸(ムクロ)が発見されたと報告した。どうやら殺された後、投げ込まれたらしい。男は真っ先に自分が殺したと訴え、王妃のために首を絞めて井戸に捨てたが、王妃は知らないと証言した。すると衛兵は春泥の死因が窒息ではなく、頭部への打撃によるものだと報告する。驚いた朝臣たちは王妃が不貞を目撃した春泥を口封じし、その罪を男がかぶったと決めつけた。しかし曹氏はまだ王妃が殺した証拠にはならないと釘を刺し、漫音閣の捜査を嘆願する。容楽は信頼できる者の捜査なら許すと同意、范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)がその役目を引き受けた。范陽王の捜査を待つ間、雅璃が自ら証人として朝堂に現れた。雅璃は王妃が男を殺して口封じしようとするのを目撃したと証言、その証拠に男の首に傷があるはずだという。早速、曹氏が確認してみたが、確かに男の首に傷跡があった。思えば現場にいた多くの者が王妃の凶行を目撃し、泠月が″殺めてはならない″と王妃を諌める声を聞いた者も多い。すると雅璃は自ら王妃を恨んでいると認めた。当初は親しかったが、王妃が自分の本性を見抜かれたとなると、急に避けて雅璃を陥れたという。つまり王妃は自分の秘密を隠すため、雅璃を監禁したというのだ。閉じ込められた雅璃は戸の隙間から外を眺めることだけが気晴らしだったと話し、泠月とその男を何度も見たという。「毎回、子の刻に来て卯の刻に去る…王妃と一晩、過ごしていたのでしょう」さらに雅璃は王妃がかつて北境の摂政王・傅筹(フチュウ)の正妻だった時に黎王を誘惑したと罵り、もともと西啓(サイケイ)の長公主・容楽として衛国大将軍に嫁いだと暴露した。「黙りなさい!」泠月は思わず雅璃の頰を引っ叩いてしまう。泠月は雅璃こそ将軍府で何度も将軍を誘惑したと証言、青州では黎王の寝台に忍び込んだと責めた。しかしかえって容楽がかつて衛国大将軍・傅筹の夫人だったと認めることになり、朝臣たちは王妃が噂通り北境の間者ではないかと疑う。その時、雅璃が隠し持っていた短剣を握りしめ、容楽に向かって飛び出した。容楽を椅子に押し付け、短剣を振り上げる雅璃、そこに泠月が駆けつけ、王妃を守るふりをしながら雅璃の腹を刺してしまう。雅璃は泠月に裏切られたと気づいたが、そのまま倒れて息絶えた。雅璃の背中しか見えなかった朝臣たちは王妃が雅璃を刺したと誤解し、朝堂は騒然となる。泠月は自分が押したせいだと容楽をかばったが、そこに范陽王が戻ってきた。「いずれも王妃の仕業に間違いない!」范陽王は漫音閣から血がついた陶片を発見したと報告した。侍女の証言で漫音閣で使っていた陶器だと判明、恐らく花瓶で春泥の頭を殴打して殺害し、部屋を清掃したものの、手抜かりがあったのだろう。しかも寝台の下には血痕も残っていた。これが決定的な証拠となり、曹氏は王妃が黎王の度重なる援軍の要請を無視したのも故意だと疑う。「自身が南境の権力を独占するため、殿下を危険にさらして北境に協力したのでは?!」その時、帰還した無憂が現れた。容楽は無憂が自分の計画に同意してくれたのだと安堵し、駆け寄って無実を訴える。「皆とは違ってあなたなら分かるはずよ!なぜ雅璃が急にあんな出任せを…でも私は殺してない!」すると無憂は漫夭を突き放し、剣を突きつけた。「なぜだ?…こんな事態を私が許せると思うか?!」「無憂…私を信じないの?」容楽は無憂の信頼を失った衝撃から無憂の剣先を握りしめ、自ら胸を刺してしまう。すぐにでも容楽を助けたい無憂、しかし涙をのんで冷炎を呼んだ。「王妃を牢へ!」泠月は気を失った容楽を介抱していたが、ふと恨みがこみ上げてきた。当時、漫夭が林申(リンシン)から稽古をつけてもらう様子を盗み見ながら、自分も剣術の真似事をしていたことがある。林申はそんな泠月に気づき、武芸を習いたいのかと聞いた。『教えてやってもいい、だが忘れるな、時には無芸な方が身を隠しやすいということを…』『ありがとうございます!師父!』『師父と呼ぶな、お前が弟子になれる器だと思うか?今日からお前は青狐(セイコ)だ あの者のそばで一挙一動を見張れ、何かあればすぐ私に報告しろ』王府で泠月はある下男から林申の命を聞いた。…次の計画を練り上げろと…分かったわそこで雅璃と春泥に近づき、用済みとなった2人を始末した。「同じ門派でありながら、なぜあなたは公主で私が侍女なの?」泠月は容楽の胸の傷を手巾で強く押し、ささやかな復讐をしていたが、そこへ蕭煞(ショウサツ)が駆けつけた。軍営を任されていた陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)だったが、知らせを聞いて慌てて七兄を訪ねた。そこへ冷炎が駆けつけ、王妃が蕭煞と泠月を連れて脱獄したという。憤慨した無憂はすぐ手配をかけろと命じ、冷炎にも探しに行くよう指示した。無郁は漫夭を殺すつもりかと焦り、今回も何者かの陰謀に決まっていると説得する。しかし無憂は口出し無用だと退けた。無郁は仕方なく薬房の蕭可(ショウカ)を訪ねた。騒ぎを知らなかった蕭可は無郁から経緯を聞いて愕然となる。蕭可にとって家族と呼べるのは容楽と兄だけ、そんな2人がいなくなれば生きていけないと涙した。「大丈夫だ、心配するな」無郁は蕭可の涙をぬぐい、自分を信じてこのまま待つよう言い聞かせる。白髪妖婦の事件でも七兄が命がけで漫夭を守ったように、今回も大事にはならないだろう。無憂は軍営に戻らなければならず、後ろ髪を引かれる思いで薬房を後にした。黎王妃の醜聞は北境の傅筹の耳にも届いた。当然、信じられない話だったが、常堅(ジョウケン)の報告では脱獄した王妃に手配がかけられ、確かに事実だという。傅筹は陰謀に決まっていると呆れ、事の子細を調べて容楽を探し出すよう命じた。一方、容楽たちは客桟(キャクサン)の一室に身を隠していた。しかしすぐ捜索の兵士が現れ、手負いの容楽は休む暇もない。「足取りが知られるけど、戦って振り切るしかない」蕭煞は戸の隙間から兵士の様子をうかがっていたが、その時、何者かが自分たちに扮しておとりとなってくれる。「そう言えば北境なまりの者が昨日、街で公主の消息を探っていました」泠月は傅筹だと喜び、公主を疑った黎王は薄情だと非難した。ともかく今夜はこのまま休めることになったが、容楽はこれからどこへ行ったら良いのか分からない。「この世界には私の安住の地などないのね…」すると泠月が宸国へ行こうと提案した。鎮北(チンホク)王とは親しく、何より妹のような昭蕓(ショウウン)がいた。翌朝、容楽たちは馬車で南境を無事に脱出した。しかし宸国との国境付近で修羅七煞(シュラシチサツ)に追いつかれてしまう。その時、鎮北王の侍従・厲武(レイブ)が兵士を引き連れ、現れた。その頃、西啓の皇帝・容斉(ヨウセイ)も密偵から容楽の報告を聞いていた。南境と宸国の辺境で刺客に襲われたものの、鎮北王の侍衛に救われたという。ただ容楽は黎王から受けた傷が悪化していた。すでに黎王夫妻の決裂は世の知るところとなり、刺客も黎王が放ったと噂されているという。「しかし調べでは…」「言うな、分かっている」容斉は宗政無憂が力をつけることを恐れる者がいると知っていた。そこで容楽を利用したのだろう。「小荀子(ショウジュンシ)、馬車の用意を…宸国に行く」菓子に入れて食べさせた薬はもう効力が尽きているはずだ。容斉は長旅に耐えられる身体ではなかったが、容楽を助けに行かねばならない。すると密偵が雪孤(セッコ)山で手に入れた医書を手渡した。半分しかなかったが、容斉が知りたい情報なら記載されているという。つづく( ๑≧ꇴ≦)ほぁんしょーーーん!ついに乗り越えたーーっ!
2020.08.19
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白发 Princess Silver第47話「説得の文」脱獄した孫継周(ソンケイシュウ)は傅筹(フチュウ)を頼った。そこで南境軍の機密と引き換えに雅璃を助け出して欲しいと訴える。しかし傅筹は忠義に欠ける人間を信用することができなかった。「実の娘さえ利用し、教え子さえ裏切った者だ… どうやら長年、宗政無憂(ソウセイムユウ)の師を務めながら奴を理解しておらぬ 奴が本物の機密を貴殿に渡すと思うか?」傅筹は衛兵を呼び、孫継周を連行するよう命じた。驚いた孫継周は白髪妖婦の失敗が原因かと聞いたが、傅筹は思わず孫継周の胸ぐらをつかむ。「私の名をかたって容楽(ヨウラク)@漫夭(マンヨウ)を窮地に陥れたうえ、 事情を報告せず、私を危険に晒した!」激怒した傅筹は情け容赦なく孫継周を斬れと命じた。すると孫継周は白髪妖婦の件で一族の命を助ける約束だったと訴える。傅筹には身に覚えのない約束だったが、孫継周は約束を破った傅筹を卑怯者だと罵りながら連れ出されて行った。傅筹は北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)の天幕を訪ねた。目の前にいるのは父でありながら幼い頃から復讐を誓った敵、しかし今やかつての威厳はなく、動くことも話すこともできない老いぼれになっている。恐らく愛する雲(ウン)貴妃の魂を冒涜した母のことを陰湿で悪辣だと非難したいだろう。実は宗政允赫は必死に何かを伝えようとしていたが、傅筹は気づかなかった。すると傅筹はそもそも宗政允赫に父や夫としての良心があれば悲劇は起こらなかったと責め、おかげで今や母はすっかり変貌し、執着が激しく、自分に隠れて何かを企んでいるようだと嘆く。「xi … xi …」その時、宗政允赫の口からかすかに音が漏れた。傅筹は父が何を言いたいのか分からず困惑していると、宗政允赫は自分の足に指でなぞって見せる。「xi…西か?″西″と書いたのか?」宗政允赫は小さくうなずくと、そこに符鴛(フエン)が現れた。そこで傅筹は母に青州の孫継周に連絡を取ったことがあるか尋ねる。「うふ、森閻(シンエン)宮を出ない私が遠方の者に何の連絡を?」符鴛は優しい母親の顔に戻ってごまかし、早く傷を治して南征に出発しろという。すると傅筹はこの機会に政(マツリゴト)への意見は控えて欲しいと釘を刺した。孫雅璃(ソンアリ)と侍女・春泥(シュンデイ)は青州王府の一室に監禁された。しかしこんな状況でも泠月(レイゲツ)だけは2人を気にかけ、差し入れを持って面会に来てくれる。雅璃は容楽に知られたら泠月が叱られると心配したが、泠月は寛大な公主なら平気だと笑った。「それに今は殿下と仲睦まじいから気づかないわ」泠月は雅璃が黎(レイ)王に横恋慕していると知りながら、わざと嫉妬させた。泠月が面会を終えて寝殿を後にすると、蕭煞(ショウサツ)が現れた。まさか泠月が公主と黎王の仲を引き裂こうとした悪人に会いに来ているとは…。泠月は雅璃を友だちだとかばったが、蕭煞は公主への不忠になると言い聞かせて連れて帰る。その様子を雅璃は窓紗越しに見ていた。血烏(ケツウ)の効果で黒髪を取り戻した容楽、今日は黒髪姿になって初めての朝堂へ向かうはずだった。しかし蕭煞が漫音(マンイン)閣に駆けつけ、黎王が怒りに任せて出征し、朝議が中止になったと報告する。泠月はすかさず公主の怪我が完治していないのに黙って出征したと黎王を非難、しかし蕭煞がそっと首を横に振って諭した。「もうひとつご報告が…孫継周が北境で殺されたそうです」驚いた容楽は雅璃にまだ伝えないよう頼んだが、その時、泠月が実は雅璃の侍女が公主に会いたがっていると伝えた。春泥は王妃に仕えたいと懇願した。今さら主を裏切るのは不本意だが、雅璃は以前とはまるで別人だという。すると袖をまくり上げ、痣だらけの腕を見せた。「過去の恥辱と苦痛が頭から離れないようで、わけもなく私に手を上げます、私はそれでも構いません でも私がおそばにいることで過去を思い出させてしまうのなら、私はいない方が良いかと…」蕭煞は王府から出してやってはどうかと進言したが、春泥は捨て子の自分に頼る者などいないと涙ながらに訴えた。同情した容楽は春泥を引き受けると決め、蕭煞に春泥の傷の手当てを頼む。「それから蕭可(ショウカ)を雅璃の所へ…」蕭煞が春泥を連れて出て行くと、泠月はひざまずいて許しを請うた。実は内緒で何度か雅璃に会いに行き、異変にも気づいていたが、蕭煞に止められて黙っていたという。すると容楽は泠月を立たせ、天涯孤独となった雅璃を心配し、様子を見に行くことにした。容楽と泠月が雅璃の部屋に入ると、一足先に蕭可が診察に来ていた。どうやら雅璃は心の病にかかり、誰かに殺される幻覚を見てしまうという。蕭可は薬で治ると安心させたが、容楽を見た雅璃は妖婦だと怯え、錯乱した。「はっ!白髪じゃないわ!これは幻覚なんだわ!」しかし泠月に気づくと親しそうに手を握り、妖婦と一緒にいたらひどい目に遭わされると心配した。泠月は怖くなって容楽に帰ろうと言ったが、雅璃は泠月まで見捨てるのかとすがりつく。すると蕭可がかえって刺激を与えてしまうと警告し、容楽に戻るよう告げた。黙って出征した無憂から援軍の要請が何度も届く中、容楽は病を理由に朝議を欠席、決定を引き延ばしていた。仕方なく范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)は黎王妃を訪ね、理由を聞くことにする。「皇叔、今、北境と開戦するべきだとお考えでしょうか?」「…ずっと考えているが、私も答えは出ぬ」無憂は1年余りの間に余力を蓄え、最小の代償で勝利する機会を待っていたはずだった。今がその好機でないことだけは確かだろう。容楽も范陽王も心情は無憂と同じ、敵を討ちたいと願っていた。しかし急な出征で兵糧が乏しく、道も雪が深いため、容楽はこれでは勝てないと危惧する。「他にも障害が1つあります、私と無憂しか知らぬ事情ですので、どうか誰にも漏らさないよう…」すると容楽は人払いした。容楽は濯(タク)州の地震のあと馬疫が蔓延し、軍馬は以前の3割にも満たない状況だと教えた。羅家軍による辺境の勝利は策による快挙で、実際に攻撃はしていない。今回、運良く辺境で勝利できたとしても、恐らく中山(チュウザン)まで攻め込むのは難しいだろう。それどころか辺境での小競り合いで貴重な国力と兵力を消耗してしまうことが気がかりだった。容楽は機密を漏らすわけにいかず1人で悩んできたが、そもそも自分のせいだと気が咎める。事情を知った范陽王は容楽に協力することにしたが、王妃が無憂を孤軍奮闘させるとなれば朝堂での異議は避けられないだろう。しかし容楽に考えがあると知り、范陽王は安心して帰って行った。容楽はすぐ蕭煞を呼び、無憂への文を託した。「大切な文よ、肌身離さないで 直接、無憂に手渡し、″決断を待つ″と伝えてね」すると蕭煞はその足で辺境へ発つことにする。泠月は慌てて門まで駆けつけ、辺境は寒いからと衣を持たせた。「戻ったら君とゆっくり過ごすよ」「またそれ?いつだって口ばかりなんだから…私より公主の命の方が大事なのね?!」「妬いているのか?」蕭煞は公主あっての自分たちだと言い聞かせ、戻ったら婚姻を願い出るつもりだと話した。「王府が嫌なら2人でここを離れよう、君が行きたいところで一緒に暮らすんだ」2人はしばし抱き合って別れを惜しむと、泠月は満面の笑みで蕭煞を送り出す。しかし1人になった途端、泠月の顔から笑顔が消えた。無憂が出征してからと言うもの容楽は悪夢にうなされ、よく眠れなくなった。泠月は自分が一晩中、そばに付いていると言ったが、容楽は自分の世話で疲れていると遠慮する。すると春泥がせめてもの恩返しに自分が付き添うと申し出た。「明日から夜はこちらに…」無憂の大軍は回潼(カイドウ)関まで迫っていた。常堅(ジョウケン)は援軍を求める急報が20通にも上ると報告する。しかし守備のための武器が足りないことから、傅筹は挑発されても決して攻撃しないよう前線に伝えろと命じた。もし敵に攻め込まれれば、前線の兵士は関所を守るために皆殺しになってしまう。「5日の辛抱だ…5日、待てば宗政無憂は撤退する…」しかしそこへ符鴛が乗り込んできた。「筹児!どう言うこと?!傷は治ったのに、なぜ出征しないの?!」「言ったはずです、政に関しては私自身が決めると… 私が″攻めぬ″と言いましたか?絶好の時機を待っているのです、どうか全て私にお任せを…」符鴛は母の自分にさえ計画を明かさないのかと食い下がったが、傅筹は負けたくないだけだと冷静だった。「宗政無憂は一時の感情で兵を起こした、軍力が弱まった時を狙い反撃すれば全滅します これこそ上策でしょう?口出しは無用です」「衝動であろうと敵は行動したわ!臆病なそなたより賢明よ!ふん!」傅筹は感情的にまくし立てる符鴛をあしらい、追い返してしまう。南境の軍営でも意見が分かれていた。残っている兵糧はあと5日しか持たず、雪で道が閉ざされた今、兵糧の調達は難しい。天然の要害で守りに強い回潼関を攻め落とすには半月は必要だった。羅植(ラショク)将軍と無相子(ムソウシ)は攻め込むことに反対だったが、無憂は衝動で行動したわけではないと釈明する。傅筹は負傷して都に戻っており、増兵したかに見せて実はこけおどしに過ぎないと分かっていた。密偵の報告では敵も同様に兵糧が十分ではないという。復讐にはやる陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は攻めるべきだと訴えたが、羅植はひとまず青州からの援軍を待ってはどうかと進言した。そこへちょうど漫夭からの密書を携え、蕭煞がやって来る。漫夭の文を読んだ無憂は困惑し、無相子と2人になりたいと頼んだ。無相子は王妃も開戦に反対なのだと察した。そこで復讐心に駆られる無憂に冷静になるよう訴える。かつて自分の家が秦永(シンエイ)の一件で取り潰しとなって復讐を誓ったが、あの時に衝動で動いていたら、この世にはもういなかったはずだ。「お前の後ろには大勢の民がいるのだぞ?王妃がお前の心痛を知らぬはずはない あえて開戦を諌めるのは、民を苦しめる罪をお前に負わせたくないからだ」しかし容楽は″開戦を思いとどまれ″と言ったわけではなかった。実は漫夭は、あり得ないような別の道を選べと言って来たという。春泥が付き添ってくれたおかげで容楽はよく眠れるようになった。その夜、泠月は公主がすっかり元気になったようだと喜び、寝所をあとにする。すると入れ替わるように春泥が現れ、容楽の隣に横になった。しかし春泥は容楽が眠っているのを確認すると、自分の顔に手を掛け…。つづく( ˘ω˘ )いやあ~雅璃の零落っぷりが…傅筹が指摘した通り、聡明なお嬢様じゃなかったのね〜まあ〜賢ければ羅植に嫁いだろうけど
2020.08.18
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白发 Princess Silver第46話「雪に消えた魂」傅筹(フチュウ)の足取りが分かった。黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)は早速、辺境へ向かうことにしたが、そこへ無隠楼(ムインロウ)が駆けつける。実は思雲(シウン)陵が壊され、生母・雲(ウン)貴妃の遺体が所在不明になったというのだ。無憂は傅筹の仕業だと思い込み、恨みを募らせた。「傅筹っ…必ず仕留めてやる!」一方、容楽(ヨウラク)@漫夭(マンヨウ)は、無憂が火傷を負ってまで血烏(ケツウ)を手に入れたと知った。そんな無憂を失望させたくない一方で、どうしても傅筹に借りを作りたくない。しかし蕭可(ショウカ)が血烏には容楽の毒を抑えて髪を黒くする効果だけでなく、黎王の逆雪(ギャクセツ)も解毒できると教えた。容楽はまだ迷っていたが、その時、泠月(レイゲツ)が慌ててやって来る。「殿下がお出かけに…無隠楼の者から話を聞き、血相を変えていらしたとか」検問を突破した傅筹の馬車は暗闇迫る林の中を疾走していた。「王上!この谷を越えたら回潼(カイトウ)関です!ご辛抱を!」しかしあと少しと言うところで無憂と無陰楼が後方に追いついてしまう。無憂は短刀を握って馬から飛び降りると、そのまま一気に傅筹の車へ、一方、無隠楼は傅筹の配下に襲いかかった。無憂と傅筹は狭い車の中で激しくやり合った。やがて御者を失った馬車が暴走して横転、2人は外へ放り出されてしまう。2人は身体を叩きつけられながらも何とか立ち上がり、剣を交えた。しかし傅筹は無理が祟って胸の傷が開いてしまい、もはや無憂の敵ではない。そこへ救援部隊を一掃した無隠楼が駆けつけた。「南境に足を踏み入れた以上、死は覚悟の上だろう?」「たとえお前の手にかかろうと…ゥッ…南境に来て後悔はない…」無憂は剣を突きつけたが、その時、容楽が馬で駆けて来た。「やめて!」傅筹は再び白髪の黎王夫妻と相見えることになった。「君たちが共に白髪になっているのを見て分かったよ、すべては私の独りよがりだったのだと…」すると容楽は未来の君主である無憂に兄弟を殺させるわけにはいかないと止めた。「私が片をつけるわ…」容楽は無憂の宝剣を借りると、傅筹に突きつける。「今日こそ、お互いの恨みを一刀のもとに断ち切る…」しかし無憂が咄嗟に漫夭の手を止め、剣を取り戻した。「将来、後ろ指をさされようと、この手で殺したい」傅筹も覚悟はできていた。無憂は傅筹の胸の傷に剣を突き刺した。「お前は皇位欲しさに父や太子、朝臣まで殺し、私怨を晴らすため漫夭を傷つけ、私を投降させた その上、孫継周(ソンケイシュウ)と結託し、噂を流して南境を混乱に陥れた 筆舌に尽くしがたい罪ばかりだ…私の手に落ちながら、まだ漫夭の心に足跡を残したいのか? そうはさせるか?言え!母の遺体をどこへやった?!」しかし当の傅筹は何の話か分からなかった。なぜ自分が無憂の師匠だった孫継周と結託する必要があるのか。何より雲貴妃の遺体なら思雲陵にあるはずだ。憤慨した無憂はさらに剣を差し込み、母の遺体が行方知れずと密報を受けたと迫る。容楽は卑劣な手段に唖然となったが、傅筹は例え憎しみがあろうと、死者を冒涜したりしないと否定した。その時、苻鴛(フエン)の一行が現れる。「宗政無憂!息子を傷つければ一生、後悔させてやる!」いつの間にか山は雪になり、あたり一面が白く覆われた。馬車から姿を現した傅筹の生母・苻鴛、その顔を見た容楽は、かつて馬車に逃げ込んできた気のふれた女だと気づく。すると苻鴛は宦官に雲貴妃の死装束を運ばせた。「急に思い立ってね~思雲陵を訪ねたくなったの~ そうしたら貴妃は涙ながらに訴えていたわ~冷たい思雲陵はもううんざりだって~ 連れ出して欲しいって言うの~だからやむを得ず応じてあげたのよ?」苻鴛はいきなり雲貴妃の真っ白な衣を引き裂き、無憂の前に投げ捨てた。驚いた容楽は咄嗟に駆け出し、衣を拾って戻って来る。激昂した無憂はついに傅筹に止めを刺そうとしたが、容楽が制止、まず苻鴛に尋ねた。「雲貴妃の遺体はどうなっているの?」そこで苻鴛は木箱を持った兵士を呼んだ。雲貴妃の亡骸はすでに燃やされ、遺灰になっていた。苻鴛は兵士が運んできた木箱を示し、女1人のために天下と両親を捨てた時点で、こうなることは予想できたはずだと嘲笑う。烈火の如く怒った無憂は母の遺灰を残らず持って来なければ傅筹の首をはねると脅したが、苻鴛はそれより先に木箱を燃やすと言い返した。容楽は感情的になっている無憂をなだめ、傅筹を殺す機会ならまだあるが、遺灰は今しか取り戻せないと説得する。激しい怒りと深い悲しみに苛まれる無憂、しかし致し方なく傅筹の身柄と母の遺灰を交換することに同意した。しかし…。無憂は先に傅筹を引き渡した。無事に傅筹が戻ったところで苻鴛たちの馬車が出発、すると兵士が木箱を置いて撤収する。無憂は一目散に駆け出すと、容楽と無隠楼も後に続き、木箱の前で叩頭した。しかし無憂が木箱を持って立ち上がったその時、木箱の底が開いて遺灰がばらまかれてしまう。驚いた容楽は咄嗟に遺灰を集めようとしたが、雲貴妃は風と共に消散して行った。母の遺灰を失った無憂はあまりの衝撃から、そのまま意識を失って倒れてしまう。傅筹は馬車の窓から無残にも遺灰が舞い散る様子を見ていた。あまりに卑劣な母のやり方に耐えきれなくなった傅筹は途中で馬車を止め、ひとりで戻ると決める。今、戻らなければ一生、心が安らぐことはないだろう。しかし母からどうしても戻るなら自分も死ぬと脅され、傅筹はあきらめるしかなかった。するとこの時、偶然にも馬車の後方に北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)が乗っていたと知る。傅筹は母の残酷さに唖然としながら車に乗り込むと、馬車は何事もなかったかのように走り出した。苻鴛たちは野営で一夜を過ごすことになった。すると侍医の手当てを受けた傅筹のもとに常堅が現れる。「王上、あの木箱は開けた瞬間に底が抜ける仕掛けだったのです 雲貴妃の遺灰は風で飛散したかと…」常堅は報告を終えて下がることにしたが、そこへ兵士が入って来た。「どうした?」「王上、黎王と侍衛はあの場を去りましたが、王妃だけは残っています」傅筹は母がすでに休んだと知り、すぐ馬車を用意させて引き返した。すると報告の通り容楽が凍える寒さの中で地面を掘っている。傅筹は容楽にもう掘るなと声をかけたが、容楽は手を血だらけにしながら一心不乱に掘り続けた。「容楽、今さら掘っても意味がない、遺灰は風にあおられ、飛び散っている 大きな穴を掘っても埋めるものは何もないのだ」傅筹は容楽の手をつかんで止めたが、激情に駆られた容楽は傅筹の傷を叩いて突き飛ばした。「忌まわしい過去から1年かけて抜け出したのよ?あなたが現れ…また全部、失った…」「…宗政無憂が幸せにしてくれる、君は何も悪くない」「遺灰を台なしにしたのに?!苻鴛の言う通り、無憂は私のために全てをあきらめた だから付け込まれたのよ!私のせいでなければ誰のせい?!」「…私が悪い、奴は君を許す」「もちろんよ、でも無憂の自責の念は永遠に消えない! 傅筹!私の恨みの深さが分かるなら今すぐいなくなって!」容楽は穴の中に雲貴妃の衣を埋めた。愛する容楽から激しく拒絶された傅筹はもはやどうすることもできず、とぼとぼ馬車に向かって歩き出す。「私が来たのは…間違いだったのだろうか?」無憂は母の夢を見ていた。しかし急に苻鴛が母の衣を引き裂いた光景が蘇り、突然、飛び起きる。そこに冷炎が駆けつけ、この騒ぎの中、孫継周が脱獄したと伝えた。「…両親の敵は生かしておけぬ、伝令せよ!兵を集め、食糧を準備しろ、中山(チュウザン)へ討ち入る! 苻鴛と傅筹を一刀両断にしてやる!」すると兵士が報告にやって来た。「殿下、王妃が昨日から戻られぬようです」冷炎は困惑した。黎王が気絶したため、慌てて王府に運んだが、王妃もすぐ戻ると思っていたという。無憂は深い悲しみの中、ひとり漫夭を探しに向かった。すると昨夜の林の中で漫夭が倒れているのを見つける。漫夭の身体はすっかり冷たくなり、手は血だらけだった。無憂は漫夭を腕に抱いて懸命に声をかけていたが、その時、漫夭の後ろに母の墓標があると気づく。1人で母を弔ってくれたと知った無憂は漫夭を強く抱きしめ涙し、王府へ連れ帰った。孫継周の脱獄に伴い、蕭煞(ショウサツ)は孫府を捜索していた。するとちょうど逃げ出そうとしていた孫雅璃(ソンアリ)と侍女・春泥(シュンデイ)を発見、足止めする。雅璃は父のことなど知らないと言ったが、蕭煞は雅璃が父親と落ち合うと疑って2人を拘束した。容楽はようやく意識を取り戻した。しかし身体を冷やしたせいで症状が悪化し、蕭可はついに血烏を飲ませることにする。すると容楽は血の匂いがすると気づき、薬湯を拒否した。「定められた運命に従うしかないわ」その時、無憂が現れ、容楽の目の前で血烏を飲んで見せる。「傅筹は父を殺し、母の遺体を灰にした…私も心底、恨んでいる だがそなたの命は、私の恨みなどとは比べ物にならない」容楽は無憂の深い愛情に思わず涙があふれ出した。「深く考えるな…」無憂は容楽の涙をぬぐい、その手に薬湯を持たせる。こうしてついに容楽は血烏を飲み干し、命を長らえた。「無憂…ごめんなさい、私のせいよ」「いいのだ、私が自分で決めたことだから…」脱走した孫継周は傅筹を頼った。孫継周は悪い主を見限ったと話し、南境軍の機密と引き換えに雅璃を助け出して欲しいという。「孫大人(ダーレン)、私が応じると確信しているのか?」「王上は何年も前から私に助けられて来ました 南境で功を立て、名将となられたのも孫家の力添えがあったからです」つづく|ω・`)今回は嫌な話やったな〜
2020.08.17
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白发 Princess Silver第45話「断ち切れぬ情」北境の摂政王・傅筹(フチュウ)が突如、容楽のために血烏(ケツウ)を届けに現れた。「君を傷つけるために訪ねて来たのではない、ただ会いたかった 友のように話がしたかっただけだ」容楽は傅筹への恐怖から剣を抜いたものの殺すこともできず、きびすを返す。しかし後ろから急に傅筹に腕をつかまれ、驚いて振り向きざまに勢いよく剣を突き出した。面紗の笠が吹き飛び、白髪があらわになった容楽、その時、図らずも傅筹の左胸に剣先が突き刺ってしまう。「私が死んで君の恐怖が消えるなら、その手で殺してくれ…」傅筹は剣をつかんで自分の胸に深く差し込むと、自分にとって死こそが真の開放だと吐露した。冷炎(レイエン)から知らせを受けた宗政無憂(ソウセイムユウ)は無相子(ムソウシ)と一緒に顧念(コネン)閣に乗り込んだ。驚いた容楽は慌てて傅筹から剣を抜くと、無憂はよろけた漫夭(マンヨウ)をかばうように抱き寄せる。傅筹は白髪になった無憂の姿に愕然となり、その深い愛情をまざまざと見せつけられる形となった。その時、奥の間から痕香(コンコウ)が不意をついて暗器を放つ。暗器は容楽の肩に命中、さらに露台から項影(コウエイ)も暗器を投げて援護し、無憂は漫夭(マンヨウ)を守るだけで精一杯だった。その隙に痕香は傅筹を救出、無相子の追跡を阻むため、行灯を落下させて火を放ってしまう。油に引火した炎はあっという間に広がり、無憂は咄嗟に漫夭を廊下へ押し出すと、密かに血烏を手に入れ脱出した。一方、無相子は傅筹を追いかけていた。ちょうど市場の物陰に怪しい人影を見つけたが、その時、項影が馬車を暴走させて騒ぎを起こし、その間に逃げられてしまう。北境では傅筹(フチュウ)の不在を良いことに苻鴛(フエン)が権勢を振るっていた。密書を読んだ苻鴛は憤慨したが、ふと宗政無憂が母親を北境へ残したままだと思い出す。実は傅筹は常堅(ジョウケン)に思雲(シウン)陵の管理を任せ、静謐(セイヒツ)園や攏月(ロウゲツ)楼と同様に扱うよう命じていた。そこで苻鴛は常堅に明日、思雲陵へ同行するよう命じる。「しかし…王上は誰も入れるなと…」「ん?」「…分かりました」冷室の雲児は16年前と同じく完璧な美貌のまま眠っていた。「雲児?傅筹が南境に行ったことを知っていて?今回の訪問で何が起こるか分からないわ〜 今では子供たちも皆、大きくなった…面白い芝居が見られそうね~ だけど残念だわ~あなたにこの名舞台を見せてあげられない… 代わりに私がちゃんと見届けてあげる♪」苻鴛は一体、何を企んでいるのか。「水晶の棺で眠るのはもう飽きたでしょう?外に出てお日様を眺めてはいかが?」その頃、痕香は人里離れた山あいの家で傅筹をかくまっていた。しかし傅筹はまだ意識が戻らず、手持ちの薬も使い果たしてしまう。痕香はふもとの町まで降りて行ったが、すでに傅筹の手配書が出回っていた。痕香は町医者を脅して辺境へ同行し、傅筹を診察させた。薬材も手に入れ、早速、薬湯を飲ませていたが、急に傅筹が苦しそうに痕香の手を握りしめる。痕香はこの1年余りで傅筹への情を断ち切れると思っていたが、傅筹の姿を見た途端、それが間違いだと分かった。こうして傅筹が自分の話を静かに聞いてくれたのは10年以上も前のことだろうか。一緒に訓練を受けていた頃の傅筹は優しかった。その優しさは痕香に永遠に一緒にいられる、そう思わせてくれたが、結局、努力しても傅筹は遠ざかってしまう。「あなたの子を産んだことを伝えてもいいのかしら…」容楽の傷は幸い軽症だった。しかしこの一件以来、無憂は容楽と目を合わせようとしない。その日も夕餉は漫音(マンイン)閣に現れたが、漫夭と話をしようとしなかった。すると容楽は無憂が料理に手を伸ばした時、甲に火傷の傷があることに気づく。「はっ!怪我をしたの?」無憂は居たたまれなくなり、急用を思い出したと断って席を立った。そこへちょうど蕭可(ショウカ)が薬膳を運んで来る。容楽が黎王のために4つの生薬を選んで作ったと教えたが、薬材の内容を聞いた無憂は呆れた。どうやら漫夭は自分の真意が分かっていないらしい。「傅筹に嫉妬して不機嫌だと思っているのか?」「…無憂?明日、午の刻に博古(ハッコ)堂へ行くわ、来てね?」しかし無憂は返事もせず帰ってしまう。翌日、無憂は学童を訪ねた。すると子供たちは王妃なら隠れているので自分で探すよう伝え、外へ遊びに行ってしまう。その時、容楽が後ろからこっそり近づき、両手で無憂に目隠しした。「もう2度とあなたに私を探させない、あなたが目を開ければいつでも…」容楽は手を離して無憂の前に立つ。「ほら、私はあなたの前にいるわ」無憂は思わず失笑したが、慌ててまた難しい顔をした。「機嫌を直して? 何が起こっても一番にあなたを思い出し、慎重に行動して危険を避けるようにする!」「分かればいい、相手が誰でも1人で危険を冒すな」「(*゚▽゚)*。_。)ウン!許してくれる?」「そもそも怒ってはおらぬ、漫夭、怒ったのではなく怖かったのだ」「分かってる分かってる、また私が以前のような目に遭ったりしないか心配なのよね?」容楽は2度としないと約束し、2人は仲直りした。そこで容楽は2人の白髪を切って一緒に結び、これも巷の風習だと教える。婚姻の時に夫婦はこうしてお互いの髪を切って一緒に結び、共白髪まで添い遂げる証しにするのだ。「″髪を結びて夫婦とあらば恩愛を疑わず″…」無憂はすでに白髪となった2人の証しを愛おしそうに眺めながら、漫夭を抱き寄せた。傅筹がようやく目を覚ました。しかし介抱していた痕香の手をいきなりつかみ、反射的に自分の剣に手をかける。痕香は傅筹の反応に落胆しながら、官兵が絵姿を持って傅筹を捜索しており、検問があると教えた。辺境とは言えここに長居はできないが、北臨の摂政王ともなれば救援は来るだろう。「私は行くわ」痕香は外で拘束していた町医者を片付けることにした。しかし町医者に1歳の誕生日を迎える娘がいると知り、仕方なく口止めして解放してやる。「お前が見逃してやるとは珍しい…」その声は傅筹だった。「人は変わるし、生来の悪人じゃないわ…行くのね?」すると運悪く傅筹を探している官兵たちの一行がやって来る。この家で最後だ~>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<行くぞ~!官兵が家に入ると、男と女が痴話喧嘩していた。そこで傅筹の絵姿を広げ、この男を知らないか聞いてみる。痕香は咄嗟に手配書に水をかけて台無しにすると、取り込み中だと怒鳴った。しかし官兵は傅筹に顔を見せろと迫り、痕香と傅筹に緊張が走る。ちょうどその時、付近を捜索していた官兵が駆けつけた。外で暗器を見つけたという。暗器を見た官兵たちは驚き、慌てて出て行った。傅筹は痕香のために暗器を使うのは項影(コウエイ)だと分かっていた。ともかくこれで過去のことは帳消しにすると告げ、出て行けという。痕香は誤解がないよう自分の生きる目的なら他にあると教え、傅筹に何も期待していないと言った。「昔のよしみで助けただけよ」そこに項影が飛び込んで来る。「官兵は引き離したが危険だ、若門主、すぐに…」「もう若門主ではないし、天仇門(テンキュウモン)も消えた… 項影?救われて主として仕えたなら、簡単に裏切るな」「…ご存知でしたか」項影は傅筹が初めから自分が容楽に仕えていると知っていながら見逃してくれたと分かった。あの時、傅筹は項影を罰したが、殺す気はなかった。重罰を科したのは項影の過失を責めたわけではなく、項影の故意をとがめたのだという。傅筹は清涼(セイリョウ)湖で項影が容楽を守れなかったのではなく、痕香の望みを叶えるために故意に守らなかったと気づいていた。「容楽に仕えたのは良心の呵責からだろう?」かつて項影は傅筹の命を救った時、従者として生死を共にし、決して裏切らないと誓ってくれた。項影を軍に入れてからの10年、傅筹は自分の命すら項影に預けてきたという。そして常に自分の期待に応えてきた項影、しかしあの時、まさか項影が痕香のために容楽を殺そうとするとは…。項影は傅筹に心から背いたことはないと訴え、傅筹の過去も一切、明かしていないと伝えた。ただどうしても自分が許せないなら、この命を返すという。すると傅筹は剣を一振りし、項影の首ではなく簾を切り落とした。「知っての通り、私は裏切り者を決して許さぬが、今日の助力に免じて帳消しとしよう だが今度、会う時には赤の他人だぞ?主従でもなく恩義もない」そこで項影は去る前に一言だけ助言した。「求めて得られぬのは苦しい、執着して苦しむより、手放すべきでは? その人もあなたも楽になるはずです」痕香はそれが自分への言葉でもあると分かった。「言うのは簡単よ…でも実際には得られぬからこそ執着するの」痕香は思い切って子供のことを打ち明けることにした。しかし項影が慌てて痕香を引っ張って出て行ってしまう。項影はあの夜のせいで容楽を失った傅筹が子供のために痕香を身近に置くとは思えないと忠告した。例え我が子と認めても連れて帰るのは子供だけ、結局、子供を失ってしまうことになるという。「もうあきらめろ」すると痕香は傅筹が無事に南境を離れたら、今度こそ過去を全て手放して忘れてみせると約束した。傅筹が自分に借りを作りたくないことも、また執着されるのも嫌だと分かっていたが、今はまだ1人にできない。「これが最後よ…」痕香は家に戻ろうとしたが、傅筹は扉を固く閉ざした。容楽に再び毒の症状が現れ始めた。蕭可はてっきり毒を抑えられたと思っていたが、こうなると血烏(ケツウ)を逃したのが悔やまれる。確かに容楽はこの1年、元気だった。まさかそれが将軍府で容斉(ヨウセイ)がくれた菓子のおかげだとは知る由もない。しかし容楽は毒に冒されても悪いことばかりではなかったと言った。余命が少ないと知ってから過去への執着を手放し、今を大切にするようなったという。「全身全霊で無憂との時間を過ごしたい」蕭可は今までの処方を見直してみると言って本棚に向かった。そこへ偶然、無憂が現れ、箱を開けて蕭可に見せる。「あ!血烏!どこでこれを?!」「漫夭には言わず、処方に使ってくれ」驚いた容楽は咄嗟に物陰に隠れた。すると無憂は隠して使わない限り、漫夭は自分に気を使って決して服用しないという。無憂が薬房を出ると、容楽が出てきた。容楽は不思議な血烏を見て思わず手を伸ばしたが、血烏が吸い付いてしまう。驚いた蕭可はすぐ容楽の手を引き離した。「大丈夫?血烏は血を吸うのよ?体内の気も損なわれるし、ひどく痛むわ」一方、無相子は引き続き検問で傅筹を捜索していた。その時、挙動不審の家族を見つける。それは痕香が見逃したあの町医者だった。傅筹に拒否された痕香は庭で洗濯していた。そこへ偵察していた項影が戻り、無隠楼(ムインロウ)に気づかれたと伝える。驚いた痕香は家の中へ飛び込んだが、すでに傅筹は消えていた。その時、無相子が現れ、痕香と鉢合わせになる。痕香は咄嗟に暗器を放ち、その隙に項影と脱出した。すると無陰楼が駆けつけ、騎兵と馬車が城門を突破したと報告する。一方、無憂も冷炎から急報を聞いていた。「殿下!辺境に傅筹の足取りが…」つづく(  ̄꒳ ̄)アドラー心理学でも読んで早く手放してくれ〜(笑
2020.08.16
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大明风华 Ming Dynasty第28話「隠された記録」皇太子・朱高熾(シュコウシ)が喀血して倒れた。そこで皇太子派の楊士奇(ヨウシキ)・楊栄(ヨウエイ)・楊溥(ヨウフ)は3人だけで墨(ボク)侍医と面会する。墨侍医は診察録を渡すと、皇太子には糖尿の持病がある上、昨今の忙しさが災いし、もはや神でも治療できないと匙を投げた。「命の火は消えかけています 養生すれば少しは延ばせますが、このままお身体を酷使なされば、悲惨な結果を招きます」楊士奇は仕方なく診療録を預かることにした。しかし皇族の診療記録は一番に皇帝へ届けなければならず、墨侍医は必要なら写すよう頼む。そこで楊士奇は急ぐなら軍報と一緒に届けるとなかば強引に取り上げ、口止めして墨侍医を帰した。楊士奇は楊栄と楊溥を酒楼の個室に呼び出した。そこでこれから不正を犯すと断り、関わりたくなければ自分1人でやるという。「この診療録は皇上に届けないでおく」今は戦の真っただ中、永楽帝に余計な心配をかけたくなかったが、他にもう1つ理由があった。今回は漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)と趙(チョウ)王・朱高燧(シュコウスイ)が参謀、2人は皇帝に届く書簡すべてに目を通すことができる。皇太子の病状を知った2人が野望を抱き、もし帝位争いのために都に戻ったら、皇帝は孤立無援に…。「つまりこの一枚の紙が災いの元となる、端緒を開くのは私たち3人だ」しかし楊栄は楊士奇の勝手な憶測に過ぎないと反論、皇帝が漢王に帝位を継がせる可能性も排除できないと訴えた。楊溥は確かに漢王なら勇敢で頼もしい皇帝になると言ったが、漢王の子で皇太孫より勇敢な者がいるかは疑問だという。「太孫が優秀であることは皇上も認めている、普通に考えれば帝位は太子から太孫へ継がれるべきだ」楊溥は楊士奇に賛同し、杯を空けた。すると楊士奇は楊栄に酒を注ぎながら、自分たちは紛れもなく皇太子派だと告げる。「漢王と趙王、どちらが皇帝になっても、待ち受けるのは流刑と家財の没収だ…」楊士奇に脅された楊栄は苦渋の選択を迫られたが、結局、杯を空けた。「漢王・趙王と親しい都の兵は山東の備倭(ビワ)兵と交代させる 備倭軍の将軍は太子爺が抜擢した者、今こそ使うべきだ 九門と山海関は封鎖する、晋陽(シンヨウ)と大同と宣化(センカ)も同様だ 聖旨を持たざる者は1人も通さぬ」皇太子は屋敷で静養することになったが、政務のことが頭から離れなかった。何より戦地にいる息子を守るため、自分が支援してやらねばならない。皇太子妃・張妍(チョウケン)は夫の身体と息子の命を天秤にかけることなどできず、病を押して書斎へ向かう皇太子を止めることができなかった。一方、戦地は再び雨が降り出した。軍営に戻った朱瞻基(シュセンキ)は大雨になると警告し、神機営に大砲や火薬を片付けるよう命じる。その姿を兵に紛れた聶興(ジョウキョウ)が物陰から見ていたが…。東宮の書斎に楊士奇・楊栄・楊溥が駆けつけた。皇太子は歩くのも辛そうだったが、早速、協議を始める。草原は8月が過ぎれば冷え込んで来るため、皇太子は父の身体を心配していた。「だがすでに兵を分けた、どうやら戦を続けるつもりだろう」「最善の策は兵力を分散させた後、皇上の主力軍を後退させることです 漢王と趙王の三千営は救援が早く、戦闘力も高い、タタールに隙を与えません もし前進すれば、予測もつかぬ事が起きましょう」楊士奇の話は正論だったが、皇太子は父の気性を誰より良く知っていた。とにかく粘り強く、勝ち気、今さら後退させるのは難しいだろう。そこへ山のような軍報が届いた。皇太子は3人の話を聞きながら、一冊ずつ軍報に目を通していた。すると都の兵が交代になったと知り、楊士奇たちの仕業だと勘づいてしまう。4カ所で同時に兵を交代させたとなれば、謀反の準備かと勘ぐられるのは必至、皇太子は思わず3人に首を洗って待つよう命じた。「家族にも別れを告げておくのだ」憤慨した皇太子は居所に戻ることにしたが、楊士奇たちはその場にひざまずいて引き留める。「太子爺、朝廷を乱してはなりません!殿下はお身体が悪く、戦局は不明、 漢王と趙王が野心を持てば大乱が起きましょう 皇上が無事に帰還なされば、私たち3人で自害して償います!」3人は叩頭すると、楊士奇が奏状を差し出した。「そなたが首謀か?」「…はい」皇太子は楊士奇の大胆な行動に驚きながらも、前線の状況がそこまで悪化しているのかと落胆する。そこで楊士奇は必死に皇太子を説得した。永楽帝に後退する気がない上、天候は荒れるばかり、これでは目が見えぬ者が夜半に沼へ近づくも同然だという。もし戦に敗れ、漢王と趙王が挙兵すれば、靖難(セイナン)の悲劇が繰り返されるだろう。その時に収拾しようとしても、どうにもならないのだ。「…4カ所で兵を交代させたことを皇上に隠し通せるのか? 皇上が耳にすれば原因究明のため、戻られるはず…」すると楊栄は前線への軍報が自分の管轄のため、絶対に漏らさないと約束した。確かに2人の弟たちが悠長に構えているとは思えない…。皇太子は何やら考え事をしながら、結局、奏状は受け取らずに門に向かって歩き出した。太子爺!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<太子爺!<太子爺!「帰りなさい、他に良い方法がないか考えてみよう」その頃、明の軍営では朱瞻基が二叔の主張する三峡行きに猛反対していた。「三峡を過ぎれば道は狭い!砲車や荷車が立ち往生すれば両脇の山から攻撃される! この道は通れません!」「何という口の利き方だ!」さすがに永楽帝も朱瞻機の言い草を見逃してくれなかった。「今、何と?」「いえ…まぁ~言い過ぎました!」すると永楽帝は三峡を過ぎればタタールの本営にたどり着くことから、両脇の山を抑えるよう命じた。来月になって雪が降り出せば行軍は難しくなる。そこで朱高煦は10万の兵を有する自分と老三が敵の主力をおびき出し、大砲と銃でおさえ込むと言った。朱高燧も多少、道が狭くても自分と二兄の左右両軍が山に登って見張れば良いという。しかし朱瞻基は死地を目指す人に何を言っても無駄だと呆れ果て、これまでの不満が爆発した。「″戦は6月に終わる″と以前、誰もが言っていた もう8月ですが計画は半分も進んでいない…一体、誰が妄言を?」「…私が言った」永楽帝がぼそっと言った。うっかり口を滑らせた朱瞻基は黙り込んだが、ここぞとばかりに2人の叔父から続けろとまくし立てられてしまう。すると朱瞻基は進軍が遅いと嘆き、雨で大砲や銃が使えないなら兵を使って戦い方を変えれば良いと二叔に噛み付いた。「単に愚かなだけです! ウラーン・ホシューンでも私の左右軍は割りを食い、タタールの陣営跡を占拠しただけ しかも4月12日と19日は敵に迫るもオノン川で2度の連敗、こう着状態が4ヶ月も続きました 後方補給はアルクタイに台なしにされ、多くの兵が犠牲に…」「お前は皇帝か!」さすがにしゃくに触った永楽帝が一喝、身の程知らずだと憤慨した。 蒙古の部族が手を組んだが、かえって西や東に移動する手間が省けたというもの、目下の問題は天候で、戦略が失敗したことではないという。「ところでなぜお前は″撤退する″と触れ回った?」「爺爺?!」「″皇上″だ、ここは戦場である…先鋒として三峡を攻めよ、負けて戻れば斬る」「御意!」一方、アルクタイは先月、明軍の補給を断つと約束していたが、未だ果たせていなかった。使者は明軍の攻撃を受けていると説明し、このまま仲間が死に続ければアルクタイの軍は全滅だと訴える。しかしマフムードは孫のエセンに命じて使者を殺した。トクトア・ブハは戦の指揮を任せたが殺しは認めていないと憤慨し、このままでは戦が終わる前に草原が遊牧民の屍だらけになると反発する。他の部族たちもトクトア・ブハに追従したが、マフムードから″ならば投降しろ″と突き放され、ぐうの音も出ない。「三峡での戦いが最難関だ、明軍は全力でかかって来る、三峡を死守すればこの戦は必ず勝てよう」マフムードは部族たちの反感をかわすため、今回の先鋒にはオイラト兵を立たせると言った。「お前たちは道を阻み、主力を明軍の左右に潜ませろ、敵の士気を削げば一気に撃滅できる!」マフムードは次の戦いで勝敗が決まると伝え、散会した。マフムードは三峡の戦いに孫のエセンを参加させないことにした。そして1万の精鋭を一緒に残し、自分が負けた時はオノン川を渡って西へ逃げるよう命じる。「雪が降れば明軍は追ってこない、オイラトの血筋を守るのだ」「…爺爺、私たちは負けると?」「勝ちたいが恐らく無理だろう…エセン、戦場には来るな」その夜、朱瞻基は三峡に向けて発つことになった。于謙(ウケン)は慌てて駆け寄り、皇太孫の意見に賛同すると訴える。「出陣すれば無駄死にです!皇上の説得を!三峡は大明軍に不利な場所だ、武力には頼れません 戦は退くべき時もある、皇上はあなたに八つ当たりしてる!」「今は聞く耳を持たぬ、私が三峡で死んだ時、初めて後悔するのだろう」朱瞻基は于謙が止めるのも聞かず、先発隊を率いて馬を駆けて行った。「いけません!お戻りを!マフムードに大明軍の手法は筒抜けだ!三峡は突破できませんよ!」宮中では皇太孫嬪・孫若微(ソンジャクビ)がこの1ヶ月、皇太子の政務を手伝っていた。そのお陰で自然と戦局が不利だと気付いたが、皇太子は書斎を出たら奏状のことは全て忘れるよう厳命する。すると張妍が漢王妃と趙王妃から質問責めにされたと文句を言いながら帰って来た。「胡善祥(コゼンショウ)がいればはぐらかせるけど、孫小姐ならきっと黙っているだけね!」その時、奥の部屋から若微が現れた。「私は失礼した方がよろしいでしょうか」ばつが悪い張妍だったが、皇太子が家族なので気にするなと取り持った。張妍は王妃たちが前線の状況を知りたがっていると話した。兵部と内閣が太子府に入り浸りで朝廷と化していると嫌みを言われたという。皇太子はどうせ自分に尋ねに来る度胸はないのだと高を括ったが、若微が思わず口をはさんだ。「一度、来れば度胸がつきます…」若微は王妃たちが本当に知りたいのは皇太子の容体だと指摘する。恐らく侍医院から話が漏れたのだろう。すると若微は棚から奏状を持って来た。「食料を輸送する輜重(シチョウ)隊の将校が書いた奏状と吏部が提出した将校の昇進の記録です 職務の履歴も記されています、私が照合したところ、輜重隊の主管数名が漢王の元配下でした よって前線の状況は王妃たちもご存知のはず…」若微は王妃たちがしつこく尋ねるのは皇太子の病状を探るためだと言った。ふと皇太子は楊士奇も自分が倒れれば弟たちが野心をあらわにすると恐れていたことを思い出す。「前線は今が肝心だ、お前たちが一言でも漏らせば大乱が起こる、肝に命じておけ」若微はうなずき、薬湯ができたか見て来ると言って出て行った。張妍は急に不安になって来た。夫に何かあれば大乱にかかわらず、自分と息子が破滅する。「妻子を守るためにも侍医に従って!」「妻子を守るためでなければここまで精を出さない 息子は前線に立ち、私は後方から支える、強い垣根を作れば野犬は入れない 少しでも隙があれば総崩れだ」皇太子は国の機密まで張妍が知る必要はないと話を切り上げ、自分に任せておけばいいとなだめた。すると張妍はなぜ官吏でなく若微に代筆させるのか訝しむ。「…漢王の手下が誰か分かるか?太孫嬪は口が硬く、私の署名も上手に真似る、しかも家族なのだ」いよいよ三峡での戦いが始まった。明軍が大砲を山の斜面に打ち込むのを合図に、朱瞻基たち先鋒隊が一斉になだれ込む。その様子を後方から永楽帝が見守っていた。しかしやがて樊忠(ハンチュウ)は先鋒隊を撤退させるよう嘆願、このままでは全滅すると訴える。「太孫がいます!」「朱家の者は逃げ戻ったりせぬ、五軍営を出せ」朱瞻基は落馬し、激戦の真っただ中に放り出された。その時、明の兵士を装った聶興が向かって来るのが見える。朱瞻基は剣を構えたが、いきなり突進してきた敵の馬と激突、吹っ飛んだ。さらに起き上がろうとした矢先、敵の錘子(ハンマー)で顔を殴打されてしまう。朱瞻基は血を吐きながらふらふらになって立ち上がったが、その場で崩れ落ちるように倒れた。つづく( ๑≧ꇴ≦)最高のパパだった皇太子!そしてここでまさかの聶興?!すっかり忘れていたのにw
2020.08.15
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大明风华 Ming Dynasty第27話「友の正体」その夜、皇太孫嬪・孫若微(ソンジャクビ)はいつものように兵部に詰めている皇太子・朱高熾(シュコウシ)に薬湯を差し入れた。すると皇太子が激しく咳き込んで薬を吐き出してしまい、驚いた若微は侍医を呼ぼうとする。しかし皇太子は侍医を呼べば憶測を招くと止めた。「都の不穏は前線に影響する…」皇太子はそのまま机に向かって皇帝への書簡を書くことにしたが、あまりの苦しさに持っていた筆を放り投げてしまう。若微は咄嗟に床に落ちた筆を拾い、改めて墨に浸してから筆置きに戻した。手慣れた様子を見た皇太子は若微も字が書けると気づき、代筆を頼む。「はあ?ですが…」「いいからここへ…私の言葉をそこに記せ」…皇帝は兵を率いて不毛の地に入られたとか…タタールは一旦、退却したものの、大明(ミン)軍の両翼で反撃の時を狙い、…アルクタイは補給路に潜んでいると聞きました…かような敵軍の戦略は予断を許しませぬ…私は憂慮しています…各敵軍の統率者の中にいる兵法に精通した者が、大明軍を不利な地に追い込むのではないかと皇太子は若微の代筆を確認して満足した。若微が父から習ったという字は女子があまり用いらない字体で、角張っていて力強い。皇太子は若微の父は変わり者だと笑ったが、ふと戦場にいる永楽帝に思いを馳せた。「神のご加護を…お守りください、父上とこの大明を」その頃、寝殿に戻った皇太孫妃・胡善祥(コゼンショウ)は、尚儀局の女官から胡尚儀の異変について報告を受けていた。何でも胡尚儀は不本意な移住のため皇太子妃に暇乞いをしたが、却下されたという。「尚儀大人(ダーレン)は移住後、よく日中に眠り、体罰も行い、横暴になりました 皆が耐えられず、太子妃娘娘(ニャンニャン)に訴えることに…」女官の言い分では胡尚儀の話が小声で聞き取れず、判断力も落ちており、いつも大酒を飲んでいるという。しかし胡善祥は先に皇太子妃に密告したことに憤慨、年老いた姑姑(ココ)を尚儀の座から引きずり降ろそうとする陰謀だと胡尚儀の肩を持った。一方、軍営の于謙(ウケン)は夜番を免れ、よく眠っていた。しかし激しい剣戟(ケンゲキ)の音でふと目を覚まし、寝ぼけ眼で外へ出てみる。すると明の兵士たちが敵軍に襲われていた。天幕の前にはなぜか椅子に腰かけるハシジュスの姿が…。于謙は慌てて駆けつけ、ハシジュスの腕をつかんで逃げようと声をかけた。そこへ明の兵士が現れ、于謙をハシジュスから引き離す。于謙は何が起きたのか分からず、自分をかばってハシジュスに斬り殺される兵士を呆然と見ていた。その時、立ち上がったハシジュスに気づいた敵軍が一斉に拝跪する。「大ハーン!」実はハシジュスはオイラトの可汗・マフムードだった。マフムードは一緒にオイラトへ行こうと誘い、于謙と友になりたいと丁重に頭を下げた。于謙は間髪入れず断ると、明の兵士が于謙を守るためマフムードに挑み、あっさり斬られてしまう。その場に倒れた兵士たちは、息も絶え絶えに于謙に逃げるよう訴え続けていた。「この野営が設けられた理由を知っているか?于謙、お前を守るためだ …この者を殺し、私と行くぞ!消息を絶てる!」するとマフムードは無理矢やり于謙の手に剣を握らせ、その剣で倒れている兵士にとどめを刺してしまう。「何てことを!惨すぎる!信じられん!私を殺せぇぇぇ!」泣き叫ぶ于謙を見たマフムードは連れ帰るのをあきらめ、どちらにせよ書生を殺せば天下の笑い物になると見逃した。「生きて確かめろ、我々のどちらが勝者かを…」胡善祥は密かに胡尚儀の寝殿を訪ねた。すると姑姑は酒瓶を手にしたまま、長椅子で酔いつぶれている。胡善祥は酒瓶を片付け、姑姑の寝相を直そうとしたが、その時、胡尚儀がふと目を覚ました。こらえ切れなくなった胡尚儀は胡善祥から顔を背けて涙し、思わず本音が漏れる。「ゥッ…お前が恋しい…」胡善祥は姑姑の背中に顔を埋め、しばしそのまま一緒にいた。皇太孫・朱瞻基(シュセンキ)が于謙の野営に駆けつけた。兵士は全滅、しかし戦火の中でただひとり生き残った于謙を発見する。「マフムードが…大明の戦法″拐子馬(カイシバ)″を…習得して帰った…」一方、明の軍営にはタタールのハーンであるトクトア・ブハが、兄弟や将軍を率いて永楽帝に謁見していた。トクトア・ブハは自分の仲間が勝手に明の民を傷つけたと謝罪し、牛羊でも金銀でも何でも渡すので軍を撤退させて和睦して欲しいと嘆願する。しかし永楽帝はトクトア・ブハ自身もかつて明の民を害したと指摘した。「永楽5年に遼東(リョウトウ)を略奪しただろう?永楽9年には大同(ダイドウ)城の民を略奪した 1万人以上の男を連れ去り、女や子供を殺めた 永楽11年や永楽12年、さらに永楽15年、自ら兵を率い、辺境の地を奪い取った そして今になって撤兵させろだと?…手遅れだ~」そこで永楽帝は物は相談、償うというなら十数万人を返してくれと迫る。トクトア・ブハは自分の部族が滅亡してしまうと訴えたが、永楽帝はならば自分たちが出向くしかないと言った。こうして交渉は決裂、トクトア・ブハは戦場で会おうと啖呵を切って帰って行く。すると入れ違いで朱瞻基が現れ、祖父に何やら耳打ちした。朱瞻基は于謙が待つ天幕に祖父を案内、外で2人の話を聞いていた。憔悴した于謙は軍馬営が襲われたと報告し、70数名が死んだと落胆する。「マフムードが皆は私を守るために死んだと…」「太孫が兵を率いて助けに行ったとか…そなたが生きていて良かった その高慢な性格を変えて朝臣となれば、価値のある犠牲と言える」「この于謙、ご教示に感謝を…」于謙は叩頭すると、永楽帝は早速、マフムードについて聞くことにした。于謙が出会った時、マフムードは馬夫頭だった。明で20年ほど暮らし、その間に神機営へ行って大砲・銃・火薬を作り、五軍営では城壁を造り、武器を鋳造し、三千営では馬の飼育をしたと聞いたという。「私と兵法を語るのが日課でした この1年は地図を描くことを好み、洪武(コウブ)年以来の大明の辺境での戦法を討論しました 遊牧民で部族が皆殺しになり、飼育係になった、そう思っていたのに… なぜ気づかなかったんだ@俺!」永楽帝はマフムードがあの時、天幕で于謙と一緒に隠れて酒を飲んだ男だと知った。意思も強く、漢族の言葉もうまい、聞くまでもなく肝が据わっているらしい。しかし永楽帝はマフムードが自分の敵となれるのか楽しみにしておこうと笑った。「お前は私の幕営で参謀となれ」「兵法は分かりませぬ」「マフムードに習っただろう?奴は大明の内情を理解した…逆も然りであろう」明軍はいよいよオノン川までやって来た。永楽帝はオノン川を望みながら、遊牧民たちの祖先がここを起点に天下統一したと話す。「この地まで到着できたのは500年来、私だけだ、わははは~ ウリヤンハイにオイラト、タタールは皆、大明の旧友たちだ そして皆が揃い、時は満ちた…今日は全力を尽くすぞ」そして永楽帝は我らの子孫を戦で苦しめぬためにも、敵を破るまで決して戻らないと全軍を鼓舞した。永楽帝の幕営に次々と戦況が届いた。「タタール騎兵隊、出陣!」「神機営、作戦開始!弓弩(キュウド)営は指示待ち!」「三千営、両翼!騎兵は全員、出撃!」「我が軍は敵の攻撃を防ぎ、優勢です!」すると永楽帝が今からタタールを攻撃しろと命じた。こうして明軍とタタールが激突、しかし急に激しい風が吹き荒れ、兵士たちは砂嵐の中で身動きが取れなくなってしまう。誰もが一時、撤退を進言する中、永楽帝は決して認めず、攻めろと発破をかけた。しかしたまり兼ねた両翼の主将が左翼騎兵と右翼騎兵に守備を固めるよう命じてしまう。両翼が守備に転じたと知った朱瞻基は槍部隊が危険だと気づき、引かせて欲しいと嘆願した。これに永楽帝は憤慨、引けば主将を処刑せよと厳命する。拝命した朱瞻基と樊忠(ハンチュウ)は直ちに幕営を飛び出し、前線へ馬を駆けて行った。砂嵐の中、朱瞻基は兵士たちに攻めろと号令をかけた。やがて草原は激しい雷雨に見舞われ、結果、大明軍の死傷者は2万人となる。その夜、軍営に戻った朱瞻基は負傷した兵士を見舞った後、永楽帝の幕舎へ戻った。朱瞻基は両翼の将軍を許して欲しいと嘆願したが、永楽帝は死罪を免じたものの、罰は与えるという。「今季の雨季は早い、雨が降り続ければ神機営は機能せぬ」すると永楽帝は皇太子から届いた書簡を朱瞻基に渡し、よく読めと言った。「お前の父親の言う通りだ、敵にも大明にも策があり、一筋縄ではいかない まだ見ぬこの草原の覇者は、ただ者ではない」一方、マフムード率いる部族のハーンたちは祝宴をあげていた。雨が降れば神機営が動けず、兵力を消耗させる好機になるだろう。上機嫌で酒をあおるマフムード、しかし自分のオイラトの戦力は温存し、タタールとウリヤンハイに戦わせていることから、トクトア・ブハは不満を募らせていた。マフムードは朱棣(シュテイ)が草原を侵略するならオイラトも惜しみなく命を差し出すと訴え、酔った勢いで笑ってごまかしたが…。皇太子が恐れていた事態が現実となった。辺境の部族が手を組んで明軍は決戦の機を逃し、雨が1ヶ月近く降り続いて撤退も叶わず、明軍は死傷者を多く出しているという。補給路をアルクタイに襲われ、物資も送れず、兵部では撤退を検討していた。軍報を読んだ皇太子は動揺し、突然、激しく喀血してしまう。皇太子派の楊士奇(ヨウシキ)・楊栄(ヨウエイ)・楊溥(ヨウフ)は3人だけで墨(ボク)侍医から皇太子の容体を聞くことにしたが…。つづく工エエェェ!!(゚ロ゚ノ)ノ 間者だろうと疑ってはいたけど、まさかのハーン!そして予想外にボロボロだった胡尚儀…( ̄▽ ̄;)
2020.08.15
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白发 Princess Silver第44話「ぶらんこと風鈴」白髪妖婦の一件は解決し、孫継周(ソンケイシュウ)の悪事が白日の下に晒された。孫雅璃(ソンアリ)は収監された父に面会したが、父は未だ命ある限り機を見て挽回すると訴え、自分を利用しようとしている。そもそもこうなったのは父の言葉に従ったせいだというのに…。すると孫継周は確かに白髪妖婦の噂を流し、邪魔者を何人か殺したと認めたが、国を裏切ってはいないと否定した。北営で13人が殺されて反乱を起こした件に自分は関与していないという。しかし雅璃は父が説く仁義や道徳は口先だけで、卑しい本性の隠れ蓑に過ぎないと非難した。これまで孫家の令嬢らしくふまい、親孝行に努めて来たが、気持ちを抑えて来たせいで自分が何を求めているのかも分からず、やっと勇気を出してみれば、こんな悲惨な結末を迎えることになったと嘆く。孫継周は思わず娘の手を握りしめ、自分が悪かったと謝った。それでも自分の言葉を信じて欲しいと頼み、さもなくば孫家は終わってしまうという。その時、雅璃が父の手を振り払った。「父上!ご存知ですか?父上が私を利用する時には優しい顔になることを!…ゥッ…」雅璃は偽りの優しさなどいらないと言い放ち、陰謀もたくさんだと声を荒げた。「今日ここで親子の縁は尽きました…逃走も謀もご自由に… 私には関係ありません、赤の他人ですから!」孫継周は牢をあとにする娘の背中を見ながら、なぜ自分の気持ちが分からないのかと呟いた。「私の娘だぞ?悪いようにはせぬ、お前を捨てたりはせぬ…」漫夭(マンヨウ)のために白髪になった無憂。容楽(ヨウラク)は心苦しく感じながらも、その深い愛情に最高の幸せを感じていた。そこで無憂は改めて妻になって欲しいと懇願し、容楽はついに了承する。「はお、あなたに嫁ぐわ」2人は早速、ひざまずき、月を証人に天地を媒酌として簡素な拝礼の儀を行った。そしてお茶で夫婦の誓いの杯を交わす。「漫夭、雪辱を果たして北臨(ホクリン)の統一を実現したら盛大な婚礼を挙げよう」「私はこれで満足よ、心の赴くままに自然を証人として誓う…素敵なことだわ」無憂は漫夭と夫婦になる夢を実現し、漫夭を抱き上げて床入りの儀に臨んだ。容楽は王妃に冊封され、名実共に黎王妃となった。無憂は桟橋に祭壇を用意し、漫夭と一緒に両親へ婚姻の報告をする。一方、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は羅植(ラショク)将軍と共に辺境へ向かうことになった。七兄が辺境を心配する様子を見た無郁は、傅筹(フチュウ)との大戦が不可避であると覚悟する。しかし中山(チュウザン)での政変が傅筹の私欲によるものとは違い、無憂は最小の犠牲で天下を統一するために力を蓄えているところだった。無郁は傅筹がその時を待ってくれないと反論し、自分たちが機先を制するべきだという。すると無憂は孫継周を洗い出したように、獲物が自ら罠に落ちる可能性もあるとなだめた。ただし傅筹が行動を起こせば決して逃がさないという。無郁は兄に従うと決めたが、ふと父と雲(ウン)貴妃の供養がままならず、水辺で故人をしのぶしかないことを嘆いた。両親のことを思うと直ちに傅筹と決着をつけたくなるのは無憂も同じ、その悲しみは容楽の心にも影を落とす。無憂が雲貴妃を1人残して都を離れたのは自分のためだったが、無憂は自分を気遣っておくびにも出さず、己を責めていた。孫家の財産は没収され、使用人たちも逃げるように去って行った。残ったのは雅璃に仕える春泥(シュンデイ)だけ、すると思いつめた雅璃は錯乱してしまう。そんな中、泠月(レイゲツ)だけは雅璃を気にかけ、足繁く通っていた。薬のお陰で落ち着いた雅璃は泠月の優しさに感謝しながら、恩返しもできないと嘆く。「元気にならなきゃ恩返しもできないでしょ?恩は私が助けて欲しい時に返してもらうわ~ふふ」「本当に感謝しているわ、今後、私の物はあなたの物よ」容楽は祭祀以来、責任を感じてふさぎ込んでいた。心配した無憂は気晴らしに学童へ連れて行くと、無邪気な子供たちに囲まれた容楽に笑顔が戻る。しかし子供たちが暗唱する詩を聞いているうち、ふいに失われた記憶の断片がよみがえった。子供たちの話では無憂が先生を招き、この書を学ばせているという。実は容楽も時折、現れる記憶の中で、必ず2人の少女がその詩を読んでいた。「無憂?どうしてこの詩を選んだの?」「私もこの詩から習い始めた」「その頃の話を聞かせて」すると無憂は思い出し笑いしながら、幼い頃はわんぱくで、ぶらんこで宮女を怖がらせたこともあったと話した。そのぶらんこは当時の師である秦永(シンエイ)から贈られた物だったとか。無憂はその時、お返しに手製の風鈴を贈ったという。…ぶらんこと風鈴容楽の脳裏に急に過去の光景が映し出されるぶらんこに乗っている2人の少女すると歳の頃の近い男の子が現れ、風鈴を軒下に吊るしてくれる『君にあげるよ』『謝謝、哥哥』『いいんだ』容楽は記憶の断片に出てくる娘の1人が自分だと気づいた。あの風鈴をくれた男の子はまさか無憂か、それとも…。しかし何かを思い出そうとすると、激しく頭が痛んだ。無憂は漫夭を連れて薬房を訪ね、蕭可(ショウカ)に診察を頼んだ。すると蕭可は自分が診るようになってから容楽は元気だと太鼓判を押し、頭痛は黎王が無理をさせたせいだと嘘をつく。容楽は確かに近ごろ調子が良かったが、毒が原因で頭痛が起きることを口止めしていた。もし無憂が事実を知れば命がけで解毒法を探すはず、容楽は自分のために大志や敵討ちをあきらめさせたくないという。しかし蕭可は嘘をつくことができない性分、勘の鋭い無憂に怪しまれた。「そう言えば先日、無郁と一緒にどこへ出かけた?」「それは…どこでもないわ!その辺をふらふらしていただけよ!」すると容楽は無憂に蕭可が赤くなっているとささやき、無郁とは秘密の関係らしいとからかう。蕭可はすっかり気が動転し、うっかり薬草を採りに行ったと口を滑らせた。「薬草?何に使うのだ?見せろ」「それが…なかったの」「なかった?」「本当よ!」無憂に追及された蕭可は仕方なく書物を持ち出し、血烏(ケツウ)を探しに行ったが誰かに採られたあとだったと教えた。「薬草採りは無相子(ムソウシ)も一緒だったはずだ、漫夭の薬だろう? 正直に言え、漫夭の病状はどうなのだ?」「頭痛は深刻な病じゃない!血烏は頭痛と白髪の治療に効果があるの! でも危険な場所に生えてる!だから大叔に付き添いを頼んだのよ! ぬか喜びさせたくなくて黙っていたの!やっぱり採れなくて…ゼエゼエ…」無憂に畳み掛けかけられた蕭可は動揺のあまり、息継ぎもせず言い訳した。それがかえって無憂を怪しませる結果になったが、容楽が助け舟を出す。「分かった分かった、つまり無郁との逢瀬ではなくて薬草を採りに行ったのね」「(* ゚ェ゚)*。_。)* ゚ェ゚)*。_。)ウンウン」そこで容楽は自分なら元気だと笑顔を見せ、無憂をなかば強引に引っ張って帰って行った。一方、放浪しながら南境へ流れ着いた項影(コウエイ)は茶楼・別山居(ベツサンキョ)を探っていた。そんなある日、項影はある男たちに気づき、急いで隠れ家に向かう。項影は共に逃亡生活を送る痕香(コンコウ)をかくまっていた。しかも隠れ家には赤子が…。実はかつて容楽になりすまし、愛する傅筹と一夜を共にした痕香は身ごもっていた。すると項影が理由も言わず、今すぐ青州を離れろという。「子供のためと思って今回だけは私に従ってくれ、どうか無事で…」項影と痕香は危険な逃亡生活を2人で乗り越えてきた。それなのになぜ今回ばかりは自分だけを逃すのか。困惑する痕香だったが…。漫音(マンイン)閣に矢文が飛び込んできた。…茶楼・別山居の顧念(コネン)閣へ…旧友より今は巳の刻、そこで容楽は出かけてみることにした。「旧友を名乗るなら誰なのか確かめに行かなくちゃ、手の込んだ招待だもの… 泠月、2刻経っても戻らなければ無憂だけに知らせて…いいわね?2刻よ」面紗をかぶり、剣を佩した容楽は顧念閣へ入った。その様子を項影のあとを付けて来た痕香が偶然にも目撃する。顧念閣には誰もいなかったが、なぜか箱が置いてあった。容楽は蓋を開けてみると、中から蕭可が探していた薬草・血烏が現れる。その時、突然、扉が閉まった。驚いて振り返った容楽、すると奥の間から誰かがやって来る。衝立から顔を出したのは、北境の摂政王となった傅筹だった。「…あなたが旧友?」一方、黎王へ報告に向かっていた泠月は冷炎(レイエン)と出くわした。しかし黎王は外出中、そこで冷炎に公主が危険だと訴え、矢文を渡す。「別山居?!まずいな…別山居で傅筹の姿を見かけた者がいる…」冷炎はすぐ兵士を連れて王府を飛び出した。傅筹は容楽のために血烏を届けに来たと言った。しかし容楽は白髪妖婦の噂を流して無憂を苦境に立たせた傅筹を非難し、今さら贈り物かと呆れる。身に覚えのない傅筹は落胆し、恨みによる故意なのかと疑った。すると容楽はこの1年、幸せだったと話し、無憂への愛で恨みすら消えてしまったという。つづく( ˘ω˘ )結婚式、良かったわ〜傅筹もいい加減しつこいわ〜せっかく良い人なのに〜知らんけどw
2020.08.12
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白发 Princess Silver第43話「逆雪」孫雅璃(ソンアリ)は意外にも容楽(ヨウラク)から王府に呼び出された。容楽は孫継周(ソンケイシュウ)がいない場所で雅璃の口から真実を聞き出そうとしたが、雅璃は黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)から寵愛を受けたと主張する。「私と殿下は想い合っているのに、王妃はなぜ邪魔をなさるのです?」雅璃は孫家の名誉に懸けて後には引けないと頑なだった。仕方なく容楽はそれ以上、追求するのをあきらめ、無憂の決定を孫継周と待つよう告げる。「あなたが王府に入るとなれば私は身を引くわ、ただあなたも覚悟しておいて 泠月(レイゲツ)…話は済んだわ」泠月は雅璃を見送ると、それとなく容楽に助言した。「殿下が本当に孫さんのことを好きなら、 殿下がお喜びになられるよう孫小姐(シャオジエ)を受け入れてはいかがです?」しかし容楽は結果を待つとだけ答えた。朝議も終わりに近づいてきた頃、蔡厳和(サイゲンカ)が急に黎王が孫継周の令嬢を寵愛したのは本当かと切り出した。驚いて顔を見合わせる范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)と陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)、すると黒幕である孫継周がわざとらしく場所をわきまえるよう蔡厳和を叱責する。しかし蔡厳和は容楽がかつて北境の摂政王・傅筹(フチュウ)の夫人だったことを理由に、不貞な上に間者という噂もあると中傷した。そこで孫家の令嬢なら王妃として申し分ないと上奏し、朝臣たちの賛同を得ることに成功する。無憂は娘の貞節まで利用するのかと孫継周を軽蔑し、冷炎(レイエン)に合図した。冷炎が雅璃と蕭可(ショウカ)を連れて朝堂に現れた。すると蕭可が黎王と雅璃の間に何の関係もないと断言する。実は雅璃は寵愛を受けた翌日、黎王に呼び出されていた。…雅璃は昨夜、黎王に急に抱きしめられたと嘘をつき、肌を重ねたと信じ込ませた黎王なら催眠香で熟睡し、何も覚えていないだろうしかし幼なじみのよしみで白状する機会を与えた無憂は、雅璃の作り話に憤慨したその時、蕭可が無憂と同じ衣を着て現れる「雅璃姐姐、ゆうべは私と同じ床で眠れた?夜中に薬房に行った後、ここへ勉強に来たの?ふふ」実は雅璃が潜り込んだ寝台に寝ていたのは蕭可だったさらに証人となる羅家軍の兵士がやって来る無憂は昨日の夕方に羅家軍に出かけ、そのまま羅植(ラショク)将軍と防衛図について徹夜で相談していた酉の正刻前に着替えに戻ったが、雅璃が目を覚ましたのはその時だという動揺を隠せない雅璃、すると蕭可は雅璃にも同じ催眠香を焚いてあげたと教えた…蕭可は雅璃の手首を晒し、生娘である証拠である守宮砂(シュキュウサ)の痣を見せた。朝臣たちは雅璃の嘘だったと知り、騒然となる。雅璃はその場にひざまずいて黎王との間に何もないと認めたが、孫継周がいきなり娘を引っ叩いた。まさか自ら娘の名節を傷つけておきながら、計画が失敗したとなるや娘に罪をなすりつけるとは…。雅璃は父の仕打ちに傷つき、恨めしそうに睨みつけながら下がった。無郁や朝臣たちは何ともひどい下策だと呆れ果てる。おそらく雅璃が北境で傅筹と親しかったことから、孫継周は娘の婚姻を急いだのだろう。しかし孫継周もこのまま黙って引き下がるわけに行かなかった。孫継周は娘を娶ってもらえなくても、白髪妖婦と噂される容楽には兵の命を償ってもらうと話をすり替える。「妖怪を処罰して死者の魂を慰める、これが民の願い、 別に王妃を迎えて朝廷の秩序を正すのが臣下の願いです」「たくさんだ!漫夭(マンヨウ)は私の妻だ、指一本、触れさせぬぞ!」無憂はさすがに苛立ちを隠せず、妖怪の噂の出所も、兵を殺したのが誰かも分かっていると見得を切った。その時、急報が届く。濯(タク)州へ救済に向かった北営の兵たちが急に戻り、羅家軍と対峙しているというのだ。実は昨夜、北営で兵士が13人、横死していた。何者かが羅家軍の白髪妖婦の噂を北営に伝えたようで、暴動が起きたという。「王妃を差し出さねば青州と王府を攻めると…」無憂は思いがけず早急に手を打たねばならなくなった。そこでこの件に関して必ず証拠を示すと公言、北営の兵らが納得する裁きを約束した。翌日、羅家軍はついに北営になだれ込み、兵士たちを包囲した。羅植は自分の弟・羅橋(ラキョウ)も陰謀によって殺されたと教え、本当に王妃が手を下したなら決して黙っていないと訴える。「殿下は本日中に証拠を示し、犯人を裁くと約束された!」すると北営の兵士たちはひとまず平静を取り戻した。一方、北境では鬼面の間者が符鴛(フエン)に孫継周からの密書を届けていた。…摂政王の命は遂行しました、一族の命をお護りください…間者は南境からも皇太后の命を遂行したと知らせがあったと報告する。「孫大人という男、なかなか使い道がありそうね~ただ私欲の深い者ほど、どうしても臆病になる」符鴛の指摘通り、孫継周は羅橋を殺しただけで早くも交渉して来た。他の間者に13人の兵士を殺させたが、さらに宗政無憂を追いつめる必要があるだろう。すると間者は摂政王が病に伏せっているといいながら不在だと密告した。符鴛は直ちに傅筹の御書房に乗り込んだ。守衛たちも皇太后では阻むことができず、留守を任されていた常堅(ジョウケン)も誤魔化しきれない。「…王上は南境へ行かれました、私はお供を許されませんでした できる限りご不在を内密にせよとのご命令でして…」符鴛はすぐ容楽のためだと分かった。権力を持ったことで自分の目をごまかすようになるとは…。すると符鴛は自分に報告を怠った罰として常堅を杖刑40回に処すと言った。「今日からは皇宮内外のすべての事情を森閻(シンエン)宮に報告し、哀家(アイジャ)に指示を仰ぐよう命ず 今後も故意に哀家に知らせぬ状況があれば、死をもって罪を償え!」 ( ๑≧ꇴ≦)あいじゃもメンドクセー!中庭に出た容楽は偶然、范陽王と無郁の話を耳にした。巷では白髪妖婦が自分だと噂されていることは知っていたが、そのせいで無憂が臣下や兵士たちと対立しているらしい。どうやら無憂は自分に知らせないよう口止めし、孫継周と蔡厳和を連れて北営に向かったようだ。容楽は無憂の寝殿に声もかけず、いきなり入った。無憂はすでに出かけたあとだったが、寝所の床には割れた薬瓶が散乱し、寝台には喀血した跡が残っている。そこへ蕭可が現れた。蕭可はこっそり片付ける予定だったが、容楽からこの薬瓶には何が入っていたのかと問い詰められてしまう。嘘がつけない蕭可は仕方なく、正直に″逆雪(ゲキセツ)″だと教えた。ついに日が暮れ、北営ではしびれを切らした兵士たちが再び暴れ出した。その時、ようやく黎王が高官たちを連れて現れる。外套を目深にかぶった無憂は壇上に上がると、早速、検死官が報告した。「殿下、13人は羅橋将軍と同様、出血多量で死んでいます 歯型があるものの致命傷は刀傷で、吸血などあり得ません」すると検死官は冷炎が発見した短剣を出し、これが凶器だと断定した。続いて凶器を持っていた白髪の女が壇上に連行される。羅植は弟を殺した白髪妖婦に思わずつかみかかったが、その時、白髪のカツラが取れて黒髪が現れた。「孫大人?近くでとくと見よ、知り合いではないか?」孫継周は無憂に呼ばれて壇上で女の顔を確認したが、知らないという。そこで冷炎は別山居(ベツサンキョ)の使用人を連れて来た。使用人は孫継周を見るなり、なぜ自分を殺そうとしたのかと憤慨し、全て暴露してしまう。「1ヶ月前、孫大人の使いから″白髪の女客を見張れ″と言われ、たくさんの銀子を渡されました その客の白髪をあらわにしろというのです、でも王妃娘娘も白髪なので妙だと思いました 何日も考えたあげく、銀子は人づてに返して、故郷に帰ったのです」断られた孫継周は別の者にこの役目を与えた。しかし講談師の捕捉で発覚を恐れ、関係者をすべて抹殺しようとしたのだろう。まず獄卒を買収して講談師を殺したが、店を辞めた使用人は運良く難を逃れていた。無憂は証人たちを下げると、今度は箱を持って来させた。その箱を見た孫継周は顔色が一変する。実は孫継周をここへ連れ出さなければ、無憂はこの箱を見つけられなかったと告白した。すると冷炎がまず箱から権利書を出し、講談師にでたらめを語らせ、人心を操った別山居は孫家の資産だと暴露する。さらに驚くべき密書がいくつも発見され、そこには傅筹の印があった。「″辛酉の動乱での協力に感謝し、反乱軍の軍費に銀5000両を贈る、余れば孫家の資産とされよ″ ″鄭(テイ)氏はすでに亡く、孫氏は安泰だ 高官らには私が賄(マイナイ)を贈り、すべての罪は鄭氏に負わせるよう指示した 豊かな青州の地で余生を楽しまれよ″ ″民は豊かになったが士族は衰退している 宗政無憂を婿として栄華を維持するには白髪妖婦の噂を流されることだ、民の声を利用されよ″」高官や兵士たちは白髪妖婦の作り話だけでなく、6年前の流民の乱や鄭氏が反乱軍と結託して土地を私有化した件にも孫継周が関わっていたと知り、騒然となった。冷炎の話では孫継周が戦乱に紛れて私財を増やし、訴状をもみ消した証拠も全てこの箱にあるという。悪行三昧だな~>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<許せな~い無憂は孫継周の罪を暴き、資産を没収して官爵を剥奪、斬首を待つよう命じた。往生際の悪い孫継周はそれでも王妃の罪は消えないと訴え、2人の男に嫁いだのは事実、政に干渉し、王妃のせいで民が亡くなり、軍の士気が乱れたと難癖をつける。「刺客を雇った私より、殿下を誘惑して国を顧みさせぬ妖婦こそ危険なのでは?!」孫継周は連行されながら、白髪妖婦が黎王の心血を吸い、民の希望を潰すと騒ぎ立てた。それに呼応して蔡厳和も若き白髪の美女は確かに奇異だと訴え、民はそんな白髪の王妃への恐れから黎王にも不信感を抱くと諫言する。その時、無憂がかぶっていた外套をはずし、自らの白髪姿を晒した。「私も白髪になった、いかに私を罰する?王妃を処罰する前に私に手をくだすがいい!」北営に駆けつけた容楽は馬にまたがったまま、無憂の白髪姿を遠目から眺めていた。容楽は蕭可から″逆雪″がとても毒性が強く、希少な劇薬だと聞いた。飲んでも命に別状はないが、地獄の苦しみを味わうことになるという。無憂はあの夜、この毒で血脈が逆流し、万の矢に射られるような苦痛の中、一夜で白髪になっていた。容楽はどうりで寝所がめちゃくちゃに荒れていたわけだと合点が行く。しかしそれだけでなく、蕭可は正直に寿命が10年も縮むと教えた。容楽は面紗を捨て、ゆっくりと無憂の元へやって来た。すると無憂は漫夭を迎え、共に壇上に立つ。「若くして白髪なのが何だというのだ!民が信じるのは私の容姿ではない、私の心だ 王妃が私と共に変法を進めて来たのは民の幸せのためだ 功労を公にせずにきたが、南境の安泰の半分は王妃の功績だ」その時、冷炎がひざまずき、北臨(ホクリン)の玉璽(ギョクジ)を掲げる。無憂は先帝が臨終の際に託した玉璽を王妃が命を懸けて守り抜いたと教えた。そのお陰で自分の身分を証明することができるという。無憂は皇帝の名がいらないため玉璽を隠したと説明、王妃も功労を誇らず、重責を背負ってくれたと感謝した。「白髪を頂く私と王妃は進むも退くも一緒だ! 漫夭は私の唯一の妻にして、南境にとって唯一の王妃である!」こうして容楽の名誉は回復、孫継周は収監された。すると雅璃が父に差し入れを持って面会にやって来る。つづく( ̄▽ ̄;)孫大人のトンデモ理論wよく分からなかったけど、無憂は雅璃が何かやらかすと気づいて蕭可を寝かせておいたの?
2020.08.12
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白发 Princess Silver第42話「旧師への忠告」傅筹(フチュウ)は母の皇太后冊封を重臣に反対され、自分に忠心を抱く者などいないと実感していた。すると符鴛(フエン)は押さえつけが足りないと指摘、一国の君主として弱腰過ぎるという。しかし傅筹は暴君になるのは嫌だと訴えた。「母后、ご安心ください、必ず民の心を掌握してみせます 朝廷の文武百官らも心から従わせてみせましょう」傅筹は母と御書房を出て庭園を散策した。道すがら符鴛はもうすぐ皇太子の命日だと話し、朝臣たちの歓心を買うためにも供養してやりたいという。その時、東宮から急に奇声が聞こえてきた。傅筹は母を侍女に任せて様子を見に行ってみたが、屋敷の一室で天仇門(テンキュウモン)の配下が誰かを鞭で打っている。聞けば林申(リンシン)が半年前に姿を消す際、折檻を命じていったとか。ともかく傅筹は衛兵にその男をつまみ出すよう命じ、折檻されているのが何者なのか確認に向かった。車椅子にはぼさぼさの髪でうなだれている哀れな男が座っている。何とそれは死んだはずの北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)だった。そこへ様子を見に来た符鴛が現れ、北臨帝の姿を見るなり恐怖におののく。「私を裏切って父の国を滅ぼした男よ!雲児(ウンジ)のために私を西啓(サイケイ)帝に差し出したわ!」「西啓帝?…何の話ですか?!」傅筹は意味が分からず尋ねたが、符鴛は悲鳴をあげて錯乱してしまう。傅筹は事情が漏れないよう北臨帝を東宮に監禁したままにした。母も急に興奮して頭に血が上っただけで、病の再発ではないと診断され安堵する。しかし符鴛は北臨帝を一目見ただけで過去に味わった屈辱と、あの男の悪行がすべて呼び起こされたと憎しみを募らせた。さらに天仇門には10年間も苦しめられてきたと訴える。 ←(* ゚ェ゚)何の話?傅筹はすでに天仇門を皆殺しにするよう命じたと教え、林申のみが逃亡中だと嘘をついた。「必ず連れ戻し、母后の意に添う処罰を…」すると符鴛は森閻(シンエン)宮に住み続けているのは傅筹に復讐を忘れさせないためでもあると釘を刺し、今すぐ宗政無憂(ソウセイムユウ)を殺すために南境へ出兵するよう迫る。「あの男の息子が生きている限り、復讐が終わることはないのよ?!」傅筹は時機を見ているだけだとのらりくらりかわしてきたが、母はもう待てないと泣き崩れた。その時、傅筹はふと思い出し、東宮で母が口走った西啓帝について聞いてみる。符鴛は都合が悪くなったのか急に具合が悪くなり、傅筹はそれ以上、追求しなかった。一方、南境では無憂が孫継周(ソンケイシュウ)を子供たちの学堂である博古(ハッコ)堂に呼び出していた。「″道は離れるべからず、離れれば道にあらざるなり″」無憂は幼少の頃に孫継周から教えてもらった書の一節を持ち出し、牽制する。「今も″先生″と呼ぶのは正道に導いてくださった恩ゆえ もしあなたが私とは別の道を選び、自身と孫家、そして北臨に背くならば…」そこで無憂は孫継周に隠居するよう勧めた。「今ならまだ間に合います」しかし孫継周は老いても志は捨てないと断言、隠居など臆病者がすることだと言い放つ。「いたずらに在野で生きるより、朝堂での死を選びます」無憂は話を聞きながら一筆したため、こんなにも長い間、自分たちはお互いを知らなかったのだと感慨深げに言った。すると席を立って孫継周に拝礼する。「師弟の縁はこれまでに、今後、私たちは君と臣です 最後にひと言、忠告を…あと一歩進めば退路はありませんよ?」そう言って無憂は帰って行った。無憂が座っていた机の上には中庸(チュウヨウ)と″退″と書かれた紙がある。孫継周は硯をつかむと、思わず中庸と″退″の文字に墨汁をかけた。無憂から最後の警告を突きつけられた孫継周は娘の雅璃に賭けるしかなくなった。そこで容楽(ヨウラク)に勝ちたいなら大きな賭けに出ろと焚きつける。「お前は殿下に安神(アンシン)香を届けているな? 世間では殿下は眠りが深いと噂されている ←(* ゚ェ゚)どんな世間よ?w これはお前の安神香の効果ではないか?」孫継周は雅璃が先手を打てば、立場を逆転させることも不可能ではないと言った。↓ブラック父娘蕭可(ショウカ)は容楽のため、血烏(ケツウ)の代用品を血眼になって探していた。薬房を訪ねた陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は根を詰める蕭可を心配しながら、七兄に秘密にしても早晩、気づくはずだという。「あ、黎王と言えば前にある奇薬を頼まれたの」無郁はどんな薬か聞こうとしたが、その時、泠月が雅璃を連れてやって来た。公主と話していた雅璃が急に倒れたという。蕭可はすぐ脈診したが、確かに気血の流れが乱れているものの、倒れるほどではなかった。しかし雅璃は立つことができず、結局、そのまま薬房に泊めることにする。すると泠月はまだ仕事があるため、蕭可に看病を任せて帰って行った。夜も更けた頃、雅璃は密かに無憂の書斎に向かった。すると窓紗から人影が見え、ろうそくの炎を消して寝台へ移動する様子を確認する。雅璃は頃合いを見計らい、思い切って書斎へ入ったが、その様子を泠月が物陰から見ていた。雅璃は熟睡している無憂の床に潜り込み、一夜を明かした。ふと目が覚めると、衝立の向こうで着替えている無憂の背中が見える。そこで雅璃はわざと香炉を落とした。控えていた冷炎(レイエン)は何かあったと思い、いきなり殿内に入ってしまう。すると冷炎と侍女たちは寝台にいる雅璃に気づき、驚いた。しかしそこに蕭可が駆けつけ、書斎で衣を脱いで何をしていたのかと聞く。雅璃は外衣を着て慌てて出て行ったが、蕭可は床に落ちた香炉の灰の匂いでピンと来た。一方、容楽も朝の身支度を始めていた。するとこんな時間から孫継周が雅璃を連れて訪ねて来たという。容楽はまだ支度の途中だと断ったが、孫継周は強引に雅璃を連れて入って来た。驚いた泠月は会わない方がいいと止めたが、容楽は客間へ出て行ってしまう。孫継周はいきなり雅璃をひざまずかせると、昨夜、雅璃が黎王の寵愛を受けたと報告した。呆然とする容楽だったが、泠月の様子がおかしかったのは、すでに知っていたからだと気づく。泠月はばつが悪そうに蕭可から聞いたと白状した。「侍女が殿下の朝の支度に行くと、孫小姐が殿下の寝台にいたと… 公主は昨夜、あまり寝ておられぬので…」「だから皆が知っているのに私に隠していたの?誰が口止めを?!」すると孫継周が黎王の意向だろうと口を挟んだ。そこで雅璃を王府に迎え、王妃と共に子孫繁栄の一端を担わせて欲しいと嘆願する。しかし容楽ははっきり断った。「共に殿下に仕えることは許しません!私は無憂しか信じない」孫継周は面目を潰されたと激怒し、古来より君主は後宮に多くの妻を抱えるものだと声を荒げた。「孫大人(ダーレン)、王府で私に意見できるのは殿下だけよ! 真相が明らかになるまでは、殿下が私との約束を決して破らないと信じ続けます!」「王妃よ、よくぞ言ってくれた」無憂が漫音閣に現れた。「どうやら孫大人はあらぬ誤解をしているようだ…」孫継周はその場は引き下がることにしたが、容楽のために再び国を騒がせば民心が揺らぐと忠告する。しかし無憂は漫夭(マンヨウ)の隣に立って肩を抱いた。「忠告に感謝を」孫継周と雅璃は無憂の自信がどこから来るのか分からなかったが、慌てて帰って行った。無憂は泠月を下げた。容楽はこれで孫継周が最後の手に出るだろうとため息を漏らす。しかし無憂は自分に任せてくれと頼み、容楽の手に赤い短冊をつかませた。「中山(チュウザン)で花灯祭に行った夜を覚えているか?2人で一緒に短冊に願い事を書いた…」「覚えてるわ!″子孫繁栄″と書いたと言ったけど嘘でしょう? 水に落として事実は分からずじまいだけど…」すると無憂は容楽を後ろから抱きしめ、2人で一緒に短冊を開いた。そこには″ただ1人の心を得て、白頭となりても離れず″とある。「私の願い事は分かる?″人生に逆境の多くとも、永久に君と見つめ合わん″よ」互いの深い愛情を確認し合った容楽と無憂、その揺るぎない絆が壊れることはないと確信していた。漫音閣を後にした無憂はある覚悟を決めていた。…漫夭、私のために苦しんできたそなたが、今また白髪ゆえに人のそしりを受ける…そなたに言ったはず、これからは私を頼ってくれればいい…二度とそなたを辛い目に遭わせぬと無憂の手には″逆雪(ゲキセツ)″という奇薬があった。朝廷を去った楊惟(ヨウイ)は物取りに襲われた。すると物取りは足がつくと困るので楊惟を焼き殺すという。しかしただの物取りなら殺せば済むこと、わざわざ痛めつけた上に焼き捨てるのは黒幕がいるからだ。鋭い指摘に物取りは焼き殺せと命じられたと認め、松明で火を放った。「…火?はっ!符鴛の指示か!」一方、符鴛は密かに東宮の北臨帝を訪ねていた。あの日、激しく燃え上がった森閻宮、符鴛は今でも毎晩のように夢に見ると教え、未だにあの時の苦痛を味わわされていると訴える。「これも全てあなたのせいだわ! …でも安心して、私の計画はとても順調に進んでいる この1年、私は乱心したふりをして筹児に斬鬼の念を味わわせて来た 私が言えばすぐ天仇門を滅ぼし、執拗に付きまとう宦官の林申も始末してくれる ←(* ゚ェ゚)え?! なぜ生かされていると?息子たちが殺し合うのをその目で見させるためよ」符鴛は北臨帝に薬を飲ませようとしたが、北臨帝はかろうじて手で払いのけた。「忘れないで、あなたはあの時、その手で私に毒薬を飲ませ、西啓の暗君に私を売ったわ! あの時、すでにこうなることは決まっていたのよ!」すると符鴛は北臨帝を車椅子から引きずり落とし、高笑いして帰って行った。傅筹は常堅(ジョウケン)を呼んだ。「私はしばらく中山を離れる、やるべきだったことを済ませる」そこで自分の居室に替え玉を用意し、朝議は病で出られないと伝えるよう指示する。また母にも言わないよう口止めした。「半月で戻る」つづく( ˘ω˘ )うむ…なぜか符鴛が出て来てから急激に視聴意欲が落ちているw
2020.08.10
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白发 Princess Silver第41話「軍営の怪奇」凱旋した北境の摂政王・傅筹(フチュウ)は、母が改修したとは言え未だ森閻(シンエン)宮で暮らしていると知った。すると常堅(ジョウケン)が南境の状況を報告する。実は南境は新政策を施行し、この1年で成果が出ていた。「…変法か、秦永(シンエイ)は雲(ウン)貴妃の支持を得たゆえに養民変法(ヨウミンヘンホウ)を施行できた 復興後の北臨(ホクリン)が富国強兵を実現し、覇者となれたのも変法のおかげだ だが秦永は処世に疎く、結局、養民変法は続かなかった」「王上、変法の推進は黎(レイ)王だけでなく、王妃も一緒だとか…」「彼女が?…他に情報は?」「青州の街ではある噂が流れています、その噂というのは白髪妖婦の話で…王妃を指しています」常堅が調べたところ、他にも王妃が元は北臨の将軍夫人で、黎王と不義密通して逃げてきたという噂まであるという。驚いた傅筹はすぐ噂の出所を調べるよう命じ、ともかく母を訪ねることにした。符鴛(フエン)はすっかり落ち着いた様子で、息子を歓待してくれた。早速、2人は食卓を囲んだが、傅筹は何とも不思議な気持ちになる。「子供の頃、母亲はいつも私に厳しく、冷たくて、膳も別々でした… でも今は分かります、あなたは私に良い料理を食べさせ、ご自分は残飯を食べておられた 残念ながら今はまだ一緒に宴席には着けません…でもご安心を、じきに太后に冊封します」すると傅筹はこの1年、北征して尉(イ)国に奪われた土地を奪還したと報告した。しかし符鴛はなぜ南下しないのか尋ね、南境を奪って欲しいという。傅筹は宗政無憂(ソウセイムユウ)の南境軍は侮れないと話し、敵情を十分に把握するまでは動向をうかがうと説明した。「私なら敵が勢力を伸ばさぬうちに一気に片付けるわ」母の思わぬ言葉に傅筹はいささか面食らったが、符鴛は女子の考えに過ぎず、聞き流してくれと笑う。その時、侍女がうっかり符鴛の衣に酒をこぼした。それまで穏やかった符鴛は急に人が変わったように激昂して侍女を張り倒すと、足蹴りする。「私にやけどさせる気だわ!」傅筹は取り乱した母を抱きしめ、自分がいる限り母に手出しはさせないとなだめた。そんなある夜、南境の羅(ラ)家軍の軍営に珍しく酒が振る舞われた。するとちょうど外で酒を飲んでいた兵士たちが宙を舞う白髪妖婦を見かける。気のせいだと思いながら念のため巡回することにしたが、そこで羅橋(ラキョウ)将軍と兵士の遺体を発見した。将軍の握りしめた手には白髪が…。羅家軍の騒動はすぐ黎王・宗政無憂の耳に入った。冷炎(レイエン)の報告では酒を飲んでいた兵士が多く、噂を完全に封じ込めるのは難しいという。そこへ弟を殺された羅植(ラショク)が憤慨して乗り込んできた。無憂も冷炎もてっきり容楽(ヨウラク)を疑っていると思ったが、羅植は急に辺境へ移動する命令を下して欲しいという。「弟の死は何者かの陰謀なのは明らかです、目的は軍を動揺させ、王妃を陥れることでしょう 羅家軍が青州にとどまれば、明日の朝には風評が青州中に広がります 殿下と王妃の名声に傷はつけられません」無憂は羅植の忠誠に感銘し、辺境に行く必要はないと止めた。それより羅植自身の威厳で兵士らの動揺を鎮めて欲しいと頼み、羅橋の恨みを必ず晴らすと約束する。羅植は黎王を信じ、直ちに軍営の警備を強化して証拠を探させることにした。そこで無憂は差し押さえた別山居(ベツサンキョ)を解放すると決める。自分たちが通常通りに振る舞えば、逆に敵の方が動揺するだろう。そうなれば今は見つからない証拠も必ず表に出て来るはずだ。孫継周(ソンケイシュウ)は屋敷に蔡厳和(サイゲンカ)を呼んだ。しかし蔡厳和は軍資の横流しが露見していると怯え、孫継周との接触も警戒している。孫継周は羅植が朝廷に戻り、黎王が豪族の勢力を抑える意図も顕著だと警告し、見せしめに蔡厳和を罰する可能性もあるとほのめかした。驚いた蔡厳和は拝礼し、過去のよしみに免じて助けて欲しいと懇願する。そこで孫継周は巷で白髪妖婦が黎王を操っているという噂があると吹き込んだ。飲み込みが良ければ、何をすべきか分かるはずだろう。一方、孫雅璃(ソンアリ)も無憂への想いを募らせ、何とか近づけないかと画策していた。孫継周は娘が世故に長けたのを見て安堵し、実は黎王が自分を警戒していると告白する。もし雅璃が黎王に嫁いでくれれば、孫家は過去の安泰を取り戻せるだろう。孫家は一見、繁栄しているかに見えるが、基盤はすでに崩れていた。変法が進めば進むほど孫家の利益は失われるばかり、朝廷での地位など名誉があっても実が伴わない。そこで孫継周は雅璃に愛情がなくとも婚姻は成立するとほのめかした。「孫家、そして私とお前のいずれにも最善な道は分かるはずだ もし最悪の事態になったとしても、姻戚ゆえに私たちの命は救われるだろう」(  ̄꒳ ̄)悪い親父だねえ~白髪妖婦の作り話を吹聴していた講談師が急死した。冷炎はすぐ黎王に報告し、恐らく州府の牢に間者がいると疑う。しかも無憂の元にはあたかも白髪妖婦の正体が容楽だと決めつける奏状が山のように届いていた。蔡厳和が自分の名前を出さず、門弟に奏上させているようだが、どういう理由なのか。冷炎の調べでは、あの別山居は青州で100年の歴史を持つ有名な老舗だった。人が集まる場ながら官府の庇護をうけており、今まで騒動など皆無だったという。「茶楼の陰の店主は朝廷につてを持つそうです、もしや蔡厳和が…」しかし無憂は否定した。蔡厳和のあの気質ではそんな危険を冒せないはず、危険を冒すのは変法による損得が大きい者だろう。その時、突然、守衛が止めるのも聞かず、雅璃が飛び込んで来た。無憂は夕餉の時間は誰にも会わないと伝え、雅璃に話なら明日にして欲しいと頼む。すると雅璃は切羽詰まった様子でひざまずき、自分を救えるのは黎王だけだと訴えた。一方、容楽は泠月(レイゲツ)から″たまにはご馳走を作れ″とせつかれ、珍しく豪勢な夕餉になった。すると泠月は公主の方から夕餉を知らせに行くべきだという。毎日のことで迎えに行く必要などないはずだが、容楽は確かに無憂に食べてもらうのが楽しみだった。容楽は泠月に焚きつけられ、無憂の書斎に向かったが…。雅璃はかつて無憂が贈った腕輪を見せながら、昔話を始めた。無憂は当時、確かに鄭氏に嫁ぎたくないと言った雅璃を庇ったが、都へ戻るという約束も果たしたと答え、席を立ってしまう。雅璃は思えば当時は無憂に守られ、人生で一番幸せだったと訴えた。「ずっと殿下のおそばにいれば、あんな苦痛を味わわずに済んだのに…」「雅璃、もう言うな」「殿下、この想いを伝えるべきかどうかずい分、迷いました でも王妃が私を羅植将軍に嫁がせるご意向で、父も私に縁談を決めろと迫ります…」ちょうどその時、容楽が書斎の前に到着した。「何度も考えました…王妃には申し訳ないけれど、雅璃も幸せをつかみたい」しかし無憂は漫夭(マンヨウ)以外の女子は愛さないとはっきり拒む。驚いた容楽は窓紗越しに2人の様子をのぞいた。その時、雅璃が後ろから無憂に抱きつき、愛していると告白するのを目撃してしまう。漫音(マンイン)閣に戻った容楽はまだ動揺していた。雅璃を責めるつもりも無憂を疑う気もないが、ただ雅璃の想い人が無憂だったとは意外過ぎる。羅植との縁談を持ちかけたのは雅璃が父親の道具にされないようにという配慮だった。結局、雅璃は縁談を断り、容楽も無理強いしていない。どちらにしてもこれは無憂が決める問題で、容楽にはどうすることもできなかった。「疲れたから休むわ…」無憂は雅璃を拒み、夕餉のため漫音閣にやって来た。するとちょうど泠月が食事を下げて出て来る。泠月は黎王に気づくと、慌てて扉を閉めた。そこで公主ならすでに休んだと伝え、白髪妖婦の噂を聞いたせいで心身が疲れたらしいと嘘をつく。無憂は容楽なら噂など気にしないはずだといぶかしんだが、泠月に世話を任せて引き返した。一方、北境では先后が先帝・宗政允赫(ソウセイインカク)のために経をあげる毎日を送っていた。そこへ1人の侍女が駆けつけ、助けを求める。実は妹が森閻宮に移動させられたが、この数日、姿が見えなかった。話によると摂政王が戻った日に苻氏の衣に酒をこぼし、折檻されたとか。侍女は妹がすでに焼き殺されとは知らなかった。「妹妹を救えるのは娘娘(ニャンニャン)しかいないのです、近々、王上は苻氏を太后に冊封されるとか…」「何ですって?太后に?!あの女を太后に冊封するの?!」先后は符鴛の乱心が回復したと知り、血の気が引いた。符鴛が過去のことを思い出したなら、符鴛が就くべき座にいた自分を許しはしないだろう。先后は急に興奮して侍女を追い払うと、あまりの恐ろしさに気が触れてしまう。翌朝、朝廷は急逝した先后の話で持ちきりだった。病死ならまだしも、発見した侍女の話では首を吊って自害していたという。そこへ傅筹が現れた。傅筹は早速、母である苻皇后を皇太后に冊封して金印を授与したいと伝えた。すると先后が逝去したばかりで冊封を急ぐのは不適切だという意見が出る。傅筹は先后なら先帝の死を嘆くあまりに重い病を患い、先帝の後を追ったと説明、弔いの儀については臣下が取り沙汰する必要はないと退けた。しかし重臣である楊惟(ヨウイ)の猛反発を受ける。「素性が知れぬ苻氏の冊封はいま一度ご熟慮ください …王上、苻皇后は十数年前に逝去されたはず、苻鴛を名乗るものが苻皇后である根拠はなく、 これを国母とするなど天下が納得しません!」先帝に長く仕えた楊惟は苻鴛を良く知っており、国母としての徳の有無も承知していた。苻皇后か否かにかかわらず、皇太后と認めることはできないという。憤慨した傅筹は礼部尚書の任を解くと脅したが、楊惟は引かなかった。「王上は外患内憂を解決されました、しかし苻氏を太后とすれば国に災いをもたらすでしょう」傅筹は楊惟が母に国害の汚名を着せたと激怒、冊封に異議申し立てはさせないと強行した。さらに重装軍を呼び、楊惟に今ならまだ間に合うと圧力をかける。しかし楊惟は帽子を脱いで床に置くと、自ら辞職を申し出て朝廷を去った。「…はあ~太后冊封の協議は日を改めよう」先后は典範にのっとり先帝と合葬された。 ←(* ゚ェ゚)え?皇上、生きてるのに?傅筹も先后に敬意を払って来たが、何の不満があって先后が縊死(イシ)などしたのか分からない。ともかく快方に向かっている母が悪化しないよう、この件は伏せるよう命じた。そこへ母がやって来る。苻鴛は山のような奏状に驚くと、傅筹は楊惟が職を離れたことで何人かの侍郎(ジロウ)も辞職を申し出たと教え、人手が減って仕事が増えただけだと言った。すると苻鴛は楊惟も国を思うがゆえに考えすぎたのだろうと理解を示す。傅筹は冊封の件がのびのびになり、母が不満を持っているのではと心配した。しかし苻鴛は傅筹に罪はないと許し、去る者は好きにさせればいいという。傅筹は思わずため息を漏らし、朝廷には心から自分に忠心を抱く者がいないと吐露した。重装軍で押さえつけることはできても、心までは支配できない。「押さえつけが足りないのでは?一国の君主としてそなたは弱腰過ぎるわ」「母后…武力で制圧するのは最低の策です 己を聖君の器とは思いませんが、暴君になるのはご免です」つづく( ˘ω˘ )先后…哀れだけど、華美な装飾がない方が美しかった~
2020.08.10
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第1話「灯籠と豪雨」徐薔薇(ジョショウビ)は北京で働く見習い設計士。その朝も通勤バスがいつものように大好きな故宮の前を通りかかった。すると薔薇は故宮の前にたたずむ辮髪の青年と目が合う。薔薇は驚いて振り返ったが、その時にはすでに青年の姿はこつ然と消えていた。↓ヒロイン・徐薔薇会社に到着した薔薇は次のコンペのテーマが「故宮と時間」だと知った。締め切りは明日、すると上司・蒋茗蕙(ショウメイケイ)から見習いでも設計案を出すよう命じられる。やる気満々の薔薇、実は故宮に惹かれるには理由があった。故宮へ行くと不思議と昔の人を身近に感じ、あの赤い大きな扉を見ると、なぜか前世はあの扉の向こうで働いていた気がするからだ。↓綺麗な上司は好きですか?薔薇は蒋茗蕙から故宮へ行って資料を借りて来るよう頼まれた。すでにもう午後4時、会社を飛び出した薔薇は何とか閉館時間ぎりぎりに資料室へ滑り込んだが、担当者からあと7分で資料を集めるのは無理だと追い返されてしまう。そこで薔薇は自分で探すと申し出た。「ふん、いいわ…」担当者はお手並み拝見とばかりに高みの見物を決め込む。すると驚いたことに若微は閉館時間の5時ぴったりに資料を集めて戻って来た。「すごいわね!」「昔、よく来ていたんです…あ、ところで他にも係りの方がいますか?」「え?いないわ、私だけよ」しかし資料を探している時、薔薇は一瞬だが人影を見た気がした。薔薇は無事に資料を借りて帰ることにした。するとどういう訳かなかなか出口へたどり着けない。しかし目を閉じても歩けるほど通い詰めている故宮、自分が道に迷うとは思えなかった。「北は万歳山(バンセイザン)、南は金水河(キンスイガ)…間違いないのに(ブツブツ」やがて日も暮れると、薔薇は携帯のライトを照らして歩き始めた。閑散とした故宮に取り残された薔薇、やがて携帯の電源も切れ、暗闇をさまよっていた。すると偶然、灯りのともった部屋を発見する。「ニーハオ、誰かいますか?」「やっと来たね…お入り」部屋には銀髪の老婦人がいた。老夫人はなぜか薔薇をずっと待っていたという。困惑する薔薇だったが、ともかく出口の方向を教えて欲しいと頼んだ。「…この場所は1度入ったら簡単には出られない 大勢が道に迷い、閉じ込められ、永遠に出口にはたどり着けぬのだ」「出口をご存知では?」しかし老婦人は首を横に振る。「自分で探してみます、お邪魔しました」「…お待ち」すると謎の老婦人は薔薇に古い灯籠を渡した。「この灯籠で照らせば進む道が見つかるはずだ…あげるから持ってお行き」薔薇は灯籠の明かりを頼りに歩き出した。人の気配もなく、白い靄がかかる宮道、すると屋根に留まっていたカラスが急に鳴き始める。灯籠の玉飾りがなぜか光を放っていることなど知る由もなく、薔薇は怖くなって小走りになった。その時、目の前にわずかに開いた扉から光が差し込んでいるのが見える。薔薇はついに敷居をまたいで門から出ると、背中で扉が勝手にバタンと閉じる音を聞いた。「幻覚よ…幻覚を見たんだわ…」薔薇は無事、自宅に到着した。とりあえずテレビを点けて、老婦人から借りた灯籠を壊さないようハンガーに掛けておく。その頃、テレビのニュースではまもなく土星と月が大接近し、土星と月の磁場の相互作用で地球に影響が出ると伝えていた。『月と土星の大接近は古文書にも観測の記録があり、七月流火(シチガツリュウカ)と呼ばれ、 古代では希望の象徴とされていました 輪を持つ土星がオレンジ色に輝き、月の傍らで舞うように見えます 2つの天体が寄り添う様子は、まるで恋人同士の逢瀬であるかのようです …土星は太陽系で最も美しい惑星で月よりも遠くにあります 月も土星も空間を移動しており、月は他の惑星や恒星よりも移動速度が速いため、 一定の時間ごとに…』ニュースに耳を傾けていた薔薇だったが、早速、資料に目を通すことにした。するとある本から古い設計図のような物を発見、しかしあまり深く考えず、元に戻しておく。『今回の土星と月の大接近は非常に特殊で、前回、観測されたのは康熙(コウキ)45年とのこと 約300年ぶりに見られる美しい天体ショーです その夜、天気が良ければ東南の夜空を見ると、丸い鏡のような月が見えます 土星と月は一見、近づいて見えますが、三次元的には15億キロも離れています…』その夜は警報通り大雨となり、激しい風が吹いた。薔薇は徹夜で作業していたが、やがて雷鳴が轟いたかと思うと停電してしまう。するとなぜかあの灯籠がともり、くるくると回り出した。その時、暴風に煽られて窓が開いてしまう。薔薇は慌てて窓を閉めたが、その時、窓ガラスに誰かが映っていることに気づいた。驚いて振り返ると、バスで見かけたあの辮髪の青年が立っている…。ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ<助けてーっ!薔薇は驚いて部屋を飛び出し、親友・小秋(ショウシュウ)の家に逃げ込んだ。しかし企画案の締め切りは明日、そこで小秋に一緒に家に来て欲しいと頼んだが、話を聞いた小秋は怖くてとても行けないという。薔薇は仕方なく徹夜続きで幻覚を見たのだと自分に言い聞かせ、なかば自棄になって帰ることにした。薔薇は恐る恐る家のドアを開けた。すると辮髪の青年が腕組みをしてテレビの前に立っている。青年は帰って来た薔薇を一瞥だけすると、興味深そうに土星と月のニュースを見ていた。「来ないで!あなたなんかちっとも怖くないんだからね!」薔薇は青年の動向に注視しながら机にたどり着くと、青年も自分の机に座って書物を読み始める。それにしてもなぜ自分の部屋に清朝時代の机や茶碗、灯籠があるのだろうか。しかし今は企画案を完成させねばならない。薔薇は幻覚が気になりながらも、いつしか仕事に集中し、ついに設計案を完成させた。設計案を見た貝(バイ)先生が目を留めたのは薔薇の企画だった。「この案を採用したのは奥行きがあり、王者の気風を感じるからだ 時空の変化を主軸に据え、現代と古代の美を結びつける発想がいい」とは言えまだ完璧とは言えず、貝先生は蒋茗蕙にサポートするよう頼む。しかし薔薇がまず自力で修正したいと訴え、貝先生も認めてくれた。誰もが驚いた薔薇の大抜擢、しかし上役たちにとって見習いの台頭は面白くない。薔薇への風当たりが強くなる中、それでも薔薇は仕事にまい進した。…古代と現代の融合ね〜…時の循環が無限の可能性を生む…幻覚なんて怖がることないよね〜時をさかのぼること300年、ここは康熙45年の紫禁城、十三皇子・愛新覚羅(アイシンギョロ)胤祥(インショウ)は昼間からのうのうと居眠りしていた。見かねた四皇子・胤禛(インシン)は気付け薬を嗅がせて起こし、近頃、様子がおかしいと訝しむ。すると胤祥は最近、夢の中で何度も妙な場所へ行くと話した。「妙な場所?どんな場所だ」「…それはその~(´゚艸゚)∴ブッ」実は胤祥は夢の中で現代を訪ねた時、ちょうど薔薇は入浴中だった。思わず思い出し笑いしてしまう胤祥、すると四皇子は今日が何の日か忘れたのかと聞く。( ゚д゚)<あ!勝負の日!十四弟との約束が…芝生に矢倉が建てられ、一番上には大きなくす玉があった。十四皇子・胤禵(インテイ)と胤祥、先に矢倉を登ってくす玉を割った方が勝利となる。その勝負を四皇子と八皇子・胤禩(インシ)、九皇子・胤禟(イントウ)、十皇子・胤䄉(インガ)が見守った。くす玉を真剣に争うなど子供のようだという四皇子、しかし八皇子は何かを争うのが人の常だという。胤祥は十四弟と激しく競合いながら、矢倉に先に手をかけた。しかし四皇子は最後まで勝負は分からないという。予想通り後から駆け上った胤禵は十三兄を捕まえ、引きずり下ろした。すると八皇子が知勇に優れる十三弟と冷静な四兄が皇太子の右腕なら清は安泰だという。四皇子は思わず八弟も十四弟がいて心強いだろうと返した。「だが我ら兄弟は皆で清を支えねばならぬ、そう思わぬか?」「四哥、もちろんです」八皇子は同意したが、とは言え十三弟と十四弟の勝負はどちらが勝つだろうかと牽制する。「くす玉はひとつ、誰の手に落ちるやら…」つづく(^ꇴ^)始まったよ~!さて念のためここでおさらいで~す皇太子派→四皇子と十三皇子八皇子派→九皇子・十皇子・十四皇子四皇子と十四皇子は同腹の兄弟
2020.08.09
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大明风华 Ming Dynasty第26話「草原の覇者」永楽19年、明(ミン)は北京に遷都、順天府を首都とし、南京を副都とした。そして新しい宮殿でついに朱瞻基(シュセンキ)の皇太孫冊封の儀と婚儀が行われる。祖父から皇太孫の証しとなる金の冠をつけてもらう朱瞻基、そんな息子の晴れ姿を見ながら、皇太子・朱高熾(シュコウシ)はひどく咳き込んでいた。朱瞻基は婚礼衣装をまとい、2人の妃を迎えた。婚儀では胡善祥(コゼンショウ)が皇太孫妃に、孫若微(ソンジャクビ)が皇太孫嬪にそれぞれ冊立される。嬉しそうに若微を見つめる朱瞻基、しかしそのかたわらで漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)が感慨深げに胡善祥を眺めていることなど知る由もなかった。↓何だか若微だけ_ゲフンゲフン若微は朱瞻基の朝の身支度を手伝っていた。朱瞻基は2月になったら祖父と共に出征するため、留守の間は父のところへ通うよう勧める。実は皇太子妃が若微の作る薬を気に入っていた。「ちゃんとお仕えするわ、太子爺(イエ)も私をねぎらってくださる」すると朱瞻基は私的な会話の時くらい父と呼んでくれという。しかし若微は何も答えず、朱瞻基は仕方なく帰ることにした。「私は自分を不吉だと感じるの、太子爺に対して他意はない」ちょうど寝所を出た朱瞻基はふと足を止めた。「不吉だと?」結局、朱瞻基はそれ以上、何も言わず、寝殿をあとにした。軍営の于謙(ウケン)はハシジュスとヘルレン川のほとりに出ていた。2人はまたお互いの戦術で論争していたが、言い負かされたハシジュスは文人らしい机上の空論に過ぎないという。「実際の戦ではそうはいかん! …当時のオイラト兵は士気が低かったのだ、だが今度ここで戦えば違うだろう 草原は我々の故郷だ、ここを離れて住む所はない、オイラト兵の士気を見るがいい」ハシジュスは于謙から酒を奪い取ってあおると、憤慨した于謙は思わずハシジュスを蹴り飛ばし、川に落とした。その時、急報を知らせる騎馬兵が現れる。「軍営を撤去する!全軍に告ぐ!警戒態勢に入れ!」永楽帝と共に出征した朱瞻基は人馬と医療体制の確認のため于謙の軍営にやって来た。今回は炎天下の行軍、そこで朱瞻基は医官に必要な薬を包装して兵站で渡せるよう指示し、特に重要な止血剤と金創薬は調合後に自分に見せるよう命じる。しかし医官は人手不足を訴え、粉にして包装するには2ヶ月かかると訴えた。朱瞻基は命懸けでやれと厳しかったが、医官がとりあえず風寒散を配布してはどうかと提案、それで手を打つ。また馬政(バセイ)には先鋒隊を出して適当な場所に馬屋を設けるよう命じ、軍馬には夜に塩を加えた飼料を与えるよう指示した。すると馬政も労役馬の世話だけでも人手不足だと訴える。朱瞻基は人を増やすよう指示し、問題があれば軍法で裁くと容赦なかった。「ここへ来る途中、ある部隊が騒いでいた、″馬車に載せている箱はどれも将校の荷物だ″と… 戦場に荷物は必要ない、それとも棺おけ用の箱か?!」于謙は思わず失笑し、朱瞻基に睨まれてしまう。朱瞻基は誤りがあれば軍令官を罰すると発破をかけて解散した。そこでちょうど天幕を出ようとした于謙を捕まえる。「飼育官ごときがなぜ笑った?」「太孫爺が部下を威圧して嫌われたようなので…失礼を」「ふう~皇上の命令なのだ、気遣いなどできぬ」すると于謙は軍に入って色々なものを見たと言った。この軍営の将校たちは靖難(セイナン)をきっかけに財を得た者ばかり、馬政の部下は多いが実際に働いている者は半分もいないという。「こうした状況を皇上もご存知なのでは?軍の改革をしようにも戦はもう目前です」「…皇上に真実を言う者はおらぬ、嫌われても負け戦よりましだ それより今度、私を冷笑したら鞭をくれてやるぞ」そんなある日、北方へ進行する明の軍営にオイラトから親書が届いた。首領の孫・エセンが使者として来訪すると書かれていたが、その意図は分からない。ただ永楽帝は″草原の名将″と呼ばれるエセンに興味があった。ちょうどそこへ朱瞻基が戻って来る。「″敵を知り己を知れ″… こんな年寄りでは軽く見られるかもな、もっと勇ましい姿がいい…お前が会え!」「はいっ!…ってえっ?」朱瞻基は反射的に了承してしまい、将軍たちの失笑を買った。「しかし…何を話せばいいのですか?」「何でも構わん、威圧すればよいのだ」オイラトのエセンが明の軍営に到着、永楽帝に謁見した。オイラトは明との友好を希望し、永楽帝に力添えしたいという。皇帝役の朱瞻基は今回の敵が国境を脅かしているタタールだと言いつつ、侵略にはオイラトも加担しているといきなり怒号を響かせた。エセンは一部の勝手な行動であり、首領は命じていないと釈明、自分たちが先鋒を務めると申し出る。「先鋒と言うが、何人の兵がいる?」「有能な兵士が4000余人です」4千とか…どっ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<わははは~「明軍は100万だぞ?4000では話にならぬ、気持ちだけもらっておこう タタールに紛れたオイラト人に退避するよう告げよ」「はい、爺爺からの贈り物を持って来ました、軍馬500頭と羊2000匹です」「爺爺はなぜ来ない?」「爺爺は病床に…落馬して1ヶ月も床に伏せております」「…治療の助けが必要なら何なりと申せ」エセンが幕舎を後にすると、永楽帝が姿を現した。そこで樊忠(ハンチュウ)将軍を呼び、エセンに褒賞を与えて丁重にもてなすよう命じる。「エセンに尋ねよ、″大明の皇帝にどのような印象を持ったか″とな」大役を果たした朱瞻基はようやく緊張が解けて上機嫌だったが…。樊忠が幕舎に戻って来た。エセンは褒賞に驚いた様子で、飲み食いしながら″皇帝万歳″と叫んでいたという。ただ例の質問には妙な答えが返って来たと報告した。「″やはり大明の皇帝は勇ましそうな方だった、だがそばにいた老兵こそ真の英雄だ″と…」その答えに永楽帝の顔は急に強張った。「エセンは?」「帰りました」「帰っただと?…奴を帰してはならぬ、追え、連れ戻せ!オイラトと敵対しても構わぬ!」若くして武勇の気風があったエセン、永楽帝はエセンの観察眼に驚きを隠せず、大事を成す男だと恐れた。「天は大明に味方せぬと言うのか…」(ヾノ・∀・`)イヤイヤイヤ…普通、永楽帝がおじいちゃんだって知ってるっつーのw朱瞻基は祖父の憂いを消すため、樊忠たちと共に軍営を飛び出した。迫り来る蹄の音に気づいたエセンは危険を察知、配下に散開して帰還するよう命じる。そこで朱瞻基も樊忠たちに別れて追うよう声をかけ、ひとりエセンを追った。エセンは林の中に身を隠し、後からやって来た朱瞻基を矢で狙った。しかし朱瞻基は危機一髪のところで矢を避けることに成功、物陰から逃げ出したエセンを再び追う。こうして2人は並走しながら騎射での戦いになった。なかなか決着がつかない中、ついにエセンは矢を使い果たし、朱瞻基が残りの一本をつがえる。エセンは必死に逃げ出したが、朱瞻基は馬を止めて狙いを定め、エセンの背中に命中させた。朱瞻基は落馬したエセンを探すため、馬を歩かせた。ちょうど低地に落下したエセンは咄嗟に自分の背中に刺さった矢を抜くと、それをつがえて朱瞻基を狙う。対峙する朱瞻基とエセン…。しかしエセンは矢を放たず、馬に飛び乗って去って行った。一方、東宮では若微と胡善祥が義母となった皇太子妃と札遊びに興じていた。初めての若微は戸惑うことばかりだが、胡善祥がうまくとりなしてくれる。「そういえば大明軍はウラーン・ホシューンの戦いで敵を撃破したとか…」胡善祥は頃合いを見て皇太子妃の茶を新しい茶と取り替えながら、密かに次の札を入れ替えた。「太子爺は兵部に通われていますが、太子府で公務をなさっては? 太子爺のお身体に何かあっては大変です」すると胡善祥はわざと皇太子妃が欲しがっている札を捨て、皇太子はその札を取る。そして新しい札をめくると、金の孔雀が出た。「太子妃~またいい札を当てられましたね~私たちは負け続けで札を配るばかりです~」若微は胡善祥の手腕に呆気にとられていたが、そろそろ皇太子の薬を煎じる時間だと気づいた。皇太子妃は若微に薬を任せて送り出した。そこで胡善祥に胡尚儀のことで相談があると切り出す。実は遷都の直後で仕事が多いというのに、胡尚儀は床に伏せてばかりだという。「皇族の親戚だからなの?」「…すぐに対応を」「あなたは皇太子妃になる身、長男の嫁には家を仕切る役割がある 助けとなる者が必要になるわ、1人では大変よ?」監国を任された皇太子は兵部に詰め、戦況の報告を受けては重臣たちと協議した。「皇上は戦勝を受けて兵を分けるつもりらしい…私には得策に思えぬがな …もし兵を分けるとしたらどのような方法がよかろう?」すると楊士奇(ヨウシキ)は左右に分けて漢王と趙(チョウ)王が指揮し、永楽帝がオノン川を渡ると提案する。そこで皇太子は早速、模型に移動して確認することにしたが、オノン川の対岸の地形図がなかった。と言うのも誰もそこまで行ったことがなく、永楽帝が対岸まで行くなど予想外だという。そんな中、楊溥(ヨウフ)だけは分散に賛成し、左右の軍が連携して挟み撃ちにできると進言した。しかし楊栄(ヨウエイ)が問題は敵軍だけでなく、雨季になれば行軍できないと反論する。もちろんその前に大明軍が勝利すれば話は別だが…。楊士奇は熟慮が必要だと進言し、アルクタイからの書簡を取り寄せた。実は昨年、オイラトに君主を殺されたアルクタイから援軍を要請されたという。そのアルクタイが永楽帝の出征後に500里、移動していた。説明を聞いた皇太子は、アルクタイが明軍の退路を断つつもりだと気づく。楊士奇は模型に軍法による最新の敵の位置を示した。「斜め前にオイラト、正面にタタール、右にウリヤンハイ、補給路にアルクタイがいる 大明軍は袋小路に入ります」「…では決まりだな」(* ゚ェ゚)よく分からないけど…次に行くよw皇太子は永楽帝へ書簡を代筆させた。「ウラーン・ホシューンでの勝利は慶次であり難事です タタールは退却したものの、ウリヤンハイとオイラトが明軍の左右に駐留 アルクタイは補給路の近くにおり、予断を許しません、雨季が来れば補給は困難です 敵が連合すれば火器の展開も難しくなり、劣勢は必至…どうかご熟慮を」すると楊士奇がその後に付け加える。「兵を分けるならオイラトとウリヤンハイを攻撃すべきです 大勝は難しいですが、今、退却すれば、五丈原(ゴジョウゲン)の諸葛亮(ショカツリョウ)になりましょう 軍営を築き、兵力を蓄え、勝機をうかがうのです」オイラトの兵力は未だ不明だった。敵の自称では4000人、明の軍報では3万人だという。永楽帝が指揮する中央軍には精鋭が60万人だった。楊士奇はもし分けるとしたら左右それぞれに10万人だと仮定する。「敵が来るなら返り討ちにしてやる!雨さえなければ大明の大砲と銃にかなう者はありませぬ」しかし黙って聞いていた皇太子が苦言を呈した。「だが忘れるな、草原に覇者が生まれると敵の部族は統一して動く、覇者が全体を動かすのだ それこそが最も恐ろしいことだろう」于謙は夜中にハシジュスに起こされ、軍馬の世話を手伝わされた。機嫌が悪い于謙は投げやりに餌を配りながら、敵が何万いようと明軍の大砲や銃で圧倒できると断言する。しかしハシジュスは軍馬に塩を与えながら、それは想像に過ぎないと言った。「もうすぐ雨が降るぞ?…ここはオイラト人の故郷だ」するとハシジュスは于謙を休ませ、夜番を買って出た。その夜、若微は兵部の皇太子に薬を届けた。そこで皇太孫妃の提案だが、皇太子府で公務をしてはどうかと進言する。皇太子は相変わらず咳き込みながら、自分の屋敷で兵部の会議を行えば謀反を疑われても仕方がないと教えた。若微は規則より人命の方が大切だと諌めたが、その時、皇太子が激しく咳き込んで薬を吐き出してしまう。驚いた若微は侍医を呼ぶことにした。しかし皇太子に戻ってこいと叱られてしまう。「こんな夜中に侍医を呼べば、朝までに宮廷中に知れ渡るぞ…」つづく( ゚д゚)ええーっ?!ハシジュス…でも何でオイラト人が明軍で働いているの?
2020.08.08
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大明风华 Ming Dynasty第25話「旅立ち」観兵式が無事に終わり、永楽帝・朱棣(シュテイ)は幕舎に戻った。そこで皇太子・朱高熾(シュコウシ)が持って来たという杜甫(トホ)の″兵車行(ヘイシャコウ)″の掛け軸を皆で見ようという。まさか卓の下に于謙(ウケン)とハシジュスが隠れているとは知らずに…。朱瞻基(シュセンキ)が詩を詠み終わると、永楽帝はまだ若い頃に徐達(ジョタツ)大将軍の北伐に従軍したことを思い出した。淮東(ワイトウ)と淮西(ワイセイ)、洪沢(コウタク)湖一帯は本来、耕作が盛んだったが人煙は見えず、雑草が家の中のかまどまで覆い尽くしていたという。敵軍はその土地で馬場を作り、屍を埋めて肥料としていた。「今でも忘れぬ、盛夏の7月だったが、あの辺りは薄ら寒かった 辺りに漂う魂の嘆きに、十数万の兵がむせび泣いた… 徐達大将軍は私に″十数年後、我々の子孫は唐詩や宋詞を知らぬだろう″と言った」すると永楽帝は席を立って机の前に出た。皇太子の奏上によれば兵部には金がなく、毎年の戦で財政が逼迫(ヒッパク)しているという。それでも敵の侵犯を許すわけにはいかなかった。永楽帝は自分1人でも戦うと訴え、長城を越えさせてなるものかと奮起する。「私は行く」「爺爺(イエイエ)、お供します、私が異民族を平らげてみせましょう」朱瞻基がひざまずくと、漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)、趙(チョウ)王 ・朱高燧(シュコウスイ)らも追従し、共に戦い抜くと誓った。 すると永楽帝がいきなり剣を抜き、卓を突き刺す。于謙とハシジュスは肝を冷やしたが、剣は運良く2人をすり抜けていた。「賊軍を倒さずして帰還ならず… 太子爺に伝えよ、軍心の向かう方向は曲げられん、戸部に再検討させよ」↓朱瞻基の衣が迷彩風(^ꇴ^)永楽帝は食後の後に神機営に行くと決め、卓を換えるよう命じて幕舎を出ることにした。兵士は早速、卓を持ち上げたが、その時、いち早く朱高燧が于謙とハシジュスを見つける。「何者だ!」趙王の怒号で振り返った永楽帝は、すぐ曲者の1人が于謙だと気づいた。「その格好は?」「お答えします、私は皇上に小司馬に任じられました」于謙は正直に酒を盗み飲みしていたと白状し、罰としてハシジュスと一緒に高所から吊り下げられてしまう。朱瞻基は帰り際、楊士奇(ヨウシキ)になぜ父が観兵式の日に祖父を怒らせたのか尋ねた。楊士奇の話では金欠は事実で、今までは何とかやりくりできたが、今年は遷都に婚儀、出征まで重なり、父も帳尻合わせに苦労していると知る。「太孫爺は口を挟まぬよう…明日、私から上奏します、これ以上、皇上を怒らせてはなりません 太孫の地位が盤石なら太子も安泰、肝に命じていてください」しかし祖父の話を聞く限り、戦を中止させるなど不可能だろう。すると楊士奇が兵部は戦の先行きを案じていると言った。「こたびの敵は一体、誰なのでしょう?タタール?オイラト?ウリヤンハイ? …それさえも分からず、大軍を動かすのは危険です」楊士奇の見解を聞いた朱瞻基は不安をかかえながら、門衛に于謙たちを下ろすよう命じて馬を駆けて行った。永楽帝が朱瞻基を連れて寝宮へ戻ると、すでに朱高熾が待っていた。「演習場でお咎めを受けたと報告を受けました 兵部と戸部と合同でつぶさに検討を重ね、出征を中止すべき理由を奏状に14個したためました」すると永楽帝は孫の婚儀の費用がつつまし過ぎて不憫だと同情し、もう少し上乗せしてやれという。また戦が終わった後、皇位継承の準備をすると持ちかけた。しかし皇太子は退かず、豪華な褒美をもらおうと意見は同じだという。「…老大、堅いことを言うな~知っておろう?私は老い先が短い」「父上は全国の精鋭を掌握しておられます、父上に万一が起き、国が転覆すれば、それこそ災いです …この賭けの危うさはお分かりのはず」「半年で良い?どうだ?」「ダメです!」「では3ヶ月は?」皇太子は兵を動員して3ヶ月で戻れるのかと失笑し、まるで子供騙しだと呆れた。何より高齢の父にとって塞外(サイガイ)の酷寒は身体に障るという。その一言が永楽帝の癇に障った。「文武百官の中でお前だけが異を唱えておる!敗戦するとでも?!」「強行なさるなら私は止めません、ただ1つだけお聞きください 父上は人が1代で成すことを、たくさん成し遂げました、天下を少し休ませてください」そこで永楽帝は控えていた朱瞻基を呼び、意見を聞いた。「よく考えよ!あ?軽率に決めるな?大明の未来はお前に懸かっておるぞ…」永楽帝は朱瞻基に圧力をかけたが、孫は期待に反し、平伏している父の隣でひざまずいた。「どうか先入観はお捨てになり、戸部と兵部の大臣たちを協議を… 個人の好みで国事を決めてはなりません、爺爺の名声が汚れれば害しかないのです」朱瞻基はもちろん出征するなら自分が先陣を切ると言ったが、まずは再考して欲しいという。すると永楽帝は2人を追い払い、ひとり寂しくしゃがみ込んだ。朱瞻基は儲秀(チョシュウ)宮に孫若微(ソンジャクビ)を訪ねた。実は祖父から若微と一緒に順天(ジュンテン)を視察して来いとの勅命だという。自分たちの婚儀は遷都のあとで行うらしい。また鶏鳴(ケイメイ)寺の和尚・姚広孝(ヨウコウコウ)も同行することになっていた。祖父の命で順天の寺院を選ぶという。「そうだ、胡善祥(コゼンショウ)とは気が合うようだな?いいことだ」朱瞻基はその足で胡善祥を訪ねた。「君とはゆっくり話したことがないな… 遷都を控えており、しばらく会えなくなるが身体に気をつけよ …母は君が好きだ、暇な時は母の住まいを訪れてやって欲しい」「太孫こそご自愛を、私は宮中で育ったので作法をわきまえています 太子妃への挨拶は欠かしません」「はお」姚広孝の出立を前に永楽帝は鶏鳴寺を訪ねた。すると永楽帝は卓に置いてあった籤(クジ)を手に取り、急にジャラジャラ振り出始める。驚いた姚広孝は籤を取り上げて投げ捨てると、数十万の人命と国の未来を籤で決めるつもりかと声を荒げた。「今さら運に頼ると?神や仏が本当に見ておられるなら、なぜ天災や飢饉が多発するのです?! …籤などデタラメだっ!」←まさかの全否定( ̄▽ ̄;)その頃、軍営では北へ向かえとの勅命が伝えられていた。姚広孝は朱瞻基が永楽帝に意見したと知って安堵した。率直に言って朱瞻基が永楽帝に媚びないことは喜ぶべきことだという。しかしこうして永楽帝が迷いを捨てきれないのは、戦地で死んで笑われるのが怖いからだろう。すると永楽帝は君主なら国の犠牲となってしかるべきだと否定した。「それより国事を誤れば一大事だ、大明は繁栄しておる、万理を羽ばたく少年のごとくな 私の失敗で影響が及んでは困る」姚広孝は永楽帝の演説に拍手を送って茶化し、言葉だけで異民族は鎮まらないと迫った。「戦場で命を落としても子孫が敵を討ってくれます!」そこへちょうど朱瞻基が現れ、2人の話は中断してしまう。朱瞻基は準備が整ったと知らせにやって来た。永楽帝は順天の視察を朱瞻基に任せ、昌平と房山一帯の寺を修復させるよう頼んで送り出す。すると姚広孝がふと立ち止まり、手を合わせて深々と頭を下げた。「皇上、行って参ります…お達者で」「和尚!極楽と地獄、どちらへ行く?」「ふふふ…私はもちろん地獄です、地獄で皇上を救えるのは私だけですから」姚広孝は高笑いしながら出かけて行った。「なるほど~そうか、それを聞いて安心した」永楽帝はどちらにしても和尚とまたすぐ会えるとつぶやいた。順天への道すがら、馬車の中で若微はなぜ綱渡りをするのか和尚に聞いた。すると騎乗の朱瞻基がその話は長い上に信用ならないと文句を言って偵察に行ってしまう。「私は天竺より伝わる外道をずっと学んできた、外道も″道″の1つだ 煩悩の静め方が極端なだけである 1代目の門主は修行にうってつけの洞穴を房山の断崖に見つけた 経典を携え、縄を渡って洞穴に入り、そこで涅槃(ネハン)の境地に至ったのだ あれは唐の神龍年間、則天武后が即位した年だ 60年後、2代目の門主も同じことをやり、代々継承された しばらくの間、綱渡りの技は途絶えたが、私の代となった 私が訓練するのは、あの洞窟にある経典を見たいからだ、今生の夢である」 洞穴には綱渡りでしか行けなかった。集中力が試され、精神を鍛えられない者が経典を手に入れても、悟りは開けないだろう。しかし朱瞻基はこの話を信じていなかった。「私もです」「ふっ、この話は私たちの秘密に」その夜、若微たちは宿に泊まることになった。朱瞻基は酒を持って若微の部屋を訪ねたが、その時、窓を蹴り破って刺客が現れる。刺客は聶興(ジョウキョウ)だった。朱瞻基と刺客は激しい攻防を繰り広げたが、やがて錦衣衛が駆けつけ、聶興は逃走してしまう。しかし朱瞻基は旧友が挨拶に来たに過ぎないと告げ、捜索を止めた。若微は灯りを手に宿の近くを探していた。すると橋の下で腕を怪我した聶興を見つける。若微はひとりで上手く止血できない聶興に代わり、腕に紐を巻きつけてやった。「彼は気晴らしに私の部屋でお酒を飲むけど、1瓶あけたら自分の部屋に戻って寝るわ 明日の宿は河北の高陽県よ、殺したいなら私を殺して」「夫婦の絆は強いな、奴の身代わりに?彼を殺してはダメなのか?」「そうよ、殺せない」若微はすでに遺児の第一団が都に戻って来たと教え、自分が身代わりになれば遺児から感謝されるが、皇太孫を殺せば新たな犠牲者が出るだけだという。「すべて終わったことよ」しかし聶興はいつまでも過去の恨みにとらわれ、身動きが取れずにいた。未だ靖難(セイナン)の犠牲者のために己を奮い立たせ、見えない敵とひとり格闘している。すると聶興は自ら短剣で頰を斬り、血を流した。「奴に伝えろ、朱家父子の悪夢は始まったばかりだと…」若微は聶興を説得できず、無力感から橋のたもとにへたり込んだ。そこへ朱瞻基が現れ、若微に外套をかけてやる。「部屋に戻ったら飲み直そう」しかし若微はその場をなかなか動けなかった。朱瞻基一行は無事に順天に到着、早速、朝から新しい皇宮の建築状況を視察した。すると若微が午後から寺を選ぶため和尚と房山へ登ると伝える。何も知らなかった朱瞻基は一緒に行くと言ったが、和尚から若微だけ来いと言われたとか。朱瞻基は寺選びに何を隠すことがあるのかと笑い、2人で行って来いと言った。若微は老和尚が房山で綱渡りの練習をすると思っていた。しかし姚広孝はこれが本番であると教え、今日こそ洞穴にたどり着いてみせるという。「…なぜ太孫ではなく私を?」「あいつを呼んでもぶざまな姿を見せるだけ、そなたは大らかだ」姚広孝は戦で死んで行く者たちがやり残したことを悔やむように後悔したくないという。すると若微はふと不安になって足を止めた。「…皇上は?皇上はご存知ですか?あなたの″旅立ち″を…」「皇上とて戦で死ぬ覚悟はできている、ふっふっふ」山頂にある岩には本当に縄が張られており、遥か向こうは霞がかかって見えなかった。姚広孝は護衛の錦衣衛たちにふもとで待つよう命じてから、若微に短剣を渡す。「私が目的地に着いたら縄を切って欲しい、途中で足を滑らせた時も切るのだ ここで起きたことは誰にも言うな、ふっ…姚広孝はこの世から消える」若微は思わず失笑し、自分が渡り終える前に切るかもしれないと言った。しかし姚広孝は″靖難の役″という罪から逃れられないと吐露し、もし若微が途中で縄を切ったとしても、それで償ったことになるという。「縄が切れなければ、私はそなたに許されたということ、すべてが満ちる」「…ずるい人ね」すると姚広孝は縄に飛び乗った。「老和尚!縄の上を歩いて何を悟りましたかーっ?!」「時折、世の中の万事万物を理解したように感じるが、一方で何も知らないと感じることもある」その頃、昼寝をしていた永楽帝はふと目を覚まし、なぜか急いで寝宮を出た。総監・鼻涕(ビテイ)は何事かと慌て、とりあえずお付きの者たちを引き連れて後に続く。すると永楽帝は空を仰ぎ、しばらく雲ひとつない青空をじっと見つめていた。姚広孝は順調に綱を渡っていた。やがて若微の肉眼では姿が見えなくなる。「老和尚!到着しましたか?!」しかし姚広孝から返事はなく、若微は縄を切り落とした。つづく( ̄▽ ̄;)若微…綱切るの早くない?編集上の問題かしら?w
2020.08.07
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白发 Princess Silver第40話「白髪の王妃」羅家軍の凱旋を祝い、青州(セイシュウ)王府で祝宴が開かれた。羅植(ラショク)は散々待たされた挙句、孫継周(ソンケイシュウ)と蔡厳和(サイゲンカ)に煽られ、王妃に軽んじられていると不満を募らせる。そこへ容楽(ヨウラク)の侍従である蕭煞(ショウサツ)が現れ、黎(レイ)王と王妃ともに体調が悪いため出席できないと伝えた。激怒した羅植は王妃を罵り、蕭煞と一触即発の様相となる。「女狐は色香で殿下を惑わした、そしてお前は…女に頼って出世か?」すると蕭煞がついに剣を抜き、羅植に襲いかかった。騒ぎに気づいた衛兵たちが駆けつけたが、孫継周があえて制止、高みの見物を決め込む。その頃、宗政無憂(ソウセイムユウ)と容楽はちょうど対局中だった。しかし冷炎(レイエン)が駆けつけ、羅植と蕭煞が争いになったと報告する。どうやら予定外のことが起こったらしい。「私の計画にはなかったけれど…1つの妙手にはなるわ(クスッ」羅植と蕭煞の戦いは日が暮れても決着がつかなかった。その時、ようやく黎王と王妃が祝宴に現れる。臣下たちは王妃の白髪に驚き、噂には聞いていたが本当だったとざわめいた。容楽は着席すると、羅植と蕭煞を叱責した。王府に武器を持ち込めるのは禁衛軍だけ、原因が何であれ過ちを犯せば罰を受けるべきだという。「誰か!蕭統領と羅将軍を杖刑(ジョウケイ)20回に!」蕭煞は大人しく退出したが、羅植は動こうとしなかった。すると羅家の将校たちがひざまずき、辺境の戦で大功を立てた羅植の処罰は免じて欲しいと嘆願する。しかし容楽は戦功については別途、黎王から褒賞するが、法を犯せば罰せられると退けた。そこで羅植は確かに罪を犯したと認めたものの、黎王からの罰でなければ受けないと反発する。「王妃は女子の務めを果たせば良いっ!陰で殿下を支えるべき者が政の表舞台に出てきた上、 私をねぎらう宴で恥をかかせ、罰を与えて威厳を潰した 羅家軍の総帥たる私が女子に振り回されるとは…王妃は白髪の妖婦です!」この暴言にさすがの無憂も憤慨、卓を思い切り叩いた。容楽は無憂をなだめ、羅植の前まで歩み寄った。そこで自分に不満があるなら能力を認めてもらうまでだという。「将軍は騎射の名人ね?ここで馬には乗れないけど弓術はできる」容楽は弓矢と的を準備すると、腕比べを提案した。これには羅植も呆れ、女子に勝っても何の栄誉も得られないと鼻で笑う。すると容楽は的の一番中心を射た方が勝ちと決め、賭けを持ちかけた。もし自分が負けたら羅植の希望通り政事から身を引くが、羅植が負けたら兵権を手放せという。「はお、約束します、王妃が負けても泣いて取り乱さぬよう」「…当然よ、私が負けたら潔く認めるわ、では将軍からどうぞ」羅植の矢は見事に的の中心に刺さった。羅植にとってはこんな腕比べなど朝飯前、しかし容楽はあえて目隠しをして矢をつがえる。実は容楽はかつて天仇門(テンキュウモン)の男から弓術を学んだことがあり、身体にその技術が染み込んでいた。すると容楽の放った矢は羅植の矢を真っ二つに裂き、的の中心をとらえる。王妃の予想外の腕前に羅植は唖然としながら、自分があとなら同じ手で勝てたと不平を訴えた。容楽はここが戦場なら二度目の機会はないと迫り、戦が残酷なのはやり直しが利かないからだという。「今日は対面を失うだけで済んだけど、ここが戦場なら羅家軍の皆が犠牲になったわ!」容楽は羅植が負けたのは自分を甘く見て3割の能力しか発揮しなかったせいだと指摘、自分は全力を尽くしたと言った。羅植は潔く負けを認め、虎符を差し出した。虎符を受け取った容楽は、実は凱旋の祝いがあると言って羅植の母である羅夫人を呼ぶ。すると容楽は立派な将軍を育ててくれた夫人に絹の衣を贈ると言った。夫人は黎王からの褒美だけでも十分感謝していると恐縮し、呆然と立ちすくむ息子にひざまずくよう命じる。「この子の父親は生涯、賭け事を嫌っておりました、それなのに兵符を賭けるなんて!」夫人は思わず声を荒げ、愚かな息子だと嘆いた。そこで容楽は侍女が持ってきた夫人への贈り物の上に虎符を置き、羅植に差し出す。「夫人、羅将軍をちょっとからかっただけなのです 羅家軍は我が王朝の精鋭部隊、羅将軍は失い難き忠臣です…もう二度と気安く兵符を賭けないで」夫人は拝跪すると、羅植も王妃の恩情に感謝した。「今後、羅家軍は殿下と王妃のご指示に従い、全力を尽くし、万死も辞しません!」こうして孫継周と蔡厳和の企みは失敗、かえって容楽に花を持たせることになってしまう。容楽が無事に粗暴な羅植を心服させると、黙って見守っていた無憂がやって来た。「ふふ…お腹が空いちゃった」「では何か食べようか」無憂は容楽の手を取り、上座に戻って行く。すると黎王と王妃の夫婦の情を目の当りにした羅植は、ふとある思いが込み上げた。孫雅璃(ソンアリ)は一晩、王府で世話になり、翌朝、帰ることにした。しかしちょうど門を出たところで泠月(レイゲツ)に呼び止められ、羅植が自分を見初めて縁談を願い出たと知る。驚いた雅璃は黎王に直訴しようと王府へ戻ったが、ちょうど殿内で黎王と王妃が自分の縁談の話をしていた。すると黎王が兵権を握る羅植が孫家と姻族になれば士族の勢力を削げなくなると懸念し、拒むべきだと言ってくれる。立ち聞きしていた雅璃は安心したが、王妃が雅璃の良縁を無駄にしたくないと言い出した。「雅璃は落ち込んでいたわ…この1年ずっと寂しかったはずよ?妙な噂も尽きなかった もしかしたら羅植との出会いが、良い転機になるかも…」容楽は純粋に雅璃の幸せを願っていたが、雅璃は容楽が初めから自分を羅植に嫁がせようと企んでいたと誤解してしまう。泠月は逃げるように立ち去った雅璃を追いかけた。すると中庭に出た雅璃はいきなり黎王からもらった腕輪を外し、投げ捨ててしまう。困惑する泠月だったが、雅璃は自分には福もなければ縁もないと嘆いた。黎王と容楽、蕭煞と泠月、幸せな話を聞いたり目にする度に雅璃の心はすさんで行ったという。「どうしてなの?どうして私だけが選べないの?!」←( ̄▽ ̄;)もう知らんがな…しかし泠月は雅璃に縁がないわけではなく、逃しているだけだと励ました。「心も身体も委ねられる人に出会えたら、しっかり捕まえて絶対、放してはダメ …あまり悩まず、欲しいものは努力してつかみ取るの でもその過程で挫折や不公平が生じたら戦うのよ? あなたは弱く、何も持たない、だから傷つけられ虐げられる、分かる?」雅璃はそんな泠月の言葉に勇気付けられ、腕輪を拾って再び腕にはめた。↓面倒臭い雅璃と怪しすぎるアヒル口w容楽がついに朝臣たちの前で白髪姿を披露した。これを機に無憂は容楽を街に連れ出すことにする。容楽は不便な思いをして出て来たが、民情の視察が無憂の口実だったと気づいてへそを曲げた。しかし無憂は人の目など気にするなと言って容楽の手を取る。すると道すがら、2人は棗(ナツメ)餅の露店の店主から声をかけられた。無憂は容楽にひと切れ手渡すと、銭袋ごと代金を支払う。「公子…多すぎます(汗」「老板(ラオバン)、この蒸し餅を全部、頂くわ、流民署へ届けて欲しいの それに今日は寒いから、早めに店じまいするといい」店主は優しい夫婦に感謝し、早速、片付けて別山居(ベツサンキョ)へ行くと喜んだ。別山居は青州で最も有名な茶楼だった。しかし今や講談師の″白髪妖婦″の話が聞けるとあって、連日にぎわっているという。そこで無憂と容楽はお忍びで訪ねてみることにした。別山居には今日も項影(コウエイ)が来ていた。項影は黎王と容楽の姿に気づいたが、実は講談師も2人がいることを確認しながら話を始める。「白髪妖婦は白狐が修行して化けた女で、妖術を施し、人心を惑わせます 世の中を縦横無尽に動き回り、権力を持つ男に取りつくのです 美人だが、ふしだらで邪悪、各地で戦乱を引き起こしています、まさに民の敵だ!」その時、客の1人が王妃も白髪美人らしいと思い出し、まさか王妃が白髪妖婦なのかと疑った。しかし1人の女ごときに何ができるというのか。すると講談師は白髪妖婦が邪悪な魂を持っており、天災を招くと吹聴した。客席には講談師の作り話にすっかり怯える客もいたが、やはりでたらめだと反発する客も出てくる。中には養民変法(ヨウミンヘンホウ)で民を救った黎王の中傷を撒き散らすなと冷静な客もいた。やがて店内は意見が違う客同士で口論が始まったが、その隙に給仕が背後から容楽に近づき、水差しの長い注ぎ口でいきなり容楽の面紗(メンシャ)を外してしまう。「あっ!あれは!白髪妖婦だあ!」容楽の白髪に驚愕した客たちは一斉に店を逃げ出すと、給仕はまるで白髪妖婦に殺されたかのように自害してしまう。無憂は騒動の中、かろうじて講談師を捕まえることに成功した。すると思いがけず店にいた項影と再会を果たす。そこへ冷炎が兵を率いて到着、無憂は講談師を引き渡し、早々に王府へ引き上げた。容楽は項影にこのまま侍衛にならないかと誘った。しかし項影はこの1年で放浪癖がついたと話し、旅を続けたいという。容楽は決して強要せず、こうして出会えたことだけでも幸いだと言った。項影の話では、あの講談師は以前からでたらめな話を吹聴しており、不審に思って通いつめていたという。結局、別山居では他に怪しい者も手がかかりも見つからなかった。冷炎は天仇門の仕業ではないかと怪しんだが、項影が否定する。項影も天仇門に狙われているが、実はこの3ヶ月は鳴りを潜めていた。中山(チュウザン)の東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)も封鎖されており、恐らく摂政王となった傅筹(フチュウ)が過去の汚点を消したいのだと推察する。すると考え込んでいた無憂が黒幕の真の目的は民の恐怖を煽ることだと言った。確かに自分たちが民の信頼を失えば変法が行き詰まる。「首謀者は南境にかなり詳しい…北境と結託しているなら、噂は威力を振るい出す」そこで無憂は冷炎に噂の広まり具合を確認させ、北境と往来のある朝臣にも注意するよう命じた。一方、摂政王となった傅筹(フチュウ)は1年の戦を経て凱旋していた。しかし皇宮に戻らず、将軍府の静謐(セイヒツ)園へ寄り道する。その頃、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は血烏(ケツウ)を採りに行くという蕭可(ショウカ)と無相子(ムソウシ)に同行し、幽棘(ユウキョク)山にいた。何日も歩き回ってようやくそれらしい岩場を発見したが、常人ではとても登れそうにない。そこで無相子が一足先に軽功で颯爽と登って行った。蕭可は待ちきれず、登り始めたが、足を滑らせ落下してしまう。悲鳴を聞いて慌てて引き返した無相子、すると無憂が蕭可を抱きとめ、無事だった。その時、ちょうど山裾に住むという猟師が通りかかる。「また来たのかい?」実は先月も大勢でやって来て、何日もかけてお宝を探していたという。結局、ある男がこの岩場を登り詰め、崖の上に生えている赤くて棘のある植物を持って帰ったとか。蕭可は首を傾げた。血烏など普通は必要ないはず、しかも人の血を与えないと枯れてしまう。そこまでして血烏を欲しがるとは一体、誰なのか?血烏を手に入れたのは傅筹だった。傅筹は容楽が使っていた寝殿に血烏を置くと、しばし感傷に浸る。容楽が使っていた寝台、そして容楽が書物を読んでいた卓…。思い出すのはわずかながら見せてくれた容楽の笑顔だった。そこで傅筹は自分の手のひらを切って血烏に与える。すると常堅(ジョウケン)が迎えにやって来た。皇太后の話では文武百官が宴席を用意して摂政王の帰りを待っているという。管理が行き届き、以前と変わらぬままの静謐園と攏月(ロウゲツ)楼、しかし主だけがいない。傅筹は虚しい気持ちを抱えたまま、血烏を入れた箱を持って皇宮に帰った。↓…って血烏www宮中に戻った傅筹は母の具合を聞いた。常堅によれば毎日、薬を飲んで快方に向かっており、ひと月も発作がないので根治したのかもしれないという。しかし符鴛(フエン)後宮には移らず、改修した森閻(シンエン)宮に住んでいた。つづく( ̄▽ ̄;)別山居で子供を連れて逃げる奥さんの方が怖かった件w
2020.08.06
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白发 Princess Silver第39話「南境の1年」容楽(ヨウラク)が黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)と青州(セイシュウ)で暮らし始めて1年が過ぎた。政務で忙しい無憂だったが、その日は漫夭(マンヨウ)と一緒に桟橋に出て凧揚げを楽しむ。巷の男たちは春になると、想い人を誘って凧揚げをするのだとか…。すると偶然、泠月(レイゲツ)と蕭煞(ショウサツ)も凧揚げにやって来た。↓(*´꒳`*)幸せそう〜泠月の提案で無憂と蕭煞は凧揚げで腕比べすることになった。「負けたら罰がありますよ?」蕭煞は泠月と目配せして黎王に戦いを挑んだが、無憂に糸を切られて蕭煞の凧は飛んで行ってしまう。しかし無憂も自らで糸を切り、自分の凧を手放した。言い伝えでは凧を放つと苦難を取り除けるという。そこへ子供たちが駆けつけた。無憂は濯州(タクシュウ)の地震で親を失った子供たちを王府で引き取っていた。始めは無口だった子供たちも世話係を引き受けた蕭煞のおかげで活発になっている。実は泠月は凧揚げが得意という蕭煞が勝つと見込んで、公主と黎王に子供たちの世話を任せようと計画していた。「あの子たちが一日中、蕭煞にまとわりつくので内緒話もできません(ボソッ」容楽は失笑し、今日は自分が子供たちの面倒を見ると言った。容楽にとって人生で最も幸せな1年だった。周囲からは事実上の王妃として認識されていたが、実は正式に冊封されていない。無憂がいくら結婚したいと望んでも、容楽は時間が欲しいと断った。今でもあの日、無憂を刺してしまった辛い記憶が蘇る容楽…。無憂は容楽から幸せな思い出が苦しみを覆い隠す時まで待って欲しいと言われ、それ以上、強要はしなかった。そんなある日、陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が辺境から戻って来た。すると王府へ向かう道すがら、茶楼・別山居(ベツサンキョ)から漏れ聞こえる講談師の話に馬を止める。「1年前、傅(フ)将軍は符鴛(フエン)皇后の鳳印(ホウイン)を公表 尉(イ)国は傅将軍の威名に恐れをなし、北臨の内乱に乗じて攻め入ることを諦めました 傅将軍は皇族の名に恥じぬ英雄です ご存知の通り符鴛皇后は焼死したと伝えられていましたが、実は生きていたのです ある侍女に救助されたとか…ただ傾国の美貌が損なわれてしまい、衝撃から錯乱したそうです 符鴛皇后と言えば宸(シン)国公主のご出身、上品で美しく聡明でした 先帝は娶るため大変な努力をしたと聞きます、ただ美人は薄幸ゆえ、今も錯乱したままだそう 摂政王となった傅将軍は母のために名医を探させています、病が治るのは時間の問題でしょう」その時、黒い笠を目深にかぶった項影(コウエイ)が講談師に注文をつけた。「北境の話ばかりせず、南境の話もしてくれ」しかし講談師は黎王が皇位継承者の有力候補だったにも関わらず、1人の女子のために全てをあきらめてしまったという。今や南境に落ち延び、先帝の年号を引き継ぐも、逆賊の汚名を背負ったままだと辛辣だった。確かに黎王が実施した養民変法(ヨウミンヘンホウ)のおかげで民は士族の搾取を免れていたが、士族の根が深く、変法は続かないと考える者も少なくない。内乱が収まったとは言え南境は北境や他国と一触即発、戦になれば勝ち目はないと悲観する声まであった。辺境の戦で南境の羅(ラ)家軍が勝利、宸国から使者が祝いを届けにやって来た。朝臣の蔡厳和(サイゲンカ)はなぜ黎王自ら迎えに出ないのかと不満を漏らしたが、代理を任された范陽(ハンヨウ)王・宗政玄明(ソウセイゲンメイ)が黎王には別の予定があるという。国書によると宸国は無憂を国君の礼で迎え、同盟を結びたいと希望していた。范陽王は礼儀にかなわないと一蹴したが、蔡厳和は即位すれば人心をつかめると進言する。実は黎王がいつまでも皇帝を名乗らないのは謀反だからだという不穏な噂があった。しかし曹(ソウ)氏は黎王が先帝の年号を継承するのは先帝への忠義の現れであり、南北の対立を望んでいないからだとかばう。その時、ついに陳王が到着、蔡厳和を無礼だと一喝した。「王叔が重傷を負いつつも南境の情勢を鎮めたゆえ、今の平穏がある あなた方は功臣として褒美を競うだけで、王叔や七哥の敵など眼中にない …七兄は傅筹のように忠孝や仁義に背いたりしない 北臨の安定なくして七哥は即位できぬ 七哥に敵討ちを諦め、南境で即位しろと言う者は、私と共に前線で過酷な戦を経験してみよ」すると范陽王が無憂の命を伝えた。「宸国の特使が来たら黎王の不在を理由に曹大人(ダーレン)が宸国に出向き、 交易の円滑化について話し合え、両国の同盟に至っては別途、協議する」無郁は自分が一足先に戻ったのは羅植(ラショク)たちが戻る前に褒賞金を準備してもらうためだと話した。驚いた蔡厳和は優先順位があるので急には無理だという。「軍資金の帳簿を調べたが、変法の施工後、褒賞金は別枠のはず…足りぬなら不正が疑われるな 羅植将軍はあの性分だ、1両でも足りなければ蔡家の財産を出せと詰め寄られるぞ?」蔡厳和が取り乱す様子を見た孫継周(ソンケイシュウ)は、咄嗟に自分から金200両を寄付すると申し出た。変法で最も土地を削られると分かっていながら反対しなかった孫継周、無郁はさすがだと感心し、蔡厳和にこれで足りるかと迫る。急にしおらしくなった蔡厳和は、羅家が戻り次第、褒賞金を必ず渡すと約束した。無憂はどんなに忙しくても必ず容楽と夕餉を共にしていた。その夜、無憂は羅植の祝勝の宴に一緒に出ようと誘ったが、容楽は難色を示す。自分が今はまだ微妙な立場であり、2人で公然と出席すれば無憂まで非難を浴びてしまう。変法の維持が困難なだけに容楽は無憂の足を引っ張りたくなかった。しかし無憂は漫夭なら自分と共に矢面に立てるという。「過去のいきさつから王妃の称号を拒む気持ちも分かるが、2人で並び立つことも叶わぬのか?」「…はお、宴には一緒に行くわ」すると喜んだ無憂はもう1つ頼みがあると言った。「羅植のことね…ふふ」無憂と容楽は変法の実施により士族の勢力を削いできた。一方で羅植は戦功を重ね、今や寒門(カンモン)の一族が勢いづいている。確かに傲慢な羅植をこのまま放っておけば、果てしなく増長するやもしれない。実は無憂はそんな羅植を心配し、無郁に見張らせていた。無郁の話では羅植は粗暴な性格ではあるが、飴と鞭を使い分け、うまく軍を統制できるという。気骨があり、強権には屈さず、私欲はないらしい。「忠誠を誓わせるには心服させねばならぬ」「安心して…私に妙計がある」そこへ泠月が止めるのも聞かず、陳王が現れた。泠月は黎王と王妃の夕餉の時間は誰も入れないという規則ができたと教えた。すると容楽は失笑し、陳王の箸とお椀を持ってくるよう頼む。しかしご馳走を期待していた無郁はあまりに質素な献立に驚いた。無憂は漫夭が戦地の将兵に配慮して贅沢を謹んでいると教えたが、そこへ泠月が蕭可(ショウカ)が特別に作った薬膳を運んでくる。蕭可と聞いた無郁は早速、器に手を伸ばしたが、その時、懐から書物が落ちた。容楽は咄嗟に書物を拾うと、″処方箋″と書かれていることに気づく。これでは蕭可への土産だということは誰の目にも明らかだった。蕭可の部屋を訪ねた無郁、しかしそこで親しそうな蕭可と無相子(ムソウシ)の姿を目撃した。2人はようやく″血烏(ケツウ)″について書かれた本を発見、熱心に読んでいる。無視された無郁は2人が見ている書物をのぞき込み、自分が取りに行ってやると声をかけた。しかし蕭可が血烏は危険な場所に生えているため、武芸の達人である無相子が適任だという。何より容楽の命に関わることなのだ。医書によると血烏があればあらゆる毒を抑えられ、髪も黒く戻るという。そこで容楽を落胆させないよう、まず血烏を手に入れてから報告することにしていた。「大叔、どこから探す?」無郁はすっかり蚊帳の外、蕭可に土産を渡せずじまいだった。一方、孫雅璃(ソンアリ)は青州の実家に戻っていた。北境の一件で引きこもっている雅璃だったが、そこへ泠月が容楽からの新茶を届けにやって来る。雅璃は自分のことを気にかけてくれる王妃に感謝すると、泠月は黎王も気にかけていると吹き込んだ。「黎王殿下は青州での思い出をよく話題になさってるわ」「でも所詮は昔のことに過ぎないわ…」すると泠月は一緒に王府へ行こうと誘った。雅璃は人と会うのを避けているからと断ったが、泠月は昔のことなど皆、忘れていると励ます。「それに琴を弾くなら知音を見つけるべきよ 殿下と公主も知音だけど、最近、政務が忙しくてしばらく合奏していないの」泠月にそそのかされた雅璃は思い切って出かけてみることにした。容楽は雅璃の来訪を心から歓迎した。そこで雅璃は手作りの安神(アンシン)香を贈る。容楽はあまり眠れない無憂のために使うと話すと、雅璃は黎王の役に立てると知って嬉しくなった。すると卓に碁盤が出ている。容楽は無憂と対局中だったが、無憂に急な政務が入って中断されてしまったという。「そうだ、雅璃が引き継いでくれない?」「はい、王妃と殿下は良き伴侶で知音です、本当に羨ましい 私なんて孤独で誰にも相手にされません…囲碁も久しぶりです」雅璃はそう言って石を置くと、容楽はその一手を見て感心した。「″九死に一生″、さすがね〜ここでたくさん石を捨てても、別の活路を見出す 捨てて得る物あり、往時を捨てれば希望が見えて来る…」「雅璃は別の活路を見いだせても多くの石を捨てました ここまで追い込まれれば、いくらあがいてもこの勝負は私の負けです」容楽は石を置こうとしていたが手を止め、話題を琴に変えた。しかし雅璃は琴でも王妃に遠く及ばないと落胆し、父に会う約束を思い出したと言って帰ってしまう。孫継周(ソンケイシュウ)は娘がようやく重い腰を上げて王府に行ったと知り、喜んだ。王妃の力を借りて娘を何とか黎王に近づけたい孫継周、しかし雅璃は2人の間に自分が入り込む隙などないという。孫継周はともかく羅植の祝勝の宴に琴を持って出席するよう命じ、黎王に雅璃の存在を知らしめろと発破をかけた。「孫家は衰退しつつあり、羅植ら寒門が幅を利かせる、私も恥は捨てた、お前も覚悟せよ!」翌日、王府では羅植や将軍たちを招いて祝勝の宴が開かれた。しかし羅植はいつまでたっても現れない黎王と王妃に苛立ちを隠せない。その時、ちょうど末席に琴を抱えて現れた雅璃に気づき、1曲弾いてくれと声をかけた。驚いた孫継周は自分の娘だと教え、王妃と琴の腕比べに来ただけだと教える。羅植はならば是非とも雅璃の腕前を拝見したいと頼み、仕方なく孫継周は雅璃に1曲、奏でるよう命じた。孫継周と蔡厳和は雅璃が琴を弾いている間に羅植を牽制した。実は黎王を引き止めているのは王妃で、黎王の心は王妃のことだけで占められているという。ただ王妃と言っても正式には冊封されていなかった。黎王は政務そっちのけで王妃と遊びに出かけ、何でも王妃の言いなりだとか。その上、黎王は政事のことまで王妃に聞いて決めることがあるという。弾き終えた雅璃は不躾な羅植をにらみつけてから席に戻った。そこへ蕭煞が現れ、黎王と王妃は体調が悪いので出席できないと報告して宴を開始するよう告げる。すると蔡厳和は聞こえよがしに孫継周に言った。「やはり黎王府の女主人は無骨な軍人を見下していますね〜」2人に煽られた羅植は憤慨、黎王が功績のある羅家軍を軽視していると非難し、王妃を女狐だと罵ってしまう。つづく( ゚д゚)え?!王叔が生きてた(笑もしかして見逃したかしら?!そして泠月、やはり怪しい〜雅璃が無憂を好きだと見抜いて煽ってるよね〜でも誰の手先なんだろう?
2020.08.05
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白发 Princess Silver第38話「摂政王誕生」林申(リンシン)は思雲陵(シウンリョウ)で思いがけず無相子(ムソウシ)と再会、無隠楼(ムインロウ)の楼主が無相子だと知った。すると林申は無相子1人の力業で自分を阻めると思うのかと嘲笑う。「宗政無憂(ソウセイムユウ)がこのまま逃げ切り、再起を図れると思うのか?」「やってみなければ分からぬ」無相子は林申に挑んだが、林申は配下に任せて先に逃げてしまう。容楽(ヨウラク)は無憂と一緒に馬車で川に向かっていた。無憂は漫夭(マンヨウ)から玉璽を受け取り、このために危険を冒したと知る。「そなたを失えば私は生きる希望も失うのだぞ?」「あなたの父君から託された物よ、必ず渡すと約束したの…陛下が託した信頼と愛だもの」しかし自分のせいで無憂が雲(ウン)貴妃を連れて行けず、別れもできなかったと責任を感じていた。無憂は母の魂なら天にあるとなだめ、玉璽に関係なく民の心に叶う者が天下を獲るべきだという。「私は皇位を守るより、そなたと共に死にたい、それで汚名を残そうと構わぬ …仁ある者が国を治めるならそれでいい」一方、後ろの馬車では蕭可(ショウカ)が孫雅璃(ソンアリ)の手首の傷を手当てしていた。未だ張り詰めた様子の雅璃、将軍に深く傷つけられたせいか自然と警戒心が強くなっている。そこで泠月(レイゲツ)は雅璃が安心できるよう自分の膝を貸してしばし眠らせることにした。その頃、傅筹(フチュウ)たちは必死に無憂たちを追いかけていた。しかし林の中で待ち伏せしていた修羅七煞(シュラシチサツ)に襲撃される。すると林申ら天仇門(テンキュウモン)が追いつき加勢、傅筹を先に行かせた。容楽と無憂たちは無事に陸路を離れ、筏(イカダ)で川を下り始めた。その時、馬のいななきが聞こえ、一行は驚いて振り返る。すると岸から傅筹が弓を構え、無憂に矢を放った。しかしそこへ陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)率いる南境軍の筏が大挙して現れる。傅筹の矢は阻まれ、追いついた重装軍でもなす術なく、結局、傅筹は黙って愛する容楽が無憂と去っていく姿を見送るしかなかった。↓自業自得だけど、何ともわびしい傅筹…(꒦ິ⌑꒦ີ)容楽はついに中山(チュウザン)を離れた。異国の地に嫁いで無憂を愛し、あの街を愛したが、今では恨んでいるという。しかし何度、捨てようとしても離れられなかった中山をこうして無憂と離れることが叶った。「…幸せになれるわよね?」「もちろんだ」無憂はいつか必ず民の信頼を得て、国を立て直す日が来るという。両親から託された責任を果たし、そして民に誓った平和な世を実現させねばならない。「この先どれほど苦難があろうと、永遠にその手を離しはせぬ」「道がどれほど険しくとも、永遠にあなたと共に歩き続けるわ」容楽は心の中で、天に慈悲があるなら1日でも長く生かして欲しいと願った。無憂1人を残して行くのは耐え難い。…少しでもそばにいたいの…その頃、西啓(サイケイ)の皇帝・容斉(ヨウセイ)は茶室でひとり琴を奏でていた。そこへ小荀子(ショウジュンシ)が皇太后から届いた薬を持ってやって来る。「公主は黎(レイ)王と共に無事、中山を離れました」「1年余りか…容楽、宗政無憂がそなたを救ってくれると良いが…」↓( ๑≧ꇴ≦)ホァンショーン!(←もはや言いたいだけwその夜、傅筹は川辺でひとり、物思いにふけっていた。そこへ林申が現れる。「復讐は果たしたが、あの女がいなければ宗政無憂には勝てぬぞ?」「勝負はこれからだ、それに私が負ければ、お前も道連れだ」「そうとも~私は主を選び損ねた、無相子がうらやましい」その時、常堅(ジョウケン)が慌てて駆けつけた。皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)が乱心したという。「今回は事実のようです」すると林申は思わず面白いと言って笑った。 ←ホント悪趣味なオサーンなのよ林申は密かに皇太子を父親と面会させ、東宮へ戻していた。しかし皇太子は子供のような姿になり、傅筹を見るなり父と呼んで笑顔を見せる。「父皇!頂いた飴はとても美味しいです!…学問もしていますよ?」傅筹がまじまじ皇太子を眺めると、皇太子は傅筹にすがりつき、遊んで欲しいとせがんだ。「父皇、お怒りなのですか?…私が無憂より覚えが悪いから?」すると皇太子は父と一緒にいたいと涙する。その姿はかつて父の愛を求めていた少年時代の傅筹そのものだった。しばし感傷にひたっていた傅筹、やがて皇太子は傅筹が父ではないと気づき、何者かと尋ねる。傅筹は思わず自分も息子だと話すと、皇太子は飴をあげる代わりに遊んで欲しいと頼んだ。「みんな無憂と遊んで私をのけ者にするんだ、いいだろう?」その頃、林申は車椅子の北臨帝を東宮へ移動させていた。傅筹はしばし皇太子と遊んでやった。すると林申が皇太子妃を連れてやって来る。傅筹を見た皇太子妃は慌てて皇太子を引き離し、すぐ逃げようと言った。しかし皇太子は皇太子妃を雲(ウン)貴妃だと呼び、傅筹に助けを求める。錯乱した皇太子の姿に驚愕する皇太子妃、その時、ようやく全て傅筹の企みだと気づいた。「痕香(コンコウ)が東宮に来た時から疑っていたけど、ここまで卑劣な男だとは… 皇位のために殿下をこんな姿にして!」傅筹は皇太子妃を連れ出せと命じたが、皇太子妃は今さら怖いものなどないと開き直った。「お前は妻を妖怪のようにして、兄弟の正気を失わせた…お前こそが悪魔よ!」その時、林申がいきなり背後から皇太子妃を斬りつけ、殺してしまう。傅筹は命じた覚えはないと憤慨したが、林申は皇太子を生かしておくのは危険だと警告した。宗政無憂に玉璽を持ち去られた今、傅筹の即位は正義を伴わない。「後顧の憂いは断て」傅筹は今の皇太子なら脅威にならないと止めたが、林申は苦笑するしかなかった。実は皇太子は密かに倒れた皇太子妃の髪からかんざしを抜いて傅筹に迫っている。「後ろを見てみろ、状況が分かっていないのはお前だけだぞ!」すると皇太子がいきなり襲い掛かり、振り返った傅筹はかんざしで肩を刺されてしまう。激怒した傅筹は皇太子の腕をつかんで突き放したが、林申がすかさず皇太子を突き刺した。「私が忠告しなければ、こいつに殺されていたぞ?そうなれば誰が母君の敵を討つ?」「…宗政無憂を殺せば母が戻るのか?黄泉の国からは戻って来られぬ」傅筹は嫌気が差し、ふとあの日、焼け死んだのが自分なら良かったとこぼして出て行った。まさかその様子を北臨帝が見ていたとも知らず…。激しい雨の中、傅筹は橋の上で酒をあおった。「復讐は果たしたが、私の手には何も残らなかった…この結果に何の意味がある?」その時、水路を行く小舟を見つけ、傅筹はふと容楽との出会いを思い出した。「今、君は幸せに暮らしているだろうか?」そんなある日、将軍府に乱心した女が入り込んだ。ちょうど静謐(セイヒツ)園にいた傅筹は騒ぎに気づき、様子を見に行くことにする。その時、女の悲痛な叫び声が聞こえた。「筹児!私の子!…筹児」驚いた傅筹が駆けつけると、その女は丸めた布団を大事そうに抱え、泣いている。こめかみの辺りには火傷の跡があったが、女の顔には母の面影が…。「娘(ニャン)…娘…!私が筹児です、私が母上の息子ですよ? 生きていたんですね!そうと知っていればこうはならなかったのに… こんな傅筹にはならなかったのにっ!絶対にだっ!」傅筹は母の膝に顔を乗せると、女は恐る恐る息子と名乗る男の顔に触れた。乾臨(ケンリン)宮での朝議、皇帝と皇太子の急逝により皇后が懿旨(イシ)を下すことになった。「皇后の命を告ぐ…陛下の崩御に悲哀は尽きぬ、なれど君なくして国成らず 符鴛(フエン)皇后の子・傅筹は陛下の嫡子ながら、陥れられて長く陋巷(ロウコウ)にあり 今、天の加護によりて皇族の身分に戻る 皇室嫡子の立場を回復し、名を宗政無筹(ムチュウ)と改め、天命を受けて皇帝の位に…」「お待ちを!」傅筹が皇位を継ぐと思われた矢先、重臣の楊惟(ヨウイ)が横槍を入れた。「傅将軍の皇族への復帰は、お家の事情である以上に国の大事です 皇后が陛下に代わって将軍を皇太子に封じることに異存はありません しかし皇位となると宗廟や民にも報告が必要です ただ将軍には遺詔も玉璽もなく、即位は世間が納得せぬと思われます」皇后は仕方なく傅筹の意見を聞くことにした。すると傅筹は朝廷の反感を買わないよう、礼部の意向を聞くという。楊惟の提案では、まず皇太子という身分で摂政として国の安泰を計ってはどうかというものだった。乱れた国を1つにまとめれば、民も新帝として承服するはずだという。そこで傅筹はひとまず皇太子にも皇帝にもならず、摂政王の身分で国を治めると宣言した。「宗政無憂は朝廷に背き、南境を拠点とする気だ 宗政無筹はここに誓う…必ず逆賊を倒し、南境の国土を取り戻す その時こそ、私が正々堂々と皇位に就く時だ …言葉をたがえれば天誅を受けよう」つづく(^ꇴ^)シーズン2が終わりました!いよいよ白髪の南境編!
2020.08.04
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白发 Princess Silver第37話「脱走」孫雅璃(ソンアリ)は傅筹(フチュウ)に忠告した。自分がそうだったように容楽(ヨウラク)に執着しても、結局、自分と同じ結末を迎えることになる。しかし傅筹は雅璃とは違うと断言した。「傷を治してしっかり生きろ、己を大事にすれば希望は生まれる」そう言って傅筹は帰ってしまう。傅筹はやはり常堅(ジョウケン)に容楽たちを監視させていた。蕭煞(ショウサツ)の報告では気が触れた夫人の件も調べさせていたという。自由に外出できても監視から逃れられないと落胆する容楽、するとそこへ項影(コウエイ)が現れた。実は皇宮で大掛かりな玉璽(ギョクジ)の捜索をしたが見つからず、王族や重臣の屋敷にもないため、傅筹が怒り心頭だという。玉璽と聞いた容楽はふと軍営で北臨(ホクリン)帝から聞いた″思雲陵(シウンリョウ)″と″玉″という言葉を思い出し、ぴんときた。一方、傅筹に利用されて即位を逃した皇太子・宗政筱仁(ソウセイショウジン)は東宮に軟禁されていた。皇太子は気が触れたふりをして助かろうと考えたが、そこに外套を目深にかぶった男が現れる。するとその男にあっさり演技していると見抜かれ、皇太子は激怒した。「何者だ?!死罪に処し、一族皆殺しにするぞ!」「今に至っても横暴な性格は変わらぬようですね~ かつて私が森閻(シンエン)宮で失脚した皇后にお仕えしていた時も、 幾度となく殿下から侮辱され、虐げられました」林申(リンシン)はそこで顔を見せ、自分のような小者は記憶にないだろうと言った。当時の皇太子は飛ぶ鳥を落とす勢い、使用人の命など塵も同然だっただろう。しかしまさにこれが因果応報、皇太子も今やここまで落ちぶれた。「私が受けた苦しみをすべてお返しします…おとなしく死の覚悟を」その夜、黎(レイ)王府の蕭可(ショウカ)の部屋にも、風のようにある男が現れた。「無相子(ムソウシ)だ、容楽公主から何か預かっていないか?…物は?」「物って?」蕭可は念のため確認すると、無相子は扇子だと教えた。どうやら本物の無相子らしい。蕭可は隠し持っていた扇子を渡すと、扇子の間に小さな密書が挟まれていた。…無憂は森閻宮よ、3日後、令牌を渡す…すると無相子は密書をすぐろうそくで燃やしてしまう。「これも必要になるわ」蕭可は傷薬を渡し、容楽が信用するなら自分も信用すると言った。↓まさか師兄の恋?!w無相子は早速、森閻宮へ潜入、監禁された宗政無憂と再会した。そこで蕭可が作った秘薬を鈎(カギ)が刺さっている肩にふりかけ、傷の回復に効果があると教える。また陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)が兵馬を集め、人は避難させたと報告した。「残るはお前の救出だ…」しかし皇宮は厳重に包囲され、精鋭が守っている森閻宮から助け出すのも困難、しかも手負いの身体で山越えとなれば追撃も免れず、無相子はやはり傅筹の令牌を手に入れた方が円滑に行くと話した。無憂はすぐ漫夭(マンヨウ)が傅筹から盗み出すつもりだと気づき、苦悩の表情を浮かべる。「令牌を手に入れ、3日後に我らと合流する手はずだ 無憂、容楽は凡庸な女子ではない、周到な計画を練っているだろう 心配するな、私も陰から支える」「師兄、必ず守り抜いてくれ」無憂脱出計画の当日、皇后は娘のように可愛がって来た雅璃が軟禁されていると知り、寝殿を訪ねた。雅璃はこの機会を逃すまいと皇后にすがり、助けて欲しいと懇願する。詳しい事情を知らない皇后だったが、将来の寄る辺が欲しくて雅璃を無理やり無憂に嫁がせようとしたと反省していた。しかし雅璃は傅筹に利用されるくらいなら受け入れるべきだったと後悔する。すると皇后はちょうど守衛を追い払ったと話し、今のうちに逃げろと急かした。「南門の守衛は味方よ、南門から出なさい」雅璃は一緒に行こうと言ったが、皇后は宮中を去り難いと断り、雅璃を見送った。傅筹は静謐(セイヒツ)園を訪ねた。その時、ちょうど酒をあおっていた容楽は、空になった酒瓶を石畳に投げつけ割ってしまう。傅筹は容楽の感情的な一面に驚いていたが、容楽はそのまま剣を抜いて稽古を始めた。容楽の美しい身のこなし、すると傅筹は自然とそばに置いてあった琴を弾いて剣舞に興を添える。しかしやがて容楽が剣を落とし、倒れそうになった。傅筹は咄嗟に駆け寄って容楽を座らせると、以前、自分が介抱した手の傷から血が流れている。「水で流そう…」傅筹は容楽を連れて行こうとしたが、容楽が引き止めた。「うぇいしぇんむぁ?なぜこんな仕打ちを? 知っている?私を利用し、傷つける人を信じることは勇気がいるのよ? 白状するわ、もう少しであなたを愛しかけた…」「何だと?」「今さら何を言っても遅い…あなたは私を裏切り、自らの手で私を別の者に差し出した 行動で示したのよ、死ぬより残酷な教訓を… ″恨む″と軽々しく言いたくない、でも今日はあえて言うわ…恨 ん で る」「そうとも、すべて後の祭りだ…でも容楽?再度、機会をくれるなら宗政無憂を許そう 君が望むなら南境など奴にくれてやる、約束しよう 二度と傷つけず、利用もしない、君を大切にし、共に生きて行く」「宗政無憂…無憂…あなたが監禁したの?会いたいわ…今すぐ会わせて!」「容楽…譲歩しているのに、なぜまだ未練を? 目の前にいる私を見ずに、なぜ宗政無憂だけを想い続けるのだ? …? うっ…」 無憂は急に身体がこわばり始めた。「容楽…謀ったな」容楽は鼻で笑いながら傅筹の肩を押すと、傅筹は簡単に倒れてしまう。↓悪い容楽w容楽は警戒心が強い傅筹を騙すため、琴の弦に無毒の薬を塗っていた。ただし自分の血と混ざると途端に最強のしびれ薬になるという。容楽は動けなくなった傅筹を仰向けにすると、懐から令牌を奪った。「傅筹…これまでの情に免じて命までは奪わない ←毎度毎度あまいのよ〜w 今生で私が愛するのは無憂だけよ、でも感謝している、あなたが分からせてくれた 私を一番、想ってくれる人は誰かを…」令牌を手に入れた容楽は剣を佩し、急いで出て行くことにした。すると傅筹が最後の力を振り絞り、容楽の衣の裾をつかむ。しかし容楽は無情にも剣で裾を切り、2人の縁が終わったと知らしめ、去って行った。(※ドラマで自分の裳裾を切って縁を切るという場面はよく見かけます)林申は北臨(ホクリン)帝を監禁している冷宮に皇太子を放り込み、閉じ込めた。皇太子は思いがけず父と再会を果たしたが、車椅子の父は身体の自由が利かず、声も出せない。父を連れて逃げようにも車椅子が鉄鎖でつながれていた。皇太子はこれまでの親不孝と自分の愚かさを嘆き、その場で叩頭して謝罪する。そして自分の命と引き換えにしてでも父を助けると約束するのだった。するとその時、北臨帝が必死に息子へ手を伸ばす。皇太子は思わず父に抱きつき号泣、2人のわだかまりも自然と解けて行った。森閻宮に蕭煞がやって来た。蕭煞は将軍の命で謀反人を刑部へ移送すると告げたが、守衛は密命なら侍従の常堅(ジョウケン)に伝えるはずだと訝しむ。そこで傅筹の令牌を見せ、1刻以内に移送するよう緊急の任務を命じられたと言った。「疑うなら刑部へ行き確認すればいい、だが移送に遅れが生じればお二人の責任になりますよ?」守衛は令牌があれば十分だと納得し、錠を外して中へ入った。すると蕭煞は守衛が鉄鎖の鍵を出したところで背後から殴り倒し、そこへ兵士に扮していた無相子たちが駆けつける。こうして蕭煞と無相子は無事に無憂を解放、移送すると見せかけて無憂を檻に入れた。蕭煞は外門の門衛に傅筹の令牌を見せ、罪人を移送すると言った。確かに罪人は檻につながれ、怪しいところはない。門衛は門を開けるよう命じたが、その時、脱出を試みようとしていた雅璃が兵士に追われて飛び出してきた。「助けてーっ!誰かーっ!」無相子は放っておくよう囁いたが、無憂はどうしても見過ごせず、助けるよう頼む。すると蕭煞と無隠楼が一斉に兵士に襲い掛かり、無相子は無憂の檻を壊して解放した。( ๑≧ꇴ≦)ちょっと雅璃…無憂は肩の傷が癒えないまま応戦し、雅璃を守った。やがて騒ぎに気づいた弓兵たちが矢倉に現れ、角楼に一斉に矢が放たれる。その時、修羅七煞(シュラシチサツ)が現れ、弓兵を排除して援護した。無憂はその間に雅璃を連れて荷車に飛び移り、無相子たちが荷車を引っ張り出して先に逃すことに成功する。一方、しびれ薬が切れた傅筹は無憂を仕留めると決め、皇宮に向かっていた。…容楽、君が悪いのだぞしかし南門に到着してみると、すでに宗政無憂が女子を連れて逃走したという。傅筹は女子が容楽だと思ったが、黒髪だったと聞いて騙されたと憤慨した。無相子と合流した無憂は漫夭(マンヨウ)の行方を聞いた。何でも大事な物を取りに思雲陵へ行ったとか。無憂は急いで迎えに行こうと馬車に乗ったが、こんな時でも雅璃への気遣いを忘れなかった。そんな無憂に雅璃は特別な思いを抱き始めるが…。↓( ๑≧ꇴ≦)雅璃メンドクセ〜また吊り橋効果かいっ一方、容楽は思雲陵に到着していた。そこで雲貴妃の冷室へ急ぎ、かつて無憂が七絶草(シチゼツソウ)を出してくれた場所を探してみる。すると容楽の予想通り玉璽を発見した。「雲貴妃、無憂は私のため天下を諦めました…尊厳も捨て、命まで失いかけた 以前ここで私は無憂の誓いを拒みました、今日は私がここで誓いを立てます どれだけの歳月が私に残されていようと、無憂に真心を捧げ、忠誠を誓います 無憂のためなら命を捨ててもいい、あなたに代わり守らせてください」容楽は拝礼して思雲陵を出たが、外では林申が待っていた。ε-(•́ω•̀๑)<またあなた?(仮面を取ったらちっちゃい人だ!)林申は北臨帝が容楽に玉璽を渡したと踏んで待っていた。容楽は剣を抜いて戦いを挑んだが、林申は自分には勝てないと断言する。「だが進歩したな…」「私を知っているの?」すると林申の言葉通り、容楽はあっさり玉璽を奪われてしまう。そこへ無憂の鷹が現れ、林申に襲いかかった。その隙に容楽は玉璽を取り返して走り出したが、天仇門が行く手を阻む。林申は鷹を撃ち落として追いつき、いくらあがいても無駄だと言った。「私は狙った獲物を必ず仕留める…」容楽は孤軍奮闘していたが、劣勢を強いられた。そこで灯籠を次々倒して油をぶちまけると、祭壇に供えられた酒瓶を投下、油が飛び散って炎が巨大化する。容楽は炎の向こう側にいる林申に向かって玉璽を見せた。「いくら望んでも今日は手に入らないわ…どんな陰謀を企んでいるのか知らないけれど、 無憂を守れるなら私は喜んで玉璽と共に灰となる!」「早まるな!」その時、無憂が颯爽と現れた。無憂は仲間が投げ入れた縄をつかむと、容楽を抱いて脱出することに成功する。慌てた林申はすぐ追いかけようとしたが、無相子が行く手を阻んだ。「天仇門の門主は恥知らずだ、大挙して女子を追い詰めるとは…」「誰かと思えば、その昔、私との戦いに敗れた無相子か 無隠楼の楼主がお前だったとはな…残念だかお前は主を選び損ねた」「誰に従おうと私の勝手だ…ただし厚顔無恥な宦官の仲間だけにはならぬ」( ๑≧ꇴ≦)また痛恨の一撃がwつづく(  ̄꒳ ̄)36話であれ?と思っていたけれど、やはり順序がおかしい本来は傅筹が「今日から好きに出かけていい」→それから蕭可の所へ行ったはずもしかして傷がなんちゃんら~って、手のひらに傷ができる前に聞いちゃったのかw
2020.08.03
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白发 Princess Silver第36話「静かな決意」白髪となって将軍府で目を覚ました容楽(ヨウラク)。傅筹(フチュウ)は一睡もせず付き切りだったが、容楽は自分を盾にして黎(レイ)王・宗政無憂(ソウセイムユウ)を脅した傅筹に激しい憎悪を抱いていた。「無憂に会わせて」「君が無事なら奴も生きられる、君が死んだら…脅しではない 私にとって奴が生きることの唯一の価値だ、元気にならなければ奴には会えぬぞ?」「…出て行って」「私が憎いのは分かっている、私の言葉を信じる気はないだろう こうなった責任を逃れる気はない…すべて私が悪い、君を守れなかった 悪意ですり替えられたことにも気づかなかった、許しを請う気はないが、これだけは言っておく 私たちを陥れた者を見つけ出し、報いを受けさせる…よく休め」傅筹と入れ違いにようやく泠月(レイゲツ)と蕭煞(ショウサツ)が現れた。公主の白髪を見た泠月は涙に暮れるが、そこに密かに項影(コウエイ)が駆けつける。容楽は泠月だけを下げると、項影から墨玉(ボクギョク)扇を受け取った。項影の報告では皇太子が廃され、傅筹は母の金冊(キンサツ)と鳳印(ホウイン)を証拠に朝廷を掌握したという。傅筹は一体どこに無憂を隠したのだろうか。すると項影は傅筹が皇宮にある数ヶ所の冷宮に武装兵を配していると話した。「はっ!符鴛(フエン)皇后が入っていた冷宮は?」「森閻(シンエン)宮です、符鴛皇后が自害した際に焼け、今も廃屋のままです」「蕭煞、傅筹の動きを探り、皇宮に入ったら教えて」蕭煞は拝命し、すぐ出て行った。容楽は無憂を救うためにも身体を鍛えることが先決だと考え、泠月が置いて行った食事を食べ始めた。そして項影に名剣を用意するよう頼む。「剣の稽古を始めるわ…人に利用されぬため、そして虐げられぬために強くなるわ」床を離れた容楽は鏡の前に座った。そこで改めて白髪姿の自分を見ると、その衝撃から涙があふれてくる。しかし鏡の横に置いた墨玉扇に気づき、強い心で立ち向かわねばならないと決意を新たにした。無憂は容楽が予想した通り、森閻宮で監禁されていた。すると傅筹が無憂の様子を見にやって来る。無憂は両肩に鈎(カギ)を突き刺され、鉄鎖でつながれていたが、これこそ長年、傅筹が苦しめられて来た拷問だった。「傅筹、お前は想像以上に卑劣な男だった… 父上が母上を殺した理由がずっと分からなかった、だが漫夭(マンヨウ)を見て分かった あの時、符鴛は十理香(ジュウリコウ)に毒を入れて父上に飲ませたのだ そしてお前も私を倒すため、同じ毒を漫夭に飲ませたのだな…」傅筹は黙って聞いていたが、急に無憂に脈を安定させる薬を飲ませた。無憂への復讐をそう簡単に終わらせるわけにはいかないという。「宗政無憂…我々、母子が味わった苦痛をお前に味わわせてやる」無憂はようやく傅筹が符鴛の子だと気づき、なぜ自分を目の敵にして謀反を企んだのか知ることになった。2人がまだほんの子供だった頃、傅筹は北臨(ホクリン)帝に命を狙われ、仕方なく素性を隠し、帰る家もなくさまよっていたという。しかし無憂は豪華な宮殿でのうのうと暮らし、何の苦労もなく、愛されてわがまま放題に育ったのだ。「それにお前も容楽を利用して傷つけた、なのに容楽は今もお前を想っている」その頃、皇宮に容楽たちが潜入していた。容楽と蕭煞は無隠楼(ムインロウ)が兵士たちを引き付けている間に森閻宮へ向かう。無憂は不公平な世の中を嘆き、手に入れるべきだった物を全て取り戻すと決めた。「私は至高の地位に就くのだ、そして容楽は私の皇后となる だがお前は生涯、鉄鎖と共に孤独に過ごす運命だ」「分かっておらぬな、容楽がお前のそばに留まるとでも? 皇后の位など容楽は見向きもせぬ、正義のために死ねる女子だ お前と生涯を共にするなど絶対にあり得ぬ 私との関係すら断ち切ったのだ、愛したこともない男と暮らすものかっ」←( ๑≧ꇴ≦)痛恨の一撃!「お前の言う通りだ、だが、だからこそ私のそばを離れられぬのだ」「くっくっく…あははは~!」すると傅筹は鉄鎖を引き上げ、無憂を吊り下げた。容楽と蕭煞は森閻宮の屋根に到着した。そこで瓦を一枚外して殿内をのぞいてみると、ちょうど気を失って倒れている無憂の姿がある。蕭煞は早速、助けに行こうとしたが、容楽が止めた。軽率に動けば敵が警戒を強めて監禁場所移動させるはず、そうなったら面倒になる。すると傅筹が現れ、無憂の顔に水をかけて起こした。その時、表から兵士が庭園から火が出たため、避難するよう声をかける。傅筹はすぐ無隠楼の仕業だと気づき、出て行った。その様子を車椅子から宗政允赫(ソウセイインカク)が見ていた。身体の自由を失い、声も出せず、哀れな息子を助けることもできない。すると林申(リンシン)は車椅子を押して北臨帝を連れて帰った。容楽は密かに殿内に飛び降り、無憂と再会した。涙で声にならない容楽、無憂は白髪を見て驚いたが、自分なら鍛えているので何でもないと強がる。「漫夭、君の罪じゃない、危険だからもう帰れ、早く!」すると表から兵士たちの話し声が聞こえて来た。容楽は思わず無憂に口づけし、無隠楼の力を借りて必ず助けると誓う。その時、戸が開いて傅筹が入って来た。しかし危機一髪、容楽はすでに飛び上がり、脱出していた。翌朝、容楽は黎王府に残った蕭可(ショウカ)を訪ねることにした。久しぶりに街に出た容楽だったが、道すがら民たちの噂話を耳にする。「政変の原因は容楽公主の取り合いだと?」「そうとも!声望の高い黎王がなぜ謀反など…女は災いの元さ」蕭煞は憤慨し、公共の場で皇族の風評を撒き散らすなと剣に手をかけ脅した。露天の茶屋にいた民たちは慌てて退散すると、そこへ女が助けを求めながら走って来る。女は蕭煞にぶつかると助けて欲しいと懇願、思わず容楽の馬車の中に逃げ込んだ。容楽は飛び込んできた女に困惑した。「助けてやって!罪もない子供を殺させないで!」女はこめかみの辺りが火傷で禿げており、子供といっても布団を丸めた物を抱えている。すると女を追って来た婦人が外から謝罪し、その夫人は夫に捨てられ子を失い、顔に傷も残った気の毒な人だと訴えた。容楽は目配せすると、蕭煞は婦人に金子を渡し、不憫な夫人を馬車から下ろす。その様子を常堅(ジョウケン)が見ていた。黎王府はすでに没収され、許可なく立ち入ることができなかった。容楽は通さぬなら命はないと門衛を脅したが、容楽を監視している常堅の指示で無事に蕭可と面会が叶う。蕭可はひとり殿内で容楽の解毒薬を研究していた。容楽との再会に喜ぶ蕭可だったが、白髪になった容楽の姿に呆然となる。しかし蕭煞が今は事情を説明している時間がないとなだめた。「迎えに来たのよ」「いいえ、黎王府は静かでいいわ、公主姐姐の治療法を探すには最適な場所よ 効果は一時的だけど解毒薬ができてるわ、脈を診せて」そこで容楽は蕭煞に合図を送り、蕭煞がそれとなく2人の盾になる。容楽はその隙に蕭可の袂に墨玉扇を入れ、何事もなかったかのように部屋を出ることにした。「私の大切な蕭可を傷つけるものがあれば決して許さない」容楽が警護の兵士たちに警告していると、その隙に蕭煞が蕭可に無相子(ムソウシ)に渡すよう伝えた。傅筹は血眼になって玉璽(ギョクジ)を探させていたが、未だ見つからなかった。常堅の報告では容楽が蕭可に会いに黎王府へ出かけたが、妙な行動はなかったという。ただ容楽が剣の稽古を始めたため、傷は悪化していた。 ←(* ゚ェ゚)え?何の傷?また容楽の馬車にからんだ女を調査したところ、乱心者らしいことが分かったという。「女の話だと自分の息子は…」「そんな報告は要らぬ、処理はお前に任せる」そこへ南境から密書が届いた。…取引をお忘れなく、娘をむげにはなさらぬよう…さもなくば私もお約束は守りかねる…孫継周(ソンケイシュウ)容楽は項影から受け取った名剣で稽古を始めていた。その夜、傅筹はその様子をながめていたが、容楽がうっかり手を斬ってしまう。傅筹は慌てて容楽を助け、自ら介抱した。しかし容楽の冷たい視線に耐えきれず、黙って帰ることにする。すると急に容楽が声をかけた。「いつ無憂に会わせるつもり?実際に顔を見るまではあなたを信用できない 私を将軍府に留めたいなら無憂を傷つけないで」「奴に手出ししなければ、ここにいてくれるか? 君がここに残り、奴が北臨を離れるなら、見逃してもいい、過去の怨恨は帳消しとする」容楽は自分さえ軟禁されているのに信用できないと一蹴した。そこで傅筹は今日から自由に外出して構わないと認め、その代わり護衛を連れて行けという。「皇位を手に入れても、まだ無憂に敵意があるの?」「敵意ではない、私と奴は共存できぬのだ!当然だろう?勝ったのが奴なら私を見逃すと思うか? 奴の能力なら再起は可能だ、だから北臨から離れてもらう さもなければ再び争いが起こり、天下は乱れ、民は不安に陥る…」「もういいわ、帰って…もう聞きたくない」一方、項影は天仇門(テンキュウモン)の根城だった東郊(トウコウ)客桟(キャクサン)に忍び込んだ。しかしすでに引き払ったのか、密室には誰もいない。すると壊れた鉄鎖にまだ温かい血が残っているのを発見、近くには黒衣の切れ端が落ちていた。密室で拘束されていた痕香(コンコウ)は、天仇門の撤退のどさくさに紛れて逃げ出した。しかし林の中で追っ手に囲まれてしまう。痕香はたとえ命を失おうと戻らないと拒否、ひとりで応戦したが、そこに項影が現れた。項影の助太刀で痕香は難を逃れた。項影は痕香が将軍の元に戻ると考え、今回の計略のせいで容楽が白髪になったと教える。その件で傅筹は痕香を憎んでおり、もし訪ねていけば殺されるだけだと警告した。「痕香、人生をやり直せ、私が力になる」←色々と良い人なのね@項影「…あなただけね、いつも優しくしてくれる、でもだからこそ迷惑をかけられない」痕香の傅筹への想いは消えないようだった。しかし傅筹が全てを取り戻し、自分も敵を討てたことから、争いとは距離を置くと話す。「父上と母上は私と姐姐に平凡な生活をさせたがっていた… 姐姐はもういないけど、私が望みを叶える」痕香は剣を捨て、1人で歩き出した。傅筹の裏の顔を知った孫雅璃(ソンアリ)は絶望し、陶器の破片で手首を切っていた。そこへ傅筹が現れる。「妻にあんな真似ができるなら優しさは期待できない 一生ここに監禁する気?それとも父を脅す駒に?それなら死ぬわ!」すると傅筹は破片を奪って投げ捨て、寝台の垂れ絹を破いて手首に巻いてやった。「私を恨まぬのか?復讐せずとも良いのか?」「恨んで何になるの?あなたを殺しても、あの穏やかな君子は戻らない…」傅筹は思わず失笑した。実は自分が父に捨てられた上に命を狙われ、地獄からはい上がったとも知らず、雅璃は自分の大将軍の栄光だけを見たのだろう。「お前だって私を愛したことなどなかったのだ、愛したのはお前の幻想に過ぎぬ」「いいえ!あなたはそんな人ではなかっ…」「私はずっとこうだぁぁぁっ! ←( ๑≧ꇴ≦)何この逆ギレw 私の人生は卑怯な陰謀や策略と悪意に満ちている… 英雄を目指したこともないし、期待されもしなかった!」雅璃は自分の敬慕の眼差しが、むしろ傅筹を苛立たせていたと知った。何の苦労も知らない大家の令嬢は常に人を見下しながら、その実、無知で浅はかに過ぎないという。「ふっ、容楽公主があなたを愛さない訳が分かったわ… 確かに私はあなたの過去を知らない、言わないからよ! 戦場での勇敢さと穏やかな物腰が好きだった…そう見せていたでしょう?! そのあなたを愛したのが間違いなの?私の気持ちを踏みにじるのがそんなに楽しいの?」「(ゥッ…ウルセー)お前の愛などいらぬ、欲しいのは容楽のみ」「でもその容楽の心は永遠に手に入らないわ…」すると傅筹は、自分を挑発しても死ぬことはできないと釘を刺した。「お前は一人娘だ、お前が死んだら父上がどうなると?」驚いた雅璃は父だけは助けてくれと命乞いし、こうなったのも自業自得だと認める。しかし傅筹の容楽への想いも自分と同じだと訴え、最後に忠告した。「愛ではなく、黎王に勝ちたいだけでは?もう諦めて… 執着しても私と同じ結末を迎えるわ」つづく( ๑≧ꇴ≦)雅璃の正論キターッ!
2020.08.02
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大明风华 Ming Dynasty第24話「苦しい決断」永楽帝・朱棣(シュテイ)は孫若微(ソンジャクビ)が″靖難(セイナン)の遺児″だと知っていた。愛を選ぶか権力を選ぶか迫られた朱瞻基(シュセンキ)は、思い悩むあまり高熱を出してしまう。相談を受けた徐浜(ジョヒン)は本人の意見を聞くべきだと助言、若微を呼んだ。すると2人の話を聞いた若微は永楽帝に会わせ欲しいという。「3日以内に会ってくれなければ自害し、後顧の憂いを断つ…皇上と2人のね」若微が出て行くと、朱瞻基は若微を会わせる前に先に自分が話をすると決めた。翌朝、朱瞻基は祖父に謁見を願い出たが、門前払いだった。仕方なく回廊でひたすら待ち続ける朱瞻基、何度も追い返されるがあきらめる様子はない。やがて総監・鼻涕(ビテイ)は丸一日ひざまずいている皇太孫を心配し、出直すよう説得した。しかし朱瞻基は高熱でぼんやりしながらも首を横に振り、拒む。すると食糧の輸送計画を詰めていた楊士奇(ヨウシキ)・楊栄(ヨウエイ)・楊溥(ヨウフ)たちも帰って行った。鼻涕は仕方なく永楽帝が静まったら呼ぶと声をかけたが、朱瞻基は最後にもう一度だけ頼んで欲しいと訴える。「今から言うことを伝えれば、必ずお会いになる…」鼻涕は皇太孫がいとま願いに来たと報告した。するとようやく永楽帝は朱瞻基の謁見を認めてくれる。朱瞻基はふらふらになりながら殿内へ進み、祖父に心に秘めた思いをすべて伝えたいと言った。「爺爺(イェイェ)は間違っています…靖難の虐殺は大間違いでしたぁぁぁーっ! 建文(ケンブン)の忠臣も忠臣です!私たちはこの借りを必ず返すべきです…ゥッ…」「…つまり私は許されぬ罪を犯した重罪人だと?」「いいえ…」「″建文の忠臣も忠臣″か…ならば私は?天下一の逆賊か?…大した度胸だ」朱瞻基は思わず顔を両手で覆って泣き崩れたが、開き直ったのか急に失笑した。「あはは…はぁ~…私に問いました いつか孫小姐(シャオジェ)の身分を問われたら、どう説明するのかと? 本当にその日が来たら、天下におお~声で告げます!″私の妻は靖難の遺児だ″と! 私と孫小姐はすでに過去と向き合い、仇敵との和解をお互い望んでいます 私は祠堂を建て、知らしめるのです…方孝孺(ホウコウジュ)は忠実で模範的な学者だと… これこそ帝王の気概と度量なのでは?違いますか? 爺爺は領土と人材がお好きです、領土は戦により得ることができます では人材は?何年もかけ、やっと大明の士気や文化が回復するのでは?! 爺爺はご自分の行いに″後悔はない″と…本当ですか? だとしたらなぜ苦労して建文を探し、会ったのです? 私は孫小姐を裏切れません、私の命と替えてでも…爺爺には過去と向き合って欲しい…」「…孫小姐にも話したのか?」「はい、爺爺に会いたいと…3日以内に会ってくれぬなら自害するそうです 後顧の憂いを断つために… 爺爺は靖難の遺児と知りながら婚姻をお許しになった…爺爺のお考えは分かっています」全て言い尽くした朱瞻基はそこで帰ることにした。しかしその時、急に永楽帝が口を開く。「…今までお前は何の話を?分からぬ…まったく理解ができぬ、何を言っている?」「( ゚д゚)へ?」朱瞻基は孫に正論をぶつけられ、思わず高笑いした。「若者に対抗してはならぬな」永楽帝はへたり込んでいる朱瞻基の前にやって来た。「お前にはかなわぬ…」すると朱瞻基は安堵したのか、顔をぐちゃぐちゃにして泣き出してしまう。「方孝孺のために祠堂を建てても構わん、だが私を極悪人にするなよ?こう言うのだ… ″永楽帝は人生で大罪を犯し、また大功も立てた 何十年もの間、心が休まる日はなかったのだ ある者は国賊だと罵っていた またある者は永楽は戦を好み、軍事に金をつぎ込み、国と民を顧みなかったと″…」しかしそこまで言った永楽帝は急に苛立ちを隠せなくなった。「…私が質素に暮らし、戦場では苦労したと後世の者は知らぬっ!」思わず声を荒げてしまった永楽帝、ばつが悪そうに髭を撫で回していると、朱瞻基が祖父の袂を引っ張って止める。「爺爺はお独りではありません、私が後世に伝えます…(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン」「…もう寝る」そこで朱瞻基は丁重に拝礼し、下がった。ひとりになった永楽帝はすっかり疲れて寝台に腰掛ける。するとまた大きな手で眉毛を撫でながら、酒が飲みたいとこぼした。軍に配置された于謙(ウケン)は馬小屋にある藁におから漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)が指揮する騎兵隊の演習を眺めていた。ハシジュスは何事かとはしごを登ってみたが、何が面白いのか分からない。「兵書に記されている戦法です、書で得た知識だけでは浅い、実際、見てこそ分かる 今の皇上はこの騎兵戦術でアルクタイを破り、全勝しています」しかしハシジュスはアルクタイが負けたのは間抜けだったからだと反論、意見が分かれた。若微は永楽帝に謁見し、嫁ぐと決めた以上、命は惜しくないと言い放った。ただなぜ自分が遺児だと知りながら永楽帝が生かしているのか分からないという。すると永楽帝は説明するのが難しいとため息をついた。「…つまり、私や建文の代の過ちだ」若微は永楽帝の口から″過ち″という言葉が飛び出し、いささか面食らう。「若者にツケを回してしまった、史官に厳しく評価されても受け入れる、面倒を後世に残せぬ 初めて会ったのは園遊会だったな…その時に思ったのだ そなたの目に映る私はそれほどまでの悪人ではないのかもと… お互いに重荷を下ろし、家族になれるかもとな 私の孫はそなたを深く想っている、そなたを救うため命を差し出すと…そなたは? この家との間にある確執を諦めることができるか?」「…もちろんです」若微は叩頭してそう答えた。その夜、ハシジュスは于謙に自分の戦術を説明した。しかし于謙にあっさり論破され、腹いせに不意をついて于謙の首を絞めてしまう。↓ハシジュスと于謙て似てない?wそんなある日、皇太子・朱高熾(シュコウシ)は冤罪で収監された解縉(カイシン)の様子を見に行った。すると解縉は椅子に貼り付けにされ、拷問を受けたと知る。実は解縉は夜番が眠れないほど泣き叫んでうるさく、拷問でようやくおとなしくなったという。皇太子は哀れな解縉に同情し、皇帝の親征が終わるまでの我慢だと言い聞かせ、帰ることにした。しかし解縉は皇帝が軍の幸運を祈って近々、大赦を行うと聞きつけ、すでに刑部に自分の名も載せるよう頼んだという。「皇上に却下されたら口添えしてください」どうやら解縉は自分がいかに浅はかなことをしたのか、気づいていないようだった。「お前は賢いのかバカなのか分からぬっ!」永楽帝は特赦の名簿を見るや否や、趙(チョウ)王・朱高燧(シュコウスイ)を呼びつけた。「なぜ解縉の名がある?!釈放する気か?…いくらもらったあぁぁ!」父の怒号を聞いた朱高燧は困惑し、刑部の名簿なので見ていないと訴える。そこへちょうど皇太子がやって来た。永楽帝は解縉の件だと思ったが、朱高熾は習っていた書が進歩したので持って来たと伝え、兵部と戸部が精査した出征費用の内訳もあるという。「刑部が特赦の名簿を持って来たが、見たか?」「いいえ、皇上への奏状は太子府ではなく、尚書房に直接、届けられますので…」すると永楽帝は皇太子にも名簿を見せた。朱高熾は解縉の名前を見つけると空々しく驚き、解縉の件は冤罪であり、一介の学者にとって牢獄暮らしは耐えられなかったのだろうとかばう。そこで永楽大典の編纂に免じて放免して欲しいと嘆願、平民として故郷に帰してやって欲しいと上奏した。「うむ、確かに解縉は死罪に値しない、あの者は身体が弱いゆえ、牢は耐え難いのだな? ではこうしよう、老三、お前が牢へ行き、生存を確かめよ、その後、処置を決める」「拝命しました」朱高熾は戸惑ったが、永楽帝にとって刑部の者が解縉に買収された事実を見逃すわけにいかなかった。朱高燧は拘束されていた解縉を解放し、酒と料理を振る舞った。喜んだ解縉だったが、やがて急に意識を失ってしまう。「誰か、解縉を雪の上に置くのだ…」朱高燧の命令で解縉は凍りつくような寒さの中、外へ放り出された。「よく見ておけ、身体が硬直したら牢に戻すのだぞ、明日、報告を…」今日は観兵式、永楽帝が演習場に現れ、各兵営の訓練の成果を見た。まずは三千営の主将である漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)が実践さながらの見事な騎兵戦法を披露する。ちょうどその頃、馬小屋では于謙とハシジュスが馬の準備に追われていた。するとハシジュスが酒を飲みに行こうと誘い、強引に于謙を引っ張って行ってしまう。ハシジュスは酒を大量に積んだ荷車を発見、于謙と一緒にそれとなく兵士たちに紛れ、天幕に酒樽を運び入れた。するとハシジュスは兵士たちが引き上げたと見ると、勝手に酒樽を開けて飲み始めてしまう。驚いた于謙は死にたいのかとハシジュスを蹴飛ばしたが、つい誘惑に負けて一緒に飲み始めた。すっかり良い気分になった2人はもう酒を飲む手が止まらない。しかしその時、運悪く永楽帝一行が戻って来た。于謙とハシジュスは逃げ惑うが出口がなく、仕方なく幕で覆われた皇帝の机の下に潜り込んだ。席に着いた永楽帝は2人に気づく様子もなく、皇太子が持って来た杜甫(トホ)の″兵車行(ヘイシャコウ)″の掛け軸を見ようという。そこで朱瞻基は巻物を開き、音読した。…君聞かずや 漢家 山東の二百州…千村 万落 荆杞(ケイキ)を生ずるを…健婦の鋤犂(ジョリ)を把(ト)るも…禾(クワ)は隴畝(ロウホ)に生じ 東西なし…また秦兵 苦戦に耐えうるを…駆られること 犬 鶏に異ならず…長者 問えど 役夫 恨みを申(ノ)べず …かつこの冬の如きは 未だ関西(カンセイ)の卒を休めず…県官 租を急くも 出でん…男を生むは悪しく 女を生むは好き…女を生まば比鄰(ヒリン)に嫁す 男を生まば百草に随(シタガ)う…君見ずや 青海の頭(ホトリ)…古来 白骨 人の収むるなく…新鬼は煩冤(ハンエン) 旧鬼は泣く…曇り 雨湿る時 声 啾啾(シュウシュウ)たるこの詩を机の下で聞いていた于謙は…。つづく(꒦ິ⌑꒦ີ)イエイエ…メンドクセー(笑最後の杜甫の″兵車行″は戦を嘆いている詩ですどうやら皇太子は今回の戦に反対しているようですね詳しい解釈が知りたい方は検索してみてください
2020.08.01
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大明风华 Ming Dynasty第23話「暴かれた出自」永楽帝は科挙に合格した于謙(ウケン)を奇才と認めながら、軍に配属した。于謙は馬の世話を任されたが、そこでハンジュスと知り合い、酒をご馳走になる。ハシジュスは一風変わった書生を気に入り、自分の家に住まわせることにした。「ハシジュス大哥、よき酒ですが、もうなくなった…」「少し待て、明日また探しに行く」胡善祥(コゼンショウ)は念願叶って朱瞻基(シュセンキ)から如意を受け取った。すると翌朝、女官の豆子(トウシ)が駆けつけ、心眉(シンビ)たちが悪い噂話をしていたと報告する。昨夜、胡善祥の親友である心眉は、皇太孫妃の決定に沸き立つ女官たちを集めて祝宴を開いていた。ちょうどそこに心眉が現れる。驚いた豆子は気まずそうに出て行ったが、心眉はどうせ豆子も皇太孫妃と一緒に宮殿に移りたいのだと言った。今回の秀女選びの儀で決まったのは皇太孫妃と皇太孫嬪、まだ答応(トウオウ)と美人(ビジン)の座が6人ずつ空いている。「あわよくば見初められようとしているの…」しかし胡善祥は女官たちを姉妹同然だと言って事実上、黙認し、連れて行く女官の人選は心眉に任せると言った。心眉はすっかり気を良くし、すでに従妹の安歌(アンカ)たち4人を宮殿に連れて行くつもりだという。「安歌は美人で品行方正だから、太孫爺に口添えしてちょうだいね?」心眉は恐れ多くも如意を手に取り、羨ましそうに眺めながら言った。「…もちろんよ、本当に太孫が気に入れば安歌の地位も上がるはずよ?ニッコリ!」喜んだ心眉は明日の引越しの準備なら万全だと言った。永楽帝の寝宮では重臣たちが集まり、軍事会議が行われていた。すると兵部畑の楊士奇(ヨウシキ)は、漢(カン)王・朱高煦(シュコウク)と趙(チョウ)王・朱高燧(シュコウスイ)が考えた計画をことごとく批判する。「ここは2つの河に挟まれ、道も狭く、大軍を置くには不相応です!」朱高煦と朱高燧は兵部がいつも反対すると憤慨、戦の経験もなく、後方支援もできないと反発した。しかし楊士奇は2万理を超えて物資を運ぶとなれば輸送隊の護衛や食糧も必要となり、敵からの攻撃も受けやすい上、冬は道も滑りやすく運搬も遅れると皇帝に訴える。永楽帝はそれまで静観していたが、やはりこの戦は避けられないと反対意見を退けた。「趙が匈奴(キョウド)を追撃した時、秦は城門を開け、共に何万理も追撃したとか… 今より物資の供給は困難だ…古(イニシエ)の者が成せたなら我々も可能だ」心眉は昨夜の祝宴で、胡善祥が汚されて漢王府から戻ったと仲間内に口を滑らせていた。その夜、胡善祥は2人で食事をしたいと心眉を呼び出し、なぜそんな噂話をしたのか問い詰める。「本当に汚れていたら、あなたにも責任が及ぶのよ? 太孫妃の経歴は偽りとなり、私の世話をするあなたも罰せられる 私が死を賜ったら、あなたは?共に首を吊るか、毒酒を飲むのよ?それなのにあなたは… 私が漢王府からどう戻って来たのか、まるで見ていたかのように話したの? 皇子を誹謗すれば、罪になると承知よね?…あなたの家に問題はなくとも九族皆殺しになる」驚いた心眉は慌ててひざまずき、酔った勢いで出任せを言ったと言い訳した。そこで仲間たちには自分の作り話だと釈明して来ると涙ながらに訴える。しかし胡善祥は急に笑い出した。「あははは~そんなに怯えないで、からかっただけよ」「これからはもう何も言わないと約束する!あなただけに従うわ!私を見捨てないで!」「見捨てたりしないわ、私のたった1人の親友だもの、バカね…もういいの、泣かないで さあ立って、お酒を注ぐから…飲んでちょうだい」心眉は椅子に腰掛けると、慌てて酒を飲み干した。すると胡善祥は席を立ち、戸を開ける。「ふと思ったの…特に持って行く物はないと 女官の衣は着られないし、安っぽい首飾りも笑われるだけだから 荷造りした物はどれも必要ないわ…」「確かにそうね…でも私の衣や従妹の装飾品が…ゥッ!」その時、心眉は急に苦しみだし、倒れてしまう。「ハァ~…人は変わるものよ、私に不利な噂を流した代償は払ってもらう」その頃、朱瞻基はいつものように祖父の寝支度を手伝っていた。すると永楽帝が皇孫妃に選ばれなかった孫若微(ソンジャクビ)の様子を聞いて来る。朱瞻基は祖父に感謝していたと教え、若微は如意をもらえなくても気にしていないと言った。「父君を亡くし、落ち込んでいます」「うむ…もどかしいのだろう、敵を討てない、お前と私、どちらも殺せぬ 靖難(セイナン)の遺児は誠に才がある、奇跡だな」それまで笑顔だった朱瞻基だったが、祖父の言葉を聞いてみるみるうちに顔色が変わった。永楽帝は若微が靖難の遺児だと知っていた。腰を抜かすほど驚いた朱瞻基は祖父の前に這いつくばったが、あまりの恐ろしさに身体の震えが止まらない。永楽帝は朱瞻基から身分を明かすのをずっと待っていたと話し、結局、こうして自分が尋ねるまで明かさなかったと落胆した。「お前にとって私とあの女子ではどちらが大切なのだ?」「…爺爺に従います!」「孫小姐(シャオジエ)は?」「その…ゥッ…彼女を見ると心が痛むのです…分かりません」「なぜ如意を渡さず、別の者を選んだ?」「・・・・」「瞻基、お前にとって権力と愛、どちらが大切なのだ?正直に言えば叶えてやる 婚儀の時や冊封の時も、太子となる時もだ、さらにこの寝台で眠る時にも、問われるのだぞ? 彼女の出自を…どう答える気だ?説明できるか?爺爺にもできぬのに! ハア~女のために進む道が見えなくなったのか?!いつか自滅するぞ!」「爺爺、騙したことは間違っていました…お願いです、どんな罰も受けます 太孫の座につけずとも、彼女の命はお助けください」「孫小姐の命乞いか?」「″己の言動には責任を取れ″と父上が…約束は必ず守ります 爺爺の命を守り、建文(ケンブン)にも会わせた人です 私の命と引き換えに彼女をお守りください」「愛と権力を共に手には入れられぬ、孫小姐を愛しているなら生きる場所を与えてやる 建文と同じように朱姓を捨てろ、平民となれば自由となれる 爺爺が皇帝でいる限り、支援してやれる、権力が欲しいなら覚悟を決めよ、孤高となることを」永楽帝は号泣する朱瞻基に屋敷へ戻り、良く考えるよう命じた。翌朝、胡善祥が身支度を整えていると、突然、胡尚儀が現れた。胡善祥は姑姑の顔を見られず、背を向けていたが、胡尚儀がいきなりひざまずき、祝辞を述べる。「御前女官である六局一司、すべての者がお祝いいたします、末長く長寿でありますように」一方、朱瞻基は東宮の前の宮道でうずくまったまま朝を迎えていた。ようやくふらふら屋敷に入ると、ちょうど中庭で父・朱高熾(シュコウシ)が剣舞を稽古している。「おいおい、尚服局の者が礼服を作るから採寸したいと…」「…来世にします」意気消沈している息子に驚いた朱高熾は慌てて張妍(チョウケン)を呼んだが、2人が見ている前で朱瞻基は倒れてしまう。胡善祥は儲秀(チョシュウ)宮で姉と過ごした。まさか生き別れた姉妹が偶然、再会を果たし、同じ男に嫁ぐことになるとは…。胡善祥はこんな芝居のような話はないと笑い、姉と皇太孫との馴れ初めを尋ねた。すると若微は正直に好きな人がいると告白する。「でも結ばれない…神様には勝てないわ、だから神様に従うしかないの 数十年だけの我慢よ、眠ったり死んだりして、目を閉じれば誰の姿も見えない…」胡善祥には良く分からなかった。宮中から出たことがない胡善祥にとって好きになる価値がある男と言えば皇太孫しかいない。「人を好きになるってどんな感じなの? 犬も猫も飼ったことがないし、分からない…でも姐姐のことは好きよ!」「私も好きよ…ふふふ」「男の人を好きになる感覚ってどんな感じなの?」「例えばあなたの心に胡桃のような硬い殻がある… ある日のある出来事やある言葉が金槌となり、その殻に穴を開ける その人は穴から入り、心に留まるの…」「姐姐?…意味が分からないわ」分からないんか~い!ε=≡( 「ε:)ノ朱瞻基は高熱を出し、寝込んだ。心配した朱高熾は張妍が侍医の見送りに出ている隙に、永楽帝と何があったのか聞き出すことにする。「これで懲りたであろう、なぜ爺爺と建文の仲介に入った?…面倒事を引き受けおって お前は賢いとでも二叔や三叔とすら渡り合えぬ」朱瞻基は自分で解決すると強がったが、父からどちらにしても朱瞻基の罪は家族にも及ぶと言われてしまう。するとようやく朱瞻基は重い口を開いた。「孫…小姐は…靖難の遺児なのです…それが爺爺の耳にも…」「それアカンやつや…」←とは言ってませんw朱高熾は想像以上の大ごとに呆然となった。父は逃げ道を与えない、朱瞻基が自分で何とか逃げ道を作るしかないが、そんな余地はあるだろうか。「爺爺は皆に難題を与えるのが好きだが、心の中は誰も読めない…爺爺の心を見抜くのだな」その夜、女官が若微を迎えに儲秀宮へやって来た。何でも皇太孫が重病で若微に会いたいと言っているとか。若微は早速、出かけたが、皇太孫の部屋で思いがけず徐浜(ジョヒン)と再会した。奥には寝台でぐったりしている朱瞻基がいる。「大事件だ…君の身分を爺爺が知った…なぜ隠していたのかと…決断を迫られている…」まずは徐浜に相談したが、若微の意見を聞けと言われて呼び出したという。すると若微は2人にとって手駒だった自分の意思など関係なく、勝手に決めればいいと捨て鉢な態度だった。そこで徐浜は、永楽帝が遺児の監視をやめて都に戻し、子にも科挙を受けさせていると教える。そのせいで朝廷では老臣や将軍の不満が極限に達しており、婚儀の時に若微が靖難の遺児だと明かされれば騒然となるだろう。永楽帝は当然、非を認めず、その時は若微を罰する、だから密告者は今を狙ったのだ。「最後の方法は…私が太孫の身分を剥奪され、両親は乱党として流刑にされることだ 建文の末路より悲惨だな…爺爺は出征を控えている、都の不穏など許さぬ」一方、胡善祥は漢王から物置部屋に呼び出されていた。すると朱高煦は自分のお陰で朱瞻基が胡善祥に如意を渡したと教える。「そなたのために私は最も重要な情報を売ったのだ…太孫嬪は靖難の遺児だ そなたのためにこの牌(ハイ)を出すのは惜しかった …そなたには知っていて欲しいのだ、私がいなければ虫けら同然の人生を歩んでいたと だがあの日を境に変わった、私とそなたは一蓮托生となった、私はそなたの味方だ」漢王はすでに胡善祥の身辺の者を買収し、使者にしていた。重要なことは使者を通じてやり取りできるという。「話はそれだけだ」しかし胡善祥が出て行こうとした時、朱高煦が言った。「私がひざまずき、挨拶する日が来るかも…″皇后″と呼んでな」胡善祥は思わず振り返ると、意味ありげに微笑む朱高煦を恨めしそうな目で見て帰って行った。徐浜はこの件を漏らしたのが漢王だと見抜いていた。つまり漢王を従えられれば解決することができるが、朱瞻基は二叔父が誰の命も聞かないと分かっている。「爺爺以外には従わぬのだ…」徐浜は自分が話すと言ったが、朱瞻基は同じ遺児として永楽帝に重用されている徐浜では自ら命を差し出すようなものだと止めた。「やはり私が話をする」「それは漢王の思うつぼだ、太孫が遺児を娶ったと自ら認めたことになる」すると若微が口を開いた。「…私を皇上に会わせて」つづく(  ̄꒳ ̄)永楽帝が朱瞻基を叱責する場面何が言いたいのかよく分からず、そのまま興しときました…(汗
2020.08.01
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