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2020.06.27
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第14話「消えた妃」

永楽帝の命で徐浜(ジョヒン)・聶興(ジョウキョウ)・孫愚(ソング)を鶏鳴(ケイメイ)寺まで護送した趙(チョウ)王・朱高燧(シュコウスイ)。
しかし門には皇帝のお達しを告げるべく甥の朱瞻基(シュセンキ)が待っていた。
「″高燧に告ぐ、連れて来た罪人の徐浜・聶興・孫愚を御前に…高燧は外で待て″」
「私が捕縛したのだぞ!なぜ会えぬ!」
「三叔、お達しの途中ですよ〜?
 ″高燧と同じ愚か者と朕を欺く方法をよく話し合ってから会いに来い!″と…」
こうして朱瞻基は3人の奪還に成功、朱高燧は狐につままれたような顔で今度は自分が石段に腰をかけた。

「何をしている?」
「皇上のお達しです、二哥と話し合ってから来いと…」
2人は互いに相手が何かしでかしたと疑って口論となったが、そこへ太監がやって来た。
「皇上は碁を打つので用がなければお帰りください」
「待て!3人の処分について皇上にお伺いを…」
「…?3人とは?」
何も知らない太監はさっさと引き上げ、門を閉めてしまう。

宮中では朴(ボク)妃の世話を任された胡善祥(コゼンショウ)が今日も朴妃の食事を見張っていた。
苛立った朴妃は食事を止めて席を立ち、胡善祥の帳面を取り上げる。
実は皇帝の寵愛を受けた妃は1ヶ月の間、飲食から排泄、睡眠に至るまで日常を克明に記し、懐妊していた場合は侍医が参考にすることになっていた。
めでたく子を産めば東宮のそばに殿舎を設け、皇太子妃と尚儀が面倒を見ることになる。

「安貴妃と同じになるの?」
「お子のいない安貴妃とは当然、違います」
「私は籠の鳥になってしまうの…?」
すると朴妃は最近、妙な噂を聞いたという。
「こう言ってたわ、″朴妃が子を授からなければ皇上まで笑い物になるだろう″と…

胡善祥は咄嗟に平伏し、噂をした者は罰すると約束した。
しかし朴妃は誰が言ったのか教えないという。
「所詮あなたも同類よ、誠実そうな顔をして陰で何をしているか分からない」
朴妃は帳面を持って出て行こうとしが、胡善祥はすかさず記録の返却を求めた。
これに朴妃の怒りが爆発、思わず帳面で胡善祥を叩いてしまう。
「何よ!蓮根だの、豆腐だの…余計なお世話よ!下がりなさい!ちっ!」

胡善祥はすぐ侍女たちを自分の部屋に集めた。
「誰かが朴妃の前でこんなことを言ったそうです、″ご懐妊されなければ皇上の恥″だと…」
驚いた侍女たちは一斉にひざまずいて否定したが、胡善祥は火のないところに煙は立たないはずだと疑う。
「正直に言いなさいっ!
 皆さんは宮中に来て長いはず、何を語ればどうなるか十分に知っているはずです!
 でも追求はやめるわ、全員に累が及びかねないっ!」
胡尚儀はきつく注意をして侍女たちを恐縮させると、今度は下手に出た。
「さあ皆さん、お立ちになって~
 姑姑の命令なので厳しく言わないと私が怒られてしまうのです
 ひどい言い方をして失礼しました」
胡善祥は拝礼し、噂の出どころが太監かもしれないと矛先を変えて侍女たちを安心させた。
すると侍女たちにも笑顔が戻る。
「皆さん、もっとこちらへ…朴妃のことはもう少しの辛抱です
 あと数日もすれば脈診が行われます、ご懐妊の兆候がなければ元の場所へ帰される
 でも万一ご懐妊ということになれば、それは皆さんのお手柄になります
 私のこともお引き立てを(ニッコリ)」
胡善祥は皆で力を合わせて乗り切ろうと訴え、漢王妃や趙王妃以外にも訪ねて来る人がいるか聞いた。
侍女の話では漢王や趙王の太監が何度も探りに来ているという。
「やっぱり噂は太監たちの仕業ね!それより皆さんの見立てを聞かせて?懐妊の兆候は?」
しかし侍女たちは一様に首を横に振った。
「だとするとこれは大変よ~私たちはいいとしても、本当に皇上が恥をかくことになる」
ちょうどその話を朴妃が立ち聞きしていた。
「王府の太監たちが噂していたように、漢王と趙王は大いに喜ぶでしょうね~」
すると侍女たちは失笑した。
「この話は内密にね、外に漏れたら大変だわ~」
どっ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<あははは~!



朱瞻基は徐浜、聶興、孫愚を鶏鳴寺でかくまった。
そこで徐浜は朱瞻基を回廊に連れ出し、若微から″3万の遺児を解放してくれるなら私怨を水に流し、命令に従う″と聞いたと確認する。
すると朱瞻基はまず永楽帝と建文(ケンブン)を引き合わせることが条件だと迫った。
徐浜は朱棣(シュテイ)の目的を聞いてみたが、朱瞻基はあくまで叔父と甥の再会に過ぎないという。
果たして本当に朱瞻基を信じていいのか…。
徐浜はまだどこか納得できない様子だった。
しかし朱瞻基は皇帝が己の名を汚すような真似はしないと断言する。
「私は本気でやり遂げる、そして責任も全て負う」

骨董店での襲撃で足を怪我した聶興は高熱を出していたせいで一体、何があったのか分からずにいた。
孫若微(ソンジャクビ)は言わなくていいと止めたが、孫愚は自分たちが趙王に捕まり、その後、朱瞻基に助けられ、取引を持ちかけられたと話してしまう。
驚いた聶興は罠に決まっていると猛反発した。
しかし若微は信じるという。
復讐を誓って都に来たが、結局、駒として操られ、兄弟たちの多くは市中で命を落とし、負傷した者たちも結局は助からなかった。
若微は遺児たちを助けられるなら両親の叱責も受け入れると覚悟し、無駄死にするより生きている人の役に立ちたいという。

その夜、若微は出て行くと暴れる聶興を縄で縛って拘束した。
「どこへ行くつもりよ?」
「分からない、どこかで療養したら…多分また皇帝を殺しに戻る!
 俺がここを出たら、お前とは永遠に敵同士ということだ」
「じゃあ、戻ってきた時は…私も殺すの?」
「…ああ」

翌朝、安貴妃はまた侍医を連れて朴妃を訪ねた。
「妹妹(メイメイ)は?」
「食後の休憩を…」
安貴妃は朴妃の様子を確認すると言って寝殿に入ったが、朴妃の姿はなかった。

安貴妃は一族の希望となる朴妃が消えたと大騒ぎした。
知らせを受けた胡尚儀は東宮へ駆けつけ、動揺する安貴妃をなだめる。
しかし安貴妃は誰かが皇帝の寵愛を受けた朴妃を陥れたに違いないと訴えた。
「もし皇上に皇子が生まれたら(ふっ)太子・漢王・趙王は都合が悪いものね?」
皇太子妃・張妍(チョウケン)はあらぬ疑いをかけられ激怒、皇子3人は誰も皇帝の意向に反対などしていないと言い返した。
「鶏鳴寺へ行って皇上に確かめたら?」
「望むところよ!」
いきり立つ2人はすぐ出かけると言いだしたが、胡尚儀が皇太子妃を止めた。
「規則によると寵愛を受けた妃は1ヶ月の間ひとりで暮らし、侍医が脈診をして懐妊を確かめる
 その間どなたの面会もお断りします
 安貴妃だけは日頃のよしみを考慮して度々の訪問も目をつぶっておりました
 そのようにお騒ぎになると、掟破りを見逃したことが明るみに出て太子妃にも累が及びます
 安貴妃、皇上に問い詰められたら何と申し開きを?」
すると安貴妃は仕方なく皇帝への嘆願を諦め、胡尚儀に任せることにした。



後宮の長として張妍は胡尚儀と共に朴妃の捜索を見守ることにした。
そこへ胡善祥が駆けつけ、胡尚儀の耳元で何か言おうとする。
すると胡尚儀はいきなり胡善祥をひっぱたいた。
「太子妃の前で内緒話とは無礼なっっっ!!!…話して」
「…衛兵の話によれば、外へ出た者はいないそうです」
朴妃は一体、どこへ消えたのか。

一方、鶏鳴寺では徐浜がついに永楽帝に謁見していた。
永楽帝はこの件が叶えば徐浜に官位を与えると決め、徐浜を立たせる。
「先に段取りを聞こう」
「無錫(ムシャク)の霊山寺にてお会いいただきます、山頂に塔がありますので、そこが良いかと…
 建文帝は先に9階へ上がりますので、皇上は1階へ、顔を合わせることはできません」
「なぜだ?」
「建文帝は再会を望んでおりません、しかし本人である証しは示すとのこと、それが精一杯です」
建文は出家していた。
この件に応じたのは3万人の遺児のためだという。
永楽帝は確かに自分も顔を合わせるのは辛いと話し、ただ本人であることは確かめると言った。
2人が会う刻限は15日後の日没、永楽帝には夜明けまでに帰ってもらう。
永楽帝はできれば建文に殿舎を建ててやりたいと言ったが、徐浜は仏門に入った身の建文帝は殿舎など望んでいないだろうと諌めた。



永楽帝は徐浜を下げ、朱瞻基に自信があるか確認した。
すると朱瞻基は自分の首を懸けていると答える。
「建文の身に何かあれば大変です…どうかお願いします」
「あははは~馬鹿者、お前を犠牲にするものか」
永楽帝は良くやったと褒め、実は褒美を決めてあると言った。
しかし朱瞻基はひざまずいて辞退し、その代わり願いがあるという。
「3万人の遺児たちを赦免し、都へお戻しください…」
「遺児たちを苦役から解放し、必要な物を与え、医者を派遣し、親の弔いをさせ、都に戻すのだな?
 …爺爺はやらぬ、己の行いに悔いはない、信念を変える皇帝にはならぬ
 生涯かけて異民族を平定し、遷都を果たし、運河を開き、″永楽大典″を編纂し、天下の名君となる
 建文に会う目的は皇帝としての謝罪ではなく、叔父としての謝罪だ、分かるか?
 遺児を救うことはお前たちに任せる、私がやるべきは遷都と異民族の平定だ
 それで思い残すことはない」
永楽帝は遺児の解放を次の世代に託した。
「君主の重責を肝に銘じ、私も励みます」

若微は聶興の様子を見に行ったが、すでに聶興は出て行った後だった。
孫愚は一晩かけて説得したが、死んでも出て行くと言い張ったという。
「止めてよ!」
「死ぬまで縛っておけと言うのか?」
聶興は血の気が多く、思い込んだら意地でも突き進む。
孫愚はそんな聶興を止めることなどできないと言った。
「お前は目覚めたが、聶興はまだ夢の中だ…」

一方、宮中では朴妃の大捜索が続いていた。
ついには井戸や堀まで調べたが、手がかりすらない。
「尚儀…終わったわ…」
妃が消えたなど前代未聞、張妍は2皇子や3皇子につけ込まれると分かっていた。
しかし胡尚儀は朴妃の生活を担当していたのは尚儀局だと話し、すべての責任は自分にあるとひざまずく。
「法に従い、私が刑に服すだけです、たとえ骸の状態でも朴妃を探し出します」
「だけど、その骸さえなかったら?」
すると控えていた胡善祥が入ってきた。
「簡単です、骸は用意できます」

張妍は胡善祥と一緒に尚儀局を出た。
すると途中で人払いし、胡善祥の忠誠心を褒める。
胡善祥はその場にひざまずき、皇太子に命を救われた恩があると言った。
「なので太子妃と姑姑にも恩返しを…」
実は胡善祥は朴妃の身代わりの骸として自分の身を捧げるという。
「この命をもってお役に立てるなら本望です、夜明け前に毒を飲みます」
しかし張妍は生きてこそ、その忠誠心が役に立つと言って止めた。

胡善祥は報告のため安貴妃の寝殿を訪ねた。
しかし新しい情報は何もなく、徹夜で捜索を続けていると告げる。
安貴妃は自分も寝ずに待つと圧力をかけ、見つからねば皇帝に話すと脅した。
すると胡善祥は思わず朴妃が子を宿さねば元の生活に戻るだけだが、もし子を宿していながら勝手に出歩いたとなれば罪は大きいと言い返してしまう。
「よくもっ!」
「娘娘(ニャンニャン)、お静まりを…太子妃は″生死はともかく必ず見つける″と…」

胡善祥はさすがに疲れきって尚儀局に戻った。
すると胡尚儀は胡善祥をたれ布で覆った部屋に案内する。
そこには椅子が1つしかなかった。
「縊死(イシ)、服毒、それとも私に任せる?」
「姑姑、いきなり何です?」
すると胡尚儀は胡善祥を椅子に座らせ、胸ぐらをつかむ。
「誰が責任を取れと?!」
「姑姑のためです!」
「責任を取るのは私よ?」

つづく


(^ꇴ^)さすが尚儀が育てただけあって、胡善祥もなかなかですなw
それにしても朴妃の話って…早送りしたいです( ̄▽ ̄;)





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最終更新日  2020.06.27 16:24:02
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