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CHRISTIAN THIELEMANN(Cond) & MÜNCHNER PHILHARMONIKER Monday , March 29 2010Suntory hall, TokyoVn:Vadim RepinWagner/"Tannhäuser", PreludeBrahms/Concerto for Violin and Orchestra in D major, op.77Encore: (Repin) Bach Partita for violin no.2, Sarabande Beethoven/Symphony No.5 in C minor, op.67Encore:Meistersinger von Nuernberg Vorspiel act 1 ***クリスティアン・ティーレマン指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団演奏会2010年3月29日(月)東京 赤坂 サントリーホールワーグナー:オペラ『タンホイザー』序曲ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77 ワディム・レーピン(Vn) レーピンのアンコール: バッハ パルティータ 第2番 サラバンド ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67 「運命」アンコール:ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲***この年まで生きてきたご褒美だったね~今宵は。ティーレマンにレーピン。日本で見ることが夢のような組み合わせ。聞きしに勝る、ティーレマンのワーグナー。なるほどねえという感じ。彼は聴衆を惹き付けるすべを知っている。彼がバイロイトやウィーンで「アイドル」なのもわかるな~こんなに若いのにもう「巨匠」。そりゃ、ミュンヘンフィルはBPOやVPOに比べたらソリストクラスは劣るけど、ティーレマンがぐいぐいひっぱっていく。オケとの仲はツーカーという感じだった。極めて現代的な演奏。まさにエンタテイメントだった。曲目もそうだし、演奏もね、曲芸に近い芸術。ワーグナーが生きていたら喜びそう。どの曲もおもしろかった。まずはタンホイザー序曲から入るんだけど、もう王道ですね。ティーレマンは楽譜なしです。暗譜しています。最初はホルンとトロンボーン、この程度なの~と思ったところも。終わった時残響音がうわっと残って、さすがサントリー!と涙。拍手しないでくれてありがとう!という気持ちだった。これ以外の曲は全部拍手が早過ぎて残響音を楽しめなかった。そしてレーピンのブラームス。入ってきたとたん、うわ~猛獣使いが虎を連れてきた~という感じだった。お客に食いつきそうな猛獣。がるるる…ものすごかった!2人とも入場時まったく笑顔ない。第1楽章はミスタッチが3回ぐらいあったように思ったけど、そんなのオレ様には関係ねえ~そのあとギア入りまくりで、オレ様のカデンツァを聞け!状態。ティーレマン、ブラームスは楽譜あります。オケとヴァイオリンの関係性もしびれたし。レーピンはティーレマンでなく弦楽器の方向を見ながら合わせていた。ちなみにしもて第一、かみてに第二。中央下手にチェロ、中央かみてにヴィオラ膨大な第1楽章が終わってちょこっと拍手が出る。あら。やっちゃった。レーピンはチューニングしまくり。ティーレマンはじっと待ってる。彼も待てるんだ、、第2楽章でヴァイオリンが歌い、ふわあああ~という感じ。第2楽章が終わっても指揮者は手を下ろさず、レーピンの顔をじっと見て、レーピンがうなづいて怒涛の第3楽章に突入!というわけで…。レーピンさんのアンコールは♪バッハ パルティータ 第2番 サラバンド。でした。虎が去って行った。さて休憩後、猛獣使いは魔術師に変貌した。まさに魔術。ベートーベンの第5が、とってもおもしろかった~彼は客席に礼すると、あっという間に演奏し始める。まるで早く終わって帰りたいみたいだと思っていたけどそうではなかった。ティーレマンの楽譜はありません。暗譜してます。あ・さ・ご・は~~ん!!速い!そして驚愕の第2楽章。聴かせた~個々の楽器が聴かせるオーボエをスロウでかなり立たせていた。女性。ひとつの美しいメロディーを次々に手を変え品を変え展開していくベートーベンの得意技。第3楽章はまた運命の鉄のハンマーの違った形での連打から始まってカタルシスに突入する。コントラバスの迫力の演奏に続いてチェロ、そしてヴァイオリン。そしてクライマックス!繰り返しのその2回目が死ぬほど速い!これ以上いけないぐらい速い。おお~っとそう来たか。そして最後の最後のもっとテンポ上がるかと思ったところはゆっくり。鳴らすところはガンガン鳴らし、テンポが速いという現代の聴衆の好みの演奏だと思う。昔の2倍のスピードなんじゃない?アンコール聴衆の熱狂にさっさとアンコールを演奏しだしたティーレマン。その早さたるや、拍手が終わって0.5秒で演奏し始めた。マイスタージンガーの前奏曲!どひゃ~ここはバイロイトですかウィーンですか。ティーレマンのワーグナーが2演目も聴けるなんてありえない幸せ!もう~鳴らす鳴らす。すばらしかったですブラボー。すっかりティーレマンさんのファンになりました。聴衆に愛される指揮者ですね、彼は。***一夜明けてずっと頭の中でレーピンのブラームスが鳴ってるんですけど…Related LinksBrahms violin concerto - Vadim Repin, Charles Dutoit, VFO - medici.tv***追記:2010年4月24日Die Welt の日本公演関連記事Thielemann f?nt die Japaner mit Wagner um 2010年3月26日
2010年03月29日
東京のオペラの森「パルジファル」出演者パルジファル:ブルクハルト・フリッツ Burkhard Fritz ブルクハルト・フリッツは1970年・ハンブルク生まれの今年40歳。そんなに若いのですね。見えないな~(笑) 彼の映像としては「ベンベヌート・チェルリーニ」、ベートーベンの第9、などを過去に見ている。 強靭な感じのテノールでやはりヘルデン・テノールですよね~クンドリー:ミヒャエラ・シュスター Michaela Schuster カウフマンの出たローエングリンのオルトルート役。アンフォルタス:フランツ・グルントヘーバー Franz Grundheber
2010年03月28日
新国立劇場「神々の黄昏」 Part2第2幕ギービヒ家の待合室に座るハーゲン、しもての椅子には隠れ兜をかぶり、ノートゥンクを傍らに置いたジークフリート。ハーゲンのかみてにノルンが3人、ジークフリートのしもてにラインの乙女が3人座っている。セットが下手に動き、またかみてに動く。今度はジークフリートではなく、アルベリヒが座っている。アルベリヒは瀕死の患者で酸素マスクをつけている。アルベリヒはハーゲンに枕を投げつける。ハーゲンはその枕でアルベリヒを窒息死させる。ハーゲンはアルベリヒの病床にあった注射器のモルヒネを自分に注射する。だらんと眠りに落ちる。夜明けの音楽だがそういう表現はない。すばらしい音楽の中、急に椅子に座ったジークフリートが目を覚ます。「帰ったぞ!」「早いな」ハーゲンは薬の影響でだるそうにしている。グートルーネはどこだ?お祝いの準備だ。ジークフリートはグートルーネと婚前交渉のためるんるん出ていく。ハーゲンがホイホーと歌い出す。ここは良かったです。角笛のぶお~という太い音、これはハーゲンが手に持っているブザーの音にしていた。ぶお~ぶお~という緊急の呼び出し音で科学者たちが手に薬品の入った試験管を持って駆け付ける。ハーゲンはその薬を集める。ハーゲンは彼らに酒なのか?薬物なのか?黄色い物体を与える。彼らは陽気に歌い出す。すばらしい合唱。ハイになり過ぎて一人死んでしまう(笑)急に苦しくなった彼らはのたうちまわる。グンターが帰ってくる。ブリュンヒルデを小屋ごと連れてきた(笑)手前かみてからグートルーネ、しもてから青い結婚式の3つ揃いに着替えた男前のジークフリートが出てくる。彼らも結婚の準備をしている。「ジークフリート」の名前を聞いたブリュンヒルデは、小屋から出てきて、ジークフリートにうれしそうに駆け寄るが彼は知らない人を見る目で見る。「奥さんは具合が悪いらしい。」ジークフリートの不貞をなじるブリュンヒルデ、グンターは落ち込む。ジークフリートは偽誓をさせられてしまう。ブリュンヒルデも槍に誓う。死の呪い。ハーゲンがブリュンヒルデが槍をつかむその勢いに気圧されている。このへんの主役の歌唱のパワーがマックスに達していてスゴイ。鳥肌が立つような燃え上がるようなブリュンヒルデの歌唱。ジークフリートは「お祝いだ」と歌うがみんないなくなってしまう。小屋が後退していき、背後に位置する。残されたハーゲンとブリュンヒルデ。グンターは無数の小部屋から出たり入ったりしている。彼らがジークフリートへの復讐を誓う間、後方でブリュンヒルデの小屋の前をうろうろしているジークフリート。どこかで何かおかしいと感じている、無邪気な彼がかわいそうでならない。第3幕幕の前狩りに向かう人々ラインの乙女たち。水着にゴーグル姿で水の絵の中で泳ぐ。わざと肉襦袢のような水着を着ている。かみてからジークフリート・グッズの入ったカートが一人でに出てくる。ジークフリートがやってくる。乙女たちに指輪をねだられ、拒否すると、今度は与えようとしても拒否される。乙女たちはジークフリートグッズを拡げる。角笛(トランペットのおもちゃ)に赤いヴォータンの槍、竜のぬいぐるみ、青い小鳥の頭部。それらはあとでジークフリートが思い出話をするときの道具だなとわかる。椅子を3脚。真ん中の椅子の前には机。ジークフリートをその椅子に座らせ、その上にフィルムを置く乙女たちこのフィルムは8ミリか16ミリ。そのフィルムを見て、自分が殺される顛末を見て嫌な気分になるジークフリート。乙女は椅子に座って、ブリュンヒルデに期待を込めて歌う。巨大な地図が下りてきて、ジークフリートと池を隔てる。巨大な地図にはミーメの家 (MIMEHEIM)フンディングの小屋 (HUNDINGHYUTTE)妬みの洞窟 (NEIDHOELE)ブリュンヒルデの岩屋 (BRUNHILDEFELS)ギービヒ家城館 (GIBICHSHOF)と印され、それぞれの箇所を丸が示している。そこは巨大なギービヒ家の領地である。ホイホーと呼ぶ声に応えるジークフリート。すばらしい!完璧だ。グンターは相変わらずふさぎこんでいる。ジークフリートは酒を飲むグンターにも飲ませるがグンターは酒がまずいと言い捨てる。ジークフリートは彼の気を紛らわせるため昔話をしだす。ここは難しい「ジークフリートのコロラチューラ」がある。3回も。「ハーイ!ジークフリート…」で始まる小鳥の声を真似る部分だ。最初は高音が軽く出た。伸ばしていた2回目以降は「ハイ!」と短く切っていた。苦しそうだが、ちゃんと歌いきったフランツ、ブラボー!そのあとのshoenen の高音も問題なく出していた。ますます細やかな歌唱に磨きのかかるフランツ。こっから絶好調!ついにブリュンヒルデのことを思い出してしまったジークフリート最後のArmここは歌わずに顔を覆って絶望的に叫んでいた。感動的怒りが頂点に達したグンターは槍をハーゲンに渡す。ハーゲンは槍で背中を突く。倒れるジークフリート地図の赤丸が点灯し激しく明滅する。何をするんだ!人のせいにするグンター。さっさと帰る人々がいなくなり幕が上がり、ジークフリートは一人で錯乱しながら歌う。座り込んで正面を凝視している。ブリュンヒルデ!ここはイゾルデを思って錯乱しながら歌うトリスタンの歌唱に似ている。フランツ、素晴らしすぎる悲しい、せつない、歌唱というより語るような感じ。後方のはるかかなたにワルキューレのきらめく銀色の兜をかぶった女性、身じろぎもせず立っている。ブリュンヒルデか?ジークフリートは彼女に向かって瀕死の体で進んでいく。背中のベストが切り裂かれ、血まみれのシャツに穴が開いている。凄惨な後ろ姿をさらしながらよろめき、倒れ、指輪を彼女に渡そうとするが、女性の足元で息絶える。ここはジークフリートの葬送の音楽です。女性が走り出てくる。彼女はブリュンヒルデの格好をしたグートルーネだった。彼女はその扮装を脱ぐ。彼女は夢の中で予感を感じていた。夫の身の危険を感じている。ハーゲンが帰ってくる。ハーゲンはグートルーネを無理やり抱きしめる。彼女に対して抱いている性的欲望をもう隠しもしない。ストレッチャーに乗せられた死体が来る。死体が白い布で覆われている。グートルーネの悲鳴。遺体を彼女に見せないグンター。グートルーネは愛していたはずの兄を憎しみをこめてひっぱたく。殺したのね?兄はショックを受ける。殺したのはハーゲンだ!そうだ俺だ!ハーゲンはグンターに致死性の毒物を注射する。グンターは数秒後に派手に倒れる。すごいこの演技!駆け寄るグートルーネ。現れるブリュンヒルデ。ブリュンヒルデとグートルーネは最後に認め合い、和解する。彼女は小屋に薪として赤い矢印の槍を集めさせ、火をつけさせる。煙が出始める。彼女はジークフリートの死体を小屋に押し込める。半分に折られたグラーネをいとおしそうに抱いて歌う。このへんもう涙なくしては見られない絶唱。しかしものすごいパワフルなので涙出る暇もなく圧倒される。ローゲを呼びよせ、槍を真っ二つに折って小屋に入れ、自分も小屋に入る。カウントダウンが始まる。小屋に数字が映し出される。数字が零になり、世界が終焉に向かう。捨てられた指輪に駆け寄ろうとするハーゲン。ラインの乙女たちがつかみかかる。燃える小屋と乙女とハーゲンは床下に消えていく。背景に光。宇宙の星のような。人々が喜んでいる。崩壊の一歩手前でジクソーが揃ったのだ。大きな映画館の画面(ラインゴルトで出てきた)に現れるジクソーと泳ぐラインの乙女(スレンダー)(笑)ジクソーの最後の一つをラインの乙女の一人が投げ入れるするとパズルが揃い、画面が消える。現代に戻り、人々がどやどやと入ってきて自主製作映画の上映を始める。全幕了。はあああ~すごかった。何といってもオケのマックスとテオリンの声がすごかった。はあああ~カーテンコール!おつかれさまでした~人々の熱狂はしばらく続いた。
2010年03月27日
新国立劇場「神々の黄昏」 Part12010年3月27日2時に始まって終わったのが8時半ぐらい?そんな時間経過をほとんど感じさせないすばらしさだった。むしろ終わるのが残念だった。まずは圧倒的な音楽!そしてテオリンがすごい!まさにブリュンヒルデだった。はまってた~クリスチャン・フランツも相変わらず絶好調で、非常に繊細な歌唱で聴かせた。グンターのアレクサンダー・マルコ=ブルメスターは普通に良かった!ハンサムでスレンダーで背が高いどこをとってもギービヒ家の総領だった。ハーゲンのダニエル・スメギはちょっと荒れた感じの声でいまいちだったな~演技は良かったですよ。ヴァルトラウテのカティア・リッティングはとても美人だった。カーテンコールはワグナーの公演ではおなじみの指揮者へのブーイングがあった。なぜだかさっぱりわからなかったが。※内容に触れますのでご注意ください。第1幕下から巨大なものが吊るされて浮かび上がり空中へ。それは直方体を中央で3つ交差させたもので、端が光っている。いったい何なんだ?するとかみてから矢印のセットが入ってくる。赤い→。このシリーズではおなじみですね。しもての上方には巨大なフィルムのリール。ノルンたちは老けたな~(笑)。時の流れ。髪の毛が後退し薄くなっている。ノルン達は縄をなうのではなく、フィルムを編集している。70ミリのフィルムをつないでいる。一人め、二人目と歌いながら、赤い矢印を編集点に突き刺していく。赤い矢印は運命の分岐点を表している。最初の分岐点はヴォータンがトネリコを切って、槍を作った時。そして2番目はジークフリートがヴォータンの槍を折った時。3つ目は近い将来。神々の終焉。ノルン達はローゲがどうなったか明かす。炎と共に滅びに向かう恐怖。ノルン達は地下に、母親のところに下っていく。第1幕ブリュンヒルデの小さな小屋が現れる。幸せな二人が寝ている。小屋は傾いていて異様に狭く、内装がでっかいばらのつぼみだ(笑)ベッドの下に投げ出してあるグラーネの木馬。先にブリュンヒルデが目覚める。着ているのはジークフリートが来ていたスーパーマンのTシャツ。これは実はスーパーマンのシャツじゃなくてジークフリートの「S」なのだ。その証拠に、ジークフリートが着ているのは、ブリュンヒルデのTシャツ。Bの文字の上に岩山。出立の準備をする。ブリュンヒルデはグラーネのおもちゃをジークフリートに渡す。Tシャツにおもちゃ。彼らはまだ子供なのだ。ジークフリートはグラーネを黄色いスーツケースにしまう。例の黄色の指輪をブリュンヒルデに渡す。白い大きな三角のセットが迫ってくる家のセットがしもてに消えていく。ジークフリートが外に出るとそこにスーツケースが置いてある。ジークフリートのライン下りの場面。ジークフリートが隠れ兜をかぶると、巨大な地図が現れ、地図上をグラーネが走り出す。白い三角の壁に音楽に合わせたさまざまな映像が流れる。ライン川の水、魚(番号がついている)そして巨大なトネリコの根元に心臓。その心臓に3つの矢が突き刺さる。しもてからギービヒ家のセットが出てくる。病院の待合室のような白い椅子が2つと白いソファ。給水機。じっと見つめ合っているジークフリートとハーゲン。彼らはまだ出合っていないが予兆を感じている。巨大な幕が下りてきて彼らを隔てる。幕には大きな角の生えた羊の頭部。横に「GIBICH」の文字。金髪の美しい兄妹に黒髪のハーゲン。グンターは医者の白衣。腕に「G001」(?)というワッペンを貼っている。グートルーネはピンクの看護師か受付の制服姿。ハーゲンは黒づくめの陰気な衣裳で腕に「H」の文字のワッペン。ギービヒ家は病院を経営している。妙な薬物を作る研究所も持っていて、科学者がわんさかいる。ハーゲンは兄妹の知恵袋。ここでハーゲンがジークフリートのことを説明すために読んでいるのが「ジークフリートVOL3」という子供の読むような絵本。(児童書)。その表紙と裏表紙にはいかにもという漫画のワルキューレと天がける馬グラーネとジークフリートの絵。これには笑っちゃう。ハーゲンは普通の兄妹以上に結び付きの強い兄妹に嫉妬を感じている。抱き合う二人の間に割って入ったりする。ハーゲンは彼らをそそのかしジークフリートを家に引き入れる。ジークフリートとグンターは兄弟の契りを結ぶが、ナイフで手を切るのではなく、注射器で血を取る(笑)。それを給水機の水で薄め混ぜ合わせる。ジークフリートに忘れ薬を飲ませる。忘れ薬はビーカーで調合される。ジークフリートは薬を飲むや、グートルーネを押し倒して引きはがされる。名前は何と言うんだ?グートルーネ。美しい印象的なメロディ。グンターの声もすばらしい。ジークフリートは愛するブリュンヒルデをかどわかすために出かけていく。留守を頼まれたハーゲン。妹のグートルーネは待っている間椅子で無防備に寝てしまう。ハーゲンは実はグートルーネに性的欲望を抱いている。彼女の足を開いて中を覗こうとする。彼は覗き魔だ。グートルーネははじかれたように立ちあがって出ていく。ハーゲンはグラーネのおもちゃを真っ二つに叩き割る。ブリュンヒルデの岩屋。その小屋の前になぜか椅子がそのまま残されている。ハーゲンがそこに座る。ハーゲンはブリュンヒルデの小屋の中を覗く。彼は意識だけここに飛ばしているのだ。ヴァルトラウテがブリュンヒルデと言い争う間、彼はじっと指輪を見ている。ブリュンヒルデが指輪を床に投げつけた時、ハーゲンは手を伸ばすが取れない。ヴァルトラウテが去り、グンターとジークフリートが奥からやってくる。ジークフリートも居間にいながらにして、隠れ兜をかぶって、グンターの意識の中に入って彼をコントロールしている。グンターの動きは人形のようだ。グンターはブリュンヒルデの腕をねじり上げ、立たせて、小屋の中に連れていく。不思議なことにいつの間にか、ブリュンヒルデのつけていた指輪がジークフリートの手の中にある。ジークフリートは満足そうにしている。小屋の窓がひとりでに動き、小屋の煙突が伸びる(笑)&(?)グンターが小屋から出てきて、またブリュンヒルデを再度小屋に押し込めた時、ジークフリートはノートゥンクで小屋に鍵をかける。第1幕了。
2010年03月27日
さて、何より、第3夜ゲタデメルンの注目キャラクターはハーゲンである。今回のダニエル・スメギ(Daniel Sumegi) はバス・バリトンでオーストラリア人である。今シーズンはMETのアンダーに入っているようですね。偶然なのかBPODCHアーカイブにエクサンの神々の黄昏が入るというお知らせが来た。NHKで放送してくれていて良かった。それがなかったらふらふらまた契約しちゃったかも。このエクサンでは何よりペトレンコがすっばらしい。
2010年03月27日
New National Theatre in TOKYOBALLETBoris Eifman's Anna KareninaJapan premiereLibretto / Choreography: Boris EifmanMusicaPyotr TchaikovskyCASTAnna:Nina ZumievetsVronsky:Oleg GabyshevKarenin:Sergey Volobuev26 Mar. 2010新国立劇場ボリス・エイフマンバレエ「アンナ・カレーニナ」日本初演2010年3月26日(金)台本・振付: ボリス・エイフマン作曲: ピョートル・チャイコフスキー 他装置: マルティニシュ:ヴィルカルシス衣裳: ヴャチェスラフ・オークネフ照明: グレプ・フィリシチンスキー / ボリス・エイフマンアンナ:ニーナ・ズミエヴェッツ(ボリス・エイフマンバレエ劇場)ヴロンスキー:オレグ・ガヴィシェフ(ボリス・エイフマンバレエ劇場)カレーニン:セルゲイ・ヴォロブーエフ(ボリス・エイフマンバレエ劇場)新国立劇場バレエダンサー ***それなりに刺激的な作品だった。時間的に19時に始まって21時ごろ終わったから短い。2幕物と言っても、アンナ・カレーニナの好き勝手なエッセンスだけ取り出した作品なので短い。こういうところプティも似ているんだよね。プティも好きに文学作品からエッセンスだけ抜き出す。こういう場合、鑑賞する側はなかなか入り込めない。アンナ・カレーニナの登場人物が3人しか描かれていない。ウローンスキー伯爵と、カレーニンとアンナ。キティは最初のシーンに登場するだけだ。心理を描きたいのはわかるが3人だけで全幕がもつわけもなく、なんとなく同じことの繰り返しのような感じを与えてしまう。作品は非常に演劇的で、演劇の舞台効果を使っている。しかし芝居があるかというとそうではなく全部ダンスで表現される。セットチェンジはない。踊りはほとんどアレグロばかりで、ダンサーは相当疲れるに違いない。リフトがすごくてオリジナルでうならされる。振り付けはとてもすばらしい。主役3人がとてもすばらしい~なんといってもアンナのニーナ・ズミエヴェッツがすばらしい。主役3人とも気力、体力、ダンス力、根性が相当スゴイ。ワンシーンだけでも倒れるようなダンスを2時間近く踊るんだからね。男性は2人とも背が高くてスレンダーで8等身。すばらしいプロポーション。ウローンスキーは長髪のくるくるカールした髪で、非常に魅力的に見えるし、カレーニンは老け役だが実は若いダンサーだ。※内容にふれますのでご注意ください。第1幕ピンスポの中、少年セリョージャが汽車のおもちゃで遊んでいる。これは後の伏線である。アンナが夫と現れ、少年を抱きしめる。カレーニンはそんなアンナをたしなめるようにパーティに連れ出す。コールド。ウロンスキーとキティが踊っている。キティはアンナの兄、オブロンスキーの嫁ドリーの妹であり、ウロンスキー伯とつきあっている。しかしアンナとそのダンスパーティで出会って、電撃的に2人は恋に落ちる。別の日、アンナとウロンスキーはまた出会う。アンナは自分の気持ちにあらがえず2人で踊りキスしてしまう。そんな彼女を夫が見ている。アンナは夫との性生活に満足していない。セックスは淡白で性急だ。夫にとがめられ、アンナはウロンスキーに会えない。お互い別々に煩悶している。ここの音楽がチャイコフスキーの「悲愴」の美しいメロディーだ。アンナはついにウロンスキーのもとへやってくる。狂おしく愛し合う2人。貴族の人々は黒の袖なしの上着を着ている。彼らは社会規範を無視したカップルに冷たい。アンナは家に帰るが、夫は冷たい。夫は息子を連れ去る。アンナは息子に会いたい一心でカレーニンに詫びる。カレーニンはほだされる。しかしアンナは息子に会いたいだけだった。ウロンスキーはアンナをあきらめるため軍隊に入っている。軍人たちのダンスがすごくかっこいい~新国立劇場バレエのソリストたちがちりばめられていて豪華だ。アンナの不安は黒い装束の群舞で表現される。これがなんなのか最後にわかる。アンナがだんだんおかしくなっていくのが表現される。親子3人でたたずむが、かみてでおもちゃの汽車が走っている。その小さな線路の輪の中に入るアンナ。第1幕了。第2幕軍人たちが酔っぱらっている。ここはユーモラス。ウロンスキーの酔っぱらいぶりも半端じゃない。しかしユーモラスではなく切迫している感じ。アンナを失って荒れている。ウロンスキーのソロが終わると貴族たちが登場する。アンナと再会したウロンスキーは夫と対決しアンナを奪う。2人はイタリアに出奔する。イタリアの仮面舞踏会。その中にアンナとウロンスキーも交じって興じている。2人きりになって、ウロンスキーはアンナの絵を描く。気持ちを抑えられず愛し合う。しかししばらくするとウロンスキーは自分が嫌になってくる。アンナは不安を感じる。2人はモスクワに戻る。モスクワのパーティに黒の衣裳で現れるウロンスキーとアンナ。彼らは2人を受け入れない。必死になって踊る2人。ここはチャイコフスキーの悲愴の第3楽章。アンナは床にへたりこみ、ウロンスキーがかばうようにする。ウロンスキーとアンナは愛し合うが、以前のように蜜月というわけでなく、ウロンスキーは思わずアンナを足蹴にしそうになる。ウロンスキーは自分が嫌になって走り去る。一人ぼっちのアンナはアヘンに手を出す。彼女の幻想の世界に移行する。いつのまにか裸になっている(肌色の全身レオタード)裸の男女が現れる。彼女の欲望を現す。直接的すぎてちょっとこのへんでだいぶ引いてきた~感を持ってしまう。ベジャールの春の祭典かしらと思う。人々に担ぎあげられるアンナそして乱暴に振りまわされるきっとあざだらけだよね。まさに肉弾の演技。薬に溺れる彼女をそっと抱きしめるウロンスキー。彼は彼女をそれでも愛しているのだ。ここがもっとも全編の中で感動的なダンス。音楽がチャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」すごくせつなくて苦しい。彼はそれでも彼女を連れていく。そして彼女の不安が頂点に達する。黒い人々の集団は彼女を疎外する社会であり、黒い大きな機関車だった。彼女はそして轢死する。そこで舞台は終了。おつかれさまでした~***駅のホームにダン・エッティンガー氏がいた。根元ダークで先端が金髪のつんつん髪。目立つ~若くて才能のある指揮者、黄昏が楽しみだ!彼はどっか…METだっけ?新シーズン出るんじゃなかった?不思議なことにこのタイミングでヴォルフガング・ワーグナー氏逝去。若杉さんが昨年亡くなられて、まさに神々の黄昏でしょう。そういえばフィリップ・ラングリッジさんが亡くなられたそうだ。残念。早過ぎるように思う。才能ある息子(演出家)が育っています。
2010年03月26日
Paris Opera Ballet Japan Tour 2010 Spring INDEXCinderella11 March 2010 (Dress rehearsal) Agnès Letestu José Martinez Part1 Part212 March 2010 (Opening Night) Agnès Letestu José Martinez13 March 2010 Matinee Marie-Agnès Gillot Karl Paquette 13 March 2010 Soiree Delphine Moussin Mathieu Ganio Part1 Part214 March 2010 Marie-Agnès Gillot Karl Paquette15 March 2010 Delphine Moussin Mathieu Ganio***Giselle18 March 2010 Agnès Letestu José Martinez19 March 2010 Dorothee Gilbert Matthias Heymann Part1 Part2 20 March 2010 Matinee Agnès Letestu José Martinez20 March 2010 Soiree Delphine Moussin (replacing Isabelle Ciaravola) Benjamin Pech 21 March 2010 Aurélie Dupont Nicolas Le Riche
2010年03月22日
ムーティのアッティラ、聴きやすい時間に放送Sydney ABC radio broadcastsOpera in Performance with Simon Healy7.05pm(現地時間)Sunday 28 March 2010Attila by Giuseppe VerdiCast includes:Attila, King of the Huns: Idar Abrazakov, bassUldino, a Breton slave of Attila’s: Russell Thomas, tenorOdabella, daughter of the Lord of Aquileia: Violeta Urmana, sopranoEzio, a Roman General: Giovanni Meoni, baritoneForesto, a Knight of Aquileia: Ramón Vargas, tenorLeone (Pope Leo I): Samuel Ramey, bassMetropolitan Opera Chorus and OrchestraConductor: Riccardo MutiRecorded in New York this monthこの日、すでにシドニーのサマータイムはまだ終わっていないから2時間の時差。日本時間17:05~のはず。***いまさらですけど2010-2011 season のMETHDすごいですよね~もっとも注目なのが、ボリス・ゴドゥノフ! なにしろパーペさんにゲルギエフですもん~~そしてワルキューレ! カウフマン、エヴァマリアにターフェルだもん。きっとプラチナチケットだよねえ。ドンカルロもすご。サイモンにフルラネット。 ドンカルロはでももうガッティでおなかいっぱいだよ。ルチアにテジエ出るし~はあああ~この目で見てみたいもんですね。しかしMETはもっともっと一流の指揮者を招聘してほしい。若手の気鋭もいいけど。
2010年03月22日
"Hamlet" Returns to Met After 113 YearsSHOCHIKUSimon Keenlyside makes Met opera revival of 'Hamlet' worth seeing -by Associated Press Simon Keenlyside as Hamlet ふあああ~「アムレット」のサイモン・キーンリーサイド。かっこええ~~~胸がいっぱいで何も言えないわ。やっぱり彼が一番!(汗)simonkeenlyside.info(公式として本人に公認されたサイト)さん、ありがとう~早く映像が見たい!(がるるる…)デセイ降板は残念としか言えませんが、彼らの映像はもう過去にあるんで…。Live in HD broadcasting の日、3月27日、日本時間28日に世界各局のラジオ放送があります。The Metropolitan Opera's Saturday matinee broadcastsAmbroise Thomas : Hamlet March 27, 2010 / 1:00 pm ET(現地時間)CastConductor: Louis Langrée Ophélie: Marlis Petersen Gertrude: Jennifer Larmore Laërte: Toby Spence Hamlet: Simon Keenlyside Claudius: James Morris The Production TeamProduction: Patrice Caurier, Moshe Leiser Set Designer: Christian Fenouillat Costume Designer: Agostino Cavalca Lighting Designer: Christophe Forey お待ちかねの日本国内でのMETライブビューイングは、4月10日(土)~4月16日(金)です。 この作品、もしかしてバルセロナのリセウ劇場で2003年にベルトラン・ドビリーが振った、アムレットとやっぱり同じ演出なのかな~最後が違うだけなのかも。演出家はいっしょですよ。衣裳もおんなじぽいのでそうなんでしょう。METも経費削減で大変なんだなと感じる。この時はガートルードが、ベアトリス・ウリア・モンゾン、クローディアスがアラン・ヴェルヌです。ラエルテはダニール・シュトーダです。***Dessay Withdraws from Met Hamlet; Petersen On DeckBy PlaybillArts Staff04 Mar 2010 Natalie Dessay has withdrawn from the Met’s new production of Ambroise Thomas’s Hamlet due to illness. Marlis Petersen will sing the role of Ophélie at the first six performances, including the March 27 Live in HD broadcast.ナタリー・デセイがMET新制作のアンブロワーズ・トマ「アムレット」を病気で降板。マーリス・ペテルセンが最初の6公演のオフェーリアを歌う。3月27日のHD放送も彼女が歌う。ペテルセンはこの役は2006年にデュッセルドルフで歌っている。もともとMETでも4月9日に歌うことになっていた(つまりBキャストだった?)。代わりに、3月16日のプレミエ、20,24,27のマチネ、4月2日を歌うことになった。4月5日と9日の代役はまだ発表されていない。ペテルセンは今シーズンMETで5月8日のマチネでベルクのルルを歌う。ドイツ人の彼女がMETデビューしたのは2005年の「こうもり」のアデーレ役。最近ではウィーン国立歌劇場のアリベルト・ライマンの「メデア」の世界初演でタイトルロールを演じ、非常に評判になった。 ***CBS NewsNEW YORK, March 17, 2010 "Hamlet" Returns to Met After 113 Years(AP) 抜粋On Tuesday night, the Met brought back "Hamlet," with one of the crucial ingredients for success - the fine English baritone Simon Keenlyside as the tormented hero. He first sang the role in this production in Geneva in 1996, and his interpretation is riveting. He couples athletic agility and grace with a brooding intensity as Hamlet confronts his father's ghost and then resolves to kill Claudius, the uncle who usurped the throne. Blessed with an intrinsically beautiful voice, Keenlyside brings a tender quality to his love duet with Ophelia, a bracing bravado to his drinking song, and a sense of barely controlled fury to his encounter with his mother, Gertrude. His voice, while not huge, projects well into the vast Met auditorium, with only an occasional straining on some high notes. キーンリーサイドは絶賛です。METデビューのトビー・スペンスも褒めている。(一行だけど~笑)マーリス・ペテルセンは(ウィーンの舞台を金曜に終わって土曜にNYに飛んできて2日のリハーサルで本番という強行軍であることをかんがみつつも)低評価。若干は褒めてる。演出は高評価。しかし結末がしっちゃかめっちゃかだと。…ここは今回新しい部分なので一番知りたくなかった部分だったが知っちゃったじゃないか。***実はきのう007「慰めの報酬」を見たんです。ダニエル・クレイグ、ブロンドにブルー・グリーンの瞳、彼もすごくかっこよかったです~デーム・ジュディ・デンチはアカデミー賞ものの演技(笑)メッシ、ハット~イブラ憮然のPK(メッシにもらったPK)
2010年03月22日
Radek Baborák Schedule 2010バボラクさんの今後の予定※バボラクさんは昨年の12月にベルリンフィルを退団したそうです。BPO の公式サイトから名前が消えていたので、間違いなさそうです。BPOの公式facebookにも、「Radek Barborak will leave the orchestra at the end of this year(2009)」と書かれている。なんてもったいない…彼の美しい音色があのオケで聴けないなんて…!そんなこともつゆしらず、昨日聴いてたなんて…なんか泣いちゃいそうだ…昨シーズンのマーラーHrn.Solo神だった…2008年12月のメータとのマーラー3番。(今シーズンは経費節減でBPODCH契約してないんです)これ以外に、 「黄昏」からの抜粋をフィルハーモニーでダライマン出演でやってたあれ ですよ~ぐは~あれもBPO総体として神だった。こないだ日本でも放送されたエクサン「黄昏」は彼だったっけ。ソロ活動やリサイタルや日本公演が増えているという意味ではいいんです。でも、あの、まるでレアル・マドリーみたいなスーパースター軍団の中でも突出した才能を光らせていた彼、彼はロナウドで、ドールがイグアインなのか知らないけど…ホルンはオケの中で聴いてこそ、もっとも素晴らしい存在になる楽器なのだ私にとっては。オーケストラの奏でる音楽こそが宇宙であり、完璧な存在なのだ。ワーグナーにたどり着いた人は、ベルカントには戻れない。そこまでたどりついた彼がリサイタルに精を出すのは絶対惜しい。***小菅優&ラデク・バボラーク デュオリサイタル2010年3月24日(水曜日)午後7時開演(午後6時30分開場)会場:富山県 入善コスモホール出演小菅 優(ピアノ)ラデク・バボラーク(ホルン)プログラムピアノ・ソロショパン:12の練習曲Op.10より 第3番「別れの曲」、第12番「革命」ショパン:24の前奏曲Op.28より 第15番「雨だれ」、第16番ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35ホルンとピアノR.シュトラウス:前奏曲、主題と変奏AV52F.シュトラウス:ノクターン Op.7F.シュトラウス:ファンタジー Op.2シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 Op.70***2010/3/27(土) 京都市交響楽団 第533回定期演奏会 会場 京都コンサートホール 大ホール***2010年3月28日(日)Tokyo 京響との共演。コンサート名:地方都市オーケストラ・フェスティバル2010日時:2010年3月28日(日)15:00 開演会場名:すみだトリフォニーホール出演者:広上 淳一(常任指揮者)ラデク・バボラーク(ホルン)京響ホルン奏者/垣本 昌芳(首席)、澤嶋 秀昌、寺尾 敬子曲目等:♪2:30~指揮者によるプレトークプッチーニ:交響的奇想曲シューマン:4本のホルンのための小協奏曲 ヘ長調op.86R. シュトラウス:ホルン協奏曲第1番 変ホ長調op.11ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調op.60***読売日響第496回定期演奏会2010年9月18日(土) 18:00開演会場:サントリーホール指揮:下野竜也ホルン:ラデク・バボラーク《下野プロデュース・ヒンデミット・プログラム5》ヒンデミット/歌劇〈本日のニュース〉序曲R.シュトラウス/メタモルフォーゼン(変容、23の独奏弦楽器のための習作)R.シュトラウス/ホルン協奏曲第2番ヒンデミット/ウェーバーの主題による交響的変容***ラデク・バボラーク ホルンリサイタル 2010年9月26日(日) Tokyo文京シビックホール 大ホール ベートーヴェン / ホルン・ソナタ へ長調 op.17 クレーベ(1925-) / ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 「月光」によるホルンとピアノのためのソナタ op.95 ブラウン(1924-) / ホルン・ソナタ シューマン / アダージョとアレグロ 変イ長調 op.70 ほか ※楽曲は現在調整中です****
2010年03月21日
Radek Baborák Trio Concert with Yu KosugeSaturday 20 March at Saitama Arts Theatre JapanRadek Baborák (Horn)Yu Kosuge (Kravier)Yasushi Toyoshima (Violin)「小菅 優の現在 Vol.1 デュオ&トリオ」2010年3月20日(土) 開演14:00会場:彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール出演:小菅 優(ピアノ) ラデク・バボラーク(ホルン) 豊嶋泰嗣(ヴァイオリン)R. シュトラウス:前奏曲、主題と変奏 TrV 70R. シュトラウス:アンダンテ ハ長調 TrV 155F. シュトラウス:主題と変奏 作品13シューマン:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第1番 イ短調 作品105[休憩]シューマン:アダージョとアレグロ 作品70ブラームス:ホルン三重奏曲 変ホ長調 作品40 第1楽章 アンダンテ 第2楽章 スケルツォ、アレグロ 第3楽章 アダージョ・メスト 第4楽章 アレグロ・コン・ブリオアンコール:1、F. シュトラウス:ファンタジー(バボラク、小菅)2、ブラームス:ホルン三重奏曲 変ホ長調 作品40 第2楽章 スケルツォ (再演奏、3人)3.ショパン24の前奏曲から第16番:(小菅)世界最高のホルン奏者バボラクのトリオコンサート。いや~びっくり。彼って若いんですね。まだ34歳。見た目も相当若くてそのへんの外人の兄ちゃんじゃん!?BPOの映像で見る限り、オジサンに見えるのは目の錯覚なんだ~シュテファン・ドールもためぐらいに若そうだもんなあ~(後記:ドールは1965年生まれ。今年45歳になります。10歳以上バボラクの方が若いのだ。)小菅さんなんかもっと若い。バボラクがすばらしいのは言うまでもないが、小菅さんもそ~と~良かったです!小菅さんはでっかい風呂敷の真ん中をくりぬいて首にかぶったような衣裳。奇抜だ~しかもドジ子さんでいかにも天才肌!アルゲリッチみたいな情熱的な演奏。そ~と~すごかった。バボラクさんは人が良さそうで人懐こそうで、明るくてにこやかで、いつも笑みを浮かべている。アンコールの時は日本語とドイツ語と英語をしゃべっていた。バボラクさんのホルンの音色はものすごく美しい。聴いているだけでとろけそうになる。やっぱりホルン奏者だったという、リヒャルトシュトラウスの父、フランツ・シュトラウスの作品がホルンとしては一番聴きやすくて、立つ。高速の超絶技巧も披露した。アンコールの第1曲目。「アリガトゴザイマス」(日本語)「フランツ・シュトラウス、ファンタジー。 これ僕たち合わせたことないんですよ。来週レコーディングするんです。(英語)」演奏が始まってヴァリエーションに入ると説明し出す。 …ein (第1ヴァリエーション)今度は英語で second variation , con fuoco third Andanteと説明をいちいち入れる。この間にピ~ッという高音が会場中に響いたときがあって、いたずらっぽく目をパチクリしていた。アンコールの2曲目 Scherzo!日本人がいるのにしゃべるのがバボラクさんなとこがお茶目。小菅さんのアンコールも激すごかった~私は生は、小菅さんはサー・ロージャー・ノーリントンとの川崎公演以来2回目。バボラクさんはBPOの前々々回の公演の、ブラームス2番の一般に公開されたゲネプロで拝見して以来。いや~ワーグナーやってほしかったんですけど~~ソロ部分だけでいいからあ~***Radek Baborák2010年9月11日 - 9月26日日本でツアーがあるようです!Official Site***小菅さんの企画シリーズ、第2弾にはBPOコンマス、樫本大進さんが出演します。
2010年03月20日
パリ・オペ「ジゼル」 Part2第2幕暗い森の中。こんな森の中でなんでサイコロの賭けなんかやってんだ?ヒラリオンがジゼルの墓の前にひれ伏す。仲間が彼を起こす。お化けが出てきて人々をおどかす。と、ここまではまるでコントで~す。ミルタが現れる。おっとびっくり、ミルタも大変身のエミリーコゼット。実に冷厳で美しい!堂々たる存在感で、空気が冷える冷える。大柄なダンサーは迫力が違う。ミルタは仲間を呼び集める。ウィリたちが整列する。かみてとしもてから出てくる、ドゥ・ウィリ。マチルド・フルステーとシャリーヌ・ジザンダネマチルドはお人形さんのように細くて華奢で、そこにいるだけで妖精のよう。一人だけ漆黒の髪なのもすごくエキゾチックで目立ってる。シャリーヌは驚くべきテクニック。移動しながらのトゥール・アンレールを飛んだあとの着地の5番が地面に吸いついて微動だにしない。そしてグラン・バットマン。まったく完璧な踊り。彼らはミルタの指令でジゼルの墓の前に集まる。するとウィリ達があとずさると、ヴェールをかぶった亡霊が立っている。ミルタが榊を振ると、ヴェールが飛んでいく。亡霊になったジゼル。死ぬほど美しい(まさに死んでる)動いても美しい。ジゼルは蒼白な顔で中央に出てくる。ミルタの指令でスイッチが入ったようにコマの様に回り出す。ああもう人間でない異形の者になってしまった…ジゼルはミルタに近づくと、しもて方向に真横にジャンプしながら移動するが、上半身が棒のように直立したまま飛んでいく。うわ~そでに消えると大拍手。そしていよいよ!アルブレヒトの登場だ。白いユリをいっぱい抱えてマントを引きずってやってくるアルブレヒト。彼はジゼルの墓の前に倒れ伏す。ウィルフリードがマントを拾い彼にかけるが、アルブレヒトは彼を払いのける。「帰れ!」ウィルフリードはなすすべもなくかみてに消える。アルブレヒトは悲しみで茫然としている。すると何かが見える。追ってみるが消えてしまう。「オレ、おかしくなってる?」自分の頭をこつんとする。しかし今度は本当だ。はるかかなたを通り過ぎる白い影。その方向にジュテ・アントルラセの大ジャ~ンプ!すげ~アルブレヒトはアドレナリンがたぎってくる。恍惚感。彼は舞台の中央にひざまづき、頭を抱える。瞑想する。するとジゼルが現れて、静かに彼の回りを回る。はっと気付くアルブレヒト。「ジゼル!」つかまえようとするが、すり抜けてしまう。ジゼルには実体がないのだ。彼は中央に戻る。大きくジャンプしてプリエ。ジゼルをリフトする。空気のように軽い!2回だ。ジゼルがそこにいるのを確信したアルブレヒト。ジゼルは消えるが両手にユリの花を1本ずつ持ってかみてから現れる。見たアルブレヒトは彼女と交差するようにジャンプする。美しいジュテ・アントルラセをしながら交錯する2人。エイマンのジャンプの高いこと!ジゼルは墓の前にひざまずくアルブレヒトの上に百合を降らす。アルブレヒトには百合しか見えない。歩きだすアルブレヒトに空気のように寄り添うジゼル。まるで空気の精のよう。名演だ!名状しがたい感動に包まれる客席。ウィリ達が現れ、ヒラリオンを引き出す。ヒラリオンはジャンプし続けて、疲れきる最後はシェネの12回ぐらい連続を回って消えていった。さよ~なら~ウィリ達がすぐに何事もなかったように真顔になるのが怖い。お次の番よ!アルブレヒト!彼はミルタに慈悲を乞う。ジゼルが墓の前に立つアルブレヒトの前に立ちはだかる。「…じゃあ死ぬまで踊るがいいわ!2人で」ジゼルのソロ。ジゼルは渾身の祈りを込めてソロを踊る。もっとも有名なバレエのパドドゥ。アルブレヒトが入ってパドドゥになる。2人のアダージョは、清冽で、静謐で、何とも言えず感動的だ。ふらふらと下手にひざまずくアルブレヒトにつつつ…と近づいて行って体を寄せてアラベスク。アルブレヒトのソロ。かみてから飛んでくる片足を前に大きく上げて空中でバットゥリーするもののコンビネーションだがなんと驚くほどジャンプが高い!何度も見ているこの踊りだがこれほど高いのは初めて。かみてでのアチチュード・デリエールでの回転は3回転。(ルグリ・レベル。)下手のピルエットは3回転した後空中で2回転のザンレール。そしてバッタリ倒れる。大拍手起きるのよ!踊るのよ!ジゼルが促す。起きれないアルブレヒト。ジゼルが代わりに踊り出す。もうとにかくすばらしい!音楽は明るいのに、彼らは死出の道行きなのだ。アルブレヒトは彼女を追ってグラン・ジュテの大ジャンプをし、しもてに消える。大拍手コールドたちがいっせいに並んで戦闘態勢。踊り出す。かみてに待ち構えるミルタ。ここは通常だとブリゼで出てくるアルブレヒト。エイマンは歩いて出てきて、ミルタに許しを請う。ミルタは許さない。エイマンは中央でアントルシャ・シスを開始する。なんて高いアントルシャ・シスなんだ!しかもちゃんと空中で後ろ、前、後ろと足を入れ替える完璧な「シス」、これを客席がどよめく中連続28回飛んだのだ。音楽が彼のジャンプに合わせてぐ~んと遅くなる。奇蹟のような光景が繰り広げられていた。大喝采。ジゼルの踊りもものすごい迫力。倒れるアルブレヒト。しかしカン、カン、カン、と教会の夜明けの鐘が鳴る。ウィリ達は耳に手を当てて聴いている(笑)ウィリ達は消え、ジゼルとアルブレヒトが残される。アルブレヒトはジゼルを抱きしめようとするがジゼルはパドブレで後ろに下がっていく。最後にジゼルにすがりつくアルブレヒト、ジゼルは彼を抱きしめようとする。アルブレヒトは横抱きにジゼルをリフトする。ジゼルは去っていく。アルブレヒトは倒れるが、百合の花束を拾い上げる。舞台中央に戻り、ばさばさと花を落としながら前にゆっくり歩く。夜明けだ。彼の表情は何とも言えない悲しみと敬虔さに満ちている。
2010年03月19日
パリ・オペ「ジゼル」Part1Day2 Soiree2010年3月19日(金)マチアス・エイマンドロテ・ジルベール音楽:アドルフ・アダン振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー(1841)改訂振付:マリウス・プティパ(1887)パトリス・バール、ユージン・ポリャコフ(1991)装置:アレクサンドル・ブノワ装置製作:シルヴァノ・マッティ衣裳:アレクサンドル・ブノワ衣裳製作:クローディ・ガスティーヌジゼル:ドロテ・ジルベールアルブレヒト:マチアス・エイマンヒラリオン:ニコラ・ポールウィルフリード:ジャン=クリストフ・ゲリベルタ、ジゼルの母:カリーヌ・ヴィラグラッサクールランド大公:ヤン・サイズバチルド姫:ベアトリス・マルテルペザント・パ・ド・ドゥ:リュドミラ・パリエロ、アレッシオ・カルボネミルタ:エミリー・コゼットドゥ・ウィリ:マチルド・フルステー、シャリーヌ・ジザンダネ演奏:東京フィルハーモニー交響楽団指揮:コーエン・ケッセルこれだからバレエを見るのはやめられない!久しぶりに鳥肌もののバレエだった。この感じはサーシャがアルマンの椿姫を見て以来。間違いなく現時点で今年のナンバーワン確定。化学変化は2幕に起った。第1幕が終わった時は、「若いな~」と思っていたから。第2幕の2人は別人だった。いや、人間ですらなかったのだ。マチアスが「あれ」を飛ぶまでは、この舞台はドロテのものだった。でも「あれ」ですべてが変わってしまった。彼は2幕のアルブレヒトのソロで、常人の2倍の高さのアントルシャを飛んだのだ。しかも28回連続、で飛んだ。客席のどよめきは大拍手に変わった。彼には重力は作用しないのか?若さのなせる技なのか。自分の目が信じられなかった。終演後の客席は総スタンディングオベーションが10分は続いた。ドロテもものすごく良かった。まさにパリオペのニュー・ゴールデン・カップルがそこにいた。ドロテすばらしかった。きょうの舞台はヌレエフとフォンテーンを髣髴とさせる。それはすべて2幕で起ったのだ…第1幕片田舎の村。若者たちが踊っている。マニュネ。ヒラリオン(ニコラ・ポール)が出てくる。アルブレヒトがマント姿で出てくる。腰には剣を挿している。従者のウィルフリードに見せる。「どう?どこから見ても村人だろ?」「お腰のものは?」「忘れてたよ」アルブレヒトは剣を外してウィルフリードに小屋の中に仕舞わせる。アルブレヒトはウィルフリードを追っ払って、ジゼルの家の様子を窺い、ノックする。どんどん。ジゼルが出てくる。初々しい恥じらい。まるで別人のドロテ。内気な娘に変身している。マチアスはあんまり高貴な王子には見えないけど…彼の場合踊りがすべてを語るのさ。2幕まで待つしかない。2人は花占いをしたりする。ヒラリオンが来て、ジゼルの行く手を遮る。こいつはただの村人じゃない、だまされるなよ!激こうしたアルブレヒト、思わず腰に手をやる。凍りつく。アルブレヒトは剣がないのに気付き、そのままずいずいヒラリオンに向かって歩いていく。ヒラリオンはそのまま気おされて出ていく。村人たちが現れ、いっしょに踊る。ジゼルは胸が苦しくなる。「どうしたの?ここで休んでて。」さっさと自分は踊りの輪に戻る。ジゼルも戻る。ママがやってくる。「ジゼル踊っちゃだめよ。あんたは心臓が弱いのよ。」ママは怖い伝説を話し出す。「嫁入り前に死んだ娘は死にきれず亡霊(ウィリ)になるんだよ…」怖がる一同。ママは追ってくるアルブレヒトをねめつけてジゼルを小屋に連れ戻す。ヒラリオンはいぶかしがる。さっきのあの男はどうした?俺がナイフを振り上げたら、腰に手をやったんだ。帯刀している男のやるしぐさだよな。もしかして…?ヒラリオンはアルブレヒトの剣を見つけてしまう。さっそく注進しようとするが貴族たちの到着ではける。公爵一行が到着する。ヤン・サイズかっこいい~バチルド姫のドレスの美しさにジゼルは前に出てくる。ジゼルは自己紹介する。バチルド「美人ね。恋人はいるの?」ジゼル「婚約していますわ。ご紹介いたします」しかしどこを探してもアルブレヒトはいない。バチルドは首飾りを与える。ペザント・パドドゥアレッシオ・カルボネとリュドミラ・パリエロ。カルボネはなんか固い感じだった。ティボーだったら足が高く上がるであろうところも上がっていない。ピルエットも2回転どまりで斜め気味だった。不調なのか緊張していたのか。しかし2回目のソロ(コーダ)ではトゥールザンレールで着地しすぐグランジュテ、ピルエットしてまたザンレールというコンビネーションのマネージュをやっていた。超難度!大拍手。バチルドと公爵は小屋に引っ込む。大公はウィルフリードに角笛を渡し、アルブレヒトがやってきたら合図するように言う。ウィルフリードは小屋の前に角笛をかける。コールド。ヒラリオンは小屋の中から隠してあるアルブレヒトの剣を取り出す。角笛の紋章と照合する。「こりゃ驚いた!」「お貴族さまであるだけじゃない、領主さまの紋章だ!」確信したヒラリオン。コールドジゼルは首飾りをアルブレヒトに見せる。そこにやってきたお邪魔虫、ヒラリオン。剣を間に差し入れる。ジゼルは後ろに下がる。「何?」こいつの剣だよ「まさか、嘘よね?」かみてに立ち沈黙したまま憤然としているアルブレヒト。ジゼルは本当だと悟る。アルブレヒトはずいずい近づいて剣を抜き斬りかかる。間に入るウィルフリード「おやめください!」ヒラリオンは角笛を吹き鳴らす。貴族の一行がわらわら出てくる。大公はアルブレヒトをみとめ、抱き合う。「どうしたんだ、遅かったな」「ごめんなさい、狩りに熱中していました。」「バチルドもおかんむりだぞ。」「失礼を。」恭しくバチルドの手に額をつけるアルブレヒト。ジゼルは割って入る。「何してるの?」「この人は私の恋人よ」しかしアルブレヒトを見て、首飾りを投げ捨てる。全員がストップモーションになる。時間が止まっている。ただ一人ジゼルの時間だけが流れている。ジゼルが狂っていく瞬間だ。ぷっつーん、ジゼルは突如狂気に取りつかれた。表情がしまりがなくぽっか~んとしている。目は何も見ていない。悲しそうな顔ではない。狂った表情だ。もう完全にあっちにいってしまった。落ちている剣を拾う。アルブレヒトが取り上げる。笑いだすジゼル。花占いをしだす。空中を指さすアルブレヒトにふれられると払いのける。ヒラリオンに抱きすくめられて正気に戻り、母に駆け寄る。そのあとアルブレヒトに向かって飛んで、アルブレヒトが空中で抱えた瞬間、ジゼルの心臓は止まってしまう。倒れる。アルブレヒトは起こすが、母親が抱く。ヒラリオンはアルブレヒトを責める。ののしりあい。アルブレヒトは遺骸にすがる。ウィルフリードは彼にマントを掛け、連れ出そうとする。ついにアルブレヒトは走り去る。ヒラリオンは泣き崩れる第1幕了。
2010年03月19日
バイロイト音楽祭 2008 ワーグナー :楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 ハンス・ザックス : フランツ・ハヴラタ ファイト・ポーグナー : アルトゥール・コルン クンツ・フォーゲルゲザンク : チャールズ・リード コンラート・ナハティガル : ライナー・ツァウン ジクストゥス・ベックメッサー : ミヒャエル・フォレ フリッツ・コートナー : マルクス・アイヒェ バルタザール・ツォルン : エドワード・ランダル ウルリヒ・アイスリンガー : ハンス・ユルゲン・ラザール ワルター・フォン・シュトルチング : クラウス・フロリアン・フォークト エヴァ : ミヒャエラ・カウネ ほ か 合 唱 : バイロイト祝祭合唱団 管弦楽 : バイロイト祝祭管弦楽団 指 揮 : セバスティアン・ヴァイグレ 演出 : カタリーナ・ワーグナー 収録: 2008年7月27日, バイロイト祝祭劇場 (ドイツ) ] 制作: BFメディエン -最大の愚作と評判だったこの作品。私はけっこうおもしろかった~おとなの作品じゃないけどね~学生が卒業制作で作ったような作品。すべての幕が分裂していておもしろく読み変えようとしているが一貫してないんだよ。視聴者の鼻面を引き回しといて何だよと思わせる。最後ヴァルターはザックスを拒否したんだよね。ベックメッサーが目覚めてアーティストになるが保守反動のザックスに否定されるヴァルターは利用されただけなんだ。金と人気稼ぎの。そしてザックスはヒットラーを暗示させるというまあワグナーのひ孫なら通過儀礼でしょうみたいな演出だった。歌手は総じて良かった。
2010年03月14日
エクサン・プロバンス音楽祭 2009ワーグナー : 楽劇「神々のたそがれ」 ジークフリート : ベン・ヘップナー グンター : ゲルト・グロホウスキ アルベリヒ : デール・デュジング ハーゲン : ミハイル・ペトレンコ ブリュンヒルデ : カタリーナ・ダライマン グートルーネ : エンマ・ヴェッテル ワルトラウテ : アンネ・ソフィー・フォン・オッター 合 唱 : ベルリン放送合唱団 管弦楽 : ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 指 揮 : サイモン・ラトル 演出・美術・映像 : ステファヌ・ブロンシュウェグ 収録: 2009年6月28,30日, 7月9日 プロバンス大劇場 (フランス) ] 国際共同制作: Bel Air Media / エクサン・プロバンス音楽祭2009 / Mezzo / NHK***まさに神々のたそがれじゃない?この番組の終了は…神々の時代が終わって衆愚の時代に入るのさ。しかしペトレンコがすごく良かった~だいぶ貫禄がついてきたね(お肉)
2010年03月14日
Sydney ABC broadcastsOpera in Performance with Simon Healy7.05pm Sunday(現地時間)(日本時間17:05~)Sunday 14 March 2010Ariadne auf Naxos by Richard StraussCast includes:Ariadne: Nina Stemme, sopranoZerbinetta: Kathleen Kim, sopranoComposer: Sarah Connolly, mezzo-sopranoMusic Master: Jochen Schmeckenbecher, baritoneMetropolitan Opera Chorus and OrchestraConductor: Kirill PetrenkoRecorded in New York last month***Broadcast 7.05pm, Sunday 28 March 2010 (現地時間)Attila by Giuseppe Verdi CastAttila, King of the Huns: Idar Abrazakov, bassUldino, a Breton slave of Attila’s: Russell Thomas, tenorOdabella, daughter of the Lord of Aquileia: Violeta Urmana, sopranoEzio, a Roman General: Giovanni Meoni, baritoneForesto, a Knight of Aquileia: Ramón Vargas, tenorLeone (Pope Leo I): Samuel Ramey, bassMetropolitan Opera Chorus and OrchestraConductor: Riccardo MutiRecorded in New York this month
2010年03月14日
サンドリヨン Day2 SoireePart2※内容に触れますのでご注意ください。第2幕映画撮影。オーディションを受ける女優達。色仕掛けで監督に迫る。バタバタ劇は割愛いよいよバレエ映画の撮影シーンになる。親子4人が階段から現れる。頭を抱えるプロデューサー映画スターが現れる。映画スターのソロ。姉妹と踊るが、怒った表情のマチュー。右手はこっち、左手はこっちと何度も教えられるコゼット。でもうまくいかない。背景の渡り廊下にカメラのフラッシュが光り出す。幾人ものカメラマンがフラッシュをたきながら後ずさりしてる。このシーンは実に映画的で見事だ。カメラマンたちが全員階段下に揃ったところで、シンデレラが現れる。まさにA moment of Dreamシンデレラはマントを階段に広げて落とし、階段を優美に下りてくる。足には光り輝く銀のハイヒール。モード風の衣裳。モデルのような衣裳だ。釘づけになって見ている映画スター。視線が絡み合うが、シンデレラを追いかける大勢のダンサーたち。シンデレラはリフトされ、ぐるぐるステージを回る。こういうとこすごく好きなんですけど~やっぱりヌレエフは天才。人の考えないことをやるのは天才だ。映画スターとサンドリヨンは見つめあうが、姉妹が気を引こうと映画スターと踊り出す。振付家はトロワで映画スターとシンデレラと踊る。ゲネの時より身長差がないので絵になる。ここで振付家のソロがある。振付家は両手にシンデレラの靴を持っている。バットゥリーが主体のスピーディなダンス。実にすばらしい。振付家はシンデレラに振り写しをする。シンデレラは華麗に踊る。だんだんテンポが上がっていく美しいメロディーシンデレラはイタリアンフェッテを見せる難しいジュテ満載のソロ。映画スターのソロ。ここはとっても良かったです。映画スターは木の小さな椅子に座る。メイドたちが食べ物を運んできて人々は休憩する。(こういうとこも映画の撮影をリアルに表現する)しかし食べ物もとらずパドドゥを踊る映画スターとシンデレラ。階段上に立って、2人を見ながら話し込んでいる振付家とプロデューサー。大拍手3つのオレンジを手にした姉妹は有頂天。映画監督と助監督との4人のダンス。ナポレオンとウエリントンのところだ。ユーモラスでおもしろい~シンデレラは椅子に腰かけ、映画スターの友人3人が隠している。靴を履き替えているのか?不明。ここはトゥ→トゥのままだった。さあでは本番行くぞ!プロデューサーがはっぱをかける主役の2人はさっきよりアップテンポで踊る。しかし急に時間が止まるカチカチシンデレラの「けつかっちん」が迫っているみんなフリーズしているシンデレラは悟る。時間だわ!12時になり、人々は動き出す。ぼろをまとった女性が映画監督にぶつかる。なんだこいつは!追い出せ!走り去るシンデレラ。靴を拾う映画スター第2幕了。第3幕椅子に座って悩む映画スター。コールドたちの中に混ざって、マニュネとヤン・サイズ。マニュネはかみて奥ヤンはしもて。いつのまにかマニュネがちゃっかり椅子にかけてシンデレラの靴を足に引っ掛けている。映画スターは起る。映画スターの指示ですっとんでシンデレラを探しに行く。映画スター、グランジュテで舞台を横切る。スペインの居酒屋ネオンサインが下りてくる「ロリータ」って何だよ、店名か(笑)ここで踊る踊り子コゼットほか3名を見ている映画スターと友人3人踊り子と踊る彼ら。かみてがヤンサイズ。そして中国ここの男性ダンサーはしもてから、エイマン、映画監督、助監督。また舞台を斜めに出てくる映画スター。今度は前に足を投げ出すジャンプにグランジュテのコンビネーションすぐに出てきて180度真横開脚ジャンプの4連続マネージュ。そしてピルエットして下手へ。疲れそう~コールドが出てきてロシアの踊りふぁぼらん~ファヴォランが赤いブーツを映画スターの膝に乗せて暗転笑いが出る。シンデレラの父親の食堂床を拭くシンデレラ。思い出して踊ってみる。ここのダンスはアシュトン版の小さくジャンプするジュテ&ピケピルエットのマネージュに似ている振付で、同じ音楽である2幕ではやらなかったのになんでここで?と思う。ゲネの時も思った。帰ってくる姉妹。継母が帰ってきてシンデレラの顔をまじまじ見て、こいつを閉じ込めようと思う。3人はシンデレラをぼこぼこに殴って気を失わせるシンデレラを引きずって押し込め、やれやれと出てくる2番目のお姉さん。映画スター一行がやってくるここから大爆笑。靴を履かせようとするがドロテにもエミリーにも合わない。あたしもいるわ!爆笑。継母も乱入する。え~という感じでとまどいながらも素直な映画スターは靴を履かせようとする皆がぎゅ~ぎゅ~映画スターと継母を押さえつける。台から転げ落ちる継母。シンデレラがやってきて靴をそっと置く。シンデレラがトウシューズを脱ごうとするが、映画スターは止める君こそ僕の探していた人だ。人々はかみてにはける。奥にいるプロデューサー。シンデレラは彼に抱きついて謝辞を述べる映画スターと踊る彼女に契約書にサインすることを承諾させる。サインする。さあ映画撮影だ~ここのパドドゥもすごく大変な振付で本当疲れているだろうにお疲れ様です。踊るうちにシンデレラのスカートのレースがだんだん下にたれてきたのが気になった。踏んで転びやしないかひやひやした。最後の最後、シフォンの布が舞い上がるところ、シンデレラの首にかかる形となってしまった。全幕了。カーテンコールは大熱狂!おつかれさまでした。この舞台は本当にレアな舞台だと思う。なかなか見る機会はないと思われる貴重な舞台をありがとうと言いたい。ヌレエフ・フェチとしてはすごく楽しませてもらった。
2010年03月13日
Paris Opera Ballet Japan Tour 2010CendrillonDay2 Soiree13 March 2010Ueno, Tokyo パリ・オペラ座バレエ団 日本公演「シンデレラ(サンドリヨン)」(全3幕)2日目 ソワレ2010年3月13日(土)音楽:セルゲイ・プロコフィエフ振付:ルドルフ・ヌレエフ装置:ペトリカ・イオネスコ衣裳:森英恵照明:グイード・レヴィ1986年 パリ・オペラ座初演シンデレラ:デルフィーヌ・ムッサン映画スター:マチュー・ガニオ二人の義姉:エミリー・コゼット、ドロテ・ジルベール継母:ステファン・ファヴォランダンス教師:マチアス・エイマンプロデューサー:アレッシオ・カルボネ父:ジャン=クリストフ・ゲリ春:リュドミラ・パリエロ夏:エヴ・グリンツテイン秋:メラニー・ユレル冬:ステファニー・ロンベール演奏:東京ニューシティ管弦楽団指揮:コーエン・ケッセル+++今回ばかりは劇場で売っているプログラム(パンフレット)がありがたかった。あれデジャブなんだけどなんだっけというのを解説してくれている。そうだよねメトロポリスだよね~フリッツ・ラングの!とかバスター・キートンとかそのほかそのほか種明かしされていますよ~往年の映画ファンにはお薦め若いもんには何のこっちゃだろうけどね~きょうはソワレ!チケットをオーダーした時点では、主役2人のキャスティングしか発表されていなかった。結果的にダンス教師はペッシュが降板してしまったらしい。エイマンがマチネソワレ連投だったようだ。きょうもエイマンすっばらしかった~きょうはキャスト表があったのでいろいろお楽しみがあった。映画スターの友人の中に、ヤン・サイズ発見!彼は背が高くて頭が小さくて足が長い抜群のプロモーションなのでかっこよかった~それときょううれしかったのが、プロデューサー役がアレッシオ・カルボネだったこと。彼もすばらしいダンサーで、そんなに背は高くないがとてもハンサムで演技もうまいし、踊りがすっばらしかった。ドロテが惚れるわけだよね~なんかいい男だらけのサンドリヨン、パリオペのダンサーは本当にみんな美しい。主役の映画スターのマチュー・ガニオ、出てきたときにほーっとため息が漏れるぐらいオーラがある!華がある!本当に往年の銀幕の映画スターのようにハンサム。演技もうまいし、UPに耐える。しかし踊りに関してはとても良くはなっているが、疲れてくるとあまくなってくる。ミスは感じられなかったが、ジョゼの気迫のこもったキレたダンスに比べると、ぼやっとしている。その曖昧模糊な踊りがマチューの特徴と言えばそれまでだが。肝心の細部に至るまできちんとやってこそクラシックバレエなのに。でもとにかくハンサムでひげもたくわえていて素敵でしたよ。シンデレラのデルフィーヌ・ムッサンはとても繊細なダンス。細部まで行き届いた美しい踊り。しかしオーラとか華はあまりなく、地味なんですよね。そのへんがちょっと残念。だからこの2人の肝心のパドドゥが充分すばらしいんだけど、ふわ~と思うようなすばらしさを感じないんだよね。ヌレエフの振り付けは難しすぎるからこれを完璧に踊れる主役は限られるだろう。それを思い知らされた日だった。第1幕サンドリヨンのパパが経営する食堂(だって。そんな風には見えませんが…)長椅子で姉妹、真中に座る継母。お裁縫中。けんかになってびりーと布が2つに裂ける。シンデレラ、ほうきのダンス。振りまわしたほうきが長椅子にぶつかるアクシデント。ムッサンは端正な繊細な踊り。しかし初々しい少女といった雰囲気はなく、生活に疲れた中年女みたいだった。でも優しい性格で女性らしい。ここが肝心。シンデレラは理知的であったり、理性が勝っていたり、男勝りであってはいけない。ムッサンはちゃんとたおやかな女性だった。姉妹のけんかも仲裁に入って優しくなでであげたりする。それで逆にいじめられたりするのだが。だからムッサンがいじめられると本当にむごい感じがする。父が帰ってくる。酒瓶を取り上げようとするシンデレラをただ冷たく眺めている3人。そのあと3人でシンデレラをいじめる。外で交通事故にあった映画プロデューサーが外れたハンドルを持って駆け込んでくる。彼はしもてにうずくまるが、駆け寄ろうとした父母姉妹を魔法でフリーズさせる。シンデレラが彼の腕を取り、長椅子に座らせる。カルボネすごい濃い系ハンサム。魔法を使ってシンデレラの動きを止める。また合図するとシンデレラが目を覚ます。プロデューサーは出ていく。シンデレラはフリーズしてる家族を手を叩いて起こす。彼らはシンデレラにこぶしを振り上げるが、ほらっお客さまよ!と言われる荷物が届いている。母親は娘たちを遠ざけ自分で衣裳を配る。自分には豪華な毛皮と毛皮の帽子。ダンス教師が2人のヴァイオリン弾きを連れて入ってくる。彼は姉妹を奥の壁のバーに立たせ、レッスンをする。ドロテが足を高く上げるので思わずよけるダンス教師。エミリーの腕にド突かれそうになりよける。ダンス教師はお手本を見せる、というより自分に酔っているように美しく踊る。目が点になるぐらいジャンプが高い!姉妹が踊るがひどい。ダンス教師は間に挟まれトロワで踊る。エイマンは連続のトゥール・ザンレールを1回披露する。ひょえ~主役より超絶技巧踊ってるんですけどいいんでしょうか。ピルエットなんか5回以上回れるだけ優雅にゆっくり回って見せた。ダンス教師はさっさと出て行く。しかしこのダンス教師は映画のコリオグラファー兼ダンス指導という設定。ヌレエフ自身を投影しているような雰囲気も見受けられる。逆に映画プロデューサーは「ディアギレフ」。興行主。そして同時に「ピグマリオン」。「マイフェアレディ」のヒギンズ教授のように、ぼろを着た娘をレディにする。同時にすばらしいダンサーを発掘しスターに育て上げる、エンファサリオ。これにもヌレエフ自身が投影されている。姉妹はシンデレラと踊りを復習して遊ぶ。シンデレラもかまってもらって遊ぶこともある。このへんリアリティー。親子は映画の撮影のため出ていく。母親は振り返ってシンデレラを見るがゆっくりそのまま出ていく。ポワント痛いの我慢してるんだろな~ファヴォラン。一人になったシンデレラ。彼女は夢の中に逃避する。ここでチャップリンの真似したり、アステアのまねしてタップダンスをしたりする。わざとなのかボロのスカートをズボンに完全に入れずに出していたのが気になった。場面転換プロデューサーがやってきて男の服を着たシンデレラを映画の世界に連れていく。そこはメトロポリス。近未来の巨大都市だ。出てくる女性たちはシンデレラのためのファッションショーだった。第一グループの「春」ここにはフロリアン・マニュネがいる。第二グループ、「夏」ジョシュア・オファルトにヴァンサン・シャイエという顔ぶれここでプロデューサーのソロ。これも誰かのパロディーとのこと(パンフレットの解説参照)葉巻をくわえ、ビン底眼鏡に口ひげ。ファニーにすばらしく踊る。カルボネの醸しだす雰囲気がすばらしい。そして秋の第3グループにはニコラ・ポール第4グループ「冬」にはアドリアン・ボデとシモン・ヴァラストロ。シンデレラは美しい服に着替えている。時計に見えない時計のセットはこれは「モダン・タイムス」の歯車!マリリン・モンロー風の美女が老婆に変わる。プロデューサーは時間を惜しみなさいとシンデレラに教える。このままじゃあっという間に君もこうなる。シンデレラは現実に踏み出すことにした。美しく装い、車に乗る。プロデューサーはマントを車にかける。第1幕了。
2010年03月13日
シンデレラ (ゲネプロ。キャストは初日キャストとエイマンだけ異なる)内容にふれますのでご注意ください。第1幕シンデレラの家。くすんだ感じの室内。下手高いところに階段から入ってくる入口かみて右奥に奥の部屋へ行く通路ガラス張りの上方。かみてに巨大な暖炉。そこにシンデレラのバケツやほうきが収納されている。しもてのソファでもめている2人の姉妹。ドロテとコゼット。ショールのような長い布を奪い合って引き裂いてしまう。お母さんは男が演じる。ポワントをはいている。見事なポワントワークをさりげなく見せるファヴォラン。男が演じるのでシンデレラのリフトなんかもできる。パパはアル中。シンデレラは酒瓶を取り上げるが、懇願するパパが哀れになって酒瓶を返す。継母と娘たちはパパを虐待する。シンデレラはほうきと踊る洋服掛けと踊る。これは相当練習しないとできなさそう。洋服屋がやってくる。でっかい3つの衣裳ケースの箱に「HANAE MORI」の文字。母は娘に衣裳を渡し、自分用にも帽子をかぶる。ダンス教師がやってくる。エイマン華麗なソロ!そして奥の壁をバーに見立てて、娘たちに基本の動作をさせる。優雅とは程遠い娘たちにあきれながらも優美に踊るエイマン、美しい~この役は少々ナルシスティックに演じるべきキャラなのだが、エイマンもおすまししていて可愛かった。彼の場合コミカルとまではいかないが踊りの美しさが際立っていてまるで主役みたいだった。暴走車を運転してきた映画プロデューサーが家に入ってくる。第一次世界大戦時のパイロットがかぶるような帽子に眼鏡のプロデューサー。シンデレラに目を止めるシンデレラは誰もいなくなった部屋で踊る彼女はタップシューズをはき、シルクハットをかぶり、ステッキを持ってタップダンスを踊る。タップといえるほどのレベルには達していないタップ。むしろ踊りに近い。そこに現れたプロデューサー。彼が魔法使いの役どころなのだ。セットが次々に変わって、背景に巨大な時計らしきものが現れる。男の子たちは胸に時計の数字をつけている。彼らが時間なのだ。マリリン・モンローが現れるがあっという間に老婆に変身する。春の精、夏の精、秋の精、冬の精たちが現れ踊る。これってファッションショーだったんだ!気付かなかった…シンデレラは美しい女性に変身している。シンデレラの靴はガラスの靴ではなく、きらきら輝く宝石をちりばめたストラップ付きのハイヒールだ。ファッションは1930年代のモード。頭には羽の帽子。舞台で生で着替える。巨大なかぼちゃがあっという間に運転手付きのクラシック・カーに変身する。第1幕了第2幕映画の撮影が進行している。映画監督とつかえる助監督プロデューサーもいるカメラマン、照明さんがいる。ノスタルジックな映画の数々。脱走もの18世紀フランスものそして、巨大なゴリラ!キング・コングのパロディー次にバレエ映画の撮影になる。ここでバレエに戻るのでやっとほっとする感じ。奥の階段から登場する意地悪な母娘。映画スターの登場。華麗なソロ。映画スターはオーディションに来たその親子と踊るが嫌な表情をしている。シンデレラの登場。多数のダンサーたちが彼女を追いかけるようにぐるぐる回る。ここがすばらしく美しく盛り上がる。ダンス教師が現れ、シンデレラに振付する。シンデレラはその振付よりさらに進化させて華麗に踊る。映画スターとダンス教師とシンデレラは3人で踊る。複雑で大変そうなシンデレラのソロ。アシュトン版では華麗なるピケピルエット、シェネとクランジュテのマネージュの部分がかなり変わっている。しかしタイムイズランニングどんどん時間が死んでいく(文字通り)シンデレラは元の姿に戻ってしまう。人ごみで片方の靴を落としてしまう。拾い上げる王子第2幕了第3幕王子と友人たち。シンデレラ探しの旅に出る王子の友人の一人が背の高いフロリアン・マニュネ。スペインの酒場。コゼットのフラメンコジョゼも相手をする。背中ビシ!なのがかっこいい~中国の酒場コケティッシュなドロテ。すばらしい!その後ろのカップル、エイマンとフルステーにも目が釘付け。ロシアのキャバレー ここでファヴォランが踊ってる。王子のすばらしいソロがある。ヌレエフの振り付けは鬼だ舞台を斜めに横切る感じのソロが何セットか。グランジュテ真横180度開脚ジャンプ、4回連続のマネージュアラスゴンドのフェッテ、プラス、ピルエットトリプルのセットを2回。手抜きなく踊っている。シンデレラの家シンデレラは一生懸命床を磨く。思い出して踊っている。片方の宝石のちりばめられた靴をバケツに投げ入れる。姉たちが帰ってくる。手にしている赤い3つのボンボン。取り合って大騒ぎ娘たちはシンデレラを奥の部屋に押し込めるやってきた王子一行。靴を無理やりはかせる王子ドロテのタイツがやぶれていて笑えるコゼットファヴォランまではかせてもらう王子は嫌になって椅子の後ろに突き落とす(笑)シンデレラにはかせようとするが王子がやめるはく必要はない。彼女は片方の靴を持っていた。プロデューサーは契約書を持ってきてサインさせる。これでもう時間に縛られることはないよ!2人の華麗なる映画撮影が始まる。1930年代のハリウッド映画へのオマージュ。ジーンケリーの「雨に唄えば」のラストシーンと同じ。送風機で風をあて、長いショールを風に舞わせるその中でシンデレラをリフトする映画スター全幕了。おつかれさまでした~
2010年03月13日
Paris Opera Ballet Japan Tour 2010CendrillonGeneralprobe (Dress rehearsal)11 March 2010Ueno, Tokyo パリ・オペラ座バレエ団 日本公演「シンデレラ」(全3幕)ゲネプロ2010年3月11日(木)音楽:セルゲイ・プロコフィエフ振付:ルドルフ・ヌレエフ装置:ペトリカ・イオネスコ衣裳:森英恵照明:グイード・レヴィ1986年 パリ・オペラ座初演シンデレラ:アニエス・ルテステュ映画スター:ジョゼ・マルティネス二人の義姉:エミリー・コゼット、ドロテ・ジルベール継母:ステファン・ファヴォランダンス教師:マチアス・エイマンプロデューサー:ヴァンサン・シャイエ父:ジャン=クリストフ・ゲリ春:リュドミラ・パリエロ夏:エヴ・グリンツテイン秋:メラニー・ユレル冬:ステファニー・ロンベール演奏:東京ニューシティ管弦楽団指揮:コーエン・ケッセル+++きょうはパリオペ「シンデレラ」のゲネプロでした。ヌレエフ版「シンデレラ」は初見だったのですごく楽しかった。わくてかしちゃいました~あすが初日なので中身や演出についてはきょうはあまりふれません。ひとつ言いたいのは、マチアス・エイマンのダンス教師がすっばらしかった!ということ。彼がエトワールになったと聞いてずいぶん早いなと思っていたけど、彼こそがルグリさまの正統なる後継ぎですね。優美な優雅なダンス、圧倒的なヴィルトゥオーゾ。はあ~きょう彼が見られて良かった。もうファーストダンスでノックダウン。踊り出した瞬間にもう釘付け!きっと「ダンス教師」という役はもっと演技する人からすれば違う演じ方になるんだろうけど。主役の2人とトロワの部分もあって、一貫して重要な役どころでした。言いたいことは山ほどあるけど、前回イレール不在、今回はルグリ不在のパリオペ引っ越し公演、「大スター不在」でないと言えばうそになる。まあニコラとオーレリはいますけど…その穴を埋めるべく育ってきたのがこのエイマンとマチュー・ガニオ、ドロテ・ジルベールだ。ほかに今回参加していない、ビュヨン、などもいる。エイマンのダンサーとしての素晴らしさはもう天賦の才能で、言ってみればサラファーノフの才能と似ている。踊るだけで違いがわかる、そういうダンサー。踊りだけで納得させられる、そういうダンサー。そしてきょうかっとんでいたのがドロテ!彼女は意地悪なお姉さんの下の方だが、もう~可愛くて!ファニーで!主役よりこっちだったよ~この作品はオールスターキャストなんですごく楽しめる。ジョゼのフラメンコにもときめいた。エミリーコゼットがフラメンコドロテがコケティッシュな中国の踊り。その後ろで踊るエイマンとフルステー。メラニー・ユレルが秋の精、いや秋の精役の女優。継母がファボランダンス教師エイマンプロデューサー:ヴァンサン・シャイエほかにも映画監督助監督はシモン・ヴァラストロだったようだ。その豪華キャストがゲネプロなのに主役から脇に至るまで手抜きせずに演じ踊った。ジョゼもおつかれさまだった~アラスゴンドのピルエット3回転のあとのルティレでのピルエットが3回転、そのセットを2回やりました。明日に疲れが残りませんように。ヌレエフの振り付けはやはり足技がすごくてめいっぱい踊り倒す感じでダンサーにとっては地獄だろう。でも踊りがいっぱい見られて幸せ~客席でパトリス・バールが指導していた。カール・パケットが美しいお姿を見せていたが、えらくゆっくり歩いていたので、ちと不安になった。
2010年03月11日
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