2003.10.12
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自転車は車道を走ることになっている。
オレがそう決めたというわけでなく、確か法律かなにかそれもちゃんとした道路交通法とかに、「自転車は軽車両だから、車道を走りましょう」なような条文が載っているらしい。
ところがそのことは案外知られていない。
なぜ知られていないかというと、アナウンスされていないからだ。アナウンスされていないのはなぜかというと、子どもも年寄りもアホな大人も、本当にみんなが自転車で車道に繰り出してしまうと、都内は大パニックになってしまうからだ。

「自転車で車道を走っていい。」
走っていい、という言い方はさておきこれは事実だ。2車線だろうが3車線だろうがいくら交通量が激しかろうが、自転車は車道を走っていい。歩道を捨て車道に出よ、さてこれを一億の国民が一斉実施したらものすごいことになる。まず前を塞がれたクルマは自転車以上のスピードを出せなくなる。クルマはストレスを貯める。なにしろ小学生とか、道交法を知らなくてもいい年齢の人間や、80とかを超えた道交法を忘れているとしか考えられない老人が車道へ一斉に繰り出すのである。道は無秩序状態と化す。クルマはクラクションを鳴らすに鳴らせない。自転車が、車道を走るべきだということがメディアによりアナウンスされてしまっているからだ。朝のワイドショーではレポーターがスーツを着て車道中央を走っている姿をカメラが追い、予定通りクラクションが鳴らされる。ああ、今ならされてしまいました、後ろから、ものすごいスピードで迫ってきた乗用車がクラクションを鳴らしています、テレビ朝日のものですが、なぜ今鳴らしたんですか?

《クリティカル・マス》という市民運動があって、それはどういう趣旨の運動かというと、クルマ中心の交通システムに不満を持った自転車乗りたちが、もっと我々にも快適に走らせろよ、という事を訴えるための運動だ。オレの解釈だけだと肩よっていて誤解を招くかもしれないから公式(?)サイトを紹介しておくが、その内容に触れると反吐が出そうだ。
http://kobe.cool.ne.jp/green728/
少なくともオレはこういった偽善者の集まりの言葉にはアレルギー反応を起こしてしまう。が、理想とする交通システムのビジョンは似ているから、この集まりにオレは一度参加したことがある。
結論から言うと、最低だった。

しかしただ、それだけだった。
街を歩く着飾った女には奇異のまなざしを向けられ、本来車道を走ってはいけないことになっているインラインスケートは警官に怒鳴られながら、警官の視界の範囲内だけ歩道を走行するといったような情けないことになっていた。
先頭の貧乏くさくて細い男は黄色いTシャツを着ていて全く尊敬できなかった。彼は手信号で嬉しそうに後続を誘導し信号ではきっちり止まり《ジェントル・メン》を気取っていたが、身なりや顔つきがみすぼらしくて全く説得力がなかった。オレはこの集団の一員として走り出して10分もしないうちに全身が痒くなってきていた。いつものアレルギー反応かもしれなかった。
《クリティカル・マス》は、集団の中で集団と同じトーンでしか自己主張できない小市民の集まりだった。残念ながらオレは彼らを、軽蔑することしか出来ないまま、途中で別れた。

《クリティカル・マス》は、弱い人間同士が束になって市民運動をしたところで、嘲笑されるか無視されて結局自己満足で終わってしまうということを実証しているだけの集団でしかなかった。オレがこの集団の一員として数えられることが嫌で嫌でたまらなかった。間違ったことをしていてそれに気づかない、気づこうともしない集団のために働きたくはなかった。
自転車が車道を走るべきだということ、このアナウンスは1人でもできる。





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最終更新日  2003.10.12 22:48:31
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