関本洋司のblog

2004年07月10日
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 政治革命(暴力革命を含む政権奪取優先策----権力者は変わっても権力はなくならない)ではなく社会革命(言い換えるなら産業民主主義)を求めるプルードンは、いわゆる社民的発想に基づく議会主義も否定していた。


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 普通選挙はわれわれを政治的に大人にした。しかしわれわれにはなお社会的に自分たちを解放することが残っている。第三身分がかくも多くの活力と堅忍不抜とをもって勝ち取った自由は、民主国フランスにおいては、全市民に拡大されなければならない。平等な政治的権利は必然的に平等な社会的権利の意味を含んでいる。人々は飽きあきするほどくりかえしこういってきた。もはや階級は存在しない。一七八九年以来、フランス人はすべて法の前に平等である、と。
 だが、両腕のほかに財産というもののないわれわれ、資本の合法的もしくは悪意的な諸条件に毎日屈従しているわれわれ、団結法および一七八一年条項のごとく、われわれの尊厳と同時にわれわれの利益を毀損する異例な法律のもとで生活しているわれわれには、このような断言はまったく信じがたいのである。
 代表者を選出する権利をもつ国にあって、読むことを覚える手段をつねにもたないわれわれ、団結し、自由に組合を結成しえないため、職業教育を組織することができず、産業進歩のこの貴重な手段が資本の特権となっているのを眼にするわれわれは、このような幻想を描くことはできない。
 (中略)
 ~ 労働の自由、信用、連帯、これがわれわれの夢だ。これらが実現される日には、われわれに貴重な一国の光栄と繁栄にとっては、ブルジョアもプロレタリアも、雇主も労働者も存在しないであろう。市民すべてが権利において平等であろう。
 だが、と人はわれわれにいうだろう、君たちが必要とするこれら改革のすべては、君たちの選んだ代表者たちも、君たちと同様に、君たち以上に要求している。彼らはすべての人々の、またすべての人々によって選ばれた代表者なのだ。

 (中略)
~ 彼らは欠けたものを立法府で補うが、そこには手仕事は代表されていない。富、有力者との縁故関係、公的機能等の諸手段をどれ一つとして利用していないわれわれは、われわれの候補者に、明白な、意味のはっきりした名称を付し、できるかぎり物事をその名でよぶことを余儀なくされている。
(中略)
 ~ おそらく、楽しかった昔、神の法が行なわれていた時代、国王や貴族たちが神に強いられて自分を民衆の父であり長子であると信じていたとき、幸福と平等とが天上に遠ざけられていたときには、慈善は一つの社会制度であったにちがいない。
 人民主権、普通選挙の時代には、慈善はもはや私的な徳でしかなく、それ以外ではありえない。ああ! 人間性の悪と弱さとはつねに友愛に広い活動の分野を残している。だが不当な悲惨、病気、不十分な賃金、失業等の形で、善意の非常に多くの勤労者を、無益にもがき苦しむ宿命の輪のなかに閉じこめている貧困、われわれが力強く立証するこの貧困ほ、消滅することが可能であり、また消滅するであろう。なぜこの区別が何人によってヰなされなかったのであろうか? われわれは被保護者や被救済者であろうとするものではない。われわれが欲するのは、平等者たることだ。われわれは、施しを拒否し、正義を欲するのだ。
 そうだ、われわれは代表されていない。なぜなら、敵対の精神が庶民階級に日々に弱まったとは誰もいっていないからだ。経験によって啓発されたわれわれは、人々を憎まず、物事を変えようとするのだ。誰もいわなかったが、団結法はもはやかかしでしかなく、悪を無くするどころか、抑圧されていると思いこんでいる者に出口を閉ざすことによって、悪を永久化したのである。
 そうだ、われわれは代表されていない。なぜなら、労働組合委員会の問題において、それを奨励する人々の精神に奇妙な混乱が起こっているからである。彼らによると、労働組合委員会は雇主と労働者とからなり、一種の職業的な労資調停者、生起する問題に日々決着をつけることに当たる裁判者ということになるであろう。ところが、われわれの要求するのは、普通選挙で選ばれた労働者のみからなる会議所であり、これは商業会議所にならって労働会議所ということができるであろう。そしてわれわれの要求に答えるものは裁判所である。
 そうだ、われわれは代表されていない。なぜなら、労働者階級の間に信用を組織するために現われた重要な運動のことを、誰も語らなかったからである。パリで三十五の相互信用組合が人知れず活動していることを今日誰が知っていようか? それらは実り豊かな萌芽をふくんでいる。しかしその完全な開花のためには自由の太陽を必要とするのだ。

『労働者階級の政治能力』、「セーヌ県労働者六十名の宣言」(1864/2/17)より抜粋








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最終更新日  2004年07月12日 15時57分35秒


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