関本洋司のblog

2004年10月07日
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テーマ: 戦争反対(1190)
カテゴリ: コラム
処方箋A

なぜ、現代日本においてフェティシズムが蔓延するのかという問題に関して精神分析をさせていただくならば、広島・長崎への原爆投下の謝罪がアメリカからなされていないからだ、と僕は考えます。
逆らい難い抑圧の中で、現実から眼を背けようとするとき、人は自分自身を欺き 芥川が言うような「ぼんやりとした不安」の中にあり続けることになります。
原爆は戦争抑止という美名の陰でその非対称的所有の欺瞞性すら言説化されておらず、これによって現代人には歴史上かつてない恐怖政治が敷かれているのです。
全体から切り離された細部に代補対象を求めるフェティシズムはそこからの無意識による逃避であり、また代償行為です。
大江健三郎はノーベル賞受賞記念講演の中で、在日韓国人の被爆者について語りました。これは重要なポイントで、反原爆運動は、国民ではなく市民という立場で語ることではじめて俗に言う原爆ナショナリズムを避けることができるのです。
実際、原爆実験や原発事故や劣化ウラン弾、その他の事象を考えれば、被爆者は日本人だけではありません。
ただし、その謝罪を米国に正式に求めるという人間としての(あるいは世界市民としての)義務が現代の日本人にあると僕は考えます。

処方箋B



資本の分析に基づくなら、自爆するテロリストやイラク兵をも含めて「彼らは軍隊というよりも単にプロレタリアートなのだ」というのが僕の答えになります。彼らは自ら望むことなくお互いに殺しあいますが、互いに気付くことがなくても同じ階級(ポジション)にいるのです。そして、その上の特権的な立場にいる人間(シャロン、ブッシュ)や資本家(ビン・ラディン)は決して自らの命を危険に曝さないのです。





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最終更新日  2004年10月07日 02時19分19秒


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