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レクサスLFAの試乗記です。 これはCar Watch岡本幸一郎のレポートですが・・・「ほか」の部分は割愛してお送りいたします。
2011年9月に開催された「トヨタ ワクドキ体験会2011」。同イベントは、トヨタが我々自動車メディアに関わる人間のために、トヨタの持つ「ワクワク」「ドキドキ」させる部分を体験して楽しんで欲しいとの思いから実施しているもので、富士スピードウェイで行われた初開催の昨年は、日本では販売されていない多くのトヨタの海外市場向けモデルに触れることができた。(中略)
会場に用意されていた4台のLFAのうち、ホワイトの1台を拝借。コクピットに乗り込み、低いポジションのシートに収まると、シートベルトがやけに太いことに気づき、これも高級スポーツカーとしての演出の一環かと思ったら、なんとベルトの中にエアバッグが仕込まれているというから驚きだ。
ステアリングホイールのセンターパッド右上のプッシュボタンを押してエンジンスタート。猛々しく目覚めるV10サウンドを聞くだけで、すでに身体の中はアドレナリンでいっぱい。軽くブリッピングしたときのレスポンスと、ちょっとドライな澄んだサウンドを感じるだけで、走り出すまでもなく、このエンジンのすごさは十分に伝わってくる。
会場を出てみなとみらい周辺を走ると、やはりこのクルマのことを知っている人は少なくないようで、痛いほどの視線を浴びることになった。途中でちょっと停車したときに、若い男性の通行人から「ぜひ音を聞かせて欲しい」と声をかけられるといったシチュエーションもあった。
そのエンジンは、ヤマハ発動機との共同開発によるV型10気筒4.8リッターで、最高出力412kW(560PS)/8700rpm、最大トルク470Nm(48.9kgm)/6800rpmというスペックを誇る。最高出力の発生回転数が9000rpm近くという超高回転型のキャラクターで、レッドゾーンが9000rpmからというエンジンなんて、そうそうあるものではないし、実際に9000rpmまでまったくよどみなく回る。
右足のペダルワークにダイレクトにレスポンスするさまは、まるでレーシングカーのようだ。とくに7000rpmあたりからのクライマックスの吹け上がりと甲高いサウンドが素晴らしい。
サウンドについても、ヤマハ発動機のグループ会社である、音楽のほうのヤマハの協力も得て、徹底的にこだわってチューニングしたということもあってか、本当に絶品の仕上がりだ。「官能的」とは、こういうことを言うんだと思う。ダッシュを貫通させてサージタンクから伝送されたサウンドを、フィルターを通して、よい音の成分のみを室内に取り込めるよう吸気音を調整するとともに、排気側には約3000rpmで開くバルブを設定し、低回転域では重低音を強調した力強いサウンドを聞かせつつ、高回転域では澄み切ったV10サウンドを奏でるようサウンドチューンしたのだという。
こうして仕上がったエンジンフィールは、レスポンス、吹け上がり、サウンドのいずれも「芸術品」と呼ぶに相応しい。
トランスミッションは、「ASG」と呼ぶ通常のシングルクラッチ式をベースとする2ペダルの6速MTで、変速ショックは小さく、7段階から選べるシフトチェンジのスピードを最速にすると、デュアルクラッチ式と遜色ないほど速くなる。オートモードも選べるものの、パドルシフトを操ったほうが、このV10エンジンの美味しさをよりダイレクトに味わうことができる。
スポーツカーらしく、やや固めの乗り心地ながら、あまりスパルタンという印象ではなく、しなやかに路面を捉える足まわり。ステアリングは思ったよりも軽く、操縦性は俊敏そのものだ。4505×1895×1220mm(全長×全幅×全高)という、けっして小柄ではないサイズだが、オールカーボン製のボディーにより、1.5t程度の車両重量に収まっている。カーボンボディーによる、この軽さと剛性の高さがあればこそ、この走りが実現しているに違いない。
560PSという高性能を受け止めるための、大径のカーボンセラミック製ディスクローターを持つ、レーシングカーなみの高性能ブレーキも、とても扱いやすい。こうしたブレーキは、一般使用ではナーバスなフィーリングで乗りにくいものが少なくないのだが、適切に熱処理の施されたLFAのブレーキは、ごく普通に扱えて、コントロール性もよい。
ちなみに、同イベントのまさに最中に、ニュルブルクリンクで7分14秒64というタイムをマークしたことが正式に発表された。むろん「ニュルブルクリンク・パッケージ」としてサーキット走行向けのモディファイは施されているが、ベース車のポテンシャルなくして、このタイムはありえない。

そしてLFAは、その実力の片鱗を、乗っている間ずっと感じさせてくれるクルマであった。
ところでLFAは、生産の予定された500台はすでに完売となっており、500台のうち、日本とアメリカでそれぞれ200台弱ずつ、残りの100台あまりが、欧州、中東、中国、オセアニアなどで受注があったとのこと。
現在デリバリーが進められているところで、1日に1台のペースで生産されており、500台目が納車されるまでには、まだ2年ほどかかる見込みという。なお、前述のニュルブルクリンク・パッケージの50台も、全体の500台に含まれる。
そして、500台目が完成したところで、LFAの生産は終了とのことだが、それはもったいない話ではないか? 何らかの形で継続して進化させていけばいいのにと思わずにいられなかった。また、トヨタでは今後、10年に1度ぐらいのペースで、LFAのようなクルマを出していきたいと考えているというウワサもあるのだが、今後の展開も非常に気になるところだ。
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