私の根幹を支えて頂いた11人の恩人 0
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 頑固一徹の瀕死の友 対 友情の使者 [9・完]【 明るみに出た真実 <下> 】「そういう事……だ……。 彼女達はな、それぞれ結婚して郷里から遠く離れて しまったが、その後もずっと付き合いが続いていたんだ。 ……その佐藤さんが、高校の同窓会で俺に言うには……、 女将が体を壊して……かなり悪いようだ。 本人が自暴自棄になって……このままでは命も危ない……と、 心配している。 自分が会って色々と励ましたいけど…… 家が遠いもんだから……ままならない。 ……電話での激励にも限界がある……。 今日、阿部さんに会って、お店の近くに会社があるって 分かったから、時々行って励ましてやって欲しい……。 そして、病状を連絡してほしい……ってな訳だ……。 その時、佐藤さんに泣いて頼まれてなぁ……」 「泣いて……ですか……。凄い話ですね……」「うん……俺もそのふたりの友情の厚さに、 じーーんときたって訳だ……」女将が割り込んでくる。「……佐藤さんからの電話の時はね……、 そんな話信じられるもんかって言って、一旦切ったのよ。 近々来られるから確かめれば分かる事だって言って……」「こいつ、本気で信じていませんでしたもんね……。 佐藤さんの話……。 私もびっくりでした……が……(^。^)」大将が忙しく手を動かして焼き鳥を焼きながら笑って言う……。 「だってそんな事、信じられる訳がないでしょう![`~´]」女将が、ご主人を睨みつけて…………制した。「そしたらさぁ、次の日によ、朝っぱらから電話が掛ってきて ね。佐藤さんからよ……!! 阿部さんからバラさない様にくれぐれも頼まれているから、 絶対に言わないで欲しいって言うのよ……。 冗談じゃない!!だったら、何で教えたのよって言って 切っちゃった。ガチャーン!! ははははっ……(^。^)」「そしたらですね……、2、3日後に、佐藤さんが、わざわざ 見えたんですよ……。ホント……遙々とね……」焼けたバラや砂ヅリを、お皿に配ってくれながら大将が言う。 「えっ?店に……わざわざ……?」「来たのよ、来たのよ……民ちゃん。わざわざね……。 ……そして、最新の高校同窓会の時の写真をみせてね、 この写真の中に、 『 サラリーマン金太郎さん 』居るでしょうって……」「あいつ、写真まで持って来た…………! バカが!!」「そしたらよ…………、あなた写ってるじゃない……。 もうーー、びっくり……。 (゜_゜>) 昔の写真、引っ張り出して来て比べたけど……、 あなた……全然別人ね…………ホントにもう……」女将は、怒っていると言うより、半分面白がっているフシが感じられて……気持ちも落ち着いた。 「先輩……、初めてお店に来られた時に、 どうして名乗られなかったんですか……?」「そうよ、そうよ、あなたもそう思うでしょう……ねぇぇ。 お客さん……若いのに道理が分かってるわねぇ……(^.^)」「……そりゃー当然の事、そのつもりだったさ。 当たり前だろう……。隠す必要なんてないからな……」 ………… ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ………… 一年半前のあの日を……しみじみと思い出す。(一_一) 「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「.................................................................................」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 」」 (これから先は、 ^-^◆ 頑固一徹の瀕死の友 対 友情の使者[1] に、続いていきます…………(^。^)) 『 頑固一徹の瀕死の友 対 友情の使者 』……長い間のご愛読、有難うございました。 <完>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ===============================================
2016/08/12
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 頑固一徹の瀕死の友 対 友情の使者 [8]【 明るみに出た真実 <上> 】「今晩はァ~~!!(^。^)」焼き鳥錦太郎の濃紺の暖簾……後輩を連れて勢い良く入った。「光男さん! 光男さんでしょう! あなた光男さんよね!! あなたは!!よくも私を騙してくれたわね~~……[`~´]」いきなり女将に怒鳴りあげられて……びっくり仰天!!(+_+)…… が ……しかし……。…… 一瞬 ……。 「ああ……ついにその日が来たか……(;一_一)」……と思った……。女将の顔を見ると……口調は荒いが目は穏やかな様に見える。女将のそばに立っている大将は、ニッコニッコしながら、こちらに向かって丁寧に深々と……、頭を下げられた。……本当に深々と……。 m(__)m……ご主人のその気持が分かるだけに……、熱く胸に迫るものがある……(-_-)「あ~~あ……仮にもお客に向かって、 商売人が言う言葉かねェ~~…………(ー_ー)」……と、ちょっと、女将をけん制……。 「どうぞ、座って下さい!!」大将が、わざと大きな声で席を勧めてくれて…………、やっと……腰かけた。一緒に連れて来た後輩は突然の出来事で呆気にとられている。第三者からは、ちょっと誤解されても仕方ないような……、修羅場のような……そんな場面だ…………。(;一_一)「阿部さんよね……あなた! 阿部光男さんでしょ……ねっ!」「(-_-)…………どうして……バレたん?」「佐藤さんよ。佐藤さんが教えてくれたんよ……」「そうか……やっぱり……あのバカ。 ……ホントに…………。 ……あれだけ口止めしておいたのに……」 正面に来た大将が、「……ホントに有難うございました……」と、囁くように小さい声で言いながら、満面の笑みでビールを注いでくれた……(^。^)「一体……どういう事なんですか?」後輩が、グラスをカチンと合わせながら聞いてきた。……キョトンとしている。 (゜_゜)無理もない……。初めて先輩に連れてこられた店で、いきなり、この騒ぎだ……。……訳ありの、きわどい場面にも見え無い事はない。 「……この人がね。一年半も私を騙したんよーー(^.^)」カウンター内の女将が先手をとって後輩に応えてきた……。「ホントですか?先輩!……騙したって」眼を剥く後輩……。「……まぁな……。ははははっ……。 ところで、女将さん、いつ……佐藤さんに会ったんネ……」「それがよ……。電話が掛ってきたんよ……。 お客さんに『サラリーマン金太郎』って名乗ってる人が いるやろう……っていうのよ……。 居るわよねぇーー……ここに一人。 ふふふふっ……(^.^)」女将が私を指さして、いたずらっぽく笑った。 「その時ね………。 佐藤さんがどうして知ってるのかな……? ……とは、思ったんだけど……。 居られるわよ、良いお客さんよ~……って言ったら……」「バラしたんだな……アイツ…… <`ヘ´>」「そう…………、そしたら佐藤さんが 『 その人、あなたが昔から知ってる人よ 』って言うのよね。 そんな事無いよ……知ってるわけないよ……。 もう一年以上、店に来て貰ってるのよ。 知ってたら分かるよって…………言ったら……」「…………」 「中学の時の同級生でクラブとかも一緒にしてた、 阿部光男さんよ……だって……」「ええっ!!まさか……先輩と女将さん同級生なんですか?」後輩も、どうやら話に入れる落着きを取り戻してきた。「あなたねぇ、私の方が老けてるって言いたいんでしょう? ……コラ!」「あっマズイ!!どうも、スミマセン……」「……でも、ホント……若いもんね、光男さん……」……後輩もしまったという顔をしている。(……が、ここで謝ったらまずいだろうが……もう(;一_一)) 「でも、女将さん……、いくらなんでも同級生だったら、 顔見たら分かるんじゃないですか?」と、後輩が突っ込む。「俺は、分かったさ……。40年以上会ってなかったけど、 面影残ってるし、第一この店に居る事が分かって来たからな。 でも女将の方は、俺の事を思い出さなかったのさ……」「……だってよ、中学時代の顔と丸っきり変わってて、 全くの別人なんだから……。 佐藤さんにも、電話で言ってやったよ!! そんな事は無い…………その話は、人違いだって…………。 阿部さんは、店に来ていないって……。 『 サラリーマン金太郎さん 』は、別人だって……ネ。 ……そしたら……」 「私が頼んだのって……言ったろう。佐藤さん……」「えっ?先輩!……最初、偶然に来たんじゃなくて、 同級生が居ること……分かって来たんですか……?」「うん、2年前の同窓会で頼まれたんだ……佐藤さんに……」「……どうも、そういうことらしいのよ……。 ……お節介よねェ……<`ヘ´>」 女将が笑いながら、口を挟む。(^-^)「いま話している佐藤民子さんと女将は、実家が近所でな。 幼い頃からの親友なんだ……幼馴染って言うか……」「へぇー、じゃー小学校・中学校と一緒だったんですね……」「うん、高校は別々の学校だったがな……。 ……で、その佐藤さんと俺が、中学・高校と一緒だった……」「ああ……、そう言う事ですか。じゃー、中学時代は、 女将さんと、三人一緒だったんですね……」 <続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =============================================
2016/08/11
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 頑固一徹の瀕死の友 対 友情の使者 [7]☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 高校の同窓会の席で……中学時代から一緒のT子が、 泣きながら頼んできた。 「幼馴染が体調を壊して、自暴自棄になっている。 叱咤激励したいが、家が遠いので頻繁には行けない。 行って励まして欲しい……」 聞くと……、その女性は私の会社の近くに在る焼き鳥屋の 女将さん……だとか。そして、私も中学時代に同級生で 知っている女性だ。……T子の涙に感動して、 及ばずながら頼みを聞く事にした……のだが…………。☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆【 女将を叱咤激励 <冬> 】それから暫く店に行けなかった…………。大分経ってからのこと……、久しぶりに足を運んだ……。おっ、今日は初めから女将が店に出ている。(^_^)v「元気そうですね!」「いらっしゃーい、真面目に病院に通うようになりましてね」大将が、先に口火を切った。嬉しそうに…………。女将は、下を向いたままニャッと笑って、せっせとおつまみ作りに励んでいる……。エプロン姿のシルエットが……カッコ良い。グンと体が締まった感じがする……。 2、3杯飲んだ頃に、女将が前に来た。「相変わらず、元気ですね金太郎さん……」「ははははっ……、まだ、若いですからね……お互いに」「ふふふっ……そうですね。まだ、若いですね。 そうそう、この前の話ありがとうございました。 お医者さんにも話したら『なかなか良い方法だ』って言われて ましたよ……」「『……ありゃ、藪医者ってよんでいたのが、 お医者さんになっている……ふふふふっ(^。^)』 ……ああ、ウォーキングの話ですね。やってますか……」「ちょっと、痩せたと思いません? ……まっ、1キロちょっとですけどね……」 「そうですか。 大したもんですよ……何事も、一歩一歩の積み重ね ですからね『百里の道も一歩から』……」「そうですね…………。(^。^) でも、お客さん、言う事は老けてますね…………。 失礼! (^v^)」「ははははっ……。 継続は力ですから、その調子で頑張りましょう……」「あと……酒が止められればねぇ……」「……いや、それは難しいですね。好きなんでしょう?」「ふふふふっ……好きというか何というか……飲まずに いられないんですよね……(>_<)」 「良いんじゃないんですか? 好きなものなら……ねぇ……」「そうですよねぇ…………止められませんもの……」「思い切り飲んで、ゆっくり寝た方が体には良いんじゃ ないんですか?」大将が、焼き鳥を焼きながら耳をそばだてているのが分かる。「うーーん、しかし……ですねぇ」「飲んだら、体調悪いわけですか?そんな事ないんでしょう」「いえいえ、お客さんは健康だから分からないでしょうけど、 飲んだら、確実に悪いんですよ……糖も出てるしね……」 「糖尿病もあるんですか?でも、好きな酒を止めるストレスの 方が体に悪いんじゃないかなぁ……」「お客さん私の体はそんな段階じゃないんですよ。医者からは 禁酒って言われてるんですから……ふぅぅぅ……(;一_一)」「…………」「控えるつもりはあるんですけど、一杯飲むとズルズルっと いっちゃうんですよね…………これが……」「最初の一杯か……それがポイントですね」「その一杯が…………ですねぇ……ふふふふっ……」「まぁ、無理しないで、一ヶ月に一回だけ最初の一杯を 飲まないようにすりゃー良いんじゃないですか?」「えっ!一ヶ月に一回……いゃーそれだったら4、5回は 出来ますよ」「いやいや、無理しないが良いですよ。続きませんから……」「……………………いやーーー……やれますよ<`~´>」「まっ、少しづつ……ですね。女将さん……ガンバッテ……」どうやら、やる気は出たように感じた。後は、実行できるかどうかだ……。 こんなやりとりを繰り返しながら、7、8ヵ月の歳月が淡々と経過した……。女将の症状は少しずつだが、良い方向で落ち着いている様に見えた。体重は、確実に落ちているのが感じられる……。病院にも定期的に行っているようだし、ウォーキングも続けている様子が、他のお客さんとの会話で分かる…………。或る日、一人で行ったんだが……女将さんが待っていたように前に来た。 「お客さん、大分前だけど、ウォーキングの他に『水』って 言われてませんでしたか?……確か……」「……ええ、言いましたけど……どうしてですか……?」「いえね……良いことなら……やってみようかと思って(^.^)」いいぞ、良いぞぉぉぉーーーーーーー。( ̄ー ̄)フフフ「確かに、水を良く飲むようにしていますよ。以前から……。 1日2~3リットル位かな……」「さっ、3リットル!!!凄いですね。とても飲めませんよ」「500CCのボトルで飲むんですけどね……。 朝起きて、ご飯までの間に……一本。 食事をしながら一本。……で、1リットルです。 後……、通勤電車の中で、一本。 ですから、会社に着くまでに大体、半分は飲んでます。 水は、飲み過ぎても副作用がありませんからね。 余ったら出ていくだけで……」 「凄いですねぇ……。私はせいぜい1日1リットルかな……。 ……で、調子良いのですか?水飲んで……」「ええ、良いみたいですよ。瑞々しくなったかな?はははっ」「やってみようかな……ふふふっ」「まっ、試しに……やってみますか……? 風邪の引き始めとかは、水を少しずつ飲んで 正常に戻しています。 しかし、これは私流儀ですから……。 漢方なんかに凝ってる人は『水』は控えるべきだって 言っています。 あくまでも、私の経験則です…………。(^。^) お医者さんにも相談してみて下さい。 あっ、それから、酸っぱい物も良いですよね……」「それはもう、バッチリですよ。酸っぱいものはきちんと 取っています。元々好きですから……」 「そう言えば、おびただしい量のラッキョがありますが、 女将さんが、漬けたんですね?」「ふふふふっ……ご名答……名人ですよ、ラッキョは……」「それは、良い……。後は、大笑いですね……」「大笑いねぇ……そう言えばお客さん良く笑いますよねぇ…。 私も最近つられて笑うようになりましたが……。 人生、色々と辛い事もありますから、笑ってばっかりも……」「楽しい時は笑うでしょう……?」 「…………?……そりゃー、笑いますねぇ……」「辛い時はね、……笑い飛ばすんですよ。そしてね、 何でもない時も、笑うんですよ……(^。^)」「そんな、バカみたいに、何でもないのに笑えませんよ」「赤ちゃん、何でもないのに笑うでしょう……? それを見た大人も何でもないのに笑います。 ……健康な証拠……です」「なるほど……、考えようですかね……ふふふふっ (^.^)」「大笑いをしますとね。NK細胞という、善玉の免疫細胞が 増えるらしくてね……体にとても良いそうですよ」「ああ……聞いたことあります。 癌細胞もやっつけるんですよね……(^-^)」「そうらしいです……。ふふふっ……笑いましょっ」「 (*^。^*) 」 大将の深い愛と、気配り……、本人のガンバリ……、お客様の、応援……、適切な治療……、それらが良い方向に働いたのだろう……。女将は、出会った時とは別人のように健康的に変身していった。私に対するライバル意識の様な感情も、そして、私との様々な会話も、プラスに働いたとしたら、佐藤さんに頼まれた甲斐もあり、『友情の使者』としての役目も、少しは果たせたことになる。…………(-_-) <続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ============================================
2016/08/10
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 頑固一徹の瀕死の友 対 友情の使者 [6]☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 高校の同窓会の席で……中学時代から一緒のT子が、 泣きながら頼んできた。 「幼馴染が体調を壊して、自暴自棄になっている。 叱咤激励したいが、家が遠いので頻繁には行けない。 行って励まして欲しい……」 聞くと……、その女性は私の会社の近くに在る焼き鳥屋の 女将さん……だとか。そして、私も中学時代に同級生で 知っている女性だ。……T子の涙に感動して、 及ばずながら頼みを聞く事にした……のだが…………。☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆【 女将を叱咤激励 <秋> 】「女将さん、大したことじゃないんですよ。 だって女将さんは既にもう、20分歩いておられる じゃないですか……ねっ。 だったら……後もう少しの話じゃないですか…………ね」「………… (ー_ー;)……うーーーん」「たとえ少しでも、現実に実行されているんだから……、 勿体ないですよ……」「それがね、お客さん……、大きな声では言えませんが……、 実のところは、ゆっくりゆっくり歩いて……、 精々10分足らずなんですよぉ……(^_^;)」女将が声をひそめて囁いた。 ……やっぱり……(;一_一) 「女将さん、聞きますけど、ご近所のその辺をぐるっと回って いませんか?」「はい、そうそう、町内を……ですね」「ははははっ……それは、ヤバい……ははははっ……」「えっ?」「知った人に会うでしょう?」「はい……それは……町内ですから……」「……で、立ち話……」「ウッ……」「挙句の果ては、ショートカットして帰ってくるでしょう?」「!!ちょっと……お客さん、まるで後を付けていたみたい ですね」「はははっ……、町内をぐるっと歩いているとたいていの人が そうなるんですよ。挨拶しないわけにはいかないしね」「そう……、そうなんですよ……ホント。分かるでしょ……、 こういう商売もしているしね……」「おまけに、周回のコースは、いつでもショートカットできる 路地がありますからね……。さっさと帰ってきちゃう……」「そうそうそうそう……全くそうなんですよ」「なかなか、計画通りに歩けませんよね……」 「どうしたら、良いんですかね……。仕方無いですかね……」……しめしめ、その気になってきたぞ……。(^。^)「いえいえ、簡単ですよ……そんなのは……」「簡単…………? 教えて貰おうかな……」良い感じだ、ウォーキングにも、より興味が湧いてきたようだ。「女将さん、減量はやはり健康回復に良いと思いますよ。 ウォーキングは、減量にはかなり効きますからね……」「それはそうですけど……。藪医者もそんな事いってますけど、 でも……、そこまでして長生きしてもねぇ……。 たいして良い事があるわけじゃないし……ネェ」「女将さん、このお店……たいして良いお客さんいませんか? お店……止めたい位ですか……?」「いえいえいえ、冗談じゃない。 お客さんは良い方ばっかりですよ。 好きなお客さんばっかりです。 けっこう、私の料理も楽しみに来て頂けるし……(^.^)」「……だったら、元気にならなきゃ、 お客さんが悲しむじゃないですか…………」「…………」フーーーム、なかなか腰が重い感じだな。しかし…………焦りは禁物…………。 たいしたことも無く……、1、2ヵ月が過ぎた。時の流れは早いものである。……久しぶりに遅い時間に立ち寄った時……。「わぁー久しぶりですねぇ。けっこうお忙しいんですね……。 ねぇねぇお客さん、この前お出で頂いた時ですけど、 上手なウォーキングの仕方って……、 話してませんでしたっけ……?」「おっ!……ショートカットウォーキングの名人殿……。 興味が湧いてきましたかな……(^。^)」「へへへへっ……。相変わらず町内回ってますからね。 興味なんて湧いてきたわけじゃないけど……、 どうせ歩くんなら効率的にって思いましてね……」 しっかり、意地っ張りだ……。(>_<)しかし、良い流れだと思いましたね。その数日前……佐藤さんに『少し、元気が出てきたようだ』と報告したばっかりでしたし……。「あのね、直線を歩くんです。出来れば、町内からちょっと 外れてね……」「直線……?」「そう……、30分歩きたかったら、15分間直線的に 歩くんです。そうすると、戻りが必ず15分になります。 直線だから、ショートカットもできませんね……」「…………なるほど……」 「20分なら、片道10分ですね。とにかく、半分の時間を まず、直線で歩くわけですね……。 できれば、どの地点で 折り返したかを覚えていると良いですね。 人間、何回もやってると欲が出てきて、 もっちょっと先まで……って、考えるようになるものです。 そうすると、それだけ、自然と早歩きになりますね」「……なるほど、お客さん、色々と考えてるんですね……」「ははははっ……、僕って基本怠け者ですからね。 何とか、意思が続くように工夫しているだけですよ。 意思の強い人なら、なんでもない事ですがね……」 「その考え良いですね。早速やってみますよ……」「おっ、女将さん、やる気が出てきましたね(^。^)」「お客さん、不思議ですねぇ……。体調が悪い時って考え方も 後ろ向きになるんですかねぇ……。 最近は、少し欲が出てきましたよ…………。ふふふっ……」実に、有意義な話が出来た……。常連さんたちも励ましてくれるようになったようだし……、後は、彼女が実行してくれれば、少しは良いと思う……。家庭的には、お子さんも色々と大変な時期で、様々な悩みからストレスもたまっている様な話も聞いてはいるが……まず、健康を取り戻さなくっちゃ……。健康は……宝だ!! <続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =============================================
2016/08/09
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 頑固一徹の瀕死の友 対 友情の使者 [5]☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 高校の同窓会の席で……中学時代から一緒のT子が、 泣きながら頼んできた。 「幼馴染が体調を壊して、自暴自棄になっている。 叱咤激励したいが、家が遠いので頻繁には行けない。 行って励まして欲しい……」 聞くと……、その女性は私の会社の近くに在る焼き鳥屋の 女将さん……だとか。そして、私も中学時代に同級生で 知っている女性だ。……T子の涙に感動して、 及ばずながら頼みを聞く事にした……のだが…………。☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆【 女将を叱咤激励 <夏> 】 かなり、時間が経ってからの事……色々な料理を作り終えて、女将が私の正面に移動してきた。「女将さん、以前より少し体調が良いみたいだね」「そりゃー節制してますもん……。 お客さんには負けられませんからね……(^◇^)」「うわー……!!凄いライバル意識だァーー(^。^)」「そりゃーそうですよ。 だって同い年でしょう!! バッチリ節制してますよぉーーーー(^.^)」 大将が、串を焼きながら苦笑いしている……。どうやら、口ほどの節制はしていないようだ……。常連のお客も、やや、白けた顔をしている。しかし、よく見ると以前より精気を感じられるのも事実だ。「さっき、大将から聞きましたよ。 お酒の量も激減したんだそうですね……。 (全くのウソである)(^~^)」「まぁ……、あの人がそんな事言ったの…………。 まぁ………………。 少しは………、少しは……控えているかな……ふふふふっ」 大将の顔が一層苦笑いになった。…………なるほど……微量か……。「気のせいか、眼の光が良くなってきた感じですね……」「そんなことありませんよ。 ……いや、でも、そう見えますか? そうかなぁ……(^.^)」「努力は……必ず成果を生みますよ……」「……ですかね…………。 ところでお客さん、お客さんは、 何か健康に良い事してるんですか……?」「まぁーー、これといって大したことはしてませんけど、 減量のためのウォーキング……水飲み、酸っぱい物、大笑い、 等は気を使ってますけどね……」 「ああ、ウォーキング……ね。……私もしてますよ」「あんたのは散歩やろう。その辺をチョコチョコっと……」と、大将が口を挟む。「何言うんね……。見てもないくせに……<`ヘ´>」ムキになる女将。「いゃー、確かにウォーキングは意思が強くないと、 続きませんよねぇ……。 一番良いのは、誰かと一緒にやることなんでしょうがね。 お互いに、相手を意識して励みますからね…………」「まっ、しかし……そんなにムキになってやる程の ものじゃありませんけどね……ウォーキングなんて……」 「……ですかねぇ……」「そんなに減量効果も出ないしね……」「……うーん、やり方次第でしょうがね。 私はかれこれ……8年やってますよ……」「8年!……若さの秘訣かな? ……しかし、なかなか居ないんですよ……パートナーがね」「……でも、女将さんは、意思が強そうというか……、 頑固そうだから……ははははっ……。 ちゃんと計画通り歩かれてるでしょう……」 「こんなに、肥えていて………………ですか?」と…………又、大将。「やかましい!!!<`~´>」と、ヒステリックに女将。「ははははっ……ご夫婦仲が良いですね。ははははっ……」「どこが……ですか?喧嘩ばっかりですよ」「夫婦は、喧嘩するほど仲が良いって 昔から言うじゃないですか……」「…………(^.^) ……でもね、お客さん、ウォーキングって……続けるのは、 確かに大変よね……」「どの位の時間、歩いているんですか?」「そりゃーもう、バッチリ歩いてますよ……これでも……」「……ほう……、……で、どの位です?」「うーん……、大体……1回で20分……位ですかね……」「……20分……ですか。……随分頑張ってますね……」「ねっ(^。^) そうでしょう。ふふふふっ……」「でも……ちょっと、惜しいなぁ…………」「えっ、惜しいって……何が……??」 「どうせなら、あと少し歩いて、 30分ちょっとにするといいんですがね……」「ああ…………有酸素運動の原理なんでしょう? ……聞きました。 あんなのあてにはならないでしょう……どうせ」「まあね………………。そんな風に普通は思いますよね……」「簡単に30分っていっても、2キロ近く歩くんですからね」「そうそう、さすがに普段歩いている人は、データが正確だ」 「ほほほっ……そうでもありませんけど……(^.^) ……で、有効なんですか?……その有酸素運動ってヤツ……」「不思議なんですよね……これが……。 実は、僕はテニスをやってるんですけどね……」「おお、テニス……かっこいいですねぇ……。 それで色が黒いんですね……ふふふふっ……失礼!」「黒いでしょう?昔からよく言われますよ…………。 もっと痩せてた頃に、タイからの企業研修生と間違えられた 事がありますよ……それも、引率の日本人からね……」「ふふふっ……お客さん、面白いですね……(^.^)」 「休日に、コートに行って4、5時間練習するでしょう? 帰って風呂から上がって体重を計ると、2kg位は痩せてるん ですよ」「へぇーーー、1日で2kgですか?……凄いですねぇ」「ところがですよ、その後、週の中頃になると又、元に戻って しまうんですよ。痩せていたのはほんの数日で……、 汗で水分が減っていたのと、お腹が空いていたんですね。 そして、又、週末に体重が減って、又、元に戻る……。 この繰り返しで、ちっとも体重は減らなかったんですよ。 あんなに激しい運動をしているのに……ね」「へぇーーー、そんなもんなんですか……ねぇ」 「ところがですよ。医師の指導でいわゆる『有酸素運動』を 始めたら、1回、30~35分、週に3回位のウォーキングで 体重が落ち始めたじゃないですか? びっくり……ですよ。 見る見るうちに落ちて言ったんですよ……体重が。 こんな、楽な事はありません。ははははっ……。 それで……有酸素運動って奴を信用するようになりました」「ふーん……やっぱり30分以上ですか……」「40分も50分も歩く必要はありませんよ。 20分過ぎ辺りから、糖や、脂肪の燃焼効果が出てくると 聞きましたから、せいぜい、30~35分でいいんですよ。 少し、早歩きで……ね」 「まぁ…………そこまで、ムキになってもですねぇ……。 痩せたからと言って……大したことも無いし……」「……フーム…… (ー_ー)!!」なかなか、手強い相手です………………。(ー_ー) <続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ===========================================
2016/08/08
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 頑固一徹の瀕死の友 対 友情の使者 [4]☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 高校の同窓会の席で……中学時代から一緒のT子が、 泣きながら頼んできた。 「幼馴染が体調を壊して、自暴自棄になっている。 叱咤激励したいが、家が遠いので頻繁には行けない。 行って励まして欲しい……」 聞くと……、その女性は私の会社の近くに在る焼き鳥屋の 女将さん……だとか。そして、私も中学時代に同級生で 知っている女性だ。……T子の涙に感動して、 及ばずながら頼みを聞く事にした……のだが…………。☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆【 女将を叱咤激励 <春> 】 そんな事があって何日かが流れた……。気持ちは強くても飲食代が高いと、そうそう頻繁には通えそうもないと思っていたが、何とこれが超安値。 安い安い…………。これなら後輩も沢山連れて行けるし奢ってもやれる。(^。^)目標も定まって思いは募ったが、なんせビジネスマンの事、その後、仕事が結構忙しくなって……、なかなか店に足を運べない状態が続いた……。(ー_ー)再び、焼き鳥錦太郎に出向いたのは、それから2週間くらい経ってからのことだ……。 ・ ・ ・ ・ ・ (ー_ー) ひとりビールを飲みながら……、「大将……女将さんは……?」「今日は、やっと……病院に行きました……」「……病院!!」「はい、やっと……やっと行ってくれました……」「不躾ですが……女将さん、大分体調悪いみたいですね……」「……はい、肝臓が……。……それに糖尿も。他にも……」「えっ?それはいかん……ちょっと太り過ぎじゃないですか」「ちょっとどころか……太り過ぎですよ。だから治りません」「大将も、大変ですね……」「もうちょっと、養生するか、節制するかしてくれると……。 ヤケになる歳でもないんですが……(-_-)」「……酒も飲み過ぎじゃないですか?この前見てたけど……」「ははははっ……アル中ですね……あれは。ははははっ……」大将の笑い声が……寂しく響く……。(ー_ー) 「お客さん……今度、あいつに、発破かけてやって下さいよ。 身内の言う事はなかなか聞かない性分でしてね……。 お客さんの言われる事なら、少しは聞くと思います……」「…………」「この前、来られた時に、えらく悔しがってました。 ……お客さんが帰られた後……ね。 ……ずっと……。ずーーーっと、悔しがってました。 同年齢にしては……どう見ても若すぎるって……。 確かにお客さんは若いけど、あいつも歳の取りすぎですもん。 ははははっ…………(ー_ー)」 放っておくと、命の保証もないと言われているらしいが、大の医者嫌いで、言う事を聞かない…………とか。言われるまでもなく、女将を叱咤激励するつもりで来ている。彼女の健康状態の回復……が、目的であり望みだ……。ふっ……と、大将には素性をばらそうかと…………(-_-)一瞬……、頭をよぎったが…………止めた。かえって、大将も心の負担になるだろうと思ったからだ……。こっちの作戦としては……、まず、同じ年齢の世代というのは、どれ程若くて、且つ活力のある年代なのかを見せつけようというものだ。彼女自身に、自分自身の「活力」の目標値を持って貰いたいから……。この店の常連客は、ほとんどが近辺の商店街の方が中心で、ご高齢者が多い。従って、身近で活力ある行動に接していない……そんな感じがした。作戦も、決まった!! (^。^) その日は2、3杯飲んで帰った。そしてその後、月に3~4回位は必ず顔を出すようにした。それなりの常連客にならないと、女将もそうそうは耳を傾けないだろう……とも考えた。作戦通り、会社の若い連中を連れて行って、ワイワイ、ガヤガヤと大騒ぎをしたわけだ。こっちも元々体育会系だから、時には若い連中を怒鳴りあげたりして大騒ぎをした……。会社の人間以外の人は……連れて行きにくい。相手が、こっちを名前で呼ぶからだ……。「阿部」と呼ばれたら名前を聞いて、女将が何か思い出すかもしれない。会社の連中なら、役職名で呼ぶから……大丈夫。(^。^) 「ねえねえ君、この上司、まともな事言ってるよ。 言って貰って有難いと思いなさいよ……」等と……、女将も、時々若い者に対して、教育のフォローをしてくれたりした……。(^。^)これが、カウンターでの後輩教育指導の長所だ。昔は、先輩からよくやられたものだ。カウンターの向こうに、人間学のベテランが居て、全て、聞くともなく聞いてくれているのだから……。……時として、適切なアドバイスを貰えるものだ……。毎回、大いに飲み、大いに食べ、大いに騒いだ。女将が、生ビールのお代りを持って来てくれた時には、必ず、「ホント、お客さん若いねーー。迫力あるねー」と、言うようになった。 「しめた……」って思いましたね。『 元気 』ということに、大いなる興味と憧れを持ってくれたように見えたからね……。大勢で行くので、焼酎のボトルをキープしようという時……、これは、ちょっと困った……。署名が要るんです。……で『サラリーマン金太郎』と、書いたわけ…………。(^.^)「ホントにそんな感じのお客さんだわ」と言って、笑って受理してくれたから、焼き鳥錦太郎に通う『サラリーマン金太郎』の誕生となったわけ……。……ジョークもよく分かる店なのだ。(^。^) その後……数ヶ月の間……、時々は、一人で出かけて行った。たいてい、女将の体調が悪いので大将が一人で店をやっている。頃合いの時間になって、だんだんお客さんが増えてきたら、2階にいる女将さんに声をかける……という構図だ……。だから幸いな事にこの時間、大将から女将の体調の状況を色々と聞く事ができた。『 初対面 』の時のドラマがあったからだろうか、大将も別に気にする風でもなく、色々と病状を教えてくれる。 今日は体調も良く、買い物に行っているという女将さんが、ややあって、戻って来た。「あらっ!!青年!!また、いらしてくれたんですか……」……と、きた。「ハイ、お嬢さん、美味しいので又、寄らして頂きました」「お嬢さんは……ちょっときついですねぇ……(^.^)」「だって同じ年だから私が青年なら、そっちはお嬢でしょう」奥に居たふたりの客も笑っている……。何と言っても「叱咤激励」は、明るく行かなくっちゃ……。暗い、重苦しい雰囲気では、効果も半減というものだろう。 <続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =============================================
2016/08/05
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 頑固一徹の瀕死の友 対 友情の使者 [3]☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 高校の同窓会の席で……中学時代から一緒のT子が、 泣きながら頼んできた。 「幼馴染が体調を壊して、自暴自棄になっている。 叱咤激励したいが、家が遠いので頻繁には行けない。 行って励まして欲しい……」 聞くと……、その女性は私の会社の近くに在る焼き鳥屋の 女将さん……だとか。そして、私も中学時代に同級生で 知っている女性だ。……T子の涙に感動して、 及ばずながら頼みを聞く事にした……のだが…………。☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆【 病的な女将さん <下> 】 何よりも凄い肥満で顔色も悪く、体を持て余している感じ。悔しがって力が出たのか、女将はカウンターの中に入って来て、手伝いを始めた……。客が皆びっくりしている。(゜_゜)「へぇーーーー、珍しい事もあるもんだーーー」と、客の一人。相当な常連らしい客だ。近所の商店の主……というイメージ。「だって……悔しいねぇ。 何度も聞くけど……、……ホントに同じ歳……?」「ははははっ……。……らしいですね。どうやら……(^。^)」 「これは違反よ、違反…………。 お客さん……若過ぎよ……」 大将は、ニコニコしながらテキパキと焼き鳥を焼いている。来店して良かったと思った。思いもかけない所から、彼女の活力が出てきそうだからだ。負けず嫌いの気性は変わっていなかった。私の、友情の使者としての使命は、あくまでも彼女の健康が回復の方向に向かうように働きかける事にある……。 ……ここで、何故か分からないが、昔のテレビドラマ「大江戸捜査網」のナレーションを思い出した。『隠密同心 心得の条 我が命我が物と思わず 武門の儀あくまで陰にて 己の器量を伏し ご下命如何にても果すべし なお 死して屍拾う者なし 死して屍拾う者なし』…………ははははっ、ここまで大げさではないが……。(^_^;) 「ところで……お客さん、ウチの店、初めてですよねぇ……」女将さんが、無遠慮にこちらの顔を覗き込むようにしながら念を押してきた。うっ……。(;一_一) 何か思い出したのだろうか……?私の顔とか、声とか……。正体……バレタのかな……???「いいえ、何度か来てますけど、覚えてませんか……?」……と、返したら、大将がびっくりしたような顔で、シゲシゲとこっちを見た。 「えっえーーー!お客さん嘘でしょう。見た事無いですよー」女将さんが睨む形で……言った。他の客も、こんな人見た事無いよって顔で、こっちを見ている。「女将さん!!私の顔……覚えありませんか?」「……??」「………、………ははははっ……無いですよね。 そのはずだ!!……だって、初めて来たんですもん……」「もう、お客さん!!……冗談がきついんだから……」 大将も、納得……という表情で笑っている。これで、どうやら全くの知らない者同士として、話ができそう……だ。 「あんたもこのお客さんみたいに元気で溌剌としなきゃなっ。 まだ老ける年でもないぞー」と……大将の叫ぶような声。「ホント……悔しいねっ(>_<)」と、……女将が応えた。すると、大将も常連客もびっくりして、なぜか呆れたような反応をしている。……という事は、普段はこんなに素直じゃないって事か……。 「旦那の云う事なんて全然聞かなかった女将が珍しいなーー。 死んでも良いなんて言ってたのになぁ……」「ははははっ……娑婆に未練が出てきたかな……?」……と、ご近所さんらしい客が冷やかすように言った。「だって、それが私の寿命ならね……。 死ぬ時ゃ死ぬ……。 ジタバタしても仕方ないでしょう……! ねっお客さん!(^-^)」 「………………(ー_ー)」「しっかし、このお客さん頭にくるわ……。 同級生で……ちょっと、若すぎ……」 大変な拘りだ。同じ年でありながら、自分よりも遥かに年下に見える事が余程悔しいとみえる。確かに、中学時代も、負けん気の強い娘だった。特に、英語暗唱大会の代表者選考レースの際の、あの気迫の凄さは、今でも、ありありと覚えている。 初めて来店して、思いもかけない展開になってしまったが、そもそも来店の目的は佐藤さんの意を継いで……、女将を激励するという事だから………、『悔しさが活力になれば良い』………そう思った。まずは、精神的な活力を持たないと病気には勝てっこない。負けん気の強さは、丁度、好都合かもしれないな……(^.^) みるからに、身内とか身近な人の言う事は聞かない性格のようだから、正体がバレるまでは、自分を隠して、知らない客として激励していこうと決意したのだ……。(一_一) <続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =============================================
2016/08/04
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猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 ^-^◆ 頑固一徹の瀕死の友 対 友情の使者 [2]☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 高校の同窓会の席で……中学時代から一緒のT子が、 泣きながら頼んできた。 「幼馴染が体調を壊して、自暴自棄になっている。 叱咤激励したいが、家が遠いので頻繁には行けない。 行って励まして欲しい……」 聞くと……、その女性は私の会社の近くに在る焼き鳥屋の 女将さん……だとか。そして、私も中学時代に同級生で 知っている女性だ。……T子の涙に感動して、 及ばずながら頼みを聞く事にした……のだが…………。☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆【 病的な女将さん <上> 】「このお惣菜……、みんな大将が作られたんですか……?」 とても、そうとは思えなかったが、なんせ初対面なので……、さらっと、そんな風に聞いてみた……。「いえいえ、家内です……」 火の上で、手をせわしく動かしながら、カウンターの向こうの隅に向って、顎をしゃくる様にして大将が応えた……。離れているので気付かなかったが、女性がカウンターにうつ伏せになっている……。……眠っているのだろうか……?ちょっと見た目にはお客さんが呑み過ぎて臥せっている様に見えたが、……なんだ……女将さんだったのか……。 (居たんだー……。でも具合が悪いのだろう……やっぱり)大将はスポーツマンタイプで、笑顔が凄く若々しい……。「大将、相当に若いでしょう?女将さんは姉さん女房ですか?」「ははははっ……バカは歳取らないっていいますからね……。 これでもけっこうな年ですよ…… (^。^)」見た目には、とても信じられなかったが、色々と話してみると、何と、大将の方が自分より5歳も年上だった。 参ったなーーー……。<`~´>ホントに大将って若く見える。……背が高くてスリムだし……。他の客との会話で、ゴルフの名手であることが察せられる。そんな話をしたものだから……、初対面なのにお互いの歳がバレて……、「そんなら、お客さん……ウチの家内と一緒の歳ですよぉー」って……大将が言った途端……。「何!!誰が私と一緒だって……」……と言って、カウンターにうつ伏せになっていた女将が顔を上げた。……ドキッとした……。 顔を上げた女将さん………………。ええっ! なっなんと!!悪いが……かなり老けた顔だ……。ホント失礼だが、むしろ大将の方がずっと年下に見える……。……その……女将さん………。少し目が悪いらしく目を細めてじっとこちらを見ていたが……。次の瞬間、「まっさかー、うそ、うそー!! お客さん、嘘ついてもダメですよー。 ……若い、若い……、そんな歳じゃない…!」と、叫ぶような声……。かなり酔っている感じだ…………。(゜_゜) 彼女だ!!!!!……彼女に違いない!!太って、老けてはいるが……、目元に……面影が残っている。……恵チャンに違いない。こちらにはまだ気付いていないようだ……。 「嘘なんてつきませんよ。本当のことです……」 咄嗟に答えた!!「じゃー、お客さん。聞きますけどねぇ…………、 干支は何ですか…………ん? ……当たってるねぇ……。 高校の卒業は昭和何年……?…………ん? そうそう……。 まだよまだよ……、東京オリンピックの時、何歳だった……? …………ありゃ、当たってるわ……。 ちょっとぉー、本当……ぉ?? (`Q´;) お客さん若すぎるよぉーーー!!!」 自分も、店の大将に負けず劣らず、普段から年よりも随分若く見られる。だから、言われ馴れてはいるが……。 それにしても、彼女は老け過ぎだ……。「あんたもこのお客さんみたいに元気で溌剌としなきゃーな。 まだまだ老ける年でもないぞー (´o`)」と…………大将。「要らぬお世話よ!! (`Q´) ……うーん……でもホント悔しいねっ。 でもお客さん、お客さんはね、お客さんは特別だわ……。 若い、若いって言われるでしょう……?」「……まぁーー、少しはですね……」 確かに若いとは言われていたが、それよりも、彼女が、同じ年の割には老け過ぎていて、10歳は年上に見えてしまう。良く見ると……、確かに目元に昔の面影が……ありあり……。中学生時代の表情が残っている。名前を呼ぼうとしたが、何故か……はばかられた。想像以上に病的で老け過ぎているので気遅れした感じもある。「ところで……女将さん、私の事覚えていますか……?」「えっ?以前に店に来られた事あります……? いや、そんな事は無い……。 来られたお客さんなら絶対覚えていますから……。 お客さん!!来られた事無いでしょう?……ねっ!」 この喋り口にも昔の口調が漂っている……。聡明で、ハキハキした娘だった。一度会ったら忘れないという言い方も……頷ける。「…………えっええ……、店は初めてですが…………」 「そんなら、分かるわけないじゃないですか……もう。 お客さん!! 冗談は止めて下さい。 しかし、それにしても……同じ歳……? 私と…………? ……何か、悔しいなぁーー……このお客さん……。 くっやしいわぁぁぁぁぁ……。<`ヘ´> ホント…………悔しい……。 ……まっ、私は、病気もあるしね…………。 でもこりゃー、どう見てもそっちが例外やね……若過ぎよ」 ここで名乗る気が無くなった……。相手が自分の事を覚えていないのならこのまま、客と女将との関係の方が、新鮮というか……甘えが無いというかこれから色々とアドバイスや激励をしていく面でも、良いのではないか……と、一瞬のうちに頭に閃いたのだ。「ははははっ……健康でないとやっぱり若さは保てませんよね。 自らの健康は……心がけ次第だから……、女将さん、 余程知恵のない生き方をされてるんでしょうね……」 と、わざと厳しく言葉を返した。初対面の人に対しては、随分と失礼な言い方に違いない……。「まぁーーー失礼な!ちょっとお客さん言いますねぇーー。 私だって、健康管理ちゃんとしてますよ……」と、女将が言い放った途端に、大将も客もみんなどっと笑った。冗談じゃないよ……という、笑いだ。遠慮なく笑った。……やっぱり…………。(ー_ー)「あーーーあ、悔しい。悔しいねぇーーーー」余程、不摂生しているんだろう。顔色はどす黒くて、肝臓障害が見てとれるし、酒の飲み方もアル中のような感じがする。 <続く>猫をポチッとクリック頂けると嬉しいです。にほんブログ村 ランキング参加中 =============================================
2016/08/03
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2016/08/02
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【戻】◆友情の使者1 【明るみに出た真実】「今晩はァ~~!!(^。^)」馴染みの焼鳥屋……濃紺の暖簾。後輩を連れて勢い良く入った。「光男さん!光男さんでしょう! あなた光男さんよね!! あなたは!!よくも私を騙してくれたわね~~……[`~´]」いきなり女将に怒鳴りあげられて……びっくり仰天!!…… が ……しかし……。…… 一瞬 ……。「ついに、その日が来たか……(;一_一)」……と思った……。女将の顔を見ると……口調は荒いが目は穏やかな様に見える。 女将の側に立っている大将(女将の旦那さんだが……)はニッコニッコしながら、こちらに向かって丁寧に深々と……、頭を下げられた。……本当に深々と……。 m(__)m……ご主人のその気持が分かるだけに……、熱く胸に迫るものがある……(-_-)「あ~~あ……お客さんに向かって言う言葉かねェ~~」……と、ちょっと、女将に反発……。 「どうぞ、座って下さい」大将が、わざと大きな声で席を勧めてくれて…………やっと……腰かけた。一緒に連れて来た後輩は突然の出来事で、呆気にとられている。第三者からは、ちょっと誤解されても仕方ないような、そんな場面だ…………。(;一_一)「 阿部さんよね……あなた!阿部光男さんでしょ……ねっ! 」「 ……どうして……バレたん? 」 「 佐藤さんよ。佐藤さんが教えてくれたんよ…… 」「 そうか……やっぱり……あのバカ。……ホントに…………。 ……あれだけ口止めしてたのに…… 」正面に来た大将が「 ……ホントに有難うございました…… 」と、囁くように小さい声で言いながら、満面の笑みで、ビールを注いでくれた……(^。^)「 一体……どういう事なんですか? 」後輩が、グラスをカチンと合わせながら聞いてきた。……キョトンとしている。 (゜_゜) 無理もない……。初めて先輩に連れてこられた店で、いきなり、この騒ぎだ……。……修羅場にも見え無い事はない。「 ……この人がね。一年半も私を騙したんよーー(^.^) 」カウンター内の女将が先手をとって後輩に応えて来た……。「 ホントですか?先輩!……騙したって 」眼を剥く後輩……。「 ……まぁな……。ははははっ……。 ところで、女将さん、いつ……佐藤さんに会ったんネ…… 」 「 それがよ……。電話が掛ってきたんよ……。 お客さんに『サラリーマン金太郎』って名乗ってる人が いるやろう……っていうのよ……。 居るわよねぇーー……ここに一人。 ふふふふっ……(^.^) 」女将が私を指さして、いたずらっぽく笑った。「 その時ね………。佐藤さんがどうして知ってるのかな……? ……とは、思ったんだけど……。居られるわよーー、 良いお客さんよ~……って言ったら…… 」「 バラしたんだ……アイツ…… 」 「 そう……そしたら佐藤さんが『 その人、あなたが前から 知ってる人よ 』って言うのよね。 そんな事無いよ……知ってるわけないよ……。 もう一年以上、店に来て貰ってるのよ。 知ってたら分かるよって…………言ったら…… 」「 ………… 」「 中学の時の同級生でクラブとかも一緒にしてた、 阿部光男さんよ……だって…… 」「 ええっ!!まさか……先輩と女将さん同級生なんですか? 」 後輩も、どうやら話に入れる落着きを取り戻してきた。「 あなたねぇ、私の方が老けてるって言いたいんでしょう? ……コラ! 」「 あっマズイ!!どうも、スミマセン…… 」「 ……でも、ホント……若いもんね、光男さん…… 」……後輩もしまったという顔をしている。(……が、ここで謝ったらまずいだろうが……もう(;一_一)) 「 でも、女将さん……、いくらなんでも同級生だったら、 顔見たら分かるんじゃないですか? 」と、後輩が突っ込む。 <本日に続く……>============================================================================
2009/10/06
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<続>【戻】◆友情の使者1【明るみに出た真実】「 俺は、分かったさ……。40年以上会ってなかったけど、 面影残ってるし、第一この店に居る事が分かって来たからな。 でも女将の方は、俺の事を思い出さなかったのさ…… 」「 ……だってよ、中学時代の顔と丸っきり変わってて、 全くの別人なんだから……。 佐藤さんにも、電話で言ってやったよ!! そんな事は無い…………その話は、人違いだって…………。 阿部さんは、店に来ていないって……。 『 サラリーマン金太郎さん 』は、別人だって……ネ。 ……そしたら…… 」「 私が頼んだのって……言ったろう。佐藤さん…… 」 「 えっ?先輩!……最初、偶然に来たんじゃなくて、 同級生が居ること……分かって来たんですか……? 」「 うん、2年前の同窓会で頼まれたんだ……佐藤さんに…… 」「 ……どうも、そういうことらしいのよ……。 ……お節介よねェ…… 」女将が笑いながら、口を挟む。 「 いま話している佐藤民子さんと女将は、実家が近所でな。 幼い頃からの親友なんだ……幼馴染って言うか…… 」「 へぇー、じゃー小学校・中学校と一緒だったんですね…… 」「 うん、高校は別々の学校だったがな……。 ……で、その佐藤さんと俺が、中学・高校と一緒だった…… 」「 ああ……、そう言う事ですか。じゃー、中学時代は、 女将さんと、三人一緒だったんですね…… 」「 そういう事……だ……。彼女たちはな、それぞれ結婚して 郷里から遠く離れてしまったが、その後もずっと付き合いが 続いていたんだな……。 ……その佐藤さんが、高校の同窓会で言うには……、 女将が体を壊して……かなり悪いようだ。 本人が自暴自棄になって……このままでは命も危ない……と、 心配している。 自分が会って色々と励ましたいけど…… 家が遠いもんだから……ままならない。 ……電話での激励にも限界がある……。 今日阿部さんに会って、お店の近くに会社があるって 分かったから、時々行って、励ましてやって欲しい……。 そして、病状を連絡してほしい……ってな訳だ……。 その時、佐藤さんに泣いて頼まれてなぁ…… 」「 泣いて……ですか……。凄い話ですね…… 」「 うん……俺もそのふたりの友情の厚さに、 じーーんときたって訳だ…… 」女将が割り込んでくる。「 ……佐藤さんからの電話の時はね……、 そんな話信じられるもんかって言って、一旦切ったのよ。 近々来られるから確かめれば分かる事だって言って…… 」 「 こいつ、本気で信じていませんでしたもんね……。 佐藤さんの話……。私もびっくりでした……が……(^。^) 」大将が、忙しく手を動かして焼きながら、笑って言う……。「 だってそんな事、信じられる訳がないでしょう![`~´] 」女将が、ご主人を睨みつけて…………抑えた。「 そしたらさぁ……次の日によ、朝っぱらから電話が掛って 来てね、佐藤さんからよ……!! 阿部さんからバラさないようにくれぐれも頼まれているから、 絶対に言わないで欲しいって 言うのよ……。 冗談じゃない!!だったら、何で教えたのよって言って 切っちゃった。 ガチャーン!! ははははっ……(^。^) 」 「 そしたらですね……、2、3日後に、佐藤さんが、わざわざ 見えたんですよ……。ホント……遙々とね…… 」焼けたバラや砂ヅリを、お皿に配ってくれながら大将が言う。「 えっ?店に……わざわざ……? 」「 来たのよ、来たのよ……民ちゃん。わざわざね……。 ……そして、最新の高校同窓会の時の写真をみせてね、 この写真の中に、 『 サラリーマン金太郎さん 』居るでしょうって…… 」「 あいつ、写真まで持って来た…………! 」「 そしたらよ…………、 あなた写ってるじゃない……。 もうーー、びっくり……。 (゜_゜>) 昔の写真、引っ張り出して来て比べたけど……、 あなた……全然別人ね…………ホントにもう…… 」女将は、怒っていると言うより、半分面白がっているフシが感じられて……気持ちも落ち着いた。「 先輩……初めてお店に来た時にどうして名乗らなかったん ですか? 」「 そうよ、そうよ、あなたもそう思うでしょう……ねぇぇ。 お客さん……若いのに道理が分かってるわねぇ……(^.^) 」「 ……そりゃー当然の事、そのつもりだったさ。 当たり前だろう……。隠す必要なんてないからな…… 」 一年半前のあの日を……しみじみと思い出す。(一_一) (これから先は、友情の使者2【初めての店[1/3]】 に、続いていきます) 『 友情の使者 』……長い間のご愛読、有難うございました。 <完>============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/10/06
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^-^◆ 友情の使者4 【女将を叱咤激励[8/8]】7、8ヵ月は、淡々と経過した。女将の症状は少しずつだが、良い方向で落ち着いている様に見えた。体重は、確実に落ちているのが感じられる。病院にも定期的に、行っているようだし、ウォーキングも続けている様子が、他のお客さんとの会話で分かる…………。或る日、一人で行ったんだが……女将さんが待っていたように前に来た。 「 お客さん、この前、ウォーキングの他に『水』って言われて ませんでしたか?……確か…… 」「 ええ、水を良く飲むようにしていますよ。 1日3リットル位かな…… 」「 さっ、3リットル!!!凄いですね。とても飲めませんよ 」「 500CCのボトルで飲むんですけどね……。 朝起きて、ご飯までの間に……一本。 食事をしながら一本。……で、1リットルです。 後……、通勤電車の中で、一本。 ですから、会社に着くまでに大体、半分は飲んでます。 水は、飲み過ぎても副作用がありませんからね。 余ったら出ていくだけで…… 」 「 凄いですねぇ……。私はせいぜい1日1リットルかな……。 ……で、調子良いのですか?水飲んで…… 」「 ええ、良いみたいですよ。瑞々しくなったかな?はははっ 」「 やってみようかな……ふふふっ 」「 まっ、試しに……ですね。それから、酸っぱいものも 良いですよね…… 」「 それはもう、バッチリですよ。酸っぱいものはきちんと 取っています。元々好きですから…… 」 「 そう言えば、おびただしい量のラッキョがありますが、 女将さんが、漬けたんですね? 」「 ふふふふっ……ご名答……名人ですよ、ラッキョは…… 」「 それは、良い……。後は、大笑いですね…… 」「 大笑いねぇ……そう言えばお客さん良く笑いますよねぇ…。 私も最近つられて笑うようになりましたが……。 人生、色々と辛い事もありますから、笑ってばっかりも……」「 楽しい時は笑うでしょう……? 」 「 …………?……そりゃー、笑いますねぇ…… 」「 辛い時はね、……笑い飛ばすんですよ。そしてね、 何でもない時も、笑うんですよ……(^。^) 」「 そんな、バカみたいに、何でもないのに笑えませんよ 」「 赤ちゃん、何でもないのに笑うでしょう……? それを見た大人も何でもないのに笑います。 ……健康な証拠……です 」「 なるほど……、考えようですかね……ふふふふっ 」 大将の深い愛と、気配り……、本人のガンバリ……、お客様の、応援……、適切な治療……、それらが良い方向に働いたのだろう……。女将は、出会った時とは別人のように健康的に変身していった。私に対するライバル意識の様な感情も、プラスに働いたとしたら、佐藤さんに頼まれた甲斐もあり、『友情の使者』としての役目も、少しは果たせたことになる。…………(-_-) <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/10/05
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^-^◆ 友情の使者4 【女将を叱咤激励[7/8]】暫く、店に行けなかったが、久しぶりに足を運んだ……。おっ、今日は初めから女将が店に出ている。 「 元気そうですね! 」「 いらっしゃーい、真面目に病院に通うようになりましてね 」大将が、先に口火を切った。女将は、ニャッと笑って、せっせとお摘み作りに励んでいる。エプロン姿のシルエットが……カッコ良い。グンと体が締まった感じがする……。 2、3杯飲んだ頃に、女将が前に来た。「 相変わらず、元気ですね、お客さん…… 」「 ははははっ……、まだ、若いですからね……お互いに 」「 ふふふっ……そうですね。まだ、若いですね。 そうそう、この前の話ありがとうございました。 お医者さんにも話したら『なかなか良い方法だ』って言われて ましたよ……」「 ああ、ウォーキングの話ですね。やってますか…… 」「 ちょっと、痩せたと思いません?……まっ、1キロちよっと ですけどね…… 」 「 そうですか?大したもんですよ……何事も、 一歩一歩の積み重ねですからね『百里の道も一歩から』… 」「 そうですね。お客さん、言う事は老けてますね……失礼! 」「 ははははっ……。継続は力ですから、頑張りましょう 」「 あと……酒が止められればねぇ…… 」「 ……いや、それは難しいですね。好きなんでしょう? 」「 ふふふふっ……好きというか何というか……飲まずに いられないんですよね……(>_<) 」 「 良いんじゃないんですか? 好きなものなら……ねぇ…… 」「 そうですよねぇ…………止められませんもの…… 」「 思い切り飲んで、ゆっくり寝た方が体には良いんじゃ ないんですか? 」大将が、焼き鳥を焼きながら耳をそばだてているのが分かる。「 うーーん、しかし……ですねぇ 」「 飲んだら、体調悪いわけですか?そんな事ないんでしょう 」「 いえいえ、お客さんは健康だから分からないでしょうけど、 飲んだら、確実に悪いんですよ……糖も出てるしね……」 「 糖尿病もあるんですか?でも、好きな酒を止めるストレスの 方が体に悪いんじゃないかなぁ…… 」「 お客さん、私の体はそんな段階じゃないんですよ。医者からは 禁酒って言われてるんですから……ふぅぅぅ……(;一_一)」「 ………… 」「 控えるつもりはあるんですけど、一杯飲むとズルズルっと いっちゃうんですよね…………これが……」「 最初の一杯か……それがポイントですね 」「 その一杯が…………ですねぇ……ふふふふっ…… 」 「 まぁ、無理しないで、一ヶ月に一回だけ最初の一杯を 飲まないようにすりゃー良いんじゃないですか? 」「 えっ!一ヶ月に一回……いゃーそれだったら4、5回は 出来ますよ 」「 いやいや、無理しないが良いですよ。続きませんから…… 」「 …………………………いやーーー……やれますよ<`~´> 」「 まっ、少しづつ……ですね。女将さん……ガンバッテ…… 」どうやら、やる気は出たように感じた。後は、実行できるかどうかだ……。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/10/03
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^-^◆ 友情の使者4 【女将を叱咤激励[6/8]】 たいしたことも無く……、 1、2ヵ月が過ぎた。 久しぶりに、遅い時間に 立ち寄った時……。「 お客さん、この前、上手なウォーキングの仕方って…… 言ってませんでしたっけ……? 」「 おっ!……ショートカットウォーキングの名人殿……。 興味が湧いてきましたかな……(^。^) 」「 へへへへっ……。相変わらず町内回ってますからね。 興味なんて湧いてきたわけじゃないけど……、 どうせ歩くんなら効率的にって思いましてね…… 」 しっかり、意地っ張りだ……。(>_<)しかし、良い流れだと思いましたね。その数日前……佐藤さんに『少し、元気が出てきたようだ』と報告したばっかりでしたし……。「 あのね、直線を歩くんです。出来れば、町内からちょっと 外れてね……」「 直線……? 」「 そう……、30分歩きたかったら、15分間直線的に 歩くんです。そうすると、戻りが必ず15分になります。 直線だから、ショートカットもできませんね…… 」「 …………なるほど…… 」 「 20分なら、片道10分ですね。とにかく、半分の時間を まず、直線で歩くわけですね……。 できれば、どの地点で 折り返したかを覚えていると良いですね。 人間、何回もやってると欲が出てきて、 もっちょっと先まで……って、考えるようになるものです。 そうすると、それだけ、自然と早歩きになりますね 」「 ……なるほど、お客さん、色々と考えてるんですね…… 」「 ははははっ……、僕って怠け者ですからね。何とか、意思が 続くように工夫しているだけですよ。 意思の強い人なら、なんでもない事ですがね……」 「 その考え良いですね。早速やってみますよ…… 」「 おっ、女将さん、やる気が出てきましたね(^。^) 」「 お客さん、不思議ですねぇ……。体調が悪い時って考え方も 後ろ向きになるんですかねぇ……。 最近は、少し欲が出てきましたよ…………。ふふふっ…… 」実に、有意義な話が出来た……。常連さんたちも励ましてくれるようになったようだし……、後は、彼女が実行してくれれば、少しは良いと思う……。家庭的には、様々な悩みからストレスもたまっている様な話も聞いてはいるが……まず、健康を取り戻さなくっちゃ……。健康は……宝だ!! <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/10/02
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^-^◆ 友情の使者4 【女将を叱咤激励[5/8]】「 女将さん、既に、20分歩いて るんでしょう……。だったら…… もう少しじゃないですか…… 」「 ………… 」「 少しでも、現に実行されているんだから勿体ないですよ」「 ……それが……実のところは、ゆっくりゆっくりで……、 10分足らずなんですよ…… 」女将が声をひそめて言った。 ……やっぱり……(;一_一) 「 その辺をぐるっと回っていませんか? 」「 ハイ、町内を……ですね 」「 ははははっ……それは、ヤバい……ははははっ…… 」「 えっ? 」「 知った人に会うでしょう? 」「 …………町内ですから…… 」「 ……で、立ち話…… 」「 ウッ…… 」「 挙句の果ては、ショートカットして帰ってくるでしょう? 」 「 !!……お客さん、まるで後を付けていたみたいですね 」「 はははっ……、町内をぐるっと歩いているとたいていの人が、 そうなるんですよ。挨拶しないわけにはいかないしね 」「 そう……、そうなんですよ……ホント 」「 おまけに、周回のコースは、いつでもショートカットできる 路地がありますからね……。さっさと帰ってきちゃう…… 」「 そうそうそうそう……全くそうなんですよ 」「 なかなか、計画通りに歩けませんよね…… 」 「 どうしたら、良いんですかね……。仕方無いですかね…… 」「 いえいえ、簡単ですよ……そんなのは…… 」「 教えて下さい、教えて下さい…… 」良い感じだ、ウォーキングにも、より興味が湧いてきたようだ。「 女将さん、減量はやはり健康回復に良いと思いますよ。 ウォーキングは、減量にはかなり効きますからね……」「 それはそうですけど……。そこまでして長生きしてもねぇ。 たいして良い事があるわけじゃないし…… 」 「 たいして良いお客さんいませんか? お店……止めたい位ですか……? 」「 いえいえいえ、お客さんは良い方ばっかりですよ。好きな お客さんばっかりです。けっこう、私の料理も楽しみに来て 頂けるし……(^.^) 」「 ……だったら、元気にならなきゃ、お客さんが悲しむじゃ ないですか………… 」「 ………… 」 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/09/30
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^-^◆ 友情の使者4 【女将を叱咤激励[4/8]】「 どうせなら、30分ちょっと 歩くといいんですがね…… 」「 ああ…………有酸素運動の原理 なんでしょう?……聞きました。 あんなのあてにはならないでしょう……どうせ 」「 まあね………………。そんな風に普通は思いますよね…… 」「 簡単に30分っていっても、2キロ近く歩くんですからね 」「 そうそう、さすがに普段歩いている人は、データが正確だ 」 「 ほほほっ……そうでもありませんけど……(^.^) ……で、有効なんですか?……その有酸素運動ってヤツ……」「 不思議なんですよね……これが……。 実は、僕はテニスをやってるんですけどね…… 」「 おお、テニス……かっこいいですねぇ……。 それで色が黒いんですね……ふふふふっ……失礼! 」「 黒いでしょう?昔からよく言われますよ…………。 もっと痩せてた頃に、タイからの企業研修生と間違えられた 事がありますよ……それも、引率の日本人からね…… 」「 ふふふっ……お客さん、面白いですね……(^.^) 」 「 休日に、コートに行って4、5時間練習するでしょう? 帰って風呂から上がって体重を計ると、2kg位は痩せてるん ですよ 」「 へぇーーー、1日で2kgですか?……凄いですねぇ 」「 ところがですよ、その後、週の中頃になると又、元に戻って しまうんですよ。痩せていたのはほんのちょっとで、 汗で水分が減っていたのと、お腹が空いていたんですね。 そして、又、週末に体重が減って、又、元に戻る……。 この繰り返しで、ちっとも体重は減らなかったんですよ。 あんなに激しい運動をしているのに……ね 」「 へぇーーー、そんなもんなんですか……ねぇ 」 「 ところがですよ。医師の指導でいわゆる『有酸素運動』を 始めたら、1回、30~35分、週に3回位のウォーキングで 体重が落ち始めたじゃないですか?びっくり……ですよ。 見る見るうちに落ちて言ったんですよ……体重が。 こんな、楽な事はありません。ははははっ……。 それで……有酸素運動って奴を信用するようになりました 」「 ふーん……やっぱり30分以上ですか…… 」「 40分も50分も歩く必要はありませんよ。 20分過ぎ辺りから、糖や、脂肪の燃焼効果が出てくると 聞きましたから、せいぜい、30~35分でいいんですよ。 少し、早歩きで……ね 」 「 まぁ…………そこまで、ムキになってもですねぇ……。 痩せたからと言って……大したことも無いし…… 」「 ……フーム…… 」 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/09/29
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^-^◆ 友情の使者4 【女将を叱咤激励[3/8]】大分、時間が経ってからの事……、色々な料理を作り終えて、女将が正面に、移動してきた。「 女将さん、以前より少し体調が 良いみたいだね 」「 そりゃー節制してますもん……。 お客さんには負けられませんからね…… 」「 うわー……!!凄いライバル意識だァーー(^。^) 」「 そりゃーそうですよ。だって同い年でしょう……。 バッチリ節制してますよぉーーーー(^。^) 」 大将が、串を焼きながら苦笑いしている。どうやら、口ほどの節制はしていないらしい……。常連のお客も、やや、白けた顔をしている。しかし、よく見ると以前より精気を感じられるのも事実だ。「 さっき、大将から聞きましたよ。お酒の量も激減したんだ そうですね……(全くのウソである) 」「 まぁ……、あの人がそんな事言ったの…………。まぁ……。 少しは………、少しは……控えているかな……ふふふふっ 」 大将の顔が一層苦笑いになった。……なるほど……微量か……。「 気のせいか、眼の光が良くなってきた感じですね…… 」「 そんなことありませんよ。 ……いや、でも、そう見えますか?そうかなぁ……(^.^) 」「 努力は……必ず成果を生みますよ…… 」「 ……ですかね…………。 ところでお客さんは、何か健康に良い事してるんですか? 」「 まぁーー、これといって大したことはしてないけど、 減量のためのウォーキング……水飲み、酸っぱい物、大笑い、 等はしてますけどね…… 」 「 ああ、ウォーキング……ね。……私もしてますよ 」「 あんたのは散歩やろう。その辺をチョコチョコっと…… 」と、大将が口を挟む。「 何言うんね……。見てもないくせに…… 」ムキになる女将。「 いゃー、確かにウォーキングは意思が強くないと、 続きませんよねぇ。 一番良いのは、誰かと一緒にやることなんでしょうがね。 お互いに、相手を意識して励みますからね…………」「 まっ、そんなにムキになってやる程のものじゃありません けどね……ウォーキングなんて…… 」 「 ……ですかねぇ…… 」「 そんなに減量効果も出ないしね…… 」「……うーん、やり方次第でしょうがね。 私もかれこれ……8年やってますよ……」「 8年!……若さの秘訣かな? ……しかし、なかなか居ないんですよ……パートナーがね 」「 ……でも、女将さんは、意思が強そうというか……、 頑固そうだから……ははははっ……。 ちゃんと計画通り歩かれてるでしょう…… 」 「 こんなに、肥えていて………………ですか? 」と…………又、大将。「 やかましい!!!<`~´> 」と、ヒステリックに女将。「 ははははっ……ご夫婦仲が良いですね。ははははっ…… 」「 どこが……ですか?喧嘩ばっかりですよ 」「 夫婦は、喧嘩するほど仲が良いって 昔から言うじゃないですか…… 」「 …………(^.^) ……でもね、お客さん、ウォーキングって……続けるのは、 確かに大変よね…… 」「 どの位の時間、歩いているんですか? 」「 そりゃーもう、バッチリ歩いてますよ……これでも…… 」「 ……ほう……、……で、どの位です? 」「 うーん……、大体……1回で20分……位ですかね…… 」「 ……20分……ですか。……随分頑張ってますね…… 」「 ねっ(^。^) そうでしょう。ふふふふっ…… 」「 でも……ちょっと、惜しいなぁ………… 」「えっ、惜しいって……何が……??」 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/09/28
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^-^◆ 友情の使者4 【女将を叱咤激励[2/8]】その日は、2、3杯飲んで帰った。……が、その後、月に3~4回位は顔を出すようにした。作戦通り、会社の若い連中を連れて行って、ワイワイ、ガヤガヤと大騒ぎをしたわけだ。こっちも元々体育会系だから、時には怒鳴りあげたりして大騒ぎをした……。会社の人間以外の人は……連れて行きにくい。相手が、こっちを名前で呼ぶからだ……。「阿部」と呼ばれたら名前を聞いて、何か思い出すかもしれない。会社の連中なら、役職名で呼ぶから……大丈夫。 「 ねえねえ青年、この上司、まともな事言ってるよ。 言って貰って有難いと思いなさい…… 」等と……、女将も、時々、若い者に対して、教育のフォローしてくれたりした……。これが、カウンターでの教育指導の長所だ。カウンターの向こうに、人間学のベテランが居て、全て聞いてくれているのだから……。大いに飲み、大いに食べ、大いに騒いだものだった。女将が、生ビールのお代りを持って来てくれた時には、必ず、「 ホント、お客さん若いねーー。迫力あるねー 」と、言うようになった。 「 しめた…… 」って思いましたね。『 元気 』ということに、大いなる興味と憧れを持ってくれたように見えたからね……。大勢で行くので、焼酎のボトルをキープしようという時……、これは、ちょっと困った。署名が要るんです。……で『サラリーマン金太郎』と、書いたわけ…………。「 ホントにそんな感じのお客さんだわ 」と言って、笑って受理してくれたから、焼き鳥金太郎に通う『サラリーマン金太郎』の誕生となったわけ……。……ジョークもよく分かる店なのだ。(^。^) その後……数ヶ月の間……、時々は、一人で出かけて行った。たいてい、女将の体調が悪いので大将が一人で店をやっている。頃合いの時間になって、だんだんお客さんが増えてきたら、2階にいる女将さんに声をかける……という構図だ……。だから幸いな事にこの時間、大将から女将の体調の状況を色々と聞く事ができた。『 初対面 』の時のドラマがあったからだろうか、大将も別に気にする風でもなく、色々と病状を教えてくれる。 今日は体調も良く、買い物に行っているという女将さんが、ややあって、戻って来た。「 あらっ!!青年!!また、いらしてくれたんですか…… 」……と、きた。「 ハイ、お嬢さん、美味しいので又、寄らして頂きました 」「 お嬢さんは……ちょっときついですねぇ……(^.^) 」「 だって同じ年だから私が青年なら、そっちはお嬢でしょう 」奥に居たふたりの客も笑っている……。何と言っても「 叱咤激励 」は、明るく行かなくっちゃ……。暗い、重苦しい雰囲気では、効果も半減というものだろう。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/09/25
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^-^◆ 友情の使者4 【女将を叱咤激励[1/8]】そんな事があって何日か経った。代金が高いと、そうそう頻繁には通えそうもないと思っていたが、何と……超安値。これなら後輩も沢山連れて行けるし奢ってやれる。……しかしながら、その後、結構仕事が忙しくなって……、なかなか、店に足を運べない状態が続いた……。再び焼き鳥金太郎に出向いたのは、それから2週間くらい経ってからだ……。 ・ ・ ・ ・ ・ビールを飲みながら……、「 大将……女将さんは? 」「 今日は、やっと……病院に行きました…… 」「 不躾ですが……女将さん、大分体調悪いみたいですね…… 」「 ……はい、肝臓が……。……それに、糖尿も…… 」「 えっ?それはいかん……ちょっと太り過ぎじゃないですか 」「 ちょっとどころか……太り過ぎですよ。だから治りません 」「 大将も、大変ですね…… 」 「 もうちょっと、養生するか、節制するかしてくれると…… 」「 ……酒も飲み過ぎじゃないですか?この前見てたけど…… 」「 ははははっ……アル中ですね……あれは。ははははっ…… 」大将の笑いが……寂しく響く……。「 お客さん……今度、あいつに、発破かけてやって下さいよ。 身内の言う事はなかなか聞かない性分でしてね……、 お客さんの言われる事なら、少しは聞くと思います 」「 ………… 」 「 この前、来られた時に、えらく悔しがってました。 ……お客さんが帰られた後……ね。 ……ずっと……。 同年齢にしては……どう見ても若すぎるって……。 確かにお客さんは若いけど、あいつも歳の取りすぎですもん。 ははははっ………… 」言われるまでもなく、女将を叱咤激励するつもりで来ている。彼女の健康状態の回復……が、本来の望みだ……。ふっ……と、大将には素性をばらそうかと…………(-_-)一瞬……、頭をよぎったが…………止めた。かえって、大将も負担になるだろうと思ったからだ……。 こっちの作戦としては……、まず、同じ年齢の世代というのは、どれ程若くて活力のある年齢なのかを見せつけようというものだ。彼女自身に、自分自身の「活力」の目標値を持って貰いたいから……。この店の常連客は、ほとんどが近辺の商店街の方が中心で、比較的、ご高齢者が多かったので、身近で活力ある行動にあまり接していない感じがした。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/09/24
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^-^◆ 友情の使者3 【病的な女将さん[5/5]】「 あんたもこのお客さんみたいに 元気で溌剌としなきゃーーなっ。 まだ老ける年でもないぞー 」と ……大将の叫ぶような声。「 ホント……悔しいねっ(>_<) 」と、……女将が応えた。すると、大将も常連客もびっくりして、なぜか呆れたような反応をしている。……という事は、普段はこんなに素直じゃないって事か……。 「 旦那の云う事なんて全然聞かなかった女将が珍しいなーー。 死んでも良いなんて言ってたのになぁ…… 」「 ははははっ……娑婆に未練が出てきたかな……? 」……と、ご近所さんらしい客が冷やかすように言った。「 だって、それが私の寿命ならね……。死ぬ時ゃ死ぬ……。 ジタバタしても仕方ないでしょう……!ねっお客さん! 」 「 ………………( 一一) 」「 しっかし、このお客さん頭にくるわ……。 同級生で……ちょっと、若すぎ…… 」大変な拘りだ。同じ年でありながら、自分よりも遥かに年下に見える事が余程悔しいとみえる。確かに、中学時代も、負けん気の強い娘だった。特に、英語暗唱大会の代表者選考レースの際の、気迫の凄さは、今でも、ありありと覚えている。 初めて来店して、思いもかけない展開になってしまったが、そもそも来店の目的は佐藤さんの意を継いで……、女将を激励するという事だから………、『悔しさが活力になれば良い』………そう思った。まずは、精神的な活力を持たないと病気には勝てっこない。負けん気の強さは、丁度、好都合かもしれないな……(^.^)みるからに、身内とか身近な人の言う事は聞かない性格のようだから、正体がバレるまでは、自分を隠して、知らない客として激励していこうと決意したのだ……。(一_一) <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/09/16
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^-^◆ 友情の使者3 【病的な女将さん[4/5]】何よりもかなり肥満で顔色も悪く、体を持て余している感じ……。悔しがって力が出たのか、女将はカウンターの中に入って来て、手伝いを始めた……。客が皆びっくりしている。「 へぇーーーー、珍しい事もあるもんだーーー 」と、客の一人。……相当な常連らしい客だ。「 だって……悔しいねぇ。 何度も聞くけど……、……ホントに同じ歳……? 」「 ……ははははっ……。……らしいですね。どうやら…… 」 「 これは違反よ、違反…………。 お客さん……若過ぎよ…… 」大将は、ニコニコしながらテキパキと焼き鳥を焼いている。来店して良かったと思った。思いもかけない所から、彼女の活力が出てきそうだからだ。私の使命は、あくまでも彼女の健康が回復の方向に向かうように働きかける事にある……。 ……ここで、何故か昔の「大江戸捜査網」のナレーションを思い出した。『隠密同心・心得の条 我が命我がものと思わず、己の器量を伏し、ご下命如何にても果たすべし。死して屍拾う者無し』…………ははははっ、ここまで大げさではないが……。 「 ところで……お客さん、ウチの店、初めてですよねぇ…… 」女将さんが、無遠慮にこちらの顔を覗き込むようにしながら念を押してきた。うっ……。(;一_一) 何か思い出したのだろうか……?私の顔とか、声とか……。正体……バレタのかな……???「 いいえ、何度か来てますけど、覚えてませんか……? 」……と、返したら、大将がびっくりしたような顔で、シゲシゲとこっちを見た。 「 えっえーーー!お客さん嘘でしょう。見た事無いですよー 」女将さんが睨む形で……言った。他の客も、こんな人見た事無いよって顔で、こっちを見ている。「 女将さん!!私の顔……覚えありませんか? 」「 ……?? 」「 ………、………ははははっ……無いですよね。 そのはずだ!!……だって、初めて来たんですもん…… 」「 もう、お客さん!!……冗談がきついんだから…… 」大将も、納得……という表情で笑っている。これで、どうやら全くの知らない者同士として、話ができそう……。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/09/10
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^-^◆ 友情の使者3 【病的な女将さん[3/5]】「 ところで……女将さん、私の事 覚えていますか……? 」「 えっ?以前に店に来られた事 あります……? いや、そんな事は無い……。 来られたお客さんなら絶対覚えて いますから……。お客さん!! 来られた事無いでしょう……? 」この喋り口にも昔の口調が漂っている……。聡明で、ハキハキした娘だった。一度会ったら忘れないという言い方も……頷ける。「 …………えっええ……、店は初めてですが………… 」 「 そんなら、分かるわけないじゃないですか……もう。 お客さん!! しかし、それにしても……同じ歳……? 私と…………? ……何か、悔しいなぁーー……このお客さん……。 くっやしいわぁぁぁぁぁ……。 ホント…………悔しい……。 ……まっ、私は、病気もあるしね…………。 でもこりゃー、どう見てもそっちが例外やね……若過ぎよ 」 ここで名乗る気が無くなった……。相手が自分の事を覚えていないのならこのまま、客と女将との関係の方が、新鮮というか……甘えが無いというかこれから色々とアドバイスをしていく面でも、良いのではないか……と、一瞬のうちに頭に閃いたのだ。「 ははははっ……健康でないとやっぱり若さは保てませんよね。 自らの健康は……心がけ次第だから……、女将さん、 余程知恵のない生き方をされてるんでしょうね…… 」 と、厳しく言葉を返した。初対面の人に対しては、随分と失礼な言い方に違いない……。「 まぁーーー失礼な!ちょっとお客さん言いますねぇーー。 私だって、健康管理ちゃんとしてますよ…… 」と、女将が言い放った途端に、大将も客もみんなどっと笑った。冗談じゃないよ……という、笑いだ。……やっぱり…………。「 あーーーあ、悔しい。悔しいねぇーーーー 」余程、不摂生しているんだろう。顔色はどす黒くて、肝臓障害が見てとれるし、酒の飲み方もアル中のような感じがする。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/09/07
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^-^◆ 友情の使者3 【病的な女将さん[2/5]】顔を上げた女将さん……、ええっ!かなり老けた顔だ……。むしろ大将の方が年下に見える……。……その……女将さん………、少し目が悪いらしく目を細めて、じっとこちらを見ていたが……。「 まっさかー、うそ、うそー!! お客さん、嘘ついてもダメですよー。……若い、若い…… 」 (゜_゜) 彼女だ!……彼女に違いない。太って、老けてはいるが……、目元に……面影が残っている。……恵チャンに違いない。 「 嘘なんてつきませんよ。本当のことです…… 」 答えた!!「 じゃー、お客さん。聞きますけどねぇ…………、 干支は何ですか…………ん? ……当たってるねぇ……。 高校の卒業は昭和何年……?…………ん? そうそう……。 まだよまだよ……、東京オリンピックの時、何歳だった……? …………ありゃ、当たってるわ……。 ちょっとぉー、本当……ぉ?? (`Q´;) お客さん若すぎるよぉーーー!!! 」自分も、店の大将に負けず劣らず、普段から年よりも随分若く見られる。だから、言われ馴れてはいるが……。 それにしても、彼女は老け過ぎだ……。「 あんたもこのお客さんみたいに、元気で溌剌としなきゃーな。 まだまだ老ける年でもないぞー (´o`) 」と…………大将。「 要らぬお世話よ!! (`Q´) ……うーん……でもホント悔しいねっ。 でもお客さん、お客さんはね、お客さんは特別だわ……。 若い、若いって言われるでしょう……? 」「 ……まぁーー、少しはですね…… 」 確かに若いとは言われていたが、それよりも、まともに見ると、彼女が、同じ年の割には老け過ぎていて、10歳は年上に見えてしまう。良く見ると……、確かに目元に昔の面影が……ありあり……。中学生時代の表情が残っている。名前を呼ぼうとしたが、何故か……はばかられた。想像以上に病的で老け過ぎているので気遅れした感じもある。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/09/03
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^-^◆ 友情の使者3 【病的な女将さん[1/5]】「 このお惣菜……、みんな大将が 作られたんですか……? 」とても、そうとは思えなかったが、なんせ初対面なので……さらっと、そんな風に聞いてみた……。「 いえいえ、家内です…… 」火の上で、手をせわしく動かしながらカウンターの向こうの隅に向って、顎をしゃくる様にして大将が応えた……。離れているので気付かなかったが……女性がカウンターにうつ伏せになっている。……眠っているのだろうか……?ちょっと見た目にはお客さんが呑み過ぎて臥せっている様に見えたが、……なんだ……女将さんだったのか……。 (居たんだー……。でも具合でも悪いのだろう……やっぱり)大将はスポーツマンタイプで、笑顔が凄く若々しい……。「 大将、相当に若いでしょう? 女将さんは姉さん女房ですか? 」「 ははははっ……バカは歳取らないっていいますからね……。 これでもけっこうな年ですよ…… 」見た目には、とても信じられなかったが、色々と話してみると、何と、大将の方が自分より5歳も年上だった。 参ったなーーー……。<`~´>ホントに大将って若く見える。……背が高くてスリムだし……。他の客との会話で、ゴルフの名手であるのが察せられる。そんな話をしたものだから……、初対面なのにお互いの歳がバレて……、「 そんなら、お客さん……ウチの家内と一緒の歳ですよぉー 」って……大将が言った途端……。「 何!!誰が私と一緒だって…… 」……って言って、カウンターにうつ伏せになっていた女将が顔を上げた。……ドキッとした……。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/08/31
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^-^◆友情の使者2 【初めての店[3/3]】常連客達は、見慣れぬ新参者に対して、明らかに距離を置いた……そんな……全体の空気だ。よくある事で……馴れてはいる。貰ったおしぼりを使いながら、「 大繁盛ですね…… 」と、大将に声をかけたら、「 いえいえ、たまたまですよ。いつもはガラ空きです 」と謙遜。次に「 あれっ!さっき覗いて頂いたお客さんですか? 」ときた。「 はい、パチンコしながら席が空くの待ってました 」「 それは……それは……すみませんねぇ 」怪訝そうな対応だ。それはそうだろう……、初めての客がそこまでするとは、普通は……考えにくい……だろう。周りの客たちも、好奇の目をこっちに向けているのがわかる。 こちらには……目的がある……のだ。……しかし、どうも彼女は不在のようだ…………。……相当に、具合悪いのか……?……入院??……。不安が……胸を過ぎる……。生ビールをジョッキで貰って……、最初の肴はガラスケースの上にずらっと並べられている大皿の中から選んだ。ほうれん草のおしたしだったり……、キンピラごぼうだったり……、ポテトサラダだったり……、野菜を刻みこんだ卵焼きだったり……、キムチだったり、らっきょだったり……。色々と豊富に、ホントに美味しそうに並べられていて……、選り取り見取りである。おびただしい量なので、これは作る方もけっこう大変だろう。……でも、焼き鳥は焼けるまでにそれなりに時間がかかるし……客が多い際はもっと待たされるので……これは重宝だ……。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/08/26
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^-^◆友情の使者2 【初めての店[2/3]】美野島商店街は昔ながらの商店街だ。飲食店を中心に、洋品店等様々な店が並んでいる。丁度、大通りまで出たところに、小さなパチンコ屋があった。おっ……時間を潰すには丁度良い……。(^。^)……一時間位も……弾いただろうか……。幸運にも、途中からジャンジャン玉が出だして……、結果、2万円弱の実入りとなった。………幸運とはこのことだ。焼鳥屋のお代を払っても、充分過ぎるお釣が来るだろう……。足も軽く、再び、先ほどの焼き鳥「 金太郎 」へ……。博多の繁華街からはかなり離れた場所に位置しているのだが、客は多くて、今度も席は奥に二つしか空いていなかった……。 今回は、すんなりと入れた。『 ……さっきは、初めての客だから断られたのか…… 』とも、少し、拗ね感だったが……どうも、そうではなかったようだ。店によっては、一人で来る初めての客を敬遠する所がある。危ない客も多いのだろう……。店側も客の信用度を気にするわけだ。常連客らしい先客に、ジロジロと見られながら奥の席に着いた。背広にネクタイ姿というのは自分だけで、皆さんラフな姿だ。 当然のことだが、一人で店に入ると話す相手が居ないから、暫くは沈黙するしかない……。 まっ……最近は、携帯電話で一人遊びが出来るから…………、さほど退屈でもないが……。大将も多くの客の為に、焼く方で忙しいので話しかけるのもはばかられる……。……しかし、さすがに大将は商売人だ。……焼きながらでも、こちらに気を使ってくれているのが、ありありと感じられて……嬉しい。この様な心配り…………、初めての店ではホントに嬉しいものなのだ。大将の奥さん、つまり同級生の彼女は居ないようだ。……どんな感じになっているんだろう?なんせ、40年以上も会っていないんだ。……ちょっと……ドキドキする。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/08/24
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^-^◆友情の使者2 【初めての店[1/3]】「 先輩……初めてお店に来た時に どうして名乗らなかったん ですか? 」「 そうよ、そうよ、あなたも そう思うでしょう……ねぇぇ。 お客さん……若いのに道理が 分かってるわねぇ……(^.^) 」「 ……そりゃー当然の事、そのつもりだったさ。 当たり前だろう……。隠す必要なんてないからな…… 」 一年半前のあの日を……しみじみと思い出す。(一_一)「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「.................................................................................」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 佐藤さんから聞いていたその店は、自分の会社からだと、歩いて15分程の所……美野島商店街の中にあった。赤提灯に「 金太郎 」と書いた焼鳥屋さんだ……。もちろん行くのは初めての事……。暖簾を掻きわけて……戸を開けると狭い店内には、もうもうと煙が充満している……食欲をそそる良い匂いだ。「 すみませーん、満席でしてぇ…… (^○^)」 大将がカウンターの中から、こっちを見て威勢良く叫んだ。……しかし、左の奥の方にひとつ空いてる席が見える。そっちに目をやると……それを察した大将が、「 すみませーん、予約でして…… 」……と、いうこと。(>_<)あーあ…………残念。<`~´>しかし、折角来たので、すこし、周辺を散策しながら時間を潰すことにした。なんせ……こちらには、任務がある。小一時間もすればひとつ位は席も空くだろう。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/08/20
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^-^◆友情の使者1 【明るみに出た真実[6/6]】「 そしたらさぁ……次の日によ、 朝っぱらから電話が掛って来てね 佐藤さんからよ……!! 阿部さんからバラさないように くれぐれも頼まれているから、 絶対に言わないで欲しいって 言うのよ……。 冗談じゃない!! だったら、何で教えたのよって言って切っちゃった。 ガチャーン!! ははははっ……(^。^) 」「 そしたらですね……、2、3日後に、佐藤さんが、わざわざ 見えたんですよ……。ホント……遙々とね…… 」焼けたバラや砂ヅリを、お皿に配ってくれながら大将が言う。「 えっ?店に……わざわざ……? 」「 来たのよ、来たのよ……民ちゃん。わざわざね……。 ……そして、最新の高校同窓会の時の写真をみせてね、 この写真の中に、 『 サラリーマン金太郎さん 』居るでしょうって…… 」「 あいつ、写真まで持って来た…………! 」「 そしたらよ…………、 あなた写ってるじゃない……。 もうーー、びっくり……。 (゜_゜>) 昔の写真、引っ張り出して来て比べたけど……、 あなた……全然別人ね…………ホントにもう…… 」女将は、怒っていると言うより、半分面白がっているフシが感じられて……気持ちも落ち着いた。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/08/19
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^-^◆友情の使者1 【明るみに出た真実[5/6]】「 そういう事……だ……。 彼女たちはな、それぞれ結婚して 郷里から遠く離れてしまったが、 その後も……ずっと付き合いが 続いていたんだな……。 ……その佐藤さんが、高校の同窓会で言うには……、 女将が体を壊して……かなり悪いようだ。 本人が自暴自棄になって……このままでは命も危ない……と、 心配している。 自分が会って色々と励ましたいけど…… 家が遠いもんだから……ままならない。 ……電話での激励にも限界がある……。 今日阿部さんに会って、お店の近くに会社があるって 分かったから、時々行って、励ましてやって欲しい……。 そして、病状を連絡してほしい……ってな訳だ……。 その時、佐藤さんに泣いて頼まれてなぁ…… 」「 泣いて……ですか……。凄い話ですね…… 」「 うん……俺もそのふたりの友情の厚さに、 じーーんときたって訳だ…… 」女将が割り込んでくる。「 ……佐藤さんからの電話の時はね……、 そんな話信じられるもんかって言って、一旦切ったのよ。 近々来られるから確かめれば分かる事だって言って…… 」 「 こいつ、本気で信じていませんでしたもんね……。 佐藤さんの話……。私もびっくりでした……が……(^。^) 」大将が、忙しく手を動かして焼きながら、笑って言う……。「 だってそんな事、信じられる訳がないでしょう![`~´] 」女将が、ご主人を睨みつけて…………抑えた。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/08/17
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^-^◆友情の使者1 【明るみに出た真実[4/6]】「 俺は、分かったさ……。 40年以上会ってなかったけど、 面影残ってるし、第一この店に 居る事が分かって来たからな。 でも女将の方は、俺の事を 思い出さなかったのさ…… 」「 ……だってよ、中学時代の顔と丸っきり変わってて、 全くの別人なんだから……。 佐藤さんにも、電話で言ってやったよ!! そんな事は無い…………その話は、人違いだって…………。 阿部さんは、店に来ていないって……。 『 サラリーマン金太郎さん 』は、別人だって……ネ。 ……そしたら…… 」「 私が頼んだのって……言ったろう。佐藤さん…… 」「 えっ?先輩!……最初、偶然に来たんじゃなくて、 同級生が居ること……分かって来たんですか……? 」「 うん、2年前の同窓会で頼まれたんだ……佐藤さんに…… 」「 ……どうも、そういうことらしいのよ……。 ……お節介よねェ…… 」女将が笑いながら、口を挟む。 「 いま話している佐藤民子さんと女将は、実家が近所でな。 幼い頃からの親友なんだ……幼馴染って言うか…… 」「 へぇー、じゃー小学校・中学校と一緒だったんですね…… 」「 うん、高校は別々の学校だったがな……。 ……で、その佐藤さんと俺が、中学・高校と一緒だった…… 」「 ああ……、そう言う事ですか。じゃー、中学時代は、 女将さんと、三人一緒だったんですね…… 」 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/08/14
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^-^◆友情の使者1 【明るみに出た真実[3/6]】「 その時ね………。佐藤さんが、 どうして知ってるのかな……? ……とは、思ったんだけど……。 居られるわよ、良いお客さんよ~ ……って言ったら…… 」「 バラしたんだ……アイツ…… 」「 そう……そしたら佐藤さんが 『 その人、あなたが前から知ってる人よ 』って言うのよね。 そんな事無いよ……知ってるわけないよ……。 もう一年以上、店に来て貰ってるのよ。 知ってたら分かるよって…………言ったら…… 」「 ………… 」「 中学の時の同級生でクラブとかも一緒にしてた、 阿部光男さんよ……だって…… 」「 ええっ!!まさか……先輩と女将さん同級生なんですか? 」 後輩も、どうやら話に入れる落着きを取り戻してきた。「 あなたねぇ、私の方が老けてるって言いたいんでしょう? ……コラ! 」「 あっマズイ!!どうも、スミマセン…… 」「 ……でも、ホント……若いもんね、光男さん…… 」……後輩もしまったという顔をしている。(……が、ここで謝ったらまずいだろうが……もう(;一_一))「 でも、女将さん……、いくらなんでも同級生だったら、 顔見たら分かるんじゃないですか? 」と、後輩が突っ込む。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/08/12
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^-^◆友情の使者1 【明るみに出た真実[2/6]】「 阿部さんよね……あなた! 阿部光男さんでしょ……ねっ! 」「 ……どうして……バレたん? 」「 佐藤さんよ。佐藤さんが 教えてくれたんよ…… 」「 そうか……やっぱり……あのバカ。……ホントに…………。 ……あれだけ口止めしてたのに…… 」正面に来た大将が「 ……ホントに有難うございました…… 」と、囁くように小さい声で言いながら、満面の笑みで、ビールを注いでくれた……(^。^)「 一体……どういう事なんですか? 」後輩が、グラスをカチンと合わせながら聞いてきた。……キョトンとしている。 (゜_゜)無理もない……。初めて先輩に連れてこられた店で、いきなり、この騒ぎだ……。……修羅場にも見え無い事はない。「 ……この人がね。一年半も私を騙したんよーー(^.^) 」カウンター内の女将が先手をとって後輩に応えて来た……。「 ホントですか?先輩!……騙したって 」眼を剥く後輩……。「 ……まぁな……。ははははっ……。 ところで、女将さん、いつ……佐藤さんに会ったんネ…… 」「 それがよ……。電話が掛ってきたんよ……。 お客さんに『サラリーマン金太郎』って名乗ってる人が いるやろう……っていうのよ……。 居るわよねぇーー……ここに一人。 ふふふふっ……(^.^) 」女将が私を指さして、いたずらっぽく笑った。 <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/08/11
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^-^◆友情の使者1 【明るみに出た真実[1/6]】「今晩はァ~~!!(^。^)」馴染みの焼鳥屋……濃紺の暖簾。後輩を連れて勢い良く入った。「光男さん!光男さんでしょう! あなた光男さんよね!! あなたは!!よくも私を騙してくれたわね~~……[`~´]」いきなり女将に怒鳴りあげられて……びっくり仰天!!…… が ……しかし……。…… 一瞬 ……。「ついに、その日が来たか……(;一_一)」……と思った……。女将の顔を見ると……口調は荒いが目は穏やかな様に見える。女将の側に立っている大将(女将の旦那さんだが……)はニッコニッコしながら、こちらに向かって丁寧に深々と……、頭を下げられた。……本当に深々と……。 m(__)m……ご主人のその気持が分かるだけに……、熱く胸に迫るものがある……(-_-)「あ~~あ……お客さんに向かって言う言葉かねェ~~」……と、ちょっと、女将に反発……。 「どうぞ、座って下さい」大将が、わざと大きな声で席を勧めてくれて…………やっと……腰かけた。一緒に連れて来た後輩は突然の出来事で、呆気にとられている。第三者からは、ちょっと誤解されても仕方ないような、そんな場面だ…………。(;一_一) <続く> ============================================================================◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い◆◆クリックして~~ ( ^-^)
2009/08/10
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