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2012年06月04日
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 18禁です。

 苦情は受け付けません。

 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m



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 「友達がいなくて悲しいって思った事ならあるよ。小学校

 高学年の時にね。クラスが3年間違っていたせいもあるけど、

 あの時は何で僕の傍にいてくれなかったの?」

 僕は過去をむし返すように聞いた。

 「俺も苛められてたから。もちろん麻里緒ほどじゃないけど、

 ホモ友って言われて、上靴を隠されたり、文房具を盗まれたり

 したんだ。消しゴムを失くして可哀相だから先生の消しゴムを

 あげるって先生が消しゴムをくれてからは貧乏人ってあだ名に

 変わったよ。3年生の時に麻里緒を庇って、いろんな奴と喧嘩

 しただろ?それで、4年生の最初も喧嘩ばっかりしてたから、

 学校の先生も親も心配して、同じクラスで友達を作りなさい



 俺は自分の身を守る為に麻里緒を見捨てたんだ。卑怯だと

 思うよ。中学に入って、加藤と友達になった時も俺はこれで

 坂田から麻里緒を守れるって思ったんだ。浅はかだったよ。

 麻里緒が常磐先輩にまわされたり、売春を強要されたりする

 なんて思ってもみなかった。俺のせいだ。俺が全部悪いんだ。



 伊藤君は酷く後悔していた。

 「僕は公園に伊藤君が来なかったことを恨んでないよ。

 人間誰でも約束を忘れることってあるしね。」

 「違うんだ。本当は・・・あの日、お父さんが急に来て。あ、

 お父さんは養育費を持って来いってお母さんに呼び出されて

 来たんだけど、俺は何も知らなくて・・・再婚してお金に余裕が

 なくなったから、養育費を渡せないって。この5万円で最後に

 してくれって。月に1回息子と会う権利も要らないって言うから、

 お母さんが怒って・・・包丁を台所から持ち出して、殺してやる

 って騒いだんだ。お父さんが手傷を負って、慌てて逃げた後も

 お母さんは呪ってやるとかずっと気が狂ったみたいになってて、

 俺は恐くて、動けなかった。麻里緒に今日は遊べないって

 連絡しなくちゃとは思ったけど、理由を言えないと思って・・・

 結局、ずっと家にいたんだ。夜、パトカーが家の近くを

 うろついていた時も警察がお母さんを捕まえに来たのかと

 心配してた。後から電話で、お父さんはかすり傷だったから

 病院には行ったけど、警察には行かなかったって聞いて、

 ホッとしたけど、お父さんはもう二度と俺とも会わないし、

 滞納してた分の養育費も払わないって言われて、ショック

 だったよ。俺は、あの夏の日、お父さんに捨てられたんだ。

 今まで誰にも言えなくて・・・でも、それは自分のプライドを

 保つ為で・・・俺の麻里緒にしてきた事を考えると、自分の

 身勝手さに吐き気がするよ。」

 伊藤君は泣いていた。僕は伊藤君の涙を初めてみた気がした。

 僕は伊藤君がなんだか幼く見えて、気が付いたら、伊藤君の

 唇に僕の唇を重ねてた。

 「伊藤君は悪くないよ。伊藤君のせいじゃない。」

 伊藤君を抱きしめて、僕は言った。

 「アベ・マリア。女の子だったら、麻里亜って名前にしようと

 麻里緒のお母さんは思ってたって、昔、麻里緒から聞いた

 事があるけど、麻里緒は聖母マリア様みたいだ。」

 伊藤君は僕の胸に顔をうずめて言った。昔、母さんは僕に

 言っていた。生まれてくる子が女の子だったら、麻里亜と

 名付けて、全ての過去を許そうと思っていたと・・・でも、

 男の子の僕が生まれて、名前も考えるのが面倒だったから

 麻里緒にしたんだって母さんは言ってた。

 「麻里緒は総ての罪を許してくれるマリア様だ。もっと早くに

 懺悔すれば良かった。」

 伊藤君はそう言って、僕の唇に接吻した。伊藤君のキスは

 舌は入って来なかった。僕達は何度もキスを重ねて、互いに

 抱き合って寝た。まるで僕はセックスを知らない子供のように

 服を着たまま抱きしめ合い、欲情の代わりに幸せを感じた。

 伊藤君の腕の中で僕は肉親に抱かれて眠る赤子のように

 安らかに眠りについた。


                             (続く)












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最終更新日  2012年06月05日 19時16分21秒
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