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2012年06月09日
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 第5部最終話です。

 18禁です。

 苦情は受け付けません。

 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m



手書きハート手書きハート手書きハート手書きハート手書きハート手書きハート




 僕は母さんが意地悪な魔法使いに見えた。僕を惨めにする

 呪文を浴びせる魔女だと思った。母さんは本気で僕が

 父さんをたぶらかした悪い子だと思っているようだった。

 血の繋がった実の父親に抱かれたいと思う子供が何処にいる

 というのだろう。僕は父さんに純粋に愛して欲しかっただけ

 なのに、たとえ愛の形が歪んでいたとしても、ただ愛されたい

 と願う気持ちからキスを受け入れただけなのに・・・泥棒猫

 だなんて酷過ぎる。でも、僕は母さんを見て、嫉妬した。

 今さっき僕の中に湧いた感情はまぎれもなく嫉妬だった。

 夫婦なのだから、身体を繋ぐのは当たり前の行為なのに、



 いたかった。父さんの身も心も独占したいと思うなんて、

 矛盾している。僕は本当に悪い子なのかもしれない。

 「ごめんなさい。母さん。ごめんなさい。」

 僕は涙を流して謝った。

 「反省してるなら、もういいわ。私も昨日は嫌だって言うのに



 あら、もうこんな時間?!麻里緒、早く制服に着替えて

 学校に行きなさい。」

 母さんはわざとらしく目覚まし時計を見て、僕を部屋から

 追い出す口実を作った。僕は

 「はい。」

 と返事をして寝室から出た。母さんの勝ち誇った顔がしばらく

 脳裏から離れないと思った。あの顔はまるで愛人から夫を

 奪い返した女の顔だった。母さんは母親である前に女だった

 のだ。女として嫉妬し、今まで僕に辛く当たっていたのだった。

 僕は悲しかった。母親から愛されていないだけじゃなくて、

 憎まれていたなんて・・・僕は母さんと父さんを取り合う気は

 なかった。もう愛されなくてもいいと思った。首を絞められた

 後も父さんは母さんに謝っていた。父さんは僕を追いかけて

 来なかった。その時点で気付くべきだったのだ。父さんは僕を

 大切に思っていないと・・・僕の身体を弄んだ先生と同じだと

 思った。先生と父さんは性格が似ている。僕はどことなく

 父さんに似た喋り方をする先生が好きになった。先生と一緒に

 いると、まるで父さんと一緒にいる時のように楽しかった。

 僕は先生に頭を撫でられるのも好きだったし、手を繋いで

 歩くのも好きだった。やっと、もう一度、僕を可愛がってくれる

 人を見つけたと思っていたのに、先生はきっと僕の心の醜さを

 知っていたのだろう。僕の前から姿を消してしまった。

 僕は先生を失い、父親を失い、母親に首を絞められ、

 先輩達に弄ばれ、好きでもない加藤君に抱かれ、唯一、

 心の拠り所となる伊藤君は無力だった。伊藤君は何も

 知らな過ぎる。僕は聖母マリアなんかじゃない。ましてや、

 天使でもない。人は何故、己の見たいと思う姿に人を重ねて

 見るのだろう。僕はもう何もかも嫌になった。死にたい。

 そんな事が頭に浮かんだ。僕は子供部屋の机の引き出しから

 カッターナイフを取り出して、スーッと手首を切った。

 血が溢れ、ポタポタと床に落ちて、カーペットを汚していった。

 赤い血は僕の心を安らかにしてくれた。血に汚れて、僕は

 美しく生まれ変わる蛹のように痛みも苦しみも感じなく

 なっていった。生まれ変わったら、空を舞う蝶になろう。

 誰にも羽を?がれないように人に懐かない蝶になろう

 と思った。誰にも捕まらず、空高く飛ぶ美しい蝶を夢見て、

 僕はゆっくりと目を閉じた。



                               (完)












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最終更新日  2012年06月09日 23時17分17秒
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