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2016.12.22
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カテゴリ: 宝石関連色々
今日の更新は石友 TakaC さんの記事に触発されて書いてみたくなりましたw
大本は「世界のレアストーン図鑑」(柏書店松原発行)という本です。
この本はレアストーン系コレクターの方だと少なからず耳にする本で、
石友さんの間では結構な所有率でもある、ある種バイブル的な存在でもあります。
世間一般で言う「レアストーン」の括りのさらに深いところまで掘り進んでる、
かなりレア度の高い石が載ってる本です。
当然私も発刊時即効で買いましたw(2008年夏ごろ)
一つだけ残念なのは石の写真が小さいのでいわゆる「宝石図鑑」とは少し趣が違いますが、

ただし8年も前の図鑑でもあり、誤植も多少見受けられたり、
今となっては古い情報が記載されている部分もあるので、
情報を鵜呑みにはしないように注意が必要ですね。

数点食指が動かない石があったり、見たこともないという石もあるので
コンプリートとは行ってませんが、9割は所持してる状態ですね
購入当時は半分くらいは持ってるなー程度でしたw

さてこの本の中で宝石の分類があり、
この本では宝石業界で言われる大分類「貴石」「半貴石」という呼称を一切使ってません
さらに細かく分類を試みており、
綺麗な宝石「ジェムストーン」
見た目いまいちな「ニアジェムストーン」

産出も安定した「ファインジェム」
希少産「レアストーン」
希少産だが硬度などの問題で宝飾向きではない「コレクターストーン」
コレクターストーンのうち例外的に耐久性を備えた「コレクタージェムストーン」
という感じの分類



さて今回の更新の主役は
上記の分類で言うと「コレクターストーン」にあてはまる部分

私は皆知ってのとおりキャッツアイ蒐集をメインにしてるけど、
あらかた有名どころは持ってしまってるため、
レアストーンに目をむけざるを得ない部分が多くある状態で、
キャッツアイではない通常ルースのレアストーンも多々購入しています。

そこで今回の更新の趣旨
上記コレクターストーンの中でもさらにレアな、
それこそ探してもそうは滅多に見つけれない超絶レアな石を
図鑑形式で一同に集めてみようと思います。
あえて名づけるなら「マニアストーン」とでもしておきますかw

早速行ってみましょう~

カーレトナイト
0.13ct
カナダ・ケベック州・モン・サンチラール産

Carletonite(和名:カーレントン石)
珪酸塩鉱物・正方晶系
KNa4Ca4Si8O18(CO3)4(OH,F)・H2O
硬度:4-4.5
晶癖:立方体・他
比重:2.45
条痕:白色
劈開:一方向に完全
断口:貝殻状
光沢:ガラス光沢
屈折率:1.521-1.517
発見年:1971年



モンサンチラールからしか産出しないレアストーンな上に、
硬度も低いし劈開も・・・という鉱物
そのためにカットルースは皆無に近いほどな激レアな逸品
鉱物標本でもそうは簡単に見なくなった石の一つ




カメレライト(菫泥石) 
0.03ct 
トルコ産

Kammererite(和名:菫泥石)
または
Chromian Clinochlore(クロムクリノクロア)
珪酸塩鉱物(フィロ珪酸塩)・単斜晶系
Mg5[(Al,Cr)2Si3O10](OH)8
硬度:2-2.5
晶癖:毛線状・偽六角板・偽斜方柱状
比重:2.55-2.75
条痕:白色
劈開:完全
断口:不平坦
光沢:真珠光沢
屈折率:-
発見年:1840年


驚くべきは硬度2~2.5と和名にもあるように
まさに泥と表現されていることからも分かるように非常に柔らかく
これをカット石になってることがすでに奇跡
探してもそうは見つからない超絶レアストーンといえるでしょう


プルンボガマイト
0.04ct
中国産

Plumbogummite(和名:鉛ゴム石)
PbAl3(PO4)2(OH)5・H2O
燐酸塩鉱物
硬度:4.0-5.0
晶癖:三方晶系
比重:4.014
条痕:白色
劈開:なし
断口:不規則
光沢:樹脂光沢
屈折率:1.653-1.688
発見年:1819年
命名年:1832年
主な色:青、緑、灰色、黄色


結晶が少ないためルースに出来る素材そのものが少なく、
カットルースは相当にレアになってくるであろう
小さいながらも非常に目を引く蒼い石
鉱物標本としては不透明な青い石で、
黄色のミメット鉱の仮晶として全体をプルンちゃんが覆っているものが去年話題になってました
ルースとしては滅多に無い為「プルンボガマイト」(又はプランボガマイト)で検索しても、
ほとんど情報がえられないが、
鉱物標本としては人気があるため和名の鉛ゴム石で検索した方が情報が出る
もしくは英語得意なら英名で検索するかですねw


ビシネバイト
0.10ct
Kurochkin Log.Vishnevve Mts,Russia産

Vishnevite(和名:ビシネフ石)
(Na,Ca,K)6(Si,Al)12O24{(SO4),(CO3),Cl2}2-4・n(H2O)
珪酸塩鉱物(テクト珪酸塩)

硬度:5.0-6.0
晶癖:六方晶系?
比重:2.37
条痕:白色
劈開:1方向に完全
断口:不均一
光沢:真珠光沢
屈折率:1.488-1.495
発見年:1931年
主な色:無色、黄色、薄青、薄灰色など



ビシネバイトはあまり聞かない名ですがその正体は
カンクリナイト(灰霰石)というこちらも相当な希少石の変種となり、
カンクリナイトの組成
Na6Ca2Al6Si624(CO3)2の
CO3がSO4に置換したものとなり凄まじくレアな一品
比重と屈折と複屈折のみカンクリナイトと異なるそうですが、
他の特性はカンクリナイトと同じ
恐らくはカットルースは相当に数が少ないと思われます。


パイロモロファイト
0.20ct
中国産

Pyromorphite(和名:緑鉛鉱)
Pb5(PO4)3Cl
燐酸塩鉱物
硬度:3.5-4.0
晶癖:六方晶系/柱状
比重:7.04
条痕:白色
劈開:無し
断口:不規則
光沢:亜金剛光沢~樹脂光沢
屈折率:2.048-2.058
発見年:1784年
命名年:1813年

主な色:緑、茶色、黄色、橙色
パイロモファイトやパイロモーファイトなどとカナ表記されもしますね
名前の由来は、ギリシャ語で「火」の意味のpyr と、
「形」という意味の morphe から名づけられました。
日本では宮城県池月鉱山、岐阜県神岡鉱山から産出した記録が残っています。
中国から産出される特徴として柱状結晶の真ん中が太くまるで樽の様な形で
色は通常緑、または黄色、オレンジ、そして茶色の場合もあるようです。
これも鉱物標本としては人気なので鉱物としてはそこまでレアな石ではないですが、
ことカットルースとなると滅多に見ることがない石になるかと思います。


バスタマイト
0.47ct
North Mine,Broken Hill,Australia産

Bustamite(和名:バスタム石)
(Mn,Ca)3Si3O9
珪酸塩鉱物(イノ珪酸塩)
硬度:5.5-6.0
晶癖:三斜晶系
比重:3.32-3.44
条痕:白色
劈開:完璧
断口:不明
光沢:ガラス光沢
屈折率:1.640-1.695
発見年:1997年
主な色:ピンク色


産状としては繊維状の集合塊がほとんどで、
基本的には不透明なピンク色の艶のある石で、
パワストとしてはそれなりに流通もしている石。

ただし今回のものは単結晶のカットルースであり、
とんでもなくへき開が強くケースに入れてる状態でさえあたりどころが悪いとその衝撃で割れるほどの脆さ。
単結晶の鉱物標本でさえほぼお目にかかれないうえに、
そのカットされたルースとなると、
もはや世界に何個あるか というレベルの希少なルースになってくる


さてさて今回はこのあたりにしてまた次回にしましょうw





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最終更新日  2016.12.22 22:39:12
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