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イギリス政府は議会の承認を得ないままサウジアラビアの油田地帯へジラフ・レーダーを配備、イギリス軍の軍人もサウジアラビア入りしたと伝えられている。アメリカに頼っていられなくなっているのかもしれない。 昨年9月にサウジアラビアのアブカイクとハリスにあるアラムコの石油処理施設をイエメンのフーシ派がUAV(無人機。ドローンとも呼ばれる)と巡航ミサイルで攻撃、大きなダメージを受けた。その出来事にイギリスの支配層も危機感を持ったためだと言われている。 この攻撃はアメリカ製の防空システムが無能だということも明らかにした。破壊された石油施設の周辺には88基のMIM-104 ペトリオット・システムが配備されていて、そのうち52基は新型のPAC-3。しかもペルシャ湾にはアメリカ海軍に所属する3隻の駆逐艦(イージス艦)がいたのだが、攻撃を防げなかったのだ。すでに能力の高さを証明しているロシア製の防空システム、S-400やパーンツィリ-S1とは対照的だ。 また、アメリカのドナルド・トランプ大統領がシリア、アフガニスタン、イラクなどから撤兵させる動きを見せているが、それに対してフランス政府はアメリカ側に対し、撤退しないよう求めていると伝えられている。 2011年春にシリアやシビアへの傭兵を使った侵略が始まったが、その際に最も説教的だったのはイギリスとフランス、つまりサイクス・ピコ協定コンビだった。 この協定は石油資源に目をつけたイギリスとフランスが1916年に結んだもので、フランスのフランソワ・ジョルジュ・ピコとイギリスのマーク・サイクスが中心的な役割を果たした。 トルコ東南部、イラク北部、シリア、レバノンをフランスが、ヨルダン、イラク南部、クウェートなどペルシャ湾西岸の石油地帯をイギリスがそれぞれ支配することになっていた。 協定が結ばれた翌月にイギリスはオスマン帝国を分解するためにアラブ人の反乱を支援。工作の中心的な役割を果たしたのはイギリス外務省のアラブ局で、そこにサイクスやトーマス・ローレンスもいた。「アラビアのロレンス」とも呼ばれている、あのローレンスだ。 ローレンスが接触していたフセイン・イブン・アリにイギリスのエジプト駐在弁務官だったヘンリー・マクマホンは書簡を出し、その中でイギリスはアラブ人居住地の独立を支持すると約束している。フセイン・マクマホン協定だ。このイブン・アリを追い出したイブン・サウドを中心として1932年に作られた国がサウジアラビアだ。 その一方、イギリスのアーサー・バルフォア外相はロスチャイルド卿に宛てに出した書簡の中で、「イギリス政府はパレスチナにユダヤ人の民族的郷土を設立することに賛成する」と約束している。1917年11月のことである。なお、この書簡を実際に書いたのはアルフレッド・ミルナーだと言われている。 イギリスは1919年、石油利権を手に入れるためにペルシャを保護国にし、その2年後に陸軍の将校だったレザー・ハーンがテヘランを占領する。そして1925年にカージャール朝を廃して「レザー・シャー・パーレビ」を名乗るようになった。 第2次世界大戦後、そのイランは独立の道を歩み始める。1951年4月には議会での指名を受けて国王が首相に任命したムハマド・モサデクはAIOC(アングロ・イラニアン石油、後のBP)の国有化を決めるが、それはイギリスにとって死活問題だった。イランの石油利権にイギリスは支えられていたのだ。 イギリスはイランの独立、民主化を許せない。そこで1951年10月にウィンストン・チャーチルが首相に返り咲くとイギリスはクーデターに向かうのだが、自力でモサデクを排除することができない。そこでアメリカの力を借りることにし、ウォール街の大物でCIAの黒幕だったアレン・ダレスに接近する。1953年にドワイト・アイゼンハワーがアメリカの大統領に就任、クーデターを実行するための環境は整った。 アメリカのCIAやイギリスのMI6はエージェントをイランへ送り込んでモサデク側の軍幹部を暗殺、1953年6月にジョン・フォスター・ダレス国務長官はモサデク政権を転覆させる準備の許可を弟のアレンCIA長官に出している。そして作られたクーデター計画がエイジャクス作戦。作戦遂行のための資金を動かしていたのは、後にロッキード事件でも名前が出てくるディーク社だ。 このクーデターは成功、外国の巨大資本と結びついたパーレビ体制が復活。その体制を守るためにSAVAKという組織がCIAやイスラエルのモサドの協力を得て創設される。このパーレビ体制が倒れるのは1979年のことである。 その後、アメリカやイスラエルはイランの権力対立を利用して乗っ取ろうとするが失敗、シオニストの一派であるネオコンは1980年代からイラクのサダム・フセイン(元々CIAの手先だった)政権を倒して親イスラエル体制を樹立、シリアとイランを分断して個別撃破するというプランを立てた。そこで2003年にイランを先制攻撃してフセイン政権を倒し、シリアへジハード傭兵に侵略させ、イランに揺さぶっている。 しかし、シリアへの侵略に手間取っているうちにロシアが軍事介入、中東情勢が大きく変化しはじめた。2016年のアメリカ大統領選挙でネオコンが担ぐヒラリー・クリントンがリクードに近いドナルド・トランプに敗れたことも大きな影響を及ぼした。 中東の混乱が続く中、サウジアラビアは経済が危機的な状況に陥り、2019年9月には同国のサルマン国王が最も信頼していた警護責任者、アブドル・アジズ・アル・ファガム少将が射殺された。ジェッダにある友人の家で個人的な諍いから殺されたとされているのだが、宮殿で殺されたとする情報がある。 サウジアラビアを苦境に陥らせる原因を作り出したのはムハンマド・ビン・サルマン皇太子。その皇太子に関する情報を国王へ伝えていたのはアル・ファガムだけだったと言われている。 皇太子の国王に対する影響力が低下したこともあり、2019年10月頃からサウジアラビアはイランに接近する。イラン側のメッセンジャーを務めていたガーセム・ソレイマーニーはイスラム革命防衛隊の特殊部隊とも言われているコッズ軍の指揮官だったが、今年1月3日、PMU(人民動員軍)のアブ・マフディ・ムハンディ副司令官と共にアメリカ軍の攻撃で暗殺された。この攻撃はイスラエルも協力していた。イラクのアディル・アブドゥル-マフディ首相によると、緊張緩和に関するサウジアラビアからのメッセージに対するイランの返書をソレイマーニーは携えていた。 ソレイマーニーの喪が明けた直後の1月8日、イラン軍はアメリカ軍が駐留しているイラク西部のアイン・アル・アサド空軍基地やエル・ビルを含も2基地に対して約35機のミサイルで攻撃、犠牲者が出ているとも伝えられている。50分後にエルビル空港近くの米軍基地などに対して第2波の攻撃があったという。 その月の下旬、アフガニスタンではCIAのイラン工作を指揮していたと言われているマイケル・ダンドリアが乗ったE11Aが墜落、ダンドリアは死亡したが、これはソレイマーニー暗殺に対する報復だとも言われている。
2020.11.30
COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)を口実にして社会を収容所化する政策が世界規模で進められているが、そうした政策に反対する数千から数万人規模の抗議活動がヨーロッパ各地で展開されている。特に激しい国がフランスのようだ。 収容所化が進むと人びとの移動制限は強化され、団結しにくい状況が作り出され、監視システムも強力になり、経済活動は麻痺して人びとは安定した収入源を奪われる。教育を受ける権利はすでに奪われはじめている。必然的に健康保険や年金の仕組みも破綻するだろう。 ベイシック・インカムを主張する人もいるようだが、これは支配者から被支配者へカネを流す仕組みであり、富が支配者へ集中することを前提にしている。家畜が餌を要求しているようなものだ。収容所化は人びとを家畜にする政策だとも言えるだろう。 COVID-19を利用して資本主義を大々的に「リセット」するべきだとWEF(世界経済フォーラム)を創設したクラウス・シュワブは主張したが、そのリセットとは社会の収容所化であり、人びとの家畜化だ。 そうしたリセットを受け入れさせる道具としてPCR検査(ポリメラーゼ連鎖反応)が使われている。COVID-19を引き起こすとされるウイルス、SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)のうち300分の1程度の部分を探し、陽性だと判定されるとCOVID-19の感染者だとされるのだが、300分の1の部分が見つかってもウイルスが存在していることにはならない。しかも、そのウイルスが病原体であることは確認されていないようだ。 PCR検査の開発者で、その方法を利用する条件、限界を熟知していたキャリー・マリスは、この手法をウイルスの検査に使ってはならないと繰り返していた。このPCRを含む簡易検査で感染しているかどうかを判断しようとすると、実際には爆発的な感染などしていないにもかかわらずパンデミックを宣言することになりかねないのだが、そうしたことをニューヨーク・タイムズ紙でさえ警告していた。 COVID-19騒動が始まって間もない頃、2年以内に通常の風邪を引いた人はCOVID-19に対して交差反応する免疫が作られたとカリフォルニアにあるラホヤ免疫研究所の研究員は報告している。 リンパ球を刺激して人間の免疫能力を高めるとされているインターフェロン・アルファ2bはCOVID-19だとされる病気に有効だと言われているが、この薬の研究が進んでいる国がキューバだということもあり、西側では無視されてきた情報だ。 キューバでこの薬に関する研究が始まった切っ掛けは、1981年に同国でデング熱が流行したことにある。この流行はアメリカによる攻撃だったと見られているが、その際に有効だったのだ。 アメリカの巨大な医療利権集団は否定しているが、抗マラリア剤として知られているヒドロキシクロロキンを抗生物質のアジスロマイシンと一緒に処方するとCOVID-19だと言われる病気に効果があることは研究者や現場の少なからぬ医師が主張している。フランスの著名な微生物学者、ディジェ・ラウルを含むグループが3月の段階でこのコンビネーションが有効だと報告、アメリカ人医師のグループも同じように主張している。 また、ヒドロキシクロロキンからヒドロキシル基を取り去った構造をしているクロロキンがコロナウイルスに対して有効だとする論文も存在する。2005年8月22日、ウイルス・ジャーナルというNIH(国立衛生研究所)の公式刊行物に掲載された。 人びとを脅し、社会の収容所化と人びとの家畜化を進めるために利用されているCOVID-19だが、本物の悪霊だとは思えない。その正体を考えるためにもインフルエンザの感染状況に注目する必要があるが、アメリカのCDC(疾病管理予防センター)は今シーズン、インフルエンザに関するデータを集めないのだという。
2020.11.29
イランの科学者、モフセン・ファクリザデが11月27日にイランの首都テヘランの近くで暗殺された。ファクリザデはイラン国防省のSPND(国防革新研究機構)を率いていた人物で、イスラエルはイランの核兵器製造計画を率いていたと主張、イランはそのイスラエルが暗殺したとしている。ネオコンの宣伝機関のひとつで、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフと対立関係にあるニューヨーク・タイムズ紙も暗殺の背後にイスラエルの情報機関が存在しているとする証言を伝えている。 本ブログではすでに書いたことだが、アメリカのマイク・ポンペオ国務長官がサウジアラビアを訪問した際、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とモサドのヨッシ・コーエン長官もサウジアラビアを極秘訪問、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子を交えて会談したと伝えられていた。 ドナルド・トランプ大統領はマーク・エスパー国防長官を解任してクリストファー・ミラーを国防長官代理に据え、その上級顧問としてダグラス・マグレガーを雇い入れた。このマグレガーはイスラエル・ロビーのアメリカに対する影響力の大きさに批判的な人物で、ポンペオ国務長官やジョン・ボルトン元国家安全補佐官はイスラエル・ロビーからカネを受け取って大金持ちになったと批判している。 現在、トランプ大統領とポンペオ国務長官の間に対立が生じている可能性が高いが、このポンペオはマイク・ペンス副大統領と同じようにキリスト教系カルトの信者、つまりキリスト教系シオニストだ。トランプがアメリカ軍を中東から引き上げさせる前に新たな戦争を始めようと目論んでいる可能性もある。ネタニヤフに大きな影響力を持つカジノ経営者のシェルドン・アデルソンはイランを核攻撃で脅すべきだと2013年に主張していた。 ポンペオはサウジアラビア入りする前、イスラエルが併合しつつあるヨルダン川西岸、イスラエルが不法占拠しているシリア領のゴラン高原を訪問してパレスチナを含むイスラム世界を挑発していた。イスラエル軍はここにきてシリアの首都ダマスカスの近くを攻撃しているが、これも中東の軍事的な緊張を高めることが目的かもしれない。 バラク・オバマは任期を終える直前、2016年12月に外交官35名を含むロシア人96名を追放するなどしてロシアとの関係を悪化させ、軍事的な緊張を高めていたが、これに対し、トランプ側はロシア政府に対し、報復を自重して次の政権まで待つように求めていた。そのメッセージを伝えていたと言われているのがマイケル・フリン元DIA局長。そのやりとりを民主党や有力メディアだけでなくCIAやFBIも「ロシアゲート」だとして攻撃していた。
2020.11.29
COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)は昨年夏にインドで広がり始めたとする論文を中国科学院の研究者がイギリスの医学雑誌「ランセット」に提出したようだ。2019年5月から6月にかけての熱波が原因で人間と野生の動物が水を求めて接近、その際に人間へ感染したと推測されている。 一般的に、COVID-19が初めて見つかったと言われている場所は中国の武漢。その中国からWHO(世界保健機関)に対し、原因不明の肺炎患者が見つかったと報告されたのは昨年12月31日のことだが、イタリアのISS(高等衛生研究所)は今年6月、下水からSARS-CoV-2の遺伝子の痕跡が発見されたと発表している。ミラノとトリノの下水は昨年12月18日に採取されたもの、ボローニャは今年1月に採取されたものだという。 また、イタリアのミラノ癌研究所とシエナ大学の研究者が実施した血液サンプルの調査よると、2019年9月にはSARS-CoV-2がイタリアに存在していたとされている。2019年9月から20年3月にかけて肺癌のスクリーニング試験を行うために採取された959名の血液サンプルを分析した結果、111名のものにコロナウイルスの抗体が存在し、23名は2019年9月に感染したという。
2020.11.28
日本には「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ということわざがある。この心理の背景には人間の恐怖心があるわけだが、その恐怖心を利用して人間を操ろうとする人びとがテロリストだ。支配者も恐怖心を使う。支配者はテロリストだと言うこともできるだろう。 COVID-19(コロナウイルス感染症-2019)騒動にもそうした側面がある。このウイルスに恐怖した人びとは安全と安心を求めて主権やプライバシーを放棄し、世界は収容所化されつつある。 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃した後、アメリカでは憲法が麻痺、ファシズム化が一気に進んだ。そのファシズム化をさらに進めているのがCOVID-19にほかならない。 以前にも書いたことだが、COVIDを左右反転させるとDIVOC。ヘブライ語はアラビア語と同じように右から左へ書くからだ。これをヘブライ語の文字に変換すると「死者の霊」、あるいは「悪霊」という意味になる。このヘブライ語を語源とする英単語がdybbuk(またはdibbuk)だ。 この悪霊は中世ユダヤ人社会の民俗信仰に出てくるのだが、それをユダヤ系ロシア人の学者、シュロイメ・アンスキーが1913年から16年にかけての時期に書いた戯曲の中で取り上げ、広まった。その単語を伝染病の名前にした人びとは、ユダヤの民俗信仰を意識しているのだろう。「枯れ尾花」を「悪霊」に仕立てている。
2020.11.28
SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の感染対策だとしてワクチンを全ての人に接種させようとする動きがあるが、それはこのウイルスの存在が宣伝される前から始まっている。例えば欧州委員会とWHO(世界保健機構)は2018年9月12日に共同でグローバル・ワクチン接種サミットを開催、22年にはワクチンを接種したかどうかを示すカード/パスポートを導入しようと計画しているのだ。 しかし、ワクチンには暗い過去がある。1950年代に開発されたポリオのワクチンが多くの被害者を出したことは有名だ。ジョナス・ソークの開発したワクチンを投与したサルがポリオを発症、そのことに気づいたバーニス・エディという研究者は警告するが、無視されて多くの人が被害になった。 次にアルバート・サビンが「安全なワクチン」を開発したが、製造に使われた猿の腎臓には人間を癌にするウイルスが存在、ワクチンに癌を誘発するウイルスが混入することになったとも言われている。猿の腎臓にエイズの原因になる病原体が含まれていたとする説も存在する。 アメリカでエイズが社会的問題になりはじめた1984年にNIAID(国立アレルギー感染症研究所)の所長に就任した人物が免疫学者のアンソニー・ファウチ、彼の部下のひとりがHIV(ヒト免疫不全ウイルス)で有名になったロバート・ギャロだ。ファウチはSARS-CoV-2を悪霊化するうえで重要な役割を果たしてきた。 NIAIDの上部機関はNIH(国立衛生研究所)だが、そのNIHの研究者だったバーニス・エディはワクチンの中に発癌性のSV(シミアン・ウイルス)40が混入していることにも気づく。これはサルを宿主とするポリオーマウイルスで、人間の体内に入り込むと癌を誘発するとエディは講演の中で語っている。このことを彼女から聞いたNIHの上司は激怒、組織の幹部は警告を封印し、医薬品メーカーはワクチンの製造を続けた。製造が止まるのは1961年7月になってからだ。 ワクチンの問題に取り組んできたジョン・F・ケネディの甥、ロバート・ケネディの息子であるロバート・ケネディ・ジュニアによると、1996年の時点で血液サンプルの23%、精子サンプルの45%からSV40が発見され、80年から95年にかけて生まれた新生児の6%が感染していたという。(Judy Mikovits & Kent Heckenlively, “Plague of Corruption,” Skyhorse, 2020) ポリオ・ワクチンのリコールが宣言されてもNIHは市場へ出回っている製品全てを回収することを命じない。そこでアメリカ人は発癌性のワクチンを1961年から63年にかけて接種されることになった。 アメリカでは1970年代終盤から80年代にかけて皮膚癌、リンパ腫、前立腺癌、乳癌が加速度的に増加、この傾向は87年まで続いた。その原因は1950年代にアメリカで使われたポリオ・ワクチンにあると推測する学者もいる。 日本では血液凝固因子製剤が原因で血友病の患者などがエイズに感染している。HIVに汚染されていたとされているが、遅くとも1983年の段階で非加熱製剤が危険だということを専門家は認識していたとされている。ファウチがNIAIDの所長になったのはその翌年だ。 今年9月の初め、スーダンでワクチン由来ポリオの感染者が見つかったと発表された。問題のワクチンはビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の支援で開発されたものだ。 感染した子どものひとりは南部ダルフール、もうひとりはガダレフに住んでいた。ふたりとも最近、ポリオのワクチンを接種されたという。エチオピアやエリトリアに近い地域だ。南スーダンでもワクチン由来のポリオが発生、今年10月27日の時点で約15名が感染したと発表されている。ちなみに、アフリカでは2016年以降、野生のポリオに感染した人は発見されていないという。 ワクチンの問題で重要な役割を演じてきたWHOはSARS-CoV-2のパンデミックを今年3月11日に宣言して「新型コロナウイルス」という悪霊を登場させた。 昨年10月18日にはWEF(世界経済フォーラム)、ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センター、そしてビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団がニューヨークで実施されたイベント201、コロナウイルスが全世界で流行するというシミュレーションを行った。WEFの創設者、クラウス・シュワブは、この悪霊を利用して資本主義を大々的に「リセット」するべきだと主張している。ドル体制を基軸とする現在の資本主義が長く持たないと認識しているのだろう。 そのリセットにおいてワクチンがキーワードになっているが、ビル・ゲイツは2010年2月、ワクチンの開発、健康管理、医療サービスで人口を10~15%減らせるとTEDでの講演で語っている。ワクチンの目的が感染病を押さえ込むことにあるとするならば、なぜ人口の削減に結びつくのかがわからない。だがゲイツはワクチンを人口削減の道具だと認識している。 ゲイツより過激なことを言っているのがCNNのテッド・ターナー。彼は2008年にテンプル大学で、世界の人口を20億人、現在の約3割まで減らすとしている。 ゲイツが講演した3カ月後の2010年5月に発表された報告書がロックフェラー財団とGBN(グローバル・ビジネス・ネットワーク)の「技術の未来と国際的発展のためのシナリオ」だ。 SARS-CoV-2は世界の収容所化に利用されているが、その先には人口削減というプランが見える。今回の騒動で社会は通信システムへの依存を強めているが、ロボットの導入も図られている。ロボットで代替できる仕事をしている人はいらないとゲイツやターナーのような支配者は考えているのかもしれない。 ゲイツにはジェフリー・エプスタインという友人がいた。エプスタインは妻のギスレインや義父のロバート・マクスウェルと同じように、イスラエル軍の情報機関(アマン)に所属していた人物で、未成年の女性を利用して各国の要人を接待、その様子を記録して脅しの材料に使っていたと言われている。 昨年、そのエプスタインが逮捕されたのだが、それから間もない7月31日、ニューヨーク・タイムズ紙は彼がニューメキシコの牧場で自分のDNAによって複数の女性を妊娠させる計画を持っていたと伝えた。ノーベル賞を受賞したような著名な科学者をエプスタインが招待していることから優生学的な実験を行おうとしていたのではないかとも言われている。ビル・ゲイツの父親は優生学にのめり込んでいた。第2次世界大戦の前、ロックフェラー財団が優生学を支援していたことも知られている。
2020.11.28
ソ連が1991年12月に消滅した後、アメリカを中心とする西側の支配者、特にシオニストの一派であるネオコンは世界制覇の総仕上げに入った。ライバルが消えたことで唯一の超大国になったアメリカに刃向かう国はなくなったという前提で、他国を配慮せずに侵略戦争を本格化させたのである。その手始めがユーゴスラビアの解体だ。 その背景にはドル体制の行き詰まりがあった。1971年にアメリカ大統領だったリチャード・ニクソンはドルと金の交換を停止すると発表しているが、この段階で製造業を中心とする経済は破綻していた。そこで金融でアメリカ中心の支配システムを生きながらえさせようとしたわけだ。金融中心の仕組みを作り上げたのが新自由主義。ところがこの金融マジックは21世紀を前に破綻する。 そうした実態が明るみに出はじめたとき、支配者にとって好都合な出来事が引き起こされた。2001年9月11日の世界貿易センターとペンタゴンに対する攻撃だ。これを利用してジョージ・W・ブッシュ政権は憲法の機能を停止させ、有力メディアを使った偽情報の流布でイラクを先制攻撃した。 正規軍を使ったブッシュ政権の侵略は行き詰まり、次のバラク・オバマ政権はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を傭兵として使った侵略に変更した。オバマの師、ズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンを侵略したときの仕組みを採用したと言えるだろう。一時期、テロリストの代名詞にされていた「アル・カイダ」の仕組みを再び使おうとしたわけだ。 この新しい「自由の戦士」戦術はシリア政府軍の強さで行き詰まり、アメリカ主導軍、あるいはNATO軍の投入でシリアの体制を転覆させようと考え、作り出されたタグがダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)。そうした戦術の危険性をDIA局長として警告していたのがマイケル・フリン中将だ。 ダーイッシュは残虐さを宣伝、アメリカ主導軍/NATO軍を引き入れようとし、2015年にオバマ大統領は好戦的な布陣に政府を作り替えるのだが、その年の9月末にロシアがシリア政府の要請で軍事介入、ダーイッシュは敗走する。 オバマ政権は軍事介入のタイミングを逸したのだが、それでも小規模ながら地上部隊をシリアへ侵攻させて軍事基地を建設し、クルドを新たな傭兵にした。その戦略も行き詰まっている。 現在、きな臭さが中東で強まっている。もしイスラエルがイランを攻撃した場合、中東全域が戦火で包まれ、石油の供給も止まる可能性があるのだが、COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)への恐怖からすでに経済が麻痺していて需要は落ち込んでいるのでダメージは好況時より少ないかもしれない。しかも欧米では戒厳令状態。日本もそうしたがっている人がいる。ウイルスへの恐怖によって人びとは主権やプライバシーを放棄、自ら進んで収容所へ入る人も少なくない。 ところで、日本が敗戦して間もない頃、映画監督の伊丹万作は『戦争責任者の問題』(映画春秋、1946年8月)で次のようなことを書いている: 戦争が本格化すると「日本人全体が夢中になって互に騙したり騙されたりしていた」。「このことは、戦争中の末端行政の現れ方や、新聞報道の愚劣さや、ラジオの馬鹿々々しさや、さては、町会、隣組、警防団、婦人会といったような民間の組織がいかに熱心に且つ自発的に騙す側に協力していたかを思い出してみれば直ぐに判ることである。」 そして、「幾ら騙す者がいても誰一人騙されるものがなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。」「騙されたものの罪は、只単に騙されたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも雑作なく騙される程批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切を委ねるように成ってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任等が悪の本体なのである。」
2020.11.27
バラク・オバマは任期を終える直前、2016年12月に外交官35名を含むロシア人96名を追放するなどしてロシアとの関係を悪化させ、軍事的な緊張を高めていた。ドナルド・トランプは大統領選挙での敗北をまだ認めていないが、次の大統領就任式の前にイランの核施設を攻撃する可能性を探っていると伝えられている。この話を最初に報道したのはネオコンを支援している有力メディアのひとつ、ニューヨーク・タイムズ紙だった。 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がアメリカ政府に対してイランを攻撃するように圧力を加えているとも言われているが、そのネタニヤフはモサドのヨッシ・コーエン長官をともなってサウジアラビアを秘密訪問、同国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子やアメリカのマイク・ポンペオ国務長官と会談したと伝えられている。 この会談はジョー・バイデンの大統領就任を睨んでのことだとも考えられるが、イラン攻撃について協議した可能性もあるが、トランプ大統領は中東からアメリカ軍を引き上げる意向のようで、大統領は中東における新たな戦争を望んでいないと言われている。 そのトランプ大統領はレイセオンの副社長だったマーク・エスパー国防長官を解任、クリストファー・ミラーを国防長官代理にした。さらに上級顧問としてダグラス・マグレガーを雇ったが、この人物はイスラエル・ロビーのアメリカに対する影響力の大きさに批判的で、ポンペオ国務長官やジョン・ボルトン元国家安全補佐官はイスラエル・ロビーからカネを受け取り、大金持ちになったと語っている。 アメリカの支配層はトランプの排除で合意したのだろうが、そのトランプは最後にシオニストの意向を無視した政策を打ち出す可能性があるのだが、その前にイランを攻撃するかもしれない。イスラエルはシリアに対する攻撃を強め、アメリカ軍はB-52戦略爆撃機を中東に派遣するなど関係国を脅している。 それに対し、イエメンのフーシ派はサウジアラビアの石油会社アラムコの施設を攻撃したが、今回は大きな被害が出ていないという。昨年9月にはUAV(無人機。ドローンとも呼ばれる)と巡航ミサイルでアブカイクとハリスにあるアラムコの石油処理施設を攻撃、大きな損害を与えている。 ネタニヤフ政権はトランプ政権に対し、イランへの攻撃的な姿勢を強めるように要求していると見られているが、マグレガーはこの要求を拒否させようとするだろう。トランプのスポンサーとして知られ、ネタニヤフ首相に大きな影響力を持つラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソンは2013年にイランを核攻撃で脅すべきだと主張していたが、そうしたことを行えば中東全域が火の海になり、石油の供給が止まる可能性がある。SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)で世界が戒厳令に近い状態とは言うものの、イランとの戦争はハードルが高い。
2020.11.27
バラク・オバマ政権に巣くっていたネオコンは2013年11月から14年2月にウクライナでネオ・ナチを利用したクーデターを成功させ、同じ年の9月から12月にかけてはイギリスと手を組み、香港で佔領行動(雨傘運動)を仕掛けた。 ウクライナに傀儡国家を作ることでロシアとEUを分断、香港の運動で中国を揺さぶろうとしたのだが、こうした工作はロシアと中国を接近させることになった。両国は天然ガスのパイプライン、鉄道、道路などを建設して結びつきを強めている。COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)の影響で経済活動は麻痺しているが、戦略的な同盟関係が崩れることはないだろう。 それに対し、次期大統領になる可能性が高いジョー・バイデンはオバマ政権の好戦派人脈を入閣させるようで、ロシアとの軍事的な緊張を高めることになりそうで、中国とロシアとの結びつきを弱めようとするかもしれない。そのため、中国に接近して飴をしゃぶらせ、支配層のうちカネ儲けに目のない人びとを抱き込もうとするだろう。 勿論、アングロ・サクソンの支配者、つまりウォール街やシティを拠点とする巨大金融資本は中国を仲間とは考えていない。ユーラシア大陸の周辺部を支配し、内陸部を締め上げていくという19世紀には存在していたであろう長期戦略は今でも生きているはず。最終的にはロシアも中国も支配するつもりだろう。 ナチスはロシアを占領して耕作地と油田を確保した後、スラブ民族を奴隷にする予定だったが、そのナチスのスポンサーはウォール街やシティだった可能性が高い。実際、資金は米英の金融機関からナチス時代のドイツへ流れ、アメリカでは金融資本が1933年から34年にかけてクーデターを計画、ファシズム体制の樹立を目指していた。 イギリス資本が明治維新の背後で暗躍、大陸への軍事侵攻を支援していたのもロシアや中国を制圧するため。日本列島から南西諸島を経て台湾へ至る弧状の島々は大陸を侵略するための拠点であり、朝鮮半島は橋頭堡だと言えるだろう。ロシアや中国の支配を達成するまで、この弧状列島の役割に変化はないはずだ。 ロシアや中国の側もこうした状況を理解しているだろうが、両国には個人的な利益を優先させる勢力が支配層の内部にも存在していると見られている。そうした「親欧米派」、つまり新自由主義者を押さえ込めるかどうかで中露の運命は決まるだろう。
2020.11.26
マスコミは「言論の自由」を象徴する存在であり、「社会の木鐸」であるべきだと考える人が日本にはいるようだが、一種の妄想にすぎない。その妄想に反する現実を受け入れられず、不満を口にする人もいるが、現実世界のマスコミは昔からプロパガンダ機関としての側面があり、支配者に使われてきたことも否定できない。 第1次世界大戦の後、戦争による好景気が終わったことに加え、戦争の舞台になったヨーロッパから多くの兵士が帰還して街は失業者であふれてストライキやデモが続発した。しかも戦争が終わる前年、1917年にはロシアの十月革命で社会主義を掲げる体制が誕生していた。そうした労働者の運動を潰すために利用されたのがニコラ・サッコとバルトロメオ・バンゼッティである。 アメリカのマサチューセッツ州では1919年に現金輸送車の襲撃未遂事件があり、その容疑者として逮捕されたのだが、それだけでなく20年4月にマサチューセッツ州サウスブレーントリー駅近くで起こった強盗殺人事件の容疑者にもされた。 いずれの事件でもふたりを有罪とするような証拠、証言はないうえ、1925年には別の事件で収監されていたセレスチーノ・マデイロスという男が「真犯人は自分たちだ」とする書面を提出しているが、裁判官は無視して死刑を言い渡し、ふたりは27年の8月に処刑された。 その当時、アメリカでは庶民が貧困化する一方、投機が過熱して富裕層は金融資産を膨らませていた。そうした状況を作り出した政府は巨大資本の代理人たちで、1929年3月から33年3月まで大統領を務めたハーバート・フーバーもそのひとりだった。 そのフーバーを1932年の大統領選挙で破ったのがニューディール派を率いていたフランクリン・ルーズベルト。ジョン・ピアポント・モルガン・ジュニアをはじめとするウォール街の大物たちはルーズベルトの排除とファシズム体制の樹立をめざし、1933年から34年にかけてクーデターを目論んだ。その司令官として白羽の矢が立ったのはスメドリー・バトラー退役少将。名誉勲章を2度授与された伝説的な軍人で、人望があつかったからだが、バトラーはクーデターに反発、計画の詳細を聞き出した上で議会においてその内容を明らかにしている。 バトラーから情報を得た新聞記者のポール・フレンチはクーデター派を取材し、「コミュニズムから国家を守るため、ファシスト政府が必要だ」と言われたと議会で証言している。 こうした記者もいたが、金融資本にとって新聞は自分たちの手先にすぎなかった。バトラーによると、「われわれには新聞がある。大統領の健康が悪化しているというキャンペーンを始めるつもりだ。皆、大統領を見てそのように言うことだろう。愚かなアメリカ人はすぐに騙されるはずだ。」とクーデター派は話していたという。 第2次世界大戦の終盤、1945年4月にルーズベルトは死亡、ホワイトハウスにおけるニューディール派の影響力は急速に低下、レッドバージで反ファシスト派は粛清された。そうした中、始められたのがモッキンバードと呼ばれる情報操作プロジェクトだ。 ジャーナリストのデボラ・デイビスによると、このプロジェクトで中心的な役割を果たしたのはアレン・ダレス、フランク・ウィズナー、リチャード・ヘルムズ、そしてフィリップ・グラハムの4名。有力メディアの経営者や幹部編集者も協力していた。 ダレスは兄のジョン・フォスター・ダレスと同じようにウォール街の大物弁護士で、大戦中から情報機関で破壊活動を指揮し始めた人物。その側近だったウィズナーもウォール街の弁護士で、大戦後に破壊活動を実行するために組織された秘密機関OPCを指揮している。ヘルムズの母方の祖父、ゲイツ・マクガラーは国際的な銀行家で国際決済銀行の初代頭取。グラハムの義理の父親にあたるユージン・メーヤーは世界銀行の初代総裁だ。 ダレス、ウィズナー、ヘルムズは戦時情報機関OSSのメンバーで、グラハムは空軍へ入った後、OSSの長官だったウィリアム・ドノバンの補佐官を務めている。このドノバンもウォール街の弁護士だ。 フィリップ・グラハムが結婚した相手、つまりユージン・メーヤーの娘はウォーターゲート事件で有名になったキャサリン・グラハム。この事件の取材ではカール・バーンスタインとボブ・ウッドワードという若手記者が中心的な役割を果たしたが、ウッドワードは少し前まで海軍の情報将校で記者としては素人に近く、事実上、取材はバーンスタインが行ったと言われている。 そのバーンスタインはニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。 その記事によると、20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、そのうち200名から250名が記者や編集者など現場のジャーナリストで、残りは、出版社、業界向け出版業者、ニューズレターで働いていた。また1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977) フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙の編集者だったウド・ウルフコテは2014年2月、ドイツにおけるCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出し、世界各国のジャーナリストがCIAに買収されていて、そうした工作が危険な状況を作り出していると告発している。ウルフコテは2017年1月、56歳の若さで心臓発作のために死亡した。 1991年12月にソ連が消滅、唯一の超大国になったと認識したアメリカは侵略戦争を本格化させるが、有力メディアは戦争へ人びとを誘導するためのプロパガンダを展開しはじめた。この時期に広告会社の役割が重視されはじめている。 その後、2001年9月11日の世界貿易センターやペンタゴンへの攻撃に関する疑惑を封印、03年3月にアメリカ主導軍がイラクを先制攻撃する前に広めた「大量破壊兵器」という偽情報、11年春に始めたリビアやシリアへの侵略戦争でも偽情報を西側の有力メディアは流していた。本ブログで繰り返し書いてきたことなので詳細は割愛するが、彼らはそうした存在なのだということを忘れてはならない。SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の問題でも彼らは欧米の巨大資本のプロパガンダ機関として機能していると言えるだろう。
2020.11.25
有力メディアの報道を見聞きしていると、世界の街角に「新型コロナウイルス」が原因で死んだ人の体が転がっているかのようだが、勿論、そうした光景は見られない。そうした光景がどこかで見られるなら、彼らは大いに宣伝することだろう。 いわゆる「新型コロナウイルス」とはSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)を指す。このウイルスが原因になり、COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)が引き起こされるというわけだ。 ウイルスの名前にあるように、重症急性呼吸器症候群の患者が爆発的に増えていなければおかしいのだが、そうしたことが起こっているようには思えない。COVID-19という悪霊が存在しているのは政府やメディアが流す話の中だけだが、多くの人びとはその悪霊に怯え、主権やプライバシーを放棄した。そして経済は麻痺し、社会は収容所化している。 この悪霊を利用して資本主義を大々的に「リセット」するべきだと主張している人がいる。WEF(世界経済フォーラム)の創設者、クラウス・シュワブだ。その核になるのがエレクトロニクス技術だが、次期大統領になるはずのジョー・バイデンは軍需企業だけでなく、シリコン・バレーからも多額の寄付を得ていた。 昨年10月18日にニューヨークで実施されたイベント201、コロナウイルスが全世界で流行するというシミュレーションにWEFも主催者に名を連ねている。そのほかの主催者はジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターとビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団だ。そのシナリオによると、ブラジルの農場で感染は始まり、ポルトガル、アメリカ、中国など多くの国へ感染は拡大、18カ月後には6500万人が死亡するということになっていた。 このシナリオ通りにコロナウイルスが爆発的に感染者を増やしているとされているが、死亡者はそこまで増えていない。本ブログでも紹介してきたようにアメリカやヨーロッパでは大幅に死者数が水増しされているのだが、限界があるようだ。 感染者とされているのはPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査で陽性になった人だが、この検査でウイルスの存在を確認することはできない。PCR検査を開発し、1993年にノーベル化学賞を受賞したキャリー・マリスもこの方法をウイルスの検査に使ってはならないと繰り返していた。そもそもPCRで調べられるのはウイルス遺伝子の300分の1にすぎないということもあるのだが、変異速度の速さも問題になるようだ。 ドイツのBioNTechと共同で開発でSARS-CoV-2向けワクチンを開発しているファイザーの副社長だったマイク・イードンはPCR検査で陽性になった人の半数、あるいは大半が擬陽性だと推測している。 SARS-CoV-2に感染者しているかどうかを判定するためにPCRを使うのは適切でないとする声は小さくないのだが、そうした声を無視する形で感染拡大の宣伝に利用され、支配者たちは社会のリセットへ向かって突き進んでいる。本ブログでは繰り返し書いてきたが、リセットされた先にはファシズムがあり、そこではエレクトロニクス技術による管理が徹底されることになるだろう。人口の削減も予定表に書き込まれているはずだ。 かつて、人びとを操るために「地獄」という恐怖が利用された。今は「新型コロナウイルス」という悪霊が使われている。人間は進歩していないようだ。
2020.11.25
アメリカの大統領選挙でドナルド・トランプは敗北を認めていないものの、支配層の内部ではジョー・バイデンを次期大統領にすることで合意しているのだろう。年齢の問題やスキャンダルを抱えていることもあり、いつまで持つかは不明だが、とりあえず大統領に就任しそうだ。 バイデンの大統領就任はイギリスが中東に作り上げたふたつの国、イスラエルとサウジアラビアに影響を及ぼすことになる。 まず、トランプのスポンサーとして知られているラスベガス・サンズの会長兼CEO、シェルドン・アデルソンはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に大きな影響力を持っている人物。アデルソンはウクライナ系ユダヤ人で、1988年、55歳の時にカジノの世界へ入り、ラスベガスのほかペンシルベニア、東南アジアのマカオとシンガボールでカジノを経営している。2013年にはイランを核攻撃で脅すべきだと主張しているが、その年に彼は来日、自民党幹事長代行だった細田博之に対して東京の台場エリアで複合リゾート施設、つまりカジノを作るという構想を模型やスライドを使って説明、議員たちは動き出している。 ベンヤミン・ネタニヤフは父親であるベンシオン・ネタニヤフは、修正シオニズムの創始者とも言えるウラジミール・ヤボチンスキーのアメリカにおける秘書だった。米英の金融資本と近いシオニストであるネオコンとは人脈に違いがある。そのネオコンに担がれているのがバイデンだ。 サウジアラビアの政策を決めてきたのは皇太子のムハンマド・ビン・サルマンだと言われている。この人物が皇太子になったのはトランプが大統領に就任した直後の2017年6月のこと。 前任者のムハンマド・ビン・ナーイフはヒラリー・クリントンに近い人物で、彼女が次期大統領に内定したと言われている2015年の4月から皇太子を務めていた。クリントンが大統領になるという前提の人選だったと見られている。この見通しに反してトランプが大統領になったことからビン・サルマンに交代したというわけだ。 バイデンが次のアメリカ大統領になると、ネタニヤフとビン・サルマンの立場は揺らぐ可能性がある。そうしたこともあるのか、マイク・ポンペオ国務長官は中東を訪問、イスラエルが併合しつつあるヨルダン川西岸、イスラエルが不法占拠しているゴラン高原を訪問してパレスチナやシリアを挑発、その後でサウジアラビアへ入った。イスラエルでの報道によると、そこでポンペオはビン・サルマンとネタニヤフに会っている。
2020.11.24
SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の蔓延を口実として人びとの言動が制限されています。民主主義に反する状況が生み出されていると言えるでしょう。そうした流れに抵抗するためにもブログを書き続けなければならないと考えています。そのブログを存続させるため、カンパをお願い申し上げます。 少なからぬ国で実行されたロックダウンは一種の戒厳令だと言えるでしょう。ロックダウンを採用しなくても、一定数以上の人の集まりが規制され、このウイルスを悪霊のように描くことへの疑問を表明することは検閲の対象になっていて、しかも検閲しているのは有力メディアやインターネット上の巨大企業。行動の規制によって教育を受けられない環境が作り出され、少なからぬ人が仕事を奪われていることも無視できません。 また、マスクという一種の国民服を着用することが強制され、「ソーシャル・ディスタンス」という名目で人と人の接近が禁止され、さらに監視システムが強化されようとしています。コミュニケーションに対する規制が厳しくなっていると言えるでしょう。 こうした侵略軍が行うような政策を実行するためにパンデミックを利用するというシナリオが2010年5月に公表されています。ロックフェラー財団とGBN(グローバル・ビジネス・ネットワーク)が「技術の未来と国際的発展のためのシナリオ」と題された報告書を発表したのです。 そのシナリオでは経済活動の麻痺が見通され、人や物資の国際的な移動が止まることから旅行業のような産業や販売網は特に大きなダメージを受け、マスクの着用や公共施設やマーケットの入り口における体温の測定も想定されていました。パンデミックの終了が宣言されても人びとのウイルスに対する恐怖は消えず、安全と安定を求めて自らの主権やプライバシーを放棄するともしています。 民主主義を実現するためには支配者の悪巧みを見抜く能力と余裕が必要です。そのためには公教育を充実させ、独立したメディアを育て、庶民の働く権利を強め、すべての人が加入できる公的な医療保険制度や年金制度を整備しなければなりません。民主主義を破壊するためには逆のことをすれば良いわけですが、今回の「新型コロナウイルス」騒動はそうした政策を推進する上で好都合だと言えるでしょう。 こうした民主主義や社会システムを破壊する政策は1970年代から推進されてきました。そうした動きの中心にいたのが新自由主義者で、強大な私的権力が支配する市場とその私的権力にとって都合の良い道徳を「新しい生活様式」の柱にしようとしています。 ベニト・ムッソリーニは巨大資本が支配するシステムを「企業主義」と呼び、資本主義や社会主義を上回るものだと主張しました。これが彼の考えたファシズムです。 フランクリン・ルーズベルトはファシズムについて次のように定義しました:「もし、私的権力が自分たちの民主的国家より強くなるまで強大化することを人びとが許すなら民主主義の権利は危うくなる。個人、あるいは私的権力をコントロールするグループ、あるいはそれに類する何らかの存在による政府の所有こそがファシズムである。」 今、西側では強大な私的権力が国を従え、世界を支配する体制を築こうとしています。つまりファシズム体制を樹立させようとしています。その私的権力からの攻撃で私たちは厳しい状況に陥っていますが、負けられません。ファシズムを受け入れるわけにはいかないのです。櫻井 春彦振込先巣鴨信用金庫店番号:002(大塚支店)預金種目:普通口座番号:0002105口座名:櫻井春彦
2020.11.23
COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)と名づけられた悪霊に怯えた人びとは主権やプライバシーを放棄、経済は麻痺し、社会は収容所化している。そのCOVID-19が初めて見つかったと言われている場所が中国の武漢だ。その中国からWHO(世界保健機関)に対し、原因不明の肺炎患者が見つかったと報告されたのは昨年12月31日のこと。1月23日から4月8日まで人の移動が厳しく制限されている。 その武漢で5月から6月にかけて6歳以上の住民1000万人(全住民の92%)を調査した結果、新たな発症者は見つからず、症状の出ていない感染者がSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)を広めることを示す証拠も見当たらないとしている。これが事実なら、マスクの着用や感染者の隔離を強制する根拠がないことになる。 SARS-CoV-2の場合、隔離は有効でないとする報告もある。前にも書いたことだが、アメリカのマサチューセッツ内科外科学会が発行している医学雑誌、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに掲載された論文によると、SARS-CoV-2の感染拡大を抑えるうえで隔離政策は意味がない。 この研究はアメリカ海兵隊の新兵を被験者して実施された。1848名は自宅で外出しない生活を2週間続けた後に閉鎖された大学のキャンパスで2週間にわたり、監視付きの隔離生活を送り、初日、7日目、そして14日目にqPCR(定量PCR)検査を実施、隔離生活を送らない1554名の検査結果と比較している。隔離生活を送った1848名の累計陽性者数は51名(2.8%)だったのに対し、隔離されなかった1554名の陽性者は26名(1.7%)だった。陽性者の9割は症状が見られなかったという。 また、イタリアのミラノ癌研究所とシエナ大学の研究者が実施した血液サンプルの調査によると、2019年9月にはSARS-CoV-2がイタリアに存在していたとされている。2019年9月から20年3月にかけて肺癌のスクリーニング試験を行うために採取された959名の血液サンプルを分析した結果、111名のものにコロナウイルスの抗体が存在し、23名は2019年9月に感染したというのだ。 イタリアのISS(高等衛生研究所)は今年6月、下水からSARS-CoV-2の遺伝子の痕跡が発見されたと発表していた。ミラノとトリノの下水は昨年12月18日に採取されたもの、ボローニャは今年1月に採取されたものだという。 SARS-CoV-2に感染しながら無症状の人はウイルスを広めないにもかかわらず多くの人がそのウイルスを保有、しかも武漢でCOVID-19の患者が発見される前からそのウイルスがイタリアに存在していたということになると、地球規模で人類は以前からSARS-CoV-2を体内に持っていた可能性がある。徳島大学の大橋眞名誉教授が紹介していた「常在ウイルス説」は無視できないだろう。
2020.11.22
2011年3月11日、東電の福島第一原発で炉心が溶融するという深刻な事故があり、環境中に大量の放射性物質が放出されたが、この件でWHO(世界保健機関)は積極的に発言していない。SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)ではパンデミックを宣言、世界が収容所化する切っ掛けを作った。WHOとはそうした機関だ。 本ブログでは以前にも書いたことだが、WHOとIAEAは1959年、ある合意文書に調印している。その第1条第3項の規定により、一方の機関が重大な関心を持っている、あるいは持つことが予想されるテーマに関するプログラムや活動の開始を考えている場合、プログラムや活動を考えている機関はもうひとつの機関に対し、問題を調整するために相談しなければならない。 つまり、IAEAの許可がなければ、WHOは放射線の健康被害に関して発表することはできない。放射線被害の問題でWHOに期待することはできないということだ。SARS-CoV-2の騒動でWHOや有力メディアはマスクの着用を求めているのだが、福島第一原発の事故でそうしたことはなかった。 福島第一原発から放出された放射性物質の総量はチェルノブイリ原発事故の1割程度、後に約17%に相当すると発表されているが、その算出方法に問題があると指摘されている。 計算の前提では、圧力抑制室(トーラス)の水で99%の放射性物質が除去されることになっているのだが、この事故では水が沸騰していたはずで、放射性物質の除去は無理。トーラスへの爆発的な噴出で除去できないとする指摘もある。そもそも格納容器も破壊されていた。 原発の元技術者、アーニー・ガンダーセンは少なくともチェルノブイリ原発事故で漏洩した量の2~5倍の放射性物質を福島第一原発は放出したと推測している(アーニー・ガンダーセン著『福島第一原発』集英社新書)が、10倍程度だと考えても非常識とは言えない。 放出された放射性物質が住民の上に降り注いでいたことを示す証言もある。例えば医療法人の徳洲会を創設した徳田虎雄の息子で衆議院議員だった徳田毅は事故の翌月、2011年4月17日に自身の「オフィシャルブログ」(現在は削除されている)で次のように書いている: 「3月12日の1度目の水素爆発の際、2km離れた双葉町まで破片や小石が飛んできたという。そしてその爆発直後、原発の周辺から病院へ逃れてきた人々の放射線量を調べたところ、十数人の人が10万cpmを超えガイガーカウンターが振り切れていたという。それは衣服や乗用車に付着した放射性物質により二次被曝するほどの高い数値だ。」 12日の午後2時半頃にベント(排気)した、つまり炉心内の放射性物質を環境中へ放出したとされているが、双葉町ではベント前に放射線量が上昇していたと伝えられている。そして午後3時36分に爆発。 建屋の外で燃料棒の破片が見つかるのだが、この破片についてNRC(原子力規制委員会)新炉局のゲイリー・ホラハン副局長は2011年7月28日に開かれた会合で、発見された破片は炉心にあった燃料棒のものだと推測できるとしている。マンチェスター大学や九州大学の科学者を含むチームは原子炉内から放出された粒子の中からウラニウムや他の放射性物質を検出した。 また、事故当時に双葉町の町長だった井戸川克隆によると、心臓発作で死んだ多くの人を彼は知っているという。セシウムは筋肉に集まるようだが、心臓は筋肉の塊。福島には急死する人が沢山いて、その中には若い人も含まれているとも主張、東電の従業員も死んでいるとしている。 放射性物質の大半は太平洋側へ流れていったと見られているが、夏になるとベーリング海やチュクチ海で生息するアザラシの間で奇病が発生していると伝えられた。無気力で新しい毛が生えず、皮膚病も見つかったという。 この件について、アラスカ大学の研究者がひとつの仮説をたてた。福島第一原発から大気中に放出された放射性物質は5日以内にベーリング海やチュクチ海に到達、海氷の上に蓄積されて東へ移動、その間、氷の上で生活するアザラシなどが外部被曝や呼吸を通じて内部被曝した可能性があるというもの。出産なども氷の上で行うので、その時にも被曝する。放射性物質が食物連鎖の中に入るのは氷が溶けた後ということだ。 そのほか、カナダではニシンのひれ、腹部、あご、眼球などから出血が報告され、サケへも影響が出ている疑いがあり、ヤマトシジミに遺伝的な異常が出たとする調査結果もある。アメリカの西海岸ではヒトデに異常が報告されている。また、昨年末にはユタ州でハクトウワシが原因不明の奇病で数週間に20羽が死亡しているようだ。 また事故直後に福島第一原発の沖で被曝したアメリカ海軍の空母ロナルド・レーガンの乗組員の間で甲状腺癌、睾丸癌、白血病、脳腫瘍といった症状が出とされている。 福島第一原発の事故に関し、日本では政府も東京電力もマスコミも重要な事実を隠し、人びとをミスリードしてきた。 チェルノブイリ事故による癌による死者数をWHOは9000人、IARCは1万6000人、キエフ会議は3万から6万人、グリーンピースは9万3000人と見積もっている。IAEAやWHOなどで編成されたチェルノブイリ・フォーラムでさえ、「放射線被曝にともなう死者の数は、将来ガンで亡くなる人を含めて4000人である」としている。 しかし、実態ははるかに深刻だとする報告もある。アメリカのニューヨーク科学アカデミーから出版された『チェルノブイリ:大災害の人や環境に対する結果』だ。この報告書によると、チェルノブイリ原発事故による影響で死んだ人や胎児は98万人に達し、健康などにも影響が出ているという。 放射能汚染は日本にとっても深刻な問題のはずだが、政府は勿論、マスコミも事実の隠蔽に加担。「新型コロナウイルス」では恐怖キャンペーンを続けているマスコミだが、原発に関しては安全キャンペーンを繰り広げていた。 ウイルス対策としてマスコミは現在、マスクの着用を求めているが、微小粒子に付着した放射性物質対策としては着用を求めていない。この違いの中に「新型コロナウイルス」の本質が隠されていると言えるだろう。
2020.11.22
SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)に感染していることが確認された人が急増しているとマスコミが盛んに宣伝している。PCR検査(ポリメラーゼ連鎖反応)で陽性になった人の数が増えているということだが、「重症急性呼吸器症候群」の患者は増えているのだろうか。 毎年、冬はインフルエンザのシーズンであり、風邪の患者も増える。鼻水、咳、発熱などの症状が出てくる人も増えるわけだが、今年は「新型コロナウイルス」への恐怖感が刷り込まれているため、PCR検査を患者は望み、医者も勧めるということになり、陽性者数が急増することは予測されていた。その予想通りの展開になっているようだ。 アメリカの場合、2020年から21年にかけての時期にCDC(疾病管理予防センター)はインフルエンザの流行状況を調べず、発表しないとしているので、COVID-19(コロナウイルス感染症-2019)の数字に紛れ込む可能性はある。 早い段階から指摘されていたが、COVID-19の場合、どの国でも死亡した人の大半が高齢者で、心臓病、高血圧、脳卒中、糖尿病、悪性腫瘍(癌)、肝臓や腎臓の病気を複数抱えていることが大半。こうした病気が死因でもPCR検査で陽性になれば、あたかもCOVID-19で死んだかのように発表されていた。 本ブログでは繰り返し書いてきたように、アメリカの場合は露骨な水増しがあったようだ。例えばアメリカのスコット・ジャンセン上院議員は4月8日にFoxニュースの番組に出て、病院では死人が出ると検査をしないまま、死亡診断書に新型コロナウイルスと書き込んでいると話していた。COVID-19に感染していたとすれば、病院が受け取れる金額が多くなることが大きいという。 こうした状況になっていることは医療の現場から告発されていた。検査態勢が整っていない病院では、勿論、検査せずに死因を新型コロナウイルスにしているという。卒中などで倒れた人を速やかに集中治療室へ入れるためにはそうする必要があり、病院の経営としてもその方が良いからだ。不適切な人工呼吸器の使用が病状を悪化させているする告発もある。こうした声を有力メディアやインターネットで大きな影響力を持つ巨大企業によって封印されてきた。(例えばココやココ) アメリカほど露骨ではないが、ヨーロッパでも患者数、死亡者数が水増しされてきたと指摘されている。イタリアでは健康省の科学顧問を務めるウォルター・リッチアルディがSARS-CoV-2を直接的な原因として死亡した人数は死者全体の12%だとしていたほか、ビットリオ・スガルビ議員は、このウイルスが原因で死亡したとされる患者のうち96.3%の死因は別にあると主張していた。 ドイツの場合、SARS-CoV-2の危険性は通常のレベルを超えていないとし、戒厳令的な政策を推進したことは間違いだとする内務省の報告書がリークされた。シュピーゲル誌によると、内務省はこの文書についてステファン・コーンという内務省の官僚が個人的に書いたものにすぎないと弁明しているが、実際は同省のKM4というチームが作成したという。 イギリス政府も当初はSARS-CoV-2に過剰反応するべきでないと考えていた。3月11日にWHO(世界保健機関)はパンデミックを宣言したものの、3月19日にはCOVID-19をHCID(重大感染症)から外している。ボリス・ジョンソン英首相がロックダウン(監禁政策)を宣言したのは3月23日のことだ。 アメリカの支配者がパンデミックに言及したのは遅くとも2005年のことである。パンデミックを原因とする国際的な緊張の高まりを想定した報告書をCIAが作成しているのだ。その前、2002年から03年にかけて中国の広東省や香港を中心にコロナウイルスによってSARS(重症急性呼吸器症候群)が発生している。 WHOは2009年1月から10年8月にかけて「新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)」が流行した際にパンデミックを宣言したが、その直前にパンデミックの定義を変更している。WHO側は定義の変更を否定しているが、深刻な死者数の存在が定義から外されたようだ。このパンデミックがインチキだということが間もなく判明する。 インチキ宣言の翌年、2010年の5月にロックフェラー財団とGBN(グローバル・ビジネス・ネットワーク)は「技術の未来と国際的発展のためのシナリオ」を公表、2012年に新型インフルエンザのパンデミックが起こり、全人口の20%近くが感染、7カ月で800万人が死亡、その多くは健康な若者だと想定、このパンデミックで人や物資の国際的な移動が止まり、旅行業のような産業や販売網にダメージを与えるというシナリオをその中に書いている。実際、2012年にはMERS-CoV(中東呼吸器症候群)がサウジアラビアに出現したが、大流行には至らなかった。 さらにマスクの着用、公共施設やマーケットの入り口における体温の測定が強制され、そうした管理、監視体制はパンデミックが去った後も続くのだが、その一方で市民は安全と安定を得るため、自らの主権やプライバシーを放棄すると見通していた。西側の有力メディアや政府は、そのシナリオ通りのことを行っている。 そして2018年9月12日には欧州委員会とWHO(世界保健機構)が共同でグローバル・ワクチン接種サミットを開催、22年にはワクチンを接種したかどうかを示すカード/パスポートを導入しようと計画、実際、強制的にワクチンを接種させようという動きがある。 2002年にSARSが出現、2009年の「新型インフルエンザ」、2012年のMERS-CoVと続くが、SARS-CoV-2のような騒動にはならなかった。かといって、SARS-CoV-2の病毒性が強いわけではない。このウイルスに感染しても9割は症状が見られず、その存在が確認されたと言い難いようだ。SARS、「新型インフルエンザ」、MERS-CoVと違い、SARS-CoV-2は有力メディアが大々的な恐怖キャンペーンを展開している。このキャンペーンがなければ、大多数の人は気にもとめなかっただろう。
2020.11.21
現在、SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の検出にPCR検査(ポリメラーゼ連鎖反応)が利用されているが、その方法を開発し、ノーベル化学賞を受賞したキャリー・マリスはPCRをウイルスの検査に使ってはならないと語っていた。ただ、この科学者は昨年8月7日に肺炎で死亡しているので、COVID-19(コロナウイルス感染症-2019)騒動についてコメントすることはできない。 勿論、PCR検査でSARS-CoV-2の存在を証明できるかどうかという議論はSARS-CoV-2の存在が前提になっているのだが、PCR検査でウイルスを検出することができないだけでなく、誰もSARS-CoV-2を分離できていないとする主張がスペインの医学雑誌に掲載された。 実は、日本にもSARS-CoV-2の存在は証明されていないと言い続けている学者が存在する。徳島大学名誉教授の大橋眞だ。確実なことは遺伝子構造が中国のグループから発表され、この遺伝子構造を使ってPCR検査が始まったということだけだとしている。 この遺伝子構造が正しいかどうかの確認、病原性や伝播性についての実証実験がなされていないと指摘、病原体の存在は未だに科学的に証明されていないとしている。WHO(世界保健機関)は中国人科学者の発表をそのまま受け入れている。WHOに対するアメリカに次ぐ高額寄付者はビル・アンド・メリンダ・ゲーツ財団だ。 日本における伝染病対策の中心は国立感染研究所であり、PCR検査のデータもそこへ集められていた。この研究所はかつて国立予防衛生研究所(予研)と呼ばれていた。予研が設立されたのは1947年だが、その歴史は私立衛生会附属伝染病研究所(伝研)が作られた1892年までさかのぼれる。1916年に東京帝国大学附属伝染病研究所となり、その教授や助教授の半数が予研所員となった。 東京帝国大学は1930年代から京都帝国大学や陸軍の軍医学校と共に病原体を兵器として使う研究開発を進めていた。その研究開発で生体実験を行うために中国で部隊が編成される。当初は加茂部隊や東郷部隊と呼ばれたが、1941年からは第731部隊と呼ばれている。東京帝大で病原体を研究していた伝研も重要な役割を演じることになり、その人脈は予研、感染研に引き継がれたわけだ。 第731部隊の隊長は1936年から42年、そして日本の敗戦が決定的になっていた45年3月から敗戦までが石井四郎、その間、42年から45年2月までを北野政次が務めている。1945年8月には関東軍司令官の山田乙三大将の名前で部隊に関連した建物は破壊され、貴重な資料や菌株は運び出された。捕虜の多くは食事に混ぜた青酸カリで毒殺されたが、事態に気づいて食事をとならなかった者は射殺され、死体は本館の中庭で焼かれ、穴の中に埋められたという。 1950年6月に朝鮮戦争が勃発するとアメリカ軍は輸血体制を増強する必要に迫られ、その年の11月に「日本ブラッドバンク」が設立される。その時に中心的な役割を果たした内藤良一は軍医学校防疫研究室に所属していた人物。1964年にこの会社はミドリ十字へ社名を変更、北野は同社の役員になった。ミドリ十字は薬害エイズやフィブリノゲン問題を引き起こした。その後、同社は合併を繰り返して現在は田辺三菱製薬に含まれている。 本ブログでは繰り返し書いてきたように、日本へ逃げ帰った石井は自宅でCIC(アメリカ陸軍対諜報部隊)の尋問を受けているが、厳しいものではなく、石井の娘によると、GHQ/SCAPのG-2(情報部門)を率いていたチャールズ・ウィロビー少将と夕食を一緒に食べるまでになる。それ以降、同少将は石井たちの擁護者となった。(Peter Williams & David Wallace, “Unit 731”, Free Press, 1989) 1947年にはアメリカ陸軍の生物化学兵器の拠点であるメリーランド州のキャンプ・デトリック(後のフォート・デトリック)からノーバート・フェルという研究者がやって来て、第731部隊の幹部を尋問しているが、その直前、厚木基地からほど近い倉庫でアメリカ軍極東医療分隊に所属する「406医療一般研究所」が活動を開始、後に丸の内の三菱ビル内に本部を移した。朝鮮戦争中、この部隊は戦闘地域へ要員を派遣している。(Stephen Endicott & Edward Hagerman, "The United States And Biological Warfare", Indiana University Press, 1998) フォート・デトリックは現在でも生物化学兵器開発の拠点だが、昨年夏、数カ月にわたって施設が閉鎖されたと伝えられている。廃液に絡む安全上の問題が発覚したことが原因のようだが、詳細は不明だ。 アメリカ国防省にはDARPA(国防高等研究計画局)やDTRA(国防脅威削減局)という機関も存在する。この2機関は2018年からコロナウィルスのコウモリからヒトへの感染に関する研究を進めていたと言われている。 DARPAは大学と共同研究もしているが、そうしたひとつがアメリカのデューク大学。このデューク大学と共同で武漢大学は昆山杜克大学を設立している。 COVID-19の患者が最初に見つかったとされる武漢には細菌に関する研究をしていた武漢病毒研究所もあった。この研究所は米国テキサス大学のガルベストン・ナショナル研究所やカナダのNML(ナショナル細菌研究所)と共同で細菌に関する研究を実施、タミフルやレムデシビルを開発したギリアド・サイエンシズともつながる。 NMLは2019年3月に中国へ非常に毒性の強いウィルスを秘密裏に運びこみ、中国当局から抗議されたとも言われているが、この輸送をカナダ政府は容認していたともいう。そして7月には中国のウイルス学者がNMLから追い出された。 一連のコロナ騒動で中国に人びとの関心を向けさせようとしている人もいるが、武漢の大学や研究所はアメリカ軍とも関係がある。しかもアメリカにはパンデミックを利用して支配構造を劇的に変化させようというプランもあった。 知られている中で最も古いものは2005年に出されたCIAの報告書。中国や東南アジアのような動物と近接した地域で人が密集して生活している地域でパンデミックが起こり、もし2020年までにこの伝染病が現れたなら、国の内外で緊張が高まり、戦乱が広がるとしている。 2010年にはロックフェラー財団とGBN(グローバル・ビジネス・ネットワーク)が「技術の未来と国際的発展のためのシナリオ」と題された報告書を公表した。 そのシナリオによると、2012年に新型インフルエンザのパンデミックが起こり、全人口の20%近くが感染して7カ月で800万人が死亡、人や物資の国際的な移動が止まり、旅行業のような産業や販売網は大きなダメージを受けるとしている。 さらにマスクの着用、公共施設やマーケットの入り口における体温の測定が強制され、そうした管理、監視体制はパンデミックが去った後も続くと推測。当然、そうした状態を支配層は継続させようとするが、それでなく、市民は安全と安定を得るために自らの主権やプライバシーを放棄するとしている。実際、そうした展開になっている。 SARS-CoV-2が存在しないのなら、症状が出ているのはなぜかということになるが、その症状はインフルエンザと区別がつかない。死亡者の多くは深刻な持病を持っていることもわかっている。 何らかの理由で免疫力が低下して常在ウイルスが増殖、肺炎などを起こす可能性が指摘されているが、これはエイズの発症パターンに似ている。PCRを開発したキャリー・マリスはHIVがエイズを引き起こすという定説に懐疑的だったことでも知られている。
2020.11.20
ジョー・バイデンは大統領就任に向けて移行チームを編成、このうち国防省を23名が担当し、その3分の1は軍事と関係の深いシンクタンクに所属しているという。その中心になっているキャスリーン・ヒックスはバラク・オバマ政権で国防総省の首席副次官を務め、CSIS(戦略国際問題研究所)の副所長に就任した人物。このほかCSISからは上級フェローのメリッサ・ドルトンとアンドリュー・ハンターが参加している。JPモルガンの外交顧問でもあったリサ・ソーヤーもこのシンクタンクに所属していた。 CSISは1962年にジョージタウン大学の付属機関として設立されたのだが、創設に関わったレイ・クラインはその年からCIAの副長官を務めている。創設当初からCSISはCIAと関係が深いわけだが、その事実が知られるようになったことから1987年に大学は研究所との関係を解消した。なお、クラインは1966年のWACL(世界反共連盟、後のWLFD/世界自由民主連盟)創設にも関わっている。この創設には児玉誉士夫、笹川良一、岸信介という日本人も深く関係していた。 その後、CSISはネオコンの拠点のひとつとして知られるようになるが、ジェネラル・ダイナミックス、レイセオン、ノースロップ・グラマン、ロッキード・マーチンなどの軍需産業、あるいは石油企業から資金の提供を受けていることでも有名。日本のマスコミがこの研究所のメンバーを登場させてきた理由は言うまでもないだろう。 またエリー・ラトナーやスザンナ・ブルームはCNAS(新アメリカン・セキュリティー)のメンバー。このシンクタンクもノースロップ・グラマン、ロッキード・マーチン、レイセオンのような軍需産業や石油企業から資金を受け取っている。国務省もスポンサーだ。副大統領が予定されているカマラ・ハリスはここからアドバイスを受けていた。 国防総省系シンクタンクのRANDからはステイシー・ペティジョン、テリー・タニエリアン、クリスティーヌ・ウォーマスが参加している。この3名はいずれもオバマ政権で国防総省の幹部だった。 これだけで戦争ビジネスの世界から9名がバイデンの移行チームに参加していることになる。ヒラリー・クリントンと同じようにバイデンも戦争ビジネスと深く結びついているわけだ。しかもヒラリーは国連大使になるという噂がある。 そのほかバイデンの側近として、副大統領時代に国家安全保障担当補佐官だったコリン・カール、オバマ政権で財務省の上級顧問を務めたエリザベス・ローゼンバーグ、国防次官だったミシェル・フラワノイ、そして元CIA副長官のアブリル・ヘインズも知られている。フラワノイは国防長官に就任するという噂もある。 バイデンは軍事関係に女性を多用しているが、いずれも帝国主義的な考え方をしているように思える。そもそもオバマと同じ政策を採用すれば、侵略、破壊、殺戮を繰り広げることになる。そうした政策を女性で誤魔化すつもりかもしれないが、問題の本質は軍事戦略そのもの。強欲に労働者から略奪する新自由主義の問題を人種差別で誤魔化そうとしているのと同じ手口を使うつもりのようだ。 ドナルド・トランプが国家安全保障補佐官に据えたマイケル・フリン元DIA局長はオバマ政権のテロリスト支援工作を熟知、民主党や有力メディアから激しく攻撃され、就任から約1カ月で解任されたが、バイデンの軍事や安全保障の担当者に対してそうしたことは起こりそうもない。
2020.11.19
アメリカ、オーストラリア、インド、そして日本の4カ国の海軍が北アラビア海で艦隊演習を11月17日から始めた。演習の中心はアメリカ海軍の空母ニミッツとインド海軍の空母ヴィクラマーディティヤだ。この4カ国は11月3日から6日にかけてベンガル湾でも軍事演習を実施している。自衛隊はアメリカの戦争マシーンにしっかり組み込まれた。 アメリカ軍は2018年5月に太平洋軍をインド・太平洋軍へ変更、太平洋からインド洋にかけての海域を一体のものとして扱うことを明確にした。日本を太平洋側の拠点、インドを太平洋側の拠点にし、インドネシアが領海域をつなぐという構想だ。 ユーラシア大陸の周辺部を支配し、内陸部を締め上げるという長期戦略戦略がイギリスやアメリカにはある。この戦略をハルフォード・マッキンダーは1904年に発表したが、実際は19世紀から始まっているように思える。ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もその理論に基づいている。 締め上げるターゲットは中国やロシア/ソ連。制圧して略奪しようということだが、ロシア/ソ連を支配できればアングロ・サクソンが世界の覇者になると考えていた。 1991年12月にソ連が消滅した際、アメリカは唯一の超大国になったとネオコンなどが喜んだのはそのためであり、21世紀にロシアを曲がりなりにも再独立させたウラジミル・プーチンを彼らが憎むのもそのためだ。 ネオコンはロシアを屈服させるためにロシアとEUを分断しようと考え、2014年にウクライナでネオ・ナチを利用してクーデターを成功させた。同じ年の9月から12月にかけてはイギリスと手を組み、香港で佔領行動(雨傘運動)を仕掛けて中国を揺さぶろうとした。 しかし、この強硬策は裏目に出る。ロシアと中国が接近して戦略的同盟関係に入り、それまでアメリカと友好的な関係にあった中国はアメリカから離れていく。カネ儲けさせておけば中国人はアメリカに従属すると思い込んでいた人も少なくないようだが、それは間違いだった。 その後、中国は一帯一路(BRI/帯路構想)を推進。そのうち「海のシルクロード」は東シナ海からインド洋、アラビア海を経由してアフリカやヨーロッパへつながる。その海路を断ち切ることがインド・太平洋軍の役割であり、今回の艦隊演習はその意思を誇示することにあるのだろう。 ユーラシア大陸を囲む三日月帯は西端のイギリスからイスラエル、サウジアラビア、インドを通り、東端が日本。アヘン戦争で勝利しても中国を占領できなかったイギリスの傭兵的な役割を果たすことになるのが日本にほかならない。 明治維新後、日本は琉球を併合し、台湾に派兵して侵略の拠点を整備し、1875年には朝鮮の要衝、江華島へ軍艦を派遣して挑発、大陸に橋頭堡を築くことに成功した。 現在、似たようなことをアメリカは行っている。自衛隊は与那国、石垣、宮古、奄美へ活動範囲を広げ、アメリカは台湾での軍事演習に参加させるためだとして海兵隊の部隊を派遣。そして韓国に対する締め付けを厳しくしている。 安倍晋三は首相だった2015年6月、赤坂にある赤坂飯店で開かれた懇親会で「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの」と口にしたと伝えられているが、安倍は日本の立場を理解していた。そうした日米の動きを中国が理解していることは言うまでもない。
2020.11.18
アメリカの大統領選挙はまだ続いている。投票用紙が不適切な形で廃棄され、再集計の過程で明らかなドナルド・トランプ票をジョー・バイデン票としてカウントしているとする告発もある。疑惑に対して慎重に対処しているとは言えそうにない。支配層の内部で決まったことかもしれないが、トランプの支持者は抵抗を続けていると言えそうだ。 しかし、民主党や有力メディアは不正疑惑を封印してジョー・バイデン政権の誕生に向かって走り始めた。国連大使としてヒラリー・クリントンの名前も挙がっている。バイデンが失脚した場合、副大統領になると噂されている人物だ。 そうした中、SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の感染者が増えているとしてロックダウンやそれに準ずる政策を推進する国が増えている。人びとの行動を制限、監視体制を強化、経済活動を麻痺させ、社会を収容所化しようとしているわけだが、こうした政策を推進しているグループはバイデンを担いでいるグループと重なる。 アメリカの大統領選挙にしろ、SARS-CoV-2の問題にしろ、大半の人びとは西側の有力メディアによる宣伝を信じているようだが、その実態がCIAの拡声器にすぎないことは本ブログでも具体的に指摘してきた。西側の有力メディアとCIAの緊密な関係を明らかにしたジャーナリストのひとり、カール・バーンスタインはウォーターゲート事件でワシントン・ポスト紙の取材で中心になった記者だ。 2003年にアメリカ主導軍がイラクを先制攻撃する口実として大量破壊兵器の話が広められたが、その偽情報を流したのも西側の有力メディアだった。2011年3月に東電の福島第一原発が炉心溶融という大事故を引き起こし、人を含む環境を放射性物質で汚染したが、その時も嘘を平然と垂れ流した。 そうした有力メディアがアメリカの大統領選挙やSARS-CoV-2では事実を伝えていると考えることは愚かすぎる。プロパガンダ機関としての役割は現在も基本的に変化していないわけで、そうした有力メディアに情報を頼る重い意味を自覚しなければならない。
2020.11.18

アメリカのマサチューセッツ内科外科学会が発行している医学雑誌、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに掲載された論文によると、SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の感染拡大を抑えるうえで隔離政策は意味がなく、感染者の9割は症状がでないようだ。 この研究はアメリカ海兵隊の新兵を被験者として実施された。1848名は自宅で外出しない生活を2週間続けた後に閉鎖された大学のキャンパスで2週間にわたり、監視付きの隔離生活を送り、初日、7日目、そして14日目にqPCR(定量PCR)検査を実施、隔離生活を送らない1554名の検査結果と比較している。隔離生活を送った1848名の累計陽性者数は51名(2.8%)だったのに対し、隔離されなかった1554名の陽性者は26名(1.7%)だった。 SARS-CoV-2対策として少なからぬ国がロックダウン(監禁政策)を実施したが、例外的にその政策を採用しなかったスウェーデンの状況は実施国に比べて悪い結果は出ていない。そうしたことからロックダウンは有効でないと考える人が少なくないのだが、今回の論文はそれを確認した形だ。 これまでロックダウンとワクチンを受け入れさせるため、西側の有力メディアはCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)を悪霊のように描いてきた。悪霊に怯える人びとは安全と安定を求めて自らの主権やプライバシーを放棄する。 COVID-19の場合、どの国でも死亡した人の大半が高齢者。心臓病、高血圧、脳卒中、糖尿病、悪性腫瘍(癌)、肝臓や腎臓の病気を複数抱えていることが大半だということは早い段階から指摘されていたが、人びとを脅すためには死亡者数を膨らませなければならず、有力メディアは全て「新型コロナウイルス」が死因であるかのように伝えていた。 アメリカの場合、スコット・ジャンセン上院議員によると、病院は死人が出ると検査をしないまま(できないまま)死亡診断書にCOVID-19と書き込んでいると話していた。COVID-19の患者を治療すると病院が受け取れる金額が多くなり、人工呼吸器をつけるとその額は3倍になるからだという。 ロックダウンやそれに準ずる政策で人びとの行動は制限され、監視体制が強化されてきた。その結果、経済活動は麻痺して倒産や失業者が急増、自殺者も増えている。人びとのつながりは断ち切られて孤立、社会は収容所化しつつある。こうした実態をロックダウンの推進者も知っているはず。支配者がロックダウンを推進する目的はCOVID-19を押さえ込むことでなく、社会と民主主義の破壊にあると考えるべきだ。
2020.11.17
イタリアのミラノ癌研究所とシエナ大学の研究者が実施した血液サンプルの調査よると、2019年9月にはSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)がイタリアに存在していたという。2019年9月から20年3月にかけて肺癌のスクリーニング試験を行うために採取された959名の血液サンプルを分析した結果、111名のものにコロナウイルスの抗体が存在し、23名は2019年9月に感染したとしている。 イタリアのISS(高等衛生研究所)は今年6月、下水からSARS-CoV-2の遺伝子の痕跡が発見されたと発表していた。ミラノとトリノの下水は昨年12月18日に採取されたもの、ボローニャは今年1月に採取されたものだという。中国の武漢で患者が確認されたのは12月だとされていたが、そうなるとイタリアには武漢と同じ時期に感染者がいたことになってしまう。 武漢に患者が初めて現れたのは11月17日頃とも言われているが、そうなると、武漢で10月18日から27日にかけて開催された国際的な軍人の競技会に疑惑の目が向けられてしまう。その大会にはアメリカ軍も選手団を派遣、その競技者は172名、全体では369名だったという。 アメリカ軍はフォート・デトリックを拠点にして細菌化学兵器を研究開発してきた。第2次世界大戦の直後、その基地にはドイツや日本の研究者や資料が持ち込まれたと言われている。 日本軍が生物兵器の研究開発の一環として生体実験を目的とする部隊を編成したのは盧溝橋事件の直前で、当初は加茂部隊や東郷部隊とも呼ばれたが、1941年からは第731部隊と呼ばれている。この部隊の隊長を1936年から42年、そして45年3月から敗戦まで務めたのは石井四郎中将、1942年から45年2月までは北野政次少将だ。 日本軍の降伏が間近に迫っていた1945年8月に部隊は関連施設を破壊して貴重な資料や菌株は運び出す一方、監獄に残っていた捕虜は皆殺しにした。日本へ逃げ延びた石井たちは1946年に入るとアメリカ軍の対諜報部隊CICの尋問を受けているが、厳しいものではなく、資料はアメリカ側へ引き渡されている。尋問の過程でGHQ/SCAPの情報部門G2の部長を務めていたチャールズ・ウィロビー少将と石井は親しくなり、隊の幹部たちはアメリカの保護を受けるようになった。 第731部隊の幹部はアメリカ軍に保護されたわけだが、日本の生物化学兵器開発を主導したのは東京帝国大学、京都帝国大学、陸軍軍医学校で、特に重要な役割を果たしたのは東京帝大に附属した伝染病研究所。この人脈が中心になって1947年に国立予防衛生研究所(予研)が設立され、現在は国立感染症研究所と呼ばれている。現在、日本の伝染病対策は感染研が中心になっている。 伝染病研究所の人脈は1950年11月、朝鮮戦争で増える血液需要に対応するため、日本ブラッドバンクを設立した。その時に中心的な役割を果たした内藤良一は軍医学校防疫研究室に所属していた人物。1964年にこの会社はミドリ十字へ社名を変更、731部隊の北野は同社の役員になった。ミドリ十字は薬害エイズやフィブリノゲン問題を引き起こした後、合併を繰り返して現在は田辺三菱製薬に含まれている。 SARS-CoV-2の問題でもフォート・デトリックは注目されている。昨年夏、この施設は数カ月にわたって閉鎖されたと伝えられているのだ。廃液に絡む安全上の問題が発覚したことが原因のようだが、詳細は不明。その際、何らかの病原体が環境中に出た可能性もある。 アメリカでは2019年から20年にかけてインフルエンザが例年以上に流行していたが、インフルエンザの症状はSARS-CoV-2が引き起こす症状と基本的に同じで、区別することが難しい。流行状況はCDC(疾病管理予防センター)が調査、発表するのだが、今シーズンはインフルエンザに関するデータを集めないのだという。 現在、欧米の支配者はSARS-CoV-2が引き起こすCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)を悪霊のように描き、人びとを恐怖させ、世界を「リセット」しようとしている。 ロックダウン(監禁政策)やそれに準ずる政策によって社会や民主主義を破壊、人びとに主権やプライバシーを放棄させようとしている。リセット後の「新しい生活様式」では市場と道徳が柱になり、監視システムが強化され、人びとは分断される。富の集中を当然だと考えられ、貧富の差を拡大させる政策に反対する意見は「ねたみ」にすぎないと言われるようになるだろう。 そうした「新しい生活様式」を実現するため、人びとをCOVID-19で脅さなければならない。イラクを先制攻撃する前に「大量破壊兵器」という作り話で人びとを脅したのと同じであり、脅す仕組みも基本的に変化はない。あのときと同じように、大多数の人びとが支配者の描くシナリオに従うのだろう。
2020.11.17
歴史の節目になる出来事がある。1963年11月22日のジョン・F・ケネディ大統領暗殺がそうした出来事のひとつだということは間違いないだろう。あと6日でそれから57年ということになる。 テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授(経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイスの息子)によると、アメリカの軍や情報機関の好戦派は1963年後半にソ連を先制核攻撃する計画を立てていた。そのタイミングでケネディ大統領は暗殺されたわけだ。 この攻撃計画は「冷戦」が原因ではない。ソ連を殲滅したいという願望が冷戦を生み出したと言うべきだろう。 第2次世界大戦中、アメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領が反ファシストだったのに対し、イギリスのウィンストン・チャーチル首相はロスチャイルドをスポンサーとする反コミュニストだった。ドイツがソ連へ攻め込んでいたとき、西側が圧倒的に手薄だったドイツにイギリスが攻め込まなかったのはそのためだ。 動き出すのはドイツ軍がスターリングラードでの戦いで敗北、1943年2月に降伏してから。その年の5月に米英の首脳は会談、7月にシチリア島上陸作戦を敢行した。その際、コミュニスト対策でマフィアと手を組んでいる。 スターリングラードでドイツ軍の主力が降伏した段階で第2次世界大戦の帰趨は決したのだが、そのまま戦争を終えると反ファシストのルーズベルト大統領がドイツに対して厳しい姿勢に出るだけでなく、ファシストと裏で手を組んでいたウォール街(金融資本)の責任を問うことが予想された。 勿論、そうした展開にはならなかった。金融資本の代理人、つまりウォール街の弁護士でOSSの幹部だったアレン・ダレスたちが大統領に無断でドイツ側と接触して善後策を協議、その間は戦争を継続させた。ドイツが降伏するのはルーズベルトが急死した翌月の1945年5月のことだ。 その直後、チャーチルはJPS(合同作戦本部)に対してソ連を奇襲攻撃するための作戦を立てるように命令、7月1日にアメリカ軍64師団、イギリス連邦軍35師団、ポーランド軍4師団、そしてドイツ軍10師団で「第3次世界大戦」を始めるという内容のアンシンカブル作戦が提出されている。この作戦が実行されなかったのは参謀本部が拒否したからだと言われている。(Stephen Dorril, “MI6”, Fourth Estate, 2000) 第2次世界大戦中、アメリカでは原子爆弾の開発が進められていた。マンハッタン計画だが、それを統括していたアメリカ陸軍のレスニー・グルーブス少将は1944年、ポーランドの物理学者ジョセフ・ロートブラットに対し、計画は最初からソ連との対決が意図されていると語ったという。(Daniel Ellsberg, “The Doomsday Machine,” Bloomsbury, 2017) 1945年7月16日にアメリカのニューメキシコ州にあったトリニティ実験場でプルトニウム原爆の爆発実験が実施され、成功した。副大統領から大統領に昇格していたハリー・トルーマンは原子爆弾の投下を7月24日に許可し、広島と長崎へ投下されたのである。この後、対ソ連戦の軸は核攻撃へ移行する。 1945年8月15日に天皇の声明、いわゆる「玉音放送」とか「終戦勅語」と呼ばれるものが日本人に対して発表されたが、それから半月ほど後にローリス・ノースタッド少将はグルーブス少将に対し、ソ連の中枢15都市と主要25都市への核攻撃に関する文書を提出した。9月15日付けの文書ではソ連の主要66地域を核攻撃で消滅させるには204発の原爆が必要だと推計、そのうえでソ連を破壊するためにアメリカが保有すべき原爆数は446発、最低でも123発だという数字を出した。(Lauris Norstad, “Memorandum For Major General L. R. Groves,” 15 September 1945) ガルブレイス教授によると、キューバ侵攻作戦に失敗した3カ月後の1961年7月、ベルリンで緊張が高まる中、軍や情報機関の幹部はNSC(国家安全保障会議)でケネディ大統領に対し、1963年後半に先制核攻撃を実施する計画について説明した。そのタイミングなら十分な数のICBMを準備でき、しかもソ連は対抗手段の準備ができていないと主張したのだが、大統領から拒否されている。(Peter Janney, “Mary’s Mosaic,” Skyhorse, 2013) 1961年11月にケネディ大統領はキューバの体制を不安定化させる目的でマングース作戦を承認している(William Colby, “Honorable Men”, Simon & Schuster, 1978)が、そのタイミングでCIAのアレン・ダレス長官や秘密工作部門の責任者だったリチャード・ビッセル計画局長を解任、チャールズ・キャベル副長官も62年1月に辞めさせられている。 1962年8月にCIAの偵察機U2がキューバに対空ミサイルSA2の発射施設があることを発見した。当時、国防長官を務めていたロバート・マクナマラは1998年のインタビューで、約162発の核弾頭がキューバへすでに持ち込まれていて、そのうち約90発は軍事侵略してくるアメリカ軍に対して使われる戦術核だった。 カーチス・ルメイを中心とする軍の強硬派はケネディ大統領に対し、運び込まれたミサイルを空爆で破壊すべきだと主張するが、それを大統領は退け、10月22日にテレビでキューバにミサイルが存在する事実を公表、海上封鎖を宣言した。戦略空軍はDEFCON3(通常より高度な防衛準備態勢)へ引き上げ、24日には一段階上のDEFCON2にする一方、ソ連を空爆する準備をしている。 ソ連軍の潜水艦が輸送船を警護していたが、アメリカ海軍の空母ランドルフを中心とする艦隊の駆逐艦ビールが10月27日にソ連の潜水艦に対して爆雷を投下した。 攻撃を受けた潜水艦の副長は参謀へ連絡しようとするが失敗、アメリカとソ連の戦争が始まったと判断した艦長は核魚雷の発射準備に同意するようにふたりの将校に求めた。たまたま乗り合わせていた旅団参謀が発射の同意を拒否したので核魚雷は発射されなかったが、その威力は広島に落とされた原爆と同程度で、もし発射されていたなら、現場にいたアメリカの艦隊は全滅、核戦争に突入した可能性が高い。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012 / Daniel Ellsberg, “The Doomsday Machine,” Bloomsbury USA, 2017) この危機を外交的に解決したケネディ大統領は1963年6月10日にアメリカン大学の卒業式で「平和の戦略」と呼ばれる演説を行い、パックス・アメリカーナを否定した上でソ連と平和共存する道を歩き始めると宣言した。その5カ月後にケネディ大統領はテキサス州ダラスで暗殺された。 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎に対する攻撃も歴史の節目になった出来事。それを利用してアメリカの支配者は国内でファシズム化を進め、国外で侵略戦争を本格化させた。今年3月11日にWHOが行ったパンデミック宣言はこれに匹敵する出来事だ。
2020.11.16
欧米の支配者は「リセット」に向かって動き始めている。彼らにとってドナルド・トランプ米大統領はすでに「過去の人」なのだろう。そうした認識のためなのか、トランプと対立していたひとりであるシリア特使のジェームズ・ジェフリーはシリアを不法占拠しているアメリカ軍について語り、話題になっている。 シリアに侵入しているアメリカ軍の数は一般に言われているよりかなり多く、トランプも騙されていたという。トランプが戦争に消極的だと言うことは知られていたようで、2016年8月、共和党の国家安全保障関係者が彼を「リスク」だと批判していた。 トランプが国家安全保障問題の顧問に据えていたマイケル・フリンは元DIA局長で、2012年にバラク・オバマ大統領の政策はシリアにサラフィ主義者の支配地域を作り出すと警告していた人物。これは本ブログで繰り返し書いてきた。フリンを民主党や有力メディアだけでなくトランプの周辺が攻撃したのはそのため。トランプは2017年1月にフリンを国家安全保障補佐官に据えるが、1カ月足らずでフリンは辞任に追い込まれた。 トランプは2018年12月にアメリカ軍をシリアから撤退させる方針を示したが、その際に政府の内部からも反発があった。国防長官を務めていたジェームズ・マティスは抗議のために辞任し、マイク・ペンス副大統領、ジョン・ボルトン国家安全保障補佐官、マイク・ポンペオ国務長官、そしてジェフリーも撤退の問題で大統領と対立していた。 2016年の大統領選でトランプはロシアとの関係修復を打ち出していた。バラク・オバマ政権はロシアとの関係を悪化させ、ヒラリー・クリントンはその政策を引き継ぐと見られていた。その理由は21世紀に入り、ロシアは曲がりなりにも自立に成功していたことにある。 ソ連を消滅させ、ロシアを屈服させたことを前提にしてポール・ウォルフォウィッツらが世界制覇プロジェクトを作成したのは1992年2月。その直後からアメリカの有力メディアはそのプロジェクトを支援、まずユーゴスラビアを攻撃するべきだというプロパガンダを展開したが、ビル・クリントン政権の第1期目はその戦略を採用しなかった。そうした中、展開されたのが彼の女性スキャンダル。その背後にはCIAやネオコンが存在、1972年の大統領選挙で民主党の候補だったジョージ・マクガバンを潰す工作に参加した人物の名前も出てきた。 この選挙でジョン・F・ケネディに近いマクガバンが候補者に選ばれたことに民主党の幹部はショックを受けたと言われている。そこで党内に誕生したのが「CDM(民主多数派連合)」。その中心的な存在がヘンリー・ジャクソン上院議員だった。 リチャード・パイプスが顧問を務めていたジャクソン議員の事務所へはシオニストの若者が送り込まれ、訓練を受けていた。その中にはポール・ウォルフォウィッツやリチャード・パールも含まれていた。このふたりを含め、ジャクソンの事務所を経た若者は後にネオコンの中心的な存在になる。 マクガバン潰しに暗躍した人物の工作もあり、ビル・クリントンは第2期目に政策を大きく変更する。その象徴的な出来事が国務長官の交代だった。1997年1月に戦争に消極的だったクリストファー・ウォーレンからヒラリー・クリントンと親しい好戦派のマデリーン・オルブライトへ替わったのだ。 オルブライトの「師」はズビグネフ・ブレジンスキーとモートン・アブラモウィッツであり、彼女が親しくしていた人物のひとりがブルッキングス研究所の研究員だったロイス・ライス。このロイスの娘が後に安全保障問題担当大統領補佐官に就任するスーザン・ライスだ。 オルブライトの父親はチェコスロバキアの元外交官で、アメリカへ亡命してデンバー大学で教鞭を執ているが、そのときの教え子の中にコンドリーサ・ライス、つまりジョージ・W・ブッシュ政権で国務長官を務めた人物がいる。 マクガバン潰しの成功は共和党の候補者だったリチャード・ニクソンが大統領になること意味するのだが、そのニクソンはデタント(緊張緩和)を打ち出し、ウォーターゲート事件で失脚する。 この事件ではワシントン・ポスト紙が重要な役割を果たした。取材は若手記者だったカール・バーンスタインとボブ・ウッドワードが中心になって行われたが、ウッドワードは少し前まで海軍の情報将校で記者としては素人に近い。事実上、取材はバーンスタインが行ったと言われている。 そのバーンスタインはニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。CIAは有力メディアに対して大きな影響力を持っているというのだ。 その記事によると、それまで20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、そのうち200名から250名が記者や編集者など現場のジャーナリストで、残りは、出版社、業界向け出版業者、ニューズレターで働いていた。また1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977) その後、この記事を補強する報道、出版があり、CIAの情報操作プロジェクト、モッキンバードの存在も明らかにされた。そのプロジェクトの中心にいたのはアレン・ダレス、フランク・ウィズナー、リチャード・ヘルムズ、そしてフィリップ・グラハムである。 ダレス、ウィズナー、ヘルムズは第2次世界大戦中にOSS(アメリカの戦時情報機関でCIAの前身)で活動、大戦後にはCIAでも中心的な役割を演じた。このうちダレスとウィズナーはウォール街の弁護士で、ヘルムズの祖父であるゲーツ・マクガラーは国際決済銀行の頭取。1942年にグラハムは空軍へ入隊、OSSの長官だったウィリアム・ドノバンの補佐官を務めているが、このドノバンもウォール街の弁護士だ。 グラハムは入隊の前、1940年にキャサリン・メイヤーと結婚しているが、彼女の父親は世界銀行の初代総裁である。モッキンバード時代のフィリップはワシントン・ポスト紙の社主。ウォーターゲート事件当時の社主はキャサリンだ。 ウォーターゲート事件でニクソンが失脚した後にジェラルド・フォードが副大統領から昇格、新政権は政府内からデタント派を追い出している。このフォード政権でネオコンは表舞台に出てきた。政党の違いは関係ないということだ。 ところで、2016年の大統領選で民主党の幹部はトランプの前にバーニー・サンダースを潰しに行く。その工作はヒラリー・クリントンらの電子メールが表に出たことで発覚、サンダース支持者を怒らせることになった。1972年の大統領選挙と似ているところがある。その流れからすると、次はトランプ潰しということだ。 ヒラリーらの電子メールの内容から人びとの関心をそらす意味もあり、始められたのが「ロシアゲート」のキャンペーン。この工作を始めたのはCIA長官だったジョン・ブレナンだ。当時のCIA文書が公開されることをブレナンや彼の仲間は恐れている。
2020.11.15
アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は11月16日にパリでエマニュエル・マクロン大統領やジャン-イブ・ル・ドリアン外相と会談する予定だが、その席でフランス側はアメリカ軍がアフガニスタンやイラクから撤退しないように求めるという。 現在、中東から北アフリカにかけての地域は戦乱が広がり、破壊、殺戮、略奪の場。そうした状況を作り出しす切っ掛けは、アメリカ主導軍によるイラクへの先制攻撃だ。アメリカ主導軍でイラクを先制攻撃したのである。大統領はジョージ・W・ブッシュだった。 その攻撃でサダム・フセイン体制を破壊することには成功したが、親イスラエル派の政権を樹立することには失敗。そこで次のバラク・オバマ大統領は2010年8月にPSD-11を出し、中東から北アフリカにかけての地域を制圧するためにムスリム同胞団を中心とする戦闘集団を編成することにした。そこにサラフィ主義者も加わっている。そして始まったのが「アラブの春」と呼ばれたクーデターであり、リビアやシリアでは侵略戦争に発展した。 ムスリム同胞団やサラフィ主義者を中心とするジハード傭兵を利用する侵略にはアメリカ以外の国も参加している。アメリカと同盟関係にあるイスラエルやサウジアラビア、サイクス・ピコ協定コンビのイギリスとフランス、パイプラインの建設でシリアと対立したカタール、オスマントルコの復活を目論んでいたと言われるトルコなどだ。カタールとトルコは2016年頃に離脱への道を選ぶが、傭兵との関係から抜け切れていない。 サイクス・ピコ協定は石油資源に目をつけたイギリスとフランスが1916年に結んだもので、フランスのフランソワ・ジョルジュ・ピコとイギリスのマーク・サイクスが中心的な役割を果たした。トルコ東南部、イラク北部、シリア、レバノンをフランスが、ヨルダン、イラク南部、クウェートなどペルシャ湾西岸の石油地帯をイギリスがそれぞれ支配することになっていた。後に協定へ参加した帝政ロシアは1917年3月の二月革命で倒される。 協定が結ばれた翌月にイギリスはオスマン帝国を分解するためにアラブ人の反乱を支援。工作の中心的な役割を果たしたのはイギリス外務省のアラブ局で、そこにサイクスやトーマス・ローレンスもいた。「アラビアのロレンス」とも呼ばれている、あのローレンスだ。 ローレンスが接触していたフセイン・イブン・アリにイギリスのエジプト駐在弁務官だったヘンリー・マクマホンは書簡を出し、その中でイギリスはアラブ人居住地の独立を支持すると約束している。フセイン・マクマホン協定だ。このイブン・アリを追い出したイブン・サウドを中心として1932年に作られた国がサウジアラビアだ。 その一方、イギリスのアーサー・バルフォア外相はロスチャイルド卿に宛てに出した書簡の中で、「イギリス政府はパレスチナにユダヤ人の民族的郷土を設立することに賛成する」と約束している。1917年11月のことである。なお、この書簡を実際に書いたのはアルフレッド・ミルナーだと言われている。 シオニストの一派で米英金融資本と結びついているネオコンは1980年代からイラク、シリア、イランの体制を転覆、親イスラエル体制を中東全域に広める計画をたてていた。そこにリビアが加えられた理由はアフリカ支配の問題からだ。 言うまでもなく、アフリカは欧米、特にイギリスやフランスの植民地として搾取されてきた。イギリスやフランスの支配システムはアフリカを搾取できなくなると崩壊する。独立は容認できないということだ。 ところが、リビアのムアンマル・アル・カダフィはアフリカの自立を目論み、通貨の発行権を取り戻そうとした。ドル体制から離脱し、独自の金貨を発行しようとしたのだ。「アラブの春」がなぜ引き起こされたかを考える場合、この事実を忘れてはならない。 この構想にはチュニジア、エジプト、スーダン、南スーダン、赤道ギニア、コンゴ、コンゴ民主共和国、ガボン、南アフリカ、ウガンダ、チャド、スリナム、カメルーン、モーリタニア、ザンビア、ソマリア、ガーナ、エチオピア、ケニア、タンザニア、モザンビーク、コートジボワール、イエメン、アルジェリア、アンゴラ、ナイジェリアが加わろうとしていたようだ。(F. William Engdahl, “Hillary Emails, Gold Dinars and Arab Springs,” NEO, 17 March 2016) アフリカにはCFAフランを利用している国もある。フランスも通貨を支配することで甘い汁を吸っていた。フランスにとってもリビアのカダフィは排除すべき存在だったのだ。 フランスのリビア侵略は2010年10月に始まっている。リビア政府の儀典局長が機密文書を携えてフランスのパリへ亡命、ニコラ・サルコジ仏大統領の側近やフランスの情報機関と接触したところから始まっているのだ。 11月にサルコジ大統領は「通商代表団」をベンガジに派遣、その中に潜り込んでいた情報機関や軍のスタッフはメスマリから紹介されたリビア軍の将校と会っている。この頃、フランスとイギリスは相互防衛条約を結んだ。 リビアより1カ月遅れてスタートしたシリア侵略はイギリスが主導している。ロラン・デュマ元フランス外相によると、彼は2009年にイギリスでシリア政府の転覆工作に加わらないかと声をかけられたという。声を掛けてきたふたりが誰かは語られていないが、ニコラ・サルコジ政権やフランソワ・オランド政権がシリアでの平和を望んでいないとデュマに判断させるような相手だったという。 また、シリア駐在のフランス大使だったエリック・シュバリエによると、西側のメディアやカタールのアル・ジャジーラがシリア政府が暴力的に参加者を弾圧していると伝えていた当時、実際は限られた抗議活動があったものの、すぐに平穏な状況になったことが調査で判明していたという。リビアでも西側メディアが宣伝したような弾圧はなかった。 フランスのマクロン政権は国防長官が交代した後のドナルド・トランプ政権を恐れているようだ。クリストファー・ミラー国防長官代理の上級顧問として雇われたダグラス・マグレガーはポンペオ国務長官やジョン・ボルトン元国家安全補佐官はイスラエル・ロビーからカネを受け取り、大金持ちになったと語っている。 こうした話をするとことから考えると、マグレガーは親イスラエル派ではないのかもしれない。支持勢力を失ったトランプが最後にシオニストの意向を無視した政策を打ち出すのだろうか?
2020.11.15
イギリスのボリス・ジョンソン首相がビル・ゲイツや巨大医薬品会社のCEO(最高経営責任者)10名と会談したと伝えられている。11月9日にCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)向けワクチンの有効性を主張したファイザーとイギリス政府は4000万回分のワクチンを購入する契約を結んだともいう。 ビル・ゲイツと妻のメリンダが設立、このふたりとウォーレン・バフェットが運営しているビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団はワクチンの接種を推進しようとしてきた。その口実に使われているのがパンデミック(感染爆発)だ。 かつて、パンデミックは感染の広がりだけでなく深刻な死者数が定義の中に含まれていたのだが、それをWHO(世界保健機関)は削除している。その定義変更があったので、WHOは2009年1月から10年8月にかけて「新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)」が流行した際にパンデミックを宣言することができたのだ。 パンデミック宣言の前年、2008年9月にアメリカの大手投資会社リーマン・ブラザーズ・ホールディングズが連邦倒産法の適用を申請していた。いわゆるリーマン・ショックだが、この会社だけが破綻していたのではなく、アメリカの金融システムが破綻寸前だった。リーマンの倒産を利用して金融システムを助けたのだ。 破綻の裏では金融機関の違法行為があり、本来なら法律に則って処分しなければならなかったのだが、アメリカ政府は「大きすぎた潰せない」ということで金融機関を救済、「大きすぎて罪に問えない」ということでその責任者を不問に付してしまった。豚インフルエンザの流行は金融破綻の問題から人びとの関心をそらす働きをしたと言えるだろう。 WHOのパンデミック宣言は事務局長ではなく、SAGE(戦略諮問専門家グループ)が行う。そのメンバーは過半数が大手薬品メーカーやビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団と緊密な関係にあることが知られている。中でもオランダのアルベルトゥス・オステルハウスが製薬会社を大儲けさせるWHOの判断に重要な役割を果たした。 このSAGEが行ったパンデミック宣言はインチキだと見なされているが、そうしたインチキを可能にしたのがパンデミックの定義変更だった。その前、豚インフルエンザが流行する4年前の2005年、CIAはパンデミックを原因とする国際的な緊張の高まりを想定した報告書を作成している。この報告書が定義変更に影響した可能性は否定できない。 インチキ宣言の翌年、つまり2010年の5月にロックフェラー財団とGBN(グローバル・ビジネス・ネットワーク)は「技術の未来と国際的発展のためのシナリオ」を公表している。 そのシナリオによると、2012年に新型インフルエンザのパンデミックが起こり、全人口の20%近くが感染、7カ月で800万人が死亡、その多くは健康な若者だと想定、このパンデミックで人や物資の国際的な移動が止まり、旅行業のような産業や販売網にダメージを与えるとしている。 全ての市民を強制的に隔離した国はダメージが少ないとし、マスクの着用、公共施設やマーケットの入り口における体温の測定が強制され、そうした管理、監視体制はパンデミックが去った後も続くとしている。 そうした状態を支配層は権力を強化するために望むが、市民は安全と安定を得るため、自らの主権やプライバシーを放棄、電子技術の基盤が整備されている先進国では、全ての市民に生体認証が義務づけられる。 本ブログでも繰り返し書いてきたが、アメリカやEU、おそらく日本でもデジタルIDの導入が目論まれているが、これは2010年の報告書でも触れられていた。 こうしたパンデミックを軸にした動きはEUでも見られた。2018年9月12日には欧州委員会とWHO(世界保健機構)が共同でグローバル・ワクチン接種サミットを開催、22年にはワクチンを接種したかどうかを示すカード/パスポートを導入しようと計画しているのだ。 そして2019年10月18日にニューヨークでイベント201が開催され、コロナウイルスが全世界で流行するというシミュレーションが行われている。その主催者はジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターやビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団。そのシナリオでは、患者が1週間で倍増するというペースで感染は拡大、18カ月後までに6500万人が死亡することになっていた。 イベント201は中国の武漢で感染者が現れる1カ月ほど前、武漢で各国の軍人が集まって行われた競技大会が開幕する当日に実施されている。WEFは今年6月、資本主義の大々的なリセットを訴えた。 今回、COVID-19を悪霊とする脅しで重要な役割を果たしたのはワシントン大学のIHME(健康指標評価研究所)やイギリスのMRC GIDA(医学研究委員会グローバル感染症分析センター)。WHOのテドロス・アダノム事務局長はIHMEのメンバーだ。IHMEとMRC GIDAの背後にビル・アンド・メリンダ・ゲーツ財団が存在していることもわかっている。この財団はアメリカ政府に次ぐWHOへの高額寄付者だ。 アメリカの伝染病対策はNIH(国立衛生研究所)に所属するNIAID(国立アレルギー感染症研究所)が中心機関で、CDC(疾病管理予防センター)も重要な役割を果たすのだが、いずれもパンデミック宣言、ロックダウン、ワクチンという流れを望んでいる。それに抵抗してきたのがドナルド・トランプ大統領で、大統領の交代はパンデミックを口実にした「リセット」、つまりクーデターを実行しやすくする。日本でも緊急事態を宣言するべきだと主張する人が増えるかもしれない。
2020.11.14
中国の西部、新疆ウイグル自治区の周辺で活動しているETIM(東トルキスタン・イスラム運動)をアメリカのマイク・ポンペオ国務長官はテロ組織のリストから外した。10年以上の間、ETIMが存在することを示す信頼できる証拠がないという理由からだが、この組織はTIP(トルキスタン・イスラム党)、あるいはTIM(トルキスタン・イスラム運動)と名を変え、今でも存在、破壊活動を続けている。2年前にはCIAと歴史的に関係の深いVOAもその事実を認める記事を載せている。 新疆ウイグル自治区に住んでいるイスラム教徒は約1000万人と言われているが、その大半はテロリズムと無縁の生活をしている。その中へサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団が入り込み、ETIM、TIP、TIMといったタグをつけて破壊活動を展開してきたのだ。そうした組織に所属するウイグル人の中から5000名ほどがシリアへ傭兵として渡り、シリア政府軍と戦ってきたと推測されている。 アメリカの国務省はCIAとの関係が深いが、今回の決定はへサラフィ主義者やムスリム同胞団を利用し、中国で破壊活動を活発化させる布石なのかもしれない。 有力メディアが次期大統領に指名したジョー・バイデンはバラク・オバマ政権で副大統領を務めた。そのオバマ大統領は2010年8月にPSD-11を出し、中東から北アフリカにかけての地域を制圧するためにムスリム同胞団を中心とする戦闘集団を編成、そこにサラフィ主義者も加わった。そして始まったのが「アラブの春」と呼ばれたクーデターであり、リビアやシリアでは侵略戦争に発展した。バイデンがジハード傭兵で侵略戦争を始めても不思議ではない。 その一方、ドナルド・トランプ現大統領はマーク・エスパー国防長官を解任してクリストファー・ミラーを後任に据え、その上級顧問としてダグラス・マグレガーを雇い入れると言われている。 エスパーは陸軍士官学校の出身だが、2010年にはミサイルの製造で有名な大手軍事企業、レイセオンの副大統領に就任した人物。それに対してマグレガーはアフガニスタンからの即時撤退を主張してきた。これまでトランプはシリア、イラク、アフガニスタンからの撤兵を口にしながら実行できないできたが、任期の終了を目前にしてアフガニスタンからアメリカ軍を引き揚げる可能性が出てきた。 中東ではサウジアラビアの動向も注目すべきだろう。ムハンマド・ビン・サルマンは2017年6月に皇太子となったが、これはアメリカの大統領選挙と関係が深いと言われている。2015年の段階で次期大統領に内定していたのはヒラリー・クリントンで、それを前提にして同年4月からムハンマド・ビン・ナーイフが皇太子を務めていたのだ。 そのビン・ナーイフをビン・サルマンは軟禁したと言われているが、その後、2017年11月にビン・サルマン皇太子は大規模な粛清を実施、王族、閣僚や元閣僚、軍人などサルマン皇太子のライバルやその支持者と目される人々を拘束、資産を奪った。ビン・ナーイフの拘束はCIAを怒らせたとも言われている。 今年3月にはムハンマド・ビン・ナーイフ、アーメド・ビン・アブドラジズ、ナーイフ・ビン・アーメド・ビン・アブドラジズが逮捕されたが、ビン・サルマン皇太子はアメリカと共謀してクーデターを目論んだからだとしている。この主張が事実なら、アメリカ大統領がバイデンに交代した場合、ビン・サルマンの立場は厳しいものになるだろう。
2020.11.13
ナゴルノ・カラバフの領有を巡って軍事衝突していたアゼルバイジャンとアルメニアは11月9日、ロシアの仲介で停戦に合意した。アゼルバイジャンはトルコやイスラエル、アルメニアはジョージ・ソロス(つまり米英金融資本)との関係が深いのだが、仲裁に入ったのはロシアで、平和維持部隊として1960名を派遣しはじめたという。 アゼルバイジャンはイスラエルからドローンなどの武器/兵器を調達、ネゲブにあるイスラエル空軍の基地にアゼルバイジャンの輸送機が着陸するところも目撃されている。 それに対し、アルメニアへはクルド人戦闘員2000名が送り込まれたという。同国のニコル・パシンヤン首相は2018年のクーデターで実権を握ったのだが、そのクーデターの黒幕は投機家のジョージ・ソロス。アルメニアへクルド人部隊を送り込んだのはこのソロスだ。 ジョージ・W・ブッシュ大統領は2003年3月にアメリカ主導軍でイラクを先制攻撃、ネオコンの戦略に基づいてサダム・フセイン体制を崩壊させたものの、親イスラエル体制の樹立には失敗、ムスリム同胞団やサラフィ主義者をジハード傭兵として使う戦術に変更した。 その戦術変更を引き継ぐ形でバラク・オバマは2010年8月にPSD-11を出し、中東から北アフリカにかけての地域を制圧するためにムスリム同胞団を中心とする戦闘集団を編成する。そこにはサラフィ主義者も加わった。 このジハード傭兵の部隊はアル・カイダ系とも言えるが、こうした部隊とNATOの航空兵力が連携してリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制を2011年10月に破壊したが、シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒せない。そこでオバマ政権は2012年からジハード傭兵への支援を強化、そして作り出されたのがダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)。2014年にこの戦闘集団は売り出され、残虐性が宣伝された。 その残虐なダーイッシュを叩くという名目でシリアへ軍事侵攻することを目論んだのであろうオバマ政権は陣容を好戦派に切り替えていく。つまり2015年には2月に国防長官をチャック・ヘーゲルからアシュトン・カーターへ、9月には統合参謀本部議長がマーチン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代させた。 ヘーゲルは戦争に慎重だったが、カーターは2006年にハーバード大学で朝鮮空爆を主張した人物。シリアからバシャール・アル・アサド大統領を排除しようとしていたバラク・オバマ大統領とは違い、サラフィ主義者やムスリム同胞団を危険だと考えていたデンプシーはシリア政府と情報を交換していたと言われている。 アメリカ軍、あるいはNATO軍の軍事侵攻は時間の問題だと見られていたが、デンプシーが退役した直後の9月30日、ロシアはシリア政府の要請を受けて軍事介入、ダーイッシュを敗走させはじめ、アメリカは大規模な軍事介入できなくなった。 そこでオバマ政権はアメリカ軍の地上部隊をシリアへ侵入させる一方で、敗走したダーイッシュに替わってクルドを使い始める。そのクルドをソロスはアルメニアへ派遣したわけである。ロシアとイランに挟まれた地域でクルドとジハード傭兵が戦うという事態をロシアは容認できなかっただろう。
2020.11.12
大手医薬品のファイザーは11月9日、同社がドイツのBioNTechと共同で開発しているCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)向けワクチンは有効だと発表した。両社はすでにワクチン供給でアメリカ政府と19億5000万ドルの契約を結んでいて、EU、イギリス、カナダ、日本へも提供することで合意しているという。ただ、今回の発表では詳しいデータが明らかにされていないので、発表内容の信頼度は不明だ。 このワクチンはmRNAを利用して開発されている。DNAの遺伝情報がmRNAに転写され、その遺伝情報に従って特定のタンパク質が合成されるのだが、その仕組みの中に侵入して情報を書き換えることができるようになり、可能になった技術だ。その技術を開発した人物がハーバード大学の准教授だったデリック・ロッシ。2010年にモデルナ・セラピューティクス(現在のモデルナ)を創設した。 この技術は安全性に疑問があるとも言われ、細胞の中にどのようなタンパク質でも発現させられるという問題もある。人間のDNAを書き換える技術とも言えるからだ。 ファイザーとBioNTechの発表があった11月9日、ブラジルの保健当局は中国が開発したワクチンの治験を中止したことを明らかにした。治験に参加していたひとりが死亡したからだというが、この人物は自殺で、ワクチン接種との因果関係はないとみられている。ブラジルのジャイール・ボルソナーロ大統領は中国を敵視している人物だということもあり、これは政治的なものだと見る人も少なくない。 COVID-19向けのワクチンは同時並行的に開発されている。ワクチン開発で先行しているのはロシアだと言われているが、あまり情報は流れていない。アストラゼネカとオックスフォード大学が共同で開発したワクチンの治験に参加していたブラジル人が死亡したと伝えられているほか、ジョンソン・アンド・ジョンソンのワクチンでは治験者が原因不明の病気に罹って試験を中断したともされている。そうした中、西側の国々はファイザーとBioNTechにすり寄っている。 ところで、そのファイザーで副社長を務めていたマイク・イードンによると、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査で陽性と判定された人の半数、あるいは大半が擬陽性だという。同じことを主張する専門家は少なくない。
2020.11.12
テロ行為を口実として、欧州連合理事会は暗号化された通信文にアクセスする権限をプロバイダーに求めようとしていると伝えられている。アメリカやイギリスの情報機関はこれまでも通信を傍受してきたが、それをEUは合法化しようとしているわけだ。 通信の電子化が進んでいなかった時代、通信は封書が中心だったが、その封書をCIAは開封していた。その工作を指揮していたのはアレン・ダレスの側近で、ファシストやイスラエルと緊密な関係にあったジェームズ・ジーザス・アングルトンだが、その工作が発覚して1974年12月にCIAを辞めている。 1965年4月にインテルサット1号が打ち上げられてから通信衛星を利用した情報のやりとりが増大するのだが、それは通信傍受の進歩を伴った。アメリカの電子情報機関NSAは1966年にFROSTINGというプログラムを開始、そこからECHELONという通信傍受システムが作り出された。そのシステムは1988年にダンカン・キャンベルが明るみに出している。このECHELONの傍受は全地球の通信が対象で、全てが記録されているという。(Duncan Campbell, 'Somebody's listerning,' New Statesman, 12 August 1988) アングルトンは秘密工作の発覚で辞任に追い込まれたのだが、1970年代には様々な情報機関の秘密工作が浮上している。そうした工作を調査するため、1975年1月にアメリカ上院では情報活動に関する政府の工作を調べる特別委員会が設置され、2月には下院で情報特別委員会が設置された。 上院の委員会で委員長を務めたフランク・チャーチ議員は1975年8月17日、NBCのミート・ザ・プレスという番組で、アメリカ政府の通信傍受能力はアメリカ国民に向けられる可能性があり、そうなると人々の隠れる場所は存在しない語っている。 この当時、CIAと有力メディアとの緊密な関係を明らかにされた。例えば、ウォーターゲート事件を追及したことで有名なカール・バーンスタインは1977年、ローリング・ストーン誌に「CIAとメディア」という記事を書いている。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977) その後、エレクトロニクス技術は急速に進歩、社会のコンピュータ化が進んだが、これは監視技術の進歩をもたらす。銀行のATMでカネを降ろせばその情報が銀行のシステムに記録され、クレジットカードを使えばその記録が残る。電子化の進んだ図書館なら何を読んだかが記録される。通信販売を利用しても記録は残る。個人の学歴、投薬記録、運転免許証のデータ、航空券の購入記録、住宅ローンの支払い内容、インターネットでアクセスしたサイトに関する記録などあらゆる個人データが収集、分析されている。スーパー・コンピュータを使い、膨大な量のデータを分析して「潜在的テロリスト」を見つけ出すシステムも開発されている。 また、GPSを搭載した携帯電話を持っていれば、それを持っている人の位置が記録され、どこで誰といつ会ったかが割り出されてしまう。IC乗車券の動きも追跡、記録される。街に張り巡らされたCCTVの性能も向上、顔を認識して特定の人物を追跡することが可能だ。 監視システムの強化にCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)も利用されている。感染者の近くにいることをブルートゥースの技術で察知し、その情報をスマートホンを通じて知らせるシステムが考えられたのだが、これは監視システムにほかならない。(ココやココやココ) そうした追跡システムが整備されたなら、COVID-19はコミュニスト、ナショナリスト、反戦派などに切り替えられる。システムを支配する人びとが危険だ、目障りだと考えるターゲットはみな「ウイルス」とみなされる。 アメリカを中心に次期米大統領はジョー・バイデンになるとする宣伝が繰り広げられているが、それと並行する形で監視システムが強化されている。年明け後、社会の収容所化はさらに進みそうだ。
2020.11.11
今回のアメリカ大統領選挙では終盤、ドナルド・トランプ大統領の発信する情報が検閲に引っかかっていた。検閲していたのは有力メディアやインターネット上の巨大な私的企業。COVID-19(コロナウイルス感染症-2019)に関する情報もロックダウン政策にとって好ましくない情報は規制されていた。 世界の収容所化を進めている人びとにとって都合の悪い情報だけでなく、アメリカ大統領の発言が強大な私的権力によって封じ込められたのである。本ブログでは繰り返し書いてきたが、フランクリン・ルーズベルトは1938年、強大な私的権力が政府を凌駕する力を持つ状態をファシズムと定義している。私的権力が民主的国家そのものより強大になることを人びとが許すなら民主主義は危機に陥ると警鐘を鳴らしたのだ。 トランプに問題があることは事実だが、アメリカ大統領であることは間違いなく、自身の言動でアメリカの実態を明らかにしたとも言える。そのトランプ、そしてCOVID-19を悪霊として描くことで政府や国際機関を上回る力を示している私的権力が存在する。その私的権力に担がれている人物がジョー・バイデンだ。バイデンはファシスト陣営にいるとも言える。
2020.11.10
大統領選挙での不正を法廷で明らかにすると主張しているドナルド・トランプの弁護団のひとり、ルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長は死人が郵便投票していると主張している。2011年に死亡したボクシングのヘビー級チャンピョンだったジョー・フレージャーは2018年に投票、2016年に死亡した俳優のウィル・スミスの祖父は2017年と18年に投票しているのだという。アメリカの投票に不正があるということは2000年の選挙から言われているので、こうした話が出てきても驚きではない。 2016年の選挙ではバラク・オバマがロシアとの関係を悪化させ、軍事的な緊張を高めた。その年の12月、任期を終える直前のオバマ大統領は外交官35名を含むロシア人96名を追放、ロシアとの関係をさらに悪化させ、軍事的な緊張を高めようとしているのだ。ヒラリー・クリントンはその政策を継承すると見られていた。 オバマ政権は2014年にウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを成功させている。ロシアとEUのつながりを断ち、ロシアから天然ガスのマーケットを奪うと同時に軍事的な圧力を加えようとしたのだが、ロシアと中国との接近を招くことになってしまう。 それでも2015年の段階ではヒラリーを次期大統領にすることで欧米の支配者は合意していたようだが、2016年2月10日に風向きの変化が明らかになる。ヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と会談したのだ。22日にはシリアにほいて停戦で合意している。その後、トランプが台頭してきた。 大統領選挙ではロシアとの関係修復を訴えたトランプだが、民主党や有力メディアからの攻撃もあり、公約が実行されたようには見えない。大統領をコントロールする仕組みが存在すると言えるだろう。 そのトランプが最大のスポンサーにしているカジノ経営者のシェルドン・アデルソンはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と親しい。そうしたこともあり、トランプはネタニヤフの意向に沿った政策を打ち出し、2017年12月にはエルサレムをイスラエルの首都だと認め、エルサレムへ大使館を移動させると宣言している。 しかし、この決定をトランプの独走ということはできない。アメリカには「1995年エルサレム大使館法」という法律があり、エルサレムをイスラエルの首都だと承認すべきで、1999年5月31日までにエルサレムにアメリカ大使館を設置すべきだとしているのだ。この法律は実行されなかったが、2017年6月5日に上院ではその法律を再確認する決議が賛成90、棄権10で採択されている。 バイデンもイスラエルを強く支持してきた政治家で、イラクへの侵略戦争に賛成しただけでなく、国内の収容所化も推進してきた。エルサレムからアメリカ大使館を移すこともないと今年4月に明言している。
2020.11.10
アメリカの大統領選挙に不正があったかどうかはともかく、ジョー・バイデンが次期大統領になる可能性は高いと言える。そのバイデンにはウクライナにおける汚職事件だけでなく女性スキャンダルもあり、それらを封印できなければ辞任せざるをえない状況に陥るかもしれない。 トランプの排除が確定したなら、バイデンのスキャンダルが噴き出す可能性がある。そうなった場合、弱者に厳しいカマラ・ハリスが大統領になるが、副大統領にはヒラリー・クリントンが納まるというという説もある。事実上のヒラリー政権だが、この人物が投機家で巨大金融資本と結びついているジョージ・ソロスから政策的な指示を受けていたことは漏洩した電子メールで判明している。 辞任を回避できたとして、その政策はバラク・オバマやヒラリー・クリントンのそれと似たものになるのだろう。本ブログではすでに書いたことだが、バイデンの側近チームのひとり、コリン・カールはバイデンが副大統領だった時の国家安全保障担当補佐官。エリザベス・ローゼンバーグはオバマ政権で財務省の上級顧問を務めた人物で、その当時、イラン、シリア、リビアに対する制裁を主張していた。 元CIA副長官のアブリル・ヘインズもバイデンの側近だが、この人物はオバマ政権でドローン(無人機)を使った暗殺作戦に深く関与、朝鮮に対する厳しい姿勢の背後にもいた。「血まみれジーナ」ことジーナ・ハスペル現CIA長官と親しいことでも知られている。オバマ政権で国防次官だったミシェル・フラワノイは、ヒラリー・クリントンが2016年の選挙で勝ったなら国防長官になったと言われている人物だ。 ヒラリーは上院議員の時代から軍需企業のロッキード・マーチンがスポンサーで、巨大金融資本とも関係が強い。勿論、親イスラエル派であり、ロシアとの軍事的な緊張を高めるような人物である。 軍事的な恫喝に屈しないロシアと軍事的な緊張を高めると言うことはロシアを核戦争で脅していることを意味する。2016年の大統領選挙でトランプはそれに反対し、ロシアとの緊張緩和を訴えたのだが、国家安全保障補佐官だったマイケル・フリンが2017年2月に解任された後、その公約は忘れ去られてしまった。 日本ではオバマが核兵器の廃絶に積極的であるかのようなことを言う人もいるが、彼は30年間に9000億ドルから1兆ドルを核兵器分野へ投入するという計画を2014年9月に打ち出している。口先ではともかく、実際のところ、核兵器の充実に熱心だった。 アメリカの次期政権が与えられる最大のテーマは「リセット」かもしれない。「パンデミック」を利用して資本主義を大々的にリセットするとWEF(世界経済フォーラム)の創設者であるクラウス・シュワブは今年6月に語っている。 パンデミックは人びとの行動を制限、生産活動を麻痺させ、少なからぬ企業の経営を悪化、さらに倒産させて、失業、ホームレス、そして自殺を増加させるといった深刻な社会問題を引き起こしている。 バイデンも信奉しているであろう新自由主義は社会の存在自体を否定し、富の集中を当然だと考え、貧富の差を拡大させる政策に反対する意見を「ねたみ」だと考える。 失業したなら、生きるため、男なら犯罪に手を染め、女性なら売春する人も増えるだろう。メーカーを借金漬けにできれば、借金の形として会社を乗っ取ることができ、絵に描いた餅にすぎない金融資産を実態のある資産へ変えることができる。富裕層にとってそうした状況は悪くない。
2020.11.09
アメリカの次期大統領を決める選挙の開票作業が続いている段階で有力メディアはジョー・バイデンの当選を宣言したが、ドナルド・トランプ大統領は敗北を認めていない。法廷闘争になるという見方もある。 カジノ経営者でイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と親しいシェルドン・アデルソンをトランプ大統領は最大のスポンサーにし、キリスト教系カルトの信者であるマイク・ペンス副大統領やマイク・ポンペオ国務長官の存在からキリスト教系カルトからも支援されてきたが、白人労働者に支持されていることも事実だろう。 新自由主義に基づく政策で1970年代からアメリカの製造業は衰退、職を失った労働者も少なくない。アメリカに残された仕事は低賃金のサービス産業が中心になり、富は1%に満たない人びとに集中、多くの人は貧困化している。それに対する不満がトランプ政権を生み出したと言えるだろう。 現在、アメリカ国内で対立が強まっている最大の理由は製造業の崩壊と労働者の貧困化にあると言え、その労働者の中にはヨーロッパ系の人びとも含まれる。それを「人種差別」で誤魔化そうとしているのがアメリカの支配者たちだ。 バイデンはシオニストという共通項を利用して共和党との融和を図るつもりかもしれないが、莫大な金融資産を保有する富豪と貧困化している人びとの対立を解消することはできないだろう。有力メディアを利用した幻術を機能させるために報道統制を強めているが、それが人びとの反発を強めている。 ジョージ・W・ブッシュとアル・ゴアが争った2000年の大統領選挙も法廷闘争になり、最高裁の決定でブッシュの勝利が決まった。この選挙では正体不明の「選挙監視員」による投票妨害が報告され、投票数のカウントに不正があるとも噂されていた。投票に使われた旧式の機械やバタフライ型投票用紙で投票が正確にカウントされていない可能性が指摘され、出口調査と公式発表との差も疑惑を呼んだ。 今回の選挙では開票作業の終盤、バイデン票が大きく伸びて逆転したようだが、その原因は郵便投票にあったと見られている。両候補が競っていたとされるミシガン州、ウイスコンシン州、ジョージア州、ペンシルベニア州、ノースカロライナ州で開票作業がペースダウン、あるいは止まったことも疑惑を深めた。そうした州のひとつ、ペンシルベニア州の知事によると、郵送による投票が100万票以上残っていると語っていたが、それがバイデンを勝たせることになったのだろう。 ところで、ブッシュ政権の時代にアメリカの支配システムは大きく変化した。国内では憲法の民主的な規定が機能不全になってファシズム化が進み、国外では軍事侵略が始まるのだが、その引き金は2001年9月11日に引き起こされたニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)への攻撃。この出来事に人びとがショックを受けている間にファシズム化や軍事侵略が始まったのである。 ブッシュが始めたイラクへの侵略戦争は親イスラエル体制を樹立することに失敗、イラク国民の意思が反映されて親イラン派の政権が誕生した。 本ブログでは繰り返し書いてきたが、シオニストの一派で巨大金融資本とつながっているネオコンは1980年代からイラク、シリア、イランを殲滅しようとしていた。イラクのサダム・フセイン政権を倒して親イスラエル派の体制を樹立、シリアとイランを分断してそれぞれ殲滅するという計画だ。 この計画は1991年の段階でも維持され、ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官によると、湾岸戦争の直後、国防次官だったポール・ウォルフォウィッツはイラク、イラン、シリアを殲滅すると口にしていたという。(3月、10月) しかし、フセインを排除しても親イスラエル派の体制は築けず、ブッシュ政権は方針を転換する。2007年にニューヨーカー誌に掲載されたシーモア・ハーシュの記事の中で、ジョージ・W・ブッシュ政権はシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラを最大の敵だと定め、スンニ派と手を組むことにし、スンニ派であるフセイン体制の残党と手を組んだとされている。 このスンニ派とは事実上、ムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を指しているが、「チェンジ」を標語にして大統領になったバラク・オバマは2010年8月にPSD-11を出し、アメリカへの従属度が足りない中東から北アフリカにかけての体制をムスリム同胞団を使って倒すプロジェクトを始め、戦闘集団が編成されるが、そこにはサラフィ主義者も加わった。 オバマ大統領は2015年に政府の陣容を好戦的なものに変える。つまり2月に国防長官がチャック・ヘーゲルからアシュトン・カーターへ交代、9月には統合参謀本部議長がマーチン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代したのだ。 その前年の8月に退役させられたマイケル・フリンDIA局長は2012年の段階でオバマ政権の政策はサラフィ主義者やムスリム同胞団を支援することになり、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にそうした勢力の支配地域を作ることになると警告していた。その警告通り、2014年にはダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)が売り出され、その残虐さが宣伝されている。 シリアなどのアメリカ占領軍を撤退させる意思を示したトランプ大統領への反発が強かったのは、ブッシュ政権やオバマ政権が始めた侵略戦争の継続にとってマイナスだと考える人びとがいるからだろう。 侵略戦争を推進してきた勢力はTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)の実現も目論んでいた。その目的は強大な私的権力が世界を支配する仕組みを作り上げることにあったはずだが、当初の思惑通りにはならなかった。その目的を達成するため、今利用されているのがCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)。この両方に反対を表明していたのがトランプだ。 しかし、ブッシュやオバマと同じように、トランプもシオニストのコントロール下にあり、任期の途中でロシアとの関係修復は忘れ去られてしまった。 オバマ政権の副大統領としてウクライナにおけるネオ・ナチを使ったクーデターで重要な役割を演じ、そのウクライナで汚職事件の容疑者になっているバイデンが大統領になっても、それでアメリカが民主的な国になることはありえない。
2020.11.08

北半球ではインフルエンザのシーズンに入った。例年、アメリカでは流行状況をCDC(疾病管理予防センター)が調査、発表するのだが、今年はデータを集めないのだという。 インフルエンザの症状はSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)が引き起こすCOVID-19(コロナウイルス感染症-2019)の症状と基本的に同じで、区別することが難しい。COVID-19がインフルエンザと違うのは、味覚や嗅覚をなくすことくらいだという。 アメリカに次ぐ額の寄付金をビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団から得ているWHO(世界保健機関)は今年3月11日にパンデミック(感染爆発)を宣言、「新型コロナウイルス」なる悪霊が世界を徘徊しはじめた。 この悪霊への恐怖を利用して強大な私的権力の少なくとも一部は世界を収容所化しようとしている。欧米の政府や有力メディアは感染拡大を宣伝、人びとに自らの主権やプライバシーを放棄させ、経済活動を麻痺させている。通常なら生産活動を続けられたにもかかわらず借金漬けになった企業の場合、金貸しに乗っ取られることになるだろう。 金貸し、つまり金融資本はすでに行き詰まっている。リチャード・ニクソン大統領が1971年8月にドルと金との交換停止を発表、ドル体制を支えるためにドルの回収システムを作り上げ、経済のカジノ化が進むのだが、その教義が新自由主義にほかならない。 金融カルトだとも言えるだろうが、政治学者のデイビッド・ハーベイによると、このカルトを広めるためにアメリカの大企業は年間9億ドルを政治家、学者、研究所、メディアなどへ撒いたという。カルトの伝道師がフリードリッヒ・ハイエクやミルトン・フリードマンなどで、彼らの政策は金融マジックにすぎない。 このマジックによって投機市場は肥大化、金融資産が膨らむが、この金融資産は絵に描いた餅にすぎない。何らかの事情で市場が縮小しはじめると一気に資産は消えていく。その予兆にも見えることが2008年9月に起こった。アメリカの大手投資会社リーマン・ブラザーズ・ホールディングズが連邦倒産法の適用を申請したのだ。 もっとも、これは破綻寸前の金融資本を救済するために仕掛けられたショックだとも考えられている。そのショックを利用し、アメリカ政府は「大きすぎた潰せない」という口実で金融機関を救済、「大きすぎて罪に問えない」ということでその責任者を不問に付した。 そうした政策で支配システムの腐敗はさらに進み、システムの維持は困難になりつつある。WEF(世界経済フォーラム)の創設者であるクラウス・シュワブは今年6月、「パンデミック」を利用して資本主義を大々的に「リセット」すると語っている。経済を麻痺させ、魅力ある企業を倒産させて乗っ取るということだろう。ボリス・エリツィン時代のロシアでシティやウォール街が行ったことだ。 リセットするためにはCOVID-19という悪霊で人びとを脅す必要がある。そのためにはインフルエンザも利用するつもりだろう。仕上げは怪しげなワクチンだ。
2020.11.07
イスラエルを後ろ盾と手するトニー・ブレアは1997年5月から2007年6月までイギリスの総理大臣を務めているが、その間にアメリカは国内におけるファシズム化と国外における侵略戦争を本格化させた。強大な私的権力が地球を支配する「新世界」の実現に向かって進み始めたのである。 歴史の流れを見ると、世界制覇のプランは19世紀にイギリスで考えられ、社会の収容所化は第2次世界大戦の直後からアメリカで始められているのだが、そうした計画がジョージ・W・ブッシュがアメリカ大統領に就任した直後から加速度的に進み始めたのだ。 そうした動きの背景には1991年12月のソ連消滅があり、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された出来事が引き金になったと言える。 ブッシュ政権は2001年に攻撃したのは「アル・カイダ」だと調査もせずに断定したが、この主張に疑問を持つ人は少なくない。旅客機の突入で強靱な高層ビルが爆破解体のように崩壊したという説明に説得力がなく、状況証拠は爆発物が仕掛けられたことを示している。攻撃を受けていない7号館(ソロモン・ブラザース・ビル)の崩壊は南北タワーの崩壊より奇妙だ。 その出来事の直後、公式的な説明に疑問を表明した建造物の専門家がいた。ABCのジョージ・ステファノポラスからインタビューで、「イラクは世界貿易センターを崩壊させなかった。イラクではなかった。ほかの連中だ。その連中が誰なのかを私はわかっていると思っている。あなたもそうかもしれない。」と語っている。その専門家とは、当時はデベロッパーだったドナルド・トランプである。 その際、トランプは1993年2月にノース・タワーの地下2階にあった駐車場が爆破された出来事を引き合いに出している。その爆破でコンクリートの床が破壊され、4階層に渡って幅30mの穴が空いているが、それでもビルはびくともしなかったと指摘、軽量化のために脆弱な構造の旅客機が突入しても崩壊しないと主張したのだ。燃料が燃えても鉄骨が溶けるようなこともない。 爆破説が出た直後、爆弾を仕掛けるためには工事が必要であり、気づかれるはずだと反論する人もいたが、実際、大規模な工事が行われている。1994年から2000年にかけて世界貿易センターではエレベーター・システムを改修、96年から2000年にかけては新しい治安システムを導入するための工事が実施されているのだ。 また、サウス・タワーにオフィスがあったフィデュシアリー・トラストのスコット・フォーブスによると、攻撃直前の9月8日から9日にかけて動力が落ち、50階から上は電力の供給がなくなるということがあったという。その影響で監視カメラやドアのセキュリティ・ロックも機能しなくなり、修理するために多くの技術者がタワーに出入りしていたという。ビルを倒壊させるために何らかの工作をするチャンスは十分にあったということだ。 しかも、ブッシュ政権が犯人だとした「アル・カイダ」なる武装集団は存在しない。これは本ブログでも繰り返し書いてきた。2001年6月から04年6月までイギリス外相を務めたロビン・クックが05年7月にガーディアン紙で書いたように、アル・カイダはCIAの訓練を受けたムジャヒディンの登録リスト、つまりジハード傭兵の名簿。そのリストに登録する戦闘員をリクルートすることがオサマ・ビン・ラディンの仕事だったのである。 オサマ・ビン・ラディンは自分たちが攻撃したのではないと語っていたが、ビン・ラディンは腎臓病を患い、人工透析が必要だったのだが、フランスのル・フィガロ紙によると、2001年7月4日から14日にかけて彼はドバイのアメリカン病院に入院している。ジャーナリストのティエリー・メッソンによると、彼は2001年12月15日に死亡したという。 2001年の終わりにビン・ラディンは死亡している可能性が高いのだが、バラク・オバマ政権は2011年5月2日にパキスタンのアボッタバードでアメリカ海軍の特殊部隊NSWDGが彼を殺害、死体は空母カールビンソンから海に葬られたと主張している。殺害や埋葬の目撃者は見当たらず、勿論、死体もない。 アメリカは2011年春からイギリスやフランスなどと共同でリビアやシリアへの戦争を始めていた。その時に地上軍として使ったのがムスリム同胞団やサラフィー主義者(ワッハーブ主義者やタクフィール主義者と渾然一体)を主力とするジハード傭兵の戦闘部隊。アル・カイダ系の戦闘集団とも言える。 リビアではアル・カイダ系武装集団の地上軍とNATOの航空兵力の連携が機能し、2011年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制が倒されたが、その際にNATO軍とアル・カイダ系武装集団LIFGの連携が明らかになってしまう。カダフィ体制が倒された直後、反カダフィ勢力の拠点だったベンガジの裁判所にアル・カイダの旗が掲げられたのは象徴的な出来事だった。(ココやココ)もしオサマ・ビン・ラディンが生きていることになっていたら、話題になっただろうが、その時点で象徴は消されていた。 トランプに限らず、2001年9月11日の攻撃にイラクが関与していないと考える人は少なくなかった。そこでブッシュ政権は「大量破壊兵器」の宣伝を繰り返したが、これも嘘だった。 その嘘を裏づける証拠だとされる「イラク大量破壊兵器、イギリス政府の評価」というタイトルの報告書をブレア政権は2002年9月に作成、メディアに流された。それをサン紙は「破滅から45分のイギリス人」というタイトルの記事にしている。その半年前、ブレア首相はアメリカのコリン・パウエル国務長官に対し、アメリカの軍事行動に加わると書き送っているが、この段階では統合参謀本部の内部にも反対者がいて、戦争を始められなかった。そこで開戦を後押しする何かが必要だったのである。 この報告書をパウエル国務長官は絶賛したが、大学院生の論文を無断引用した代物で、信頼できるものではなかった。しかもイギリス政府はイラクの脅威を強調するため、イギリス政府は改竄する。その改竄をBBCのアンドリュー・ギリガン記者は2003年5月にラジオ番組で明らかにし、サンデー・オン・メール紙でアラステアー・キャンベル首席補佐官が情報機関の反対を押し切って「45分話」を挿入したと主張した。 ギリガンの情報源がイギリス国防省で生物兵器を担当しているデイビッド・ケリーだということが7月9日にリークされるが、実際、2003年5月にギリガンはケリーとロンドンのホテルで会っていた。 ケリーは7月15日に外務特別委員会へ呼び出され、17日に死亡する。公式発表では「自殺」ということになっているが、疑問は多く、今でも他殺説は消えていない。公式発表では手首の傷からの大量出血や鎮痛剤の注入が原因で、自殺だとされているが、手首の傷は小さく、死に至るほど出血したとは考えにくいのだ。 しかもケリーは右肘に障害があり、右手でブリーフケースを持ったりドアを開けたりすることができなかった。1991年12月に落馬、骨折したことが原因で、携帯していた折りたたみ式ナイフの刃を研ぐことも難しかったと言われている。手首を切ったとされるナイフからも、死体の横に転がっていた錠剤が入った瓶からもケリーの指紋は検出されていない。また救急救命士によると、ケリーの左の手首には乾いた血がこびりついているだけで傷は見えなかったという。死体を発見した捜査官のグラハム・コーも大量の出血はなかったと証言している。自殺説への疑問を列挙していくときりがない。(Miles Goslett, “An Inconvenient Death,” Head of Zeus, 2018) しかし、ブレア首相から調査委員会の委員長に指名されたブライアン・ハットンは検死報告を無視、大量の出血があったと主張している。そのハットン委員会の結論には疑問があるのだが、その検証をするために必要な検死解剖の報告書や現場の写真を含む事件に関する全てのファイルを70年間秘密にすると委員会は秘密裏に決めている。(Miles Goslett, “An Inconvenient Death,” Head of Zeus, 2018) ブレアの協力もあり、ネオコンが1980年代から主張していたイラクのサダム・フセイン体制を破壊するという計画に向かって米英は動き始めることができた。イラクに親イスラエル派を樹立させることには成功していないが、シリアとイランを殲滅するというプランは実行しつつある。そのプランの実現を妨害しているロシアをネオコンは憎み、核戦争で脅してきた。
2020.11.06
アメリカではシオニストに従うふたりの人物が次期大統領の座を手にしようと戦っているが、イギリスではシオニストによるパレスチナでの残虐行為に異を唱えていたジェレミー・コービン前労働党党首の党員資格が10月29日に停止された。イギリスの平等人権委員会(EHRC)がコービンの言動が「反セム主義」だとする報告書を発表したからだという。 反セム主義とはセム族を差別するイデオロギーであり、セム族とはヘブライ語やアラビア語などセム系の言葉を話す人びとを指す。反セム主義はユダヤ人やアラブ人を差別する思想ということになるが、なぜか「反ユダヤ主義」と同義語だと考える人が多いようだ。 イスラエルの建国が宣言されて以来、イギリスの労働党はイスラエルを支持していたが、その姿勢は1980年代の初めに転換する。1982年9月にイスラエル軍の指揮下、ベイルートのキリスト教勢力、ファランジスト党のメンバーが難民を虐殺したことが大きい。殺害された難民の数はイスラエル側によると700名、パレスチナ側によると2750名に達する。 この虐殺は計画的なものだった。1982年1月にアリエル・シャロン国防相がベイルートを極秘訪問、キリスト教勢力と会ってイスラエルがレバノンへ軍事侵攻した際の段取りを決め、その月の終わりにペルシャ湾岸産油国の国防相が秘密裏に会合を開いている。イスラエルがレバノンへ軍事侵攻してPLOを破壊してもアラブ諸国は軍事行動をとらず、石油などでアメリカを制裁しないという内容ことが決まる。 6月に3名のパレスチナ人がイギリス駐在イスラエル大使のシュロモ・アルゴブの暗殺を試みたが、この3名に命令したのはアラファトと対立していたアブ・ニダル派。イスラエル人ジャーナリストのロネン・ベルグマンによると、暗殺を命令したのはイラクの情報機関を率いていたバルザン・アッティクリーティだという(Ronen Bergman, “Rise and Kill First,” Random House, 2018)が、この組織には相当数のイスラエルのエージェントが潜入していて、暗殺の目標を決めたのもそうしたエージェントだったとされている。この事件を口実にしてイスラエルはレバノンへ軍事侵攻した。 ところが、この虐殺を批判する声はイギリスやヨーロッパに広がり、それを危惧したロナルド・レーガン米大統領は1983年、メディア界に大きな影響力を持つルパート・マードックとジェームズ・ゴールドスミスを呼び出し、BAP(英米後継世代プロジェクト、後に米英プロジェクトへ改名)の創設につながる。BAPには編集者や記者も参加、そのために報道はほとんどされなかった。 イスラエルを批判する声はイギリス労働党の内部にも広がり、党の軸がパレスチナ側へ移動する。それを懸念したシオニストの動きが表面化したのは1994年のことだ。この年の1月にトニー・ブレアが妻と一緒にイスラエルを訪問、帰国して2カ月後にロンドンのイスラエル大使館でユダヤ系の富豪、マイケル・レビーを紹介された。 さらに2カ月後、つまり1994年5月に労働党の党首だったジョン・スミスが心臓発作で急死、その1カ月後にブレアが新党首に選ばれた。ブレアはレビーのほかLFIという団体を資金源にしていたが、このLFIの活動目的はイスラエルとイギリスとの関係強化。ブレアは労働組合の意向を無視、マーガレット・サッチャーの新自由主義的な政策を継承、親イスラエルへ党を引き戻している。 ブレアの新自由主義的な政策、アメリカの侵略戦争への加担、イスラエルのパレスチナ人弾圧などに反発する党員に支持され、2015年9月に党首となったのがコービンだ。新自由主義で破壊された社会を修復、パレスチナ人や労働者の権利を回復させようという政策を打ち出した。 しかし、そうした政策は支配者たちの逆鱗に触れることになった。早い段階から西側の有力メディアはコービンを「反ユダヤ」だと批判している。そして今回、ふたりのユダヤ系富豪、レベッカ・ヒルゼンラートとデイビッド・アイザックが率いるEHRCはコービンに対する懲罰的な報告書を出したわけだ。労働党の新体制はブレア時代に党を戻そうとしている。
2020.11.06
アメリカの大統領選挙は混乱の度合いを増している。投票所では開票作業の公開を求める人などの様子も伝えられているが、最大の問題は郵便投票のようだ。日本では期日前投票に疑惑の目が向けられているが、アメリカの場合は郵便投票。 ネオコンに担がれたジョージ・W・ブッシュが大統領に選ばれた2000年の選挙では正体不明の「選挙監視員」による投票妨害が報告されているほか、バタフライ型投票用紙などが原因になった混乱があった。実際の投票数と出口調査の結果が違うとも指摘された。 2000年の選挙は事実上、ブッシュとアル・ゴアが争ったのだが、その前年には出馬を否定していたジョン・F・ケネディ・ジュニア、つまりJFKの息子が最も支持されていた。もしケネディ・ジュニアが立候補した場合、民主党と共和党以外の候補者が大統領になる可能性もあったのだが、ケネディ・ジュニアは1999年7月16日に不可解な飛行機事故で死亡している。 ブッシュの次に大統領となったバラク・オバマはCIAとの関係が深いと言われ、30年間に9000億ドルから1兆ドルを30年間に核兵器分野へ投入するという計画を2014年9月に打ち出した。 また、中東や北アフリカではジハード傭兵を使った侵略戦争、ドローン(無人機)を利用した暗殺、ウクライナではネオ・ナチを使ったクーデターなどを実行、任期最後の年、2016年には2万6171発の爆弾を投下したと伝えられている。 オバマはロシアとの関係を悪化させることに熱心で、任期が終わる直前の2016年12月には外交官35名を含むロシア人96名を追放した。ロシアとの関係修復を訴えて当選したドナルド・トランプへの置き土産だったのだが、結局、トランプもその政策を継続した。 ヒラリー・クリントンも反ロシアではオバマと同じ。彼女に近いマイク・モレル元CIA副長官(2011年7月1日から9月6日、12年11月9日から13年3月8日の期間は長官代理)は2016年8月、チャーリー・ローズのインタビューでロシア人やイラン人に代償を払わせるべきだと語り、司会者からロシア人とイラン人を殺すという意味かと問われると、その通りだと答えている。 モレルは口先だけの人間ではなかったようで、例えば、2016年11月8日にニューヨークのロシア領事館で副領事の死体が発見され、12月19日にはトルコのアンカラでロシア大使が射殺された。 12月20日にはロシア外務省ラテン・アメリカ局の幹部外交官が射殺され、12月29日にはKGB/FSBの元幹部の死体が自動車の中で発見され、17年1月9日にはギリシャのアパートでロシア領事が死亡、1月26日にはインドでロシア大使が心臓発作で死亡、そして2月20日にはロシアの国連大使だったビタリー・チュルキンが心臓発作で急死している。 こうした外交官はモレル発言の後の死者だが、2015年11月5日にはアメリカ政府が目の敵にしてきたRTを創設した人物がワシントンDCのホテルで死亡したほか、2016年9月6日にはウラジミル・プーチンの運転手が載った自動車へ暴走車が衝突、その運転手は死亡した。 2016年の大統領選挙でトランプと争ったヒラリー・クリントンは上院議員の時代から軍需企業のロッキード・マーチンを後ろ盾にしていたが、巨大金融資本とも関係が強く、投機家のジョージ・ソロスから支持を受けていたことが露見した電子メールで明らかになった。 またヒラリーはシオニストの一派であるネオコンからも支援され、ネオコンの中枢グループに属しているビクトリア・ヌランドの友人。彼女の側近中の側近、フーマ・アベディンはムスリム同胞団と強く結びついている。 このヒラリーを当選させるため、CIA、FBI、司法省、MI6(イギリスの情報機関)などが支援、まず民主党内のライバルで支配者グループにとって好ましくなかったバーニー・サンダースを潰している。その上でトランプに対する攻撃を始めたのだ。 アメリカの選挙とはこうしたものにすぎない。アメリカの支配者は戦略的に重要な国に自立した民主的な政権ができると潰してきた。昔は海兵隊を投入、第2次世界大戦後はCIAの秘密工作、1990年代からは有力メディアに加え、広告会社の果たす役割が重要になっている。
2020.11.05
アメリカの次期大統領を決める選挙人を選ぶ投票が11月3日にあり、開票作業が進んでいる。接戦だとされているが、実際はドナルド・トランプが優勢のようだ。結果が出ていないミシガン州、ウイスコンシン州、ジョージア州、ペンシルベニア州、ノースカロライナ州はトランプがリードしているからである。 ところが、その5州で開票作業がペースダウン、あるいは止まったと伝えられている。そうした州のひとつ、ペンシルベニア州の知事によると、郵送による投票が100万票以上残っているという。選挙戦の終盤、郵便投票を巡って対立があった意味が明確になってきたようだ。 トランプもジョー・バイデンもシオニストのコントロール下にある政治家で、どちらが大統領になっても大筋では同じだ。国際的には覇権を握ろうとし、国内的には新自由主義を推進する。その道筋が違うだけのことだ。その基本から外れそうになれば攻撃され、軌道を修正しなければその人物が排除される。それが「アメリカ流民主主義」にほかならない。 トランプが再選された場合、第1期目と基本的に同じ政策を進めるのだろうが、バイデンが新大統領に選ばれた場合、外交や安全保障政策はバラク・オバマ政権と似たものになると見られている。 アメリカでの報道によると、バイデンの側近チームのひとりはコリン・カール。バイデンが副大統領だった時の国家安全保障担当補佐官。エリザベス・ローゼンバーグはオバマ政権で財務省の上級顧問を務めた人物で、その当時、イラン、シリア、リビアに対する制裁を主張していたことで知られている。 元CIA副長官のアブリル・ヘインズはオバマ政権でドローン(無人機)を使った暗殺作戦に深く関与、朝鮮に対する厳しい姿勢の背後にもいた。「血まみれジーナ」ことジーナ・ハスペル現CIA長官と親しいことでも知られている。オバマ政権で国防次官だったミシェル・フラワノイは、ヒラリー・クリントンが2016年の選挙で勝ったなら国防長官になったと言われている人物だ。 COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)を口実にした「リセット」を強硬、世界を恒久的な収容所とするためにはバイデンを当選させる必要があるかもしれないが、バイデンが大統領になった場合、ウクライナを舞台としたスキャンダルも問題になるだろう。辞任に追い込まれる可能性もある。そうなった場合、弱者に厳しいカマラ・ハリスが大統領になるわけだが、副大統領はヒラリー・クリントンが納まるというという説もある。
2020.11.05
トルコは10月後半、ロシアから導入した防空システムS-400のテストを実施、アメリカの国防総省はトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン政権を非難した。トルコは1952年からNATO(北大西洋条約機構)に加盟している。そのトルコとNATOの中心的な存在であるアメリカとの関係が修復されていない。 バラク・オバマ大統領時代の2016年7月、トルコでは反エルドアンの武装蜂起があり、鎮圧された。エルドアン政権はクーデターを試みたのはCIAに保護されているフェトフッラー・ギュレンの一派だと主張しているが、クーデター計画の背後にアメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官がいたともしている。 その前年、オバマ大統領は政府を好戦的な布陣に作り替えている。2月に国防長官がチャック・ヘーゲルからアシュトン・カーターへ交代、9月には統合参謀本部議長がマーチン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代したのだ。 ヘーゲルは戦争に慎重だったが、カーターは2006年にハーバード大学で朝鮮空爆を主張した人物。シリアからバシャール・アル・アサド大統領を排除しようとしていたバラク・オバマ大統領とは違い、サラフィ主義者やムスリム同胞団を危険だと考えていたデンプシーはシリア政府と情報を交換していたと言われている。 シリアより1カ月前、2011年2月にリビアではムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を中心に編成された地上の戦闘部隊とNATOの航空兵力を組み合わせた戦力による侵略戦争が始まり、その年の10月にムアンマル・アル・カダフィ体制は崩壊、カダフィ自身は惨殺された。オバマ大統領はシリアでもNATO、あるいは2003年にイラクを先制攻撃した時のようにアメリカ主導軍を投入しようと考えていた可能性がある。 軍事介入を正当化させる動きもあった。2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国が宣言され、6月にはモスルが制圧されたのである。サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を主力とするダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の登場だ。 その際にトヨタ製小型トラック、ハイラックスの新車を連ねたパレードを行い、その様子を撮影した写真が世界に伝えられたのだが、こうした戦闘集団の動きをアメリカの軍や情報機関は偵察衛星、無人機、通信傍受、人間による情報活動などで知っていたはず。そうしたパレードは格好の攻撃目標だが、アメリカ軍は動かなかった。 こうした事態が生じる危険性をアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)は2012年に警告していた。バラク・オバマ政権の政策はサラフィ主義者やムスリム同胞団を支援することになり、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にそうした勢力の支配地域を作ることになると警告していたのだ。その時のDIA局長がマイケル・フリン中将。2014年8月に退役させられた。 しかし、オバマ政権はシリアへの空爆を実行できない。統合参謀本部議長が交代になった直後の9月30日にロシアはシリア政府の要請を受けて軍事介入、ダーイッシュを敗走させたのだ。そこでオバマ政権はクルドと手を組み、自国の地上部隊を侵入させた。 軍事介入したロシア軍を脅すため、2015年11月24日にトルコ軍のF-16がロシア軍のSu-24を待ち伏せ攻撃で撃墜した。ところがロシアは怯むどころか姿勢を厳しくする。逆効果だった。 この攻撃はアメリカ軍の命令に基づくものだった可能性が高い。撃墜の当日から翌日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問していたことも、そうした推測の根拠になっている。 シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すことが難しくなる中、2016年6月にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は撃墜を謝罪、7月13日には同国の首相がシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆する。軍事蜂起(クーデター未遂)があったのはその2日後だ。その後、トルコとアメリカとの関係は一気に悪化した。 トルコがロシアにS-400の購入を打診したのは、その年の11月頃だと言われている。その翌年、つまり2017年の9月に購入契約が結ばれたと発表された。その後、アメリカから取り引きを止めるように脅されているが、トルコは無視している。 おそらく、トルコがS-400の購入を決断した理由は性能のほかにもある。アメリカと何らかの軍事衝突が引き起こされた場合、アメリカ製の兵器は信頼できないのだ。 1982年にイギリスとアルゼンチンは軍事衝突した。フォークランド(マルビナス)諸島の領有権を巡る対立が発展したのだが、その際にイギリスの艦隊はアルゼンチンのエグゾセに苦しめられた。そこでマーガレット・サッチャー英首相はフランソワ・ミッテラン仏大統領に対し、ミサイルを無力化するコードを教えるように強く求めたと伝えられている。教えなければブエノスアイレスを核攻撃すると脅したのだという。こうしたコードは一般的に存在しているようで、アメリカの兵器でアメリカ軍と戦うことはできない。ロシアの兵器なら戦える。
2020.11.04
日本学術会議の新会員任命を巡り、会議側と菅義偉首相の対立が続いているようだが、本ブログでも書いたように、学問や言論の自由を侵害する動きに学者達が抵抗らしい抵抗をしてこなかったひとつの結果にすぎない。 記者や編集者と同じように、学者は支配システムの中で萎縮、迎合してきた。現在の日本は天皇制官僚システムに支配されているわけだが、そうした枠組みの中で経済的、あるいは社会的に成功しようと願えば、その枠組みから外へ踏み出すことはできない。その枠の中にも右や左というタグのつけた人もいるが、「右翼キャラ」と「左翼キャラ」だと言うべきだろう。 現在、西側の支配システムは新自由主義や新保守主義(ネオコン)というイデオロギーが軸になっていると言える。「自由」と「保守」という表現になっているが、これはタグにすぎず、この表現を深く考えても意味はない。 このイデオロギーは社会や民主主義を否定し、市場と道徳を「新しい生活様式」の柱にしようとし、富の集中を当然だと考える。その信者たちによると、貧富の差を拡大させる政策に反対する意見は「ねたみ」にすぎない。平等や公正といったことを彼らは考えないのだ。不平等や不公正を当然のことだと彼らは考える。 マックス・ウェーバーによると、プロテスタンティズムの禁欲は「心理的効果として財の獲得を伝統主義的倫理の障害から解き放」ち、「利潤の追求を合法化したばかりでなく、それをまさしく神の意志に添うものと考えて、そうした伝統主義の桎梏を破砕してしまった」。(マックス・ウェーバー著、大塚久雄訳『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波書店、1989年) そうした考え方を広めたジャン・カルバンらによると、「神は人類のうち永遠の生命に予定された人びと」を選んだが、「これはすべて神の自由な恩恵と愛によるものであって、決して信仰あるいは善き行為」などのためではない(ウェストミンスター信仰告白)。つまり、人間にとって善行は無意味であり、自分が「選ばれた人間」だと信じる人びとは何をしても許されるということになる。侵略、破壊、殺戮、略奪も神が書いた予定表に載っていると彼らは考えるわけだ。 キリスト教の聖典である新約聖書のマタイによる福音書やマルコによる福音書では「金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい」と書かれているのだが、これも否定されている。金持ちになったのは神に選ばれたからだというわけだろう。この考え方から新自由主義や新保守主義と呼ばれているイデオロギーが生じたようにも思える。 こうしたイデオロギーの信奉者は1970年代から自分たちへ富が集中する仕組みを築いてきた。サッチャーイズムやレーガノミクスとも呼ばれている。政府や議会への支配力を強め、学者の世界やメディアも従属させることに成功したと言えるだろう。 支配の仕組みを作り上げる手口は飴と鞭、あるいは買収と恫喝。どうしても屈服しない相手の場合、「消す」ということもあるだろう。かつては射殺することが少なくなかったが、暗殺が明らかになると、消した相手を英雄にしかねない。そこで事故や自殺を装ったり、病死のように見せかけて毒殺したり、有力メディアを使ってスキャンダルで葬り去るようになったと言われている。暗殺が露見しかけると、西側の有力メディアはある呪文と繰り返す。「陰謀論」だ。事実を封印するために彼らのすることが「ファクト・チェック」だ。 犯罪組織の場合、買収の効果を高めるために相手を経済的に追い込むという話を聞く。弱った相手の前に「救世主」として現れ、コントロールするというわけだ。スキャンダルを作り、脅し、助けるという仕組みは日本にもあると言われている。その仕組みの中には女性や麻薬も組み込まれているようだ。 本ブログではワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムがCIAの中枢で活動するアレン・ダレス、フランク・ウィズナー、リチャード・ヘルムズと情報操作プロジェクト、モッキンバードを実行したことは書いてきた。ダレス、ウィズナー、ヘルムズ、そしてグラハムの妻はウォール街の住人だ。 また、ワシントンポスト紙の記者としてウォーターゲート事件を取材したカール・バーンスタインはニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書き、いかにメディアがCIAから大きな影響を受けているかを書いた。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977) アメリカでも日本でも支配者は学者、記者、編集者などを支配システムに組み込むこともしてきた。例えば、メディアへの支配力を強めたかったロナルド・レーガン米大統領は1983年にメディア界に大きな影響力を持つルパート・マードックとジェームズ・ゴールドスミスと会談、軍事や治安問題で一緒に仕事のできる「後継世代」について話し合っている。それがBAP(英米後継世代プロジェクト、後に米英プロジェクトへ改名)だが、そこには編集者や記者も参加していた。 こうした支配者の工作結果をジャーナリストのむのたけじは1991年に開かれた「新聞・放送・出版・写真・広告の分野で働く800人の団体」主催の講演会で冒頭に語っている。「ジャーナリズムはとうにくたばった」。(むのたけじ著『希望は絶望のど真ん中に』岩波新書、2011年)くたばったのは学会も同じである。 言論の自由を守れ、学問の自由を守れ、民主主義を守れといったスローガンを何度叫んでもむなしいだけ。そのようなものは奪われてしまった、あるいは放棄してしまった。今できることは守ることでなく、実現することである。
2020.11.03
アメリカの次期大統領は11月3日の投票で決まる。事前の世論調査では民主党候補のジョー・バイデンが共和党候補で現職のドナルド・トランプを8%ほどリードしていることになっているのだが、ドキュメンタリー映画を製作している民主党支持者のマイケル・ムーアは8月30日、トランプが勝ちそうだとしていた。2016年の選挙と同じことが起こる可能性があるというわけだ。有力メディアを操る支配システムへの不信感から調査に対し、本音を言わない人が増えているという。 ムーアがトランプが勝つ可能性があると指摘した直前の8月11日、バイデンは副大統領候補としてカマラ・ハリスを選んでいる。ハリスはカリフォルニア州のオークランド生まれ。父親はジャマイカ出身で、スタンフォード大学で経済学の教授をしていた人物。母親はインドからアメリカへ移り住んだのだが、生家はバラモン階級、つまりカーストの最上位に属し、インド政府高官を輩出している。インドのデリー大学を出た後、アメリカではカリフォルニア大学バークレー校で栄養学と内分泌学で博士号を取得した。カリフォルニア大学で夫妻は知り合っている。彼女は同大学の動物学科の癌研究所で研究を続け、後に乳癌大統領特別委員会に加わった。 それに対し、カマラ・ハリスは法律の世界へ進む。2004年1月から11年1月までサンフランシスコ第27地区検事を、また11年1月から17年1月までカリフォルニア州司法長官を務めたのだが、エリート一家の出身ということもあり、社会的な弱者には厳しかった。その当時のことを民主党の大統領候補者選びに参加していた。タルシ・ガッバード下院議員に批判されている。 州司法長官時代のカマラは人びとを刑務所へ入れることに熱心で、不登校の子どもの親も刑務所へ送り込んでいたが、それ以上に批判されているのはケビン・クーパーという死刑囚に対する姿勢だ。 この人物は1983年に引き起こされた殺人事件で有罪となり、2004年2月10日に死刑が執行されることになっていた。逮捕されたときから彼は無罪を主張、DNAの検査をするように嘆願していたが、検事時代も州司法長官時代もカマラは拒否している。主張を変えたのは大統領選挙が視野に入り始めた2018年である。こうした経歴のカマラを副大統領候補に選んだことから、バイデン、あるいは民主党の幹部は大統領選挙で敗北する道を選んだのではないかと勘ぐる人がいた。 バイデンにしろトランプにしろ、アメリカで大統領の有力候補はイスラエルを盲目的に支持している。議員の大半も同じだ。ただ、詳しく見ていくと違いはある。ヒラリー・クリントンもそうだったが、民主党は金融資本と結びついたネオコンとの関係が深い。ヒラリーとの関係が電子メールで明らかになった投機家のジョージ・ソロスはハンガリー系ユダヤ人で、そうした強大な金融資本のネットワークに属し、ソ連/ロシアを制圧するために活動してきた。 それに対し、トランプのスポンサーとして有名なシェルドン・アデルソンはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と緊密な関係にあるウクライナ系ユダヤ人。1988年、55歳の時にカジノの世界へ入り、ラスベガス・サンズの会長兼CEOを務め、ラスベガスのほか、ペンシルベニア、東南アジアのマカオとシンガボールでカジノを経営している。2013年にはイランを核攻撃で脅すべきだと主張するような人物でもある。 その2013年にアデルソンは来日、自民党幹事長代行だった細田博之に対して東京の台場エリアで複合リゾート施設、つまりカジノを作るという構想を模型やスライドを使って説明、議員たちは動き出した。利権のに臭いを嗅ぎ取ったのだろう。 そして自民党などは2013年末にカジノ解禁を含めた特定複合観光施設(IR)を整備するための法案を国会に提出、14年2月にアデルソンは日本へ100億ドルを投資したいと語ったと伝えられている。 ところが日本側の動きが鈍いとアデルソンは感じたようで、2014年5月に来日したイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は日本政府の高官に対し、アデルソンへカジノのライセンスを速やかに出すよう求めたという。この話はイスラエルのハーレツ紙が2015年2月5日付け紙面で伝えたのだが、この記事をハーレツ紙はすぐに削除した。この記事が事実なら、犯罪になる可能性があるからだと見られている。 2016年の選挙ではアデルソンをはじめとするユダヤ系の富豪が資金を出していたと言われているが、ここにきてトランプはネタニヤフ政権が望むような政策を次々に打ち出している。 トランプはキリスト教系カルトからも支持されていた。マイク・ペンス副大統領やマイク・ポンペオ国務長官はキリスト教系カルトの信者。ブラックウォーター(XE、そしてアカデミへ名称変更)を創設したエリック・プリンスも信者仲間だ。プリンスの姉であるベッツィ・デボスはトランプ政権で教育長官を務め、夫のディック・デボスは「アムウェイ」の創設者として知られている。 前回の大統領選挙の場合、2015年の段階ではヒラリー・クリントンの当選が内定していたと言われている。そうした流れに変化が生じたと見られるようになったのは2016年2月10日。ヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と会談したのだ。22日にはシリアにほいて停戦で合意している。 バラク・オバマやヒラリーはロシアとの関係を破壊、軍事的な緊張を高めていた。その流れの中、オバマ政権のネオコンはウクライナの合法政権を2014年2月にネオ・ナチを使ったクーデターで倒している。同じ年の9月から12月にかけて、香港では「佔領行動(雨傘運動)」を展開して中国を揺さぶっている。香港ではCIAがイギリスの情報機関MI6と連携、法輪功というカルトが手先として使われていた。 法輪功が出現したのは1992年。その教義は仏教と道教を合体したものだとされているが、創始者の劉振営はキリスト教系カルトの信者で、「エルサレムへ戻ろう」という運動を行っている。つまりシオニスト。 この団体は反コミュニズムでも有名で、アメリカの支配層はその点を評価。アメリカの政府機関であるUSAGM(米国グローバル・メディア庁)から法輪功へ資金が流れているのもそのためだろう。法輪功はイギリスのフィリップ王子を含むグループとつながりがあると言われ、ユーゴスラビアへの先制攻撃をビル・クリントン政権の国務長官として推進したマデリン・オルブライトからも支援されている。 オバマ政権はこうした工作でロシアや中国を脅すつもりだったのだろうが、本性を現したアメリカにロシアと中国は警戒を強め、互いに接近していく。その後、両国はパイプライン、道路、鉄道などの建設で結びつきを強め、戦略的な同盟関係に入った。 ロシアと中国を分断、あわよくば対立を煽って戦わせようとしていた人びとにとってネオコンの戦術は好ましいものではなかったはず。キッシンジャーのロシア訪問やトランプの台頭はそうしたことの反映だろう。 そこでトランプはロシアとの関係修復を訴え、ロシアと中国との接近にブレーキをかけようとしたのだろう。そのトランプが安全保障の責任者に据えたのがマイケル・フリン元DIA局長。 フリンが局長だった2012年8月にDIAはオバマ大統領に対し、シリア情勢に関する報告書を提出、その中でシリアの反政府軍はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団だと指摘、戦闘集団の名称としてアル・カイダ系のアル・ヌスラ(AQI)を挙げている。アル・ヌスラの主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団。オバマ大統領が言うような穏健派はシリアに存在しないと警告したのだ。 また、そうしたオバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるとも警告していた。その警告は2014年に入ってダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)という形で出現した。そうした中、2014年8月にフリンは解任されている。 そのフリンをトランプは国家安全保障補佐官にしたのだが、CIA、軍の強硬派、そして有力メディアに攻撃され、2017年2月13日に解任されている。この時点でトランプはネオコンに妥協、あるいは屈服した。今回の大統領選挙でバイデンとトランプ、どちらが勝っても期待はできない。問題はアメリカを中心とする支配システムに対抗できる勢力が育つかどうかだ。
2020.11.02
イスラエルと国交を「正常化」するにあたり、アメリカ政府はスーダンの暫定政府に対し、オサマ・ビン・ラディンを匿った償いとして3億3500万ドルを支払うことを要求した。それに対し、今回の合意の褒美としてイスラエルが提供する食糧支援の額は500万ドルにすぎない。 オサマ・ビン・ラディンはサウジアラビアの建設会社を経営する富豪一族に属し、サウジアラビア王室ともつながりが深く、同国の情報機関を動かしていたトゥルキ・ビン・ファイサル・アル・サウド王子の下で活動していた。アフガニスタンにおけるジハード傭兵の地下基地や地下通路の建設でビン・ラディン家の建設会社が果たした役割は小さくないと言われている。 サウジアラビアの情報機関はジミー・カーター政権で国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めていたズビグネフ・ブレジンスキーが始めたアフガニスタンにおける秘密工作に協力していた。イスラム同胞団やワッハーブ派の人間を戦闘員としてアフガニスタンへサウジアラビアが送り込み、CIAが軍事訓練していたのだ。アフガニスタンを不安定化させ、ソ連軍の介入を誘発してソ連本体を疲弊させようというプランだった。この当時、ブレジンスキーが作り上げた武装集団の戦闘員を「自由の戦士」と西側の有力メディアは呼んでいた。 戦闘員をアフガニスタンへ送り込む仕事をしていたひとりがオサマ・ビン・ラディンにほかならないのだが、この人物をジハード(聖戦)の世界へ引き込んだのはムスリム同胞団のアブドゥラ・アッザムだと言われている。1984年にアッザムとビン・ラディンはパキスタンにMAK(マクタブ・アル・ヒダマト/礼拝事務局)のオフィスを開設した。このMAKがアル・カイダの源流だと言われている。 1989年2月にソ連軍がアフガニスタンから撤退、91年にはオサマ・ビン・ラディンもアフガニスタンを離れ、サウジアラビアとパキスタンを経由してスーダンに入った。その際、ビン・ラディンをエスコートしたアリ・アブドゥル・サウド・モハメドはアメリカの特殊部隊と関係が深い。(Peter Dale Scott, “The American Deep State,” Rowman & Littlefield, 2015) 1992年12月にイエメンの首都でホテルが爆破され、2名が死亡しているが、その現場を調査したアメリカ国務省の外交治安局のスペシャル・エージェントだったスコット・スチュワートによると、CIAの訓練を受けた何者かによって実行されていたという。(Max Blumenthal, “The Management Of Savagery,” Verso, 2019) ビン・ラディンは1993年から94年にかけての時期、サラエボで目撃されている。当時、アメリカを含むNATO加盟国の情報機関はジハード傭兵をボスニア・ヘルツェゴビナへ送り込んでいた。セルビアと戦わせることが目的だ。 一方、アメリカでは1993年2月にニューヨークの世界貿易センターのノース・タワーの地下駐車場が爆破された。これはラムジ・ユセフたちによるものだった。ノース・タワーを倒し、サウス・タワーも破壊する計画だったが、建造物で最も弱い地下を破壊してもノース・タワーはびくともしなかった。そのビルが2001年9月、脆弱な構造の旅客機が突入したことで爆破解体されたように崩壊したことになっている。 ビン・ラディンは1996年にスーダンを追放され、アフガニスタンへ移動。そして1998年8月7日、ケニアのナイロビとタンザニアのダル・エス・サラームのアメリカ大使館が爆破された。これを口実にしてビル・クリントン政権はアフガニスタンとスーダンを巡航ミサイルで攻撃している。 当時、アフガニスタンはタリバーンに支配されていた。この集団はパキスタンの情報機関から協力を得てアメリカが生み出したのだが、ある時点で自立の道を歩き始めていた。それに対する報復攻撃だ。
2020.11.01
スーダンとイスラエルとの「国交正常化」に合意したとドナルド・トランプ米大統領が10月23日に発表した。エジプト、ヨルダン、アラブ首長国連邦、バーレーンに次いでイスラエルを通常の国と認めたアラブ国になったということだ。 しかし、今回、スーダンの暫定政府が行った決定に対する反発は国民の間で強く、議会からは暫定政府への支持を止めるとする声も聞こえてくる。勿論、イスラエルによる侵略、破壊、殺戮、占領で苦しめられてきたパレスチナ人はそれ以上に反発している。 こうした合意に至った理由は、有り体に言うならば、トランプ政権の脅しが機能したということだ。経済戦争を仕掛けているうえ、COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)を口実にした政策で経済活動が麻痺し、スーダンのような国々は厳しい状況に陥った。 イスラエルとの関係を「正常化」しなければ、スーダン国民を飢えさせるとアメリカ政府は脅したのだが、今回の合意の褒美としてイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は500万ドルの食糧支援を公表したと伝えられているが、単なるパフォーマンスにすぎず、スーダンの経済を立て直すつもりはないだろう。そのようなことをしたなら、スーダンを支配するメリットがないからだ。アメリカやイスラエルが過去に行った手口を見ても、そうしたことは言える。 ジョージ・W・ブッシュ政権時代、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されてから数週間後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺はスーダンを攻撃対象国リストに載せていた。そのほかの国はイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、イラン。このうちイラク、シリア、イランは、遅くとも、1980年代からネオコンが殲滅すると主張していた。繰り返し書いてきたことだが、ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官によると、1991年には国防次官だったポール・ウォルフォウィッツもイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。(3月、10月) スーダンを苦しめている一因は戦争にあるのだが、その原因は石油。1974年にアメリカの巨大石油会社シェブロンが油田を発見したが、90年代の終盤になるとスーダンでは自国の石油企業が成長、アメリカの石油企業は利権を失っていく。しかも中国やインドなど新たな国々が影響力を強めていった。 そうした中、スーダンの南部ではSPLM(スーダン人民解放軍)が反政府活動を開始する。SPLMを率いていたジョン・ガラングはアメリカのジョージア州にあるアメリカ陸軍のフォート・ベニングで訓練を受けた人物。スーダンの内戦は1983年から2005年まで続き、11年に南部が独立している。 フォート・ベニングにはラテン・アメリカ各国の軍人をアメリカの傭兵として訓練する施設、WHINSEC(かつてはSOAと呼ばれた)も存在している。ラテン・アメリカで民主政権を倒し、アメリカの巨大資本の利権にとって不都合な人びとを殺した軍人たちの大半はここで訓練された。ここでの訓練には自衛官も参加している。 スーダンの西部、ダルフールでも資源をめぐる戦闘が2003年から激化した。当初、欧米の国々は南スーダンの石油利権に集中、ダルフールの殺戮を無視していたが、ネオコンはダルフールへ積極的に介入する。その資源に目をつけた隣国チャドの政府が反スーダン政府のJEM(正義と平等運動)へ武器を供給したことも戦闘を激化させる一因だったが、チャドの背後にはイスラエルが存在していると生前、リビアのムアンマル・アル・カダフィは主張していた。
2020.11.01
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