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COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大を理由とした政策で経済活動が世界的に麻痺、原油価格が下落、WTIは4月20日に1バーレル当たりマイナス40ドルという前代未聞の水準になった。 アメリカの大手投資会社リーマン・ブラザーズ・ホールディングズが2008年9月に連邦倒産法の適用を申請した際、あるいはネオコンがウクライナでクーデターを実行、シリアから中東にかけての地域にダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)2014年の後半にも原油価格が暴落しているが、マイナスの領域に入ったのは初めてだ。 今回の下落でロシアだけでなく財政赤字に陥っているサウジアラビアは苦しい情況だろうが、生産コストの高いシェール・ガスやシェール・オイルに頼っているアメリカの企業は壊滅的なダメージを受けたと見られている。 シェール・ガスやシェール・オイルはコスト以外にも問題がある。環境汚染だ。シェールとは堆積岩の一種である頁岩(けつがん)を意味、シェール層から天然ガスやオイルを採取するのだが、そのために水圧破砕(フラッキング)と呼ばれる手法が使われている。 つまり、まず垂直に掘り下げ、途中からシェール層に沿って横へ掘り進み、そこへ「フラクチャリング液体」を流し込んで圧力をかけて割れ目(フラクチャー)を作って砂粒を滑り込ませ、ガスやオイルを継続的に回収する。この際に化学薬品が使用されるのだが、それによって地下水源が汚染されていると言われているのだ。しかも環境汚染は地下水に留まらない。 日本はアメリカの戦略に従い、食糧をアメリカに依存している。そのアメリカの食糧生産は地下水に依存している。その地下水の枯渇が進んでいるが、残された水が汚染されているわけで、これは日本にとって深刻な問題。近い将来、日本は食糧を確保できなくなる可能性がある。 そうした意味でも日本は中国やロシアとの関係をよくしておく必要があるのだが、アメリカの命令で逆の政策を進めてきた。かつてのように大陸を侵略し、食糧を奪うつもりだろうか? 本来なら食糧生産を増やす政策を推進するべきなのだが、アメリカの支配層に従属することで個人的な富と地位を維持している日本「エリート」がそうした政策を始めるとは思えない。しかも2011年3月に引き起こされた東電福島第1原発の事故で東北地方を中心に日本列島は放射能で汚染され、農業生産は大きなダメージを受けた。 世界的に見ると、飲料に適する水は貴重な資源であり、中東では水源地を確保するために戦争も行われている。世界の巨大資本が水の利権化を推進、そのために水道事業の私有化を要求しているのも水が貴重だからだ。 日本は地形的に水が豊かなのだが、そうした恵みを放棄する政策を日本の「エリート」は進めている。新幹線の建設でも水脈を断ち切ったと問題になったが、それ以上に深刻なのがリニア中央新幹線。日本列島の背骨をトンネル工事で傷つけ、南アルプスの地下を走る水脈を断ち切りつつあるのだ。水をビジネスにしようとしている巨大資本にとってありがたい政策だ。
2020.04.30
入学や新学期の始まりを9月にするという話が持ち上がっている。これは言うまでもなくCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大を防ぐためという理由で安倍晋三首相が3月2日から春休みまで全国の小中高と特別支援学校に臨時休校を要請したことに起因する。 インフルエンザのような感染症が流行した場合、学級閉鎖や学校閉鎖といった対策がとられてきたが、今回は感染者のいない学校も全て含めての一斉休校。合理的な判断ではないと考え、この決定を批判する人は少なくなかった。 しかし、入学や新学期の始まりを9月に変更するということが一斉休校を決めた真の理由だとするなら理解できる。COVID-19を利用して入学の時期をアメリカなどと同じ9月にしようと考えた人物が安倍政権の内部、あるいは首相の周辺にいたとしても不思議ではない。 こうした学校のシステム変更だけでなく、全世界で社会システムが変えられようとしている。世界規模で人びとの基本的な人権は大幅に制限され、一部の国ではロックダウン、つまり人びとを監禁状態にする政策がとられている。 このロックダウンを正当化するため、そうしなければCOVID-19の感染拡大で多数の死者、例えばアメリカでは220万人が死ぬという推測が存在する。ジャーナリストのF・ウィリアム・イングダールによると、そうした推測の発信源はイギリスのMRC GIDA(医学研究委員会グローバル感染症分析センター)とアメリカのシアトルにあるワシントン大学のIHME(健康指標評価研究所)。 MRC GIDAは2008年にニール・ファーガソンらによって設立された団体で、WHOと緊密な関係にある。スポンサーはビル・アンド・メリンダ・ゲーツ財団。イギリスをロックダウンに導いたのは、COVID-19のためにイギリスで50万人が死亡するというIHMEの予測。アメリカでは220万人が死ぬとしていた。政府がロックダウンを決めた数日後、この研究所は予測値を大きく下げている。 IHMEは2007年にビル・アンド・メリンダ・ゲーツ財団の1億0500万ドルで設立された。創設メンバーの中にはWHOで現在、事務局長を務めているテドロス・アダノムも含まれている。2017年には財団からさらに2億7900万ドルが寄付されている。ビル・ゲーツのマイクロソフトからも1億ドル程度が渡っているともいう。 アメリカ政府の感染症に関する政策決定で中心的な役割を果たしている機関はNIAID(国立アレルギー感染症研究所)。その所長であるアンソニー・ファウチ所長の影響力は大きい。NIAIDもビル・アンド・メリンダ・ゲーツ財団と関係が深く、財団から研究所へ2019年10月に1億ドルが提供されている。 ファウチは2月28日にCOVID-19の致死率は1%未満かもしれないとニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスンで書いているのだが、3月11日にはアメリカ下院の管理改革委員会でCOVID-19の致死性は季節性インフルエンザの10倍だと発言した。WHOがパンデミックを宣言したのはその11日だ。ドナルド・トランプ大統領は13日に国家緊急事態を宣言、人びとは「監禁」状態になる。 COVID-19の患者が発見される前の昨年10月18日、ニューヨークでコロナウイルスのパンデミックを想定したシミュレーションが実施されたことは本ブログでも紹介した。ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センター、WEF(世界経済フォーラム)、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団が主催したイベント201である。 そのシナリオによると、ブラジルの農場で感染は始まり、1週間で倍増するというペースで患者は増え、ポルトガル、アメリカ、中国など多くの国へ感染は拡大していく。当初、コントロールできるように見えても拡大は続き、再流行もあってコントロール不能になる。シナリオが終わるのは18カ月後、6500万人が死亡してからだ。このシナリオは中国を含む東アジアの国々で破綻している。 人びとをCOVID-19で脅し、世界を収容所化し、経済活動を麻痺させる政策はビル・アンド・メリンダ・ゲーツ財団から出ていると言える。中国を攻撃する情報の発信源もここだ。勿論、表に出ているこの財団は真の司令部ではないだろうが、重要な役割を演じていることは間違いない。
2020.04.29
アメリカをはじめ西側の国々では社会システムが大きく変化、収容所化が進んでいる。そうした流れを作る上でCOVID-19(新型コロナウイルス)が利用されていることは本ブログでも繰り返し書いてきたが、ここにきて突如始まったわけでもない。 日本では「自粛」、つまり「自己責任」で戒厳令的な情況が作り出されているが、ロックダウン(監禁)という強制的な方法がとられている国もある。まさに収容所化だ。 収容所では監視システムも強力。今回のウイルス騒動ではGPSが人の動きを監視する道具になることが示されたが、街中の監視カメラで顔を判別するだけでなく、人と人の距離も測定できることが伝えられている。イギリスの監視カメラなどの中には盗聴が可能なものもある。そうした監視システムの問題に警鐘を鳴らしたひとりがNSAの内部告発者であるエドワード・スノーデンだ 社会の収容所化で重要な役割を演じるのは警察だが、アメリカでは警察の軍隊化が問題になっている。イラクへ派遣された海兵隊よりアメリカ国内の警官の方が装備が高度だとも言われたほどだ。2014年頃から非軍事の省庁で武装化が進められていることも注目されてきた。 アメリカ陸軍はバージニア州に軍事訓練用の町を建設、兵士を訓練している。広さは約121万平方メートルで、5階建ての大使館、銀行、学校、地下鉄と駅、モスク、フットボールのスタジアム、ヘリコプターの離発着ゾーンなどがあり、地下鉄は実際に動かすことが可能。客車のロゴはワシントンDCの地下鉄と同じだという。 暴動を鎮圧するための新兵器も開発されてきた。音を使ったLRAD(長距離音響発生装置)はすでに使われているようだが、マイクロ波を使って皮膚の表面温度を上昇させるADSなる兵器を開発されている。このADSの基本原理は電子レンジと同じ。「熱線」とも呼ばれている。違いは周波数。ADSが95ギガヘルツなのに対し、電子レンジは2.45ギガヘルツだ。 その一方、バラク・オバマ政権は銃の規制に積極的だった。一種の刀狩りだ。アメリカやヨーロッパでは一時、銃撃事件が頻発した。そうした事件の中に不自然なものがあることは本ブログでも指摘したが、そうした事件が刀狩りに利用されている。 地下政府の設置は1958年に「アイゼンハワー・テン」という形で決められ、COGにつながるが、暴動を鎮圧する仕組みも作られている。例えば、1968年にマーチン・ルーサー・キング牧師が暗殺された直後に2旅団が編成されたガーデン・プロット作戦、多くのアメリカ市民を拘束することを目的としたレックス84、戦争に反対する人びとの監視を含む治安作戦を定めたヒューストン計画などだ。 ヒューストン計画はリチャード・ニクソン政権で考えられたが、司法長官のジョン・ミッチェルが強硬に反対したことなどから実現していない。ただ、ジミー・カーター政権でFEMAとして再浮上する。 アメリカの支配層が監視システムや治安体制を強化し、社会を収容所化しようとしてきたのは、彼らの支配システムが早晩崩壊すると考えているからだ。その前に潜在的なライバル国を潰し、新しい時代にも支配者でいようと目論んでいる。1992年以降、ネオコンがロシアに続いて中国を制圧、中東やベネズエラなどエネルギー資源国を完全な従属国にしようとしてきたのはそのためだ。 そのネオコンの目論見を崩す切っ掛けを作ったのがロシアのウラジミル・プーチンにほかならない。曲がりなりにもロシアを再独立させ、中国と戦略的な同盟関係を結んでしまったのだ。アメリカは劣勢になったのだが、COVID-19で挽回できるかどうかはわからない。
2020.04.28

社会を収容所化し、人びとから仕事と基本的人権を奪う道を切り開いたCOVID-19(新型コロナウイルス)は人の手が加わっていると指摘する研究者がいる。 そうした研究者のひとりに、2008年にノーベル生理学医学賞を受賞したフランスの学者リュック・モンタニエが加わった。HIV(ヒト免疫不全ウイルス)やマラリア原虫の遺伝子情報の一部がCOVID-19に入り込んでいる疑いがあり、HIV対策のワクチンを開発中に事故で外部へ漏れた可能性を考えているようだ。 COVID-19とHIVとの関係を疑う論文が今年1月、インド人研究者によって発表された。これは後に撤回されたが、激しい批判を受けてのことだったようだ。モンタニエも似た状況にあるようだ。 本ブログでも繰り返し書いてきたように、COVID-19は巨大製薬会社の利益だけでなく、ドル体制後でも覇権を握ろうとする人びとの戦略にも深く関係している。西側の現支配者の利益や覇権にとって都合の悪い話は「フェイク」であり、「陰謀論」だとされる。 そうした話を監視、「駆除」しようとする人たちがいる。西側の有力メディアや「フェイク・ニュース狩り」をしている団体。支配層が容認した主張以外は認められないという検閲の仕組みが機能しているのだ。 日本のマスコミは以前から「オーソライズ」されたかどうかを気にするが、これは支配層から認められた「権威」の意見を反省させているかどうかということ。これも一種の検閲だろう。そうした検閲が急速に厳しくなっている。 ところで、モンタニエはHIVの発見を巡り、NIAID(国立アレルギー感染症研究所)のロバート・ギャロと対立した人物。1983年にモンタニエのチームが患者の血液からレトロウイルスを発見、LAVと名付けたのだが、その約1年後、ギャロもエイズの原因を特定したと発表、それをHTLV-IIIと名付けたのだ。ギャロのウイルスはモンタニエから送られたLAVのサンプルから分離したものだったとされている。ギャロの上司がアメリカの伝染病対策を指揮しているNIAIDのアンソニー・ファウチ所長だ。 その後、フランスとアメリカは、誰が最初にウィルス発見者を発見したかで対立するのだが、その大きな理由は特許をめぐる利権争いだと考えられている。 HIVにも生物兵器説がある。そうした疑惑を呼び起こしたひとつの理由は、1969年6月にアメリカ下院の歳出委員会で国防総省国防研究技術局のドナルド・マッカーサー副局長が行った証言。この情報はソ連や東ドイツの情報機関が流して偽情報に違いないと主張する人もいたが、この証言はアメリカ議会で実際に語られたものであり、記録に残っている。 証言の中でマッカーサー副局長は伝染病からの感染を防ぐための免疫や治癒のプロセスが対応できない病原体が5年から10年の間、つまり1974年から79年の間に出現すると「予言」した。この証言からエイズは生物兵器だという説が出てきたのだ。ちなみにエイズの存在が公的に認められたのは1981年のこと。ネオコンは2000年当時、特定の遺伝子型を攻撃する生物兵器の開発を目論んでいた。
2020.04.27
コウモリに寄生していたコロナウイルスが豚を介して人間へ移り、人間から人間へ伝染するようになり、全世界で流行するというシミュレーションが昨年10月18日にニューヨークで実施された。イベント201である。主催者はジョンズ・ホプキンス健康安全保障センター、WEF(世界経済フォーラム)、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団だ。 そのシナリオによると、ブラジルの農場で感染は始まり、1週間で倍増するというペースで患者は増え、ポルトガル、アメリカ、中国など多くの国へ感染は拡大していく。当初、コントロールできるように見えても拡大は続き、再流行もあってコントロール不能になる。シナリオが終わるのは18カ月後、6500万人が死亡してからだ。 イベント201では有効な薬はなく、最初の年にワクチンはできないことになっているが、実際は2018年にアメリカで「弱毒化されたコロナウィルス」に関する特許が認められている。特許を申請したのはピルブライト研究所。その主要出資者はWHO、EC、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団など。 2019年3月にカナダのNML(ナショナル細菌研究所)から中国へ非常に毒性の強いウィルスが秘密裏に運ばれて中国当局から抗議され、7月にはそのNMLから中国人研究者が追い出される。この時点で何かが始まっているようだ。 ところで、第2次世界大戦後のアメリカ軍による細菌戦の研究は日本軍が基板を作った。1930年代から日本では東京帝国大学、京都帝国大学、陸軍軍医学校が中心になって病原体を兵器として使う研究開発が進めたが、その研究開発で生体実験を行うために中国で編成された部隊がある。 当初は加茂部隊や東郷部隊と呼ばれたが、1941年からは第731部隊と呼ばれている。降伏が間近に迫った1945年8月に部隊は関連施設を破壊し、貴重な資料や菌株は運び出している。監獄に残っていた捕虜は皆殺しにした。 この部隊の隊長を1936年から42年、そして45年3月から敗戦まで務めたのが石井四郎中将、1942年から45年2月までが北野政次少将だ。日本へ逃げ延びた石井たちは1946年に入るとアメリカ軍の対諜報部隊CICの尋問を受けているが、厳しいものではなく、その過程でGHQ/SCAPの情報部門G2の部長を務めていたチャールズ・ウィロビー少将と親しくなる。 アメリカ軍が日本における細菌戦の中心にしたのは406医療一般研究所。アメリカにおける生物化学兵器の研究開発で中心的な存在であるキャンプ・デトリック(1955年からフォート・デトリックに格上げされた)へ406部隊は定期的に報告書を提出していた。(Stephen Endicott & Edward Hagerman, "The United States And Biological Warfare", Indiana University Press, 1998)そのキャンプ・デトリックから1947年4月にノーバート・フェルという研究者が来日し、第731部隊の幹部を尋問している。 敗戦まで東京帝大で伝染病の研究そしていたのは大学に附属した伝染病研究所だが、その前身は私立衛生会附属伝染病研究所。この人脈が中心になって世界大戦後の1947年には国立予防衛生研究所(予研)が設立され、現在は国立感染症研究所と呼ばれている。 この人脈は1950年11月に日本ブラッドバンクを設立した。その年の6月に朝鮮戦争が勃発するとアメリカ軍は輸血体制を増強する必要に迫られたのだ。その時に中心的な役割を果たした内藤良一は軍医学校防疫研究室に所属していた人物。1964年にこの会社はミドリ十字へ社名を変更、731部隊の北野は同社の役員になった。ミドリ十字は薬害エイズやフィブリノゲン問題を引き起こした後、合併を繰り返して現在は田辺三菱製薬に含まれている。 ところで、西側の有力メディアが新型コロナウイルスについて伝えている話はイベント201のシナリオに似ているが、実際は違う展開を見せている。中国や韓国では沈静化に成功、台湾やシンガポールはコントロールできたようだ。そこで、発表された数字は嘘だと言わざるをえなかったのだろう。 公表された人口10万人当たりの死者をみると、ベルギー49.8、スペイン43.8、イタリア39.2、フランス29.4、イギリス24.2、オランダ21.4、アメリカ10.9だが、東アジアは低い。韓国0.5、日本0.5、オーストラリア0.3、中国0.3、シンガポール0.2、台湾0.1未満、香港0.1未満といった具合だ。中国は「不自然に低い」ということはない。不自然なのは日本の政治家や有力メディアの扇情的な宣伝。イベント201に基づく「予定稿」に従って発言、あるいは報道しているのではないだろうか。
2020.04.26
すでに中東ではUAV(無人機。ドローンとも呼ばれる)が戦闘で重要な役割を果たしているが、COVID-19(新型コロナウイルス)の伝染拡大を理由にしてロックダウンを宣言、つまり人びとを監禁状態にしている国の中にはUAVを利用して人びとの行動を監視しているところも現れた。そうした国のひとつがアメリカ。通行人相互の距離を計測できるカメラはすでに存在、ひとりひとりの体温を調べることも可能だ。 こうした監視システムの高度化を飛躍的に進めると見られているのが5G(第5世代移動通信システム)。これは健康に悪い影響があるとも指摘されているが、アメリカの支配層はこの技術を世界支配の道具にしようとしている。 ところが、その技術でアメリカは中国に先行されている。アメリカがファーウェイ・テクノロジーズ(華為)を攻撃してきたのはそれが大きな理由だ。 昨年10月31日から11月3日にかけて中国国際情報通信展が北京で開催されたが、その開会セレモニーで5Gの商業的な利用が武漢で始まると宣言されている。またこの展覧会ではファーウェイ・テクノロジーズはアメリカからの圧力を批判、そうした情況が続くなら報復するとしていた。5Gの問題でもアメリカと中国の対立は激しくなっていたのだ。 その武漢では展覧会の半月近く前、10月18日から27日にかけて軍人の競技会が開かれ、アメリカも400名近い選手団を派遣。そして11月中旬、あるいは12月からそこでCOVID-19の感染が始まった。
2020.04.25
COVID-19(新型コロナウイルス)に感染した有名人が死亡したマスコミは相変わらず詳しい事情を語らないまま、脅威だと宣伝している。その伝染病に感染した人の80%は症状が軽いとWHO(世界保健機関)もしている。少なからぬ人に自覚症状がないようで、致死率は巷間言われているより低い可能性は高い。 アメリカにおける感染症に関する中心的な政府機関であるNIAID(国立アレルギー感染症研究所)のアンソニー・ファウチ所長を含む3名の研究者は2月28日に新型コロナウイルスの致死率は1%未満かもしれないと発表しているが、これが常識的な見方だ。 軽いと判断された患者が死んだと騒ぐ人もいるが、軽いか重いかは結果が出てから判断できること。死んだ人は軽くなかったのだ。COVID-19の潜伏期間は2週間と言われているが、マスコミの論理を使うと、感染した全ての人の症状はある期間、「軽かった」ということになる。重い症状になるかどうかはその後にわかること。軽くすんだかどうかを判断できるのは治癒してからである。 問題のウイルスに感染した人が最初に見つかったのは中国の武漢で、11月17日とも12月とも言われている。その中国では2月に入って伝染は沈静化に向かい、4月23日現在、確認された新たな患者は6名(国外での感染が2名、国内での感染が4名)、感染の疑いがある人が2名、死者は0名だという。武漢では重篤だった最後の患者が治癒、退院したという。韓国も沈静化しつつあり、終息は近いようだ。 日本、イギリス、アメリカといった国々では人びとを「監禁」することには熱心だが、感染を止めることに熱心だとは思えない。戒厳令の予行演習をしているようにも見える。この先に本番があり、病毒性の強いウイルスが撒かれるのではないかと懸念する人もいる。 経済活動は麻痺し、個人や小規模な企業を中心として経済的なダメージは大きい。失業者が増えているアメリカの場合、医療システムが貧困だということもあり、対応できないのかもしれない。悲惨な情況になっていると伝えられている。大企業や富裕層へ富を集中させるという新自由主義政策によって社会システムが崩壊している実態が明らかになっているとも言える。 アメリカやイギリスの支配層は恐怖を演出することで、人びとに基本的な人権を放棄させてきた。1960年代から80年頃にかけてイタリアで実行された「緊張戦略」では極左を装った爆弾テロが使われ、2001年9月11日からは「アル・カイダ」だったが、今回はウイルス。そのウイルスがどのように感染していくか、戒厳令を敷いたときにどのような問題が生じるかなどを調べている人びとがいるようにも思える。
2020.04.25
東京琉球館で5月16日午後6時から「ウイルスが切り開くファシズムへの道」というテーマで話します。予約制とのことですので興味のある方は事前に下記まで連絡してください。東京琉球館住所:東京都豊島区駒込2-17-8電話:03-5974-1333http://dotouch.cocolog-nifty.com/ 連日、新型コロナウイルスの脅威が宣伝されています。死者が新型コロナウイルスに感染していたということと、新型コロナウイルスが原因で死亡したということは違いますが、意図的に混同するような伝え方をマスコミはしているのではないでしょうか。 恐怖は人びとに「監禁」状態を受け入れさせ、社会を収容所化させます。ワクチンを利用してひとりひとりに「印」をつける研究も進んでいるようです。ファシストが喜ぶであろう新しい世界がおぼろげながら見えてきと言えるでしょう。その世界に刃向かう人びとを「ウイルス」として排除する時代が目前に迫っているのかもしれません。 新型コロナウイルスに感染している人が中国の武漢で初めて発見されたのは11月17日とも12月とも言われていますが、その中国では2月に入って伝染は沈静化したと言われています。キューバで研究が進んでいるインターフェロン・アルファ2bが有効だったようです。イタリアでは抗マラリア剤として知られているヒドロキシクロロキンを抗生物質のアジスロマイシンと一緒に早い段階で投与すれば効果があるとする報告があります。中国では2カ月、3カ月といった期間に伝染は収束に向かったということになりますが、それはファシズム体制の構築を目指す人びとにとって都合の悪い話でしょう。 日本などではウイルスの検査が進んでいないようですが、WHOによると感染者の80%は症状が軽く、検査の態勢を充実させると致死率が下がることは間違いないでしょう。死者の中には心臓病、糖尿病、癌、腎不全などの患者、しかむ複数の病気を抱えている人が多く、イタリアでは新型コロナウイスルで死亡したと言えるのは全体の12%程度だとされていますが、致死率が下がれば、それだけ恐ろしさは低下してしまいます。恐怖を演出するためには検査を広げないことも重要です。 アメリカにおける感染症に関する中心的な政府機関であるNIAID(国立アレルギー感染症研究所)のアンソニー・ファウチ所長を含む3名の研究者は2月28日に新型コロナウイルスの致死率は1%未満かもしれないと発表していますが、それが常識的な見方でしょう。つまり季節性インフルエンザ並みの致死率である可能性が小さくないのです。 しかし、それでは戒厳令的な政策を推進して収容所化することはできません。そこでファウチは3月11日にアメリカ下院の管理改革委員会で新型コロナウイルスの致死率は季節性インフルエンザの10倍だと脅威を煽る発言をし、同じ日にWHOはパンデミックを宣言しました。アメリカ政府が国家緊急事態を宣言したのはその2日後、安倍晋三政権が緊急事態を宣言したのは4月7日です。 すでに感染が沈静化した中国では経済活動が回復していると伝えられていますが、緊急事態が宣言されて以来、日本やアメリカなどでは経済活動に急ブレーキがかかり、社会は麻痺状態です。 巨大資本や富裕層は救済されるはずですが、大多数の庶民は尻拭いさせられ、塗炭の苦しみを味わうことになるでしょう。それがこれまでのパターンです。中小企業の倒産を大企業のビジネスチャンスと見る人もいます。 しかし、最も恐ろしいことは社会のファシズム化が進むことではないでしょうか。アメリカ大統領を1933年3月から45年4月まで務めたフランクリン・ルーズベルトは38年にファシズムに関する警告を発しています。彼は何らかの支配力を持つ私的権力が政府を所有している状態を彼はファシズムと呼び、そうした私的な権力が民主的国家そのものより強大になることを人びとが許すなら民主主義は危機に陥ると警鐘を鳴らしました。 つまり、すでに民主主義は危機的な情況に陥っているのですが、今回のウイルス騒動はファシストが最終戦争を仕掛けてきたようにも思えます。このウイルスは実際の微生物ではなくファシストが人びとを操るために作り出した幻影で、その幻影に操られた人びとはファシストが支配する新世界へ向かわされようとしています。強大な私的権力が世界を直接統治する体制、つまりファシストが支配する時代に突入する恐れが強まっているのです。こうした動きについて、考えて見たいと思います。
2020.04.24
人びとに衝撃を与える出来事を利用して支配者は自分たちに都合の良い社会システムを築いてきた。例えば、関東大震災の際に公布された治安維持令などを集成する形で2年後の1925年に治安維持法が公布され、社会の収容所化が強化されている。この震災は日本をアメリカの巨大金融機関、JPモルガンの支配下に置くことになった。 本ブログで繰り返し書いてきたことだが、JPモルガンをはじめとするウォール街の住民は親ファシズムで、1933年から34年にかけて、アメリカのニューディル派政権を倒すためにクーデターを実行しようと動いていた。 JPモルガンが日本支配を始める前、徳川体制が崩壊する頃から日本はイギリスの影響下にあった。アヘン戦争でイギリスは清(中国)に勝ったものの、内陸部の制圧はできていない。戦力が圧倒的に足りなかったのである。そこで目をつけたのが日本。日本はイギリスの傭兵になることでイギリスからさまざまな支援を受けることになった。アジア侵略の手先になることで富と地位を獲得した人びとがその後の日本を支配することになるわけだ。 アヘン戦争で儲けたイギリス系企業のひとつ、ジャーディン・マセソンが明治体制ができあがる過程で大きな役割を果たしているが、日露戦争の際にはロスチャイルド系銀行のクーン・ローブが日本へ戦費を貸していた。JPモルガンとロスチャイルドの関係も有名だ。 こうしたイギリスやアメリカの金融資本を後ろ盾として築かれたのが日本の天皇制官僚システムにほかならない。1932年にアメリカから駐日大使としてジョセフ・グルーがやってくるが、そのいとこがジョン・ピアポント・モルガン・ジュニア、つまりJPモルガンの総帥の妻。またグルーの妻、アリスの曾祖父にあたるオリバー・ペリーは海軍の伝説的な軍人だが、その弟は「黒船」で有名なマシュー・ペリーだ。 JPモルガンの中枢につながるグルーは第2次世界大戦後、日本の進路を定めたジャパン・ロビーの中心的な存在になった。「民主的」とされる日本国憲法は天皇制の維持を宣言している。戦前も戦後も支配体制は米英の金融資本を後ろ盾とする天皇制官僚システム。基本構造は同じということだ。大正デモクラシーも戦後民主主義も天皇制官僚国家の構造の民主化ではなく、政策の民主化にすぎない。 COVID-19(新型コロナウィルス)を利用して人びとを「監禁(ロックダウン)」する政策が各国で進められている。日本国内で改憲、つまり基本的人権を大幅に制限し、あるいは剥奪する新憲法を制定しようとしている人びとがはしゃいでも不思議ではない。
2020.04.23

アメリカのドナルド・トランプ政権はCOVID-19(新型コロナウイルス)の伝染拡大を利用し、中国だけでなくイラン、イエメン、ベネズエラ、キューバなどアメリカへの従属度が足りない国々を攻撃している。このウイルスの流行もあり、原油価格が下落。その結果、アメリカのエネルギー産業で主力になっているシェール・ガスやシェール・オイルの業者は立ち直れないほどの打撃を受けているとも言われている。世界有数の油田があるベネズエラを侵略する必要性は強まっていると言えるだろう。 アメリカ軍のラルフ・ピータース中佐が2006年に作成した中東分割案を注目している人は少なくない。アメリカの戦略をよく説明できるからだ。それによると、トルコ、シリア、イラク、イランの真ん中にクルドの国「自由クルディスタン」を作るとされていた。中東版の「満州国」だ。そこを拠点に周辺国を支配することも重要だろうが、油田を押さえるという意味もある。 2014年にその地域を制圧作戦を始めたのはダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)。その年の1月にイラクのファルージャでサラフィ主義者やムスリム同胞団が「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧する。その際、ダーイッシュはトヨタ製小型トラック「ハイラックス」の新車を連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が世界に伝えられた。 ダーイッシュの売り出しだが、アメリカの軍や情報機関は偵察衛星、無人機、通信傍受、人間による情報活動などによって武装集団の動きを事前に知っていたはずであり、パレードは格好の攻撃目標だったはず。ところがアメリカ軍は動かなかった。 こうした武装集団の出現は2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAが報告書の中で警告している。シリアで政府軍と戦っている主力をサラフィ主義者やムスリム同胞団であり、戦闘集団としてアル・カイダ系のアル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘されていた)の名前を挙げていた。バラク・オバマ政権が支援していた武装勢力を「穏健派」と呼ぶことはできないと言うこと。DIAはその武装集団がシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになるとも指摘していた。 その後、アメリカ、イギリス、フランス、サウジアラビア、イスラエル、トルコ、カタールといった国々を雇い主とするジハード傭兵、ダーイッシュは支配地域を拡大、シリアの首都ダマスカスへ迫る。そこでシリア政府はロシアに軍事介入を要請、2015年9月末に攻撃を開始した。 ネオコンはロシアの軍事介入を予想していなかっただろうが、それ以上に世界を驚かせたのは強さ。ダーイッシュは敗走を始め、支配地域は急速に縮小していった。そこでアメリカなど侵略国は手先の武装集団をダーイッシュからクルドに切り替えたのだが、それに反発したのがトルコだ。トルコはクルドを敵視していた。 そのクルドが支配するシリア北東部はトルコに接している。トルコとシリアとの国境近くにあるアル・カーミシリへ35台のアメリカ軍車両が入ったと伝えられている。アメリカ軍の基地へ物資を運び込んだようだが、これはトルコを刺激したようだ。 シリア西部のイドリブではトルコが配下の武装勢力を支援してシリア政府と対立、ロシア軍に抑え込まれている。そうした中、トルコは同じNATO加盟国のアメリカとの関係が再び悪化するかもしれない。
2020.04.22
ワシントン・ポスト紙でコラムニストを務めるマーク・スィースンによると、中国にCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大の法的な責任があるのだという。アメリカ人が監禁状態になり、失業者が増え、死人が出ているのは中国のせいであり、アメリカの貧弱な社会システムとは無関係だというわけだ。 戯言なのだが、この戯言を書いた人物は戯言を作り出すことを生業としてきた。1995年から2001年にかけてジェシー・ヘルムズのスピーチライターを務めた後、ジョージ・W・ブッシュ政権で国防長官に就任したドナルド・ラムズフェルドの主任スピーチーライター、そして後にブッシュ大統領のスピーチを書いていたチームに加わった。ヘルムズはジョン・ボルトンの後ろ盾でもあった。 2009年1月にブッシュがホワイトハウスを去ると、スィースンはネオコン系のフーバー研究所やAEIのフェローになり、2010年3月からはワシントン・ポスト紙のコラムニストだ。 ワシントン・ポスト紙を「言論の自由の象徴」と考える人が日本には少なくないようだ。ウォーターゲート事件の影響だろうが、この事件を取材したことで有名な元ワシントン・ポスト紙記者のカール・バーンスタインによると、アメリカの有力メディアとCIAは緊密な関係にある。400名以上のジャーナリストがCIAのために働き、1950年から66年にかけて、ニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供しているとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977) メディアをコントロールするプロジェクトをCIAが始めたのは第2次世界大戦が終わって間もない頃。デボラ・デイビスによると、1948年頃からモッキンバードと呼ばれる情報操作プロジェクトが始められている。アメリカの有力メディアに「リベラル派」とか「左翼」と呼べるようなものは存在しない。(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979) こうした工作はアメリカ国内に留まらない。ドイツの有力紙、フランクフルター・アルゲマイネ紙(FAZ)の編集者だったウド・ウルフコテによると、ジャーナリストとして過ごした25年の間に彼が教わったことは、嘘をつき、裏切り、人びとに真実を知らせないことで、多くの国のジャーナリストがCIAに買収されているとしている。 彼が告発を決意したのは、人びとがロシアに敵意を持つように誘導するプロパガンダを展開、人びとをロシアとの戦争へと導き、引き返すことのできない地点にさしかかっていると感じたからだという。2017年1月、56歳のときに彼は心臓発作で彼は死亡した。 言うまでもなく、ブッシュ政権はイラクを先制攻撃してサダム・フセイン政権を倒したが、その攻撃を正当化するため、ブッシュ政権はイギリスのトニー・ブレア首相の協力を得て大量破壊兵器に関する偽情報を広めた。その偽情報の流布に果たしたマーク・スィースンの役割は軽くない。 アメリカ主導軍はイラクを侵略したわけだが、その結果、100万人を超すとイラク人を殺したとも推計されている。例えばアメリカのジョーンズ・ホプキンス大学とアル・ムスタンシリヤ大学の共同研究によると、2003年の開戦から2006年7月までに約65万人のイラク人が殺されたと結論、イギリスのORBは2007年夏までに94万6000名から112万人が死亡、またNGOのジャスト・フォーリン・ポリシーは133万9000人余りが殺されたとしている。 その後、バラク・オバマ政権はジハード傭兵を使った侵略に切り替えたが、戦争自体は現在も継続され、中東から北アフリカにかけての地域は破壊と殺戮でこの世の地獄と化している。スィースンはその責任を感じていないようだ。そのスィースンは、つまりネオコンはCOVID-19の問題で中国を誹謗中傷している。 ネオコンは1991年12月にソ連が消滅した際、アメリカは唯一の超大国になり、世界制覇は間近に迫ったと考えた。ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官によると、当時の国防次官でネオコンの大物として知られるポール・ウォルフォウィッツは1991年にイラク、シリア、イランを殲滅すると語っている。(3月、10月) その当時はジョージ・H・W・ブッシュが大統領で、ウォルフォウィッツの上司にあたる国防長官はリチャード・チェイニー。1992年2月にこの人脈は国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランを作成した。いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」で、ソ連のようなライバルが出現することを阻止、力の源泉であるエネルギー資源を支配しようという内容だった。 ネオコンが潜在的なライバルとして最も警戒した国は中国。そこで東アジア重視が打ち出される。必然的に日本の戦略的な役割は重くなり、アメリカの戦争マシーンに組み込まれていく。それがナイ・レポート以降の動きに反映されている。COVID-19を口実として進められている収容所化もそうした戦略の延長線上にある。
2020.04.21

イギリス労働党の党首を4月4日から務めているキア・スターマーは早速イスラエルに接近、自分の妻ビクトリア・アレキサンダーの家族はユダヤ系だということをアピールしている。彼女の父親の家族はポーランドから移住してきたユダヤ人で、テル・アビブにも親戚がいるのだという。 スターマーの前任者で2015年9月から党首を務めていたジェレミー・コービンやその支持者は有力メディアから「反ユダヤ主義者」だと攻撃され、2017年や19年の総選挙で労働党が負ける一因になった。党内に存在する親イスラエル派のネットワークがコービンに正しい情報が伝わらないように工作していたともいう。 そうした「反ユダヤ主義」宣伝には根拠がなく、根拠のない主張でコービンたちを攻撃していたグループが党の幹部にいると指摘する党内部の報告書がリークされ、スターマー体制を揺るがしている。党で反コービン工作を指揮していたとされているのは親イスラエル派のイアン・マクニコルで、コービン派の党員をパージしてたという。 歴史的にイギリスの労働党はイスラエルと関係が深かったが、イスラエルがパレスチナで破壊と殺戮を繰り替えすことで雰囲気は変化していく。決定的だったのは1982年9月にレバノンのパレスチナ難民キャンプのサブラとシャティーラで引き起こされた虐殺事件だ。 この虐殺はベイルートのキリスト教勢力、ファランジスト党のメンバーが実行したのだが、その黒幕はイスラエルだった。ファランジスト党の武装勢力はイスラエル軍の支援を受けながら無防備の難民キャンプを制圧、その際に数百人、あるいは3000人以上の難民が殺されたと言われている。 イギリス労働党の内部ではイスラエルの責任を問い、パレスチナを支援する声が大きくなるが、それだけでなく、イスラエルを支えているアメリカへも批判の目は向けられて両国の関係に暗雲が垂れ込めた。 そうした情況を懸念したアメリカのロナルド・レーガン政権はイギリスとの結びつきを強めようと考え、メディア界の大物を呼び寄せて善後策を協議。そこで組織されたのがBAP(英米後継世代プロジェクト)だ。アメリカとイギリスのエリートを一体化させることが目的だが、その特徴のひとつは少なからぬメディアの記者や編集者が参加していたことにある。 そうした中、トニー・ブレアはイスラエルに接近していく。1994年1月に彼は妻と一緒にイスラエルへ招待され、3月にはロンドンのイスラエル大使館で富豪のマイケル・レビーを紹介された。その後、ブレアの重要なスポンサーになるのだが、言うまでもなく真のスポンサーはイスラエルだ。アメリカだけでなく、イギリスにもイスラエル・ロビーが存在するのである。 そのブレアが労働党の党首になるチャンスが1994年に訪れる。当時の党首、ジョン・スミスがその年の5月に急死、その1カ月後に行われた投票でブレアが勝利して新しい党首になったのである。 レビーだけでなく、イスラエルとイギリスとの関係強化を目的としているという団体LFIを資金源にしていたブレアは労働組合を頼る必要がない。1997年5月に首相となったブレアの政策は国内でマーガレット・サッチャーと同じ新自由主義を推進、国外では親イスラエル的で好戦的なものだった。例えば、2007年6月にブレアは首相の座から降りるが、その間、偽文書を作成してアメリカのジョージ・W・ブッシュ政権のイラク侵略を支援している。 ブレアはジェイコブ・ロスチャイルドやエブリン・ロベルト・デ・ロスチャイルドと親しいが、首相を辞めた後、JPモルガンやチューリッヒ・インターナショナルから報酬を得るようになる。それだけ富豪たちにとってブレアの功績は大きかったのだろう。 こうしたブレアのネオコン的な政策への反発に後押しされて2015年に労働党の党首となったのがコービン。彼の政策はブレアのスポンサーたちにとって好ましいものでなく、アメリカやイギリスの情報機関もコービンを引きずり下ろそうと必死になった。 彼に対する攻撃には偽情報も使われたが、その重要な発信源のひとつが2015年に創設されたインテグリティ・イニシアチブ。イギリス外務省が資金を出している。「偽情報から民主主義を守る」としているが、実態は偽情報を発信するプロパガンダ機関だ。 そうした努力の結果、コービンは党首を辞任せざるをえなくなり、労働党をイスラエルや親イスラエル派は奪還することに成功した。その直後にリークされたのが今回の報告書だ。
2020.04.20

毎年寒冷な時期にインフルエンザは流行し、全世界で29万人から65万人が死亡するという。日本ではワクチンの接種が推奨されてきたが、効果を疑問視する専門家もいる。感染者が発見されると情況によって学級閉鎖や学校閉鎖といった対策が講じられるが、企業では「少々具合が悪くても出社しろ」という風潮があり、感染を拡大する一因になっていると指摘されてきた。 それに対し、COVID-19(新型コロナウイルス)の場合は日本でも戒厳令を彷彿させる政策が打ち出されている。社会が収容所化されているとも言える情況だ。11月17日頃にこのウイルスの感染者が発見された(WHOによると12月)中国でも人の移動が厳しく制限されていた。 日本やアメリカではCOVID-19の検査が進んでいないと批判されてきた。深刻な症状が出ている人を優先して調べているとされていたが、この伝染病は感染しても発症しない人が多い。WHOも感染者の80%は症状が軽いとしている。検査を充実させると致死率が低下することは間違いないだろう。 そうした見方をしていた専門家の中にはNIHの機関であるNIAID(国立アレルギー感染症研究所)のアンソニー・ファウチ所長も含まれていた。ファウチを含む3名の研究者は2月28日にCOVID-19の致死率は1%未満かもしれないとニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスンで発表している。つまり季節性インフルエンザ並みということだ。 しかし、ファウチは3月11日にアメリカ下院の管理改革委員会でCOVID-19の致死性は季節性インフルエンザの10倍だと発言、同じ日にWHOはパンデミックを宣言、13日にアメリカ政府は国家緊急事態を宣言して人びとは「監禁」状態になった。 中国では2月にCOVID-19は沈静化へ向かうが、キューバで研究が進んでいるインターフェロン・アルファ2bが有効で、患者が回復していったからだとも言われている。イタリアでは抗マラリア剤として知られているヒドロキシクロロキンを抗生物質のアジスロマイシンと一緒に早い段階で投与すれば効果があるとも言われている。 それに対してアメリカではワクチンが宣伝されているが、少なからぬ問題があることは本ブログでも書いてきた。ワクチンを推進している団体のひとつがファウチとも関係の深いビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団。ワクチンの接種と同時に量子規模の入れ墨を皮膚の下にする技術も開発されている。
2020.04.19
COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大を理由として収容所化が進められている国が少なくないが、国境を越えた人の移動も制限されて国と国と分断されつつある。このウイルスが広がる前、滅び行く帝国アメリカから離反する動きがあり、そうした国々はロシアや中国を中心に連携しはじめていた。そうした動きにCOVID-19はブレーキをかけ、ロシアと中国との関係に影響を及ぼすという見方がある。 ロシア政府は2月1日からロシア発中国行きの定期航空便の運行を止め、両国を結ぶチャーター便は2月14日から運行停止になったと伝えられている。外交、ビジネス、あるいは人道的活動で移動する必要のある人などは除かれたようだが、両国のつながりが弱まることは避けられないだろう。 4月からそうした措置は解除されたようだが、今度はロシアの情況が問題になっている。中国での報道によると、ロシアから中国へ飛んできた全ての航空便でCOVI-19に感染した乗客が発見されているという。 イタリア、フランス、スペインといったヨーロッパ諸国で感染が拡大しているが、それを受けて少なからぬロシア人が帰国している。そうしたロシア人の中に感染した人が含まれ、ロシアで患者を増やしていると分析されている。 アメリカの支配層が世界的な規模でファシズム体制を樹立させようとしていることは本ブログで何度も指摘してきた。その計画は遅くとも大恐慌の時代から始まる。米英の巨大金融資本とナチスとの関係も明らかになっている。ホワイトハウスからニューディール派を排除してファシムズ体制を樹立しようというクーデター計画が1933年から34年にかけて進められていたことも書いてきた通り。スメドリー・バトラー少将らの証言によると、その中心的な存在がJPモルガンだった。 1933年はニューディール派を率いるフランクリン・ルーズベルトが大統領に就任した年。1945年4月に執務中に急死するまでルーズベルト政権が続くのだが、その政権で45年1月まで副大統領を務めていたヘンリー・ウォーレスは44年4月、アメリカをファシズムの脅威が襲うピークは第2次世界大戦の後だとニューヨーク・タイムズ紙に載せた記事の中で指摘している。 1944年の大統領選挙でもルーズベルトは圧勝しているが、その選挙の際、民主党の幹部はルーズベルトに信頼されていたウォーレスを次期副大統領候補から外し、シオニストの富豪アブラハム・フェインバーグを後ろ盾とするハリー・トルーマンを据えていた。副大統領に就任した3カ月後、ルーズベルトの急死でトルーマンが副大統領から大統領へ昇格している。大戦後、アメリカでは反ファシスト勢力が「赤狩り」という形で粛清された。 その後、アメリカにおける金融資本の影響力はさらに強まるが、FBIと並ぶ支配の重要な道具として機能してきたのが情報機関のCIA。この機関は1942年、ウォール街とシティ、つまりアメリカとイギリスの金融資本によって作られたOSSが大戦後に生まれ変わったもの。その人脈は大戦の終盤からナチスの幹部や協力者を救出、ラテン・アメリカなどへ逃亡させ、保護、雇用している。当時の動きは本ブログで何度か書いたことなので、今回は割愛する。 アメリカやイギリスの支配層にとってファシズムは長期戦略の柱だともいえる。COVID-19を利用して世界をファシズム化することは、その戦略に則っている。 しかし、そうした戦略に対抗する動きがCOVID-19の前にはあった。COVID-19後に世界はどうなるかだが、各国が分断されても危機を乗り切るための協力関係を築ければファシストに勝利できるかもしれない。現在、キューバ、中国、ロシアから医師団や救援物資が各国へ派遣されているようだが、こうした動きが広がれば協力関係は強まる可能性がある。ただ、世界が民主的な方向へ動き出したとしても、国家規模の自爆攻撃を仕掛けてくる可能性もあるので、楽観はできない。
2020.04.18
日本でもCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大を防ぐという名目で経済活動を破壊する政策が推進されている。安倍晋三政権だけでなく野党もカネのばらまきで騙そうとしているが、これまで以上に深刻な不況へ突入する可能性は高い。 すでに生産活動を放棄し、金融マジックで生き延びてきたアメリカも深刻。事実上、公的な健康保険が存在しないことが庶民に追い打ちをかける。経済破綻したギリシャと似た状況だとする人もいるが、国が消滅したソ連に近いとも言えるだろう。 ソ連が消滅、その構成国はバラバラになるが、そこに現れたのが西側の巨大金融資本やその手先になった地元のゴロツキ。KGBの一部がCIAの人脈と手を組んでいたとする情報もある。ソ連を消滅させる最終的な作業はボリス・エリツィンが行ったが、そうした道へと国を導いたのはミハイル・ゴルバチョフ。エリツィンは勿論、ゴルバチョフの周辺は西側巨大資本とつながっている人びとで固められていた。 ソ連消滅から国民資産が略奪されるが、そうした略奪を象徴する人物のひとりがミハイル・ホドルコフスキー。1963年生まれなので1991年には28歳。後ろ盾がいたので公的な資産を盗み、オリガルヒと呼ばれる富豪になれたわけだ。 ホドルコフスキーはユダヤ教徒の父親とキリスト教徒の母親の子どもとしてモスクワで誕生、メンデレーエフ・モスクワ化学技術大学でロケット燃料を専攻、大学では、コムソモール(共産主義青年同盟)副委員長を務めた。 1985年に書記長となったゴルバチョフが「ペレストロイカ(建て直し)」を始めると、ホドルコフスキーはコムソモールの人脈を使ってビジネスの基盤を築く。その人脈の中にはソ連国立銀行の幹部を両親に持つアレクセイ・ゴルボビッチも含まれていた。 1989年にホドルコフスキーはそうした人脈を使い、ロシアの若い女性を西側の金持ちへモデルとして売り飛ばしていたと言われている。そうしたビジネスを始めていたリチャード・ヒューズなる人物は出国ビザを入手するため、KGBにコネがあるホドルコフスキーと手を組んだというのだ。(Michael Gross “From Russia with Sex”, New York, August 10, 1998) この年にホドルコフスキーは銀行設立のライセンスを取得、メナテプ銀行を設立した。日本でも金融機関を設立したり乗っ取るすることは少なくないが、違法送金やマネーロンダリングを行うためには自分の金融機関を持っていると好都合だからだ。 ホドルコフスキーは1995年にユーコスを買収、その後、中小の石油会社を呑み込んでいく。1996年にはモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっている。メディアはライバルを攻撃したり人びとを操るために重要な道具だ。 会社を呑み込むと言っても、通常は簡単でない。安く手に入れるためには経営を破綻させる必要がある。ソ連の消滅で資産が叩き売られていたロシアでは大儲けできた。その国自体を乗っ取ることに成功したなら「再生」に乗り出すが、それは自分たちのカネ儲け、支配に都合の良いシステムを作るということだ。大多数の庶民にとってはディストピア。そうした略奪集団は1990年代から日本も食い物にしたが、ロシアはその比でなかった。 しかし、ロシアでは国が完全に乗っ取られる寸前、曲がりなりにも再独立することに成功した。再独立を実現したグループの中心にいたウラジミル・プーチンを西側の政府や有力メディアが罵倒するのは必然だと言える。再独立したロシアは2015年頃から中国に接近、両国は戦略的な同盟関係に入る。 こうした展開を受け入れられなかったのはネオコンをはじめとする世界制覇を目指す西側勢力だけでなく、ソ連嫌いの「左翼」も含まれる。ネオコンには「元トロツキスト」が多いようで、ネオコンと「左翼」はもともと近い存在なのかもしれない。そうした人びとはロシアを再び西側巨大資本の属国にしようと必死になり、その努力は今も続いている。 ホドルコフスキーはジョージ・ソロスの「オープン・ソサエティ基金」をモデルにした「オープン・ロシア基金」を2002年にアメリカで創設、ヘンリー・キッシンジャーやジェイコブ・ロスチャイルド卿を雇い入れている。この事実だけでもホドルコフスキー人脈が推測できるだろう。 ユーコスは西側の銀行から数億ドルの融資を受け、投資会社のカーライル・グループからも資金を得ていた。そのユーコスの発行済み株式のうち25%から40%をホドルコフスキーはエクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとするが、それはプーチンによって阻止されている。 COVID-19によって金融や経済が破壊された世界では、エリツィン時代のロシアに近いことが世界規模で展開される可能性がある。少なくともアメリカの支配層はそれを目論んでいるだろう。その先に彼らは巨大な私的権力が世界を直接統治する「新世界」を見ているはず。それは強者が生殺与奪の件を握った「自由な世界」だ。
2020.04.17
COVID-19(新型コロナウイルス)の感染が拡大しはじめたのは中国の武漢だとされている。アメリカではインフルエンザが猛威を振るい、多くの患者が出ていたのだが、その中にCOVID-19の患者が含まれていた可能性があり、実際に何が起こっていたのかは明確でなく、断定できないのだ。 本ブログではすでに紹介したことだが、アメリカ軍が細菌化学兵器を研究開発する拠点にしているフォート・デトリックでは昨年夏、数カ月にわたって施設が閉鎖されたと伝えられている。廃液に絡む安全上の問題が発覚したことが原因のようだが、詳細は不明。その際、何らかの病原体が環境中に出た可能性もある。 そのアメリカから昨年10月に300名以上の軍人が中国の武漢を訪れている。10月18日から27日にかけて国際的な軍人の競技会が開かれ、アメリカも選手団を派遣したのだ。アメリカ人競技者は172名、全体では369名だったという。 アメリカでは中国で患者が確認されたのは12月だとされているが、実際は11月17日頃とも言われている。その後、中国の外へも感染が拡大していくのだが、2月から3月の前半にかけて致死率は季節性のインフルエンザ並みで、大げさに宣伝されているとする専門家の意見が相次ぐ。(例えばココ) そうした流れが急変させたのはWHOが3月11日に出したパンデミック宣言とアメリカ政府が3月13日に発表した国家緊急事態宣言。11日にはNIHの機関であるNIAID(国立アレルギー感染症研究所)のアンソニー・ファウチ所長がCOVID-19の致死率はインフルエンザの10倍と発言。ちなみに、2月の終わりの段階ではCOVID-19の致死率は通常のインフルエンザ並みかもしれないとファウチは他のふたりと共同で書いていた。 ファウチがNIAIDの所長に就任した1984年当時、人びとをHIVが恐怖させていた。HIVで有名になったロバート・ギャロはファウチの部下だ。 HIVの出現は1969年に予告されていたと言われている。伝染病からの感染を防ぐための免疫や治療のプロセスが対応困難な病原体が5年から10年の間、つまり1974年から79年の間に出現すると1969年6月に国防総省国防研究技術局のドナルド・マッカーサー副局長が議会で語っているのだ。HIVの存在が公的に認められたのは1981年のことだ。 このウイルスの発見を巡り、ギャロはパスツール研究所のリュック・モンタニエと対立する。モンタニエは1983年に彼のチームが患者の血液からレトロウイルスを発見、LAVと名付けたのだ。その後、何らかの裏取引があったようだ。 こうした経歴を持つファウチやNIAIDはビル・アンド・メリンダ財団から多額の資金を受け取り、クリントン財団とも関係しているという。COVID-19にはカネの匂いがするのだが、そのCOVID-19を利用して世界を収容所化する動きがあるわけだ。
2020.04.16
COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大を防ぐという名目で、日本を含む少なからぬ国々の政府は経済活動にブレーキをかけている。景気の悪化が深刻化している中、安倍晋三政権は消費税率を引き上げたことで日本経済は破滅的情況に陥りつつあったが、今回のウイルス騒動でその情況は見えにくくなった。 中国ではすでに経済活動が急回復しているとする情報も伝わっているのだが、西側ではこれから深刻化、その規模は1929年10月のニューヨーク株式市場における暴落から始まったいわゆる大恐慌と同じ規模になるとも見られている。1920年代のアメリカでは資金が投機へと流れ込み、株式相場が上昇し続けてバブルが発生した。そのバブルが1929年に破裂した、あるいは何者かによって破裂させられたのだ。 株価暴落の7カ月前からハーバート・フーバーがアメリカ大統領を務めているが、この人物はスタンフォード大学を卒業した後、鉱山技師としてアリゾナにあるロスチャイルドの鉱山で働いていた。利益のためなら安全を軽視するタイプだったことから経営者に好かれ、出世したと言われている。 大統領に就任してから大企業や富裕層を優遇する政策を続けようとしたために庶民の怒りを買い、1932年の選挙でニューディール派を率いるフランクリン・ルーズベルトに負けてしまう。その当時のアメリカでは庶民に政治家を選ぶ権利が残されていたわけだ。選挙で負けた年にフーバーが大使として日本へ送り込んだのがJPモルガンと緊密な関係にあるジョセフ・グルーだった。 大統領に就任する前の月にルーズベルトはフロリダ州マイアミで開かれた集会で銃撃事件に巻き込まれた。弾丸は隣にいたシカゴ市長に命中して市長は死亡した。背後関係は不明のまま、銃撃犯はその月のうちに処刑されている。 ルーズベルトが大統領に就任した直後、1933年から34年にかけての期間にウォール街の大物たちはクーデターを計画、ファシズム体制の樹立を目論んだ。この事実は本ブログで繰り返し書いてきたが、もしクーデターが成功していたならアメリカはファシズム化していただろう。 しかし、ルーズベルト政権の時代にもウォール街からナチスへ資金が流れていたことは明確になっている。戦争中は政府に無断でアレン・ダレスたちがナチスの幹部と接触していたことも判明している。言うまでもなくダレスはウォール街の弁護士だ。ウォール街はシティ(イギリスの金融界)と連携、情報機関や破壊工作グループを編成している。 アメリカの支配層では対立が深刻化していたのだが、1945年4月に帰趨は決した。ルーズベルトが急死してウォール街が主導権を奪還したのだ。 アメリカを中心とする国々では1929年に始まった大恐慌並みの不景気に突入すると懸念されているが、支配層がその当時と同じように動くとするなら、その目指す先にはファシズム体制がある。
2020.04.15
世界をCOVID-19(新型コロナウイルス)という「恐怖」が覆っている。恐怖を利用してアメリカの支配層が被支配層を操ってきたことを考えると、COVID-19の場合でもそうしたことが行われていると推測できる。すでに現象として戒厳令的な情況が作り出され、ソ連や中国との核戦争を想定して計画された社会の収容所化も急速に進んでいるようだ。 人間が容易に恐怖でパニックになることは1938年10月30日の出来事を考えてもわかる。この日、H・G・ウェルズ原作のドラマ『宇宙戦争』をCBSラジオがオーソン・ウェルズの演出で放送したのだが、この番組が原因で少なからぬアメリカ人がパニックになったのだ。 第2次世界大戦後、アメリカの支配層は現実世界で恐怖を使う。本ブログで繰り返し書いてきたが、ウォール街、つまり巨大金融資本の大物たちはファシズムを望んでいた。そのウォール街を1933年からニューディール派が押さえ込むが、45年4月、つまりドイツが降伏する前の月にフランクリン・ルーズベルト大統領が急死して情況が一変した。 ルーズベルトはニューディール派のリーダーで、しかも1944年に実施された大統領選挙で副大統領候補は現職の副大統領で民主党員の65%から支持されていたヘンリー・ウォーレスではなく、支持率が2%にすぎないハリー・トルーマンになっていた。 トルーマンはルーズベルトと親しい間柄ではなかったが、アブラハム・フェインバーグという富豪が後ろ盾なっていた。この人物はリンドン・ジョンソンのスポンサーとしても有名で、後にイスラエルの核兵器開発を支援するひとりになる。 ルーズベルトが大統領、ウォーレスが副大統領という政権なら、戦争が終わればナチスを支援した人びとの責任が問われた可能性は極めて高い。これも繰り返し書いてきたことだが、JPモルガンをはじめとするウォール街の大物たちは1933年から34年にかけてファシズム体制の樹立を目指すクーデターを計画、準備を進めていた。 しかし、第2次世界大戦後、ファシズムに反対していた人びとが「アカ狩り」で粛清されている。「アカ」が恐怖に仕立てられ、国民はその恐怖の渦に呑み込まれた。大戦でファシストは負けなかったのだ。彼らは「全体主義」というタグを使って姿を隠した。 イタリアで1960年代から80年頃にかけてNATOの秘密部隊と言われるグラディオが実行した極左を装った爆弾テロも恐怖戦術の成功例だろう。イタリアで支持者が多かったコミュニストにダメージを与え、社会的な緊張を高めて社会の収容所化を進めるという戦術だ。グラディオを動かしていたのはイタリアの情報機関だが、その背後にはアメリカやイギリスの情報機関が存在していた。 21世紀に入ると「アル・カイダ」と「オサマ・ビン・ラディン」が恐怖の象徴になるが、アル・カイダはロビン・クック元英外相も指摘しているように、CIAの訓練を受けたムジャヒディン(ジハード傭兵)の登録リスト。ビン・ラディンはサウジアラビアの富豪一族の一員で、ムジャヒディンのリクルート担当だった。 アル・カイダ系武装集団とNATO/アメリカとの関係は2011年に西側のメディアも伝えるほど広く知られるようになるが、その頃からバラク・オバマ政権は新たな戦闘員を育成しはじめる。その危険性をDIAが2012年8月の段階でオバマ政権に警告していたことも繰り返し書いてきた。そして2014年に売り出された武装集団がダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)だ。 ダーイッシュは2015年にロシアがシリア政府の要請で軍事介入してから急速に勢力が弱まる。そこでアメリカなど西側の政府や有力メディアはシリア、イラン、ロシア、中国を恐怖の対象として宣伝しはじめた。 ここにきてアメリカ政府はシリア、イラン、ロシア、中国とセットでCOVID-19を恐怖として宣伝、社会の収容所化を推進、巨大資本やその資本を所有する富豪が支配する体制を築こうとしている。その新体制では人口を現在の5%、あるいは30%まで削減するという発言があった。 そうした流れがある一方、COVID-19で支配システムの無残な実態が明らかになり、ファシズム化に反対する人が増えるのではないかという見方もある。実際、世界的に見るとアメリカ離れが進んでいるが、そうした動きが広がるかどうかは不明だ。
2020.04.14
OPCW(化学兵器禁止機関)が2018年に設置したIIT(調査身元確認チーム)は4月8日、シリア空軍が2017年3月に化学兵器を使用したとする報告書を証拠抜きに公表した。 シリア政府が化学兵器を使ったとする話の発信源はアル・カイダ系武装集団のジャイシュ・アル・イスラムや、その医療部隊でイギリスの情報機関と関係が深いとも言われるSCD(シリア市民防衛/通称白いヘルメット)。 シリアやリビアへの侵略戦争ではイギリスやフランスが積極的だったが、ジャイシュ・アル・イスラムを指揮していたのはイギリスの特殊部隊SASやフランスの情報機関DGSEのメンバーだと言われている。 SCDを率い、昨年11月にトルコで変死したジェームズ・ル・ムズリエはイギリスの対外情報機関MI6のオフィサーだった人物。どの国でも情報機関に所属すると、仕事をしなくなることはあっても組織から抜けることはできないと言われているので、ル・ムズリエはMI6の工作としてSCDを動かしていたのかもしれない。 アメリカのバラク・オバマ政権がムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を使ってシリアやリビアに対する攻撃を始めたのは2011年春。その前年の8月にオバマ大統領はムスリム同胞団を手駒として使うことを決め、PSD-11を出している。 2011年10月にリビアのムハンマド・アル・カダフィ体制は倒され、戦闘員と武器/兵器をシリアへ運び込むのだが、その時点でNATO軍がアル・カイダ系武装集団と連携していることが広く知られるようになっていた。 そこでオバマ大統領は「穏健派」というタグを持ち出す。自分たちが支援しているのは「穏健派」だという主張だが、アメリカ軍の情報機関であるDIAはこれを否定する報告書を2012年8月に政府へ出した。 その中で反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団だと指摘、アル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラと実態は同じだとしている)の名前も出している。オバマ大統領が言うところの「穏健派」とは、一般的に「過激派」と見なされているグループだとしているのだ。 それだけでなく、オバマ政権の政策はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになると警告していたが、これは2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)という形で現実になった。 DIAがホワイトハウスへシリア情勢に関する報告書を出した頃、オバマ大統領はシリアに対する直接的な直接的な軍事介入のレッド・ラインは生物化学兵器の使用だと宣言している。「反体制派」の攻勢、シリア政府による「化学兵器の使用」、そしてアメリカ/NATO軍の軍事介入というシナリオを描いていたのだろう。 2012年12月になると国務長官だったヒラリー・クリントンはシリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使うかもしれないと語り、13年1月29日付けのデイリー・メール紙には、オバマ政権がシリアで化学兵器を使ってその責任をアサド政権に押しつける作戦を大統領が許可したという記述がイギリスの軍事関連企業ブリタム防衛の社内電子メールの中にあるとする記事を載せた。(同紙のサイトからこの記事はすぐに削除された。) しかし、すでにシリア政府はロシア政府のアドバイスに従い、化学兵器を全て廃棄していた。これはアメリカ政府も否定できないため、一部が隠されたと主張している。勿論、その主張を裏づける証拠はない。 何度嘘が明らかにされても化学兵器話をアメリカ政府は繰り返してきた。大嘘を単純化して言い続ければ、結局、皆信じるようになると考えているのかもしれない。 ロシアとの関係修復を訴えて大統領両選挙で当選したドナルド・トランプだが、大統領に就任してから方向転換する。その節目は国家安全保障補佐官に据えたマイケル・フリン中将の解任。2017年2月のことだ。オバマ大統領にダーイッシュ的な武装集団の出現を警告した当時のDIA局長がフリンだ。 そしてシリア政府が化学兵器を使ったという宣伝が始まり、4月7日にアメリカ海軍は地中海に配備していた2隻の駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイルのトマホーク59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射した。この攻撃はドナルド・トランプ大統領がフロリダ州で中国の習近平国家主席とチョコレート・ケーキを食べている最中に実行されている。 この攻撃でシリア空軍を壊滅させ、手駒の武装勢力に一斉攻撃をさせるつもりだったのだろうが、ロシア側の説明によると発射されたミサイルのうち6割が無力化されてしまう。アメリカ側は成功したと主張しているが、さまざまな情報を分析すると、ロシア側の主張が事実に近いようだ。この出来事は朝鮮半島情勢へも影響を及ぼした可能性がある。 その1年後、板門店で韓国と朝鮮の首脳が会談する13日前の2018年4月14日には100機以上の巡航ミサイルをアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍が地中海、紅海、ペルシャ湾からシリアに向けて発射した。このときは7割が無力化されてしまう。2017年には配備されていなかった短距離用の防空システム、パーンツィリ-S1が効果的だったという。アメリカが行った2度のミサイル攻撃によってロシアの防空システムが優秀だということが証明された。 2018年のケースでもアメリカは化学兵器話を使っていた。ミサイル攻撃の直前、国連の専門機関であるWHO(世界保健機関)は化学兵器の使用で多くの犠牲者が出ているとする声明を出したが、その情報源はWHOがパートナーと呼ぶ団体で、その中に含まれているMSFはSCDを訓練している。独自の調査をしたわけでない。 攻撃の直後にOPCWの調査チームが現地へ入る。つまり調査する前にアメリカはシリアをミサイル攻撃した。その調査チームのリーダーだったイアン・ヘンダーソン名義の文書によると、化学物質が入っていた筒状の物体は航空機から投下されたのではなく、人の手で地面に置かれていたことを証拠は示している。シリア政府軍が投下したのではなく、ジハード傭兵が置いた可能性が高いということだ。 それに対し、OPCWの上層部は最終報告書で調査チームの結論と逆の主張をした。報告書の捏造だ。その事実をヘンダーソンは国連の安全保障理事会で1月20日に証言することになるのだが、本人が会議場に現れることはなかった。アメリカがビザの発給を拒否したからだ。化学兵器の専門家を屈服させられなかったOPCWの上層部としてはIITを設置しなければならなかったのだろう。 化学兵器話がインチキだということは本ブログで繰り返し書いてきたが、オバマ政権もトランプ政権も宣伝し続けている。それを信じたがっている人もいるようだ。
2020.04.13
日本でも戒厳令を彷彿させる政策が打ち出されている。COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大を防ぐためだという口実だが、安倍晋三政権は当初、感染の拡大を防ごうとしていなかったように見える。 風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く時は全国の保健所に設けられた「帰国者・接触者相談センター」に相談するよう求めた「相談・受診の目安」を加藤勝信厚生労働相が公表したのは2月17日のことだった。この目安を根拠にしてウイルス検査を拒否される人が相次ぎ、問題になっている。 その13日前、横浜に停泊中だったクルーズ船ダイヤモンド・プリンセスでCOVID-19に10名が感染していると確認され、乗員乗客3700名は隔離状態になった。7日には感染の確認された人が61名に増え、乗員や乗客だけでなく厚労省の職員や検疫官も罹患したという。 この船内の感染対策が批判された。防護服を着なければならない区域と脱いでかまわない区域が明確でなく、常駐してるプロの感染対策の専門家がいないと神戸大学病院感染症内科の岩田健太郎教授は指摘、橋本岳厚労副大臣は反論の中で「清潔ルート」と「不潔ルート」が合流していることを示す写真を公表して失笑を買った。 2月17日に公表された目安をまとめたのは安倍政権の専門家会議。座長を務める脇田隆字は国立感染症研究所の所長だが、この研究所も批判の対象になっている。検査拡大の障害になっているというのだ。 国立感染症研究所はかつて国立予防衛生研究所(予研)と呼ばれていた。設立されたのは1947年だが、その歴史は私立衛生会附属伝染病研究所(伝研)が作られた1892年までさかのぼることができる。1916年に東京帝国大学附属伝染病研究所となり、その教授や助教授の半数が予研所員となった。 東京帝国大学は1930年代から京都帝国大学や陸軍の軍医学校と共に病原体を兵器として使う研究開発を進めていた。その研究開発で生体実験を行うために中国で部隊が編成される。当初は加茂部隊や東郷部隊と呼ばれたが、1941年からは第731部隊と呼ばれている。東京帝大で病原体を研究していた伝研も重要な役割を演じることになり、その人脈は予研、感染研に引き継がれたわけだ。 第731部隊の隊長は1936年から42年、そして日本の敗戦が決定的になっていた45年3月から敗戦までが石井四郎、その間、42年から45年2月までを北野政次が務めている。1945年8月には関東軍司令官の山田乙三大将の名前で部隊に関連した建物は破壊され、貴重な資料や菌株は運び出された。捕虜の多くは食事に混ぜた青酸カリで毒殺されたが、事態に気づいて食事をとならなかった者は射殺され、死体は本館の中庭で焼かれ、穴の中に埋められたという。 1950年6月に朝鮮戦争が勃発するとアメリカ軍は輸血体制を増強する必要に迫られ、その年の11月に「日本ブラッドバンク」が設立される。その時に中心的な役割を果たした内藤良一は軍医学校防疫研究室に所属していた人物。1964年にこの会社はミドリ十字へ社名を変更、北野は同社の役員になった。ミドリ十字は薬害エイズやフィブリノゲン問題を引き起こした。その後、同社は合併を繰り返して現在は田辺三菱製薬に含まれている。 本ブログでは繰り返し書いてきたように、日本へ逃げ帰った石井は自宅でCIC(アメリカ陸軍対諜報部隊)の尋問を受けているが、厳しいものではなく、石井の娘によると、チャールズ・ウィロビー少将と夕食を一緒に食べるまでになる。それ以降、同少将は石井たちの擁護者となった。(Peter Williams & David Wallace, “Unit 731”, Free Press, 1989) 1947年にはアメリカ陸軍の生物化学兵器の拠点であるメリーランド州のキャンプ・デトリック(後のフォート・デトリック)からノーバート・フェルという研究者がやって来て、第731部隊の幹部を尋問しているが、その直前、厚木基地からほど近い倉庫でアメリカ軍極東医療分隊に所属する「406医療一般研究所」が活動を開始、後に丸の内の三菱ビル内に本部を移した。朝鮮戦争中、この部隊は戦闘地域へ要員を派遣している。(Stephen Endicott & Edward Hagerman, "The United States And Biological Warfare", Indiana University Press, 1998) 1952年2月に朝鮮の外務大臣はアメリカ軍が細菌兵器を使用していると国連に対して強硬に抗議、中国の国営通信社、新華社はアメリカ軍が旧日本軍で細菌戦を担当していた元軍人に協力させて細菌戦争を行っていると伝えている。(David Talbot, “The Devil’s Chessboard,” HarperCollins, 2015) 戦争で捕虜になった30名ほどのアメリカ人パイロットは生物兵器を投下したと告白、これをアメリカ政府はプロパガンダだとして全面的に否定した。パイロットたちは帰国すると国家反逆罪に問うと脅され、告白を取り消しているが、その時に作られたのが「洗脳」だ。(前掲書) こうした背景を持つ感染研は日本におけるワクチンの総元締めとしても機能している。ワクチンは病気に対する有効な対策ではあるのだろうが、問題があることも事実だ。 例えば、ポリオ・ワクチンをジョナス・ソークが1950年代に開発して子どもたちへ投与しているが、そのワクチンを投与したサルがポリオを発症することにバーニス・エディという研究者は気づき、警告している。その警告は無視され、多くの被害者が出た。 アルバート・サビンが開発したワクチンの場合、製造に使われたサルの腎臓に人間を癌にするウイルスが混入したともいう。アメリカでは1970年代の終盤から皮膚癌、リンパ腫、前立腺癌、乳癌が増え始め、その傾向は1987年まで続いたとされているのだが、その原因は1950年代にアメリカで使われたポリオ・ワクチンにあると考える人もいる。ワクチンと自閉症との関係を疑う人もいる。 アメリカで感染症対策の拠点とされているのはCDC(疾病予防管理センター)だが、ここやFDA(食品医薬品局)と医薬品業界との癒着を指摘する声もある。 アフリカ西部のギニアでは2013年12月からエボラ出血熱が広がりはじめ、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリア、さらにアメリカやヨーロッパへ伝染、1万1323名が死亡(致死率は70から71%)したが、その地域ではCDCはテュレーン大学と研究所を運営し、フォート・デトリックを拠点とするUSAMRIID(アメリカ陸軍感染症医学研究所)も活動していたと伝えられている。 COVID-19の場合、西側では「不適切な対応」で感染を拡大、それを口実にして戒厳令的な政策を打ち出し、収容所化を推進中だ。こうした政策は最近になって始まったことでなく、遅くとも1960年代には具体化している。1968年にマーチン・ルーサー・キング牧師が暗殺された直後、暴動鎮圧を目的として2旅団を編成したガーデン・プロット作戦が有名だ。 また1970年には令状なしの盗聴、信書の開封、さまざまな監視、予防拘束などをFBIやCIAなどに許そうというヒューストン計画が作成されたが、これはリチャード・ニクソン政権の司法長官、ジョン・ミッチェルが激しく反対、大統領を説得して公布の4日前、廃案にしている。(Len Colodny & Tom Schachtman, “The Forty Years Wars,” HarperCollins, 2009) こうした収容所化政策は1978年、つまりジミー・カーター大統領の時代にネオコンのサミュエル・ハンチントンがズビグネフ・ブレジンスキーと一緒にFEMA(連邦緊急事態管理庁)という形で復活させ、それがCOGへ発展している。その延長線上に現在の情況はある。
2020.04.12
日本でもCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大を理由にして経済活動にブレーキがかけられ、恐慌に突入すると懸念する人も少なくない。巨大企業は例によって手厚く救済され、比較的小さい企業や庶民がその尻拭いをさせられることになるのだろう。 2008年9月にアメリカの大手投資会社リーマン・ブラザーズ・ホールディングズが連邦倒産法の適用を申請したときと基本的には同じだろうが、今回の規模は1929年並みに大きくなるとも言われている。 闇金を始め、他人の資産を掠め取ることを生業にしている人たちがいる。そうした人びとの典型的な手口は、まずターゲットを借金漬けにすることだ。他人の借金を背負わせたり、仕事を失敗させたりする。そうした略奪を世界規模で行っているのが欧米の金融システムで、いわゆる発展途上国は食い物にされてきた。 日本の場合、1923年の関東大震災がウォール街に支配されるひとつの切っ掛けになった。この災害で関東周辺は大きな打撃を受け、復興のための資金を日本政府は外債の発行で調達することにする。その責任者が森賢吾財務官だが、当時、最もJPモルガンと親しかった日本人は井上準之助だと言われている。 外債発行の交渉相手はアメリカのJPモルガン。この金融機関を創設したのはジョン・ピアポント・モルガンだが、その背後にはロスチャイルド家が存在していた。 ジョン・ピアポント・モルガンの父親、ジュニアス・モルガンはロンドンでジョージー・ピーボディーなる人物と銀行を経営していたが、業績が1857年に悪化、倒産寸前になる。その銀行を救済したのがピーボディと親しかったロスチャイルド家。そのロスチャイルド家に目をかけられたのがジュニアスの息子である。 1923年当時、JPモルガンはジョン・ピアポント・モルガンの息子であるジョン・ピアポント・モルガン・ジュニアの時代になっていた。その結婚相手のいとこが1932年から駐日大使を務めたジェセフ・グルーだということは本ブログで何度か指摘してきた。ダグラス・マッカーサーもその人脈に属す。 その1932年にアメリカでは大統領選挙があり、ウォール街と対立していたニューディール派を率いるフランクリン・ルーズベルトが当選、1933年から34年にかけてウォール街の大物たちはニューディール派を排除してファシズム体制を樹立するためにクーデターを計画した。それを阻止したのがスメドリー・バトラー退役少将だということも本ブログで書いてきた通り。 ファシズムを「是」とするウォール街が日本の政治経済に大きな影響力を及ぼしてきた。時期によって程度の差はあるだろうが、1923年から現在に至るまで、その基本構造に変化はない。戦後日本の民主主義とはその上に築かれたのだ。 現在、日本は多額の国債を発行しているが、その発行額が急増しはじめたのは1970年代の後半である。1979年に出された「住銀調査レポート」によると、日本では多額の借金をする一方、「資金運用部には余裕資金残高が激増」している。 つまり、1977年度の国庫対民間収支は2兆4430億円の受超で、78年度は実質的に2兆円を上回る受超だと推測、資金運用部の余資残高を推計するとその規模は1978年度末で約7兆円に達するものと見込まれると指摘していた。「資金の効率的運用という観点から極めて不合理な事態といわざるをえない」というのだ。この時から日本では意図的に借金が膨らまされてきたのではないか? 欧米の金融機関が作り出した略奪システムに日本を取り込むためには日本人ではなく彼らが債権者になる必要がある。COVID-19が「新たな関東大震災」として使われる可能性があるだろう。
2020.04.11
2014年にオバマ政権は中東だけでなく、ロシアと中国に対する攻撃を始めたのだが、その結果、中国とロシアは急速に接近し、戦略的な同盟関係に入ってしまった。パイプラインや交通網での結びつきが進み、経済的な交流も活発化していく。中国とロシアが接近するはずがないと高を括っていたアメリカ支配層は衝撃を受け、「必ず分裂する」と念仏を唱えている人も少なくない。 しかし、アメリカの支配層にも中国とロシアとの接近を懸念する人はいるはず。2016年2月にキッシンジャーがロシアを訪れた背景にはそうした懸念があったのだろう。そしてロシアとの関係修復を訴えるドナルド・トランプが急浮上した。 そのトランプを引きずり下ろすために民主党、CIA、司法省、FBIなどは2016年の段階で動き始めている。選挙で勝利したトランプがフリンを国家安全保障補佐官に据えると、有力メディアは激しく攻撃した。その理由は言うまでもないだろう。 2014年のウクライナにおけるクーデターを現場で指揮していた人物としてネオコンで国務次官補だったビクトリア・ヌランドが知られているが、ホワイトハウスで指揮してのは副大統領だったバイデンだ。そして汚職事件の容疑者になる。 未成年の女性らを各国の有力者に提供、その行為を記録することで弱みを握り、操るというイスラエルのプロジェクトで中心的な役割を果たしていたジェフリー・エプスタインが2019年7月に逮捕され、収監中の8月に房の中で死亡した。 これも繰り返し書いてきたが、エプスタインの妻はギスレイン・マクスウェルであり、その父親はイギリスのミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェル。 ロバートは生前、イギリスの情報機関と関係していると言われていたが、イスラエル軍の情報機関ERDに所属、イツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めた経験のあるアリ・ベンメナシェによると、3名ともイスラエル軍の情報機関、つまりAMAMに所属していた。 2019年の段階でアメリカの支配層はスキャンダルで危険な状態になっていた。その背後では支配層の内紛があるはずだが、そうした中、司法長官として登場してきたのがウィリアム・バー。この人物はジョージ・H・W・ブッシュが大統領だった1991年から93年にかけて司法長官としてイラン・コントラ事件を処理している。 バーは1971年から73年にかけてコロンビア大学の大学院で学んでいるが、その時点でCIAの仕事をしている。1977年にCIAを離れて連邦巡回裁判所判事の書記になるが、それはジョージ・H・W・ブッシュの推薦による。父親がアレン・ダレスと親しいブッシュが遅くともエール大学でCIAにリクルートされた可能性が高いことは本ブログでも書いてきた。 2019年から民主党、CIA、司法省、FBIなどが有力メディアを使ってトランプ攻撃とロシアとの関係悪化を目的として始めた「ロシアゲート」は破綻、仕掛けた側が危機に陥っていた。それを放置しておくと支配システムそのものを壊すことにもなりかねない。すでに崩れ始めているシステムが一気に崩壊することもありえる。そうした情況を処理する役をバーは命じられたのだろう。バイデンが再登場してきたのは、その処理が一段落したからかもしれない。(了)
2020.04.10
アメリカでは今年11月に次期大統領を決める投票が予定されている。巨大資本やシオニストに支配される「2大政党」、つまり民主党と共和党の候補者で争われる恒例の行事だが、それでも支配システムにとって好ましくない候補者も存在する。 最も嫌われていたのは戦争反対の立場を鮮明にしていたトゥルシ・ガバードだろうが、支持率は低かった。バーニー・サンダースも嫌われていたのだが、ここにきて選挙キャンペーンを中断することが明らかにされた。残ったのはウクライナの汚職事件に関係していると言われているジョー・バイデンだ。 ウクライナのスキャンダルもあって2月には人気が大きく低下させていたバイデンだが、大富豪のマイケル・ブルームバーグ、イスラエルやCIAとの関係が露見したピート・ブータジャジ、やはりイスラエルとの関係が深いアミー・クロウバシャー、元ハーバード大学教授で外交問題はイスラエルに従っているエリザベス・ウォーレンらが撤退、COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大が話題になる中、復活した。 民主党の幹部は2016年の大統領選挙でもサンダースを潰すために工作を裏で行っていた。その一端を明らかにする電子メールを2016年3月に公表したのがウィキリークスだったが、その看板的な存在だったジュリアン・アッサンジは2019年4月、ロンドンのエクアドル大使館でイギリス警察に逮捕され、現在はベルマーシュ刑務所の中だ。ここはイギリス版のグアンタナモ刑務所と言われている。 尋問にはアメリカから国防総省、FBI、CIAの人間が参加、BZ(3-キヌクリジニルベンジラート)という薬物が使用されとも伝えられた。この薬は幻覚を生じさせ、現実と幻覚を混乱させるほか、昏睡、物忘れなどを含む意識障害、あるいは運動失調症を引き起こすとされている。精神的な面で治療が必要な情況になったとも言われた。 本ブログでは繰り返し書いてきたが、ウィキリークスが2012年2月に公表した民間情報会社ストラトフォーの電子メールによると、アメリカ当局がアッサンジを秘密裏に起訴したのは2011年初め。その後、この情報は公的な文書で確認された。ケレン・ドワイアー検事補が裁判官へ書いた文書の中で、アッサンジが秘密裏に起訴されていると記載されているのだ。 2016年の選挙での勝利者はヒラリー・クリントンだと2015年の段階では見通されていた。2015年6月中旬にオーストリアで開催されたビルダーバーグ・グループの会合にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。 こうした流れに変化が生じたと言われたのは2016年2月。10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン大統領と会談、22日にはシリアで停戦の合意が成立したからだ。 クリントンはバラク・オバマ政権の外交政策を引き継ぎ、ロシアとの関係悪化を推進すると見られていた。オバマ政権の副大統領がバイデンだ。 オバマ政権は中東制圧を正規軍からサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵(アル・カイダ系武装集団)に切り替え、2014年にはダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)が売り出された。この武装集団は残虐さを演出、リビアのケースと同じようにアメリカ/NATO軍による空爆と地上の傭兵を連携させた侵略を容認する雰囲気を作ろうとした。 オバマ政権の政策はダーイッシュ的なサラフィ主義者やムスリム同胞団の武装集団を作りだし、シリア東部をその集団が支配すると2012年の段階で警告していたのがアメリカ軍の情報機関DIAで、その時のDIA局長がマイケル・フリン中将だった。フリンは2014年8月に退役を強いられる。 2014年2月にオバマ政権のネオコン(シオニストの一派)はウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。選挙で民主的に選ばれた政権をアメリカは暴力的に倒したのだ。 この年の9月から12月にかけてアメリカやイギリスの情報機関、つまりCIAやMI6は香港で「佔領行動(雨傘運動)」を仕掛け、中国政府を揺さぶった。その運動の指導者として知られているのは、イギリス王室の顧問弁護士を務めていた李柱銘(マーチン・リー)、メディア王と呼ばれる親欧米派の黎智英(ジミー・リー)、香港大学の戴耀廷(ベニー・タイ)副教授、あるいは陳日君(ジョセフ・ゼン)、余若薇(オードリー・ユー)、陳方安生(アンソン・チャン)らだ。(つづく)
2020.04.09
安倍晋三政権に限らず、世界規模で「ロックダウン」状態になりつつあるようだ。隔離、封鎖、感染した可能性のある人びとの拘束、全体の自宅軟禁などへ進みつつある。イデオロギーには関係なく、こうした手段は体制を維持するためには有効だと考えられているのだろう。 支配的な立場にある人びとが自分たちの利害と大多数の人びとの利害が一致しないと考えている場合、支配者は被支配者が集まり、相談し、行動することを恐れ、被支配的な立場の人びとを分断しようとする。逆に被支配者は支配者に対抗するため、団結する必要があるわけだ。 建前上、支配者と被支配者という階級は存在したとしている国が少なくないが、勿論、存在する。最近は日本の被支配者もそうした実態に気づき、「上級国民」という用語が使われるようになった。被支配者は言うまでもなく「下級国民」だ。被支配者が体制の仕組みに気づき始めたのは支配者にとって危険な兆候と言えるだろう。 支配者とは巨大企業、その企業を所有している富豪、その周辺で働いているエリートなどのネットワークに属す人びとで、一種の私的権力である。その私的権力がコントロールしてきた支配システムが現在、揺らいでいる。これも本ブログで繰り返し書いてきた。 その支配システムを維持することが困難になっていることは支配者も認識しているはずで、新たな世界秩序の構築を目論んでいる。そうした中からTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)は考え出された。 この仕組みに含まれているISDS(投資家対国家紛争解決)条項によってアメリカを拠点とする巨大資本が世界を直接統治できるようになり、そうした巨大企業のカネ儲けを阻むような法律や規制は賠償の対象になるはずだった。健康、労働、環境など人びとの健康や生活を国が守ることはできなくなるのだ。こうした協定への反発は強く、最近は話題にならなくなったが、かれらが放棄したとは思えない。 こうした仕組みを作ろうとしていた私的権力は現在、世界を収容所化し、大多数の人びとを囚人として管理しようとしている。その計画を推進する上で好都合な出来事が昨年後半から起こっていることは言うまでもない。COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大だ。 これまで強大な私的権力は国を内部からコントロールしてきたが、ここにきて国を支配下に置いて自分たちが直接統治しようとしているように見える。ボリス・エリツィン時代のロシアを全世界、少なくとも西側全域に広げようとしている可能性がある。かつて、フランクリン・ルーズベルトやヘンリー・ウォーレスが警告したファシズムの世界を彼らは作り上げようとしていると考えるべきだ。 1932年のアメリカ大統領選挙でニューディール派を率いるフランクリン・ルーズベルトが当選、その翌年にはニューディール派の政権を倒すためにクーデターを計画した。ある時期までこの事実を語ることはアメリカでタブーだったが、インターネットが発達した現在、少なからぬ人が知るようになっている。 このクーデター計画でウォール街が司令官候補と考えていたのは海兵隊の伝説的な軍人で軍隊の内部で人望のあったスメドリー・バトラー退役少将。この人物を抱き込まないとクーデターは成功しないという判断からの人選だった。 そこでウォール街のメッセンジャーが説得のためにバトラーの下を訪れるのだが、少将は計画内容を詳しく聞き出した上で拒否、カウンタークーデターを宣言し、議会で告発している。 この話を聞いたジャーナリストのポール・コムリー・フレンチはクーデター派を取材、コミュニストから国を守るためにファシスト政権をアメリカに樹立させる必要があるという発言を引き出した。 クーデター派の中心的な存在だったJPモルガンは当初からバトラーをラディカルだとして信用していなかった。この巨大金融機関が考えていた人物は陸軍参謀長だったダグラス・マッカーサー。この軍人が結婚した相手の母親はJPモルガンの共同経営者と結婚している。 ちなみに、大統領選挙があった1932年に駐日大使として日本へ来たジョセフ・グルーはいとこがジョン・ピアポント・モルガン・ジュニア、つまりJPモルガンの総帥と結婚している。関東大震災以降、日本の政治経済がこの金融機関の影響下にあったことは本ブログで繰り返し書いてきた通りだ。戦後日本の進む方向を決めたジャパン・ロビーの中枢にもグルーはいた。
2020.04.08

安倍晋三政権はCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大を口実にして「緊急事態」を宣言するようだが、これは戒厳令の予行演習としか言い様がない。 アメリカのドナルド・トランプ大統領は3月13日に「国家緊急事態」を、23日にはイギリスのボリス・ジョンソン首相がいわゆる「ロックダウン」をそれぞれ宣言した。安倍政権はその後を追いかけているように見える。日本政府の動きはアメリカからの指示に基づいている可能性があるだろう。 2月4日にダイヤモンド・プリンセスというクルーズ船の船内で感染者が確認された後、感染対策の専門家から安倍政権は適切な対策を講じていないと批判された。そのために船内の感染は拡大したのだ。 しかし、日本への感染ルートはこのクルーズ船だけではない。多くの人が国外から入ってくる。このウイルスの潜伏期間は2週間で、しかも感染者の約8割は症状がほとんどないようなので、本人が気づかずにウイルスをまき散らすことは避けられない。 イギリス政府は3月19日にCOVID-19(新型コロナウイルス)をHCID(重大感染症)から外したことは本ブログでも伝えた。日本では最も病毒性が高い伝染病を一類感染症と呼び、患者や疑似症患者は入院措置の対象になっている。エボラ出血熱のようなウイルス性出血熱やペスト、天然痘などだ。勿論、COVID-19は含まれていない。 COVID-19の危険性を印象づけるため、何が原因で死亡したかに関係なく、このウイルスに感染していたならCOVID-19で死んだことにしているとドイツで批判されているが、同じことは他の国でも行われているようだ。 これも本ブログですでに書いたことだが、イタリアでの調査によると死亡した感染者の平均年齢は81歳を上回り、90%は70歳以上。しかも80%以上は複数の慢性的な病気、例えば心臓病、糖尿病、癌などを抱えていて、健康だった人は1%未満。イタリア健康省の科学顧問を務めるウォルター・リッチアルディによると、コロナウイルスが直接的な原因で死亡した人数は死者全体の12%にすぎないという。 日本政府は当初からCOVID-19の感染状況を調べようとしていない。検査する能力がないのではなく、検査する意思がないのだ。症状が出ている人のみを感染者の総数にすれば、当然のことながら、致死率は上がる。感染者の約8割は症状がほとんどないことをWHOも認めている事実だ。 そうした病毒性の問題はあるのだが、それはさておき、感染者の入国を完全に止めることは不可能だ。潜伏期間や無症状の感染者の問題がある。おそらく、徳川時代並みの出入国管理をしても無理だろう。 もし、税関で患者の入国を完全に止められたとしても、アメリカ軍は日本側のチェックを受けずに出入国が可能だ。COVID-19感染が始まったとされる中国の武漢では、昨年10月18日から27日にかけて国際的な軍人の競技会が開かれ、アメリカも選手団を派遣した。アメリカ人競技者は172名とされているが、実際に中国入りしたのは369名だという。アメリカの軍人は感染拡大の原因になっている可能性がある。 伝染の拡大を抑えるために最も重要な対策は、システムとして検査態勢や治療体制を整備することだろう。今からでは遅いが、やれることはある。そうした面でアメリカは最悪だ。 安倍政権はそのアメリカを見ながら動いているように見える。医療現場の体制が充実していれば、今回のケースでも対応できた。新自由主義に基づいて日本の医療体制を破壊してきたのは中曽根康弘、小泉純一郎、菅直人、野田佳彦、安倍晋三といった人びと、そしてその背後にいるアメリカ支配層だ。こうした人びとはCOVID-19への対応に失敗したのでも、医療現場や経済活動を知らないのでもないだろう。 中国では経済活動が急回復していると伝えられているが、アメリカや日本をはじめとする国々は深刻な不況に突入する可能性がある。企業の倒産や国の破綻をビジネス・チャンス、金もうけの好機と考える人もいる。富を略奪できるからだ。ソ連が消滅した際、西側の巨大資本やその手先になった現地の人びとは大儲けし、オリガルヒと呼ばれる人びとを生み出した。倒産や破綻を仕掛ける能力がある強大な私的権力は、そうした情況でライバルを潰すこともできる。 しかし、そうした私的権力の真の目的は別にあると言えるだろう。世界を収容所化し、大多数の人びとを囚人として管理しようとしているのだ。その収容所を私的権力が支配する世界、フランクリン・ルーズベルトやヘンリー・ウォーレスが警告したファシズムの世界が彼らの目標だと考えるべきだ。
2020.04.07
今から52年前の3月16日、南ベトナムのカンガイ州にあるソンミ村にミライ地区とミケ地区で農民がウィリアム・カリー大尉が率いる小隊に虐殺された。アメリカ軍によると犠牲者の数はミライ地区だけで347名、ベトナム側の主張ではミライ地区とミケ地区を合わせて504名だという。この虐殺はCIAが特殊部隊を使って実行していた皆殺し作戦フェニックス・プログラムの一環、つまりアメリカ軍の作戦ではなかった。 虐殺が発覚した一因は、農民が殺害されている最中に現場の上空にさしかかったアメリカ軍のOH-23偵察ヘリコプターが介入したからだ。ヘリコプターからヒュー・トンプソンという兵士が農民を助けるために地上へ降りたのだ。その際、トンプソンは同僚に対し、カリーの部隊が住民を傷つけるようなことがあったなら銃撃するように命令していたとされている。 事件が報道されるとCIAは事件の隠蔽を図る。調査を任されたウィリアム・ピアーズ将軍は第2次世界大戦中、CIAの前身であるOSSに所属、1950年代の初頭にはCIA台湾支局長を務め、その後もCIAとの関係は続いていた。 その調査を受けて16名が告発されたものの、裁判を受けたのは4人にすぎず、そして有罪判決を受けたのはカリー大尉だけだ。そのカリーもすぐに減刑されている。ソンミ村での虐殺を責任に問えば、フェニックス・プログラム全体が問題になってしまうからだ。 そうした虐殺事件などをもみ消す役割を負っていたひとりが1968年7月に少佐としてベトナム入りしたコリン・パウエル。カリー大尉の小隊は第23歩兵師団に所属していたが、パウエルが配属されたのも第23歩兵師団で、虐殺について知っていた。 トンプソンを含むアメリカ軍の兵士は帰国後、ベトナムで住民を虐殺している実態を議員などに告発しているが、政治家は動かない。アメリカ軍には従軍記者や従軍カメラマンがいたが、そうした人びとも沈黙を守った。虐殺事件を明らかにする記事を書いたシーモア・ハーシュは従軍していたわけではなく、ジェフリー・コーワンという人物から聞いて取材を始めたのである。 コーワンは1968年の大統領選挙で民主党の上院議員でベトナム戦争に反対していたユージン・マッカーシーの選挙キャンペーンに参加していたが、ハーシュもマッカーシー陣営にいた。コーワンがソンミ村の虐殺をハーシュへ伝えられた一因は、彼の父親がCBSの社長を務めたルイス・コーワンで、母親のポリー・コーワンはテレビやラジオのプロデューサーだということだろう。 有力メディアはベトナム戦争でアメリカの戦争犯罪を報道しようとしなかった。デボラ・デイビスによると、アメリカの支配層が第2次世界大戦が終わって間もない1948年頃からモッキンバードと呼ばれる情報操作プロジェクトが始められ(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979)、ウォーターゲート事件を取材したことで有名な元ワシントン・ポスト紙記者のカール・バーンスタインによると、400名以上のジャーナリストがCIAのために働き、1950年から66年にかけて、ニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供しているとCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977) また、ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙(FAZ)の元編集者、ウド・ウルフコテによると、ジャーナリストとして過ごした25年の間に彼が教わったことは、嘘をつき、裏切り、人びとに真実を知らせないことで、多くの国のジャーナリストがCIAに買収されているとしている。人びとがロシアに敵意を持つように誘導するプロパガンダを展開、人びとをロシアとの戦争へと導き、引き返すことのできない地点にさしかかっているとしていた。2017年1月、56歳のときに彼は心臓発作で死亡した。 アメリカをはじめとする西側の有力メディアはユーゴスラビアやイラクへの先制攻撃、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を傭兵として使った侵略戦争、あるいはCOVID-19(新型コロナウイルス)に関して偽報道を続けてきた。彼らに「報道の自由」を期待することは犯罪的だ。
2020.04.07
日本におけるCOVID-19(新型コロナウィルス)の感染がどのように拡大してきたかは明確でないが、早い段階でダイヤモンド・プリンセスというクルーズ船が注目されていたことは間違いない。2004年3月に就航している。 船内でCOVID-19に10名が感染していると確認されたのは2月4日。横浜から出港する予定になっていた日だ。乗員乗客3700名は隔離状態になり、7日には感染の確認された人が61名に増えた。乗員や乗客だけでなく厚労省の職員や検疫官も罹患したようだ。 この時、安倍晋三政権の対応が問題になっている。防護服を着なければならない区域と脱いでかまわない区域が明確でなく、常駐してるプロの感染対策の専門家がいないと指摘した神戸大学病院感染症内科の岩田健太郎教授を安倍晋三政権は批判していたが、岩田教授のような指摘をする人はほかにもいた。橋本岳厚労副大臣などはそうした指摘に対する反論の中で「清潔ルート」と「不潔ルート」が合流していることを示す写真を公表して失笑を買っている。 このクルーズ船を所有しているのはカーニバルPLC。2003年にP&Oプリンス・クルーズとカーニバルが合併して誕生した。P&Oプリンス・クルーズは2000年にP&Oグループから分割されている。 カーニバル社は1972年、イスラエル系実業家のテッド・アリソンによって創立された。アリソンは1924年、イギリスが委任統治していたテル・アビブで生まれた。1952年にアメリカへ渡り、そこで66年にノルウェー人のヌット・クロステルとクルーズ船の会社を設立したが別れる。そしてイスラエル系実業家のメシュラム・リクリスから支援を受けて1972年に創設したのがカーニバル・クルーズ。1993年には社名をカーニバルへ変更した。
2020.04.06
2007年7月にバグダッドでロイターの特派員2名を含む非武装の十数名をアメリカ軍の軍用ヘリコプターAH-64アパッチから銃撃、射殺する様子を撮影した映像をウィキリークスが公表したのは今から10年前、2010年の4月5日だった。 その映像を見れば、攻撃された人びとが武装しているようには見えず、ヘリコプターの乗組員が武装集団と誤認したとは考えられない。勿論、戦闘はなかった。この事実を報道しなかったメディアはアメリカ軍が行った市民殺害の隠蔽に加担したことになる。 殺害があった際、現場をパトロールのために通りかかったアメリカ軍の兵士、イーサン・マッコードは凄惨な現場と上空から下を撮影しているヘリコプターを目撃している。そこで重傷を負った少女をマッコードは助け出し、2010年にはウィキリークスが公表した情報を裏づける証言をしたのだが、それが原因で脅迫を受けることになった。 アメリカ主導軍がイラクを先制攻撃してサダム・フセイン体制を倒したのは2003年3月のこと。その年の11月にはAPがイラクのアブ・グレイブ刑務所で拷問が行われていると報道している。 この刑務所の所長は第800憲兵旅団の司令官だったジャニス・カルピンスキー准将だったが、彼女によると、刑務所内で拷問が行われていたセクションを管理していたのは軍の情報部であり、彼女は実態を把握していなかったという。拷問の写真が外部へ漏れ出ているが、常識的に考えて、兵士が独断で撮影することはありえない。拘束されている人びとをコントロールするため、脅しの手段として撮影されたとも推測されている。 カルピンスキーによると、その刑務所にはイスラエル人の尋問官がいたという。また「民間企業」の尋問官や通訳が働き、人道に反する方法を使っていたことも明らかにされている。 そうした企業にはCACIやタイタン社が含まれていたが、軍需産業の大手、ロッキード・マーチンもその分野への進出を図っていた。そのためにグアンタナモ刑務所へ尋問官と情報分析官を派遣していたACSなる会社を2003年に、また尋問官や通訳を派遣していたサイテックス社を2005年に買収している。(William D. Hartung, “Prophets of War”, Nation Books, 2011) この問題では実態を外部で語ったカルピンスキーが2004年に退職になり、その翌年には准将から大佐へ降格になったものの、拷問の実行者たちの責任は曖昧なまま幕引きになった。 国防長官を務めていたドナルド・ラムズフェルドは勿論、アメリカの外で行えば拷問は可能だとアドバイスした司法省のジョン・ユーにも責任はある。世界各地に作られた秘密刑務所のひとつがタイにあったが、そこで拷問を指揮していた「血まみれのジーナ」ことジーナ・ハスペルは2018年からCIA長官を務めている。 その一方、拷問を告発した元CIA分析官のジョン・キリアクは懲役30カ月の判決を受け、刑務所に入れられた。2010年4月に公表された映像を含む情報をウィキリークスへ提供したブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニング)は2010年5月に逮捕され、軍事法廷は懲役35年を言い渡した。戦争犯罪の告発者を厳罰に処すのがアメリカ流だ。 マニングから資料を受け取ったウィキリークスの看板的な存在であるジュリアン・アッサンジはエクアドル政府から亡命が認められたが、アメリカの意向を受けたイギリス当局が彼を逮捕しようとしたため、アッサンジはロンドンのエクアドル大使館から出られなくなった。 エクアドルの大統領が2017年にラファエル・コレアからレニン・モレノに交代すると、モレノは亡命を取り消した。エクアドルではモレノが汚職で受け取ったカネのロンダリングを行うためにINA投資という名前のペーパーカンパニーを2012年にベリーズで作ったという話がリークされたのだが、その責任はウィキリークスにあるからだという。 そのモレノ政権は2019年3月にIMFから42億ドルの融資を認められ、その翌月にイギリス警察はエクアドル大使館へ乗り込み、アッサンジを逮捕した。アッサンジはイギリス版のグアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所で拘束され、アメリカへオーストラリア人のアッサンジを引き渡すための手続が進められている。そこではアメリカの国防総省、FBI、CIAに所属している人びとがアッサンジを尋問、BZ(3-キヌクリジニルベンジラート)という薬物が使用されたともいう。 イギリスのボリス・ジョンソン政権はCOVID-19(新型コロナウイルス)が蔓延しているという理由からロックダウンを宣言したが、そうした中、アッサンジは刑務所に閉じ込められたままだ。
2020.04.06
イギリス政府は3月19日にCOVID-19(新型コロナウイルス)をHCID(重大感染症)から外した。ボリス・ジョンソン首相がいわゆる「ロックダウン」を宣言したのはその4日後だ。食料の買い出しや健康上の理由、あるいは仕事のために必要な場合を除いて外出を禁じ、他人とは2メートルより近づかず、帰宅後は手を洗うように求め、さらに友人や家族とも会うなとしている。COVID-19の問題は医療ではなく政治の問題になっている。 日本も同じ方向へ動いていることを示す動きがあった。COVID-19を1類感染症と同列に扱うことを政令で定めたと3月26日付け官報の号外に書かれているのだ。これによって交通を制限したり遮断することができるのだという。この辺の事情、あるいは法律的な問題について詳しくないので深入りしないが、安倍晋三政権はイギリス政府の動きと連動しているようにも見える。 アメリカはこの問題でイギリスや日本より先行して動いている。アメリカ司法省は議会に対し、審理なしに人びとを拘束する権限を裁判所に与えることを求め、国防総省の高官はホテル、大学のキャンパス、スポーツ施設などを接収する計画を作成中だとしているのだ。 これはドナルド・トランプ政権云々の話ではないことは本ブログでも繰り返し書いてきた。1968年にマーチン・ルーサー・キング牧師が暗殺された直後に暴動鎮圧を目的として2旅団を編成(ガーデン・プロット作戦)、1970年には令状なしの盗聴、信書の開封、さまざまな監視、予防拘束などをFBIやCIAなどに許そうというヒューストン計画が作成された。 ヒューストン計画はリチャード・ニクソン政権の司法長官、ジョン・ミッチェルが激しく反対、大統領を説得して公布の4日前、廃案にした(Len Colodny & Tom Schachtman, “The Forty Years Wars,” HarperCollins, 2009)のだが、1978年、つまりジミー・カーター大統領の時代にネオコンのサミュエル・ハンチントンがズビグネフ・ブレジンスキーと一緒にFEMA(連邦緊急事態管理庁)という形で復活させた。 アメリカやイギリスの支配層はこうした長期プランに基づき、社会の収容所化を一気に進めようとしている。そのため、新型コロナウイルスを妖怪のように見せている。オサマ・ビン・ラディンと同じような役割をこのウイルスに演じさせていると言えるだろう。
2020.04.04

相変わらず大手メディアはCOVID-19(新型コロナウイルス)の宣伝に熱心で、ペストやエボラ出血熱を持ち出して恐怖を煽っている。大手製薬会社にとっては大変のビジネスチャンスだが、その恐怖を利用して支配層大多数の人びとを監視し、行動を規制するシステムを推進、つまり社会の収容所化を進めようとしていることも事実だ。 どのようにして出現したのかはともかく、COVID-19が伝染病であることは確かであり、それなりの対策は必要。だが、それはインフルエンザについても同じことが言える。「免疫がない」とも宣伝されているようだが、感染が拡大していた中国で病気が沈静化していることは否定できない。そうした情報を西側の有力メディアは嫌っているようだ。つまり危機を煽りたがっている。 キューバで研究が進んでいるインターフェロン・アルファ2bが有効であり、抗マラリア剤として知られているヒドロキシクロロキンを抗生物質のアジスロマイシンと一緒に早い段階で投与すれば効果があるとも報告されている。これは本ブログで繰り返し書いてきた。アメリカのように公的な医療システムが崩壊している国ではCOVID-19の感染も深刻だろうが、そうでなければパニックになる必要は全くない。 クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスの艦内で患者が見つかった際、日本の厚生労働省は適切な対応をせず、防護服を着なければならない区域と脱いでかまわない区域が明確でなく、常駐してるプロの感染対策の専門家がいないという状態で、患者を増やすことになった。 政府は無能だと解釈することもできるが、病気を蔓延させようとした可能性もある。日本政府かどうかは不明だが、病気への対応を決める立場にある人、あるいは組織が感染を拡大させようとしたのではないかと疑いたくなる。 スペイン風邪に関する不可解な動きはすでに書いたので今回は割愛するが、21世紀に入ってから奇妙な「パンデミック」があった。2009年の豚インフルエンザだ。 WHOが「パンデミック」だと宣言したのだが、その前段階としてパンデミックの定義が変更されたことを忘れてはならない。これについては西側の有名メディアもインチキだと報じていた。その当時のWHO事務局長が香港出身で中国とカナダの国籍を持つマーガレット・チャン。 しかし、パンデミックの判断は事実上、WHOのSAGEが下す。そのメンバーの過半数は大手薬品メーカーやビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団と緊密な関係にあることが知られている。中でもオランダのアルベルトゥス・オステルハウスが製薬会社を大儲けさせるWHOの判断で重要な役割を果たした。2018年にアメリカで「弱毒化されたコロナウィルス」に関するピルブライト研究所の特許が認められたが、この研究所への主要出資者の中にもビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団は含まれていた。 ところで、豚インフルエンザは2009年4月にメキシコとアメリカの国境線地域で出現したと言われている。この時、通常の風邪も「豚インフルエンザの疑いがある」として感染者の数を膨らませていたと言われているが、WHOが緊急事態だと認定。そしてタミフルなる薬がインフルエンザの特効薬として注目された。 この薬は早い段階に服用すれば、少し早く直るという程度の代物で、2005年12月4日のサンデー・タイムズ紙によると、数十名のインフルエンザ患者を治療したベトナムの医師は、タミフルが効かなかったと話している。 この怪しげな薬を開発したのはアメリカのギリアド・サイエンスで、開発の翌年、つまり1997年から2001年までドナルド・ラムズフェルドが会長を務めていた。この薬に関するライセンスを供与され、製造販売していたのがスイスのロシュだ。 ラムズフェルドは2001年から06年まで国防長官を務めているが、その間、05年に国防総省はタミフルを備蓄するために10億ドル以上の予算を計上した。効果に疑問があるうえ副作用の問題もあるのだが、日本も大量に買うことになる。 COVID-19には世界の収容所化や巨大製薬会社のカネ儲けという問題があるわけだが、それだけでなく、細菌戦を実行するための予備調査ではないかという疑惑もある。どのように感染が拡大しているかを見ているというわけだ。その上でペストやエボラ出血熱並みの毒性を持つ病原体を使うのではないかと懸念されているのだ。
2020.04.03
イラクでPMU(人民動員軍)に対する攻撃を続けてきたアメリカ中央軍のケネス・マッケンジー司令官は3月10日、アメリカ下院軍事委員会でイラクへ防空システムをさらに持ち込むと語っていたが、AFPは3月30日にパトリオット・システムをアイン・アル・アサド基地へ配備したという。 アメリカ軍はイスラエルの情報機関からの協力を受け、1月3日にバグダッド国際空港でイスラム革命防衛隊の特殊部隊とも言われているコッズ軍を指揮してきたガーセム・ソレイマーニーを暗殺した。 昨年の10月上旬にサウジアラビアはイランと緊張緩和について話し合うことをイラク首相に約束しているが、その時にイラク首相を務めていたアディル・アブドゥル-マフディによると、サウジアラビアからの申し出に対する回答をソレイマーニーは持ってイラクを訪問したという。 アメリカがイランとサウジアラビアとの緊張緩和を望んでいないことは明白で、その交渉のメッセンジャー役を殺すことでイラン、イラク、そしてサウジアラビアの動きを止めようとしたのだろう。 しかし、イラク議会はソレイマーニーが殺された2日後に不法占領している外国の軍隊に撤退を求める決議を採択している。つまりアメリカ主導軍は出て行けということだ。アメリカによる違法行為をイラク外務省は国連へ正式に訴えるとしている。 そしたイラク側の抗議を無視してアメリカ軍は軍隊を駐留させ、軍事基地を守るために防空システムを増強している。不法占領だが、「国際世論」はそうしたアメリカによる主権の侵害に寛容だ。 2003年にアメリカ主導軍はイラクを先制攻撃、それ以来、同国で殺戮と破壊を繰り返してきた。バラク・オバマ政権はダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)を利用してシリア東部からイラクにかけての地域を支配(この辺の事情は繰り返し書いてきたので、今回は割愛する)。そのダーイッシュはイランでロシア軍によって壊滅的な打撃を受け、イラクではPMUに敗れた。 そこでアメリカはクルドを手先として使い始めたが、思惑通りには進んでいないようだ。そこでアメリカ軍が直接乗り出さざるをえなくなっているのだろう。 イラクはアメリカ支配層にとって、戦略的に重要。ジョージ・H・W・ブッシュを含む勢力はイラクをペルシャ湾岸の産油国を守る防波堤と考え、ネオコン(シオニストの一派)はシリアとイランを分断した上で両国を壊滅させ、イスラエルが中東を支配するための鍵を握る国だと考えていた。これは1980年代から主張されている。 そのネオコンの主要メンバー、ポール・ウォルフォウィッツは国防次官だった1991年にイラク、シリア、イランを殲滅するとしていた。この話はウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官が2007年に語っている。(3月、10月) 彼らが中東を支配しようと必死な理由のひとつは、言うまでもなく、石油をはじめとするエネルギー資源が豊富だからだ。エネルギー資源は力の源泉である。同じ理由でアメリカはベネズエラを乗っ取ろうとしている。 イギリスの長期戦略を引き継いだアメリカはユーラシア大陸の周辺部を支配、海上輸送をコントロールし、内陸国を締め上げてきた。イギリスがスエズ運河を支配、イスラエルとサウジアラビアを作り上げた目的もそこにあるはずだ。 サウジアラビアにはドル体制を維持するための重要な役割を果たしていることも本ブログで繰り返し書いてきたが、そうした意味でもサウジアラビアが自立することをアメリカ支配層は許さない。 イラクを支配し、イランを属国化できれば、そのすぐ北側にロシアが見えてくる。アメリカの封じ込め政策に対抗して中国が打ち出した一帯一路(BRIとも表記)を潰すための拠点にもなる。イランがCOVID-19(新型コロナウイルス)で揺れている情況をアメリカ支配層が喜んでいることは間違いないだろう。
2020.04.02
アメリカや日本の支配層がCOVID-19(新型コロナウイルス)を利用して戒厳令の予行演習、あるいは準備をしているように見えることは本ブログで繰り返し書いてきた。司法省は議会に対し、審理なしに人びとを拘束する権限を裁判所に与えることを求めるなど基本的な人権を無視する仕組みを作ろうとし、国防総省の高官はホテル、大学のキャンパス、スポーツ施設などを接収する計画を作成中だとしていることも根拠のひとつだ。 これも書いたことだが、アメリカで戒厳令の具体的な準備が始まったのは遅くとも1968年4月のことである。マーチン・ルーサー・キング牧師が暗殺された直後に大規模な蜂起があり、アメリカ軍は暴動鎮圧を目的とした2旅団を編成したのだ。ガーデン・プロット作戦である。こうした作戦が国防総省の内部でいくつも作成された。 第2次世界大戦後、アメリカ軍の内部ではソ連や中国に対する先制核攻撃計画も練られ、1950年代からは具体的なものになっていく。そして核戦争を前提にした秘密政府の樹立も決められる。「アイゼンハワー10」だ。これがベースになり、ジミー・カーター政権下の1979年にFEMAが組織され、COGにつながる。ガーデン・プロット作戦の後継作戦もCOGにリンクしているはずだ。こうした計画をCOVID-19は一気に具体化させたように見える。 しかし、そうした戒厳令の準備的な政策は経済活動に大きなダメージを与えている。アメリカの支配システムを支えてきた金融マジック(本ブログでは何度か説明しているので、今回は割愛)が限界に近づき、支援が必要な企業も少なくない。 そこで、そうした企業を救済する政策を求める声が議会で高まっているが、大多数の人びとにとって経済活動の急減速は無視できない状況になり、ドナルド・トランプ政権もそうした声に配慮しなければならなくなっている。 アメリカの医療体制が貧困だということは広く知られているが、コロナウイルスの感染でも問題が浮上した。3月18日にトランプ大統領が検査の無料化を定めた法律に署名する前、ダニー・アスキニという女性が検査と治療で3万4927ドルを請求されたことが報道されたのだ。 これだけ高額の請求をされた一因は健康保険に加入していなかったからだが、公的な保険が事実上ないアメリカでは未加入の人は少なくない。保険会社と契約する必要があるため、ある程度以上の企業で正社員として働いていなければ保険に入れないのが実態であり、体の具合が悪くなっても病院へは極力行かなくなる。COVID-19の感染拡大にともなう政策で経営が苦しくなった企業は社員を解雇するが、解雇された人は健康保険を失い、やはり体の具合が悪くなっても病院へは極力行かなくなる。こうしたアメリカの実態をCOVID-19の感染拡大が明らかにしていることも事実だ。
2020.04.01
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