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日本一時帰国中ですが、その滞在も残すところ2週間となりました。インフルエンザに倒れたりと、予期せぬ出来事が生じながらも充実しております。さてアラブ社会復帰(?)に向け、日本滞在で弛緩しきった私の気持ちも徐々に引き締まりつつあります。3月からは観光のハイシーズンへと向かいます。中東のゴタゴタの影響は観光業にも及んでいると思われますが…その影響は各国どの程度なんでしょうかねぇ。さて、日本滞在中にこんな本を読みました。ご存知の方もおられるかと思いますが、「地図が読めないアラブ人、道を聞けない日本人」という題名です。日本在住歴15年以上のエジプト人、アルモーメン・アブドーラさんが日本語で書いた本。日本人とアラブの思考・文化の違いを面白おかしく説明しています。これは、中東に旅行に来られる方・アラブに関心のある方・中東でビジネスを考えておられる方などにぜひ読んでいただきたい1冊です。3年間かかって苦しみながら体で学びとったことが実にサラリと書かれていて、「ほんまや、ほんまや!!」とか「やっぱりそうやったんか~」と共感できる部分が実に多い。私なりにこのブログでも、「これさえ分かればもう恐くない! アラブと上手に付き合う秘訣」などでアラブのメンタリティをご紹介してきましたが、自分の主観が強いかなぁ…という一抹の不安がなかったわけではありません。ところが実際にアラブが「アラブとはこういうものだ」と日本語ではっきり断定してくれると、しかもそれが私の観察とピタリと一致していると、むっちゃ安心!! 間違ってへんかったんやなぁ、と感無量(笑)! これをヨルダンに渡る前に読んでいたら…と悔やまれますが、まずこの本は3年前には存在していませんでしたし、たとえ読んでいたとしても、頭の知識と実際に体感するのとではまた違うかとも思います。それでも、日本人とアラブのメンタリティの違いは、中東に来る前にぜひ押さえておきたいもの。一番いいのは、この本を実際に読んでいただくこと。でも、このブログでもご旅行のご参考になればと、内容を少しご紹介させていただきます。今回ご紹介するのは「アラブ人の行動パターンの基本」。一言でいえば「自分の都合が優先」私の主観ではありませんよ。アラブ本人が断言しておりますから。1.物事の正否の基準は相手の都合ではなく、自分や身内の都合に左右される。本文には「”個人的に特別な事情があることを相手に訴えれば何とかなる”仕組みになっている」とあります。ほんまにこの通りやで!! アラブ社会では、自分の都合をだらだらと説明する者が勝者。2.相手の利益よりも自分の考えや願望を実現させるためにあらゆる手段を使い、根気強くしぶとくやる。ほんまにこの通りやで!! 自分と身内の利益のためには捨て身で頑張るのがアラブ。しかもほんまにしぶとい。3.細かいことは気にしないので、いわゆる「気が利く」といった行動は期待しないほうがよい。「”どうしてこんなことも分からないの”と自分の理論で考えず、言わなければ伝わらないということを理解しておこう」とありますが、ほんまにその通りやで!! 「なんでこんなに気が利かへんねん!!」と思うこと多々あり。3年も経つと、この「気の利かなさ」にすっかり慣れます。特にビジネス・シーンでは、マネージャ・クラスに対して赤子に話すように何度も何度も懇切丁寧に説明する必要あり。それでもアラブ側のミスは想定内。手ごわし、アラブ!!さあ、こんな愛すべきアラブ。ご旅行に来られる方は、こうしたアラブの行動パターンの基本をぜひ頭に入れておいてくださいね。そしてその真実さをぜひご体感…(いえ、ご体感していただきたくはないのですが、致し方ないかと思われますよ)くださいませ。以前にも増して自信を持ってお勧めできる「これさえ分かればもう恐くない! アラブと上手に付き合う秘訣」、旅創りのご参考にどうぞ。http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/200912140000/http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201009300000/ GWは中東散歩。http://picturesque-jordan.jp/japanese.aspx
2011.02.20

最近の私のお気に入りはアルジャジーラの Live Stream です。エジプトのデモの詳細などをオンラインで伝えていますので、日本の新聞やニュースより確実な情報が手に入ります。皆様もぜひどうぞ。http://english.aljazeera.net/watch_now/ 中東全域が非常事態という印象が強いようで、日本帰国中の私も「日本にいて良かったね~」とか「まさか中東に戻るの?!!」など色々な(ピント外れまくりの)コメントに遭遇します。先回のブログでもアップしましたが、中東と一口にいっても国によって状況は大きく異なります。そろそろ日本も「中東」とひとくくりにせずに、中東に存在するそれぞれの国を冷静に見つめる視点を培う時ではないかと思います。以前にいただいたお問い合わせメールの中で、非常に示唆に富む言葉をいただきました。「文明は中東から始まり、歴史は巡り巡って、再び中東に華が咲こうとしている」というニュアンスのコメントです。勝手にお言葉をお借りして申し訳ありませんが、この言葉が私の気持ちをピタリと言い当てていましたので、あえてここでもご紹介させていただきました。中東に咲こうとしている「華」をすでに見越して、韓国・中国などはものすごい勢いで中東に進出しています。 歴史の波にもまれて争いの絶えなかった中東ですが、限りない可能性を秘めており、今後世界で中東が果たす役割はさらに大きくなることでしょう。日本はすでに出遅れた感があります。エジプトのデモを「中東全域が非常事態」と言わんばかりに報道しているようでは、この先何も期待できません。まずメディアがアラブに対するネガティブなイメージを取り除くような報道をする必要があるのではないでしょうか? まず「アラブ=恐い」というイメージを取り払ってほしいですね。アラブも人間です。しかも人情味あふれるごくごく普通のおじさま・おばさま・若者たちなのです。私はなぜかアラブに対して「恐い」という感情を抱いたことは一度もありません(まぁ恐くなかったので単独でヨルダンに渡ったわけですが…)。むしろ昔から男性女性を問わず、「誤解されている人」が好きで、どちらかといえば誰からも好かれる人より、人から誤解されている人のほうに惹かれるほうでした。アラブは「誤解されている人」の最たるものではないかと思います。中東生活では、泣かされたり泣かしたり(??)、怒ったり怒らしたり(??)と色々ありましたが(いえ、これからもあるでしょうが)、アラブには非常に温かい感情を抱いています。まだまだマイナスのイメージが付きまとう中東、それでも足を運んでくださるお客様が途切れずにおられるのは嬉しいことです。皆様も百聞は一見に如かず!! とりわけ中東に関しては、ご自身でアラブの魅力を味わっていただきたいと思います。 中東の魅力については http://picturesque-jordan.jp/japanese.aspx まで。
2011.02.10
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